JP2000231382A - 楽音発生装置、電子楽器、及び記憶媒体 - Google Patents
楽音発生装置、電子楽器、及び記憶媒体Info
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Abstract
に活用して、鍵タッチの強さに応じたより自然な楽音を
容易に発生する楽音発生装置を提供する。 【解決手段】 第1の楽音成分信号取得手段(ローパス
フィルタ)204は、弱音成分と強音成分が合成された
波形信号から強音成分をカットして第1の楽音成分(弱
音成分)信号を出力する。第2の楽音成分信号取得手段
(ハイパスフィルタ)205は、上記波形信号から弱音
成分をカットして第2の楽音成分(強音成分)信号を出
力する。このときの上記波形信号の出力先を、楽音情報
(タッチ情報、音高情報、音色情報等)に基づいて、第
1の楽音成分信号取得手段204と第2の楽音成分信号
取得手段205で切り換える。
Description
により得られた複数の楽音成分信号を混合して、1つの
楽音信号を生成して発生する楽音発生装置、該装置の機
能を有する電子楽器、及びそれを実施するための処理ス
テップをコンピュータが読出可能に格納した記憶媒体に
関するものである。
弱音成分、中音成分、及び強音成分といった複数の楽音
成分信号から、鍵タッチに対応した1つの楽音信号を生
成するようになされている。このため、図18に示すよ
うな構成の楽音発生部が、電子楽器に多く用いられてい
る。
子楽器には3つの楽音発生部901〜903が設けられ
ており、第1の楽音発生部901、第2の楽音発生部9
02、及び第3の楽音発生部903のそれぞれは、波形
メモリ(図示せず)に記憶されている弱音成分となる波
形データ911、中音成分となる波形データ912、及
び強音成分となる波形データ913を読み出して、弱音
成分信号921、中音成分信号922、及び強音成分信
号923を生成して出力する。すなわち、第1の楽音発
生部901は、波形データ911から弱い鍵タッチに対
応した弱音成分信号921を生成し、第2の楽音発生部
902は、波形データ912から中位の鍵タッチに対応
した中音成分信号922を生成し、第3の楽音発生部9
03は、波形データ913から強い鍵タッチに対応した
強音成分信号923を生成する。そして、演奏者よりな
されたある鍵タッチに対する1つの楽音信号は、上述の
弱音成分信号921、中音成分信号922、及び強音成
分信号923の混合比が該鍵タッチの強さによって変え
られて生成されることになる。
楽音発生部901にて生成された弱音成分信号921の
みを用いて、該鍵タッチに対する楽音信号を生成して出
力する。また、中位の鍵タッチのときには、第2の楽音
発生部902にて中音成分信号922を生成し、この中
音成分信号922と、第1の楽音発生部901にて生成
された弱音成分信号921とが混合することで、該鍵タ
ッチに対する楽音信号を生成して出力する。このとき、
鍵タッチが強くなるに従って、第2の楽音発生部902
の中音成分信号922の混合比率を大きくし、逆に第1
の楽音発生部901の弱音成分信号921の混合比率を
小さくしていく。そして、最終的に弱音成分信号921
の混合比が”0”となり、中音成分信号922のみが残
るようにする。このようにして、弱い鍵タッチから中位
の鍵タッチまでの音を滑らかに変化させていく。また、
強い鍵タッチのときは、第3の楽音発生部903にて強
音成分信号923を生成し、この強音成分信号923
と、第2の楽音発生部902にて生成された中音成分信
号922とを混合することで、該鍵タッチに対する楽音
信号を生成して出力する。このときにも、鍵タッチが強
くなるに従って、第3の楽音発生部903の強音成分信
号923の混合比率を大きくし、逆に第2の楽音発生部
902の中音成分信号922の混合比を小さくしていく
ことで、中位の鍵タッチから強い鍵タッチまでの音を滑
らかに変化させていく。但し、強音成分信号923には
弱音成分信号(低い周波数帯域の信号)が含まれていな
いことにより、中音成分信号922の混合比が”0”と
ならないようにする。すなわち、中音成分信号922は
常に出力するようにする。
たように、楽音信号を発生するための従来の構成は、1
つの楽音信号の元となる複数の波形データからそれぞれ
の楽音成分信号を個別に生成して混合し、そのときの混
合比を鍵タッチの強さによって変えることで、該鍵タッ
チに対する楽音信号を生成するようになされていた。こ
の構成によれば、演奏者の鍵タッチに応じた音色の変化
を実現することはできるが、そのための全ての楽音成分
(弱音成分、中音成分、強音成分等)の波形データを波
形メモリに記憶する必要があった。
際には、それに用いた楽音成分信号の種類分の音源LS
Iの発音チャンネルを使用することになる。例えば、弱
音成分信号、中音成分信号、及び強音成分信号の3種類
の楽音成分信号から、1つの楽音信号を生成して発生す
る場合には、3つの発音チャンネルを使用することにな
る。このため、音源LSIの総発音チャンネルが48個
であったとしても、実際の同時発音数は16音(48÷
3=16)となる。すなわち、1つの楽音信号を発生す
る際に、それに用いる楽音成分信号の数が多ければ多い
ほど、同時発音数が少なくなってしまう。
特開平1−269995号公報等には、ある1つの波形
データをフィルタリングすることにより、複数種類の波
形データを得て、それらの波形データを合成(混合)す
ることで、1つの楽音信号を生成する構成が記載されて
いる。しかしながら、このような構成では、楽音信号を
生成するための元となる1つの波形データのみを波形メ
モリに記憶するだけでよいため波形メモリの節約はでき
るが、該波形データをフィルタリングすることで得られ
る波形データ(楽音信号を生成する際に実際に用いる波
形データ)の種類分の発音チャンネルを使用することに
なり、その分同時発音数が少なくなってしまうことにな
る。したがって、従来では、楽音信号を生成するために
用いる楽音成分信号の数だけ、音源LSIの発音チャン
ネルを使用する必要があることにより、音源LSIの限
られた発音チャンネルを有効に活用することができなか
った。また、より大きな音色変化を実現するために、楽
音成分信号の種類を多くしようとすると、その分同時発
音数が少なくなり、このため、音源LSIの総発音チャ
ンネルの数を増やさざるを得なくなり、結果として回路
規模の増大を招いていた。
ために成されたもので、音源LSIの限られた発音チャ
ンネルを有効に活用して、鍵タッチの強さに応じたより
自然な楽音を容易に発生する、楽音発生装置、該装置の
機能を有する電子楽器、及びそれを実施するための処理
ステップをコンピュータが読出可能に格納した記憶媒体
を提供することを目的とする。
第1の発明は、少なくとも第1〜第3の楽音成分信号を
混合することで、楽音情報に基づいた楽音を生成して発
生する楽音発生装置であって、第1の楽音成分及び第2
の楽音成分を合成した第1の波形信号と、第3の楽音成
分からなる第2の波形信号とを記憶する波形記憶手段
と、上記波形記憶手段の第1の波形信号から上記第1の
楽音成分を抽出して第1の楽音成分信号を取得する第1
の楽音成分信号取得手段と、上記波形記憶手段の第1の
波形信号から上記第2の楽音成分を抽出して第2の楽音
成分信号を取得する第2の楽音成分信号取得手段と、上
