JP2000239227A - カルボニル化合物誘導体の連続製造方法 - Google Patents

カルボニル化合物誘導体の連続製造方法

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JP2000239227A JP11043215A JP4321599A JP2000239227A JP 2000239227 A JP2000239227 A JP 2000239227A JP 11043215 A JP11043215 A JP 11043215A JP 4321599 A JP4321599 A JP 4321599A JP 2000239227 A JP2000239227 A JP 2000239227A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の装置を組み合わせることにより、カル
ボニル化合物の転化率が高く、かつ、目的生成物である
カルボニル化合物誘導体の選択率に優れたカルボニル化
合物誘導体を連続的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 触媒の存在下にカルボニル化合物からカ
ルボニル化合物誘導体を製造する方法において、第一の
反応を槽中で行い、引き続き第二の反応を前記槽に連結
した反応装置中で行うことを特徴とするカルボニル化合
物誘導体の製造方法。前記第一の反応は、槽中における
カルボニル化合の転化率が85%に達する前段で終結さ
せ、反応液は引き続き第二の反応装置に送給する。前記
触媒は、アルカリ金属のアルコキシド、水酸化物及び酸
化物からなる群から選ばれる一種以上のアルカリ金属化
合物と、アルカリ土類金属酸化物とから構成され、前記
アルカリ金属化合物と前記アルカリ土類金属酸化物の重
量比(アルカリ金属化合物の重量/アルカリ土類金属酸
化物の重量)が0.005ないし1の範囲である塩基触
媒である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒の存在下にカ
ルボニル化合物からカルボニル化合物誘導体を製造する
方法に関するものであり、より詳しくは、特定の装置を
組み合わせて反応を連続的に行い、カルボニル化合物の
転化率が高く、かつ、目的生成物であるカルボニル化合
物誘導体の選択率に優れたカルボニル化合物誘導体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩基触媒は、アルドール縮合反応等の多
くの化合物の合成反応に用いられており、工業的に塩基
触媒を用いる反応を行う場合、触媒としては水酸化ナト
リウムに代表されるアルカリ金属水酸化物や、ナトリウ
ムメトキシドに代表されるアルカリ金属アルコキシド等
が広く用いられている。
【0003】しかし、アルカリ金属水酸化物やアルカリ
金属アルコキシドの多くは、反応系内で均一系触媒とし
て作用するため、反応後に触媒除去操作として中和、水
洗が必要となる。よって、必然的に多量の廃水が発生
し、また、一般に均一系触媒は副生成物が多く生成する
ため目的生成物の選択率が低い場合が多いという難点が
ある。
【0004】一方、固体塩基触媒を用いてアルデヒドか
らグリコールモノエステルを製造する方法において、固
体塩基触媒としてアルカリ土類金属酸化物を用いる例が
特開昭58−65245号公報に記載されている。しか
し、例えば酸化バリウムのみ或いは酸化マグネシウムの
みを用いた反応では触媒活性が小さく、アルカリ土類金
属酸化物単体では十分な触媒活性を得ることは困難であ
った。
【0005】このように、従来の触媒系では、活性が大
きい均一系触媒を用いる場合には多量の廃水が発生し、
廃水の発生が小さい不均一系触媒を用いる場合には充分
な触媒活性や生成物選択性を得ることが困難であり、単
一の触媒系を用いて、活性が大きく、目的生成物の選択
率の大きいカルボニル化合物誘導体の製造方法は知られ
ていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術の
認識に鑑みて、本発明者らは、触媒として、特定のアル
カリ金属化合物と、アルカリ土類金属酸化物とから構成
され、その重量比を特定範囲に定めた塩基触媒が、イソ
ブチルアルデヒド(IBA)などのカルボニル化合物か
