JP2000238488A - 直液式筆記具 - Google Patents

直液式筆記具

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JP2000238488A
JP2000238488A JP11047868A JP4786899A JP2000238488A JP 2000238488 A JP2000238488 A JP 2000238488A JP 11047868 A JP11047868 A JP 11047868A JP 4786899 A JP4786899 A JP 4786899A JP 2000238488 A JP2000238488 A JP 2000238488A
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fibers
heat
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Shigeru Oike
茂 大池
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Pilot Ink Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インキ吸蔵体の軸筒内への円滑な組立と、イン
キ吸蔵体の圧縮変形による適正な毛細管力の設定とを可
能にする。 【解決手段】直液式筆記具1は、ペン先61とインキタ
ンク21との間の軸筒2内に、多孔質材料よりなるイン
キ吸蔵体5を圧入保持してなる。前記インキ吸蔵体5
は、熱溶融性繊維と、前記熱溶融性繊維の融点では溶融
しない繊維とがブレンドされ、前記熱溶融性繊維を溶融
させて繊維間を部分的に熱融着した熱融着加工体であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は直液式筆記具に関す
る。さらに詳細には、ペン先とインキタンクとの間の軸
筒内に多孔質材料よりなるインキ吸蔵体を圧入した直液
式筆記具に関する。尚、本発明で「前」とはペン先方向
を指し、「後」とはインキタンク方向を指す。
【0002】
【従来の技術】従来、ペン先とインキタンクとの間に、
インキタンクの内圧上昇の際の溢出インキを一時的に保
持するインキ保持部として、多孔質材料よりなるインキ
吸蔵体を設けた構成の直液式筆記具が知られている(例
えば、実公昭48−36844号公報等)。
【0003】前記従来の直液式筆記具において、インキ
吸蔵体は、具体的には、繊維間の結着のない繊維集束体
や、熱硬化性樹脂により繊維間を強固に結着させた樹脂
加工体である。
【0004】しかし、本発明のように、インキ吸蔵体
を、軸筒内の吸蔵体収容部に圧入し、吸蔵体収容部の内
部形状に沿って圧縮し、該圧縮量によりインキ吸蔵体の
毛細管力を調節するタイプの直液式筆記具の場合、前記
インキ吸蔵体が繊維間の結着のない繊維集束体である
と、過度に軟質となるため、インキ吸蔵体を軸筒の吸蔵
体収容部に圧入する時、インキ吸蔵体の強度(即ち、形
状安定性)が不足し、繊維がばらばらに分散したり折れ
曲がったりして、円滑な組立性が得られない。また、組
立後、軸筒内でインキ吸蔵体の繊維が安定して保持でき
ず、落下衝撃等により、軸筒内で繊維の移動が生じやす
い。
【0005】また、前記インキ吸蔵体が樹脂加工体であ
ると、本発明のように、軸筒内でインキ吸蔵体を圧入保
持により圧縮変形させ、適正な毛細間隙を得るには、イ
ンキ吸蔵体が過度に硬質となるため、圧縮変形がインキ
吸蔵体の内部にまでは及ばず、圧縮変形した後の繊維密
度が不均一となり、適正な毛細間隙が得られない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
問題点を解決するものであって、インキ吸蔵体の硬さを
適正に調節することによって、インキ吸蔵体の軸筒内へ
の円滑な組立を可能とすると共に、軸筒内でのインキ吸