記楽音情報に基づいて、上記第1の楽音成分信号取得手
段と上記第2の楽音成分信号取得手段を切り換えて動作
実行させる制御手段と、上記制御手段での動作実行制御
により、上記第1の楽音成分信号取得手段にて得られた
第1の楽音成分信号、又は上記第2の楽音成分信号取得
手段にて得られた第2の楽音成分信号と、上記波形記憶
手段の第2の波形信号から取得された第3の楽音成分信
号とを混合して、上記楽音情報に基づいた楽音信号を生
成する楽音信号生成手段とを備えることを特徴とする。
上記楽音情報は、タッチ情報、音高情報、及び音色情報
の少なくとも何れかの情報を含むことを特徴とする。
上記制御手段は、上記楽音情報に含まれるタッチ情報
と、該タッチ情報に対して予め設定されたしきい値との
比較結果に基づいて、上記第1の楽音成分信号取得手段
と上記第2の楽音成分信号取得手段の動作実行の切り換
えを行うことを特徴とする。
上記しきい値は、上記楽音情報に含まれる音高情報によ
って異なることを特徴とする。
上記しきい値は、上記楽音情報に含まれる音色情報によ
って異なることを特徴とする。
上記しきい値は、外部より任意に設定可能であることを
特徴とする。
上記第1〜第3の楽音成分の何れかの成分は、ノイズ成
分を含むことを特徴とする。
上記波形記憶手段の第1の波形信号から、上記第1の楽
音成分と上記第2の楽音成分を合成した第4の楽音成分
信号を取得する第3の楽音成分信号取得手段を備えるこ
とを特徴とする。
上記第1の楽音成分信号取得手段は、上記第1の波形信
号の上記第2の楽音成分をカットする第1のフィルタ系
列を含み、上記第2の楽音成分信号取得手段は、上記第
1の波形信号の上記第1の楽音成分をカットするフィル
タ系列を含み、上記制御手段は、上記楽音情報に基づい
て、上記第1の波形信号を通過させるフィルタ系列を、
上記第1のフィルタ系列と上記第2のフィルタ系列で切
り換えることを特徴とする。
て、上記第1の楽音成分信号取得手段は、上記第1の波
形信号の上記第2の楽音成分をカットするための第1の
フィルタタイププログラムを含み、上記第2の楽音成分
信号取得手段は、上記第1の波形信号の上記第1の楽音
成分をカットするための第2のフィルタタイププログラ
ムを含み、上記制御手段は、上記楽音情報に基づいて、
実行するフィルタタイププログラムを、上記第1のフィ
ルタタイププログラムと上記第2のフィルタタイププロ
グラムで切り換えることを特徴とする。
を発生する電子楽器であって、請求項1〜10の何れか
に記載の楽音発生装置の機能を有することを特徴とす
る。
楽音成分信号を混合することで、楽音情報に基づいた楽
音を生成して発生するための処理ステップを、コンピュ
ータが読み出し可能に格納した記憶媒体であって、該処
理ステップは、第1の楽音成分及び第2の楽音成分を合
成した第1の波形信号を、第3の楽音成分からなる第2
の波形信号と共に波形メモリに記憶する記憶ステップ
と、上記楽音情報に基づいて、上記波形メモリの上記第
1の波形信号の出力先を、上記第1の波形信号から上記
第2の楽音成分をカットする第1のフィルタ系列と、上
記第2の波形信号から上記第1の楽音成分をカットする
第2のフィルタ系列とで切り換えることで、上記第1の
波形信号から第1の楽音成分信号又は第2の楽音成分信
号を取得する楽音成分信号取得ステップと、上記楽音成
分信号取得ステップにより得られた第1の楽音成分信号
又は第2の楽音成分信号と、上記波形メモリの第2の波
形信号から取得された第3の楽音成分信号とを混合し
て、上記楽音情報に基づいた楽音信号を生成する楽音信
号生成ステップとを含むことを特徴とする。
楽音成分信号を混合することで、楽音情報に基づいた楽
音を生成して発生するための処理ステップを、コンピュ
ータが読み出し可能に格納した記憶媒体であって、該処
理ステップは、第1の楽音成分及び第2の楽音成分を合
成した第1の波形信号を、第3の楽音成分からなる第2
の波形信号と共に波形メモリに記憶する記憶ステップ
と、上記第1の波形信号から上記第2の楽音成分をカッ
トするための第1のフィルタタイププログラムと、上記
第2の波形信号から上記第1の楽音成分をカットするた
めの第2のフィルタタイププログラムとをプログラムメ
モリに記憶するプログラム記憶ステップと、上記楽音情
報に基づいて、実行するフィルタタイププログラムを、
上記プログラムメモリの上記第1のフィルタタイププロ
グラムと上記第2のフィルタタイププログラムで切り換
えて読み込んで実行することで、上記第1の波形信号か
ら第1の楽音成分信号又は第2の楽音成分信号を取得す
る楽音成分信号取得ステップと、上記楽音成分信号取得
ステップにより得られた第1の楽音成分信号又は第2の
楽音成分信号と、上記波形メモリの第2の波形信号から
取得された第3の楽音成分信号とを混合して、上記楽音
情報に基づいた楽音信号を生成する楽音信号生成ステッ
プとを含むことを特徴とする。
明において、上記楽音情報は、タッチ情報、音高情報、
及び音色情報の少なくとも何れかの情報を含むことを特
徴とする。
明において、上記楽音成分信号取得ステップは、上記楽
音情報に含まれるタッチ情報と該タッチ情報に対して予
め設定されたしきい値を比較するステップと、該ステッ
プによる比較結果に基づいて上記の切り換えを実行する
ステップとを含むことを特徴とする。
て、上記しきい値は、上記楽音情報に含まれる音高情報
によって異なることを特徴とする。
て、上記しきい値は、上記楽音情報に含まれる音色情報
によって異なることを特徴とする。
て、上記しきい値は、操作パネル上の操作子によって任
意に設定可能であることを特徴とする。
明において、上記第1〜第3の楽音成分の何れかの成分
は、ノイズ成分を含むことを特徴とする。
明において、上記楽音成分信号取得ステップは、上記第
1の波形信号をそのまま楽音成分信号として出力するフ
ィルタ系列、又は上記第1の波形信号をそのまま楽音成
分信号として出力するためのフィルタタイププログラム
を含めて、上記の切り換えを実行するステップを含むこ
とを特徴とする。
て図面を用いて説明する。
図1に示すような電子楽器100に適用される。この電
子楽器100は、上記図1に示すように、外部機器(図
示せず)に接続されたMIDIインターフェース10
2、音量スイッチ等が設けられた操作パネル103、及
びペダル104が接続されたCPU101と、プログラ
ムメモリ、音色データメモリ、及び出力系列情報メモリ
等を含むROM105と、CPU101の作業用メモリ
等に用いられるRAM106と、鍵盤部108が接続さ
れたタッチセンサ107と、波形メモリ110が接続さ
れた楽音発生部109とが、バス113により結合さ
れ、互いに情報授受するように構成されてなる。
々な動作制御を司るものであり、ROM105(プログ
ラムメモリ)に記憶されている各種処理プログラムを読
み出して実行することで、該動作制御を実施する。この
とき、RAM106が、CPU101の作業用メモリと
して用いられる。CPU101による動作制御として
は、例えば、MIDIインターフェース102(自動演
奏装置と外部機器の接続規格であるMIDI:Musical
InstrumentDigital Interface規格により、電子楽器1
00と外部機器間で情報の授受を行うためのインターフ
ェース)を介して供給されてくるMIDIデータに従っ