ら、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ルモノイソブチレート(CS−12)などのカルボニル
化合物誘導体を製造する際に、上記のような従来技術に
おける問題がなく、かつ、カルボニル化合物の転化率が
高く、カルボニル化合物誘導体の選択率に優れたものと
なることを見いだし、特願平9−213666号として
特許出願(以下、先願発明という)をした。
【0007】この先願発明においては、上記特定の触媒
を用いることによって、高いカルボニル化合物転化率
で、かつ優れたカルボニル化合物誘導体の選択率を達成
できることが説明されており、反応方式は、バッチ式で
も連続式でも良いという認識はしているが、具体的に実
施例においては、上記目的を好適に達成できるバッチ式
によってカルボニル化合物誘導体を製造している。
【0008】本発明者らは、その後、上記先願発明を追
試し、その効果を確認する過程において、先願明細書の
実施例に開示したバッチ式の製造方法に代えて、運転工
数や製品品質の安定性の点から、上記反応を連続的に行
う方法がより有利であるとの着想の元に、度重なる実験
を繰り返した結果、特定の反応装置を組み合わせること
により、連続的な製造方法が可能であることを見いだし
本発明に到達した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、触媒の存在下
に、カルボニル化合物からカルボニル化合物誘導体を製
造するに際して、反応を連続的に行い得る方法を提供す
るものであり、その特徴とするところは、第一の反応を
槽中で行い、カルボニル化合物の転化率が所定の域に達
する前に第一の反応を終結させ、引き続き、該反応槽に
連結された反応装置を用いて第二の反応を行うことにあ
る。
【0010】すなわち、本発明によれば、触媒の存在下
にカルボニル化合物からカルボニル化合物誘導体を製造
する方法において、第一の反応を槽中で行い、引き続き
第二の反応を前記槽に連結した反応装置中で行うことを
特徴とするカルボニル化合物誘導体の製造方法が提供さ
れる。
【0011】また、本発明によれば、前記第一の反応に
おいて、槽中におけるカルボニル化合の転化率が85%
に達する前段で第二の反応装置に送給される請求項1記
載のカルボニル化合物誘導体の製造方法。
【0012】また、本発明によれば、前記第二の反応装
置が、前記第一の反応槽よりも小型のパイプリアクター
または反応槽である上記カルボニル化合物誘導体の製造
方法が提供される。
【0013】また、本発明によれば、前記第二の反応装
置が複数連接されている上記カルボニル化合物誘導体の
製造方法が提供される。
【0014】また、本発明によれば、前記触媒が、間欠
フィードで供給される上記カルボニル化合物誘導体の製
造方法が提供される。
【0015】また、本発明によれば、前記反応槽には、
撹拌装置が付設されている上記カルボニル化合物誘導体
の製造方法が提供される。
【0016】また、本発明によれば、前記触媒が、アル
カリ金属のアルコキシド、水酸化物及び酸化物からなる
群から選ばれる一種以上のアルカリ金属化合物と、アル
カリ土類金属酸化物とから構成され、前記アルカリ金属
化合物と前記アルカリ土類金属酸化物の重量比(アルカ
リ金属化合物の重量/アルカリ土類金属酸化物の重量)
が0.005ないし1の範囲である塩基触媒である上記
カルボニル化合物誘導体の製造方法が提供される。
【0017】また、本発明によれば、前記アルカリ金属
が、ナトリウム、カリウム、及びリチウムからなる群か
ら選ばれる塩基触媒である上記カルボニル化合物誘導体
の製造方法が提供される。
【0018】また、本発明によれば、前記アルカリ土類
金属が、バリウム及びストロンチウムからなる群から選
ばれる塩基触媒である上記カルボニル化合物誘導体の製
造方法が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】カルボニル化合物誘導体(CS−
12)の合成反応は、2,2,4−トリメチル−1,3
−ペンタンジオール(CS−8)と2,2,4−トリメ
チル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート(C
S−16)へと不均化反応を起こすため、高いカルボニ
ル化合物転化率で高いカルボニル化合物誘導体選択率を
達成することが困難であったが、上記先願発明によって
提供される特定の塩基触媒を用いることによって、93
