JP2000240005A - 地表層への水供給構造 - Google Patents

地表層への水供給構造

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JP2000240005A
JP2000240005A JP11074071A JP7407199A JP2000240005A JP 2000240005 A JP2000240005 A JP 2000240005A JP 11074071 A JP11074071 A JP 11074071A JP 7407199 A JP7407199 A JP 7407199A JP 2000240005 A JP2000240005 A JP 2000240005A
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water
water supply
ground
surface layer
sheet
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JP11074071A
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Hidetaka Komiya
英孝 小宮
Hiroyuki Akagawa
宏幸 赤川
Takeshi Oshima
剛 大島
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Obayashi Corp
Obayashi Road Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
Obayashi Road Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グラウンドの地表層を常時適度に湿潤した状
態に維持することができる地表層への水供給構造を提供
することを目的とする。 【解決手段】 グラウンド1の下層地盤8上に人工芝2
6を敷設し、該人工芝26の基材22上に砂等の細粒子
部材28を敷き詰めたグラウンド1の地表層20に水を
供給して湿潤状態に保持させるための水供給構造であっ
て、上記人工芝26の基材22上面に導水性に富む不織
布24等のシート状部材を設けるとともに、このシート
状部材に水を浸透させて供給する給水手段をグラウンド
1の適宜箇所に複数設け、上記給水手段から供給される
水を上記シート状部材でグラウンド1全面に拡散させつ
つ、砂等の細粒子部材28に水を含浸させて地表層20
を湿潤する構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に陸上競技場や
サッカー場及びテニスコートなどの地表層への水供給構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、グラウンドが乾燥状態になる
と、夏の日中にはグラウンドが非常に高温になると共
に、反射光によってプレーヤーの視覚の障害になる。ま
た、風の強い日には砂埃によって、プレーヤーがプレー
しにくいばかりでなく観客もプレーを見ることが困難に
なる。
【0003】従って、グラウンドは、このような乾燥状
態を避けて適度な湿潤状態に保つ必要があり、このため
グラウンド地表層の湿潤状態保持構造として、従来、特
開平10−219613号公報に開示されるものが知ら
れている。この地表層の湿潤状態保持構造は、天然土質
系グラウンドの地表層の土中に保水剤を含有するシート
を全面に敷きつめて埋設したものであり、この保水シー
トは、不織布などからなる支持基材に潮解性無機塩類な
どからなる保水剤を付着させたものである。
【0004】即ち、グラウンドを湿潤するための水分
は、降雨や地上からの散水に依存し、この水分を長期に
亘って地中に保持することによってグラウンドを湿潤状
態に長く保たせようとするものであり、このためグラウ
ンドの保水性を高める効果を有する潮解性無機塩類を不
織布等に付着させて地表層の土中に埋設することによっ
て、降雨や散水等で潮解性無機塩類が早期に流れ去るこ
とを防止し、長期に亘ってグラウンドの保水性を保つよ
うにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の地表層の湿潤状態保持構造にあっては、水分の供
給を降雨や地表上からの散水に頼っているため、地表層