蔵体の繊維の移動を抑止でき、しかも、インキ吸蔵体の
圧縮変形による適正な毛細管力の設定を可能とする直液
式筆記具を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】〔1〕 本発明は、軸筒
2前端にペン先61を設け、前記ペン先61後方の軸筒
2内に多孔質材料よりなるインキ吸蔵体5を圧入保持
し、前記インキ吸蔵体5後方にインキタンク21を設
け、前記インキ吸蔵体5にて前記インキタンク21内の
圧力変化に伴う溢出インキを一時的に保持してなる直液
式筆記具1であって、前記インキ吸蔵体5は、熱溶融性
繊維と、前記熱溶融性繊維の融点では溶融しない繊維と
がブレンドされ、前記熱溶融性繊維を熱溶融させて繊維
間を部分的に熱融着した熱融着加工体であること(請求
項1)を要件とする。
【0008】・作用 インキ吸蔵体5が、多孔質熱融着加工体よりなるため、
過度に硬質となったり過度に軟質となることがなく、イ
ンキ吸蔵体5を適宜の硬さに調節できる。
【0009】即ち、インキ吸蔵体5の繊維間が部分的に
熱溶融によって熱融着してなるため、インキ吸蔵体5が
適正な形状安定性を有し、軸筒2内にインキ吸蔵体5を
圧入する際に、インキ吸蔵体5の繊維がばらばらに分散
したり折れ曲がったりすることがなく、また、落下衝撃
が加わった際にも、インキ吸蔵体5の繊維が移動するこ
とも抑止される。
【0010】また、インキ吸蔵体5が、過度に硬質とな
らず、適正な弾力性を有するため、インキ吸蔵体5と吸
蔵体収容部との接触面からインキ吸蔵体5の内部まで、
インキ吸蔵体5の繊維の均一な圧縮変形が可能となり、
適正に毛細管力を設定できる。
【0011】〔2〕 前記直液式筆記具1(請求項1)
において、前記インキ吸蔵体5は、単繊維繊度2〜6デ
ニールの繊維と、単繊維繊度7〜15デニールの繊維と
がブレンドされてなること(請求項2)が好ましい。
【0012】・作用 前記単繊維繊度2〜6デニールの繊維と、単繊維繊度7
〜15デニールの繊維のブレンドにより、より一層、イ
ンキ吸蔵体5の適正な弾力性(即ち形状安定性と圧縮変
形容易性)が得られる。それにより、インキ吸蔵体5の
圧入組立性が向上し、しかも、衝撃等による繊維の移動
が抑止され、さらには、インキ吸蔵体5の適正な毛細管
力を設定できる。
【0013】なぜなら、仮に、インキ吸蔵体5が単繊維
繊度2〜6デニールの繊維のみからなる場合、軸筒2内
への圧入時に強度不足による繊維の分散や繊維の折れ曲
がりが発生する不具合や、インキ吸蔵体5の圧入後の軸
筒2の落下衝撃等により、繊維が移動し繊維の片寄りが
発生する不具合がある。
【0014】一方、仮に、インキ吸蔵体5が単繊維繊度
7〜15デニールの繊維のみからなる場合、インキ吸蔵
体5の硬度が増し、軸筒2内への圧入による均一な圧縮
変形が困難となる不具合がある。
【0015】〔3〕 前記直液式筆記具1(請求項2)
において、前記インキ吸蔵体5の単繊維繊度2〜6デニ
ールの繊維が、前記熱溶融性繊維であり、前記インキ吸
蔵体5の単繊維繊度7〜15デニールの繊維が前記熱溶
融性繊維の融点では溶融しない繊維であること(請求項
3)が好ましい。
【0016】・作用 それにより、単繊維繊度7〜15デニール繊維同士の熱
融着を回避し、且つ、単繊維繊度2〜6デニール繊維同
士の熱融着を得ることができるため、微細な毛細間隙
(即ち、高気孔率の均質且つ安定したインキ保持空間)
をインキ吸蔵体5内に形成できる。
【0017】〔4〕 前記直液式筆記具1(請求項3)
において、前記インキ吸蔵体5の単繊維繊度2〜6デニ
ールの熱溶融性繊維を、全繊維重量に対して5〜50重
量%(より好ましくは、10〜40重量%)ブレンドし
てなること(請求項4)が好ましい。
【0018】・作用 前記2〜6デニールの熱溶融性繊維のブレンド割合によ
り、円滑な組立性を備えると同時に適正な毛細間隙が得
られる。
【0019】なぜなら、前記2〜6デニールの熱溶融性
繊維のブレンド割合が、仮に、5重量%より少ない場