た自動演奏の実行や、操作パネル103の音量スイッチ
の操作に従った音量制御がある。
の最も特徴とする構成を有するものであり、第1の楽音
発生部201及び第2の楽音発生部202の2つの楽音
発生部により、弱音成分、中音成分、及び強音成分の3
種類の楽音成分信号を生成する構成としている。
部109は、後述する弱音成分及び強音成分が合成され
た波形データから第1の楽音成分信号(弱音成分及び強
音成分の合成信号)を生成して出力する第1の楽音発生
部201と、中音成分の波形データから第2の楽音成分
信号(中音成分の信号)を生成して出力する第2の楽音
発生部202と、第1の楽音発生部201の出力が供給
されるローパスフィルタ204及びハイパスフィルタ2
05と、第1の楽音発生部201の出力先をローパスフ
ィルタ204又はハイパスフィルタ205に切り換える
ためのセレクタ203と、セレクタ203により切り換
えられたフィルタ出力を加算する加算器206と、加算
器206の出力と第2の楽音発生部202の出力を加算
して楽音信号として出力する加算器207とを含んでな
る。したがって、加算器207の出力が、D/A変換器
111を介してサウンドシステム112から出力され
る。
生部202で用いられる波形データは、上記図1に示し
た波形メモリ110に予め記憶されている。例えば、図
3に示すような、弱音成分と強音成分が合成された波形
データ211と、中音成分の波形データ212が記憶さ
れている。
212を、波形データの周波数スペクトルにて示し、そ
の縦軸はレベルを示し、その横軸は周波数を示す。ま
た、波形メモリ110に予め記憶されている波形データ
211及び212は、次のような方法によって得られた
ものとする。 方法例1:一番強い鍵タッチにより発生した音を録音
し、これをワークステーション等のコンピュータによっ
て、周波数の低い部分の波形(弱音成分の波形)、該部
分より範囲を広げた部分の波形(中音成分の波形)、周
波数の高い部分の波形(強音成分の波形)を取り出す。
そして、弱音成分の波形と強音成分の波形を合成して波
形データ211を生成し、これを波形メモリ110に記
憶させる。このとき、後述するフィルタにて各成分を分
離しやすくするために、弱音成分と強音成分の間に隙間
を設けるようにする。また、中音成分の波形について
は、波形データ212として波形メモリ110に記憶さ
せる。 方法例2:実際に鍵タッチの強さを、弱、中、強で変え
て、これにより発生した音を録音する。そして、録音さ
れた弱の鍵タッチによる音の波形と、録音された強の鍵
タッチの音から抽出された(上記方法例1等によって)
高周波部分の波形を合成して、波形データ211を生成
し、これを波形メモリ110に記憶させる。このときに
も、後述するフィルタにて各成分を分離しやすくするた
めに、弱音成分と強音成分の間に隙間を設けるようにす
る。また、録音された中位の鍵タッチによる音の波形に
ついては、波形データ212として波形メモリ110に
記憶させる。この方法では特に、実際に発生した音の波
形から波形データ211及び波形データ212を得てい
るため、例えば、1つの波形データから弱音成分、中音
成分、及び強音成分の各波形を取り出して、それらを用
いて楽音信号を生成する構成よりも、よりリアルな自然
音に近い楽音を得ることができる。
CPU101により制御される。このため、CPU10
1は特に、上記図2に示すように、出力系列情報記憶部
301及び出力系列指定部302を含む構成としてい
る。
て操作された押鍵のタッチ情報、その押鍵の音高(音
域)情報、及び操作パネル103での操作により選択さ
れている音色の情報と、後述する出力系列情報記憶部3
01に予め記憶されている出力系指定テーブルの情報と
から、楽音発生部109にてローパスフィルタ204及
びハイパスフィルタ205の何れを用いるのが最適かを
判断し、その結果を楽音発生部109のセレクタ203
に供給する。セレクタ203は、出力系列指定部302
からの上記の判断の結果(以下、「出力系列指定情報」
と言う)に基づいて、第1の楽音発生部201の出力先
をローパスフィルタ204又はハイパスフィルタ205
に切り換える。これにより、上記図3に示すように、ロ
ーパスフィルタ204に切り換えられた場合には、第1
の楽音発生部201の出力(弱音成分及び強音成分の合
成信号)がローパスフィルタ204を通過することで、
高域成分がカットされ、弱音成分のみの信号221aが
得られることになる。また、ハイパスフィルタ205に
切り換えられた場合には、第1の楽音発生部201の出
力(弱音成分及び強音成分の合成信号)がハイパスフィ
ルタ205を通過することで、低域成分がカットされ、
強音成分のみの信号221bが得られることになる。
図4に示すような出力系列指定テーブルT1が予め記憶
されている。この出力系列指定テーブルT1は、上記図
4に示すように、ピアノ(PIANO)、ギター(GU
ITAR)、及びストリング(STRINGS)といっ
たそれぞれの音色、及び”0〜31”、”32〜4
3”、・・・といったそれぞれの範囲の音高毎に、アド
レス、鍵タッチ情報のしきい値THV、対象鍵タッチ情
報のベロシティがしきい値THVより大きくない場合に
選択すべきフィルタの情報(フィルタ系列情報)FK
L、及び対象鍵タッチ情報のベロシティがしきい値TH
Vより大きい場合に選択すべきフィルタの情報(フィル
タ系列情報)FKHが設定されてなる。
えば、操作パネル103にてピアノの音色が選択されて
おり、鍵盤部108での押鍵の音高が”0〜31”の範
囲内である場合、出力系列指定テーブルT1から、音色
=”PIANO”及び音高=”0〜31”に対応するア
ドレス=”2000h”に設定されている情報(しきい
値THV、フィルタ系列情報FKL及びFKH)を読み
出すことで、タッチセンサ107により検知された該押
鍵の鍵タッチ情報のベロシティが”97”より大きくな
ければ、フィルタ系列情報FKL=”1”にて示される
ローパスフィルタ(LPF)204を選択すべきである
と判断し、該押鍵の鍵タッチ情報のベロシティが”9
7”より大きければ、フィルタ系列情報FKH=”2”
にて示されるハイパスフィルタ(HPF)205を選択
すべきであると判断する。
タ系列(THRU)501、上記図4の出力系列指定テ
ーブルT1のフィル系列情報=”0”(THRU)につ
いては後述する。ここでは、第1の楽音発生部201の
出力は、セレクタ203を介して、ローパスフィルタ2
04とハイパスフィルタ205の何れかを通過するもの
とする。
09でのフィルタ系列の切換動作を含む、電子楽器10
0の動作を制御するためにCPU101が実行する処理
プログラムをフローチャートにて示したものである。以
下、電子楽器100全体の一連の動作、特に、楽音発生
部109でのフィルタ系列の切換動作について具体的に
説明する。
と、CPU101、RAM106、及び音源LSI(図
示せず)等が初期化される(ステップS401)。次
に、CPU101は、詳細は後述するが、操作パネル1
03の操作状態を検出し、その検出結果に従って動作す
るように電子楽器100全体を制御する(ステップS4
02)。次に、CPU101は、ペダル104の操作状
態を検出し、その検出結果に従って動作するように電子
楽器100全体を制御する(ステップS403)。次
