JP2000239408A - 光学用シート及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

光学用シート及びそれを用いた液晶表示装置

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JP2000239408A
JP2000239408A JP11037823A JP3782399A JP2000239408A JP 2000239408 A JP2000239408 A JP 2000239408A JP 11037823 A JP11037823 A JP 11037823A JP 3782399 A JP3782399 A JP 3782399A JP 2000239408 A JP2000239408 A JP 2000239408A
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liquid crystal
polymer sheet
retardation
die
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Susumu Arai
進 新井
Junji Tanaka
順二 田中
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面平滑性に優れ、平面のリタデーション複
屈折率が小さい、つまり光学的位相差の小さいシートで
あり、シートの反りが少ない、液晶表示パネルに使用で
きる光学用シートを提供する。 【解決手段】 Tダイもしくはコートハンガーダイで溶
融押しだしされた熱可塑性高分子シートで有り、ガラス
転移点が150℃以上であり、厚みが150μm以上1
000μm以下であり、平面に於けるリタデーションが
20nm以下で有り、少なくとも一方の表面の粗さが最
大0.1μm以下であり、シートの300mm角の最大
の反り量が5mm以下である光学用シートであり、それ
を用いた液晶表示装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面のリタデーシ
ョンが小さく、かつ平面平滑性に優れ、シートの反りが
少ない光学用シートに関するものであり、このようなシ
ートは液晶表示装置等の光学用シートとして適してい
る。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示素子用透明電極基板には
ガラス基板が使用されてきたが、ガラス基板を用いた液
晶表示素子においては、ガラス基板自体が厚いため液晶
表示素子自体の薄型化が困難であると共に、軽量化しに
くいという欠点があり、更に、可とう性、耐衝撃性の点
で問題があった。
【0003】このガラス基板液晶表示素子の持つ欠点を
改善する方法として、プラスチックフィルムを用いて液
晶パネルを作製することにより、液晶パネルの軽量化、
耐衝撃性の向上が検討されている。例えば、特開昭53
−68099号公報及び特開昭54−126559号公
報には、ガラス基板の代わりに導電性酸化金属物質を蒸
着した長尺のポリエステルフィルムを用いて液晶表示素
子パネルを連続して製造することが示されているが、光
学的特性において優れているとは言いがたいものであっ
た。
【0004】この問題を解決するため、光学等方性に優
れた熱可塑性樹脂シートをこれらの用途に応用すべく研
究を進めたところ、溶融押し出し製膜工程において発生
する分子配向に起因するシートのリタデーションの増大
が重大な欠点となることがわかった。例えば、TN(Tw
isted Nematic)型液晶表示素子では偏光板により直線
偏光にされた入射光が、透明電極シートの複屈折性及び
そのシート面内の偏差から部分的に異なる楕円偏光にな
るため、コントラストの低下、表示ムラを生じさせてい
る。
【0005】更にSTN(Super Twisted Nematic)型
液晶表示素子では、透明電極シートの複屈折性より発現
する光学的位相差からTN型液晶表示素子以上に高精細
な表示が得られないばかりでなく、液晶分子より発生す
るリターデーションもあることから、光学位相差を補償
するための偏光板、位相差板及び透明電極シートによる
液晶セルの組み合わせの最適化が非常に煩雑なものとな
っている。
【0006】更に、熱可塑性樹脂シートを用いた液晶セ
ルが実用化されるにつれて、表示面積が大型化し、電極