合、熱融着部分が不足し、インキ吸蔵体5の形状維持が
不安定となり、圧入組立時にばらけたり、圧入後の軸筒
2内でインキ吸蔵体5の繊維の移動が生じる。また、7
〜15デニール繊維のブレンド割合が増加し、過度に硬
質となるため、均一な圧縮変形(即ち均一な毛細間隙)
が得られない。
【0020】一方、前記2〜6デニールの熱溶融性繊維
のブレンド割合が、仮に、50重量%より多い場合、熱
融着部分が増加し、適正な毛細間隙が得られない。
【0021】〔インキ吸蔵体〕 ・熱溶融性繊維 前記インキ吸蔵体5の熱溶融性繊維は、例えば、低融点
ポリエステル、低融点ポリアミド、低融点ポリプロピレ
ン、低融点ポリエチレン等の繊維、又は外面の少なくと
も一部が低融点ポリエステルであり、残部が高融点ポリ
エステルとからなる複合繊維、もしくは外面の少なくと
も一部が低融点ポリエチレンであり、残部が高融点ポリ
プロピレンとからなる複合繊維、その他公知の鞘芯型、
並列型、多層型等の複合繊維等が挙げられる。
【0022】・熱溶融性繊維の融点では溶融しない繊維 前記インキ吸蔵体5の前記熱溶融性繊維の融点では溶融
しない繊維は、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド
繊維、アセテート繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピ
レン繊維、塩化ビニル繊維、アクリル繊維、レーヨン繊
維、羊毛繊維等が挙げられる。
【0023】・捲縮状短繊維 また、前記インキ吸蔵体5は、熱溶融性繊維の捲縮状短
繊維と、汎用の捲縮状短繊維(熱溶融性繊維の融点では
溶融しない繊維の捲縮状短繊維)とを均一にブレンドし
て長手方向に集束したスライバーであることが、均質且
つ安定した高気孔率のインキ保持空間をインキ吸蔵体5
内に容易に形成できる点で好ましい。特に、前記捲縮状
短繊維は、繊維長が30〜150mm、捲縮率が10〜
30%、捲縮数10〜20山/25mmのものが、より
一層、インキ吸蔵体5の形状安定性と圧縮変形容易性と
が得られる点で好ましい。
【0024】・圧縮変形 前記インキ吸蔵体5は、軸筒2内の吸蔵体収容部の内面
(例えば、軸筒2内面、隔壁4の筒部41外面、吸蔵体
収容筒3内面、隔壁保持部材7内面、又はインキ誘導部
材6外面等)によって、適宜形状に径方向に圧縮変形さ
れる。また、本発明のインキ吸蔵体5は、吸蔵体収容部
の内面による径方向の圧縮変形を容易にさせるために、
従来のようなインキ吸蔵体5外周面にフィルム等の筒体
を設ける構成は不要である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に従っ
て説明する。
【0026】図1〜図6に本発明の一実施例を示す。本
実施例の直液式筆記具1は、主に、前部でペン先61を
保持し且つ内部にインキ吸蔵体5を収容する吸蔵体収容
筒3と、該吸蔵体収容筒3の後端開口部の内面に固着さ
れる隔壁保持部材7と、該隔壁保持部材7内面に固着さ
れる筒状の隔壁4と、該隔壁4の前端に固着され且つペ
ン先61を兼ねるインキ誘導部材6と、前部内面に前記
吸蔵体収容筒3が固着され且つ後部にインキタンク21
が形成される軸筒2とからなる。
【0027】前記隔壁4は、円筒状の筒部41と、該筒
部41後端に連設された円板状の鍔部42とからなる、
前後方向に延設された筒状体であり、合成樹脂の成形体
(非多孔質体)よりなる。前記鍔部42は、隔壁保持部
材7の内面に圧入固着される。
【0028】前記筒部41の前端開口部内面には軸方向
に延びる複数本(ここでは4本)の溝が貫設され、そこ
に多孔質材料よりなるインキ誘導部材6が圧入されてい
る。それにより、前記インキ誘導部材6と筒部41の前
端開口部内面との間には、複数個(ここでは4個)の横
断面形状が長孔状の第1の連通孔8が形成される(図1
及び図4参照)。尚、前記第1の連通孔8の径方向の間
隙寸法S1 は、0.05mm(ミリメートル)に設定さ
れている。
【0029】また、前記溝を備えた筒部41の前端開口
