JP2000235143A - 振れ補正装置 - Google Patents

振れ補正装置

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JP2000235143A
JP2000235143A JP11037555A JP3755599A JP2000235143A JP 2000235143 A JP2000235143 A JP 2000235143A JP 11037555 A JP11037555 A JP 11037555A JP 3755599 A JP3755599 A JP 3755599A JP 2000235143 A JP2000235143 A JP 2000235143A
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shake
distance
amount
unit
shake correction
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JP11037555A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Yamagiwa
正俊 山際
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被写体までの距離が変化したとしても、振れ
補正により得られる像の劣化を少なくすることを可能に
する。 【解決手段】 ビデオカメラが振れることにより発生す
るCCD33の撮像面上での像の振れを補正する振れ補
正装置であり、ビデオカメラの振れの方向及び量を検出
する検出部21と、被写体までの距離を測定する測距部
14と、検出部21が検出した振れの方向及び量と被写
体までの距離とに応じて振れ補正量を最適化する算出部
22と、その最適化された振れ補正量に応じてCCD3
3の撮像面上における像の振れを補正する補正系駆動部
23及びバリアングルプリズム21とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばビデオカメ
ラ等に搭載され、ビデオカメラの振れに起因して発生す
る撮影面(撮像面)上の像の振れを補正する振れ補正装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のビデオカメラには、当該ビデオカ
メラの振れに起因して発生する撮影面(以下、撮像面と
する)上の像の振れを補正する振れ補正装置が搭載され
ていることが多い。なお、当該振れ補正装置は、主に手
持ちでビデオカメラを使用している時に発生するいわゆ
る手振れを補正することを目的とするため、手振れ補正
装置とも呼ばれている。もちろん、ビデオカメラの振れ
は、上記手振れによるものだけでなく、例えばビデオカ
メラを三脚等に固定した場合であっても、例えば風等に
よって発生したり、船や飛行機、自動車等の振動によっ
ても発生することがある。したがって、以下「振れ」と
記した場合は、それら全ての振れを含むものとする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の振れ
補正装置は、ビデオカメラの振れを例えば角速度センサ
等にて検出し、その振れの方向及び量に応じて上記撮像
面上の像の振れを補正するようになされている。
【0004】しかし、上記ビデオカメラから撮影対象物
(以下、被写体とする。)までの距離が一定であればよ
いが、例えばビデオカメラから被写体までの距離が変化
するような場合、上記角速度センサ等により検出された
振れ量を使用して上記撮像面上の像の振れ補正量を決定
するのみでは、振れ補正が不十分となる。
【0005】すなわち、従来の振れ補正装置は、一定の
標準距離を基準にして、上記角速度センサ等にて検出し
た振れの方向及び量に応じた振れ補正量を決定するよう
になされているため、例えば被写体までの距離が長いと
振れ過補正状態となり易く、また、被写体までの距離が
短いと振れ補正不足になり易くなり、その結果として、
当該振れ補正により得られる像が劣化してしまう問題が
ある。
【0006】そこで、本発明はこのような状況に鑑みて
なされたものであり、被写体までの距離が変化したとし