同志を均一間隔に保つ、いわゆるギャップ維持のため、
基材として変形し難いことが要求されている。基材厚み
は当初の100μm厚から300μmを越える場合が出
てきており、高分子シートを用いた開発も行われている
が、平面のリタデーションによる液晶表示のコントラス
トの問題、表面性、平面平滑性が原因である表示欠点の
問題、反りによる液晶封子部の剥がれ、及び素子の変形
が課題となっており、早急な改善が望まれている。
【0007】光学用材料の位相差を改善する方法とし
て、特殊な2価フェノールを構造単位とする特殊ポリカ
ーボネートを用いる方法(特開昭63−108024号
公報)、固有複屈折が正の材料と負の材料をブレンドす
る方法(T. Inoue et al.,Journal of Polymer Scienc
e,Part B, 25, 1629(1987).)、固有複屈折が正のポリ
カーボネートと負のポリスチレンをグラフト共重合させ
る方法(日経ニューマテリアル、1988年9月26日
号、60〜62頁の記事)、極性基を有したノルボルネ
ン系樹脂を用いる方法(機能材料、1993年1月号、
40〜52頁の記事)などが提案されているが、いずれ
も解決には至っていない。
【0008】押し出し法にて押し出されたシートが冷却
ロールで冷却固化され巻き取られる瞬間までの短時間の
間に、ダイス内で生じるせん断応力や、ダイスリップか
ら出た樹脂が延伸されることによる流れ方向及び厚み方
向に生じる温度分布によりシート内で発生する面内及び
厚み方向での分子配向を避けることができなかった。こ
の傾向はシート厚みが厚ければ厚いほど顕著になる性質
があり、表示画面の大型化に伴い重大な欠点となってい
た。
【0009】表面平滑性については、一般的に知られて
いるTダイやコートハンガーダイを使用した溶融押しだ
し法では、熱可塑性高分子が通る流路内でのせん断応力
や滞留、更には、ダイスの面やリップの精度により生じ
るとされているダイラインと呼ばれる筋がシート面に発
生し、表面の平滑性を低下させている。表面平滑性を向
上させる手段として、熱可塑性高分子を溶剤に溶解さ
せ、フィルムもしくは金属ベルト等にコーティングし乾
燥させる溶剤キャスト法が知られているがシート厚みが
厚くなった場合の生産性及びシート中の溶剤の残留が問
題となる。
【0010】他方、表面を高精度に仕上げたロールとロ
ール、金属ベルトとロール、または金属ベルトと金属ベ
ルトの間で溶融押し出しした熱可塑性高分子をニップ
し、ロールまたは金属ベルトの表面を転写させる方法も
あるが挟み込みを行うため光学的歪み、即ち、リタデー
ションが発生し、光学用のシートとして使用することが
困難である。また、表面を高精度に仕上げた金型に熱可
塑性高分子を封入して成形する射出成形法もCDディス
クの成形で知られるようにリタデーションの制御が可能
であり、生産性も問題ないことから有力候補と考えられ
るが、射出成形法では数mmオーダーの厚みのシートが
限界であり、数百μmのオーダーの厚みには対応できな
い。
【0011】表面性を向上させるために後加工を行うこ
とも知られているが、表面を高精度に仕上げた板でシー
トをプレスし、表面平滑性を向上させる方法は生産性が
悪く、大量生産には向いておらず、また、PETフィル
ムで知られるような延伸加工を行う方法は、シートの表
面性は向上するが複屈折が生じるため光学用シートの製
造方法としては適していない。シートの反りについて
は、一般的に知られている冷却ロールでの冷却方法は、
冷却固化時に冷却ロールの円周を形取ることによりシー
トの反りが発生すると考えられているが、その解決法と
して極めて大きな冷却ロールを使用し曲率を増加させる
ことが考えられるが経済的に適さない。
【0012】また、曲率のない平板上で高分子シートを
冷却固化する事により解決が見いだされると考えられる
が、冷却面に接触している高分子シートの表面温度と高
分子シートの反対側の表面温度との差によりシートの反
りが発生してしまう。他方、射出成形法、板によるプレ
ス法、金属ベルトによるニップ法等はシートに反りを生
じさせない製法であるが、前述のように光学用シートと
しては平面のリタデーションの点で問題がある。このよ
うに、表面平滑性に優れ、複屈折率が小さく、且つシー
トの反りが小さい熱可塑性高分子シートを製造すること
は現状技術では困難であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、高分子シートの表面平滑性が優れ、複屈折率が