%のカルボニル化合物転化率、93%のカルボニル化合
物誘導体選択率という優れた結果を達成することが可能
になった。
【0020】しかしながら、この優れた結果は、上記触
媒の採択とバッチ式の反応方式がかみ合ってもたらされ
るものであり、上記触媒を用いて1つの反応槽で連続的
な反応を行ったところ、バッチ式の時のような優れた結
果は得られなかった。
【0021】本発明者らは、パイプリアクターの場合
は、高い選択率を維持し得るバッチ式の再現が取りやす
い点で、これを用いた連続反応が可能になるものと考
え、触媒を固定床とする連続的な製造方法の試験を行っ
た。パイプリアクターとは、通常、二重管になってお
り、外側の領域がスチームを通したりヒーターを備えた
加熱機構であり、内側を反応液が流通するようになって
いる自明の反応装置である。
【0022】ところが、触媒の成分であるBaOは嵩比
重が約3と重いために、触媒の沈降を防ぐためには、パ
イプリアクター内の液流速を大きくせざるを得ないとい
うことがわかり、さらに、パイプリアクターを用いた場
合には反応に要する滞留時間が60ないし120分ほど
必要であることから考えると、実際のパイプリアクター
の細さや長さは、とてつもないものになり、工業的に有
利に実施し得るものではないことがわかった。
【0023】一方、反応槽を用いて連続的に上記反応を
継続する場合は、反応槽の構造上、撹拌装置が付設でき
るため、BaOの沈降は防止することができ、容易に連
続プロセスとして適用可能なものと考えられる。しかし
ながら、実際に反応を連続的に実施してみると、BaO
使用量、反応温度、滞留時間等のいずれの条件をコント
ロールしても、カルボニル化合物誘導体選択率は、バッ
チ式反応に比べて悪くなることが判明した。
【0024】本発明者らの実験によると、反応槽を用い
た場合には、反応を開始してカルボニル化合物転化率を
上げて行くと、転化率がほぼ85%に達した後、急激に
カルボニル化合物誘導体の選択率が低下する現象が認め
られた。この現象は、反応におけるBaO使用量、反応
温度、滞留時間等の条件をどのようにコントロールして
も同様に現れるものであることもわかった。
【0025】本発明者らの研究によれば、その理由は、
カルボニル化合物の転化率が約85%に達した時点で、
その二量体である2,2,4−トリメチル−1,3−ペ
ンタンジオール(CS−8)や四量体である2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレ
ート(CS−16)の副生成物が生成されるため、目的
とするカルボニル化合物誘導体の選択率が急激に低下す
るものであることが判明した。
【0026】本発明者らは、このような、上記反応の効
率的な連続化を求めて研究を継続したところ、第一の反
応を反応槽内で行い、カルボニル化合物の転化率が約8
5%に達する前段で反応槽内における反応を切り上げ、
反応液を反応槽に連結したパイプリアクターなどの第二
の反応装置に送給し、引き続き反応を継続することによ
り、95%程度の高い選択率を維持しながら、95%を
超えるカルボニル化合物の転化率を示すカルボニル化合
物誘導体を得ることができるという知見を得て本発明を
完成するに至った。
【0027】つまり、本発明の特徴は、触媒の存在下に
カルボニル化合物からカルボニル化合物誘導体を製造す
る方法において、第一の反応を槽中で行い、引き続き第
二の反応を前記槽に連結した反応装置中で行うことにあ
る。ここにおける第一の反応とは、カルボニル化合物の
転化率が約85%に達する前段、言い換えれば、CS−
8や、CS−16がまだ副生しない時点での反応を意味
するものであり、第一の反応が終結した反応液は、引き
続き反応槽に連結された第二の反応装置に送給され反応
が続行される。
【0028】第二の反応装置とは、第一の反応で転化率
が約85%に達する前段のカルボニル化合物、言い換え
れば、CS−8や、CS−16がまだ副生しない時点の
カルボニル化合物を、選択率を低下させずに全反応を終
結させ、高転化率で、高選択率のカルボニル化合物誘導
体を製造するためのものであり、第一の反応槽よりも小
さい反応装置で十分な第二の反応が達成される。
【0029】第二の反応装置としては、どのようなもの
を用いてもよいが、反応効率ならびに装置全体の配置の
バランス等の点から、パイプリアクターまたは第一の反