ても、振れ補正により得られる像の劣化を少なくするこ
とを可能とする、振れ補正装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の振れ補正装置
は、画像撮影装置が振れることにより発生する撮影面上
での像の振れを、当該画像撮影装置の振れの方向及び量
に応じて補正するものであり、振れの方向及び量を検出
する振れ検出手段と、撮影対象物までの距離を測定する
測距手段と、上記検出された振れの方向及び量と上記撮
影対象物までの距離とに応じて振れ補正量を最適化する
補正量最適化手段と、上記最適化された振れ補正量に応
じて、上記撮影面上における像の振れを補正する補正手
段とを有することにより、上述した課題を解決する。
【0008】ここで、上記補正量最適化手段は、距離に
応じたゲイン制御量を決定するゲイン制御手段と、上記
検出された振れの方向及び量の信号を上記ゲイン制御量
に応じて調整するゲイン調整手段と、上記ゲイン調整後
の信号から上記振れ補正量の信号を生成する振れ補正量
信号生成手段と有する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態につ
いて、図面を参照しながら説明する。
【0010】図1には、本発明の第1の実施の形態とし
て、本発明の振れ補正装置が搭載される画像撮影装置と
して例えばビデオカメラを用いた場合の全体的な構成例
を示す。なお、本発明実施の形態では、振れ補正光学系
を駆動することで振れ補正を行うようにした光学式振れ
補正方式を例に挙げている。
【0011】図1に示す構成は、ビデオカメラの主要構
成要素として、レンズ系32と、CCD(固体撮像素
子)33と、サンプルホールド(S/H)回路34と、
AGC(自動利得調整)回路35と、カメラ信号処理回
路36とを備えている。
【0012】上記レンズ系32は、被写体等からの光を
集光してCCD33の撮像面上に結像させると共に、当
該結像を実現するための図示しないフォーカス機構や、
その他ズーム機構等をも備えている。
【0013】CCD33は、上記レンズ系32からの入
射光を受光し、電気信号(撮像信号)に変換する。当該
CCD33からの撮像信号は、サンプルホールド回路3
4に送られてサンプルホールドされる。このサンプルホ
ールド回路34にてサンプルホールドされた撮像信号は
AGC回路35に送られ、当該AGC回路35にて利得
の自動調整がなされる。当該AGC回路35にて利得調
整された後の撮像信号はカメラ信号処理回路36に入力
する。当該カメラ信号処理回路36では、撮像信号から
輝度信号(Y信号)及び色差信号(クロマ信号)からな
る映像信号を生成して出力する。
【0014】また、図1に示すシステムは、本発明の振
れ補正装置の主要構成要素として、バリアングルプリズ
ム31と、補正系駆動部23と、検出部21と、算出部
22と、測距部14とを備えている。なお、図1の例で
は、レンズ系32とバリアングルプリズム31を別々に
配置して示しているが、当該バリアングルプリズム31
は、実際には複数のレンズ群からなるレンズ系32の光
学系内部に組み込まれている。
【0015】検出部21は、例えば角速度センサ等を備
え、ビデオカメラの振れ量及び方向を検出する。この検
出部21からの検出信号は、算出部22に入力する。当
該算出部22は、上記検出部21からの検出信号に基づ
いてビデオカメラの振れに対する補正量を算出し、この
振れ補正量に応じて補正系駆動部23を制御する。
【0016】上記補正系駆動部23は、上記算出部22
が算出した振れ補正量に応じてバリアングルプリズム3
1を駆動する。バリアングルプリズム31は、上記補正
系駆動部23による駆動に応じて、後述するように、レ
ンズ系32から入射される入射光の光路を当該レンズ系
32の光軸に対して移動させる。これにより、ビデオカ
メラの振れの方向及び量に応じて上記CCD33の撮像
面上の像の振れが補正されることになる。
【0017】なお、測距部14の詳細については後述す
るが、当該測距部14はビデオカメラから被写体までの
距離を計測し、その計測値(距離データ)を算出部22
に供給する。したがって、本実施の形態の振れ補正装置
の算出部22では、上記検出部21から供給されたビデ
オカメラの振れ量及び方向に基づく振れ補正量の算出の
