JP3727503B2 - 熱機関 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱機関に係り、特に、動力発生装置をガスタービン装置の排ガス後方に取付け、あたかも鏡面を対称面にガスタービン装置の圧縮機/燃焼器/タービンと動力発生装置のタービン/冷却器/圧縮機とが順列を逆にして同時に作動することを特徴とする熱機関に関する。
また、本発明は、ごみ処理などで発生される高温で、大気圧に近い状態のガスを有効利用できる用にした熱機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ガスタービン装置は、元来航空用として使われてきたが、近年車両または産業用にも広く応用されており、これらの効率向上及び構造の簡素化が求められている。
産業用ガスタービン装置の熱効率向上には、主として2つの方式がある。ひとつは、ガスタービン装置の排熱に水を通して蒸気を作り蒸気タ−ビンをまわし出力を増やす「複合サイクル(コンバインドサイクル)」である。他のひとつは、排熱の熱量をガスタービン装置の圧縮機の出口に戻し燃焼器入口の空気温度をあげ投入燃料を減らす「再生サイクル」である。複合サイクルは、発電所など大型ガスタービン装置に、また、再生サイクルは、中・小型ガスタービン装置に、主に使われている。
【0003】
また、近年、大量に利用され始めた天然ガスは、極低温の液体の状態で搬入されるので、燃料にするためには気化しなければならない。現在、海水を利用してこのような気化を行っているが、海水の温度が数度下がるので、生態系への影響を配慮して温めて海に戻している。その際、海水の温度と液体ガスの温度差である約180度を利用して、冷熱発電も併せて行われることもある。
また、ゴミ処理などで発生される排ガスは、高温であるが圧力が高くないので、水を通して温水にするか、ボイラーを介して蒸気にする等の利用法がとられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような、複合サイクル方式、即ち、発電所などで広く使われているガスタービン装置と蒸気タービンの併用による方式は、熱効率を上昇させる有効な方式として世界的に定着している。しかしながら、複合サイクル方式は、蒸気をつくりタービンをまわすため、莫大な費用と、ボイラーを含む大型の設備を必要とする。さらに、蒸気をつくるボイラーの金属表面の温度制約から、必ずしもガスタービン装置を最適圧力で作動させることができるとは限らない。
【0005】
一方、中・小型ガスタービン装置の効率向上に使われる再生サイクル方式では、高温排ガスの熱源を利用するに際し、高温に耐える熱交換器を必要とし、かつ、熱交換する温度差が少ないので高い熱交換温度効率を期待できない。さらに、ガスタービン装置側の圧縮比が高くなるシステムにおいては、もはや再生サイクル方式では熱交換がむずかしい。
【0006】
さらに、本発明は、天然ガス製造にも適用できる。従来の気化天然ガス製造技術においては、海水と液体ガスの180度程度の温度差を利用してフロンを用いたランキンサイクルで発電する冷熱発電も試みられた。しかしながら、従来の技術は、発電効率が数パーセントと低く、また、フロンを作動媒体に使うことなどから、この方式は衰退しつつある。
【0007】
また、ゴミ処理場などの煙突や焼却炉から出るガスは、大気またはそれに近い状態で排出される。特にゴミ処理においてはダイオキシンを生成させないため、最近では、ガス温度は従来より高められ900度C程度になっている。よってこの排ガスにはますます多くの熱エネルギーが含まれている。
本発明は、上述した方式の欠点をなくしてガスタービン装置の効率向上を図ることを目的とする。また、本発明は、天然ガス製造と発電を同時に一層高効率で行うことを目的とする。
【0008】
本発明は、製作法などが確立している既存の構成要素を主に利用し、各構成要素を新しく組み合わせることにより、熱効率を増加させた熱機関を提供するとともに、地球規模での炭酸ガス削減効果等に寄与することを目的とする。
また、本発明は、ゴミ処理などで発生される排熱エネルギー(特に、高温で比較的低圧のガス)を従来の方式よりもより有効に利用することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱機関によると、常圧またはそれに近い圧力の高温ガスをガスタービン装置に流入させ、ガスタービン装置のタービン出口後に、熱交換してガスの温度を下げ、中間冷却した圧縮機に流入させる動力発生装置を取付け、あたかも鏡面を対称面にガスタービン装置の圧縮機/燃焼器/タービンと、動力発生装置のタービン/冷却器/圧縮機とが、順列を逆にして同時に作動するようにしたことを主な特徴とする。本発明の動力発生装置は、通常のガスタービン装置が圧縮、加熱、膨張の過程をたどるのに対して膨張、冷却、圧縮の逆の過程をもつ鏡の面に写した2つのサイクルで作動する熱機関である。
【0010】