部内面の後方には、インキ誘導部材6後端の肩部62と
当接し且つインキ誘導部材6の後方移動を規制する規制
壁41aが設けられる。前記規制壁41aの前面及び内
面には、前記溝が延設されている。
【0030】前記筒部41内部には、多孔質材料(例え
ば合成樹脂製繊維束の樹脂加工体)よりなる円柱状のイ
ンキ保持部材22が収容されている。前記インキ保持部
材22の前端は、前記規制壁41aの後面と当接し、そ
れにより、インキ保持部材22の前方移動が規制されて
いる。また、前記インキ保持部材22の前端には、イン
キ誘導部材6の後端が突き刺し状に接続されている。
【0031】前記隔壁保持部材7は、外面が吸蔵体収容
筒3の後端開口部内面に圧入され且つ内面に隔壁4が固
着される円筒状の圧入筒部71と、該圧入筒部71の後
端に連設された放射状リブ72と、該放射状リブ72の
後端に連設された底壁73と、前記圧入筒部71の後端
外周面に連設された環状凸部74とからなり、合成樹脂
の成形体より得られる。
【0032】前記圧入筒部71の内面には、複数本(こ
こでは6本)の軸方向に延びる溝が設けられる(図1及
び図5参照)。前記圧入筒部71内面に前記隔壁4の鍔
部42外面を圧入固着すると、前記圧入筒部71内面と
前記鍔部42外面との間には、複数個(ここでは6個)
の横断面形状が長孔状の第2の連通孔9が形成される。
尚、前記第2の連通孔9は、径方向の間隙寸法S2 は、
0.03mmに設定されている。
【0033】前記放射状リブ72は、その前端面が隔壁
4の後端(即ち鍔部42の後端)と当接し、隔壁4の後
方移動を規制する。前記放射状リブ72の軸心部には、
インキ保持部材22が配置される(図1及び図6参
照)。また、前記放射状リブ72間には、インキタンク
21とインキ保持部材22との間、及びインキタンク2
1と第2の連通孔9との間をインキ流通可能にするイン
キ流通路が形成される。また、前記放射状リブ72の後
端に連設した底壁73は、インキ保持部材22の後端と
当接し、インキ保持部材22の後方移動を規制してい
る。
【0034】前記環状凸部74は、その前面が吸蔵体収
容筒3の後端と当接され、一方、その後面が軸筒2の内
面の段部23に当接される。即ち、前記環状凸部74
は、吸蔵体収容筒3の後端と軸筒2内面の段部23とに
より前後方向に挟持されている。
【0035】前記吸蔵体収容筒3は、その先細状の前部
でペン先61を保持し、その内部にインキ吸蔵体収容部
を有する筒状体である。前記先細状の前部内面には、軸
方向に延びる複数本(ここでは4本)の溝が設けられ、
その内面とペン先61外面との間に空気通路33が形成
されている(図1及び図2参照)。また、前記吸蔵体収
容筒3の後端開口部内面には、筒状の隔壁保持部材7の
圧入筒部71が圧入固着されている。
【0036】前記吸蔵体収容筒3内には、合成樹脂製繊
維束(例えばポリエステル樹脂製の長手方向に引き揃え
られた繊維束)の熱融着加工体からなるインキ吸蔵体5
(詳細は後の「インキ吸蔵体の例」で述べる)が収容さ
れている。
【0037】前記インキ吸蔵体5内には、インキ誘導部
材6及び隔壁4の筒部41が挿入される。そして、前記
インキ吸蔵体5の前部は、インキ誘導部材6及び筒部4
1前端と接触し、一方、前記インキ吸蔵体5の後端部
は、筒部41外面及び隔壁4の鍔部42前面と接触す
る。
【0038】また、前記インキ吸蔵体5は、インキ誘導
部材6外面及び筒部41外面と、吸蔵体収容筒3の前部
内面及び隔壁保持部材7の圧入筒部71内面によって、
径方向内方に圧縮される。即ち、第1の連通孔8近傍に
第1の圧縮部51が、第2の連通孔9近傍に第2の圧縮
部52が形成される。
【0039】また、前記吸蔵体収容筒3の内面には、軸
方向に延びる複数本(ここでは8本)の規制リブ31
と、前記規制リブ31の後端より連設され軸方向に延び
る複数本(ここでは4本)の通気リブ32とが設けられ
る(図1及び図3参照)。前記規制リブ31は、インキ
吸蔵体5の前端を当接支持し、インキ吸蔵体5の脱落を
