JP2000232212A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置の製造方法Info
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Abstract
ップインダクタの特性向上を図る。 【解決手段】 支持基板としてP型シリコン基板1を用
意し、熱処理を施すことにより、P型シリコン基板1内
に熱ドナーを発生させ、該熱ドナーによってP型シリコ
ン基板1中のアクセプタを補償して、該P型シリコン基
板1のキャリア濃度を低濃度にする。このように、熱処
理を施すことによってP型シリコン基板1内に熱ドナー
を発生させると、P型シリコン基板1中のアクセプタと
補償しあうため、該P型シリコン基板1のキャリア濃度
が見かけ上低濃度になりP型シリコン基板1を高抵抗化
させることができる。これにより、電送線路のエネルギ
ー損失を低減でき、オンチップインダクタの特性向上を
図ることができる。
Description
導体装置において、とくにRF帯域以上で使用するオン
チップインダクタや、その他RFデバイスを同一基板上
に一体化したMMIC(Monolithic Mic
rowave Integrated Circui
t)等に有効な技術である。
Hzの電波信号の受信、送信と低周波数への変換に用い
られており、アナログスイッチ、アンプ、ミキサ、発振
器等からなるRF部と、主にデジタル化された信号を処
理するCPU、DSP、メモリ等からなるベースバンド
部から構成されている。
の電子移動度が高いGaAs基板等を用いて製造される
一方、高集積の要求されるベースバンド部はシリコン基
板1で製造されることが一般的であったが、近年、小型
軽量化、低価格化のために、RF部も含めてすべてのL
SIをシリコンで作製し、これらの素子を1チップ上に
搭載しようとする要望が有る。
スにおいては配線を電気信号が伝播する際に基板表面に
電荷が誘起されてしまうため、電気信号のエネルギー損
失を生じさせる。このため、無駄な電力を消費すること
となり、消費電力の増大の原因となる。基板表面への電
荷の誘起は、特に、図24(a)、(b)に示すような
スパイラルインダクタ50において重要な問題となり、
誘起された電荷が自己誘電現象によって逆方向の磁束B
を発生させるためにインダクタの特性を著しく劣化させ
る。
抗化し、電荷の誘起を抑制することが有効である。しか
し、通常のバルク基板では、トランジスタの性能を得る
ために基板の高抵抗化は困難であることから、絶縁膜を
介してトランジスタを形成するシリコン層と基板(以
下、支持基板という)を分離したSOI(Silico
n On Insulator)構造を用い、その支持
基板を石英基板や高抵抗なシリコン基板1等で形成する
ことが提案されている。例えば、石英基板の場合にはウ
エハ直接接合法によってSOI基板を形成している。
来のSOI基板の製造方法では、石英とシリコンとの熱
膨張係数の差から接合が難しく、歩留まりや再現性等が
悪いという生産上の問題が大きい。
FZ(Floating Zone)基板へのSIMO
X法が比較的容易であり、実験としては多く採用されて
いるが、FZ基板の抵抗値を5kΩ程度とするのが限界
であり、十分高抵抗な基板を得ることができないと同時
に、高コストなSIMOX法に加えて高価なFZ基板を
用いることによって相当な高コストとなることが避けら
れない。
路のエネルギ損失や、オンチップインダクタの特性向上
を図ることを目的とする。
に、請求項1に記載の発明においては、支持基板として
P型シリコン基板(1)を用意する工程と、熱処理を施
すことにより、P型シリコン基板(1)内に熱ドナーを
発生させ、該熱ドナーによってP型シリコン基板(1)
中のアクセプタを補償して、該P型シリコン基板(1)
のキャリア濃度を低濃度にする工程を含むことを特徴と
している。
板(1)を用意し、熱処理を施すことによってP型シリ
コン基板(1)内に熱ドナーを発生させることができ
る。これによりP型シリコン基板(1)中のアクセプタ
を補償して、該P型シリコン基板(1)のキャリア濃度
を低濃度にすることができ、支持基板を高抵抗にするこ
とができる。これにより、請求項2に記載の発明におい
ては、熱処理は、表面保護膜(9)を形成した後に行う
ことを特徴としている。
後、すなわち、すべてのデバイス形成工程終了後に熱処
理を施すようにすることで、デバイス形成工程中に実施
される高温の熱処理によって、先に形成された熱ドナー
が消滅させられることを防止することができる。
リコン基板(1)の表面に、結晶欠陥層を形成する工程
を含み、熱処理工程は、結晶欠陥層を形成した後に行う
ことを特徴としている。
に結晶欠陥層を形成しておくことにより、P型シリコン
基板(1)の表面近傍にも熱ドナーが形成されるように
することができる。
シリコン層として、P型シリコン基板(1)とは異なる
単結晶シリコン基板を用意する工程と、単結晶シリコン
基板の表面に絶縁膜(2)を形成する工程と、結晶欠陥
層が形成されたP型シリコン基板(1)の結晶欠陥層が
形成された面と、単結晶シリコン基板の絶縁膜(2)が
形成された面をウェハ直接接合法によって貼り合わせた
ことを特徴としている。
面に結晶欠陥層を形成する場合においては、単結晶シリ
コン基板上に絶縁膜(2)を形成し、単結晶シリコン基
板の絶縁膜(2)が形成された面とP型シリコン基板
(1)の結晶欠陥層が形成された面とをウェハ直接接合
法によって貼り合わせることにより、結晶欠陥層が形成
されたP型シリコン基板(1)の上に絶縁膜(2)及び
単結晶シリコン層(3)が形成された構成とすることが
できる。
ン基板(1)の表面をラッピング加工することによって
結晶欠陥層を形成することができる。また、請求項6に
示すように、P型シリコン基板(1)に、元素の周期表
における4族の元素、若しくは不活性な元素のいずれか
をイオン注入することによって結晶欠陥層を形成するこ
とができる。また、請求項7に示すように、絶縁膜
(2)にSIMOX法によって単結晶シリコン層(3)
を形成し、P型シリコン基板(1)に元素の周期表にお
ける4族の元素、若しくは不活性な元素のいずれかをイ
オン注入することによってP型のシリコン基板(1)の
表面に結晶欠陥層を形成することもできる。
温度を360℃もしくは450℃で行うことを特徴とし
ている。
P型シリコン基板(1)内の酸素濃度に関わらず熱ドナ
ー発生密度を略一定にすることができる、450℃で熱
処理を行うことにより、熱ドナーの密度が飽和状態とな
るようにすることができる。
電気配線(8)の配線材料の融点温度が650℃以上で
ある場合においては、熱処理の温度を650℃以下とす
ればよい。
のシリコン基板(11)上に、絶縁膜(2)を介して単
結晶シリコン層が形成されて成るSOI基板を用意する
工程と、SOI基板に素子を形成する工程と、素子を覆
うようにSOI基板の表面に表面保護膜(9)を形成す
る工程と、表面保護膜(9)の上面を平坦化する工程