に、CPU101は、詳細は後述するが、タッチセンサ
107の出力により、鍵盤部108の操作状態を検出
し、その検出結果に従って動作するように電子楽器10
0全体を制御する(ステップS404)。そして、CP
U101は、必要に応じた所定の処理を実行し(ステッ
プS405)、その後、ステップS402に戻り、以降
のステップ処理を繰り返し実行する。
2:上記図6参照]
において、音色選択スイッチが押下されているか否かを
判別する(ステップS411)。
スイッチが押下されていた場合、CPU101は、音色
選択処理を実行する(ステップS412)。例えば、選
択されている音色を示すフラグをONに設定したり、選
択されている音色を示すスイッチ(操作パネル103上
のスイッチ)に設けられているLEDを点灯させたりす
る処理を実行する。そして、CPU101は、選択され
ている音色を示す情報(音色情報)を出力系列指定部3
02に供給して(ステップS413)、その後、メイン
処理にリターンする。
スイッチが押下されていない場合、CPU101は、操
作パネル103において、音量スイッチが操作されてい
るか否かを判別する(ステップS414)。この判別の
結果、音量スイッチが操作されていた場合、CPU10
1は、その操作に基づいた音量設定処理を実行し(ステ
ップS415)、その後、メイン処理にリターンする。
スイッチが押下されていない場合、CPU101は、操
作パネル103において、音色選択スイッチ及び音量ス
イッチ以外のスイッチが操作されているか否かを判別す
る(ステップS416)。この判別の結果、その他のス
イッチが操作されていた場合、CPU101は、その操
作に基づいた所定の処理を実行し(ステップS41
7)、その後、メイン処理にリターンする。また、その
他のスイッチをも操作されていなかった場合、CPU1
01は、そのままメイン処理にリターンする。
上記図7参照]
7の出力により、鍵盤部108がオンイベント状態であ
るか否か、すなわち押鍵されている鍵があるか否かを判
別する(ステップS421)。
08にて押鍵されている鍵がある場合、CPU101
は、その音高情報及び鍵タッチ情報を出力系列指定部3
02に供給する(ステップS423、ステップS42
4)。出力系列指定部302は、詳細は後述するが、上
述したような出力系列指定テーブルT1(上記図4参
照)と、上記の音高情報及び鍵タッチ情報とから、対応
するフィルタ系列(ローパスフィルタ204又はハイパ
スフィルタ205)を選択し、その選択結果(フィルタ
系列情報)をセレクタ203に供給する。これにより、
第1の楽音発生部201の出力先のフィルタ系列が切り
換えられる(ステップS424)。そして、CPU10
1は、ローパスフィルタ204又はハイパスフィルタ2
05を通過した第1の楽音発生部201の出力と、第2
の楽音発生部202の出力とから、楽音信号を生成して
発生するための所定の処理を実行し(ステップS42
5)、その後、メイン処理にリターンする。
08にて押鍵されている鍵がない場合、CPU101
は、鍵盤部108がオフイベント状態であるか否かを判
別する(ステップS426)。この判別の結果、オフイ
ベント状態でない場合、CPU101は、そのままメイ
ン処理に戻る。
ント状態であった場合、CPU101は、ダンパーペダ
ルがONされているか否かを判別する(ステップS42
7)。この判別の結果、ダンパーペダルがONされてる
場合、CPU101は、そのままメイン処理に戻る。ま
た、ダンパーペダルがONされていない場合、CPU1
01は、リリーススピードを音源LSIにロードして、
発音を終了するための動作制御を実行し(ステップS4
28)、その後、メイン処理に戻る。
上記図8参照]
ステップS424により供給された鍵タッチ情報からベ
ロシティ情報KVを取り出す(ステップS431)。次
に、出力系列指定部302は、ステップS431にて得
たベロシティ情報KVと、上述したステップS423に
より供給された音色情報とに基づいて、出力系列記憶部
301に記憶されている出力系列指定テーブルT1(上
記図4参照)から、該当するしきい値THVを読み出す
(ステップS432)。次に、出力系列指定部302
は、上記ベロシティ情報KVと、上記しきい値THVと
を比較する(ステップS433)。ステップS433の
比較の結果、上記ベロシティ情報KVが上記しきい値T
HVよりも大きい場合、出力系列指定部302は、フィ
ルタ系列情報FKHの値にて示されるフィルタ系列を選
択し、その旨を示すフィルタ系列情報をセレクタ203
に与え(ステップS434)、その後、鍵盤イベント処
理にリターンする。ステップS433の比較の結果、上
記ベロシティ情報KVが上記しきい値THVよりも大き
くない場合、出力系列指定部302は、フィルタ系列情
報FKLの値にて示されるフィルタ系列を選択し、その
旨を示すフィルタ系列情報をセレクタ203に与え(ス
テップS435)、その後、鍵盤イベント処理にリター
ンする。
109では、次のようにして(上記図2及び図3参
照)、鍵盤部108での鍵タッチに対応した楽音信号が
発生されることになる。
としてローパスフィルタ204が選択される。これによ
り、第1の楽音発生部201の出力(弱音成分及び強音
成分が合成された波形データ211に基づいた楽音成分
信号)は、ローパスフィルタ204を通過する。したが
って、ローパスフィルタ204からは、弱音成分のみの
信号221aが出力されることになる。このとき、CP
U101の動作制御により、第2の楽音発生部202か
らの出力はない。このようにして第1の楽音発生部20
1から出力された弱音成分信号221aは、加算器20
7及びD/A変換器111を順次介して、サウンドシス
テム112から出力される。したがって、サウンドシス
テム112からは、弱打の音が出力されることになる。
101の動作制御により、第2の楽音発生部202は、
中音成分の波形データ212に基づいた中音成分信号2
22を出力する。また、フィルタ系列としては、ローパ
スフィルタ204が選択されているため、ローパスフィ
ルタ204からは、弱音成分信号221aが出力され
る。したがって、加算器207には、弱音成分信号22
1aと中音成分信号222が供給され、加算器207か
らは、弱音成分信号221aと中音成分信号222を加
算(混合)した信号が出力されることになる。 このと
き、CPU101により、加算器207での弱音成分信
号221aと中音成分信号222の混合比が制御され
る。すなわち、鍵タッチの強さが大きくなるに従って、
中音成分信号222の混合比率を大きくし、弱音成分信
号221aの混合比率を小さくしていく、といった制御
がおこなわれる。これにより、弱い鍵タッチから中位の
鍵タッチまでの、鍵タッチの強さに応じた楽音が、サウ
ンドシステム112から出力されることになる。 そし
て、さらに鍵タッチの強さが強くなっていくと、最終的
には、弱音成分信号211aの混合比率が”0”となる
(信号レベル=”0”)。すなわち、中音成分信号22
2のみの信号が、加算器207から出力されることにな
る。したがって、このときサウンドシステム112から
は、中打の音が出力されることになる。
列としてハイパスフィルタ205が選択される。これに
より、第1の楽音発生部201の出力(弱音成分及び強
音成分が合成された波形データ211に基づいた楽音成
