JP2013205723A - 像ブレ補正装置、撮像装置及び像ブレ補正装置の制御方法 - Google Patents

像ブレ補正装置、撮像装置及び像ブレ補正装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】像ブレ補正において振れ検出信号に係る基準値の算出及び更新が必要以上の頻度で行われないように防止すること。
【解決手段】撮像装置は振れ検出センサ31を備え、検出信号はシステム制御部17に入力される。動きベクトル検出部21は、撮像素子14より取得した画像信号から動きベクトルを検出する。手振れ補正モード判別部35は補正モードに従って撮像装置の振れ状態を判別して基準値算出部36に出力する。基準値算出部36は、振れ検出信号及び動きベクトルの情報を取得して、振れ検出信号のオフセット成分に係る基準値を算出して更新する処理を行う。撮像装置が大きい振れ状態であると判別された場合、基準値算出部36は算出した基準値の更新頻度を低減させるか、または更新を停止させることにより、撮影状況に応じた精度で手振れ補正制御を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、装置の振れを検出して撮影画像の像ブレを補正する像ブレ補正技術に関するものである。
従来、カメラ等の撮像装置に搭載されている手振れ補正システムにおいては、加速度、角加速度、角速度、角変位等を検出するセンサによって装置の振動を検出し、振れ量に応じて光学的または電子的に像ブレを補正する。振動検出には角速度を検出するジャイロセンサが一般的に使用される。ジャイロセンサは、温度変化等によって生じるDCオフセットやドリフトの影響が大きいため、それらの成分を検出信号から除去する必要がある。オフセット成分の除去方法として、ジャイロセンサ出力の平均値を算出して基準値とする方法がある。また、画像動きベクトルを別途に検出して基準値の算出にフィードバックすることで、パンニング等によるカメラの動きの影響を受け難くする方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−151542号公報
従来の像ブレ補正装置では、ジャイロセンサの出力変動の影響に対する敏感度について考慮されていないため、以下の問題が生じ得る。
手振れ補正における前記基準値の精度は、焦点距離や撮影状況等によって変化する。基準値の精度を常に一定した制御の場合、撮影状況によっては必要以上の精度で補正が行われる場合があり、処理効率の面で冗長な状況が生じる。例えば、ユーザが歩き撮り等を行う状況のように、大きな揺れや振れが生じる場合には基準値の正確な算出が困難である。このような状況では、基準値の精度を過度に要求しなくても像ブレ補正に対する影響は少ない。他方、ユーザがテレ側(望遠側)の設定で固定の被写体を撮影する状況等では、基準値の精度が厳しく要求され、基準値の算出精度が像ブレ補正の性能に与える影響が大きい。
本発明の目的は、像ブレ補正において振れ検出信号に係る基準値の算出及び更新が必要以上の頻度で行われないように防止することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る装置は、装置の振れを検出する振れ検出手段の検出信号から補正量を算出して像ブレを補正する像ブレ補正装置であって、前記装置の振れ状態を判別する判別手段と、前記振れ検出手段の検出信号に係る基準値をオフセット成分から算出して更新する処理を行う基準値算出手段と、前記振れ検出手段の検出信号から前記基準値を減算した信号を取得して像ブレの補正量を算出する補正量算出手段と、前記補正量算出手段が算出する補正量に従って像ブレを補正する制御手段を備える。前記基準値算出手段は、前記判別手段によって装置が大きい振れ状態であると判別されると、装置が大きい振れ状態であると判別されなかった場合に比べて、前記基準値の更新頻度を低減させるか、または更新を停止させる制御を行う。
本発明によれば、像ブレ補正において振れ検出信号に係る基準値の算出及び更新が必要以上の頻度で行われないように防止できる。
本発明の実施形態に係る撮像装置のシステム構成例を示すブロック図である。 図3とともに本発明の第1実施形態を説明するために、基準値算出及び更新処理例を説明するフローチャートである。 手持ち撮影状態における振れ検出信号を例示する概念図である。 本発明の第2実施形態に係る基準値算出及び更新処理例を説明するフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る基準値算出及び更新処理例を説明するフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る基準値算出及び更新処理の別例を説明するフローチャートである。