と、支持基板としてP型シリコン基板(1)を用意する
工程と、表面が平坦化された表面保護膜(9)の表面に
P型シリコン基板(1)を貼り付ける工程と、熱処理を
施すことにより、第1のシリコン基板(1)内に熱ドナ
ーを発生させ、該熱ドナーによって第1のシリコン基板
(1)中のアクセプタを補償して、該第1のシリコン基
板(1)のキャリア濃度を低濃度にする工程を含むこと
を特徴としている。
面保護膜(9)の表面に配置した反転型の半導体装置に
おいても、熱処理によってP型シリコン基板(1)内に
熱ドナーを発生させ、この熱ドナーによってアクセプタ
を補償し、P型シリコン基板(1)を高抵抗化すること
ができる。
保護膜(9)を形成した後に、第1のシリコン基板を絶
縁膜(2)の表面が露出するまで除去するようにすれば
よい。
理を、P型シリコン基板(1)を表面保護膜(9)に貼
り付けた後に行うことを特徴としている。
コン基板(1)を貼り付けた後に熱処理を行う、つまり
デバイス形成工程がすべて終了した後に熱処理を行うこ
とにより、デバイス形成工程時に施される高温の熱処理
による熱ドナーの消滅をなくすことができる。
膜(2)の膜厚が素子の電気配線の配線幅よりも大きく
なるように形成することを特徴としている。
線の配線幅よりも大きくなるようにすることにより、R
F信号によって半導体装置表面に誘起される電荷の幅を
見込むことができ、支持基板を高抵抗化させるのと同様
の効果を得ることができる。これにより、請求項1と同
様の効果が得られる。
を含む単結晶シリコン層(3)上に表面保護膜を形成す
る工程と、表面保護膜の表面にシリコン基板を直接接合
させると共に、該シリコン基板を絶縁膜が露出するまで
除去する工程と、を含んでいることを特徴としている。
半導体装置において請求項13の構成を採用することが
できる。
のシリコン基板(11)上に、第1の絶縁膜(2)を介
して単結晶シリコン層(3)が形成されて成るSOI基
板を用意する工程と、SOI基板に素子を形成する工程
と、素子を覆うようにSOI基板の表面に表面保護膜
(9)を形成する工程と、表面保護膜(9)の上面を平
坦化する工程と、支持基板として第2のシリコン基板
(1)を用意する工程と、第2のシリコン基板の表面に
第2の絶縁膜を形成する工程と、表面が平坦化された表
面保護膜(9)の表面に第2の絶縁膜が接するようにシ
リコン基板(1)を貼り付ける工程と、を含んでいるこ
とを特徴としている。
第2の絶縁膜を形成しておく事により、絶縁膜全体の厚
みを稼ぐことができ、それぞれの絶縁膜が薄くても所望
の膜厚の絶縁膜を得ることができる。これにより、絶縁
膜の形成時間を低減することができると共に、膜厚ばら
つきをなくすこともできる。
のシリコン基板のうち第2の絶縁膜が形成されている面
の反対側の面に、第2の絶縁膜及び保護膜と同等の厚さ
を有する第3の絶縁膜を形成することを特徴としてい
る。
縁層が形成されている面の反対側の面に、第2の絶縁膜
及び保護膜と同等の厚さを有する第3の絶縁膜を形成す
ることにより、第2のシリコン基板と第2の絶縁膜との
熱膨張差による反りを抑制することができる。
ン注入によりP型シリコン基板(1)内に水素イオンを
導入する工程を有し、該水素のイオン注入によって該P
型シリコン基板(1)内のボロンを不活性化することを
特徴としている。
素イオンを導入しておき、P型シリコン基板(1)内の
ボロンを不活性化させることにより、P型シリコン基板
(1)の更なる高抵抗化を図ることができる。
に、水素のイオン注入の加速エネルギーを変えて複数回
に分けて行うこともできる。
基板としてのP型シリコン基板(1)として、該P型シ
リコン基板(1)内の格子間酸素濃度が該P型シリコン
基板(1)内で一定であるものを用いることを特徴とし
ている。
コン基板(1)内の酸素濃度に依存するため、このよう
にすることで、P型シリコン基板(1)全体で発生する
熱ドナー量を一定にすることができる。この場合、例え
ば、請求項20に示すように、P型シリコン基板(1)
をMCZ法により作成すればよい。
シリコン基板(1)のP型不純物の不純物濃度と格子間
酸素濃度の面内分布が同一のプロファイルである基板を
用いることを特徴としている。
型不純物の不純物濃度と格子間酸素濃度の面内分布が同
一のプロファイルであれば、P型シリコン基板(1)の
表面層での抵抗を面内で一定にすることができる。
リコン基板(1)のP型不純物濃度のプルファイルと比
較して格子間酸素濃度の低い部分にN型不純物をイオン
注入すればよい。
コン基板(1)のP型不純物濃度のプロファイルと比較
して格子間酸素濃度の低い部分に酸素をイオン注入する
ようにしてもよい。
シリコン基板(1)の不純物濃度が熱ドナーの飽和発生
密度と等しいことを特徴としている。
純物濃度が熱ドナーの飽和発生密度と等しくすることに
より、熱処理時間を制御して発生する熱ドナー数を制御
する必要性をなくすことができる。
シリコン基板(1)内のアクセプタを熱ドナーによって
補償したのち、N型に反転したP型シリコン基板(1)
を熱ドナーを減少させる熱処理を施すことにより高抵抗
化することを特徴としている。
P型シリコン基板(1)をN型に反転させてしまった場
合には、熱ドナーを減少させる熱処理を施すことによ
り、P型シリコン基板(1)を高抵抗にすることが可能
である。例えば、約600℃の熱処理を行えばよい。
シリコン基板(1)内のアクセプタを熱ドナーによって
補償したのち、P型シリコン基板(1)がN型に反転し
た直後に熱処理を完了することを特徴としている。
型に反転した直後に熱処理を完了することで、P型シリ
コン基板(1)の表面層でPN接合を形成することがで
き、このPN接合によってP型シリコン基板(1)を高
抵抗にすることができる。
理は、電気配線(8)を形成する工程の前に施すことを
特徴としている。
の前に上記熱処理を行うことで、電気配線(8)が断線
する等の熱処理による影響をなくすことができる。
理を、P型シリコン基板(1)内のアクセプタを熱ドナ
ーによって完全に補償し終わる前までは450℃で行
い、P型シリコン基板(1)内のアクセプタを熱ドナー
によって完全に補償する時には約400℃〜約500℃
のうち450℃を除く温度で行われるようにすることを
特徴としている。
アクセプタを熱ドナーによって完全に補償する時には約
400℃〜約500℃のうち450℃を除く温度で行わ
れるようにすることで、熱ドナー発生数がピーク時(4
50℃の時)よりも少なくなるため、熱ドナー数とアク
セプタ数を容易に一致させられるようにできる。
基板としてのシリコン基板(1)を用意する工程と、該
シリコン基板(1)の裏面よりシリコン基板(1)内に
固溶度に応じたAu原子を蒸着させる工程と、熱拡散を
施し、Au原子を拡散させる工程と、を含むことを特徴
としている。
面にAu原子を拡散させることにより、シリコンのエネ
ルギーギャップの中央にAuによる深い準位を形成する
ことができる。この準位が再結合中心となり、少数キャ
リアを捕獲する割合が大きくなり、少数キャリアの寿命