際に、当該ビデオカメラから被写体までの距離を考慮し
た振れ補正量の計算を行うことになる。
【0018】次に、図2及び図3を用いて、上記バリア
ングルプリズム31の構成と機能を説明する。
【0019】上記バリアングルプリズム31は、図2に
示すように2枚のガラス板31a及び31bを相対して
配置し、上記ガラス板31aと31bの周端部を屈伸可
能な蛇腹31d及び31cにて繋ぐと共に、これらガラ
ス板31a及び31bと蛇腹31d及び31cにて囲ま
れた空間内に高屈折率液体31eを密封してなるもので
ある。前記補正系駆動部23は、当該バリアングルプリ
ズム31のガラス板31aと31bの相対的な傾きを変
化させるように駆動する。
【0020】このバリアングルプリズム31によれば、
ガラス板31aと31bの相対的な傾きを変化させるこ
とにより、レンズ系32への入射光の光路を当該レンズ
系32の光軸に対して移動させることができる。すなわ
ち、ビデオカメラの振れの度合いに応じて、図3のよう
にガラス板31aと31bの相対的な傾きの角度を調整
することにより、振れ発生の前後における入射光の光路
をレンズ系32の光軸と一致させることができ、その結
果、CCD33上には振れの無い像が形成されることに
なる。
【0021】ところで、上述したようなバリアングルプ
リズム31からなる振れ補正光学系を用いれば、ビデオ
カメラの振れの方向及び量に応じてCCD33の撮像面
上の像の振れを補正可能であが、実際にはビデオカメラ
から被写体までの距離に応じて振れ補正量を可変する必
要がある。
【0022】以下、図4及び図5を用いて、上記ビデオ
カメラから被写体までの距離に応じて振れ補正量を可変
しなければならない理由について説明する。
【0023】図4及び図5において、図中のQ,Q’は
被写体(の位置)を、図中のOはビデオカメラ(の位
置)を、図中のSは振れ中心点を、図中A〜Bは振れに
よるビデオカメラの移動量を表している。
【0024】先ず、図4に示すように、ビデオカメラか
ら被写体までの距離がO〜Qである場合において、例え
ばビデオカメラに振れが発生し、ビデオカメラが上記S
を中心にして∠ASB=Θの一定角度で振れていると仮
定する。
【0025】ここで、上記した振れ補正装置の機能が停
止した状態(振れ補正を行っていない状態)で、ビデオ
カメラの向きが例えばSB方向からSA方向に変化した
とすると、見かけ上、被写体QはAQの方向に移動する
ことになる。一方、振れ補正装置の機能が動作している
とき(振れ補正を行っている状態)に、ビデオカメラの
向きが例えばSB方向からSA方向に変化すると、上記
振れ補正光学系は、被写体Qが∠SBQ=∠SAPとな
るAPの方向に見えるよう補正することになり、その補
正角度は∠QAPとなる。
【0026】上記補正角度の∠QAPは、以下のように
して求めることができる。
【0027】先ず、式(1)により∠PASを求める。
【0028】 ∠QBS=∠QAS=∠PAS=180−(Θ+Θ’)/2 (1) 次に、式(2)により、補正角度の∠QAPが求められ
る。
【0029】 ∠QAP=360−2∠PAS=Θ+Θ’ (2) この式(2)から、被写体までの距離がOQのときの補
正角度はΘ+Θ’となる。
【0030】次に、図5に示すように、ビデオカメラか
ら被写体までの距離がO〜Q’となった場合において、
ビデオカメラが上記Sを中心にして∠ASB=Θの一定
角度で振れていると仮定する。
【0031】ここで、振れ補正装置の機能が動作してい
るときに、ビデオカメラの向きが例えばSB方向からS
A方向に変化すると、上記振れ補正光学系は、被写体
Q’が∠SBQ’=∠SAP’となるAP’の方向に見
えるよう補正しなければならず、その補正角度は∠Q’
AP’となる。
【0032】当該補正角度の∠Q’AP’は、上記式
(1)及び式(2)と同様の計算式(3)及び式(4)
により求めることができる。
【0033】すなわち先ず、式(3)により∠P’AS
を求める。
【0034】 ∠Q’BS=∠Q’AS=∠P’AS=180−(Θ+Θ”)/2 (3) 次に、式(4)により、補正角度の∠Q’AP’が求め
られる。
【0035】 ∠Q’AP’=360−2∠P’AS=Θ+Θ” (4) この式(4)から、被写体までの距離がOQ’のときの
