JP2000239032A - 石英ガラス円筒体の内面研磨方法 - Google Patents
石英ガラス円筒体の内面研磨方法Info
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Abstract
れた石英ガラス円筒体の内面を、ダイヤモンドツールに
よる研削傷を残すことなく研磨することを可能とした新
規な石英ガラス円筒体の内面研磨方法を提供する。 【解決手段】ダイヤモンドツールを用いて内面を研削加
工された石英ガラス円筒体の内面を研磨するにあたり、
形状変形可能な研磨布を用いて、第1の研磨スラリーを
流しながら、上記研削加工時に生じたダイヤモンドツー
ルによる研削傷を取り除くための研磨加工を行う第1工
程と、ブラシを用いて第2の研磨スラリーを流しなが
ら、鏡面研磨加工を行う第2工程を有するようにした。
Description
用される炉心管やランプを製造するために使用される石
英ガラスチューブ及び光ファイバーの母材となる石英ガ
ラス製ジャケットチューブ等を製造するための母材とな
る石英ガラス円筒体の内面を研磨する方法に関する。
ランプを製造するために使用される石英ガラスチューブ
及び光ファイバーの母材となる石英ガラス製ジャケット
チューブを製造するための母材となる石英ガラス円筒体
は、インゴットと呼ばれる石英ガラスの円柱体を作製し
た後、コアドリル等のダイヤモンドツールを用いて、穴
あけ加工をすることによって作製されていた。
やランプを製造するために使用される石英ガラスチュー
ブ及び光ファイバーの母材となる石英ガラス製ジャケッ
トチューブは、この穴あけ加工によって作製された石英
ガラス円筒体を電気炉等で加熱軟化し、延伸することに
よって作製されていた。
れたチューブは、その内表面が外表面に比べて相対的に
加熱温度が低く、母材となる石英ガラス円筒体を作製す
る過程で付いたダイヤモンドツールによる研削傷が微小
な凹凸となって残ってしまい、製品の検査時に外観不良
を招いていた。
合を解消するために、特開平3−75232号記載の方
法が提案された。この提案された方法は、ダイヤモンド
ツールによって研削加工された石英ガラス円筒体の内面
をブラシを用いて、研磨しようというものであるが、ブ
ラシを用いた研磨の場合、ダイヤモンドツールによる研
削傷の凹凸部をなぞるだけであり、根本的に凹凸部を平
滑にするだけの研磨力を有していないため、ダイヤモン
ドツールによる凹凸の研削傷の形状を残したままの研磨
しかできないという欠点を有していた。
されたもので、ダイヤモンドツールを用いて内面を研削
加工された石英ガラス円筒体の内面を、ダイヤモンドツ
ールによる研削傷を残すことなく研磨することを可能と
した新規な石英ガラス円筒体の内面研磨方法を提供する
ことを目的とする。
ために、本発明の石英ガラス円筒体の内面研磨方法は、
ダイヤモンドツールを用いて内面を研削加工された石英
ガラス円筒体の内面を研磨するにあたり、形状変形可能
な研磨布を用いて、第1の研磨スラリーを流しながら、
上記研削加工時に生じたダイヤモンドツールによる研削
傷を取り除くための研磨加工を行う第1工程と、ブラシ
を用いて第2の研磨スラリーを流しながら、鏡面研磨加
工を行う第2工程を有することを特徴とする。
0〜#1200の研磨砥粒の混濁液を用いるのが好適で
あり、該研磨砥粒としては炭化けい素(SiC)質砥粒
又はアルミナ質砥粒が用いられる。
処理から構成し、各研磨処理で使用する第1の研磨スラ
リー中の研磨砥粒の粒径を徐々に小さくするようにすれ
ば、より良好な研磨を達成することができる。
の研削傷を消すためには、ダイヤモンド砥石の粒径と同
等若しくはダイヤモンド砥石の粒径よりも僅かに小さい
粒径の砥粒を最初に使用し、その後粒径を小さくしてい
くのが好適である。
は#800→#1200と4段階で行うこともできる。
第1工程の研磨ステップの回数が少ない場合、第2工程
の鏡面研磨工程での研磨時間が長くなるという不利が生
じる。
リウム又はコロイダルシリカの#2500前後の研磨砥
粒の混濁液を用いるのが好適である。
ついていえば、研磨砥粒の粒径が大きい程、研磨能力が
あるため、粒径が小さくなる程研磨時間は長くなるが、
実際の研磨においては研磨面の状態に応じて適宜設定す
ればよい。
axが1μm以下、中心線平均粗さRaが0.1μmと