が極端に短くなる。これにより、多数キャリアとの再結
合が増加し、電気伝導率が低くなって比抵抗が大きくな
る。
蒸着工程の前に、シリコン基板(1)の裏面を研削する
工程を含むことを特徴としている。
u原子の接着面積を増加させることができ、拡散後にP
型シリコン基板(1)内にAu原子を一様に分布させる
ことができる。
よるAu原子の拡散温度を1100℃以上1300℃以
下にすると、Auの固溶度が大きいため好適である。
理によるAu原子拡散工程後、約5分以内で室温まで冷
却することを特徴としている。
冷することによりAuが拡散する時間をなくし、小さな
固まりとなって析出することを防止することができる。
これによりAu原子の拡散後にP型シリコン基板(1)
内に一様にAuが分布されるようにできる。
コン基板(1)の裏面を研削する工程前に、SOI基板
の表面、裏面、側面に約2μm以上のdry酸化膜を形
成する工程を含むことを特徴としている。
化膜を形成すれば、シリコン中よりも酸化膜中の方がA
u原子の熱拡散速度が遅いため、熱処理拡散の際にAu
原子がSOI基板のSOI層へ拡散することを防止する
ことができる。なお、請求項34に示すように、dry
酸化膜形成工程での酸化温度を1200℃以下とするの
が好ましい。
板上に絶縁膜を介してシリコン基板を貼りつけることに
よって、SOI基板を形成することを特徴としている。
支持基板に貼りつけることによって、絶縁膜によってA
u原子がSOI層へ拡散することを防止することができ
る。
に、支持基板にポリシリコン膜を形成して、ポリシリコ
ン膜による欠陥層を形成しておいて、絶縁膜が形成され
たシリコン基板を貼りつけることになる。
にシリコン又はイオン注入することによる結晶欠陥層を
形成したり、請求項38に示すように、支持基板にSi
−Ge層をエピタキシャル成長させるようにした後に、
絶縁膜が形成されたシリコン基板を貼りつけるようにし
てもよい。
適用して形成した半導体装置を示す。本半導体装置はM
MICなどに適用される。以下、図1に基づき本半導体
装置の構成を説明する。
の上面に酸化膜2が形成されており、この酸化膜2の所
定領域には単結晶シリコン層からなるSOI層3が形成
されている。
成されており、このSOI層3の上部にはゲート絶縁膜
4を介してゲート電極5が形成されている。SOI層3
は、ゲート電極5の両側に位置する部分に不純物が注入
されており、ソース・ドレイン領域6となっている。ゲ
ート電極5を含む酸化膜2の上面には層間絶縁膜7が形
成されている。この層間絶縁膜7の所定位置にはコンタ
クトホール7aが形成されている。
としてのタングステン8aで埋め込まれており、層間絶
縁膜7上に形成された電気配線(アルミ配線)8とソー
ス・ドレイン領域6との電気的な接合が図られている。
そして、電気配線8の上には配線保護膜9として例えば
窒化膜もしくは酸化膜が形成されている。
法について説明する。図2及び図3に、図1に示す半導
体装置の製造工程を示し、この図に基づいて上記説明を
行う。
明らかなP型のCZ(Czochralski)シリコ
ン基板1を準備する。このシリコン基板1を支持基板と
して、例えば100nm程度、酸化膜2の上に単結晶シ
リコンからなるSOI層3を有するSOI基板を用意す
る。そして、熱処理を施す。
格が37PPMAの酸素濃度、1×1016/cm3のア
クセプタ濃度を持つP型のシリコン基板1の場合には窒
素雰囲気中で22時間の熱処理を施す。これによって1
×1016/cm3の熱ドナーとよばれる新たなドナーが
支持基板中に発生し、アクセプタと補償しあうことによ
ってシリコン基板1内には見かけ上アクセプタもドナー
も存在しない状態、すなわち高抵抗な状態となる。この
熱処理についての詳細は後述する。
上に窒化膜10をデポジションした後、フォトリソグラ
フィ工程にて将来的にSOI領域とする部分上に窒化膜
10を残す。
℃程度の温度で熱処理を行いLOCOS酸化させてSO
I領域以外のSOI層3を酸化することによって素子分
離を行う。その後、窒化膜10を除去する。
よってゲート絶縁膜4を形成し、B原子等のP型不純物
をイオン注入する。さらにポリシリコンをデポジション
した後、このポリシリコンに気相中でリンをドーピング
し、低抵抗とした後、所望の形状を残してエッチング
し、ゲート電極5を形成する [図3(b)に示す工程]この後、ゲート電極5をマスク
としてP型不純物をイオン注入することにより、ソース
・ドレイン領域6を形成する。
00nm程度の層間絶縁膜7としての酸化膜をデポジシ
ョンし、ソース・ドレイン領域6の上及びゲート電極5
上において層間絶縁膜7を開口し、コンタクトホール7
aを形成する。そして、コンタクトホール7aをタング
ステン8aで埋め込んだ後、配線材料としてアルミニウ
ムを堆積し、電気配線8をパターニングする。この後、
電気配線8を含む層間絶縁膜7の上面全面に表面保護膜
9としての窒化膜又は酸化膜をデポジションすることに
より図1に示す半導体装置が完成する。なお、コンタク
トホール7aの埋め込みは、タングステン8aで行わな
くてもアルミニウムを堆積する際におこなってもいい。
の熱処理の詳細について説明する。上述したように、熱
処理は450℃程度で行われる。この温度で、種々の初
期酸素濃度を持つシリコン基板1の熱処理を施した場合
に発生したドナー密度の熱処理時間依存性を図4に示
す。[V.Cazcarra and P.Zunin
o J.Appl Phys.51(8),Aug.1
980] この図に示されるように、約100時間以上の熱処理に
おいて熱ドナーの密度は飽和する傾向にあり、熱処理後
の基板抵抗値を所望の値に合わせるためには勾配の緩や
かな飽和領域の熱処理時間とするのが有効である。
度が低いほど短いため、熱処理時間を短くして全工程時
間を短くするためには酸素濃度の低いシリコン基板1を
用いることが有効である。このとき、図から明らかなよ
うに飽和熱ドナー濃度は初期酸素濃度によって異なるた
め、最初のシリコン基板1のアクセプタ濃度は初期酸素
濃度に応じた濃度とする必要がある。
らない場合には、以下に示すように、熱処理温度を36
0℃程度で行うとよい。
ン基板1に360℃で200時間の熱処理を施した場合
に発生したドナー密度を示す。[V.Cazcarra
and P.Zunino J.Appl Phy
s.51(8),Aug.1980] この図に示されるように、ドナー密度は初期の酸素濃度
に依存しておらず、種々の酸素濃度のシリコン基板1に
同等に約2.5×1015/cm3のドナーが形成され
る。このため、初期酸素濃度が不明なシリコン基板1を
用いる場合には360℃の熱処理が望ましいのである。
熱ドナー密度が基板中の酸素濃度に依存しない360℃
または熱ドナー発生率の高い450℃とするのが好適で
ある。
り正確に行うためには、仮に、22時間の熱処理によっ
て高抵抗なシリコン基板1を得ようとする場合、例え
ば、まず17時間程度の熱処理を施したのちに、30分
程度間隔で基板の抵抗値を評価し、所望の抵抗値が得ら
れた時点で熱処理を終了するようにすることが好まし