を絶えず適切な湿潤状態に維持することは難しく、供給
水分が過剰になるとグラウンド上に水溜まりができてし
まう。よって、このようなグラウンド状態では、プレー
ヤが滑りやすくなると共に、球技等ではボールが転がり
にくくなりプレーヤーにとって、大きな障害となる。
【0006】また、人がホースを使って散水する場合
や、散水装置を使用した場合でもその噴射範囲では、過
剰に水分が供給されて水溜まりができたり、その他の範
囲では水分が行きわたらず乾燥したまま残る等してムラ
が生じ易く、グラウンド全体を均一な湿潤状態にするこ
とが難しい。さらに、グラウンド各所の日照状態や通風
の状態によっても、経時的にグラウンドの湿潤状態が変
化してムラが生じ易い。
【0007】このようにグラウンドの湿潤状態にムラが
生じると、同じグラウンドの中であってもプレーヤーの
競技条件やボールの転がり方などが大きく異なるなど、
プレーヤーにとって多大な障害となるばかりでなく、危
険を伴う場合もある。
【0008】さらに、グラウンドの湿潤状態を保つため
に、プレーの途中でも散水を余儀なくされることがある
が、一度に散水できる散水量にも限度があるため、良好
なグラウンド状態を保つためには、繰り返し散水する必
要があり、その都度プレーを中断しなければならずプレ
ーヤーや観客がプレーに集中できないという課題があっ
た。
【0009】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て成されたもので、グラウンドの地表層を常時適度に湿
潤した状態に維持することができる地表層への水供給構
造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の請求項1に示す地表層への水供給構造で
は、下層地盤上に敷設された人工芝の基材上に砂などの
細粒子部材を敷き詰めてなるグラウンド地表層に水を供
給して湿潤状態に保持させるための水供給構造であっ
て、上記人工芝の基材上面に織布、不織布等の導水性に
富むシート状部材(ある程度の保水性を有するものを含
む)を設けるとともに、このシート状部材に水を浸透さ
せて供給する給水手段を、グラウンドの適宜箇所に1な
いし複数設け、上記給水手段から供給される水を上記シ
ート状部材でグラウンド全面に拡散させつつ、上記細粒
子部材に水を含浸させる構成とした。
【0011】即ち、給水手段からの水は導水性に富むシ
ート状部材に浸透し、毛管現象によってシート状部材全
体に拡散する。そして、このシート状部材上方には、こ
れに接して地表層を構成する砂などの細粒子部材がある
から、シート状部材に含まれている水は更に細粒子部材
の粒子間の隙間に作用する毛管現象によって吸い上げら
れて上昇拡散しつつ地表面まで浸透し、地表層を湿潤さ
せる。このように、毛管現象により水を浸透させること
によって、供給される水はシート状部材及び地表層の水
分が不足している部分に広がり、グラウンド全体を湿潤
することができる。
【0012】また、請求項2では、前記下層地盤上に敷
設する人工芝は複数に分割して繋ぎ合わせ、該人工芝の
繋ぎ合わせ目に沿わせて前記給水手段を配設した。
【0013】即ち、給水手段に不具合が生じた場合で
も、人工芝を全面に亘ってはがす必要がなく繋ぎ合わせ
部分のみをはがして給水手段を露出することができるた
め、極めて容易に給水手段をメンテナンスすることがで
きる。
【0014】さらに、請求項3では、前記給水手段は、
長手方向に沿って多数の散水口が形成された散水管で構
成し、該散水管を前記シート状部材と人工芝の基材との
間に設けた構成とした。
【0015】即ち、下層地盤に加工を施さなくとも、長
手方に沿って多数の散水口を有した散水管をシート状部
材の近傍に容易に設置でき、散水口からシート状部材に
確実に水を浸透させることができる。
【0016】また、請求項4では、前記給水手段が、前
記下層地盤内に設けられた通水管と、該通水管に連通す
るとともに前記人工芝の基材と前記シート状部材とを貫
通して起立し、該通水管の長手方向に沿って多数設けら
れた縦管と、該縦管の上端開口の上方を覆って該縦管上
端の外周部に前記シート状部材に接するように給水口を
形成する蓋部材とからなる構成とした。
【0017】即ち、給水手段の給水口から流れ出る水を
直接細粒子部材に触れさせずに、確実に導水性に富むシ
ート状部材に浸透させることができると共に、細粒子部
材を水が押し流すことがないため地表面を常に平坦に保