補正角度はΘ+Θ”となる。
【0036】上述した図4及び図5並びに式(1)〜式
(4)より、基準となる被写体距離より遠方になる程、
補正角度は小さくなり、逆に近くなる程補正角度は大き
くなることが判る。
【0037】すなわち、ビデオカメラから被写体までの
距離を考慮せずに、例えばある標準距離を設定し、当該
標準距離と上記ビデオカメラの実際の振れの方向及び量
とから求めた振れ補正量を用いて振れ補正を行うように
した場合、例えば被写体までの距離が標準距離よりも長
いと振れ過補正状態となり易く、また、被写体までの距
離が標準距離よりも短いと振れ補正不足になり易く、そ
の結果として、当該振れ補正により得られる像の劣化が
発生することになる。
【0038】以上の理由により、常に最適な振れ補正量
を実現するためには、ビデオカメラから被写体までの距
離を考慮して振れ補正量(バリアングルプリズム31の
補正角度)を可変にする必要がある。
【0039】このようなことから、本発明実施の形態で
は、図1に示すように、ビデオカメラから被写体までの
距離を計測する測距部14を備え、当該測距部14にて
計測した被写体までの距離データに応じて振れ補正量を
可変すること、具体的には算出部22での振れ補正量
(補正角度)演算時のゲイン設定を最適化することによ
り、常に最適な振れ補正量を算出可能とし、当該算出部
22にて算出された最適な振れ補正量に応じて補正光学
系(バリアングルプリズム31)を駆動することで、被
写体までの距離に影響されない振れ補正機能を実現して
いる。
【0040】上述したビデオカメラから被写体までの距
離を考慮した振れ補正機能を実現するため、本発明実施
の形態の振れ補正装置は、図6に示すような構成を有し
ている。
【0041】図6において、前記検出部21は、角速度
センサ1と、アンプ2と、A/D変換器3とで構成され
ている。
【0042】すなわち当該検出部21において、角速度
センサ1は、ビデオカメラの振れ量及び方向を角速度と
して検出する。当該角速度センサ1にて検出された振れ
量及び方向の検出信号(角速度の検出信号)はアンプ2
により増幅された後、A/D変換器3に送られる。A/
D変換器3は、アンプ2にて増幅された上記振れ量及び
方向の検出信号をディジタルデータに変換する。このA
/D変換器3でのディジタル変換により得られた上記振
れ量及び方向の検出データ(角速度の検出データ)は、
当該検出部21から出力されて算出部22に入力する。
【0043】また、測距部14の具体的構成については
後述するが、当該測距部14にて計測されたビデオカメ
ラから被写体までの距離データも算出部22に送られ
る。
【0044】算出部22は、具体的にはマイクロコンピ
ュータ(マイコン)4にて構成されるものであり、当該
マイクロコンピュータ4は、少なくとも、乗算部15
と、積分部5と、PWM(パルス幅変調)部6と、ゲイ
ン制御部7の各機能を、ソフトウェアにて実現してい
る。
【0045】すなわち当該マイクロコンピュータ4にお
いて、上記検出部21のA/D変換器3から供給された
上記振れ量及び方向の検出データは乗算部15に入力さ
れ、上記測距部14からの距離データはゲイン制御部7
に入力される。上記ゲイン制御部7は上記距離データに
基づいて乗算係数を決定し、上記乗算部15は当該ゲイ
ン制御部7にて決定された係数を上記検出データに乗算
する。より具体的に説明すると、ゲイン制御部7では、
上記距離データに応じて上記振れ量及び方向を調整する
ための調整量(ゲイン値)を上記乗算係数として決定
し、上記乗算部15では、当該乗算係数を上記検出デー
タに乗算する。これにより、上記検出部21からの上記
振れ量及び方向が、上記距離データに応じて調整された
ことになる。
【0046】図7には、上記測距部14にて計測した距
離と、上記ゲイン制御部7のゲインとの関係を示す。す
なわち、この図7において、ビデオカメラから被写体ま
での距離が標準値(標準距離)よりも長くなる程、振れ
補正角は小さくなり、逆に、ビデオカメラから被写体ま
での距離が標準値よりも短くなる程、振れ補正角が大き
くなるため、上記測距部14にて計測した距離と上記ゲ
イン制御部7のゲインとの関係は図7に示すようになさ
れる。したがって、上記ゲイン制御部7では、この図7