応槽よりも小型の反応槽が好適に用いられる。また、第
二の反応装置は、単一の装置である必要はなく、複数の
装置を連結して用いてもよい。
【0030】反応槽には、反応中に触媒のBaOが沈殿
しないように、撹拌装置が付設されていることが好まし
い。また、触媒は、一度に投入したり、連続的に投入し
てもよいが、この場合は、触媒が投入口に詰まりやす
く、その詰まり防止のために、連続計量や連続投入のた
めの特殊で高価な投入装置が必要となることから、一定
時間ごとに減少分のみを追加する形で投入する間欠フィ
ードによる方法が経済的に優れている。
【0031】本発明の塩基触媒は、アルカリ金属化合物
とアルカリ土類金属酸化物とから構成される。本発明で
用いるアルカリ金属化合物は、アルカリ金属アルコキシ
ド、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属酸化物から
なる群から選ばれる。アルカリ金属としては、好ましく
はナトリウム、カリウム又はリチウムであるが、これら
に限定されない。
【0032】アルカリ金属アルコキシドとしては、好ま
しくはそのアルキル基の炭素数が1ないし12のものが
用いられる。具体的には、ナトリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリ
ウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−t−
ブトキシド、リチウムメトキシド、リチウムエトキシ
ド、リチウム−t−ブトキシド等が挙げられる。
【0033】アルカリ金属水酸化物としては、好ましく
は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム
等が用いられる。また、アルカリ金属酸化物としては、
好ましくは酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化リチウ
ム等が用いられる。
【0034】本発明で用いるアルカリ土類金属酸化物に
おけるアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カル
シウム、バリウム、ストロンチウムが挙げられ、好まし
くはカルシウム、バリウム又はストロンチウム、特に好
ましくはバリウム又はストロンチウムであるが、これら
に限定されない。アルカリ土類金属酸化物の具体例とし
ては、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ストロンチ
ウムが挙げられる。
【0035】本発明の塩基触媒中の前記アルカリ金属化
合物とアルカリ土類金属酸化物との重量比は、とくに限
定されないが、好ましくはアルカリ金属化合物/アルカ
リ土類金属酸化物=0.005ないし1、さらに好まし
くは0.01ないし0.5(重量比)である。この比率
が小さすぎると塩基触媒全体としての触媒活性が小さく
なる傾向にあり、一方、大きすぎると生成物の選択率が
低下する傾向にある。
【0036】本発明のアルカリ金属化合物は、粉末、粒
状、塊状、液状等如何なる形態でもよい。また、本発明
のアルカリ土類金属酸化物は、粉末、粒状、塊状等如何
なる形態でもよい。これらのうち、液状のアルカリ金属
化合物と固体のアルカリ土類金属化合物の組み合わせを
好ましいものとして挙げることができる。
【0037】本発明の塩基触媒は、固体のアルカリ土類
金属酸化物に、反応系内で液状として作用するアルカリ
金属化合物を適量併用することによって、アルカリ土類
金属酸化物の欠点である高コストと抵触媒活性を克服す
るとともに、アルカリ金属化合物の欠点である中和と水
洗に伴う多量の廃水の発生を少量に抑制することが可能
となり、また目的生成物の低選択性をも克服することが
できる。
【0038】構成成分であるアルカリ金属化合物とアル
カリ土類金属酸化物は、各々市販のものをそのまま用い
ることができる。また、塩基触媒の調製方法については
公知の方法、例えば、アルカリ金属化合物とアルカリ土
類金属酸化物とをそのまま公知の手段で混合する等の方
法が用いられる。
【0039】なお、本発明の塩基触媒は、前記アルカリ
金属化合物とアルカリ土類金属酸化物とから構成される
ものであり、両者を組み合わせて使用する限り、その使
用の形態については特に限定されない。例えば、前記ア
ルカリ金属化合物とアルカリ土類金属酸化物とを同時に