小さい、つまり光学的位相差の小さいシートであり、更
に高分子シートの反りが小さく、液晶表示パネル用とし
て問題なく使用できる光学用シート及びそれを用いた液
晶表示装置である。
【0014】
【課題を解決するための手段】従来技術では、到達し得
なかった平面平滑性に優れ、リタデーションの少ない、
且つシートの反りが小さい光学用シートを得んと鋭意検
討した結果、Tダイもしくはコートハンガーダイで溶融
押しだしされた熱可塑性高分子シートであり、ガラス転
移点が150℃以上であり、厚みが150μm以上10
00μm以下であり、平面に於けるリタデーションが2
0nm以下で有り、且つ少なくとも一方の表面の粗さが
最大0.1μm以下である光学用シートである。
【0015】更に好ましい形態としては、該熱可塑性高
分子シートの300mm角の最大の反り量が5mm以下
であり、ポリエーテルサルフォンからなる光学用シート
である。更に上記の光学用シートを用いて製作された液
晶表示装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】更に詳細に説明すると、熱可塑性
高分子のガラス転移点(Tg)は、150℃以上が好ま
しく、更に好ましくは180℃以上である。熱可塑性高
分子のTgが150℃未満になると液晶組立工程の熱処
理、例えば、配向膜焼成及びシール硬化温度にてシート
が軟化し不具合を生じてしまう。
【0017】熱可塑性高分子シートの厚みに関しては、
150μm以上1000μm以下が好ましく、更に好ま
しくは200μm以上500μm以下である。高分子シ
ートの厚みが150μm未満であるとガラスのラインを
転用した場合に取り扱いが困難であり、また、液晶のセ
ルギャップ保持が難しく、特に、大面積の液晶表示素子
ではセルギャップ保持をすることができない。1000
μmを越えると液晶表示がダブルイメージと呼ばれる表
示不良を起こし、更に液晶表示素子の厚みが厚くなり機
能上好ましくない。
【0018】平面のリタデーションは、好ましくは、2
0nm以下、更に好ましくは10nm以下である。平面
のリタデーションとは、Re=(Nx−Ny)×dで表
されるもので、Nxは高分子シート面内の最大の屈折率
であり、Nyは高分子シート面内の最小の屈折率であ
る。dはシートの厚みである。リタデーションが20n
mを越えると液晶表示のコントラストの低下が発生し、
表示が明瞭に見えなくなる。
【0019】高分子シートの表面粗さの最大(Rma
x)は、0.1μm以下が好ましく、更に好ましくは、
0.05μm以下である。表面粗さの最大が0.1μm
より大きいと液晶のセルギャップ異常が発生し、表示不
良となってしまう。高分子シートの反りは、300mm
角の大きさで5mm以下が好ましく、更に好ましくは3
mm以下あでり、より好ましくは1mm以下である。高
分子シートの反りが5mmを越えると、液晶のセルギャ
ップ保持が難しく、表示不良となるばかりか、シートの
反りの応力により液晶セルが変形し、シール部が剥離す
るといった信頼性の低下につながる。
【0020】これらの光学用シートの製造方法として
は、Tダイもしくはコートハンガーダイで溶融押しだし
されて製造される。熱溶融された熱可塑性高分子が通過
するダイス面の表面粗さの最大(Rmax)は、0.5
μm以下が好ましく、更に好ましくは、0.3μm以下
である。表面粗さの最大(Rmax)が0.5μmを越
えると、ダイスより溶融押しだしされた高分子シートの
表面は、ダイスの表面性の影響を受け、ダイラインと呼
ばれる筋、つまり、シートの表面に凹凸の筋が発生し、
金属ベルトを通しても消し去ることが困難である。
【0021】ダイスのリップ間隙は、シート厚みに対
し、3倍以上50倍以下であることが好ましく、更に好
ましくは、5倍以上40倍以下である。ダイスのリップ
間隙がシート厚みに対し、3倍未満であるとダイスより
溶融押し出しされた高分子シートを引き延ばす作用が少
なくなり、高分子シートの表面粗さが悪化する。ダイス
表面の表面粗さを向上させることにより改善は出来るが
技術的にも経済的にも問題がある。50倍を越えると高
分子シートの表面粗さに対しては、改善方向であるが、
厚み調整が難しく、厚みのばらつきが大きくなる等の他
に、高分子シートに延伸作用が働き、高分子シートのリ
タデーションが悪化する原因ともなる。
【0022】金属ベルトの表面粗さの最大(Rmax)
は、0.1μm以下が好ましく、更に好ましくは、0.