つことができる。
【0018】また、請求項5では、前記給水手段が、前
記下層地盤の上面に凹設された給水溝と、該給水溝の上
面開口を覆う人工芝付きカバー部材とからなり、該給水
溝内に前記下層地盤上に敷設された人工芝の基材に設け
た前記シート状部材の端部が前記カバー部材の側縁から
差し込まれて垂下されている構成とした。
【0019】即ち、給水溝の開口上も、周囲のグラウン
ド面と変わらず平坦に整えることができ、よってグラウ
ンド内の任意の場所に給水溝を設けることが可能である
と共に、導水性に富むシート状部材の端部を常時給水溝
内の水に浸した状態にするため、毛管現象によって、シ
ート状部材が必要に応じて給水溝内の水を吸い上げて細
粒子部材を湿潤させ、地表層を常に適切な湿潤状態に保
つことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図1、図2は本発明の地
表層への水供給構造の一実施形態で、図1は本発明を適
用したグラウンド構造を示す断面図、図2は本発明を適
用したグラウンドの給水手段の配置を示す平面図であ
る。
【0021】本願発明の地表層への水供給構造は、グラ
ウンド1の下層地盤8上に人工芝26を敷設し、該人工
芝26の基材22上に細粒子部材28を敷き詰めたグラ
ウンド1の地表層20に水を供給する装置を敷設したも
のである。
【0022】即ち、テニスコート等が形成される略長方
形をなすグラウンド1の長手方向の両端部には、グラウ
ンド1に沿って排水溝14が設けられている。また、地
表層20の下に位置する下層地盤8には、全体になだら
かな勾配が施されている。
【0023】この下層地盤8上面には、人工芝26が下
層地盤8に沿って敷設され、この人工芝26の基材22
上には、導水性に富むシート状部材として複数の不織布
24がつなぎ合わされて、人工芝のパイルに絡められて
固定されている。この不織布24のつなぎ目は、グラウ
ンド1の短手方向に略半分のエリアをさらに短手方向に
略半分に分ける位置に設けられている。そして、この不
織布24の上部には人工芝26のパイル上端部を残して
砂28が敷き詰められている。
【0024】また、上記人工芝26の基材22と不織布
24との間には、不織布24のつなぎ目に沿って2本の
給水管10が設けられ、この2本の給水管10はグラウ
ンド1短手方向の一方の端部で1本に連接され、グラウ
ンド1短手方向の他端部に配された給水管10の両端部
は、それぞれにグラウンド1端部に沿って、上記排水溝
14側のグラウンド1角部に延びている。
【0025】グラウンド1の一角部に配された上記給水
管10の両端部のうち一方の端部には、給水栓18が設
けられ、他方の端部には、排水栓16が設けられてい
る。
【0026】また、この給水管10には、任意の間隔で
上方に向かって開口が設けられ散水口をなしている。
【0027】即ち、下層地盤8上に設けられた人工芝2
6とその基材22上に固定された不織布24との間に
は、一本の給水管10が設けられ、この給水管10は、
排水溝14側のグラウンド1角部の給水栓18からグラ
ウンド1内を一周して前記給水栓18近傍の排水栓16
に繋がり、この給水管10上の不織布24の上方には砂
28が敷き詰められている。
【0028】従って、給水栓18から吐出供給された水
は給水管10を通って排水栓16から排水溝14へと流
出されるが、一般に排水栓16は閉じておくので給水管
10内の水量が増加し、給水管10に設けられた散水口
から水が上方に溢れ出し不織布24へと浸透し始める。
また、給水管10の水は排水栓16を開いて排出する。
【0029】不織布24に浸透した水は、毛管現象によ
り不織布24内を図2中矢印の示すように拡散し、不織
布24全体に広がっていく。そして、不織布24に接し
てその上部に敷き詰められた砂28はその細粒子間の隙
間による毛管現象によって不織布に含浸された湿潤水を
吸い上げ、この湿潤水は上昇しつつ拡散して地表層20
全体がほぼ均等に湿潤されつつ、不織布の保水性により
地表層2の湿潤状態が維持される。
【0030】以上説明したように本発明の地表層の給水
構造では、地表層20を構成する人工芝26の基材22
上に不織布24を設け、この不織布24に水を浸透させ
て供給する構成にしたので、不織布24に浸透した水を
毛管現象によって不織布24全体に拡散させることがで
きる。さらに、不織布24を地表層20を構成する砂2