い。
端針法のようにシリコン基板1の表面に直接プローブを
立てて評価する場合には、10mm□程度シリコン基板
1の表面が露出した状態とすればよい。この露出表面の
面積は計測器のプローブ間隔等、仕様に合ったサイズで
良く、その位置は例えばウエハ中央部、上部、下部、右
部、左部等いずれの位置においても可能である。また、
熱処理中に薄い自然酸化膜または窒化膜が形成される
が、これらは特に除去しなくてもプローブの圧力によっ
てシリコン基板1との接触が可能であるため、除去する
必要はない。
ついて以下に簡単に説明する。
いては、シリコン基板1の電位を固定するために表面か
らのドライエッチングによって、単結晶半導体層からな
るSOI層3と、その下部の絶縁膜2を貫通した開口部
を形成する。この工程は通常ソース・ドレイン領域6の
形成用のイオン注入工程前に行われ、シリコン基板1も
高濃度のP+領域を形成することによってシリコン基板
1と電気配線8とのコンタクトを形成可能としている。
と共にシリコン基板1の測定用の開口部を形成し、その
後、P+領域を構成するソース・ドレイン領域6の形成
用のフォトリソグラフィ工程時には、該開口部をフォト
レジストで保護し、P型不純物がイオン注入されないよ
うにする。また、この後開口部上に形成される薄膜のう
ち、層間絶縁膜7についてはコンタクトホール7a、ビ
ア形成時にエッチング除去し、アルミ等の配線材料はパ
ターン形成用のエッチング時に同時にエッチングし、表
面保護膜9はパッド形成用のエッチング時にエッチング
することによって開口部が埋まらないようにする。これ
によってプロセスの増加無く目的の開口領域を形成する
ことが可能である。
ための専用パターンを形成するようにしてもよい。つま
り、上述の製造工程において、シリコン基板1とのコン
タクト形成と同一工程にてシリコン基板1の抵抗値を評
価可能なパターン(例えば、TMLパターン)を形成す
るようにしてもよい。
抗値評価用の開口部を形成することにより、比較的簡便
に基板の抵抗値を評価することができ、専用パターンを
形成することにより、正確に基板の抵抗値を評価するこ
が可能にできる。
度(アクセプタ濃度)と、熱処理によって発生する熱ド
ナーの飽和発生数とを合わせるようにすれば、熱処理時
間の制御をなくすこともできる。
シリコン基板1の比抵抗のプロファイルは図6のように
示される。この図からも分かるように、アクセプタを熱
ドナーで補償していくと、シリコン基板1の比抵抗が一
旦は非常に増加するが、その後、急激に減少していくと
いう特性を示す。これは、熱ドナーがアクセプタ量より
も大きくなってシリコン基板1がN型に反転するためで
ある。
大きくなるというアニール時間の時間幅が非常に短く
(具体的には1〜2分程度)、時間制御が困難であると
いえる。
濃度と熱処理によって発生する熱ドナーの飽和発生数と
を合わせるようにすれば、上記熱処理時間の制御を行う
必要性をなくすことができる。
よってアクセプタの補償が完了し、シリコン基板1がN
型に反転してしまってシリコン基板1の比抵抗が減少し
てしまった場合であっても、以下のようにして再びシリ
コン基板1の比抵抗を増加させることが可能である。
ナーは、熱処理の条件次第で消滅させることも可能であ
る。図7に、450℃の熱処理を20時間施した後に、
600℃の熱処理を行った場合の熱ドナー密度の変化を
示す。この図に示されるように、450℃を超える熱処
理を行うと、熱処理開始後から熱ドナーが減少した状態
となっている。これは、ドナー消滅の現象を示してお
り、この現象を利用することによって過剰な熱ドナーを
消滅させ、アクセプタ量に相応する熱ドナー量とするこ
とができる。具体的には、図7に示されるように、高温
の熱処理開始後に熱ドナーが減少したのち、所定時間経
過すると再び熱ドナーが増加するようになるため、減少
時もしくは増加時において、アクセプタ量に相応する熱
ドナー量となる時間を選択して熱処理を行うようにすれ
ばよい。
高い450℃の熱処理を行うようにしてシリコン基板1
の高抵抗化を図っているが、熱処理温度と熱ドナーの発
生率との関係は図8のように示される。
は熱処理温度が450℃の時を発生のピークとしてい
る。しかしながら、ピークの450℃においては、急激
に熱ドナーが発生するようになるため、上記したように
熱処理時間の制御が容易ではない。
50℃を除いた、比較的熱ドナーが多く発生する400
〜500℃の温度を熱処理を行うようにすれば、上記図
6で示された比抵抗が最大となる熱処理時間の時間間隔
を長くすることができる。例えば、図9に示すように、
435℃の熱処理の場合には、450℃の熱処理と比べ
てキャリア発生数(熱ドナー発生数)が約半分程度に小
さくなる。従って、熱処理の初期には熱処理温度を45
0℃として熱ドナー発生数を大きくし、熱ドナー数とア
クセプタ数が一致する時の近傍においては、熱処理温度
を435℃とすることで、熱処理時間の時間制御の容易
化を図ることができる。例えば、21時間まで450℃
で熱処理を行い、その後2時間を435℃で熱処理を行
うようにするばよい。これにより、所望の抵抗値となる
熱処理時間の許容範囲が450℃の場合に5分間であっ
たとすると、435℃の場合には10分間と倍増する。
濃度にする工程の後に電気配線8を形成する工程を行っ
ている。このようにすることにより、450℃の熱処理
によって電気配線8が断線するなどの影響を避けること
ができる。 (第2実施形態)本実施形態は、第1実施形態と異なる
構造の半導体装置において、本発明の一実施形態を適用
した場合を示している。図10に、本実施形態における
半導体装置を示し、この図に基づいて半導体装置の構造
について説明する。ただし、第1実施形態と異なる部分
のみ説明を行う。
半導体装置は、ほぼ図1に示す半導体装置を反転させた
構成に成っている。具体的には、第1実施形態では、高
抵抗なシリコン基板1が表面保護膜9の反対側に形成さ
れていたが、本実施形態では、表面保護膜9が形成され
ている側に高抵抗シリコン基板11が形成されている。
12に示し、これらの図に基づいて半導体装置の製造方
法について説明する。
ン基板1を用意し、熱処理工程を除いて第1実施形態と
同様の工程を行い、SOI層3、ゲート電極5、電気配
線8、表面保護膜9を形成する。このとき用いるシリコ
ン基板1としては、高抵抗である必要はなく、通常のも
のでよい。これにより、シリコン基板11が高抵抗でな
い半導体装置が完成する。
(Chemical Mechanical Poli
shing)法等による研磨工程を行って、表面保護膜
9の表面を平坦化する。
ェハを第1の基板12として、この第1の基板12の表
面保護膜9に第2の基板としてのP型のシリコン基板1
を貼り付ける。このP型のシリコン基板1は、予め第1
実施形態に示した高抵抗にするための熱処理を施して、
高抵抗化がなされているものである。
の基板としてのシリコン基板1の表面とを直接接合にて
接合する。
のシリコン基板11側(裏面)から、絶縁膜2が露出す