の関係を元にして、上記測距部14の距離データ(ビデ
オカメラと被写体までの距離)からゲインを決定し、当
該ゲインに対応する乗算係数を出力する。
【0047】上記乗算部15にて調整がなされた後の振
れ量及び方向の検出データは、その後、積分部5に送ら
れて積分される。この積分部5では、上記振れ量及び方
向の検出データを積分することにより、振れの角度変位
量を求め、さらに当該振れの角度変位量に応じて振れの
補正量(バリアングルプリズム31の目標角度)を算出
する。
【0048】上記積分部5にて算出された手振れの補正
量(バリアングルプリズム31の目標角度)を示す信号
は、PWM(パルス幅変調)部6に送られる。当該PW
Mぶ6は、基準クロックのパルス幅を上記手振れの補正
量を示す信号に応じて変調し、得られたPWM信号を補
正系駆動部23に送る。
【0049】補正系駆動部23は、ローパスフィルタ
(LPF)8と、比較回路9と、差動増幅回路10と、
電磁アクチュエータと、角度検出器13とで構成されて
いる。
【0050】ローパスフィルタ8は、上記算出部22の
PWM部6からのPWM信号を低域濾波して直流信号に
変換する。すなわち、ローパスフィルタ8にて上記振れ
の補正量に応じたPWM信号を低域濾波することによ
り、当該ローパスフィルタ8からは上記振れの補正量
(バリアングルプリズム31の目標角度)に応じたレベ
ルの直流信号が得られることになる。当該ローパスフィ
ルタ8から出力された信号は、比較回路9に送られる。
【0051】また、角度検出器13は、バリアングルプ
リズム31のガラス板31aと31bの現在の相対的な
角度(現在の傾き角度)を検出し、その傾き検出信号を
比較回路9に送る。
【0052】比較回路9では、上記ローパスフィルタ8
からの上記信号(バリアングルプリズム31の目標角度
に応じた信号)のレベルと、上記角度検出器10からの
上記傾き検出信号のレベルとの差、すなわち、バリアン
グルプリズム31の目標角度と現在の傾き角との差を求
める。当該比較回路9により求められた信号は、バリア
ングルプリズム9のガラス板31aと31bの相対的な
傾き角を変化させるための電磁アクチュエータの巻線コ
イル11の一端に供給されると共に、オペアンプを用い
た差動増幅回路10にて増幅されて上記巻線コイル11
の他端に供給される。
【0053】これにより、電磁アクチュエータが駆動さ
れてバリアングルプリズム31のガラス板31aと31
bの相対的な傾き角が目標角度にまで変化することにな
る。
【0054】以上のように、本実施の形態の振れ補正装
置では、ビデオカメラと被写体までの距離に応じてゲイ
ン(乗算係数)を設定し、上記振れ量及び方向の調整を
行うことによって常に最適な値に設定するようにし、得
られた振れ補正量に基づいて上記バリアングルプリズム
31を目標角度になるように駆動制御することにより、
ビデオカメラの振れの方向及び量と、ビデオカメラから
被写体までの距離とに応じた振れ補正が実現でき、その
結果、当該振れ補正により得られる像の劣化を少なくす
ることが可能となっている。すなわち、本発明実施の形
態によれば、被写体までの距離に応じて常に最適なゲイ
ン設定をすることができるため、遠い被写体、近い被写
体にかかわらず、振れ補正機能を常に最適な状態にする
ことができる。したがって、振れの過補正若しくは補正
量不足等による画質の劣化等を防ぐことができる。
【0055】次に、図8を用いて、本発明の第1の実施
の形態の振れ補正装置に使用される前記測距部14の具
体的構成例について説明する。
【0056】図8には、測距部14の具体例として、超
音波センサを用いてビデオカメラと被写体までの距離を
計測する測距部の構成例を示す。
【0057】図8において、当該超音波センサを用いた
測距部14は、送信用超音波センサ41と、受信用超音
波センサ42と、位相差計測回路43と、位相差−距離
変換回路44とから構成されている。
【0058】送信用超音波センサ41は、所定周波数の
超音波を発生し、送信超音波として例えば被写体等へ照
射すると共に、当該送信超音波に対応する送信信号を位
相差計測回路43に送る。上記送信用超音波センサ41
から出射された送信超音波は、被写体等により反射さ
れ、反射超音波として受信用超音波センサ42に入射す