8の下に設けたので、不織布24の上方に位置する砂2
8にも砂粒子間の隙間に作用する毛管現象によって水が
上昇し、地表面まで浸透し地表層20を湿潤することが
できる。従って、毛管現象により水を浸透させることに
よって、供給される水は不織布24及び地表層20の水
分が不足している部分に広がり、グラウンド1全体をほ
ぼ均等に湿潤させることができると共に、不織布の保水
性によりグラウンド1の湿潤状態が維持される。
【0031】また、地表層20を湿潤させるのに必要な
量以上の余剰な水分は勾配に沿って不織布24を伝い、
その端部の排水溝14に排出される。従って、地表層2
0には余剰な水分が残らず常に適度な湿潤状態を保つこ
とができる。本実施形態では排水溝14の位置をグラウ
ンド1長手方向の両端に設けた形態を示したが、排水溝
14の配置はこれに限らず、どちらか一方の端部でも、
短手方向のみでも、全周でも同様の効果を奏する。さら
に、この実施形態で給水管10の両端部とその端部に設
けられた給水栓18および排水栓16は、グラウンド1
の一方の端部の排水溝14側に設けた形態を示したが、
これら給水栓18および排水栓16の位置は、いずれの
排水溝14に設けても、また両方の排水溝14に設けて
も構わない。
【0032】さらに、給水管10を人工芝26の基材2
2と不織布24との間に設け、不織布24のつなぎ目に
沿って給水管10を設けたので、給水管10に不具合が
生じた場合でも、人工芝26をはがさず、さらに、不織
布24を全面に亘ってはがす必要がなく、不織布24の
つなぎ合わせ部分のみをはがして給水管10を露出する
ことができるため、極めて容易に給水管10をメンテナ
ンスすることができる。
【0033】また、図3は本発明の第2の実施形態を示
すものであり、上記給水管10を不織布24と砂28と
の間に配置可能としたものである。これは、上記給水管
10の上方に向けて形成した散水口に目詰まり防止のフ
ィルタ等を備えることによって、上記不織布24の上部
に給水管10を配置したものである。この構造によれ
ば、給水管10のメンテナンスには、給水管10上の砂
28を排除するだけで、給水管10を露出させることが
でき、給水管10のメンテナンス作業が極めて容易にな
る。
【0034】図4〜図6は、本発明の第3の実施形態を
示すものであり、上記第1の実施形態の給水管10を下
層地盤8内に設けたものである。ここで、図4は本実施
形態を適用したグラウンド1構造を示す断面図、図5は
本実施形態を適用したグラウンド給水管の配置を示す平
面図、図6は本実施形態の給水口の詳細を示す断面図で
ある。
【0035】即ち、上記第1実施形態と同様に、略長方
形をなすグラウンド1の長手方向の両端部には、グラウ
ンド1に沿って排水溝14が設けられている。
【0036】地表層20の下に位置する下層地盤8は、
短手方向に略半分の2つのエリアに分けられ、さらにそ
れぞれのエリアの短手方向の中央部分には、長手方向に
沿って配管溝34が凹設されている。また、上記配管溝
34は、それらの一方の端部で同様の配管溝34で繋が
り、他方の端部は、それぞれグラウンド1の短手方向の
端部に沿って、上記排水溝14側のグラウンド1角部に
延びている。
【0037】上記配管溝34には、その内部に1本の給
水管10が当該配管溝34に沿ってグラウンド1内を一
周するように配置され、その給水管10の両端部もグラ
ウンド1の一角部に配されている。グラウンド1の一角
部に配された上記給水管10の両端部のうち一方の端部
には、給水栓18が設けられ、他方の端部には、排水栓
16が設けられている。
【0038】また、この給水管10には、長手方向に沿
って上側部に多数の上向きの開口が設けられ、この開口
には、地表層20に水を供給するための給水キャップ1
2が差し込まれて取り付けられていて、この給水キャッ
プ12の上部は下層地盤8上面から突出している。
【0039】この給水キャップ12は、上記開口に挿入
される縦管38を備え、その縦管38の下端部には、こ
の縦管38が上記開口から抜け外れることを防止する抜
け防止手段36が設けられている。また、縦管38の上
端部には、その外周端部から外方に延出した平面が形成
され、その平面には上下に貫通する穴42が形成され、
さらに、この穴42を有する平面の外周端を繋いで、そ
の内方に空間を形成しつつ縦管38の上方を覆う蓋部材
40が設けられている。
【0040】一方、下層地盤8上面には、複数の人工芝