なるように研磨加工するのが好ましい。
の内面研磨方法を実施する際に好適に用いられる内面研
磨装置の1例を添付図面に基づいて説明する。
側面的概略説明図である。図2は研磨ロッドの1例を示
す摘示側面説明図である。図3は研磨ブラシの1例を示
す摘示側面説明図である。
英ガラス円筒体Aの中空部aの内面を研磨する。該内面
研磨装置10は架台12を有している。該架台12の上
面にはベースプレート14が設けられている。
けられた一対の載置ローラーで、それぞれ支持枠18,
19に回転軸20,21を介して回転自在に取りつけら
れている。一方の載置ローラー16の回転軸20の一端
部にはプーリー22が設けられている。
けられたモーターである。該モーター24のモーター軸
26の先端にはモータープーリー28が取りつけられて
いる。プーリー22及びモータープーリー28はプーリ
ーベルト29を介して連結されている。したがって、モ
ーター24が駆動してモーター軸26が回転すると、そ
の回転は、モータープーリー28,プーリーベルト2
9,プーリー22及び回転軸20を介して載置ローラー
16に伝達され、当該載置ローラー16も回転する。載
置ローラー16,17上に載置された石英ガラス円筒体
Aは該載置ローラー16の回転とともに回転する。
6,17に対向してベースプレート14上に設けられて
いる。該ガイド手段30には支持プレート32が該載置
ローラー16,17方向に接離自在に摺動往復できるよ
うに取りつけられている。34は該支持プレート32上
に支持固定されたモーターで、該載置ローラー16,1
7方向に突出するモーター軸36を有している。
けられたカップリング手段である。該モーター軸36の
先端部には、該カップリング手段38を介して、研磨ロ
ッド40又は研磨ブラシ42の基端部が接続して固定さ
れる。
く、長尺ロッド41を有し、該長尺ロッド41の長手方
向に所定の間隔をおいて多数の形状変形可能な研磨布4
6が取りつけられている。該研磨布46はその両面がリ
ング44,44によって押圧固定されている。なお、研
磨布46を長尺ロッド41の全面に取りつける構成を採
用することも勿論可能である。
るごとく、長尺ロッド43を有し、該長尺ロッド43の
長手方向に所定の間隔をおいて多数のリング48が取り
つけられている。該リング48の外周面には研磨用ブラ
シ毛50が植設されている。なお、研磨ブラシ毛50を
長尺ロッド43の全面に取りつける構成を採用すること
も勿論可能である。
けられたエアーシリンダーで、シリンダー体54と該シ
リンダー体54に対して出没運動を行うように取りつけ
られたシリンダーロッド56とを有している。該シリン
ダーロッド56の先端はジョイント部材58によって支
持プレート32の下面と接続している。したがって、該
シリンダーロッド56の出没運動に応じて、支持プレー
ト32及びモーター34を介在して、研磨ロッド40又
は研磨ブラシ42はその軸線方向に往復運動を行う。
ラス円筒体Aの中空部aの内面を研磨する本発明方法の
1例について図4及び図5とともに説明するが、本発明
の技術思想から逸脱しない限り説明例以外の種々の態様
が可能なことは勿論である。
炎法により、石英ガラスのインゴットを作成した後、コ
アドリル等で軸方向に沿って穴即ち中空部aを開けるこ
とによって作成される。この石英ガラス円筒体Aの中空
部aの内面を内面研磨装置10を用いて次のように研磨
する。
ラス円筒体Aを内面研磨装置10の載置ローラー16,
17上に載置する(ステップ100)。
介してモーター34のモーター軸36の先端に接続し、
それとともに石英ガラス円筒体Aの中空部aの内部に挿
通する(ステップ101)。
せ、モーター軸36を回転させることによって回転させ
る(ステップ102)。
の研磨スラリーを石英ガラス円筒体Aの中空部aの内部
に流す(ステップ103)。
#1200の研磨砥粒の混濁液を用いるのが好適であ
り、該研磨砥粒としては炭化ケイ素(SiC)質砥粒又
はアルミナ質砥粒が好ましい。
てモーター軸26が回転し、その回転はモータープーリ
ー28,プーリーベルト29,プーリー22及び回転軸
20を介して載置ローラー16に伝達される。この載置
ローラー16を回転させることによって石英ガラス円筒
体Aが回転させられるが、この石英ガラス円筒体Aの回
転は研磨ロッド40と逆方向とされている(ステップ1