る。受信用超音波センサ42は、上記反射超音波を受信
すると、その反射超音波に対応する受信信号を位相差計
測回路43に送る。
【0059】位相差計測回路43は、送信用超音波セン
サ41からの送信信号と、受信用超音波センサ42から
の受信信号との位相差を計測することにより、送信用超
音波センサ41による超音波送信から受信用超音波セン
サ41による反射超音波の受信までの伝達遅延時間を計
算し、その伝達遅延時間の信号を位相差−距離変換回路
44に送る。
【0060】位相差−距離変換回路44は、上記位相差
計測回路43にて計測した位相差に基づく伝達遅延時間
から、当該伝達遅延時間に対応する距離を計算する。す
なわち、この距離は、ビデオカメラから被写体までの距
離に対応する。当該位相差−距離変換回路44にて求め
た距離データは、前記算出部22のマイクロコンピュー
タ4の前記ゲイン制御部7に送られることになる。
【0061】なお、図8の例では測距のために超音波を
用いた例を挙げたが、例えば赤外線等を用いた測距とす
ることも可能である。
【0062】次に、本発明の第2の実施の形態のシステ
ム構成を図9に示す。なお、図9において、図1と同じ
構成要素には図1と同一の指示符号を付してそれらの詳
細な説明は省略する。
【0063】この図9に示す第2の実施の形態は、ビデ
オカメラの主要構成要素の一つであるフォーカス系駆動
部24とフォーカス制御部25とを図示し、測距部26
においてレンズ系32のフォーカス機構の位置情報、す
なわちフォーカス用レンズの位置情報に基づいて、ビデ
オカメラから被写体までの距離を計測するようにした例
である。
【0064】上記フォーカス系駆動部24は、上記フォ
ーカス制御部25からの制御信号に応じて、上記レンズ
系32のフォーカス用レンズを駆動する。
【0065】上記フォーカス制御部25は、上記フォー
カス系駆動部24への制御信号として上記フォーカス用
レンズの位置情報を出力するものであり、図10に示す
ように、ハイパスフィルタ(HPF)51と、検波回路
52と、合焦処理回路54とから構成されるものであ
る。
【0066】上記ハイパスフィルタ51には、上記カメ
ラ信号処理回路36が出力する輝度信号(Y信号)が供
給される。当該ハイパスフィルタ51では、上記輝度信
号の高周波成分を抽出し、当該抽出した輝度信号の高周
波成分を検波回路52に送る。検波回路52では、上記
輝度信号の高周波成分を検波することで焦点信号(フォ
ーカス信号)53を生成し、この焦点信号53を合焦処
理回路54に送る。
【0067】合焦処理回路54では、フォーカス用レン
ズの位置を変化させるための制御信号を上記フォーカス
系駆動部24に送り、上記フォーカス用レンズを移動さ
せることによって合焦点を求める合焦処理を行う。すな
わち、最もフォーカスが合った位置(フォーカス用レン
ズの合焦点)では上記輝度信号の高周波成分が増えて焦
点信号53のレベルが最大となるため、当該合焦処理回
路54では、上記焦点信号53のレベルが最大となるよ
うにフォーカス系駆動部24を介してフォーカス用レン
ズの位置を移動させるための制御を行う。上記焦点信号
53のレベルが最大となったならば、上記合焦処理回路
54は、そのときのフォーカス用レンズの位置情報を測
距部26に送る。
【0068】測距部26は、図10に示すように、上記
合焦処理部54からのフォーカス用レンズの位置情報か
ら距離を算出する。すなわち、フォーカス用レンズの位
置は、ビデオカメラから実際にピントが合っている地点
までの距離と対応するため、当該測距部26では、上記
フォーカス用レンズの位置情報に基づいて、ビデオカメ
ラから被写体までの距離を算出する。当該測距部26に
て算出された距離データは、前記算出部22(前述した
図6の算出部22のゲイン制御部7)に送られる。
【0069】図11には、被写体までの距離が例えばD
1,D2,D3であるとした時、最もフォーカスが合っ
たフォーカス用レンズの位置(合焦点P1,P2,P
3)で輝度信号の高周波成分から得られる焦点信号のレ
ベルが最大となる様子を示し、図12には、フォーカス
用レンズの位置(合焦点P1,P2,P3)と被写体ま
での距離D1,D2,D3の関係を示している。これら
図11及び図12から、被写体までの距離が異なればフ