また、本発明を、大型の蒸気タービンをもつ複合サイクルに代わって用いたり、あるいは一般の産業用および車両用などの中・小型ガスタービン装置の再生サイクルに代わって利用することができる。さらに、本発明における冷却を液体天然ガス製造に適用すれば、ガス製造と発電を同時に行なうことができる。
【0011】
本発明の第1の解決手段によると、
第1の圧縮機、燃焼器及び第1のタービンを有するガスタービン装置と、
前記ガスタービン装置の排ガス後方に取付けられ、前記第1のタービンからの常圧又は常圧に近い圧力の高温の排ガスが流入される第2のタ−ビンと、前記第2のタービンからの排ガスが流入され熱交換をして排ガスの温度を下げる冷却器と、前記冷却器からの排ガスが流入される第2の圧縮機と、前記第2の圧縮機からの排ガスが流入され熱交換する中間冷却部を有する動力発生装置を備えた熱機関を提供する。
【0012】
また、本発明において、
前記動力発生装置の前記中間冷却部は、
前記第2の圧縮機の排ガスが流入され熱交換してガスの温度を下げる中間冷却器と、前記中間冷却器からの排ガスが流入される中間圧縮機とを有する中間冷却器を、ひとつ又は複数備えることを特徴とする。
本発明の第2の解決手段によると、
高温の第1の排ガスにより、流入された気体を常圧又は常圧に近い圧力の高温の第2の排ガスとする熱交換器と、
前記熱交換器からの排ガスが流入されるタ−ビンと、
前記タービンからの排ガスが流入され、熱交換をして排ガスの温度を下げる冷却器と、
前記冷却器からの排ガスが流入され、入口が負圧で作動される圧縮機と、
前記圧縮機からの排ガスが流入され熱交換する中間冷却部と
を備えた熱機関を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
(1)第1の実施の形態
図1に、本発明に係る熱機関の第1の実施の形態の構成図を示す。この熱機関は、ガスタービン装置100及び動力発生装置150を備える。ガスタービン装置100と動力発生装置150は、軸120によって直結されている。この軸120には発電機などの負荷を、接続することができる。ガスタービン装置100は、圧縮機C101、燃焼器B102とタービンT103を備える。動力発生装置150は、タービンT104、圧縮機C109〜112及び熱交換器Hx105〜108を備える。圧縮機C109〜112及び熱交換器Hx105〜108の組み合わせの段数は、図1では4段のものが記載されているが、基本的には2段以上あればよく、適宜の段数を備えることができる。図中、圧縮機C110〜111及び熱交換器Hx106〜108が、中間冷却部151としての作用を有する。また、図1では、動力発生装置150をガスタービン装置100に取り付けるとき、両者の軸同士は直結しているが、必ずしもこの軸は直結している必要はなく、別々に独立していてもよいものである。
【0014】
タービンT103及び104は、流体エネルギーを軸動力に変換するもので、その結果としてタービン翼を通過すると流体の温度と圧力が降下する。圧縮機C109〜112は、タービンT104の出力する軸動力を使って流体にエネルギーを与えるもので、圧縮機翼を通過すると流体の圧力と温度が上昇する。熱交換器Hx105〜108は、例えば温度差のある二つの流体を金属面などで仕切り、熱伝導を利用して二つの流体を混ぜ合わせることなく高い温度の熱エネルギーを低い温度の流体に与えるものである。燃焼器B102は、燃料を燃やして圧縮機C101からの空気を加熱するものである。
【0015】
次に、この熱機関の動作を説明する。図中の数字1〜12は、本発明におけるガスの作動状態を表している。空気等のガスが、ガスタービン装置100の圧縮機C101に入ると(状態1)、燃焼器B102によって高温ガスになり(状態3)、タービンT103に向かう。状態3の空気が入るタービンT103の後方にもう一つのタービンT104がおかれ、最初の熱交換器Hx105に入り(状態4)、圧縮機C109に供給される(状態5)。その後、中間冷却部151の熱交換器Hx106、圧縮機C110、熱交換器Hx107、圧縮機C111、熱交換器Hx108を経て(状態6−11)、圧縮機C112から排出される(状態12)。図1に示される動力発生装置150内の動力発生用タービンT104は、ガスタービン装置100内のタービンT103と同じ外径で描かれているが、実際には、軸流速度が過大にならないよう、例えば1.4ないし1.7程度外径を大きく設計することができる。
【0016】
図2に、ガスの作動状態を示す温度T・エントロピ−S線図を示す。図2は、図1における流体の流れ及びガスの熱力学的状態の変化を説明している。図中の数字は、図1の各状態に対応している。図において、Paは大気圧、Taは大気温度または環境温度である。図1、2を比べてみると状態4では大気圧Pa以下になっており、熱交換器Hx105を通って、環境温度Taである状態5に戻される。ここで、ガスは圧縮され、状態6〜11で熱交換器Hx106〜108によって環境温度Taに下げることを4回繰り返し、状態12で大気放出される。