05μm以下である。高分子シートは、金属ベルトの面
を転写するため、金属ベルトの表面性が0.1μmを越
えると高分子シートの表面粗さの最大も0.1μm以上
となるため光学シートとしては問題となる。
【0023】金属ベルトの長さは、高分子シートの流れ
方向に対し曲率がない位置での冷却時間が20秒以上あ
ることが好ましく、更に好ましくは、30秒以上であ
る。冷却時間が20秒未満となる金属ベルトを使用する
と高分子シートが十分に冷却されず、シートの反りが発
生する原因となり、また、十分に冷却されないと高分子
シートのリタデーションが悪化する。ダイスリップから
溶融押しだしされた熱可塑性高分子シートが最初に接触
する金属ベルトの温度(V1)は、熱可塑性高分子のガ
ラス転移点(Tg)に対し、Tg−20≦V1≦Tg+
100(℃)の範囲が好ましく、更に好ましくは、Tg
−10≦V1≦Tg+80(℃)である。V1がTg−
20℃未満であるとダイスより溶融押しだしされた高分
子シートが急冷され、冷却シワと呼ばれる外観不良とな
る。また、V1がTg+100℃以上であるとダイス温
度より高い温度で冷却する不具合の他、高分子シートが
熱分解を起こす可能性がある。
【0024】シート流れ方向に対し曲率の無い金属ベル
トの温度(V2)は、Tg−30≦V2≦Tg+30
(℃)の範囲が好ましく、更に好ましくは、Tg−20
≦V2≦Tg+20(℃)である。V2の温度がTg−
30℃未満であるとV1の温度と同様に冷却シワが発生
してしまい、Tg+30℃を越えると、高分子シートの
固化が十分に行われず、シートの反りが発生すること
と、高分子シートのリタデーションが悪化してしまうこ
とが問題となる。V2の温度条件は、曲率のない金属ベ
ルト上でシートの流れに対し、温度が低くなるよう変化
をつけても構わない。
【0025】金属ベルトにより冷却された高分子シート
が金属ベルトから離れる時の温度(V3)は、Tg−1
00≦V3≦Tg−20(℃)が好ましく、更に好まし
くは、Tg−80≦V3≦Tg−30(℃)である。V
3の温度がTg−100℃未満であると、冷却シワが発
生し、Tg−20℃を越えると金属ベルトから高分子シ
ートを引き離す際に、高分子シートと金属シートが溶融
密着し、外観不良を引き起こす。
【0026】また、高分子シートの金属ベルトに接触し
ている面とは反対側の高分子シート面を金属ベルトと同
じ温度にすることにより、高分子シートの厚み方向の温
度分布を低減し、熱履歴による高分子シートの反りを改
善できる。金属ベルト及び高分子シートの反対面を加熱
する方法としては、赤外線ヒーター加熱、遠赤外線ヒー
ター加熱、熱媒オイル、水蒸気等の加熱方法が考えられ
るがいずれであっても支障はない。ダイスから溶融押し
だしされた高分子シートを金属ベルトに密着させるため
に、金属ベルトと同様の温度に制御されたエアを吹き付
けたり、帯電固定により密着させたりしてもよい。この
ような製造方法で作成された高分子シートを用い、液晶
表示素子を作成したところ、表示欠点のない、フラット
な液晶表示が得られた。
【0027】本発明におけるTgが150℃以上の熱可
塑性高分子としては、例えば、ポリサルホン、ポリエー
テルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、
高耐熱ポリカーボネート、ノルボルネン系高分子及びこ
れらをブレンドした樹脂をあげることができるが、中で
もポリエーテルサルホンが好ましい。更に、イミド変性
ポリメチルメタクリレート等のイミド等で変性された高
分子等も用いることができる。
【0028】本発明のシートの光学的物性は次の方法に
より測定した。 (1)シート厚み 接触式のダイヤルゲージで高分子シートの幅方向に20
mm間隔で測定した平均値。 (2)高分子シートの表面粗さの最大(Rmax) 接触式の精密段差計(TENCOR INSTRUME