以下、本発明の各実施形態に係る像ブレ補正装置及びこれを備えた撮像装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。本発明は、デジタルビデオカメラ、レンズ交換可能なデジタル一眼レフカメラ、携帯電話等に搭載される撮像装置に幅広く適用可能である。
[第1実施形態]
図1は、撮像装置のシステム構成例を示すブロック図であり、像ブレ補正に関係する構成要素を示す。図1の撮像光学系にて、変倍レンズ群(以下、ズームレンズという)11は焦点距離の変更により変倍動作を行う。ブレ補正光学系を構成するレンズ群(以下、シフトレンズという)12は光軸に対して垂直な方向に移動可能であり、補正用光学部材の駆動により像ブレを補正する。レンズ群(以下、フォーカスレンズという)13は、焦点調節機能と、変倍動作による焦点面の移動を補正するいわゆるコンペンセーション機能を兼ね備える。
撮像素子14はレンズ群11,12,13を通して結像した光を光電変換する。撮像素子14には、例えばCCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)等を用いたイメージセンサが使用される。カメラ信号処理部15は、CDS(Co-related Double Sampling:相関二重サンプリング)回路、AGC(Automatic Gain Control)回路、デジタル信号処理回路等から構成される。このデジタル信号処理回路は、A(Analog)/D(Digital)変換器によりアナログ撮像信号をデジタル信号に変換し、ガンマ補正、ホワイトバランス調整等、所定の信号処理を施したデジタル映像信号を生成する。レコーダ部16は、メモリカードなどの記録媒体に映像信号を記録する処理及び制御を行う。この他、図示は省略するが、映像信号に従って画像を表示する表示装置(液晶表示パネルや電子ビューファインダ等)、及びその制御回路等が設けられている。
システム制御部17は撮像装置のシステム全体を制御し、演算部を備える。動きベクトル検出部21は、カメラ信号処理部15で信号処理された画像信号を取得して1フレームごと、または1フィールドごとの動きベクトルを検出する。動きベクトルの検出方法は、ブロックマッチング法や特徴点を使用する方法など、公知の方法を使用する。ベクトル積分部22は、動きベクトル検出部21が検出した1フレーム間または1フィールド間の動きベクトルを積算して画像の動き量を算出する。
振れ検出センサ31は手振れや体の揺れ等によって生じる撮像装置の振れを検出して検出信号を出力する。振れ検出センサ31は、例えば角速度センサであり、振動検出用のジャイロセンサ等が使用される。増幅器32は、振れ検出センサ31が出力する角速度検出信号を増幅する。A/D変換器33は増幅器32のアナログ出力信号を、システム制御部17内で処理可能なデジタル信号に変換する。角速度積分部34は、A/D変換器33の出力、つまり、振れ検出センサ31の増幅信号に係るA/D変換値を積算して振れ角度情報を算出する。
手振れ補正モード判別部35は、手振れ補正モードの判別処理を行う。本実施形態では、例えば、ユーザが移動せずにその場で通常の撮影を行う場合の第1モード(以下、通常モードという)と、撮影する時に生じるような大きな像ブレを補正する第2モード(以下、歩き撮りモードという)を、少なくとも有する。手振れ補正モード判別部35は、判別した手振れ補正モードの情報を基準値算出部36に出力する。なお、手振れ補正モードの設定や切り替えについては、撮像装置に設けたモード設定手段(不図示)を使ってユーザが手動操作で行ってもよく、または、撮像装置が動きベクトルや角速度信号等の検出情報に基づいて自動的に行ってもよい。例えば、手振れ補正モード判別部35は、振れ検出センサ31の出力に基づく信号の変化が、予め定めた周波数や振幅に相当する閾値より大きいと判定しときに、撮影者が移動していると判定し、第2モード(歩き撮りモード)であると判定する。また、別の例として、焦点距離によって判断してもよい。焦点距離(ズーム位置)がワイド側である場合は、撮影画角が広いため、移動しながらの撮影に適している。よって、焦点距離(ズーム位置)がワイド側である場合に第2モードと判定したり、焦点距離(ズーム位置)がワイド側である場合であって、かつ振れ検出センサ31の出力に基づいた信号の変化が大きい場合に第2モードと判定することができる。