【0017】
(2)第2の実施の形態
次に、図3に、本発明に係る熱機関の第2の実施の形態の構成図を示す。
図3は、図1における熱機関の動力発生装置が複数ある場合の実施の形態の構成図である。この熱機関は、ガスタービン装置200、複数個の動力発生装置250及び251、ディフューザ206及び207を備える。ガスタービン装置200、動力発生装置250及び251の構成は、図1と同様に構成される。ディフューザ206及び207は、このガスタービン装置200とそれぞれの動力発生装置250及び251をつなぐものである。ディフューザ206及び207は、流路面積を徐々に拡大させ、なかの流体速度を減少させる働きをする。
【0018】
この図3では、動力発生装置250及び251が2系統で構成されている場合を説明しているが、適宜の数を備えることができる。このような動力発生装置250及び251が複数となる場合は、ガスタービン装置200と動力発生装置250及び251をつなぐディフューザ206及び207の数は動力発生装置の数に応じて増えるものとなる。さらには、図3のような大型ガスタービン装置200では、動力発生装置を複数個備えることにより、その動力発生発生装置の中のタービンと圧縮機の外径増加を最小限にすることもできる。
【0019】
(3)動力発生装置の実験例
本発明はガスタービン装置と動力発生装置を組み合わせたものであるが、動力発生装置だけをとりだした基礎実験例を以下に説明する。この実験により、本発明が、工学的に成立することを確かめることができる。
【0020】
図4に、本発明に係る動力発生装置の原理説明図を示す。
図4の動力発生装置は、一例として、遠心タービンT32、遠心圧縮機C34、水冷熱交換器33、電動機付き圧縮機MC35を備えている。遠心タービンT32は、一例として外径30mmのものを用いて実験を行った。この電動機付き圧縮機MC35は空力的スターターとなるものである。一般には、タービンと圧縮機の軸に加工して機械的スターターをつけ、さらに発電機をとりつけるのが常套手段であるが、費用を考慮して図のような形態とした。
【0021】
次に、この動力発生装置の動作を説明する。都市ガスと空気の予混合ガスをスワールつき燃焼器31に送り、着火して高温ガスを作りだし、電動機付き圧縮機MC35で吸引しておいて序々に回転を上げる。回転数は、遠心圧縮機34の翼に組み込んだ磁石の磁力線を利用して計測し、タービン入口温度と電動機付き圧縮機MC35の吸引力で制御する。十分高い回転数(例えば、毎分25万回転程度)になったとき、電動機付き圧縮機MC35と遠心圧縮機C34の間の管路につけた弁36を序々に開け、遠心圧縮機C34の出口を大気開放に近づけつつ、電動機付き圧縮機MC35を完全停止にする。このとき遠心タービンT32の回転数は急激に低下するが、ある程度回転が落ちた状態で遠心圧縮機C34の出口が負から大気状態になる。ここで、遠心タービンT32の出力と遠心圧縮機C34の必要馬力がバランスをとれていれば、動力発生装置は、自立運転に入ることができる。さらに燃料の投入量を減らしてタービン入口温度を下げると、より低い回転数での自立運転を実現することができる。実験例では、本システムが自立するための最低温度は975Kであることが望ましいものであった。最低温度は、この温度以下にすると回転数が一定に維持できなくなるような温度であり、システム構成により適宜の最低温度を決めることができる。
【0022】
図5に、図4の動力発生装置におけるタービン入口温度と自立運転回転数の特性図を示す。図からタービン入口温度が上昇すると回転数も上がることがわかる。
【0023】
図6に、図4の動力発生装置における自立運転時の比出力とタービン入口温度の特性図を示す。図からタービン入口温度が上昇すると比出力が上がることがわかる。
【0024】
図7に、図4の動力発生装置におけるタービン入口温度と断熱効率の特性図を示す。図7は、実験で使用したタービンT32のタービン入口温度と圧縮機C34の断熱効率の関係を示したものである。
【0025】
なお、上述の実験例ではタービンT32の入口は、大気圧より少し高い30mmHg程度に保持すると燃焼することができた。また、燃焼させないときのタービンT32の入口に同じ30mmHgの気圧をかけてみると、タービンT32は少し仕事をし、出口圧は3mmHgとなる。この圧力が圧縮機C34にほぼそのままかかり、圧縮機C34もタービンのように機能し、毎分1万回で回転した。
【0026】
図8に、本発明に係る動力発生装置の別の原理説明図を示す。図8の動力発生装置は、タービンT32と圧縮機C34が直結したものになっている。タービンT32の排ガスは、熱交換器33を経て圧縮機C34へ流入する。これによって、タービンT32に連結している圧縮機C34は動力吸収の役目だけをしていることになる。前述の実験例と同じように、都市ガスと空気との予混合燃焼器からの高温ガスをタービンT32に入れた。