分信号)は、ハイパスフィルタ205を通過する。した
がって、ハイパスフィルタ205からは、強音成分のみ
の信号221bが出力されることになる。このとき、C
PU101の動作制御により、第2の楽音発生部202
からは、中音成分信号222が出力されている。したが
って、加算器207には、強音成分信号221bと中音
成分信号222が供給され、加算器207からは、強音
成分信号221bと中音成分信号222を加算(混合)
した信号が出力されることになる。このとき、CPU1
01により、加算器207での強音成分信号221bと
中音成分信号222の混合比が制御される。すなわち、
鍵タッチの強さが大きくなるに従って、強音成分信号2
21bの混合比率を大きくし、中音成分信号222の混
合比率を小さくしていく、といった制御がおこなわれ
る。これにより、中位の鍵タッチから強い鍵タッチまで
の、鍵タッチの強さに応じた楽音が、サウンドシステム
112から出力されることになる。但し、この場合、強
音成分信号221bには弱音成分信号が含まれていない
ことにより、中音成分信号222の混合比が”0”とな
らないようにする。すなわち、中音成分信号222は常
に出力するようにする。
スフィルタ204とハイパスフィルタ205を、鍵タッ
チの強さに基づいて切り換えることで、第1の楽音発生
部201から出力される1つの楽音成分信号(弱音成分
及び強音成分を合成した信号)から、弱音成分信号と強
音成分信号の2種類の楽音成分信号を得られるように構
成した。
生成するために3種類の楽音成分信号(弱音成分、中音
成分、及び強音成分の信号)を用いる場合、3つの波形
データと3つの楽音発生部を個別に用意する必要があっ
たが、本実施の形態によれば、弱音成分及び強音成分を
合成した波形データ211と中音成分の波形データ21
2の2つの波形データと、第1の楽音発生部201と第
2の楽音発生部202の2つの楽音発生部を設ければよ
いため、波形メモリを有効に使用することができると共
に、回路規模を縮小することができ、よって、装置全体
のコストダウンを図ることができる。
特開平1−257898号公報や特開平1−26999
5号公報等に記載の構成であっても、楽音成分信号の種
類数分の発音チャンネルを使用する必要があったが、本
実施の形態によれば、弱音成分及び強音成分を合成した
信号を生成する1つの楽音発生部(第1の楽音発生部2
01)により、2種類の楽音成分信号(弱音成分信号及
び強音成分信号)を生成できる構成としているため、そ
の分使用する発音チャンネル数を減らすことができる。
例えば、弱音成分、中音成分、及び強音成分の3つの楽
音成分信号から1つの楽音信号を生成する場合、従来で
は、それぞれの楽音成分信号に対応した3つの発音チャ
ンネルが必要であるのに対して、本実施の形態では、弱
音成分及び強音成分を合成した信号用の発音チャンネル
と、中音成分信号用の発音チャンネルとの2つの発音チ
ャンネルでよい。したがって、本実施の形態によれば、
音源LSIの限られた発音チャンネルを有効に活用し
て、より大きな音色変化を実現することができる。
音色によっても可変するように構成したことにより、最
適なフィルタ系列を選択できるため、より自然で良好な
音色を提供することができる。
の音色には、上記図3に示した弱音成分信号221a、
中音成分信号221b、及び強音成分信号222といっ
た倍音成分の他に、倍音では表されないような成分、す
なわち打撃音(コツ)のようなノイズ成分が存在する。
そこで、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態
での電子楽器100において、例えば、図9に示すよう
に、第1の楽音発生部201が、ノイズ成分と強音成分
を合成した楽音成分信号を生成して出力する。
00において、波形メモリ110には、上記図9に示す
ような、ノイズ成分と強音成分を合成した波形データ5
11が予め記憶されている。この波形データ511は、
例えば、実際のノイズ成分を含んだ音(ノイズ成分と倍
音成分を含む音)を録音することで得られたものとす
る。或いは、ピアノでは、鍵盤を叩く際にダンパが上が
り弦が振動することによって音が発生するが、この弦が
振動しないような状態にして鍵盤を叩き、これにより発
生する音(ノイズ成分のみを含む音)を録音することで
ノイズ成分のみを得て、これと強音成分を合成すること
で得られたものとする。尚、ここでの波形データ511
として、例えば、実際に録音した音の波形をそのまま用
いることも可能であり、或いは、実際に録音した音の波
形からワークステーション等によって弱音成分を抜き出
したノイズ成分のみの波形を用いることも可能である。
うに、ここでの電子楽器100の楽音発生部109は、
第1の楽音発生部201の出力(ノイズ成分と強音成分
を合成した楽音成分信号)が、ローパスフィルタ204
及びハイパスフィルタ205の何れも介さずにそのまま
加算器206に与えられるスルーのフィルタ系列(TH
RU)501が設けられている。この切り換えも、上述
したようなセレクタ203により行われる。
高)が高域ほど良く聞こえるものであるため、上記図4
に示した出力系列指定テーブルT1において、ピアノの
音色についてのフィルタ系列情報FKHの値を、音高が
高域である部分に”0”(フィルタ系列としてTHRU
501を選択する)に設定し、音高が低域である部分
に”2”(フィルタ系列としてハイパスフィルタ205
を選択する)に設定する。このような設定とすること
で、押鍵された音高(鍵タッチの音高)が高域であった
場合には、強音成分にノイズ成分が含まれた楽音信号が
生成されることになり、実際に近い楽音を発生すること
ができる。
において、フィルタ系列情報FKL及びFKHとして設
定する値”0”、”1”、及び”2”の組み合わせは、
ここで示したものに限られることはない。ここでは、主
にピアノの音色にノイズ成分が含まれるため、ピアノの
音色のフィルタ系列情報の値として”0”(THRU)
を設定しているが、ノイズ成分が含まれないようにした
い場合には、フィルタ系列情報の値として”1”と”
2”の組み合わせで設定すればよい。また、他の音色
(ギターやストリング等)についても同様に、任意に設
定可能であり、そのときの状況に合わせて最適な組み合
わせで設定すればよい。これにより、よりリアルな音色
や、所望する変化のある音色を発生することができる。
このようなフィルタ系列情報の値の設定は、上述した第
1の実施の形態でも同様に、任意である。
9では、次のようにして(上記図2及び図9参照)、鍵
盤部108での鍵タッチに対応した楽音信号が発生され
ることになる。
としてローパスフィルタ204が選択される。これによ
り、第1の楽音発生部201の出力(ノイズ成分及び強
音成分が合成された波形データ511に基づいた楽音成
分信号)は、ローパスフィルタ204を通過する。した
がって、ローパスフィルタ204からは、強音成分がカ
ットされたノイズ成分のみの信号521aが出力される
ことになる。このとき、CPU101の動作制御によ
り、第2の楽音発生部202からは、中音成分の波形デ
ータ212に基づいた中音成分信号222が出力され
る。これらの楽音成分信号521a及び222が加算器
207によって混合されるが、このときの中音成分信号
222の混合比率は、CPU101により小さくなるよ