ォーカス用レンズの位置が変化することがわかり、また
フォーカス用レンズの位置がビデオカメラから被写体ま
での距離を表していることがわかる。
【0070】上述したようなことから、当該第2の実施
の形態の場合も前述の第1の実施の形態と同様に、ビデ
オカメラと被写体までの距離に応じて、上記振れ量及び
方向に対する調整のためのゲイン(乗算係数)設定を常
に最適化でき、得られた振れ補正量に基づいて上記バリ
アングルプリズム31を目標角度になるように駆動制御
することにより、ビデオカメラの振れの方向及び量と、
ビデオカメラから被写体までの距離とに応じた振れ補正
が実現でき、その結果、当該振れ補正により得られる像
の劣化を少なくすることが可能となる。すなわち、当該
第2の実施の形態においても、被写体までの距離に応じ
て常に最適なゲイン設定をすることができるため、遠い
被写体、近い被写体にかかわらず、振れ補正機能を常に
最適な状態にすることができる。したがって、過補正若
しくは補正量不足等による画質の劣化等を防ぐことがで
きる。
【0071】また、第2の実施の形態の測距部26の場
合は、フォーカス用レンズの合焦点の位置情報から被写
体までの距離を求めるようにしているため、ビデオカメ
ラの主要構成要素の一つとして元々設けられているフォ
ーカス制御部25のフォーカス用レンズの位置情報をそ
のまま利用でき、フォーカス用レンズの位置情報を求め
るための構成を新たに設ける必要がなく、したがってコ
スト的、体積的なメリットを得ることができる。
【0072】なお、上述した各実施の形態の説明では、
縦方向(垂直方向)の振れと横方向(水平方向)の振れ
の何れか一方を補正するための1系統の振れ補正装置の
構成のみを例に挙げて説明しているが、実際には縦方向
(垂直方向)の振れと横方向(水平方向)の振れとを別
々に補正するために、2系統の振れ補正装置を設けるこ
とになる。
【0073】また、本発明実施の形態では、輝度信号に
基づいてフォーカス制御を行う画像処理オートフォーカ
ス方式を用いて説明を行ったが、例えば赤外線方式、い
わゆる前玉繰り出し式など、他のオートフォーカス方式
を使用した場合にも当てはめることができる。
【0074】さらに、本発明の各実施の形態では、振れ
補正光学系を駆動する光学式手振れ補正方式を例に挙げ
たが、振れ補正量及び方向に応じてCCD上の読み取り
範囲を変化させるような電子式補正方式にも適用可能で
ある。
【0075】また、本発明の各実施の形態では、振れ補
正光学系としてバリアングルプリズムを用いた例を挙げ
ているが、振れ補正量に応じて振れ補正用レンズを光軸
に対して垂直方向にシフトするような振れ補正光学系に
対しても適用可能である。
【0076】また、算出部22のマイクロコンピュータ
4の機能はビデオカメラに設けられているマイクロコン
ピュータにて実現することが可能である。
【0077】その他、上述の実施の形態では振れ補正装
置が適用される画像撮影装置としてビデオカメラを例に
挙げたが、当該画像撮影装置は上記ビデオカメラに限ら
ず、例えばいわゆるディジタルスチルカメラや銀塩フィ
ルムを用いたスチルカメラ等であってもよい。
【0078】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
振れ補正装置においては、振れの方向及び量を検出し、
撮影対象物までの距離を測定し、振れの方向及び量と距
離とに応じて振れ補正量を最適化し、その最適化後の振
れ補正量に応じて撮影面上における像の振れを補正する
ことにより、撮影対象物(被写体)までの距離が変化し
たとしても、振れ補正により得られる像の劣化を少なく
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振れ補正装置が適用される第1の実施
の形態としてのビデオカメラの構成例を示すブロック回
路図である。
【図2】バリアングルプリズムの構成の説明に用いる図
である。
【図3】バリアングルプリズムにて入射光の光軸を移動
させた様子を示す図である。
【図4】被写体距離と振れ補正角の関係を示す図であ
る。
【図5】被写体距離が変化したときの振れ補正角の変化
の説明に用いる図である。
【図6】本発明の振れ補正装置の各構成要素の具体的構
成例を示すブロック回路図である。