基準値算出部36は、振れ検出センサ31のオフセット電圧分となる基準値(安定状態時のセンサ出力に相当する)を算出する。基準値算出部36は、角速度積分部34で算出される振れ角度情報及びベクトル積分部22で算出した画像の動き量に基づいて、撮像装置本体の安定度を判定して振れ検出センサ31の基準値を更新する。その際、基準値算出部36は手振れ補正モード判別部35による手振れ補正モードの判別結果に応じて、基準値更新の敏感度を変更する。ここで敏感度(Sと記す)とは、振れ検出センサ31の出力変動に伴う基準値の変動に対して基準値更新の応答性を制御するための値である。敏感度Sの値が小さく設定されると、基準値の算出及び更新処理の精度を高めることができ、敏感度Sの値が大きく設定されると、基準値の更新精度を高めるよりも、誤判定による影響を受け難くすることができる。更新処理の詳細については後述する。
A/D変換器33のデジタル出力信号は第1減算部DEC1に送られて、基準値算出部36で算出された基準値が減算される。減算結果を示す信号はハイパスフィルタ(以下、HPFと略記する)37及びパンニング判定部40に送られる。HPF37は、周波数特性を可変し得る機能を有しており、第1減算部DEC1からの角速度信号が入力され、所定周波数以下の低周波成分を遮断した信号を出力する。焦点距離演算部38は、HPF37を通過した角速度信号が入力され、該信号から焦点距離に応じた光軸偏心角の変化量に変換する。周波数特性を可変し得るローパスフィルタ(以下、LPFと略記する)を用いた積分器39は、焦点距離演算部38の出力を積分して角変位量を算出する。パンニング判定部40は、第1減算部DEC1にてオフセット成分を除去された角速度信号、ベクトル積分部22が出力する画像の動き量、及び積分器39が出力する角変位量に基づいて撮像装置本体のパンニング操作について判定する。パンニング操作が行われていると判定された場合、パンニング判定部40はHPF37及び積分器39のLPFの周波数特性を変更することによりパンニング制御を行う。なお、パンニング判定部40に加えて、チルティング判定部を設ける形態も可能であり、チルティング操作に応じた像ブレ補正制御が行われる。補正量算出部41は、パンニング判定部40の判定結果と、積分器39の出力する角変位量の情報に基づいて像ブレ補正量(補正目標値)を算出して、第2減算部DEC2に出力する。
位置検出センサ50(例えばホールセンサ)はシフトレンズ12の位置を検出する。増幅器51は、位置検出センサ50の検出信号を増幅し、A/D変換器52は、増幅器51からのアナログ信号をデジタル信号に変換して、システム制御部17内で処理可能な信号とする。A/D変換器52の出力は第2減算部DECに送られる。第2減算部DEC2は、補正量算出部41が算出した像ブレの補正目標値から、A/D変換器52の出力する現在の位置データを減算し、差分情報をシフトレンズ制御部53に出力する。シフトレンズ制御部53は、差分情報からシフトレンズ12の駆動制御量を算出して、制御信号をPWM(パルス幅変調)部54に出力する。PWM部54は、シフトレンズ制御部53からの制御信号に従ってパルス幅を可変制御してアナログ信号を出力する。駆動部55は、PWM部54の出力信号に従ってモータ56を駆動し、シフトレンズ12を移動させる。駆動用のモータ56は、例えばVCM(ボイスコイルモータ)等である。
なお、図1に示す焦点距離判別部42については後述の第3実施形態にて説明し、第1実施形態ではないものとする。
次に、本実施形態で行う振れ検出センサ31の基準値算出及び更新処理について説明する。
図2は処理例を示すフローチャートである。本処理は、像ブレ補正装置の手振れ補正の設定がON状態である場合に、所定の周期(例えば画像データの取り込み周期等)で基準値算出部36が繰り返し実行する。なお、このことは以下に説明する他の実施形態でも同様である。
まずS1001は、設定された手振れ補正モードが第1モード(通常モード)であるか、または第2モード(歩き撮りモード)であるかの判別処理である。例えば、手振れ補正モード判別部35は、振れ検出センサ31の出力に基づく信号の変化が、予め定めた周波数や振幅に相当する閾値より大きいと判定したときに、撮影者の移動などにより大きな振れ加わっていると判定し、第2モードと判定する。ユーザが移動せずにその場で通常の撮影を行う場合の第1モード(通常モード)であると、手振れ補正モード判別部35が判断した場合、基準値算出部36は第1モードの判別結果を得てS1002に処理を進める。また、手振れ補正モード判別部35が、歩行撮影時に生じるような大きな像ブレを補正する第2モード(歩き撮りモード)であると判断した場合、基準値算出部36は第2モードの判別結果を得てS1003に処理を進める。S1002では、基準値を更新する際の敏感度Sとして、第1モード時の敏感度Saが設定される。一方、S1003では、基準値更新の敏感度Sとして、第2モード時の敏感度Sbが設定される。Sb値はSa値より大きい。よって、第2モード時の敏感度をSbとすることで、第1モード時よりも、基準値の更新精度の敏感度を制限して、より誤判定による影響を受け難くすることができる。この敏感度の設定については図3を用いて後述する。