【0027】
図9に、図8の動力発生装置における出力確認のための温度・エントロピ線図を示す。図中の状態を表す数字は、図8の参照数字に対応する。出力は、状態の変化の温度差に関連する。図9では、タービンT32の出力が1894W(ワツト)であり(状態1−2)、圧縮機C34の必要馬力1434Wを上回っているので(状態5−6)、もし電動機付き圧縮機MC35とタービンT32が直結していれば動力発生する。また、図9においては、圧縮機の効率を70%としているが、この圧縮機は、一例として外径120mmの遠心送風機を4つ重ねたものであり、この断熱効率は別の計測で確認している。
【0028】
本実験では、費用の点で本発明の動力発生装置の圧縮機部の効率を上げるために冷却していないが、タービン出口が大気圧以下の高温ガスで作動して軸馬力を取り出せることを初めて実証した。
【0029】
(4)複合サイクル方式の比較検討
つぎに、発明した熱機関の作動特性を熱力学的計算により求め、従来技術により到達できる性能との比較検討を行う。まず、複合サイクル方式について従来技術との比較検討及び熱力学的計算について説明する。
【0030】
図10に、従来の複合サイクル方式の構成図を示す。この従来の複合サイクル方式は、ガスタービン装置40とランキンサイクル41を有する。ガスタービン装置40は、圧縮機C、燃焼器B及びタービンTを備える。ランキンサイクル41は、ボイラー43、ポンプ44、蒸気タービンT45及び復水器46を備える。ガスタービン装置40は、発電機42に、また、ランキンサイクル41は、発電機47に直結されている。
【0031】
本発明の複合サイクル方式への適用では、図10におけるボイラー43、ポンプ44、復水器46および蒸気タービン45を有するランキンサイクル41の部分を、上述のような動力発生装置に置き換えるものである。
【0032】
図11に、本発明及び従来の熱機関の熱効率の特性図を示す。図中の実線は、本発明における動力発生装置を3段冷却し、ガスタービン装置のタービン入口温度を変化させたときの熱効率を図示している。ここでは、一例として熱交換器の温度効率を95%、すべての圧縮機とタービンの断熱効率を90%とした。一方、近年の納入実績のある複合サイクル方式では、タービン入口温度は1300℃であることが常識化しているが、このタービン入口温度は1400℃を超えて1500℃とすることもできる。わが国で公表されている従来のデータを、比較のために星印で示した。これら星印のデータは、図10で示した従来技術の複合サイクル方式から得られたものである。これらは、いずれもガスタービン装置の圧縮機とタービンの断熱効率は90%またはそれ以上と公表されている。
【0033】
図示のように、従来技術での熱効率に関する実績を、本発明を適用すれば、数%上回ることができる。なお、この比較計算には動力発生装置の最適圧力比を少し下回る圧力比10を用いている。この場合、軸流速度をガスタービン装置側と同一にして、かつ、動力発生装置のタービンと圧縮機の外径をガスタービン装置のそれと同一にするとしたら、動力発生装置を例えば、10個設ける必要がある。そこで、例えば、3段冷却のままで圧力比を4にまで下げ最適値からさらにずらして再計算すると、図11の実線で表した熱効率が1%程度降下するぐらいとなる。この場合、例えば、動力発生装置側のターボ機械、即ちタービンTと圧縮機Cの外径を2倍ぐらいにするか、あるいは図3のように動力発生装置を複数設ける形態にすれば、外径を4割程度ふやすぐらいですむ。ただし、外径の増加は最大限の一例を述べたのであって、詳細設計すればもっと増加をおさえられる可能性もある。
【0034】
また、3段中間冷却を採用したのはそれ以上冷却してもあまり効果が少ないことを計算で確認しているためである。なお、熱効率の算出はガスタービン装置側のタービン入口温度と動力発生装置の圧力比を定めてから、ガスタービン装置側の圧力比を順次変化させ、システム全体としての熱効率最高点を求めた。
【0035】
図12に、本発明及び従来の熱機関の炭酸ガス排出係数の特性図を示す。図12は、図11での熱効率に対応する炭酸ガス排出係数を図示したものである。図中の実線は、本発明における炭酸ガス排出係数を図示している。これは、一例として理想的な熱機関であるカルノーサイクルの炭酸ガス発生量を1.0としたものであり、燃料消費率の比とも解釈できる。一方、星印は従来技術での実績を示す。図示のように、本発明により炭酸ガス排出量を数パーセント削減することができる。
【0036】
(5)再生サイクル方式の比較検討
つぎに、再生サイクル方式について従来技術の比較検討及び熱力学的計算を行った。