或いは予め混合・調製した後反応系へ一括添加してもよ
く、また、最初にアルカリ金属化合物を用いて反応を行
い、次いでアルカリ土類金属酸化物を用いて反応を行う
といったように、触媒の各成分を二段階に分けて使用す
る形としてもよい。
【0040】本発明においては、上記塩基触媒は、カル
ボニル化合物からカルボニル化合物誘導体を製造する際
に使用され、特にイソブチルアルデヒドから2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチ
レートを製造する際に用いられるが、この触媒は、一般
的な塩基触媒反応において使用することもできる。
【0041】<カルボニル化合物誘導体の製造方法>本
発明は、アルカリ金属化合物とアルカリ土類金属酸化物
とから構成される触媒の存在下にカルボニル化合物から
カルボニル化合物誘導体を製造する方法である。使用す
るアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属酸化物は、
前述した塩基触媒で用いられるものが用いられる。
【0042】本発明の製造方法における出発原料のカル
ボニル化合物は、カルボニル基を有する有機化合物であ
れば特に限定されず、例えばアルデヒド及びケトンが挙
げられる。好ましくはアルデヒド類、さらに好ましくは
炭素数2ないし12のアルデヒドであり、特に好ましく
は炭素数4ないし8の脂肪族アルデヒドである。具体的
には、脂肪族アルデヒドとしてはイソブチルアルデヒ
ド、ノルマルブチルアルデヒド、2−エチルブチルアル
デヒド、2−エチルヘキシルアルデヒドなどが例示で
き、ケトンとしてはアセトンが例示できるがこれらに限
定されない。
【0043】本発明のカルボニル化合物からカルボニル
化合物誘導体を製造する方法としては、前記カルボニル
化合物を原料として、アルドール縮合反応、ティッシェ
ンコ反応、マイケル付加反応等の塩基触媒の存在下に進
行する反応が関与するものが挙げられる。
【0044】例えば、アルデヒドからグリコールモノエ
ステルを製造する方法、アルデヒドからβ−ヒドロキシ
アルデヒド又はα,β−不飽和アルデヒドを製造する方
法等が挙げられる。よって、本発明の方法で製造される
カルボニル化合物誘導体としては、カルボニル化合物か
ら上記反応により製造されるグリコールモノエステル、
β−ヒドロキシアルデヒド、あるいはα,β−不飽和ア
ルデヒド化合物等が挙げられる。
【0045】本発明において用いる触媒は、カルボニル
化合物としてのイソブチルアルデヒドから、カルボニル
化合物誘導体として2,2,4−トリメチル−1,3−
ペンタンジオールモノイソブチレートを製造する方法に
おいて効果が大きいが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0046】なお、原料であるカルボニル化合物は、不
純物として含まれる酸及び水が少ないもののほうが好ま
しいが、酸含有量0.1重量%、水含有量0.1重量%
以下であれば充分本発明において使用することができ
る。
【0047】本発明の反応は、上記した特定の反応装置
を連結した連続方式で行うものであり、反応槽には通常
撹拌器を付設して、窒素等の不活性雰囲気下で行うのが
好ましい。
【0048】塩基触媒を反応系に添加する方法として
は、前述したように、同時投入、連続投入あるいは間欠
投入の方法があるが、反応効率の面から言えば、例え
ば、アルカリ金属化合物とアルカリ土類金属酸化物とを
同時に反応器へ投入するか、或いは予め両者を混合・調
製した後反応器へ投入するなど、アルカリ金属化合物と
アルカリ土類金属酸化物とを一括添加し原料カルボニル
化合物とともに撹拌して一段階で反応を進行させる方法
が好ましいものとして例示できる。なお、経済的に優れ
た方法として前述した間欠投入の方法も、反応効率が劣
るものでないことは確認されている。
【0049】また、アルカリ金属化合物を先に添加し、
あとからアルカリ土類金属化合物を添加するといった二
段階に分けた添加方法を採用してもよい。すなわち、反
応を前段と後段とに分け、前段で触媒としてアルカリ金
属化合物を用い、後段でアルカリ土類金属酸化物を用い
て反応を完結させる方法をとることができる。ここにお
ける前段の反応とは、必ずしも、反応槽における反応を
意味するものではなく、反応槽における第一の反応を、
前段と後段に分けてもよいし、第二の反応装置の反応を