26が上記給水管10に沿って繋ぎ合わされて敷設さ
れ、この人工芝26の基材22上には、導水性を有する
不織布24が人工芝のパイルに絡められて固定されてい
る。また、この不織布24の上部には、砂28が人工芝
26のパイル上端部を残して敷き詰められている。
【0041】そして、給水管10に設けられた給水キャ
ップ12の縦管38は、人工芝26の基材22と不織布
24とを貫通して、蓋部材40下側の平面が不織布24
の上面と接するように配置され、蓋部材40に設けられ
た穴42は不織布24上に位置している。
【0042】従って、給水栓18から吐出供給された水
は給水管10を通って排水栓16から排水溝14へと流
出されるが、一般に排水栓16を閉じておくので、給水
管10内の水量が増加し、給水管10に設けられた給水
キャップ12の縦管38から水が上方に送り込まれ、蓋
部材40を通って蓋部材40の穴42から不織布24へ
浸透し始める。また、給水管10内の水は排水栓16を
開いて排出する。
【0043】不織布24に浸透した水は、上記実施形態
と同様に毛管現象によって不織布24に拡散し、砂28
に吸い上げられて地表層20全体をほぼ均等に湿潤す
る。
【0044】以上説明したように本実施形態の地表層へ
の水供給構造では、給水管10の開口に給水キャップ1
2の縦管38を挿入して設け、給水キャップ12の蓋部
材40に形成した穴42を不織布24に接するように設
けたので、給水管10から溢れ出る水を直接砂28に触
れさせることなく、確実に不織布24に浸透させること
ができ、さらにその水が砂28を押し流すことがないた
め地表面を常に平坦に保つことができるという優れた効
果を奏する。
【0045】さらに、給水キャップ12と不織布24と
の間に目詰まり防止フィルタ等を設けると、給水キャッ
プ12と不織布24との接触部に位置する給水キャップ
12の穴42からの砂28の侵入を防ぐことができるた
め、給水キャップ12及び給水管10の詰まりを防い
で、常に効率良い湿潤機能を得ることができる。
【0046】尚、給水キャップ12の蓋部材40は、縦
管38の上方を覆い、その内方が縦管38から蓋部材4
0の穴42に繋がった空間で形成されていれば、その形
状は厭わない。
【0047】図7、図8は、本発明の第4の実施形態を
示すものであり、図7は本実施形態を適用したグラウン
ド構造を示す断面図、図8は本実施形態を適用したグラ
ウンドの給水手段の配置を示す平面図である。
【0048】即ち、上記第3実施形態と同様に、略長方
形をなすグラウンド1の長手方向の両端部には、グラウ
ンド1に沿って排水溝14が設けられている。
【0049】そして、地表層20の下に位置する下層地
盤8は、短手方向に略半分の2つのエリアに分けられ、
さらにそれぞれのエリアの短手方向中央部分には、長手
方向に沿って給水溝50が凹設されている。
【0050】この下層地盤8上面には人工芝26が設け
られ、人工芝26の基材22には、その上面に不織布2
4が固定されている。
【0051】また、上記給水溝50は、その両端部を同
様の給水溝50で連接され、排水溝14側の一方の接続
部は、グラウンド1の短手方向の端部に沿って給水溝5
0が延長されて一方の排水溝14へと注ぎ、この給水溝
50と排水溝14との境部分には堰54が設けられてい
る。
【0052】さらに、この排水溝14に注ぐ給水溝50
とグラウンド1の対角方向に位置する給水溝50の接続
部は、堰54が設けられた排水溝14と反対の方向に、
グラウンド1の短手方向の端部に沿って給水溝50が延
長され、その端部には給水栓18が設けられている。
【0053】また、この給水溝50には、周囲の下層地
盤8上に設けられた人工芝26の基材22と不織布24
とが一体となって、給水溝50の上端部から内方に垂下
されている。さらに、給水溝50の上面開口には、上面
に人工芝26の備えられたカバー部材52が設けられ、
上面開口部を覆っている。即ち、下層地盤8上を覆う人
工芝26の基材22とその基材22に設けられた不織布
24は、その端部がカバー部材52の側縁から給水溝5
0に差し込まれた状態で、給水溝50内に垂下されてい
る。
【0054】そして、下層地盤8上の人工芝26の基材
22上に固定された不織布24上と上記カバー部材52
の上面に設けられた人工芝26の基材22上には、砂2
8が敷き詰められて平坦なグラウンド1が形成されてい
る。
【0055】従って、給水栓18から吐出供給された水