NTS製 AIPHA−STEP200)により、高分
子シートの幅方向に2mmのスキャン幅にて全幅を測定
した凹凸の最大値。
【0029】(3)高分子シートのリタデーション オリンパス光学(株)製偏光顕微鏡BH2とベレックコ
ンペンセーターを用い、波長550nmでのリタデーシ
ョンを測定した。 (4)高分子シートの反り 高分子シートの流れ方向に300mm長さ、幅方向に3
00mm長さに切り取った正方形のサンプルを、定盤に
対して、高分子シートの表側を上にした場合と下にした
場合の、定盤の面から最大に離れた高分子シートの高さ
を測定し、その最大値をシートの反りとした。
【0030】(5)金属ベルトの表面粗さの最大(Rm
ax) 接触式表面粗さ計((株)ミツトヨ製のサーフテスト3
01)により、金属ベルトの幅方向にカットオフ長さ
0.8mmにて全幅を測定したときの凹凸の最大値。 (6)ダイスの表面粗さの最大(Rmax) 接触式表面粗さ計((株)ミツトヨ製のサーフテスト3
01)により、ダイスの幅方向にカットオフ長さ0.8
mmにて全幅を測定したときの凹凸の最大値。
【0031】
【実施例】以下本発明を実施例、比較例によって説明す
る。 《実施例1》住友化学工業(株)のポリエーテルサルホ
ン樹脂:ビクトレックスPES4100G(Tg=22
6℃)を表面粗さの最大(Rmax)が0.4μm、リ
ップ間隙が3mmのダイスを用い、表面粗さの最大(R
max)が0.1μm、ダイから押し出された高分子シ
ートが流れ方向に対し曲率のない形で接触している時間
が22秒となる金属ベルトを使用し、金属ベルトの温度
(V1)を250℃、(V2)の温度を210℃、(V
3)の温度を180℃、高分子シートの金属ベルトに接
触している面とは反対側の面を赤外線ヒーターにより、
金属ベルト側のシート表面温度と同じ温度にして、厚み
が400μmのシートを成形した。その結果、平面に於
けるリタデーションが15nmで有り、且つ、金属ベル
ト面に接した高分子シートの表面の粗さの最大(Rma
x)が0.06μm、300mm角の高分子シートの最
大の反り量が2mmである高分子シートを得ることが出
来た。
【0032】《実施例2》住友化学工業(株)のポリエ
ーテルサルホン樹脂:ビクトレックスPES4100G
(Tg=226℃)を表面粗さの最大(Rmax)が
0.3μm、リップ間隙が4mmのダイスを用い、表面
粗さの最大(Rmax)が0.07μm、ダイから押し
出された高分子シートが流れ方向に対し曲率のない形で
接触している時間が25秒となる金属ベルトを使用し、
金属ベルトの温度(V1)を270℃、(V2)の温度
を210℃、(V3)の温度を150℃、高分子シート
の金属ベルトに接触している面とは反対側の面を赤外線
ヒーターにより、金属ベルト側のシート表面温度と同じ
温度にして、厚みが600μmのシートを成形した。そ
の結果、平面に於けるリタデーションが18nmで有
り、且つ、金属ベルト面に接した高分子シートの表面の
粗さの最大が0.05μm、300mm角の高分子シー
トの最大の反り量が3mmである光学用シートを得るこ
とが出来た。
【0033】《実施例3》《実施例1》で得られた40
0μm厚みの高分子シートを用い、分子量1540、融
点70℃のエポキシアクリレートプレポリマー(昭和高
分子製、VR−60)100重量部、酢酸ブチル400
重量部、セロソルブアセテート100重量部、ベンゾイ
ンエチルエーテル2重量部を50℃にて攪拌、溶解して
均一な溶液としたものをグラビアロールコータで塗布
し、80℃で10分間加熱して溶媒を除去し、80w/
cmの高圧水銀灯により15cmの距離で30秒間照射
して樹脂を硬化させ、0.5μm厚の有機層を両面に形
成した。次にこのシート上にDCマグネトロン法により
初期真空度3×10-4Paに引き、酸素/アルゴンガス
9%の混合ガスを導入、3×10-1Paの条件下におい