るまでシリコン基板11を研磨する。ここでの研磨は選
択研磨法によって、すなわちシリコンと酸化膜の研磨レ
ートの差を利用して行い、この選択研磨によって絶縁膜
2の表面が完全に露出した状態とする。
反転した状態であり、100nm程度の絶縁膜2を通し
てそのレイアウトが観察可能である。そこで、最終的に
フォトリソ工程を用いてパッド電極位置を開口したの
ち、ウエハ表面より電気配線8が接続可能な状態とし
て、図10に示した半導体装置が完成する。なお、この
ときの電気配線8の露出部分(パッド電極)の大きさは
通常100μm□と十分大きく、目視による位置合わせ
も十分可能である。
シリコン基板1を高抵抗にすることにより、第1実施形
態と同様の効果が得られる。 (第3実施形態)本実施形態では、第1実施形態に対し
てP型のシリコン基板1に発生させる熱ドナーの形成深
さ制御を行う。なお、半導体装置の主な構造及び製造方
法は第1実施形態と同様であるため、第1実施形態に対
して異なる部分のみ説明する。
なるP型のシリコン基板1を用意する。そして、このP
型シリコン基板1の表面近傍に結晶欠陥を形成する。例
えば、結晶欠陥の形成方法としては、ラッピング加工
(参考文献:Mat.Res.Soc.Symp.Pr
oc.Vol.59,1986)によって可能である。
せる。シリコン基板1の表面の結晶性が良好である場合
には、シリコン基板1の表面近傍では熱ドナーが発生し
ないが、このようにシリコン基板1の表面近傍に結晶欠
陥を形成しておくことにより、シリコン基板1の表面近
傍にも熱ドナーを発生させることができる。
てSOI層3となる単結晶シリコン層を形成する。これ
によりSOI基板が形成される。
る単結晶シリコン層として単結晶シリコン基板1を用意
すると共に、この単結晶シリコン基板1の表面に熱酸化
若しくはデポジションによって厚さ100nm程度の絶
縁膜2を形成し、この絶縁膜表面と支持基板となるシリ
コン基板1の結晶欠陥が形成された面とをウェハ直接接
合法によって接合することにより行うことができる。
して、SOI層3の形成、ゲート電極5、ソース・ドレ
イン領域6の形成、電気配線8の形成、表面保護膜9の
形成などを行うと、半導体装置が完成する。
ン基板1の表面に結晶欠陥を形成しておき、シリコン基
板1の表面近傍に熱ドナーを発生させるようにしてもよ
い。
ッピング加工によって行っているが、イオン注入ダメー
ジによって形成してもよい。この場合、Si、C等の同
族元素やAr等の不活性な元素をイオン注入に用いるこ
とができる。
成してもよい。例えば、SIMOXウェハ形成用の高ド
ーズの酸素イオン注入と埋め込み酸化膜形成用の熱処理
後に埋め込み酸化膜下の支持基板中をRpとする加速エ
ネルギーをもって、Si、C等の同族元素やAr等の不
活性な元素をイオン注入を行うようにすればよい。
コン基板1をP型半導体で構成し、熱処理によって発生
する熱ドナーをアクセプタと補償させ合うことによっ
て、シリコン基板1の高抵抗化を図っているが、シリコ
ン基板1に水素イオンを注入しておくことによって、シ
リコン基板1のさらなる高抵抗化を図ることができる。
際、シリコン表面近傍に水素が残留しているとコンタク
ト抵抗が増大するという現象が知られている。これは水
素原子によってボロンが不活性化するためであるといわ
れている。このため、シリコン基板1にの水素イオンを
注入することによって、電極形成時にシリコン基板1の
高抵抗化を図ることができる。
法によって行い、水素を加速エネルギーを変えて数回に
分けてイオン注入することによって深さ方向に均一な水
素のプロファイルを形成しておけば、基板の抵抗を広範
囲にわたって高抵抗化することができる。
本実施形態に示す方法によってシリコン基板1の高抵抗
化を図るようにしてもよい。すなわち、第1実施形態と
同様に支持基板としてのシリコン基板1を用意した後、
シリコン基板1の裏面よりシリコン基板1中に固溶度に
応じた適当な数のAu原子を蒸着させ、さらにAu原子
を熱拡散させることによってもシリコン基板1の高抵抗
化を図ることができる。
下のように説明できる。
ン基板1のエネルギーバンド図を図13に示す。この図
に示されるようにシリコンのエネルギーギャップの中央
にAuによる深い準位が形成される。この準位は再結合
中心となり、少数キャリアを捕獲する割合が大きくな
る。このため、少数キャリアの寿命が極端に短くなって
シリコン基板1の高抵抗化が図れるのである。
×1014から1×1018個/cm3に増加すると、少数
キャリアの寿命は10μsから0.1nsに減少する。
そして、少数キャリアの寿命が短くなると多数キャリア
との再結合が増加し、電気伝導率が低くなって比抵抗が
大きくなるのである。
きいため、本実施形態をN型半導体基板に適用すると好
適である。これは室温でもN型シリコンの少数キャリア
の寿命は0.3μsであり、P型シリコンの寿命1.0
μsに比べて短いからである。なお、Auの準位は深い
準位と浅い準位があり、P型シリコンの場合は浅い準位
により高抵抗化の効果が小さくなる。
にシリコン基板1の裏面を研削しておくことによって、
シリコン基板1の接着面積を大きくし、拡散後に基板内
にAuを一様に分布させることも可能である。そして、
シリコン基板1を薄くすることによりAuの拡散領域が
減るので熱処理時間を短縮することができる。
理温度を上げることにより、シリコン基板1中のAu原
子の固溶度を上げ、高抵抗化することができる。
u原子の固溶度は1300℃でのピークで、1.1×1
017個/cm3、1100℃で3×1016個/cm3の固
溶度になる。
コン基板1の抵抗値を示す。この図からも分かるよう
に、Auの固溶度が3×1016個以上でシリコン基板は
10kΩ−cm以上に高抵抗化される。
熱処理温度を高温度(例えば1100℃以上1300℃
以下)とすることにより、さらにシリコン基板1の高抵
抗化を図ることができる。
コン基板1を急冷すれば、熱処理以降にAuが移動して
局所的に密集してしまう時間をなくし、Au原子が小さ
な固まりとなってシリコン基板1内から析出することを
防止することも可能である。実験では、シリコン基板1
を熱処理後、約5分以内に熱処理装置から外に出して室
温雰囲気にさらしておいたが、上記効果が得られた。
研削する前に、1200℃以下の熱処理によってシリコ
ン基板1の表面、裏面、側面に2μm以上のdry酸化
膜を形成しておくことが望ましい。これは、酸化膜中で
はAu原子の拡散係数がシリコン中のそれと比べて非常
に小さいからであり、特にdry酸化膜中ではその差が
顕著に現れるからである。参考として、図16にdry
酸化膜、wet酸化膜、シリコン中におけるAu原子の
拡散係数を調べた結果を示す。
のシリコン基板1を上記方法で高抵抗化させたたのち、
第1実施形態と同様に、SOI基板を構成し、半導体装
置を製造するが、上記dry酸化膜をSOI基板の埋め
込み酸化膜として使用することも可能である。この場合
には、図17に示す酸化膜厚に対するAu原子の拡散状
態図に表わされるように、dry酸化膜の膜厚が2μm