は給水溝50を通って排水溝14へと流出されるが、給
水溝50と排水溝14との境部分に設けられた堰54を
閉ざして給水栓18を開くことにより、給水溝50内の
水量が増加し、給水溝50内に垂下されている不織布2
4の端部が水に浸される。
【0056】不織布24に浸透した水は、上記実施形態
と同様に毛管現象によって不織布24に拡散し、砂28
に吸い上げられて地表層20全体をほぼ均等に湿潤す
る。
【0057】以上説明したように本実施形態の地表層へ
の水供給構造では、不織布24の端部を常時給水溝50
内の水に浸した状態にするため、不織布24が毛管現象
によって必要に応じて給水溝50内の水を吸い上げて不
織布24全体に拡散し、さらに、この不織布24に含浸
された水を、その上部に敷き詰められた砂28が毛管現
象で吸い上げる。従って、地表層20を常にほぼ均等に
適切な湿潤状態に保つことができる。
【0058】さらに、給水溝50の上面開口を上面に人
工芝26を備えたカバー部材52で覆ったので、給水溝
50の上面開口上も、周囲のグラウンド1地表面と変わ
らず平坦に整えることができ、よってグラウンド1内の
任意の場所に給水溝50を設けることが可能である。
【0059】尚、上記実施形態では、導水性に富むシー
ト状部材として不織布を用いる例を示したが、シート状
部材はこれに限らず織布でも編物でも構わない。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
示す地表層への水供給構造にあっては、下層地盤上に敷
設した人工芝の基材上に導水性に富むシート状部材を備
え、その上に細粒子部材を敷き詰めてグラウンドの地表
層を形成し、上記細粒子部材と上記下層地盤との間に通
水手段を設け、さらに上記通水手段に任意位置に上向き
の開口を形成して、上記通水手段の水を上記開口から上
記シート状部材を介して細粒子部材に供給したので、給
水手段からの水はシート状部材に浸透し、毛管現象によ
ってシート状部材全体に拡散する。そして、このシート
状部材の上方には、これに接して地表層を構成する砂な
どの細粒子部材があるから、シート状部材に含浸されて
いる水は細粒子部材の粒子間の隙間に作用する毛管現象
によって吸い上げられて上昇拡散しつつ地表面まで浸透
し、地表層を湿潤させる。このように、毛管現象により
水を浸透させることによって、供給される水はシート状
部材及び地表層の水分が不足している部分に広がり、グ
ラウンド全体をほぼ均等に湿潤することができる。
【0061】請求項2の地表層への水供給構造では、下
層地盤上に敷設する人工芝を複数に分割して繋ぎ合わ
せ、その人工芝の繋ぎ合わせ目に沿わせて前記給水手段
を配設したので、給水手段に不具合が生じた場合でも、
人工芝を全面に亘ってはがす必要がなく繋ぎ合わせ部分
のみをはがして給水手段を露出することができるため、
極めて容易に給水手段をメンテナンスすることができ
る。
【0062】請求項3の地表層への水供給構造では、給
水手段をその長手方向に沿って多数の散水口が形成され
た散水管で構成し、さらに、その散水管をシート状部材
と人工芝の基材との間に設けたので、下層地盤に加工を
施さなくとも、長手方向に沿って多数の散水口を有した
散水管をシート状部材の近傍に容易に設置でき、散水口
からシート状部材に確実に水を浸透させることができ
る。
【0063】請求項4の地表層への水供給構造では、給
水手段を下層地盤内に設けられた通水管と、その通水管
に連通するとともに人工芝の基材とシート状部材とを貫
通して起立し、通水管の長手方向に沿って多数設けられ
た縦管と、その縦管の上端開口の上方を覆って縦管上端
の外周部にシート状部材に接するように給水口を形成し
た蓋部材とからなる構成としたので、給水手段の給水口
から流れ出る水を直接細粒子部材に触れさせることな
く、確実にシート状部材に浸透させることができると共
に、細粒子部材を水が押し流すことがないため地表面を
常に平坦に保つことができる。
【0064】請求項5の地表層への水供給構造では、給
水手段を下層地盤の上面に凹設された給水溝と、その給
水溝の上面開口を覆う人工芝付きカバー部材とからな
り、その給水溝内に下層地盤上に敷設された人工芝の基
材とシート状部材との端部を前記カバー部材の側縁から
差し込んで垂下させたので、給水溝の開口上も、周囲の
グラウンド面と変わらず平坦に整えることができ、よっ
てグラウンド内の任意の場所に給水溝を設けることが可
能であると共に、シート状部材の端部を常時給水溝内の