次にS1004では振れ検出センサ31の基準値Vnが算出される。S1005は、撮像装置本体の状態判定処理である。撮像装置本体が安定状態であるか否かについて判定され、安定状態であればS1006に処理を進め、安定状態でなければ、そのまま処理を終了する。安定状態の判定処理では、例えば角速度積分部34から得られる振れ角度情報と、ベクトル積分部22から得られる画像の動き量について、それぞれの単位時間当りの変化量(振幅量)が所定の閾値と比較される。これらの変化量が閾値以下である場合に安定状態と判定される。次にS1006では、S1004で算出した基準値Vnと、現時点で設定されている基準値(Vと記す)との比率(Vn/V)が算出される。この比率は基準値の変動量を表しており、敏感度Sと比較される。つまり、Vn/Vの値は、第1モードの場合に敏感度Saと比較され、また、第2モードの場合に敏感度Sbと比較される。Vn/Vの値がSa値またはSb値より大きい場合、S1007に進み、S1004で算出した基準値Vnが新たに基準値Vとして更新される。一方、S1006でVn/Vの値がSa値以下、またはSb値以下の場合、基準値Vは変更されずに処理が終了する。
図3は、ユーザが撮像装置を手持ちの状態で撮影する場合に手振れの検出信号(振れ検出センサ31の出力信号)を例示した概念図である。図3(A)は、固定の被写体を狙った通常撮影における角速度検出信号の時間的変化を示し、振れ検出センサ31の出力信号は比較的小さい振幅の信号である。これに対して図3(B)は、ユーザが歩行しながら撮影した、いわゆる歩き撮りなどの大きな振れにおける角速度検出信号の時間的変化を示す。この場合、撮像装置には大きな振れが生じるため、振れ検出センサ31の出力信号は、通常の撮影時に比べて数倍から10倍程度の大きな振幅の信号となる。すなわち、歩き撮りなどの大きな振れの場合、振れ検出センサ31の出力信号は変動幅が大きいため、基準値の算出が難しい。
一方、固定の被写体を狙った通常撮影では、基準値のズレがそのまま手振れ補正の残量として画像ブレに反映されるため、ユーザの目についてしまう。従って、通常撮影では、できるだけ高い精度で基準値を更新する必要がある。それに対して歩き撮影では、手振れ補正の残量が、ユーザが歩きながら撮影しているという臨場感として表れるため、ある程度の揺れ残りは許容される。よって、基準値のズレが許容範囲内で生じていたとしても、これが撮影結果に顕著な影響を及ぼすことはない。このように、歩き撮影では、基準値の更新において高い精度を必要としないが、大きな揺れによる基準値の誤判定については防止すべきである。
上記事項を考慮し、第1モード(通常モード)では敏感度Saの値を比較的小さく設定することにより、基準値の算出及び更新処理の精度を高めている。他方、振れの振幅や周波数が比較的大きいと判断されたときの第2モード(歩き撮りモード)では、第1モードに比べて敏感度Sbの値が大きい値に設定される。これにより、基準値の更新精度を高めるよりも、誤判定による影響を受け難くすることができる。すなわち、「Sa<Sb」の関係式が成り立つように設定され、各モードにおける振れ検出センサ31の信号出力状態に応じて基準値の更新処理が行われる。なお、第2モードにおいて、Sb値を大きく設定すればするほど基準値の更新が行われないようにすることができる。また、第1モードにおいて基準値の更新が常に行われるようにするにはSa値をゼロに設定すればよい。本実施形態では、敏感度Sの設定値を撮影モードに応じて変更することにより、基準値の更新頻度を制御することができる。但し、敏感度Sの値については各モードのもつ性質や目的等に応じて適宜に決定すればよく、「Sa<Sb」の関係式は1つの基準例である。