図13に、従来技術による再生サイクル方式の構成図を示す。この再生サイクル方式はガスタービン装置50、発電機51及び熱交換器52を備える。ガスタービン装置50は、圧縮機C、燃焼器B及びタービンTを有する。従来の再生サイクル方式では高温排ガスの熱エネルギーを圧縮機のあとの空気にもどし、燃料消費量を節約する。即ち、燃焼器Bへの流入ガスを高温にし、燃料を少なくすることで効率を上げるものである。本発明は、この熱エネルギーの形で排熱を回収するのに対して、動力の形でそれを行う点が大きく違う。本発明は、動力発生装置により馬力を発生させることで、効率を上げようとするものである。そして、図13の再生サイクル方式の代わりに、本発明の動力発生装置をガスタービン装置の再生器として作動させることができる。
【0037】
図14に、本発明に係るガスタービン装置の比出力と熱効率の特性図を示す。図中の実線は比出力W、破線は熱効率ηthを表している。図14は、一例として熱交換器の温度効率を95%とおき、かつ、動力発生装置を最適圧力比にしたとき、ガスタービン装置側の圧力比によって本発明の熱機関の熱効率、比出力がどのように変化するかを図示している。また、最近のガスタービン装置は、空冷化技術の進歩と相まって、1400℃すなわち1673K(ケルビン)または、それ以上がタービン入口温度として可能になりつつある。そこで、計算は1673Kとし、圧縮機、タービンの断熱効率をそれぞれ80、85%とした。
【0038】
図15に、本発明に係る熱交換器温度とガスタービン装置の圧力比の特性図を示す。図15は、図14に対応する熱交換器入口温度を示したものである。なお、動力発生装置のターボ機械の断熱効率は、ガスタービン装置のそれぞれと同じとした。図14からわかるように、本発明の熱機関の熱効率最大45%は圧力比15近くで得られるが、図15で読み取れるようにこの圧力比15では、熱交換器入口温度が725K程度にとどまっている。この温度ならば通常の安価な金属の熱交換器で十分対応でき、かつ、環境温度近くまでの高い温度差が利用できるので、95%程度の高い温度効率が保てる。ただし、この場合、1段冷却を採用しており、動力発生装置は最適圧力比5で計算したものである。3段冷却にすると、さらに1%の効率向上が望めるが、最適圧力比が8になり、動力発生装置の外径が大きくなる。
【0039】
図16に、従来技術の再生サイクル方式のガスタービン装置の比出力と熱効率の特性図を示す。図中の実線は比出力Wを、点線は熱効率ηrxを図示している。また、図17に、従来技術の再生サイクル方式の熱交換器入口温度とガスタービン装置の圧力比の特性図を示す。計算条件を上述の本発明での場合と同じにして従来の再生サイクル方式で求めた結果を、これら図16と図17に図示した。
【0040】
図16からわかるように、圧力比10で最大効率38%になる。図17よりこの圧力比10の値では、熱交換器入口温度が1000Kになり、現時点の技術ではこのような高温の熱交換では、温度効率50%程度が考えられる。なぜなら、高価な耐熱材料は熱伝導率が悪く、かつ、従来の方式では圧縮機出口までの少ない温度差しか利用できないからである。この結果計算例では、熱効率を従来の38%から45%に本発明により高めることができる。以上の比較においては、動力発生装置の圧力比を4にして最適値5からずらし、タービンと圧縮機の外径の増加を2倍程度でおさえると、熱効率は1%程度下がる。
【0041】
これまでの記述は、タービンなどの外径をおさえることであったが、ガスタービン装置が小型のときは動力発生装置の径を大きくでき、逆に要素の断熱効率がスケール効果も加わり、ガスタービン装置のそれより増加することができる。すなわち、今までの計算はガスタービン装置と動力発生装置の要素効率の値を一律にしていたが、小型ガスタービン装置では動力発生装置のターボ機械の径を大きくすることにより、最適圧力により近づけて、かつ、スケール効果もあり、全体として高い熱効率を得る本発明の特質を一層強く奏することができる。
【0042】
(6)第3の実施の形態
図18に、本発明に係る熱機関の第3の実施の形態の構成図を示す。この熱機関は、気化天然ガス製造に適用したもので、ガスタービン装置300、動力発生装置350、発電機313、316、ポンプ314、LNGタンク315及び直接膨張タービン317を備える。ガスタービン装置300は、圧縮機301、燃焼器302及びタービン303を備えている。動力発生装置350は、タービン304、圧縮機309〜312及び熱交換器305〜308を備えている。圧縮機312は、発電機313に直結している。なお、ガスタービン装置300と動力発生装置350の軸は、別個に独立のものとしてもよい。また、熱交換器305とつながっている直接膨張タービン317は、発電機316と直結している。図からわかるように、ガスタービン装置300及び動力発生装置350は、図1の構成図と同様の概念を用いている。ここでは、動力発生装置350の圧縮機部の冷却を液化天然ガス(通称LNG)で行い、ガスタービン装置300の排熱で気化と発電の両方を行う。なお、必要に応じて発電の構成の位置を変更したり、省略することもできる。ガスタービン装置300の燃料は、液化したガスの一部でまかなう。また、本システムでは、十分な排ガス熱源が存在するのでLNGの直接膨張も利用することができる。