以上となれば、dry酸化膜によってSOI層へのAu
原子の拡散を防止することができる。なお、酸化膜の応
力によるウェハの反りを考慮すると、dry酸化膜の限
界の厚さは3μmとなる。
抵抗化させたのち、表面に絶縁膜が形成されたシリコン
基板を用意し、シリコン基板1に貼り合わせてもよい。
板を貼り合わせ、この貼り合わせたシリコン基板をSO
I層形成領域とすることで、シリコン基板1中のAu原
子が拡散しても絶縁膜によって拡散が抑制されるため、
SOI層内にAu原子が拡散することを防止することが
できる。
リコン基板1の表面にポリシリコン層31を形成してお
き、このポリシリコン層31に絶縁膜32が形成された
シリコン基板33を貼り合わせるようにしたり、図19
に示すように、シリコン基板1の表層部にシリコン又は
水素のイオン注入を行うことによって結晶欠陥層34を
形成したのち、絶縁膜32が形成されたシリコン基板3
3を貼り合わせるようにしてもよい。さらに、図20に
示すように、シリコン基板1の表面にSi−Ge層35
を例えばエピタキシャル成長させたりしたのち、この層
を介して絶縁膜32が形成されたシリコン基板33を貼
り合わせるようにしてもよい。
の基板として、高抵抗にしたシリコン基板1を第1の基
板に直接接合しているが、第2の基板のうち、第1の基
板に接合される面(以下、表面という)の反対側の面(以
下、裏面という)に、埋込絶縁膜と同等の厚みを有する
絶縁膜を形成した後に、第1の基板に直接接合するよう
にしてもよい。
場合、熱膨張係数の差によって接合後の基板に反りを発
生させてしまい、接合強度を劣化させ、装置の信頼性や
歩留まりに悪影響を及ぼすからである。このように、第
2の基板の裏面側にも表面と同様の厚みの絶縁膜を形成
することにより、上記反りを抑制することができ、上記
問題を低減することができる。
P型のシリコン基板1を熱処理した後にSOI基板を形
成したり、SOI基板を構成した直後に熱処理を施すよ
うにしているが、この熱処理はいつ行っても熱ドナーを
発生させるという効果を得ることができる。ただし、熱
ドナーはさらに高温の熱処理によって急速に消滅するた
め、デバイス形成の全行程完了後に熱ドナーを形成する
熱処理を行うのが好ましい。
によって形成された熱ドナーはその後の熱処理によって
その密度が変化し、基板の抵抗率が変化する可能性があ
るが、熱ドナー密度の変化分が比較的少ない場合には、
必要に応じて工程初期もしくは工程途中に熱ドナー形成
用の熱処理を行い、全行程終了後に変化分の熱処理密度
を追加するだけの時間に相当する熱処理を追加して行う
ようにしても良い。これは、たとえば一つのロットが炉
を占有的に使用することによって同時期に同工場の製造
ラインを流れる他のロットへの影響を抑止するものであ
り、結果的に各ロットのスループット向上に寄与するも
のである。
点を持つ材料であるCu等を用いた際に、例えば750
℃程度の比較的高温の熱処理を行っても良い。これは、
通常の半導体工場において熱処理に用いられる炉は60
0℃程度で保持されていることが多く、熱処理を450
℃で使用することは装置の保守上あまり好ましくない場
合があるためであり、これにより熱ドナー形成に要する
装置の稼働率を向上することができる。
板1中における酸素濃度の面内分布を均一にした上で上
記熱処理を行い、熱ドナーを発生させるようにすれば、
シリコン基板1全体として均一に熱ドナーを発生させる
ことができる。例えば、MCZ法(磁界引き下げ法)に
よってシリコン基板1を形成することで、シリコン基板
1中における酸素濃度の面内分布を均一にすることがで
きる。参考として、図21にMCZ法の引き下げ回転速
度を30rpmにした時のシリコン基板1の酸素濃度の
面内分布を示す。
はシリコン基板1中の酸素濃度に依存しているからであ
る。シリコン基板1中の初期酸素濃度の面内分布のバラ
ツキが基板平均に対して1%以上あると抵抗値の面内バ
ラツキも増大し、シリコン基板1全面に渡って高抵抗な
基板を得ることができくなり、製品歩留まりが低下する
が、このように酸素濃の面内分布を均一にすることで、
このような問題をなくすことができる。
の表面層の抵抗を面内で一定にすることが可能である。
図22に450℃、5時間40分の熱処理後の基板面内
の抵抗率変化を示す。この図に示されているように、シ
リコン基板1の最外周において抵抗率が低いことが分か
る。これは、シリコン基板1の表面層の抵抗値において
も同様の傾向となる。このため、シリコン基板1中の酸
素濃度を面内分布とシリコン基板1の表面層での不純物
濃度の面内分布の傾向を一致させれば、シリコン基板1
の表面相の抵抗を面内で一定にすることができる。
物濃度のプロファイルと比較して格子間酸素濃度の低い
部分にPなどのN型イオンを注入するようにすること
で、アクセプタ量を減らし、シリコン基板1中の酸素濃
度を面内分布とシリコン基板1の表面層での不純物濃度
の面内分布の傾向を一致させることができる。
イオン注入し、シリコン基板1内の表面層の酸素濃度を
一様にすることでも、シリコン基板1中の酸素濃度を面
内分布とシリコン基板1の表面層での不純物濃度の面内
分布の傾向を一致させることができる。
酸素の深さプロファイルは初期酸素濃度のプロファイル
と同様、または補償し合う形のものとすれば、面内で一
様な低効率が分布されるため好適である。その為に注入
エネルギーを換えた複数回のイオン注入及び拡散処理を
行ってもよい。
基板1のアクセプタを、そのアクセプタ量に相応する熱
ドナーによって補償するようにし、補償が完了したら熱
処理を終了するようにしているが、熱ドナーによってア
クセプタを補償し、シリコン基板1がN型に反転した直
後に熱処理を終了するようにしてもよい。このようにし
た場合について実験を行ったところ、シリコン基板1の
表面からの深さに対する比抵抗の関係が図23のように
なった。
mの深さで比抵抗の勾配が反転するように変化してい
る。これは、この深さにおいてPN接合が形成されてい
ることを示している。このPN接合部では空乏層が形成
されるため、この空乏層によってシリコン基板1を高抵
抗にすることができるのである。このように、シリコン
基板1の表層部にPN接合を形成することによってシリ
コン基板1を高抵抗にしてもよい。
装置の断面構成を示す図である。
めの図である。
めの図である。
る。
ーの発生量を示す図である。
を示す図である。
と熱ドナー量との関係を示す図である。
図である。
理時間とキャリア(熱ドナー)発生数との関係を示す比
較図である。
を示す図である。
るための図である。
るための図である。
ルギーバンド図である。
示す図である。
抵抗を示す図である。
の間におけるAu原子の拡散係数特性を示す図である。
Au原子の濃度を示す図である。
2を形成したシリコン基板33を貼り合わせる一例を示
す図である。
2を形成したシリコン基板33を貼り合わせる一例を示
す図である。
2を形成したシリコン基板33を貼り合わせる一例を示
す図である。
子酸素分布を示す図である。
抵抗を示す図である。
す図である。