04)。載置ローラー17は、載置ローラー16及び石
英ガラス円筒体Aの回転とともに従動的に回転して石英
ガラス円筒体Aを回転状態で支持載置することができ
る。
ことによってシリンダーロッド56の往復運動は、ジョ
イント部材58,支持プレート32,モーター34,モ
ーター軸36及びカップリング手段38を介して研磨ロ
ッド40に伝達され、研磨ロッド40は軸線方向に往復
運動する。この研磨ロッド40をその軸線方向に所望距
離のストロークで往復運動させることによって所定時間
の研磨を行う(ステップ105)。研磨ロッド40の往
復運動の代わりに、石英ガラス円筒体Aを往復運動させ
てもよいし、研磨ロッド40と石英ガラス円筒体Aの双
方を往復運動させて同様の作用効果を達成することがで
きる。
処理(ステップ103〜105)は複数回、例えば3回
繰り返すことができ、その場合、各研磨処理で使用する
第1の研磨スラリー中の研磨砥粒の粒径を徐々に小さく
するようにすれば、より良好な研磨を達成することがで
きる。例えば、1回目の研磨では#400の研磨砥粒を
用い、2回目の研磨では#800の研磨砥粒を用い、3
回目の研磨では#1200の研磨砥粒を用いるようにす
るのが好ましい。
は、ステップ105の後に、1回目の研磨か、2回目の
研磨か、3回目の研磨かについての判定を行い(ステッ
プ106)、1回目又は2回目の場合には、石英ガラス
円筒体Aの中空部aの内部に純水を流し、研磨砥粒を洗
い流す(ステップ107)。
径を変えて研磨処理(ステップ103〜105)を繰り
返す。3回目の研磨加工処理が終了した場合には、研磨
ロッド40をモーター34のモーター軸36から取り外
し同時に石英ガラス円筒体Aから抜き取り純水を石英ガ
ラス円筒体Aの中空部aの内部に流し、研磨砥粒を洗い
流す(ステップ108)。
体Aの中空部aの内部に挿通するとともに研磨ブラシ4
2をモーター34のモーター軸36にカップリング手段
38を介して接続する(ステップ109)。
せ、モーター軸36を回転させることによって回転させ
る(ステップ110)。
の中空部aの内部に流す(ステップ111)。この第2
の研磨スラリーとしては、酸化セリウム又はコロイダル
シリカからなる研磨砥粒の混濁液が好適に用いられる。
ってモーター軸26が回転し、その回転はモータープー
リー28,プーリーベルト29,プーリー22及び回転
軸20を介して載置ローラー16に伝達される。この載
置ローラー16を回転させることによって石英ガラス円
筒体Aが回転させられるが、この石英ガラス円筒体Aの
回転は、研磨ブラシ42と逆方向とされている(ステッ
プ112)。この時、載置ローラー17も従動的に回転
し、回転する石英ガラス円筒体Aを載置支持することが
できる。
ことによってシリンダーロッド56の往復運動は、ジョ
イント部材58,支持プレート32,モーター34,モ
ーター軸36及びカップリング手段38を介して研磨ブ
ラシ42に伝達され、研磨ブラシ42は軸線方向に往復
運動する。この研磨ブラシ42をその軸線方向に所望距
離のストロークで往復運動させることによって所定時間
の研磨を行う(ステップ113)。研磨ブラシ42の往
復運動の代わりに、石英ガラス円筒体Aを往復運動させ
てもよいし、研磨ブラシ42と石英ガラス円筒体Aの双
方を往復運動させて同様の作用効果を達成することがで
きる。
ラシ42を石英ガラス円筒体Aから抜き取り、純水を石
英ガラス円筒体Aの中空部aの内部に流し、研磨砥粒を
洗い流す(ステップ114)。
を内面研磨装置10の載置ローラー16,17から外す
(ステップ115)。
とによって、石英ガラス円筒体Aの中空部aの内部が研
磨される。上記した説明では、第1の研磨スラリーによ
る研磨は、研磨砥粒の粒径を、例えば#400、#80
0、#1200と変えて3回の研磨処理を行う場合を示
したが、第1の研磨スラリーによる研磨処理は1回でも
2回でもよいし、又4回以上行ってもよいことは言うま
でもない。
が、この実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈
されるものでないことはいうまでもない。
ガラスのインゴットを作成した後、コアドリルで軸方向
に沿って穴をあけ、石英ガラス円筒体を作成した。この
石英ガラス円筒体を図1〜3に示した内面研磨装置を用