防止する。また、前記通気リブ32は、その後端がイン
キ吸蔵体5の中間部(即ちインキ吸蔵体5の前部と後部
の間)にまで至り、インキ吸蔵体5の前部外面と吸蔵体
収容筒3内面との間に空気通路33を形成する。それに
より、インキ吸蔵体5の中間部に空気を閉じ込めること
がなく、インキ吸蔵体5の中間部の空気を外部へ逃がす
ことができる。
【0040】前記インキ吸蔵体5の前部には、合成樹脂
製繊維(例えばポリエステル繊維、アクリル繊維等)の
樹脂加工体からなる棒状のインキ誘導部材6が貫装さ
れ、前記インキ誘導部材6の後端が隔壁4のインキタン
ク側に露出されると共に、インキ誘導部材6の外周面と
インキ吸蔵体5の前部内面とが直接接触されている。特
に、前記インキ誘導部材6の外面は、インキ吸蔵体5の
前部の径方向外方から内方への圧縮変形よりなる第1の
圧縮部51によって、インキ吸蔵体5の前部内面と径方
向に強く密接している。それにより、インキ吸蔵体5と
インキ誘導部材6のインキ接続を安定させるばかりか、
インキ誘導部材6の軸筒2前方からの脱落を防止でき
る。
【0041】前記吸蔵体収容筒3内には、隔壁4、隔壁
保持部材7、インキ吸蔵体5、インキ誘導部材6、及び
インキ保持部材22が組み込まれ、ペン先ユニットを構
成している。前記ペン先ユニットを、インキを充填した
軸筒2に組み込むことにより、直液式筆記具1が完成す
る。即ち、前記組立方法により、製造組立が容易にな
る。
【0042】本実施例の前記インキタンク21内には、
表面張力が20mN/m〜25mN/m(ミリニュ−ト
ン/メートル)のホワイトボード用インキが収容されて
いる。この他にも、各種の油性インキや水性インキが適
用できる。
【0043】本発明におけるペン先61としては、多孔
質ペン体の他、ボールペンチップ、万年筆型板状ペン
体、細管状ペン体、毛筆ペン体、軸方向のインキ導出路
を有する合成樹脂製ペン体等が挙げられる。
【0044】〔インキ吸蔵体の例〕本実施例の直液式筆
記具1では、前記インキ吸蔵体5として、低融点ポリエ
ステル繊維(融点が80℃〜150℃)と高融点ポリエ
ステル繊維をブレンドしてなる3種類の熱融着加工体
a,b,cを用意した。
【0045】・熱融着加工体a インキ吸蔵体5は、外面の少なくとも一部が低融点ポリ
エステルであり、残部が高融点ポリエステルである捲縮
状短繊維よりなる複合繊維(単繊維繊度4デニール)の
30重量%と、捲縮状短繊維よりなる高融点ポリエステ
ル繊維(単繊維繊度10デニール)の70重量%とを均
等にブレンドして長手方向に集束したものを、加熱処理
し、前記低融点ポリエステルを熱溶融させた熱融着加工
体aである。即ち、熱溶融性繊維(単繊維繊度4デニー
ル)30重量%と、前記熱溶融性繊維の融点では溶融し
ない繊維(単繊維繊度10デニール)70重量%とがブ
レンドされてなる。
【0046】・熱融着加工体b インキ吸蔵体5は、外面の少なくとも一部が低融点ポリ
エステルであり、残部が高融点ポリエステルである捲縮
状短繊維よりなる複合繊維(単繊維繊度4デニール)の
30重量%と、捲縮状短繊維よりなる高融点ポリエステ
ル繊維(単繊維繊度3デニール)の20重量%と、捲縮
状短繊維よりなる高融点ポリエステル繊維(単繊維繊度
10デニール)の50重量%とを均等にブレンドして長
手方向に集束したものを、加熱処理し、前記低融点ポリ
エステルを熱溶融させた熱融着加工体bである。即ち、
熱溶融性繊維(単繊維繊度4デニールの低融点複合繊
維)30重量%と、前記熱溶融性繊維の融点では溶融し
ない繊維(単繊維繊度3デニール及び10デニールの高
融点繊維)70重量%とがブレンドされてなる。
【0047】・熱融着加工体c インキ吸蔵体5は、外面の少なくとも一部が低融点ポリ
エステルであり、残部が高融点ポリエステルである捲縮
状短繊維よりなる複合繊維(単繊維繊度4デニール)の
15重量%と、前記複合繊維の低融点ポリエステルと等
しい融点を有する捲縮状短繊維よりなる低融点ポリエス