て無機層を成膜し500Å厚のSiO2を得た。この無
機膜の酸素バリヤー性はモコン法により測定したところ
1cc/24hr・m2であり、表面抵抗率を測定した
ところ8.1×1012Ωであった。
【0034】次に透明導電膜として、同じくDCマグネ
トロン法により初期真空度3×10-4Paに引き、酸素
/アルゴンガス4%の混合ガスを導入し、1×10-1
aの条件下において成膜し、In/In+Snの原子比
が0.98であるIn23、SnO2からなる透明導電
膜を得た。測定の結果、膜厚は1600Å、比抵抗は4
×10-4Ω−cmであった。成膜後、レジストを塗布、
現像し、エッチング液として10vol%HCl、液温
40℃中でパターンエッチングし、対角長さ3インチ、
L/S=150/50μmのアクティブマトリックス用
パターンを形成した。パターン形成後、配向膜を塗布
し、150℃2hrの焼成処理を行った後、ラビング処
理を行った。ラビング処理後、スペーサーを散布し、シ
ール剤を塗布し、150℃でシール硬化させてセル化
し、液晶を注入した。偏光板をコントラストの最大とな
る位置に貼り合わせ、点灯試験を行ったところ、シート
のリタデーションや液晶のセルギャップ異常による表示
欠点は見られず、コントラストの良い表示を示した。ま
た、液晶セルの形状は、フラットであり、定盤上での反
りは全く確認されなかった。
【0035】《比較例1》《実施例1》の条件の内、ダ
イスの表面粗さの最大(Rmax)を0.8μmにした
ところ、高分子シートの表面粗さの最大値(Rmax)
が、0.26μmとなった。このシートを用い、《実施
例1》と同様に液晶セルを作成したところセルギャップ
異常による表示欠点が確認された。
【0036】《比較例2》《実施例1》の条件の内、ダ
イスのリップ間隙を1mmとしたところ、高分子シート
の表面粗さの最大値(Rmax)が、1.8μmとなっ
た。このシートを用い、《実施例1》と同様に液晶セル
を作成したところセルギャップ異常による表示欠点が確
認された。 《比較例3》《実施例1》の条件の内、V1の温度を1
90℃、V2の温度を180℃、V3の温度を180℃
としたところ、金属ベルト上で冷却シワが発生し、シー
ト化する事が出来なかった。
【0037】《比較例4》《実施例1》の条件の内、V
2の温度を265℃としたところ、高分子シートの反り
が15mm、平面のリタデーションが70nmとなっ
た。このシートを用い、《実施例1》と同様に液晶セル
を作成したところコントラストが悪く、表示が明瞭に認
識できないことが確認された。 《比較例5》《実施例1》の条件の内、V2の温度を1
80℃としたところ、高分子シートの平面リタデーショ
ンが40nmとなった。このシートを用い、《実施例
1》と同様に液晶セルを作成したところセルギャップ異
常による表示欠点が確認された。
【0038】《比較例6》《実施例1》の条件の内、V
3の温度を90℃としたところ、高分子シートにシワが
発生し、外観不良となった。 《比較例7》《実施例1》の条件の内、V2の温度を2
20℃、V3の温度を220℃としたところ、高分子シ
ートの平面リタデーションが50nm、シートの反りが
20mmとなった。このシートを用い、《実施例1》と
同様に液晶セルを作成したところセルギャップ不良によ
る表示ムラが発生し、また、液晶セルに反りが発生し、
定盤上で平面に押さえつけたところシール部が剥離しセ
ルが破壊した。
【0039】《比較例8》《実施例1》の条件の内、金
属ベルトの表面粗さの最大(Rmax)を0.3μmと
したところ、高分子シートの表面粗さの最大(Rma
x)が50nmとなった。このシートを用い、《実施例
1》と同様に液晶セルを作成したところセルギャップ異
常による表示欠点が確認された。 《比較例9》《実施例1》の条件の内、ダイから押し出
された高分子シートが流れ方向に対し曲率のない形で接