い、上記したステップ100〜115に従い、下記の条
件で研磨した。
研磨ロッドの軸線方向に300mmのストロークで往復
運動し、40分間研磨した。 2回目の研磨処理;#800のSiC研磨砥粒を用い、
研磨ロッドの軸線方向に300mmのストロークで往復
運動し、50分間研磨した。 3回目の研磨処理;#1200のSiC研磨砥粒を用
い、研磨ロッドの軸線方向に300mmのストロークで
往復運動し、60分間研磨した。 第2の研磨スラリーによる研磨:#2500の酸化セリ
ウムの研磨砥粒を用い、研磨ブラシの軸線方向に300
mmのストロークで往復運動し、120分間研磨した。
英ガラス円筒体の中空部の内面の表面粗さを測定した。
表面粗さは、日本工業規格(JIS)B0601の定義
により、最大粗さRmax及び中心線平均粗さRaで表
示する。また、その測定法は、接触式簡易粗さ計〔東京
精密(株)製、Surfcom 300B〕で10mmの長さ毎に測
定し、そのときの最大粗さRmaxと中心線平均粗さR
aを求める方法によった。
xが0.7μm、中心線平均粗さRaが0.06μmで
あった。
炉で加熱軟化させ、ランプ用のチューブを製造し、寸法
・外観検査を行った。寸法に関しては、所定の寸法公差
内であり、また、外観検査に関してもチューブの外面・
内面ともに溶融鏡面を保ち、良好な歩留まりであった。
ところ、最大粗さRmaxは0.05μm、中心線平均
粗さRaは0.01μmであった。
ガラスのインゴットを作成した後、コアドリルで軸方向
に沿い穴をあけ、石英ガラス円筒体を作成した。この円
筒体を研磨装置に載置し、特開平3−75232号公報
に記載されたものと同様な手法及び研磨ブラシを用い
て、研磨作業を行った。
内面の粗さ測定の結果は、最大粗さRmaxが1.8μ
m、中心線平均粗さRaが0.2μmであった。
させ、ランプ用のチューブを製造し、寸法・外観検査を
行った。寸法に関しては、所定の寸法公差内であり良好
な結果であったが、外観検査ではチューブの内面に微小
な凹凸が残っていた。
ところ、最大粗さRmaxは1.15μm、中心線平均
粗さRaは0.55μmであった。
イヤモンドツールを用いて内面を研削加工された石英ガ
ラス円筒体の内面を、ダイヤモンドツールによる研削傷
を残すことなく研磨することが可能であるという大きな
効果が達成される。
略説明図である。
る。
る。
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
ト、16,17:載置ローラー、18,19:支持枠、
20,21:回転軸、22:プーリー、24,34:モ
ーター、26,36:モーター軸、28:モータープー
リー、29:プーリーベルト、30:ガイド手段、3
2:支持プレート、38:カップリング手段、40:研
磨ロッド、41,43:長尺ロッド、42:研磨ブラ
シ、44,48:リング、46:研磨布、50:研磨用
ブラシ毛、52:エアーシリンダー、54:シリンダー
体、56:シリンダーロッド、58:ジョイント部材、
A:石英ガラス円筒体、a:中空部。
Claims (4)
- 【請求項1】 ダイヤモンドツールを用いて内面を研削
加工された石英ガラス円筒体の内面を研磨するにあた
り、形状変形可能な研磨布を用いて、第1の研磨スラリ
ーを流しながら、上記研削加工時に生じたダイヤモンド
ツールによる研削傷を取り除くための研磨加工を行う第
1工程と、ブラシを用いて第2の研磨スラリーを流しな
がら、鏡面研磨加工を行う第2工程を有することを特徴
とする石英ガラス円筒体の内面研磨方法。 - 【請求項2】 上記第1の工程が複数の研磨ステップか
らなり、各研磨ステップで使用する第1の研磨スラリー
中の研磨砥粒の粒径を徐々に小さくすることを特徴とす
る請求項1記載の石英ガラス円筒体の内面研磨方法。 - 【請求項3】 上記第2の研磨スラリーが酸化セリウム
又はコロイダルシリカの混濁液であることを特徴とする
請求項1又は2記載の石英ガラス円筒体の内面研磨方
法。 - 【請求項4】 石英ガラス円筒体の内周面の最大粗さR
maxが1μm以下、中心線平均粗さRaが0.1μm
となるように研磨加工することを特徴とする請求項1〜
3のいずれか1項記載の石英ガラス円筒体の内面研磨方
法。
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