【図7】被写体距離とゲイン設定値との関係を示す図で
ある。
【図8】第1の実施の形態の振れ補正装置に用いられる
測距部の構成例を示すブロック回路図である。
【図9】本発明の振れ補正装置が適用される第2の実施
の形態としてのビデオカメラの構成例を示すブロック回
路図である。
【図10】第2の実施の形態の振れ補正装置に用いられ
る測距部の構成例を示すブロック回路図である。
【図11】合焦点の位置と焦点信号との関係を示す図で
ある。
【図12】合焦点の位置と被写体距離の関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 角速度センサ、 2 アンプ、 3 A/D変換
器、 4 マイクロコンピュータ、 5 積分部、 6
PWM部、 7 ゲイン制御部、 8 ローパスフィ
ルタ、 9 比較回路、 10 差動増幅回路、 11
電磁アクチュエータの巻線コイル、 13 角度検出
器、 14,26 測距部、 15 乗算部、 21
検出部、 22 算出部、 23 補正系駆動部、 2
4 フォーカス系駆動部、 25 フォーカス制御部、
31 バリアングルプリズム、32 レンズ系、 3
3 CCD、 34 サンプルホールド回路、 35
AGC回路、 36 カメラ信号処理回路、 41 送
信用超音波センサ、 42受信用超音波センサ、 43
位相差計測回路、 44 位相差−距離変換回路、
51 ハイパスフィルタ、 52 検波回路、 54
合焦処理回路、55 距離算出処理回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/232 G02B 7/11 N

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像撮影装置が振れることにより発生す
    る撮影面上での像の振れを、当該画像撮影装置の振れの
    方向及び量に応じて補正する振れ補正装置において、 振れの方向及び量を検出する振れ検出手段と、 撮影対象物までの距離を測定する測距手段と、 上記検出された振れの方向及び量と上記撮影対象物まで
    の距離とに応じて振れ補正量を最適化する補正量最適化
    手段と、 上記最適化された振れ補正量に応じて、上記撮影面上に
    おける像の振れを補正する補正手段とを有することを特
    徴とする振れ補正装置。
  2. 【請求項2】 上記補正量最適化手段は、上記撮影対象
    物までの距離に応じたゲイン制御量を決定するゲイン制
    御手段と、上記検出された振れの方向及び量の信号を上
    記ゲイン制御量に応じて調整するゲイン調整手段と、上
    記ゲイン調整後の信号から上記振れ補正量の信号を生成
    する振れ補正量信号生成手段と有することを特徴とする
    請求項1記載の振れ補正装置。
  3. 【請求項3】 上記測距手段は、所定の送信波を出射す
    る送信波出射手段と、上記送信波出射手段から送信され
    た送信波が上記撮影対象物により反射された反射波を受
    信する反射波受信手段と、上記送信波と受信波の位相差
    を計測する位相差計測手段と、上記位相差から上記撮影
    対象物までの距離を算出する距離算出手段とを有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の振れ補正装置。
  4. 【請求項4】 上記測距手段は、画像撮影装置のフォー
    カス位置情報に基づいて上記撮影対象物までの距離を算
    出する距離算出手段を有することを特徴とする請求項1
    記載の振れ補正装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2016030926A1 (ja) * 2014-08-27 2017-08-31 株式会社 ニコンビジョン 振れ補正装置および測距計

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JPWO2016030926A1 (ja) * 2014-08-27 2017-08-31 株式会社 ニコンビジョン 振れ補正装置および測距計

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