触している時間が15秒となる金属ベルトを使用したと
ころ、高分子シートの平面のリタデーションが45n
m、シートの反りが12mmとなった。
【0040】《比較例10》《実施例1》の条件の内、
高分子シートの金属ベルトに接触している反対側のシー
ト面にある赤外線ヒーターをOFFにしたところ、高分
子シートの平面のリタデーションが25nm、シートの
反りが8mmとなった。このシートを用い、《実施例
1》と同様に液晶セルを作成したところ、コントラスト
が悪く表示が明瞭でなく、セルギャップ不良による表示
ムラが発生し、また、液晶セルに反りが発生した。
【0041】
【発明の効果】本発明により平面のリタデーションが小
さく、表面平滑性に優れ、基板の反りが少ない光学用シ
ートが開発できた。また、本発明により得られた光学用
シートはフレキシブル液晶表示素子用透明電極シートと
して液晶表示パネルに実装した場合に表示ムラのない高
精細な表示を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 81:00 B29L 7:00 11:00 Fターム(参考) 2H090 JA09 JB03 JB13 JC01 JD17 LA01 4F071 AA64 AA86 AF31 AF54 AH19 BB06 BC01 BC12 BC16 4F207 AA34 AG01 AH33 AH73 AK04 KA01 KA17 KK51 KK88 KL84 4J002 CE001 CG001 CL061 CM041 CN031 GP00 5G435 AA00 BB12 EE33 HH02 KK07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Tダイもしくはコートハンガーダイで溶
    融押しだしされた熱可塑性高分子シートであり、ガラス
    転移点が150℃以上であり、厚みが150μm以上1
    000μm以下であり、平面に於けるリタデーションが
    20nm以下で有り、且つ少なくとも一方の表面の粗さ
    が最大0.1μm以下であることを特徴とする光学用シ
    ート。
  2. 【請求項2】 該熱可塑性高分子シートの300mm角
    の最大の反り量が5mm以下である請求項1記載の光学
    用シート。
  3. 【請求項3】 該熱可塑性高分子シートが、ポリエーテ
    ルサルホンからなる請求項1記載の光学用シート。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の光学用シートを用いて組
    み立てられたことを特徴とする液晶表示装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002060508A (ja) * 2000-08-22 2002-02-26 Sumitomo Bakelite Co Ltd 高分子シート及び高分子シートの製造方法並びに液晶表示装置
JP2002172676A (ja) * 2000-12-08 2002-06-18 Sumitomo Bakelite Co Ltd 高分子シート及び高分子シートの製造方法並びに液晶表示装置
JP2002172675A (ja) * 2000-12-08 2002-06-18 Sumitomo Bakelite Co Ltd 高分子シート及び高分子シートの製造方法並びに液晶表示装置

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JP2002172675A (ja) * 2000-12-08 2002-06-18 Sumitomo Bakelite Co Ltd 高分子シート及び高分子シートの製造方法並びに液晶表示装置

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