【0043】
図19に、本発明に係る直接膨張タービンの膨張過程の温度/エントロピ線図を示す。図19中の数字1〜4は、それぞれ図18に対応するガスの状態番号に対応している。一般に、LNGは1気圧で搬入される。この状態を図中には状態1として表している。これをポンプで例えば、60気圧程度に加圧して(状態2)、加熱してから(状態3)、直接膨張タービンにいれる。このとき、ほぼ環境温度Taに戻れるようにLNGの量を設定する。なお、通常、液化天然ガスは20気圧(atm)程度のガス圧でユーザーに送られる。
【0044】
図20に、従来方式にガスタービン装置60を付加した本発明に関連する構成図を示す。一般の冷熱発電方式は、海水とLNGの温度差約180度を利用しランキンサイクルでフレオンを熱媒体として行われている。現在可動しているものは、ガスタービン装置は使用していないが、本発明と比較するため同じ量の燃料を使うガスタービン装置を仮に図中に挿入した。この方式は、ガスタービン装置60、ランキンサイクル61、発電機62、63、65、復水器64、直接膨張タービン66、ポンプ67及びLNGタンク68から構成される。海水を用いるこのような方式でも、図20に示したように、直接膨張タービン66を併用しているが、熱源が海水なのでタービン通過後の状態4に海水をかけて熱交換器64を利用して環境温度に戻さねばならない。よって、図18に示したような本発明は、この点でも有利である。なお、ポンプに必要な電気量は全体の発電量に比べれば極めて小さくここでは考慮しない。
【0045】
次に、国内の代表的な電力、ガス会社A,B,Cが公表している冷熱発電出力、製造される気化天然ガス量および方式を示す。
【0046】
【0047】
そこで、これらのデータから本発明に係るものと送出ガス量およびガスタービン装置燃料流量を同一にして比較計算した。従来システムに追加した仮想のガスタービン装置は、タービン入口温度1500℃、最適圧力比40、熱効率49%で現時点で望み得る最高効率とする。このように仮定するのは、本発明ではガスタービン装置を基本としているからである。
【0048】
図21に、本発明と公表されている3社のデータとの発電量の比較説明図を示す。また、図22に、本発明と公表されている3社のデータとの総合熱効率の比較説明図を示す。
【0049】
これらの図は、本発明を利用した熱機関としての発電量および総合熱効率を、従来の方式と比較して示したものである。また、圧縮機とタービンの断熱効率は、一例としてすべて85%とした。同じ規模の発電量のとき、送出する天然ガス量が同一ならば、本発明では、ランキンサイクルを用いる従来方式に比べて約17%多く発電できる。これを熱効率からみれば10%高いことになる。LNG利用の立場からみれば、低温で貯蔵されているエネルギーをより多く活用できることになる。なお、以上の比較には、従来方式のとき温度の下がった海水を温めて海に戻すに必要なエネルギーは含まれていない。この場合も、動力発生装置の圧力比を10としているが、4に落としたほうがより現実的な場合もあり、複合サイクルで述べたように1%程度熱効率を図22に示した星印の点よりさがる。
【0050】
次に、図23に、本発明と公表されている3社との総合熱効率の比較説明図を示す。動力発生装置の圧力比を2にして上記の計算を行い効率の低下幅を調べたのが図23である。このときは動力発生装置の圧縮機入口速度等をガスタービン装置のそれよりも少し増加させるなど設計上配慮すれば、ターボ機械の径をほとんど増やす必要がない。動力発生装置の圧力比の高いときに比べて、やや総合熱効率が低下するものの、本発明の優位性は維持されている。
【0051】
(7)第4の実施の形態
図24に、本発明に係る熱機関の第4の実施の形態の構成図を示す。この熱機関は、ごみ処理等による排ガスを有効利用するためのもので、動力発生装置450、発電機411、熱交換器401を備える。動力発生装置450は、タービン406、圧縮機407〜410及び熱交換器402〜405を備えている。タービン406は、発電機411に直結している。熱交換器401は、ごみ処理場400等の排ガスが放出される煙突部分等に配置され、高温で比較的低圧力の排ガスにより、空気・大気・外気等を熱変換する。動力発生装置450は、図1の構成図と同様の概念を用いている。ここでは、動力発生装置450の圧縮機部の冷却を冷却水で行い、温水を得ることができる。省略することもできる。ガスタービン装置300の燃料は、液化したガスの一部でまかなう。また、本システムでは、十分な排ガス熱源が存在するのでLNGの直接膨張も利用することができる。
【0052】
圧縮機407等の作用により熱交換器401に大気等より新鮮な常温の空気が流入し排ガスにより温められ高温になりタービン406に流入する。この作動空気はガスタービン406で膨張したのち熱交換器402で冷やされて大気より低い状態すなわち負圧で圧縮機407に吸入される。圧縮された空気は再び熱交換器403により環境温度近くにまで冷やされ圧縮機408にはいる。この作用が複数回繰り返され最後に圧縮機410から作動空気は大気に常温に近い状態で放出される。タービン406の出力する仕事が圧縮機407〜410の必要仕事を上回われば発電機411に電気が発生する。