うに制御される。したがって、サウンドシステム112
からは、ノイズ成分を含む弱打の音が出力されることに
なる。
101により、加算器207での中音成分信号222の
混合比率が、鍵タッチの強さが大きくなるに従って大き
くなるように制御される。これにより、弱い鍵タッチか
ら中位の鍵タッチまでの、鍵タッチの強さに応じたノイ
ズ成分を含む楽音が、サウンドシステム112から出力
されることになる。
列としてTHRU501が選択される。これにより、第
1の楽音発生部201の出力(ノイズ成分及び強音成分
が合成された波形データ511に基づいた楽音成分信
号)はそのまま、THRU501を通過する。加算器2
07には、ノイズ成分及び強音成分が合成された波形デ
ータ511に基づいた楽音成分信号521bと、第2の
楽音発生部202から出力された中音成分信号222と
が供給され、これらの楽音成分信号521b及び222
が混合されることになる。このときも、CPU101に
より、加算器207でのそれぞれの楽音成分信号521
b及び222の混合比が制御される。すなわち、鍵タッ
チの強さが大きくなるに従って、楽音成分(ノイズ成分
及び強音成分)信号521bの混合比率を大きくし、中
音成分信号222の混合比率を小さくしていく、といっ
た制御がおこなわれる。これにより、中位の鍵タッチか
ら強い鍵タッチまでの、鍵タッチの強さに応じたノイズ
成分を含む楽音が、サウンドシステム112から出力さ
れることになる。但し、この場合、楽音成分(ノイズ成
分及び強音成分)信号521bには弱音成分信号が含ま
れていないことにより、中音成分信号222の混合比
が”0”とならないようにする。すなわち、中音成分信
号222は常に出力するようにする。
えるフィルタ系列として、ローパスフィルタ204とハ
イパスフィルタ205と共に、THRUのフィルタ系列
501を設け、第1の楽音発生部201から出力される
1つの楽音成分信号(ノイズ成分及び強音成分を合成し
た信号)から、ノイズ成分信号と、ノイズ成分を含む強
音成分信号との2種類の楽音成分信号を得られるように
構成した。これにより、上述した第1の実施の形態によ
る効果に加えて、特に、ピアノ等のような音色(ノイズ
成分を含む音)を、よりリアルに自然に発生することが
できる、という効果も得ることができる。また、上記図
4の出力系列指定テーブルT1において、フィルタ系列
情報FKL及びFKHとして設定する値によって、ノイ
ズ成分の付加等を自在に変えることができるため、発生
する音色のバリエーションを増やすことができる。
上述した第1及び第2の実施の形態での電子楽器100
において、例えば、図10に示すように、加算器207
の出力(楽音信号)がディジタルフィルタ601を介し
て、上記図1のA/D変換器111に与えられるような
構成とする。これにより、発生する楽音に対して、さら
に細かい音色制御を行うことができ、より滑らかな楽音
を発生することができる。すなわち、楽音を構成する弱
音成分、中音成分、及び強音成分間のレベル変化を滑ら
かにすることができる。これは、上述した第2の実施の
形態のように、ノイズ成分を付加した楽音を発生させる
場合に特に有効である。
おいて、第1の楽音発生部201及び第2の楽音発生部
202が使用する波形データ(波形メモリ110に予め
記憶されている波形データ)を、上述したように、実際
に発生した音(弱い音、中位の音、及び強い音等)を録
音することで生成されたものとすれば、第3の実施の形
態のように、ディジタルフィルタ601を設ける構成と
しなくても、かなり良好な状態の楽音(リアルで自然な
楽音)を発生することができるが、ディジタルフィルタ
601を設ける構成をとれば、さらに良好な状態の楽音
を発生することができる。
おいて、フィルタ系列での処理をディジタル処理として
いるが、これに限られることはなく、例えば、フィルタ
系列としてアナログフィルタを用い、第1の楽音発生部
201の出力をアナログ変換した後に、セレクタ203
により選択されたアナログフィルタを介すような構成と
してもよい。
上述した第1〜第3の実施の形態での電子楽器100に
おいて、最も特徴とする構成である、フィルタ系列を切
り換えることで得た複数の楽音成分信号から楽音信号を
生成する構成をソフト的に実施する。尚、ここでは説明
の簡単のために、第1の実施の形態での上記の構成をソ
フト的に実施する場合について説明する。また、本実施
の形態の以下の説明にて用いる図面において、第1〜第
3の実施の形態と同様の構成をした部分には同じ符号を
付し、その詳細な説明は省略する。
えば、図11に示すような構成としている。すなわち、
上記図11の電子楽器100は、第1の実施の形態にお
ける電子楽器100(上記図1参照)と同様の構成とし
ているが、特に、楽音発生部109に対応する楽音発生
部109’の構成が異なる。楽音発生部109’は、第
1の楽音発生部201の出力(ここでは、弱音成分及び
強音成分が合成された楽音成分信号)が供給されるDS
P(Digital SignalProcessor)701を備えており、
DSP701の出力が加算器207に供給されるように
なされている。DSP701は、後述する所定のフィル
タタイププログラムを実行することで、第1の楽音発生
部201の出力に対してフィルタ処理を行い、これを加
算器207に供給する。
発生部109’の動作を制御するために、例えば、図1
2に示すように、フィルタプログラム記憶部711、フ
ィルタプログラム転送部712、フィルタタイプ情報記
憶部713、及びフィルタタイプ指定部714を含んで
なる。
指定部302(上記図2参照)と同様にして、鍵盤部1
08にて操作された押鍵のタッチ情報、その押鍵の音高
(音域)情報、及び操作パネル103での操作により選
択されている音色の情報と、後述するフィルタタイプ情
報記憶部713に予め記憶されている出力系列指定テー
ブルの情報とから、後述するフィルタプログラム転送部
712によりどのフィルタタイプ(ここでは、ハイパス
フィルタタイプであるかローパスフィルタタイプである
か)のプログラムをDSP701に転送すべきであるか
を判断し、その結果をフィルタプログラム転送部712
に供給する。フィルタタイプ情報記憶部713には、図
13に示すようなフィルタタイプ指定テーブルT2が記
憶されている。このフィルタタイプ指定テーブルT2
は、上記図4に示した出力系列指定テーブルT1と同様
の構成としている。但し、図中の”FTL”及び”FT
H”は、対象鍵タッチ情報のベロシティがしきい値TH
Vより大きくない場合に選択すべきフィルタタイププロ
グラムの情報(フィルタタイプ情報)、及び対象鍵タッ
チ情報のベロシティがしきい値THVより大きい場合に
選択すべきフィルタタイププログラムの情報(フィルタ
タイプ情報)を示すものとする。フィルタプログラム転
送部712は、フィルタタイプ指定部714からの上記
の判断の結果(以下、「フィルタタイプ指定情報」と言
う)に基づいて、該当するフィルタタイププログラムを
フィルタプログラム記憶部711から読み出し、それを
DSP701に転送する。これにより、DSP701に
て実行されるフィルタタイププログラムが、鍵タッチ情
報に応じて切り換えられることになる。フィルタプログ
ラム記憶部711には、ハイパスフィルタタイプやロー
パスフィルタタイプといった各種のフィルタタイプのプ