を説明するための図である。
ート絶縁膜、5…ゲート電極、6…ソース・ドレイン領
域、7…層間絶縁膜、8…電気配線、9…表面保護膜、
11…シリコン基板。
Claims (38)
- 【請求項1】 支持基板上に、絶縁膜(2)を介して単
結晶シリコン層(3)を配置したSOI基板を有してな
り、前記単結晶シリコン層(3)が配置された領域に素
子を形成して成る半導体装置の製造方法において前記支
持基板としてP型シリコン基板(1)を用意する工程
と、 熱処理を施すことにより、前記P型シリコン基板(1)
内に熱ドナーを発生させ、該熱ドナーによって前記P型
シリコン基板(1)中のアクセプタを補償して、該P型
シリコン基板(1)の実効的なキャリア濃度を低濃度に
する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方
法。 - 【請求項2】 前記熱処理は、表面保護膜(9)を形成
した後に行うことを特徴とする請求項1に記載の半導体
装置の製造方法。 - 【請求項3】 前記P型のシリコン基板(1)の表面
に、結晶欠陥層を形成する工程を含み、 前記熱処理工程は、前記結晶欠陥層を形成した後に行う
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の
製造方法。 - 【請求項4】 前記単結晶シリコン層(3)として、前
記P型シリコン基板(1)とは異なる単結晶シリコン基
板を用意する工程と、 前記単結晶シリコン基板の表面に前記絶縁膜(2)を形
成する工程と、 前記結晶欠陥層が形成された前記P型シリコン基板
(1)の結晶欠陥層が形成された面と、前記単結晶シリ
コン基板の前記絶縁膜(2)が形成された面とをウェハ
直接接合法によって貼り合わせる工程とを有することを
特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項5】 前記結晶欠陥層の形成工程では、前記P
型シリコン基板(1)の表面をラッピング加工すること
によって前記結晶欠陥層を形成することを特徴とする請
求項3又は4に記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項6】前記結晶欠陥層の形成工程では、前記P型
シリコン基板(1)に、元素の周期表における4族の元
素、若しくは不活性な元素のいずれかをイオン注入する
ことによって前記結晶欠陥層を形成していることを特徴
とする請求項3又は4に記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項7】前記絶縁膜(2)にSIMOX法によって
前記単結晶シリコン層(3)を形成する工程と、 前記P型のシリコン基板(1)の表面に、結晶欠陥層を
形成する工程を含み、 前記結晶欠陥の形成工程では前記P型シリコン基板
(1)に、元素の周期表における4族の元素、若しくは
不活性な元素のいずれかをイオン注入することによって
前記結晶欠陥を形成していることを特徴とする請求項3
又は4に記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項8】 前記熱処理温度を360℃もしくは45
0℃で行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか
1つに記載の半導体基板の製造方法。 - 【請求項9】前記素子を形成する工程として、該素子の
電気配線(8)を形成する工程を含み、 前記電気配線形成工程で形成する前記電気配線(8)の
配線材料の融点温度が650℃以上である場合におい
て、前記熱処理の温度を650℃以下とすることを特徴
とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の半導体基
板の製造方法。 - 【請求項10】支持基板上に、絶縁膜(2)を介して単
結晶シリコン層(3)を配置したSOI基板を有してな
り、前記単結晶シリコン層(3)が配置された領域に素
子を形成して成る半導体装置の製造方法において第1の
シリコン基板(11)上に、前記絶縁膜(2)を介して
前記単結晶シリコン層(3)が形成されて成るSOI基
板を用意する工程と、 前記SOI基板に素子を形成する工程と、 前記素子を覆うように前記SOI基板の表面に表面保護
膜(9)を形成する工程と、 前記表面保護膜(9)の上面を平坦化する工程と、 前記支持基板としてP型シリコン基板(1)を用意する
工程と、 表面が平坦化された前記表面保護膜(9)の表面に前記
P型シリコン基板(1)を貼り付ける工程と、 熱処理を施すことにより、前記第1のシリコン基板
(1)内に熱ドナーを発生させ、該熱ドナーによって前
記第1のシリコン基板(1)中のアクセプタを補償し
て、該第1のシリコン基板(1)のキャリア濃度を低濃
度にする工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造
方法。 - 【請求項11】前記表面保護膜(9)を形成した後に、
前記第1のシリコン基板を前記絶縁膜(2)の表面が露
出するまで除去する工程を含んでいることを特徴とする
請求項10に記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項12】 前記熱処理は、前記P型シリコン基板
(1)を前記表面保護膜(9)に貼り付けた後に行うこ
とを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方
法。 - 【請求項13】支持基板上に、絶縁膜(2)を介して単
結晶シリコン層(3)を配置したSOI基板を有してな
り、前記単結晶シリコン層(3)が配置された領域に素
子を形成して成る半導体装置の製造方法において、 前記絶縁膜(2)の膜厚が前記素子の電気配線(8)の
配線幅よりも大きくなるように形成することを特徴とす
る半導体装置の製造方法。 - 【請求項14】前記素子を含む前記単結晶シリコン層
(3)上に表面保護膜を形成する工程と、 前記表面保護膜の表面にシリコン基板を直接接合させる
と共に、該シリコン基板を前記絶縁膜が露出するまで除
去する工程と、を含んでいることを特徴とする請求項1
3に記載の半導体装置の製造方法 - 【請求項15】支持基板上に、第1の絶縁膜(2)を介
して単結晶シリコン層(3)を配置したSOI基板を有
してなり、前記単結晶シリコン層(3)が配置された領
域に素子を形成して成る半導体装置の製造方法において
第1のシリコン基板(11)上に、前記第1の絶縁膜
(2)を介して前記単結晶シリコン層が形成されて成る
SOI基板を用意する工程と、 前記SOI基板に素子を形成する工程と、 前記素子を覆うように前記SOI基板の表面に表面保護
膜(9)を形成する工程と、 前記表面保護膜(9)の上面を平坦化する工程と、 前記支持基板として第2のシリコン基板(1)を用意す
る工程と、 前記第2のシリコン基板の表面に第2の絶縁膜を形成す
る工程と、 表面が平坦化された前記表面保護膜(9)の表面に前記