【0053】
図25は、第4の実施の形態の熱機関の比仕事と圧力比の関係を示す特性図である。図26は、第4の実施の形態の熱機関の熱効率と圧力比の関係を示す特性図である。これらの図は、それぞれ、作動空気単位kgあたりの取り出せる仕事すなわち比仕事と、熱機関の熱効率を、圧縮機全体の圧力比に対してグラフ化したものである。ここで比仕事とは、もし発電機をつければ電気にかわる有効仕事である。熱効率とは排熱エネルギーを何パーセント、比仕事として回収できたかを示している。煙突等に設置する熱交換器401は、ガスとガスの熱交換なので熱交換効率はあまり良好ではなく、煙突の構造にも支配されるので、計算では0.9,0.8,0.7の3種類について検討した。しかし、その後に設置する熱交換器401、402、403、404、405などは水とガスの熱交換なので温度効率は良好で0.95 とした。タービンと圧縮機の断熱効率は80%と仮定した。図より条件の悪いときでも熱効率10%以上が期待できる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、複合サイクル方式(ガスタービン装置からの排熱を水を介して蒸気に変換し蒸気タービンをまわしブレイトンとランキンの両サイクルを併用する方式)を、本発明のようにすると、莫大な費用と高温の蒸気を作る設備を必要とする蒸気タービンが不要となる。通常のガスタービン装置を正(ポジチブ)と考えると、動力発生装置は負(ネガチブ)である。したがってポジチブとネガチブの二つのガスタービン装置を連結すればよく、サイクル的にはブレイトンと逆ブレイトンの二つのサイクルで作動していることになり、従来のランキンサイクルでは望めなかった高い温度の温水が副産物として得られ、給湯や暖房に利用することができる。本発明をコゼネーレシオンシステムとして用いると、発電効率が高いため熱電比を低くおさえることができ、従来民生用システムの普及に障害であった熱電比のミスマッチ問題を解決出来る手段になり得る。そして、本発明は、従来方式より環境に対する負荷が小さい。
【0055】
また、本発明では熱交換器が、従来のボイラー設備に置き代えることができ、占有容積はさほどかわらないが、費用の点で内容に大差がある。即ち、本発明の熱交換器は、高温ガスの通る大きな径のパイプに多数の細い水管をならべておけばよく、温水の温度範囲も100℃から環境温度までであり、低価な材料が使える。これに反して、従来のボイラー設備は、600℃程度の蒸気をつくりださねばならず、費用やメンテナンスの点で高価になる。
【0056】
再生サイクル方式(比較的小型のガスタービン装置等において、タービンの排熱を圧縮機出口に戻す方式)では、本発明を適用すると、熱交換器に流入するガス温度が低くなり、より低価な材料が使える。一方、本発明によると、従来方式に比べて熱交換する温度範囲が、環境温度レベルまで拡大したことにより、高い変換効率が期待できる。従来では、出力を変えずに燃料消費量を再生によりおさえるのに対して、本発明では燃料消費量は変えずに出力増加で効率を高めるので、出力をもとのままにしておくならばその分、機械の小型化を達成することができる。本発明では、作動流体の流れ方向をほとんど変更することなく、熱交換できるので、構造に無理が生じず流体損失も少ない。また、本発明では、熱交換に水が使用できる環境であれば副産物として温水が得られる。ガスタービン装置の圧力比が高くなると、従来方式を使うことはできないが、本発明では圧力比になんら制限がない。また、本発明では、動力発生装置のタービンなどの径が大きくなる傾向にあるが、小型ガスタービン装置に適用するときは逆にこの特質を生かせる。すなわち最適圧力に近づけて、よって動力発生装置のタービンと圧縮機の外径をできるだけ大きくすればスケール効果により、小型ガスタービン装置より高い要素効率が使え、結果として全体の熱効率向上を図れる。
【0057】
また、本発明の熱機関気化天然ガス製造を利用すれば、従来のように海水を必要とせず、従来より10%程度以上高い熱効率で発電とガス気化が同時におこなえる。同じ規模の発電量のとき、送出ガス量が同一ならば従来より約17%多く発電でき、液化天然ガスに蓄えられた低温エネルギをより多く活用できる。さらに従来方式では、生態系保護のため、使用した海水の温度をもとに戻す余分なエネルギが必要であるが、本発明では海水を使用しないので、そのようなエネルギは必要ない。
【0058】
また、本発明により、ごみ処理場等の排ガスから電気などに変換できる高級な形で排熱エネルギーが回収でき、副産物として温水を得ることができる。さらに、ごみ処理場等からの排ガスの温度は、900度Cから100度C近くまで低下し、環境汚染を緩和することができる。
【0059】