ログラムが記憶されている。
憶されるフィルタタイプ指定テーブルT2、及びフィル
タプログラム記憶部711に記憶される各種のフィルタ
タイププログラムは、ROM105に含まれるフィルタ
情報メモリ及びフィルタプログラムメモリ(上記図11
参照)に予め記憶されているものである。
部109’でのフィルタタイプの切換動作を含む、電子
楽器100の動作を制御するためにCPU101が実行
する処理プログラムをフローチャートにて示したもので
ある。以下、電子楽器100全体の一連の動作、特に、
楽音発生部109’でのフィルタタイプの切換動作につ
いて具体的に説明する。
の形態にて説明したように、先ず、電子楽器100の電
源がONされると、CPU101、RAM106、及び
音源LSI等が初期化され(ステップS401)、CP
U101は、パネルイベント処理(ステップS40
2)、ペダルイベント処理(ステップS403)、鍵盤
イベント処理(ステップS404)、その他の所定の処
理(ステップS405)を順次繰り返し実行する。
2:上記図14参照]
において、音色選択スイッチが押下されているか否かを
判別する(ステップS411)。この判別の結果、音色
選択スイッチが押下されていた場合、CPU101は、
音色選択処理を実行する(ステップS412)。そし
て、CPU101は、選択されている音色を示す情報
(音色情報)をフィルタタイプ指定部714に供給して
(ステップS813)、その後、メイン処理にリターン
する。
スイッチが押下されていない場合、CPU101は、操
作パネル103において、音量スイッチが操作されてい
るか否かを判別し(ステップS414)、音量スイッチ
が操作されている場合には音量設定処理を実行して(ス
テップS415)、その後、メイン処理にリターンす
る。また、音量スイッチが操作されていない場合、CP
U101は、その他のスイッチが操作されているか否か
を判別し(ステップS416)、その他のスイッチが操
作されていた場合には、その操作に基づいた所定の処理
を実行して(ステップS417)、その後、メイン処理
にリターンする。その他のスイッチをも操作されていな
かった場合、CPU101は、そのままメイン処理にリ
ターンする。
上記図15参照]
7の出力により、鍵盤部108がオンイベント状態であ
るか否か、すなわち押鍵されている鍵があるか否かを判
別する(ステップS421)。
08にて押鍵されている鍵がある場合、CPU101
は、その音高情報及び鍵タッチ情報をフィルタタイプ指
定部714に供給する(ステップS822、ステップS
823)。フィルタタイプ指定部714は、詳細は後述
するが、上述したようなフィルタタイプ指定テーブルT
2(上記図13参照)と、上記の音高情報及び鍵タッチ
情報とから、対応するフィルタタイプ(ここではローパ
スフィルタタイプ又はハイパスフィルタタイプ)を選択
し、その選択結果(フィルタタイプ情報)をフィルタプ
ログラム転送部712に供給する(ステップS82
4)。フィルタプログラム転送部712は、フィルタタ
イプ指定部714からのフィルタタイプ情報に基づい
て、フィルタプログラム記憶部711から該当するフィ
ルタタイププログラムを読み出し、これをDSP701
に転送する。これにより、DSP701にて実行される
フィルタタイププログラムが切り換えられる(ステップ
S825)。そして、CPU101は、DSP701を
介した第1の楽音発生部の出力(上記のフィルタタイプ
プログラムによってフィルタ処理が施された第1の楽音
発生部201の出力)と、第2の楽音発生部202の出
力とから、楽音信号を生成して発生するための所定の処
理を実行し(ステップS425)、その後、メイン処理
にリターンする。
08にて押鍵されている鍵がない場合、CPU101
は、鍵盤部108がオフイベント状態であるか否かを判
別し(ステップS426)、オフイベント状態でない場
合には、そのままメイン処理に戻る。また、オフイベン
ト状態であった場合には、CPU101は、ダンパーペ
ダルがONされているか否かを判別し(ステップS42
7)、ダンパーペダルがONされてる場合にはそのまま
メイン処理に戻り、ダンパーペダルがONされていない
場合には発音を終了するための動作制御(リリーススピ
ードを音源LSIにロードする処理等)を実行して(ス
テップS428)、その後メイン処理に戻る。
24:上記図16参照]
述したステップS823により供給された鍵タッチ情報
からベロシティ情報KVを取り出す(ステップS83
1)。次に、フィルタタイプ指定部714は、ステップ
S831にて得たベロシティ情報KVと、上述したステ
ップS822により供給された音色情報とに基づいて、
フィルタタイプ情報記憶部713に記憶されているフィ
ルタタイプ指定テーブルT2(上記図13参照)から、
該当するしきい値THVを読み出す(ステップS83
2)。次に、フィルタタイプ指定部714は、上記ベロ
シティ情報KVと、上記しきい値THVとを比較する
(ステップS833)。ステップS833の比較の結
果、上記ベロシティ情報KVが上記しきい値THVより
も大きい場合、フィルタタイプ指定部714は、フィル
タタイプ情報FKHの値にて示されるフィルタタイプを
選択し、その旨を示すフィルタタイプ情報をフィルタプ
ログラム転送部712に与え(ステップS834)、そ
の後、鍵盤イベント処理にリターンする。ステップS8
33の比較の結果、上記ベロシティ情報KVが上記しき
い値THVよりも大きくない場合、フィルタタイプ指定
部714は、フィルタタイプ情報FKLの値にて示され
るフィルタタイプを選択し、その旨を示すフィルタタイ
プ情報をフィルタプログラム転送部712に与え(ステ
ップS835)、その後、鍵盤イベント処理にリターン
する。
109’では、第1の実施の形態にて上記図3を用いて
説明したような同様の結果を得ることができる。すなわ
ち(上記図12及び図3参照)、弱い鍵タッチの場合、
DSP701にて実行するフィルタタイププログラムと
して、ローパスフィルタタイプが選択される。これによ
り、第1の楽音発生部201の出力(弱音成分及び強音
成分が合成された波形データ211に基づいた楽音成分
信号)は、強音成分がカットされた弱音成分のみの出力
となる。このとき、CPU101の動作制御により、第
2の楽音発生部202からの出力はない。このようにし
て第1の楽音発生部201から出力された弱音成分信号
221aは、加算器207及びD/A変換器111を順
次介して、サウンドシステム112から出力される。し
たがって、サウンドシステム112からは、弱打の音が
出力されることになる。中位の鍵タッチとなると、CP
U101の動作制御により、第2の楽音発生部202
は、中音成分の波形データ212に基づいた中音成分信
号222を出力する。また、DSP701にて実行する
フィルタタイププログラムとしては、ローパスフィルタ
タイプが選択されているため、加算器207には、弱音
成分信号221aと中音成分信号222が供給され、加
算器207からは、弱音成分信号221aと中音成分信
号222を加算(混合)した信号が出力されることにな
る。このとき、CPU101により、鍵タッチの強さが
大きくなるに従って、中音成分信号222の混合比率を
大きくし、弱音成分信号221aの混合比率を小さくし
ていく、といった制御がおこなわれる。これにより、弱