前段と後段に分けてもよい。ただし、アルカリ土類金属
酸化物を前段反応に用い、アルカリ金属化合物を後段反
応に用いると反応活性が小さくなる傾向にあるので好ま
しくない。
【0050】このような反応を二段階に分けて別々に触
媒を添加する方法(以下、「二段階反応法」という場合
がある。)では、次のような利点がある。すなわち、原
料であるカルボニル化合物は少なからず水分を含有して
おり、添加した触媒がこの水分によって失活するためこ
れを加味して過剰量の触媒を添加することが必要であ
り、一方、酸化バリウム等のアルカリ土類金属酸化物は
アルカリ金属化合物に比べて高価であることから、当初
からアルカリ土類金属化合物を反応系に添加したのでは
過剰量の使用が必要となりコストが嵩むといった問題が
あった。
【0051】しかし、本発明の二段階反応法によれば、
先ず安価なアルカリ金属化合物を反応系に添加し、これ
によって水分をキルした後、アルカリ土類金属酸化物を
添加して反応を行うことによって、高価なアルカリ土類
金属酸化物の使用量を少量で済ませることができ、経済
性に優れたものとなる。また、水分の影響を確実に除去
できる等により、従来の方法に比べ、目的生成物への転
化率、選択率、収率を再現性よく安定的に得ることがで
きる。
【0052】二段階反応法において、アルカリ金属化合
物及びアルカリ土類金属酸化物を添加するタイミングに
ついては、カルボニル化合物の種類、水分含有量等に応
じて適宜経験的に定めることができるが、好ましくは、
アルカリ金属化合物を用いる前段反応工程の反応時間は
0.1ないし2時間であり、アルカリ土類金属酸化物を
用いる後段反応工程の反応時間は0.2ないし3時間で
ある。よって、各工程がこのような反応時間となるよう
に各触媒成分を添加する時期を定めるのが好ましい。
【0053】この二段階反応法における触媒のアルカリ
金属化合物とアルカリ土類金属酸化物との重量比も特に
限定されないが、好ましくは、上述した一段階による反
応の場合と同様に、アルカリ金属化合物/アルカリ土類
金属酸化物=0.005ないし1であり、より好ましく
は0.01ないし0.5(重量比)である。
【0054】本発明の製造方法において、一段階反応の
場合は、アルカリ金属化合物とアルカリ土類金属酸化物
との組合せからなる触媒を、反応液(原料として用いる
カルボニル化合物)に対して0.01ないし20重量%
の範囲で用いることが可能であり、好ましくは0.05
ないし5重量%の範囲であるが、本発明はこれに限定さ
れない。
【0055】また、前記二段階反応法においては、反応
液に対して、アルカリ金属化合物は0.001ないし
0.1重量%の範囲で使用するのが好ましく、アルカリ
土類金属酸化物は0.01ないし10重量%の範囲で使
用するのが好ましいが、これに限定されない。
【0056】本発明の製造方法において、反応槽(第一
の反応)における反応温度は、10ないし130℃が好
ましく、さらに好ましくは50ないし100℃であり、
第二の反応装置における反応温度は、10ないし130
℃が好ましく、さらに好ましくは50ないし100℃で
あるが、この温度に制限されるものではない。
【0057】また、反応時間(滞留時間)は、反応温度
や流量などによっても異なるが、通常、反応槽において
は、0.2ないし5hr、好ましくは0.2ないし3h
r、第二の反応装置においては、0.2ないし5hr、
好ましくは0.2ないし3hrが一応の目安となる。
【0058】反応後、反応液から目的物を得るには、例
えば反応液を極少量の水で水洗し公知の方法にて蒸留す
ればよい。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、触媒の存在下にカルボ
ニル化合物からカルボニル化合物誘導体を製造するに際
して、特定の装置を組み合わせ、第一の反応と第二の反
応を異なる装置で連続的に行うことにより、カルボニル
化合物の転化率が高く、かつ、目的生成物であるカルボ
ニル化合物誘導体の選択率に優れたカルボニル化合物誘
導体を製造することが可能になる。
【0060】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0061】<実施例1ないし11・比較例1ないし6
>酸化バリウム(BaO、和光純薬製)0.6gにナト
リウムメトキシド(MeONa、和光純薬製)0.08
gを加え、全量を、撹拌装置を備えた容量1リットルの