また、本発明の製作については、すでに確立された現在のガスタービン装置技術をそのまま動力発生装置に利用できる。動力発生装置の圧縮機は0.25気圧程度の低い圧力下で作動するが、この領域は航空エンジンで既に経験されておりレイノルズ数を配慮して空力設計する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱機関の第1の実施の形態の構成図。
【図2】ガスの作動状態を示す温度T・エントロピ−S線図。
【図3】動本発明に係る熱機関の第2の実施の形態の構成図。
【図4】本発明に係る動力発生装置の原理説明図。
【図5】図4の動力発生装置におけるタービン入口温度と自立運転回転数の特性図。
【図6】図4の動力発生装置における自立運転時の比出力とタービン入口温度と特性図。
【図7】図4の動力発生装置におけるタービン入口温度と断熱効率の特性図。
【図8】本発明に係る動力発生装置の別の原理説明図。
【図9】図8の動力発生装置における出力確認のための温度・エントロピ線図。
【図10】従来の複合サイクル方式の構成図。
【図11】本発明及び従来の熱機関の熱効率の特性図。
【図12】本発明及び従来の熱機関の炭酸ガス排出係数の特性図。
【図13】従来技術による再生サイクル方式の構成図。
【図14】本発明に係るガスタービン装置の比出力と熱効率の特性図。
【図15】図14に対応する熱交換器入口温度とガスタービン装置圧力比の関係。
【図16】従来技術の再生サイクル方式のガスタービン装置の比出力と熱効率の特性図。
【図17】従来技術の再生サイクル方式の熱交換器入口温度とガスタービン装置の圧力比の特性図。
【図18】本発明に係る熱機関の第3の実施の形態の構成図。
【図19】直本発明に係る直接膨張タービンの膨張過程の温度/エントロピ線図。
【図20】従来方式にガスタービン装置60を付加した本発明に関連する構成図。
【図21】本発明と公表されている3社のデータとの発電量の比較説明図。
【図22】本発明と公表されている3社のデータとの総合熱効率の比較説明図。
【図23】本発明と公表されている3社との総合熱効率の比較説明図。
【図24】本発明に係る熱機関の第4の実施の形態の構成図。
【図25】第4の実施の形態の熱機関の比仕事と圧力比の関係を示す特性図。
【図26】第4の実施の形態の熱機関の熱効率と圧力比の関係を示す特性図。
【符号の説明】
100 ガスタービン装置
101 圧縮機C
102 燃焼器B
103、104 タービンT
105〜108 熱交換器Hx
109〜112 圧縮機C
120 軸
150 動力発生装置
151 中間冷却部
400 ごみ処理場
401 熱交換器
450 動力発生装置
Claims (6)
- 第1の圧縮機、燃焼器及び第1のタービンを有するガスタービン装置と、
前記ガスタービン装置の排ガス後方に取付けられ、前記第1のタービンからの常圧又は常圧に近い圧力の高温の排ガスが流入されて負圧で排出する第2のタ−ビンと、前記第2のタービンからの排ガスが流入され熱交換をして排ガスの温度を下げる冷却器と、前記冷却器からの排ガスが流入されて入口が負圧で作動される第2の圧縮機と、前記第2の圧縮機からの排ガスが流入され熱交換する中間冷却部を有する動力発生装置と
を備え、
前記動力発生装置の前記中間冷却部は、
前記第2の圧縮機の排ガスが流入され熱交換してガスの温度を下げる中間熱交換器と、前記中間熱交換器からの排ガスが流入される中間圧縮機とを有する中間冷却器を、ひとつ又は複数有し、
さらに、
前記動力発生装置の前記第2のタービン、前記第2の圧縮機及び前記中間冷却部の軸に結合された発電機
を備え、
前記動力発生装置は、液体天然ガスが供給され、前記冷却器及び前記中間冷却部による冷却過程が行われて気化天然ガスを出力し、前記動力発生装置が前記発電機により電気を発生するとともに、該気化天然ガスの一部を前記ガスタービン装置に流入させることを特徴とする熱機関。 - 前記ガスタービン装置と前記動力発生装置の回転軸が、連結され又は同一の軸が用いられ、同時に作動するようにした請求項1に記載の熱機関。
- 前記ガスタービン装置と前記動力発生装置の回転軸は独立に設けられるようにした請求項1に記載の熱機関。
- 前記動力発生装置を複数備え、前記ガスタービン装置と複数の前記動力発生装置とを連動するディフューザをさらに備えた請求項1乃至3のいずれかに記載の熱機関。
- 前記動力発生装置が、複合サイクル方式における蒸気タービンの代わりに前記ガスタービン装置の後方に取付けられたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の熱機関。
- 前記動力発生装置が、再生サイクル方式における前記ガスタービン装置の再生器として作動することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の熱機関。
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