水に浸した状態にするため、シート状部材が毛管現象に
よって必要に応じて給水溝内の水を吸い上げて細粒子部
材を湿潤させ、地表層を常にほぼ均等に適切な湿潤状態
に保つことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地表層への水供給構造の第1実施形態
のグラウンド構造を示す断面図である。
【図2】本発明の地表層への水供給構造の第1実施形態
の給水管の配置を示す平面図である。
【図3】本発明の地表層への水供給構造の第2実施形態
のグラウンド構造を示す断面図である。
【図4】本発明の地表層への水供給構造の第3実施形態
のグラウンド構造を示す断面図である。
【図5】本発明の地表層への水供給構造の第3実施形態
の給水管の配置を示す平面図である。
【図6】本発明の地表層への水供給構造の第3実施形態
の給水口の詳細を示す断面図である。
【図7】本発明の地表層への水供給構造の第4実施形態
のグラウンド構造を示す断面図である。
【図8】本発明の地表層への水供給構造の第4実施形態
の給水手段の配置を示す平面図である。
【符号の説明】
1 グラウンド 8 下層地盤 10 給水管(散水管) 12 給水キャップ 14 排水溝 16 排水栓 18 給水栓 20 地表層 22 基材 24 不織布(シート状部材) 26 人工芝 28 砂(細粒子部材) 34 配管溝 36 抜け防止手段 38 縦管 40 蓋部材 42 穴 50 給水溝 52 カバー部材 54 堰
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤川 宏幸 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株式 会社大林組技術研究所内 (72)発明者 大島 剛 東京都港区南青山1丁目24番1号 大林道 路株式会社内 Fターム(参考) 2D051 HA01 HA08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下層地盤上に敷設された人工芝の基材上
    に砂などの細粒子部材を敷き詰めてなるグラウンド地表
    層に水を供給して湿潤状態に保持させるための水供給構
    造であって、 上記人工芝の基材上面に織布、不織布等の導水性に富む
    シート状部材を設けるとともに、このシート状部材に水
    を浸透させて供給する給水手段を、グラウンドの適宜箇
    所に1ないし複数設け、上記給水手段から供給される水
    を上記シート状部材でグラウンド全面に拡散させつつ、
    上記細粒子部材に水を含浸させることを特徴とする地表
    層への水供給構造。
  2. 【請求項2】 前記下層地盤上に敷設する人工芝は複
    数に分割して繋ぎ合わせ、該人工芝の繋ぎ合わせ目に沿
    わせて前記給水手段を配設することを特徴とする請求項
    1に記載の地表層への水供給構造。
  3. 【請求項3】 前記給水手段は、長手方向に沿って多数
    の散水口が形成された散水管で構成し、該散水管を前記
    シート状部材と人工芝の基材との間に設けたことを特徴
    とする請求項1または2のいずれかに記載の地表層への
    水供給構造。
  4. 【請求項4】 前記給水手段が、前記下層地盤内に設け
    られた通水管と、該通水管に連通するとともに前記人工
    芝の基材と前記シート状部材とを貫通して起立し、該通
    水管の長手方向に沿って多数設けられた縦管と、該縦管
    の上端開口の上方を覆って該縦管上端の外周部に前記シ
    ート状部材に接するように給水口を形成する蓋部材とか
    らなることを特徴とする請求項1または2のいずれかに
    記載の地表層への水供給構造。
  5. 【請求項5】 前記給水手段が、前記下層地盤の上面に
    凹設された給水溝と、該給水溝の上面開口を覆う人工芝
    付きカバー部材とからなり、該給水溝内に前記下層地盤
    上に敷設された人工芝の基材と前記シート状部材との端
    部が前記カバー部材の側縁から差し込まれて垂下されて
    いることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記
    載の地表層への水供給構造。
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