反応槽に移した。これにイソブチルアルデヒド600g
を加えて撹拌し反応を開始した。槽(第一の反応)なら
びに第二の反応装置での反応条件を、目的生成物の選択
率と併せて表1、表2に示した。なお、表1は、第二の
反応装置としてパイプリアクターを用いた場合のもの
で、表2は、第二の反応装置として、容量100ccの
槽型反応器を用いた場合の例を示している。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に記載した反応を反応方式を異ならせ
て実施した場合の、CS−12選択率とIBA転化率の
結果を表すグラフである。 グラフ中、槽型反応装置を用いた連続反応を・・・・・・・・・・■ 先願発明におけるバッチ式反応を・・・・・・・・・・◆ 本願発明の槽+パイプリアクターを併用した反応を・・● 2槽を用いた連続反応を・・・・・・・・・・・・・・▲ で示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA08 BB04A BC02A BC02B BC03A BC04A BC12A BC13A BC13B CB72 4H006 AA02 AC22 AC41 AC48 BA02 BA06 BA29 BA30 BA32 BC32 BC40 BD21 BD60 BD80 BD84 BN10 KA36 4H039 CA10 CA60 CA66 CB20 CC30 CF30

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の存在下にカルボニル化合物からカ
    ルボニル化合物誘導体を製造する方法において、第一の
    反応を槽中で行い、引き続き第二の反応を前記槽に連結
    した反応装置中で行うことを特徴とするカルボニル化合
    物誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第一の反応において、槽中における
    カルボニル化合物の転化率が85%に達する前段の中間
    反応物を第二の反応装置に送給する請求項1記載のカル
    ボニル化合物誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第二の反応装置が、前記第一の反応
    槽よりも小型のパイプリアクターまたは反応槽である請
    求項1または2記載のカルボニル化合物誘導体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第二の反応装置が複数連接されてい
    る請求項3記載のカルボニル化合物誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記触媒が、間欠フィードで供給される
    請求項1記載のカルボニル化合物誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記反応槽には、撹拌装置が付設されて
    いる請求項1ないし5のいずれか1記載のカルボニル化
    合物誘導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記触媒が、アルカリ金属のアルコキシ
    ド、水酸化物及び酸化物からなる群から選ばれる一種以
    上のアルカリ金属化合物と、アルカリ土類金属酸化物と
    から構成され、前記アルカリ金属化合物と前記アルカリ
    土類金属酸化物の重量比(アルカリ金属化合物の重量/
    アルカリ土類金属酸化物の重量)が0.005ないし1
    の範囲である塩基触媒である請求項1記載のカルボニル
    化合物誘導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記アルカリ金属が、ナトリウム、カリ
    ウム、及びリチウムからなる群から選ばれる塩基触媒で
    ある請求項7記載のカルボニル化合物誘導体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記アルカリ土類金属が、バリウム及び
    ストロンチウムからなる群から選ばれる塩基触媒である
    請求項7記載のカルボニル化合物誘導体の製造方法。
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