以上のように、第1実施形態では、装置が大きな振れ状態である場合、更新頻度を低減させるか、または更新を停止させる制御が行われる。装置の振れが大きく基準値の算出が困難な第2モードの場合、基準値更新に係る敏感度の値を相対的に大きくすることで、基準値が更新され難くなり、基準値の誤判定の問題が解決される。一方、装置の振れが比較的小さい第1モードの場合には、基準値更新に係る敏感度の値を相対的に小さくすることで、基準値が更新され易くなり、基準値の算出精度が高まる。これにより、撮影状況に応じた精度で像ブレ補正を制御でき、処理効率の面で冗長な基準値の更新を防止できる。したがって、固定の被写体を狙った通常撮影や、歩きながらの撮影にて適切な手振れ補正が実現される。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態では、手振れ補正モードの判別結果に応じて安定性判定条件の閾値を変更することによって、第1実施形態の場合と同等の効果を得ることができる。なお、第2実施形態に係る撮像装置の構成は、図1に示す構成(焦点距離判別部42を除外した構成)と同様である。よって、第1実施形態の場合と同様の構成要素については既に使用した符号を用いることによって、それらの詳細な説明を省略し、主として相違点を説明する。
図4に示すフローチャートを参照して、第2実施形態における振れ検出センサ31の基準値算出及び更新処理について説明する。図4のS2001、S2006、S2007の処理は、図2のS1001、S1004、S1007に示す処理とそれぞれ同様であるため、以下では、主にS2002からS2005を説明する。
S2001で第1モード(通常モード)が判別された場合、S2002に進み、また第2モード(歩き撮りモード)が判別された場合、S2003に進む。S2002では、安定性判定条件の閾値Tとして閾値Taが設定され、またS2003では、安定性判定条件の閾値Tとして閾値Tbが設定される。Tb値はTa値よりも大きい。S2004では、角速度積分部34から得られる振れ角度情報及びベクトル積分部22から得られる画像の動き量の単位時間当りの振幅量(変化量)が算出される。次にS2005では、撮像装置本体に大きな振れが生じていない安定状態であるか否かについて判定される。S2004で算出した振幅量が安定性判定条件の閾値Tと比較され、この振幅量がS2002またはS2003でそれぞれ設定した閾値Ta以上または閾値Tb以上であるか否かが判定される。振幅量が閾値Taまたは閾値Tbよりも小さい場合、S2006に処理を進める。また振幅値が閾値Ta以上または閾値Tb以上である場合、装置の状態が安定状態でないと判断されて、そのまま処理が終了する。S2006で振れ検出センサ31の基準値Vnが算出され、S2007では基準値Vが更新される。
安定度の判定処理については、第1実施形態の場合と同様に、例えば振れ角度情報や動き量の単位時間当りの振幅量(変化量)を算出し、振幅量が所定の閾値以下であれば安定状態と判断することができる。安定性判定条件となる所定の閾値Tは、手振れ補正モード判別部35におけるモード判別結果に応じて変更される。すなわち、第1判別信号の示す第1モードの場合、相対的に小さい値Taが設定され、第2判別信号の示す第2モードの場合には相対的に大きい値Tbに設定される。但し、第2モードにおける閾値Tbを第1モードの場合と同様に小さい値に設定することも可能である。この場合、図3に示したように歩き撮り時の振幅量は大きいので、振幅量が閾値より小さくなることは殆どなくなり、基準値の更新が停止される。
第2実施形態では、基準値の算出が困難な第2モードにおける安定性判定用の閾値に比べて、第1モードにおける安定性判定用の閾値を小さく設定することで安定状態の判断がされ易くなり、基準値の更新頻度が増加することで精度が高まる。
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態では、基準値更新の敏感度や安定性判定条件の閾値の変更が焦点距離に応じて行われる。第3実施形態に係る撮像装置の基本的な構成は前記実施形態と同様であるが、図1に示すブロック図において手振れ補正モード判別部35に代えて焦点距離判別部42を備える。よって、以下では前記実施形態との相違点を主として説明し、前記実施形態の場合と同様の構成要素については既に使用した符号を用いることにより、それらの詳細な説明を省略する。
焦点距離判別部42は、不図示の位置検出手段からズームレンズ11の位置情報を取得して、焦点距離(ズーム位置)がワイド側(広角側)かテレ側(望遠側)かを判別する。例えば、ズームレンズ位置についての閾値を予め設定しておき、現時点でのズームレンズ位置を閾値と比較することにより、ワイド側かテレ側かを判別できる。焦点距離判別部42は判別結果を示す判別信号を基準値算出部36に出力する。
次に、焦点距離に応じて基準値更新の敏感度を変更する制御を行う場合において、振れ検出センサ31の基準値算出及び更新処理を説明する。