テル繊維(単繊維繊度4デニール)の15重量%と、捲
縮状短繊維よりなる高融点ポリエステル繊維(単繊維繊
度3デニール)の20重量%と、捲縮状短繊維よりなる
高融点ポリエステル繊維(単繊維繊度10デニール)の
50重量%とを均等にブレンドして長手方向に集束した
ものを、加熱処理し、前記低融点ポリエステルを熱溶融
させた熱融着加工体cである。即ち、熱溶融性繊維(単
繊維繊度4デニールの低融点複合繊維、及び単繊維繊度
4デニールの低融点繊維)30重量%と、前記熱溶融性
繊維の融点では溶融しない繊維(単繊維繊度3デニール
及び10デニールの高融点繊維)70重量%とがブレン
ドされてなる。
【0048】
【発明の効果】本発明の直液式筆記具は、請求項1の構
成により、インキ吸蔵体の軸筒内への円滑な組立が可能
となると共に、軸筒内でのインキ吸蔵体の繊維の移動を
抑止でき、しかも、インキ吸蔵体の圧縮変形による適正
な毛細管力の設定が可能となる。
【0049】本発明の直液式筆記具は、請求項2の構成
により、より一層、インキ吸蔵体の適正な形状安定性と
圧縮変形容易性とが得られる。
【0050】本発明の直液式筆記具は、請求項3の構成
により、均質且つ安定した高気孔率のインキ保持空間を
インキ吸蔵体内に形成できる。
【0051】本発明の直液式筆記具は、請求項4の構成
により、より一層、円滑な組立性を備えると同時に適正
な毛細間隙が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】図1のC−C線断面図である。
【図5】図1のD−D線断面図である。
【図6】図1のE−E線断面図である。
【符号の説明】
1 直液式筆記具 2 軸筒 21 インキタンク 22 インキ保持部材 23 段部 3 吸蔵体収容筒 31 規制リブ 32 通気リブ 33 空気通路 4 隔壁 41 筒部 41a 規制壁 42 鍔部 5 インキ吸蔵体 51 第1の圧縮部(前部) 52 第2の圧縮部(後部) 6 インキ誘導部材 61 ペン先 62 肩部 7 隔壁保持部材 71 圧入筒部 72 放射状リブ 73 底壁 74 環状凸部 8 第1の連通孔 9 第2の連通孔 S1 第1の連通孔の間隙寸法 S2 第2の連通孔の間隙寸法

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸筒(2)前端にペン先(61)を設け、
    前記ペン先(61)後方の軸筒(2)内に多孔質材料よ
    りなるインキ吸蔵体(5)を圧入保持し、前記インキ吸
    蔵体(5)後方にインキタンク(21)を設け、前記イ
    ンキ吸蔵体(5)により前記インキタンク(21)内の
    圧力変化に伴う溢出インキを一時的に保持してなる直液
    式筆記具であって、前記インキ吸蔵体(5)は、熱溶融
    性繊維と、前記熱溶融性繊維の融点では溶融しない繊維
    とがブレンドされ、前記熱溶融性繊維を溶融させて繊維
    間を部分的に熱融着した熱融着加工体であることを特徴
    とする直液式筆記具。
  2. 【請求項2】前記インキ吸蔵体(5)は、単繊維繊度2
    〜6デニールの繊維と、単繊維繊度7〜15デニールの
    繊維とがブレンドされてなる請求項1記載の直液式筆記
    具。
  3. 【請求項3】前記インキ吸蔵体(5)の単繊維繊度2〜
    6デニールの繊維が熱溶融性繊維であり、前記インキ吸
    蔵体(5)の単繊維繊度7〜15デニールの繊維が前記
    熱溶融性繊維の融点では溶融しない繊維である請求項2
    記載の直液式筆記具。
  4. 【請求項4】前記インキ吸蔵体(5)の単繊維繊度2〜
    6デニールの熱溶融性繊維を、全繊維重量に対して5〜
    50重量%ブレンドしてなる請求項3記載の直液式筆記
    具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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