第2の絶縁膜が接するように前記第2のシリコン基板
(1)を貼り付ける工程と、を含んでいることを特徴と
する半導体装置の製造方法。 - 【請求項16】 前記第2のシリコン基板(1)のうち
前記第2の絶縁膜が形成されている面の反対側の面に、
前記第2の絶縁膜及び前記保護膜と同等の厚さを有する
第3の絶縁膜を形成することを特徴とする請求項15に
記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項17】 イオン注入により前記P型シリコン基
板(1)内に水素イオンを導入する工程を有し、該水素
のイオン注入によって該P型シリコン基板(1)内のボ
ロンを不活性化することを特徴とする請求項1乃至9の
いずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項18】 前記水素のイオン注入工程では、前記
水素のイオン注入の加速エネルギーを変えて複数回に分
けて行うことを特徴とする請求項17に記載の半導体装
置の製造方法。 - 【請求項19】 前記支持基板としてのP型シリコン基
板(1)として、該P型シリコン基板(1)内の格子間
酸素濃度が該P型シリコン基板(1)内で一定であるも
のを用いることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか
1つに記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項20】 前記P型シリコン基板(1)はMCZ
法により作製された基板であることを特徴とする請求項
19に記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項21】 前記P型シリコン基板(1)のP型不
純物の不純物濃度と格子間酸素濃度の面内分布が同一の
プロファイルである基板を用いることを特徴とする請求
項1乃至9のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方
法。 - 【請求項22】 前記P型シリコン基板(1)のP型不
純物濃度のプルファイルと比較して格子間酸素濃度の低
い部分にN型不純物をイオン注入することを特徴とする
請求項21に記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項23】 前記P型シリコン基板(1)のP型不
純物濃度のプロファイルと比較して格子間酸素濃度の低
い部分に酸素をイオン注入することを特徴とする請求項
21に記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項24】 前記P型シリコン基板(1)の不純物
濃度が熱ドナーの飽和発生密度と等しいことを特徴とす
る請求項1乃至9のいずれか1つに記載の半導体装置の
製造方法。 - 【請求項25】 前記P型シリコン基板(1)内のアク
セプタを熱ドナーによって補償したのち、N型に反転し
た前記P型シリコン基板(1)を600℃で熱処理する
ことにより高抵抗化することを特徴とする請求項1乃至
9のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項26】 前記P型シリコン基板(1)内のアク
セプタを熱ドナーによって補償したのち、前記P型シリ
コン基板(1)がN型に反転した直後に熱処理を完了す
ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1つに記
載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項27】 前記素子を形成する工程として、該素
子の電気配線(8)を形成する工程を含み、 前記熱処理は、前記電気配線(8)を形成する工程の前
に施すことを特徴とする請求項1乃至1乃至8のいずれ
か1つに記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項28】 前記熱処理を、前記P型シリコン基板
(1)内のアクセプタを熱ドナーによって完全に補償し
終わる前までは450℃で行い、前記P型シリコン基板
(1)内のアクセプタを熱ドナーによって完全に補償す
る時には400〜500℃のうち450℃を除く温度で
行われるようにすることを特徴とする請求項1乃至7の
いずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項29】 支持基板上に絶縁膜(2)を介して単
結晶シリコン層(3)を配置したSOI基板を有してな
り、前記単結晶シリコン層(3)が配置された領域に素
子を形成してなる半導体装置の製造方法において、 前記支持基板としてのシリコン基板(1)を用意する工
程と、 該シリコン基板(1)の裏面より前記シリコン基板
(1)内に固溶度に応じたAu原子を蒸着させる工程
と、 熱拡散を施し、前記Au原子を拡散させる工程と、を含
むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項30】 前記Au蒸着工程の前に、前記シリコ
ン基板(1)の裏面を研削する工程を含むことを特徴と
する請求項29に記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項31】 前記熱処理による前記Au原子の拡散
温度を1100℃以上1300℃以下にすることを特徴
とする請求項29又は30に記載の半導体装置の製造方
法。 - 【請求項32】 前記熱処理による前記Au原子拡散工
程後、約5分以内で室温まで冷却することを特徴とする
半導体装置の製造方法。 - 【請求項33】 前記シリコン基板(1)の裏面を研削
する工程前に、前記SOI基板の表面、裏面、側面に2
μm乃至3μmのdry酸化膜を形成する工程を含むこ
とを特徴とする請求項30に記載の半導体装置の製造方
法。 - 【請求項34】 前記dry酸化膜形成工程では、酸化
温度を1200℃以下とすることを特徴とする請求項3
3に記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項35】 前記支持基板上に前記絶縁膜を介して
前記シリコン基板を貼りつけることによって、前記SO
I基板を形成することを特徴とする請求項29乃至34
のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項36】 前記支持基板にポリシリコン膜を形成
することを特徴とする請求項35に記載の半導体装置の
製造方法。 - 【請求項37】 前記支持基板にシリコン又は水素をイ
オン注入することによる結晶欠陥層を形成する工程を含
むことを特徴とする請求項35に記載の半導体装置の製
造方法。 - 【請求項38】 前記支持基板にSi−Ge層をエピタ
キシャル成長させることを特徴とする請求項35に記載
の半導体装置の製造方法。
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