図5は処理例を示すフローチャートである。図5のS3004からS3007は図2のS1004からS1007の処理と同様であるので、以下では図2と相違するS3001からS3003の処理を説明する。
S3001で焦点距離判別部42は現時点の焦点距離が閾値よりもテレ側であるか、またはワイド側であるかを判定する。テレ側と判定された場合、S3002に進み、またワイド側と判定された場合、S3003に進む。S3002では、基準値更新に用いる敏感度Sとして敏感度Scが設定される。また、S3003では、基準値更新の敏感度Sとして敏感度Sdが設定される。Sd値はSc値よりも大きい。S3002やS3003の次にS3004に進む。
この例では、基準値の算出が困難なワイド側において、基準値更新の敏感度Sdを相対的に大きく設定することで基準値の更新が行われ難くなるので、基準値の誤判定を防止できる。一方、テレ側においては、基準値更新の敏感度Scを相対的に小さく設定することで基準値の更新が行われ易くなって基準値の算出頻度が増加して精度が高まる。
次に、焦点距離に応じて安定性判定条件の閾値を変更する制御を行う場合において、振れ検出センサ31の基準値算出及び更新処理を説明する。
図6は処理例を示すフローチャートである。図6のS4004からS4007は図4のS2004からS2007の処理と同様であるので、以下では図4と相違するS4001からS4003の処理を説明する。
S4001で焦点距離判別部42は現時点の焦点距離が閾値よりもテレ側であるか、またはワイド側であるかを判定する。テレ側と判定された場合、S4002に進み、ワイド側と判定された場合、S4003に進む。S4002では、安定性判定条件の閾値Tとして閾値Tcが設定される。またS4003では、安定性判定条件の閾値Tとして閾値Tdが設定される。Td値はTc値よりも大きい。S4002やS4003の次にS4004に進む。
この例では、基準値算出が困難なワイド側において、安定性判定用の閾値Tdを相対的に大きく設定することで、基準値の誤判定を防止できる。一方、テレ側においては、安定性判定の閾値Tcを相対的に小さく設定することで、基準値の算出頻度が増加して精度が高まる。よって適切な手振れ補正を実現できる。
第3実施形態では、焦点距離に応じた精度で像ブレ補正を制御することにより、手振れ補正効果を高めることができる。
なお、前記実施形態では撮影状況や焦点距離に応じて敏感度Sの値や安定性判定用の閾値Tを2通りに切り替える例を説明した。これに限らず、撮影状況や焦点距離に応じて3通り以上の値を設定する方法や、焦点距離等に応じて連続的に設定値を変化させる方法を採用しても構わない。また、像ブレ補正手段については補正用光学部材とその駆動手段を備えた構成に限らず、撮影した画像データを電子的に処理することで像ブレ補正を行う形態でもよい。
[その他の実施形態]
本実施形態では、像ブレ補正装置を備えたビデオカメラについて説明した。その他、像ブレ補正機能を備えたレンズ鏡筒や交換レンズといった光学機器であっても本実施形態は実現可能である。また、本実施形態に係る像ブレ補正装置を備えた、撮像ユニットを備えた携帯電話やゲーム機などの電子機器であってもよい。また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
12 シフトレンズ
21 動きベクトル検出部
22 ベクトル積分部
31 振れ検出センサ
35 手振れ補正モード判別部
36 基準値算出部
41 補正量算出部
42 焦点距離判別部
53 シフトレンズ制御部

Claims (10)

  1. 装置の振れを検出する振れ検出手段の検出信号から補正量を算出して像ブレを補正する像ブレ補正装置であって、
    前記装置の振れ状態を判別する判別手段と、
    前記振れ検出手段の検出信号に係る基準値をオフセット成分から算出して更新する処理を行う基準値算出手段と、
    前記振れ検出手段の検出信号から前記基準値を減算した信号を取得して像ブレの補正量を算出する補正量算出手段と、
    前記補正量算出手段が算出する補正量に従って像ブレを補正する制御手段を備え、
    前記基準値算出手段は、前記判別手段によって装置が大きい振れ状態であると判別されると、装置が大きい振れ状態であると判別されなかった場合に比べて、前記基準値の更新頻度を低減させるか、または更新を停止させる制御を行うことを特徴とする像ブレ補正装置。
  2. 撮像手段による画像信号から動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段を備え、
    前記基準値算出手段は、前記動きベクトル検出手段が検出した動きベクトルの変化量を閾値と比較して前記基準値の更新処理を行うか否かを決定することを特徴とする請求項1に記載の像ブレ補正装置。
  3. 前記基準値算出手段は、前記基準値を更新する際の敏感度を設定し、算出した前記基準値と既に設定されている基準値との比率を算出し、該比率が前記敏感度より大きい場合に前記基準値に更新することを特徴とする請求項2に記載の像ブレ補正装置。
  4. 前記基準値算出手段は、前記判別手段による判別信号を取得して安定性の判別に係る閾値を設定し、前記振れ検出手段の検出信号の変化量または前記動きベクトル検出手段が検出した動きベクトルの変化量が前記閾値より小さい場合に前記基準値を算出して更新することを特徴とする請求項2に記載の像ブレ補正装置。
  5. 前記判別手段は像ブレの補正モードを判別し、
    前記基準値算出手段は、前記判別手段によって装置が大きい振れ状態であると判別された場合、装置が大きい振れ状態であると判別されなかった場合に比べて、前記敏感度または前記閾値を大きい値に設定することを特徴とする請求項3または4に記載の像ブレ補正装置。
  6. 前記判別手段は、前記振れ検出手段の検出信号の変化が予め定めた周波数及び/または振幅に相当する閾値より大きいと判定したときに、装置が大きい振れ状態であると判別することを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の像ブレ補正装置。
  7. 装置の振れを検出する振れ検出手段の検出信号から補正量を算出して像ブレを補正する像ブレ補正装置であって、
    撮像光学系の焦点距離を判別する焦点距離判別手段と、
    前記振れ検出手段の検出信号に係る基準値をオフセット成分から算出して更新する処理を行う基準値算出手段と、
    前記振れ検出手段の検出信号から前記基準値を減算した信号を取得して像ブレの補正量を算出する補正量算出手段と、
    前記補正量算出手段が算出する補正量に従って像ブレを補正する制御手段を備え、
    前記基準値算出手段は、前記焦点距離判別手段により焦点距離の判別結果が閾値よりも望遠側であると判定された場合、前記基準値を算出して更新する処理を行い、前記焦点距離判別手段により焦点距離の判別結果が前記閾値よりも広角側であると判定された場合、前記基準値の更新頻度を低減させるか、または更新を停止させる制御を行うことを特徴とする像ブレ補正装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置を備え、
    前記制御手段は、前記補正量算出手段が算出する補正量を取得し、撮像光学系を構成する補正用光学部材の駆動を制御することにより像ブレを補正することを特徴とする撮像装置。
  9. 装置の振れを検出する振れ検出手段の検出信号から補正量を算出して像ブレを補正する像ブレ補正装置にて実行される制御方法であって、
    前記装置の振れ状態を判別する判別ステップと、
    前記判別ステップでの第1判別信号に従って前記振れ検出手段の検出信号に係る基準値をオフセット成分から算出して更新するステップと、
    前記第1判別信号に比して前記装置が大きい振れ状態であることを示す第2判別信号に従って前記基準値の更新頻度を低減させるか、または更新を停止させる制御を行うステップと、
    前記振れ検出手段の検出信号から前記基準値を減算した信号を取得して像ブレの補正量を算出する補正量算出ステップと、
    前記補正量算出ステップにて算出した補正量に従って像ブレを補正する補正ステップを有することを特徴とする像ブレ補正装置の制御方法。
  10. 装置の振れを検出する振れ検出手段の検出信号から補正量を算出して像ブレを補正する像ブレ補正装置にて実行される制御方法であって、
    撮像光学系の焦点距離を判別する判別ステップと、
    前記判別ステップにて焦点距離の判別結果が閾値よりも望遠側であると判定された場合、前記振れ検出手段の検出信号に係る基準値をオフセット成分から算出して更新するステップと、
    前記判別ステップにて焦点距離の判別結果が前記閾値よりも広角側であると判定された場合、前記基準値の更新頻度を低減させるか、または更新を停止させる制御を行うステップと、
    前記振れ検出手段の検出信号から前記基準値を減算した信号を取得して像ブレの補正量を算出する補正量算出ステップと、
    前記補正量算出ステップにて算出した補正量に従って像ブレを補正する補正ステップを有することを特徴とする像ブレ補正装置の制御方法。
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