い鍵タッチから中位の鍵タッチまでの、鍵タッチの強さ
に応じた楽音が、サウンドシステム112から出力され
ることになる。そして、最終的には、中音成分信号22
2のみの信号が加算器207から出力され、このときサ
ウンドシステム112からは、中打の音が出力されるこ
とになる。さらに鍵タッチが強くなると、DSP701
にて実行するフィルタタイププログラムとしては、ハイ
パスフィルタタイプが選択される。これにより、第1の
楽音発生部201の出力(弱音成分及び強音成分が合成
された波形データ211に基づいた楽音成分信号)は、
弱音成分がカットされた強音成分のみの出力となる。こ
のとき、CPU101の動作制御により、第2の楽音発
生部202からは、中音成分信号222が出力されてい
る。したがって、加算器207には、強音成分信号22
1bと中音成分信号222が供給され、加算器207か
らは、強音成分信号221bと中音成分信号222を加
算(混合)した信号が出力されることになる。このと
き、CPU101により、鍵タッチの強さが大きくなる
に従って、強音成分信号221bの混合比率を大きく
し、中音成分信号222の混合比率を小さくしていく、
といった制御がおこなわれる。これにより、中位の鍵タ
ッチから強い鍵タッチまでの、鍵タッチの強さに応じた
楽音が、サウンドシステム112から出力されることに
なる。但し、この場合、中音成分信号222は常に出力
するようにする。
楽音発生部201の出力先にDSP701を設け、DS
P701により、第1の楽音発生部201の出力に対し
てフィルタ処理を行う。このとき、DSP701にて上
記のフィルタ処理のために実行するフィルタタイププロ
グラムを、鍵タッチの強さに基づいて切り換える。これ
により、第1の実施の形態での、第1の楽音発生部20
1から出力される1つの楽音成分信号(弱音成分及び強
音成分を合成した信号)から、弱音成分信号と強音成分
信号の2種類の楽音成分信号を得られる構成をソフト的
に実現でき、第1の実施の形態での効果と同様の効果を
得ることができると共に、次のような効果をも得ること
ができる。
高域成分をカットする同じローパスフィルタであって
も、音域によってカットオフを変えた複数パターンのロ
ーパスフィルタのプログラムを用意することで、より最
適なフィルタパターンを選択することができる。この場
合、上記図13に示したフィルタタイプ指定テーブルT
2において、選択すべきフィルタタイプを示す情報(”
FTL”や”FTH”の値である”1”や”2”)とし
て、さらに細かく上記の複数のローパスフィルタタイプ
に対応した値を設けるようにする。具体的には、フィル
タタイプ情報FTLの値”1”(=ローパスフィルタタ
イプ)において、カットオフが異なるフィルタタイプを
示す値1,2,3,・・・を設けるようにする。これに
より、鍵タッチ情報に基づいて、より細かくフィルタタ
イプの切り換えを行うことができ、より細かい楽音制御
を行うことができる。
上述した第3の実施の形態と同様に、図17に示すよう
に、加算器207の出力(楽音信号)がディジタルフィ
ルタ601を介して、上記図1のA/D変換器111に
与えられるような構成とするようにしてもよい。また、
上述した第2の実施の形態と同様に、第1の楽音発生部
201が、ノイズ成分と強音成分を合成した楽音成分信
号を生成して出力するようにしてもよい。
1や、上記図13のフィルタタイプ指定テーブルT2に
設定する各種の値(しきい値THV等)を、例えば、操
作パネル103上での操作によって任意に設定可能なよ
うにしてもよい。
形態のホスト及び端末の機能を実現するソフトウェアの
プログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或い
は装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュー
タ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプロ
グラムコードを読みだして実行することによっても、達
成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体か
ら読み出されたプログラムコード自体が各実施の形態の
機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記
憶した記憶媒体は本発明を構成することとなる。プログ
ラムコードを供給するための記憶媒体としては、RO
M、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディス
ク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テ
ープ、不揮発性のメモリカード等を用いることができ
る。また、コンピュータが読みだしたプログラムコード
を実行することにより、各実施の形態の機能が実現され
るだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、
コンピュータ上で稼動しているOS等が実際の処理の一
部又は全部を行い、その処理によって各実施の形態の機
能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコード
が、コンピュータに挿入された拡張機能ボードやコンピ
ュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに
書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づ
き、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるC
PUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理
によって本実施の形態の機能が実現される場合も含まれ
ることは言うまでもない。
報(押鍵操作によるタッチ情報や音高情報、パネル操作
により音色情報、或いはMIDI信号に含まれる情報
等)に基づいて、第1の波形信号(第1の楽音成分と第
2の楽音成分を合成した信号)から、第1の楽音成分信
号と第2の楽音成分信号の2種類の楽音成分信号を得ら
れるように構成した。具体的には例えば、鍵タッチの強
さに基づいて、第1の波形信号を通過させるフィルタ系
列を、第2の楽音成分(強音成分)をカットする第1の
フィルタ系列(ディジタル的又はアナログ的なローパス
フィルタ)と、第1の楽音成分(弱音成分)をカットす
る第2のフィルタ系列(ディジタル的又はアナログ的な
ハイパスフィルタ)とで切り換える(ハード的な構
成)。或いは、所定の楽音成分をカットするためにロー
ドして実行するフィルタタイププログラムを、第2の楽
音成分(強音成分)をカットするための第1のフィルタ
タイププログラムと、第1の楽音成分(弱音成分)をカ
ットするための第2のフィルタタイププログラムとで切
り換える(ソフト的な構成)。このような切り換えによ
って得られた第1の波形信号による楽音成分信号(弱音
成分又は強音成分信号)と、第2の波形信号による楽音
成分信号(中音成分信号)とを混合して、押鍵操作に応
じた楽音信号を生成して発生する。
生成するために第1〜第3の楽音成分信号(弱音成分、
中音成分、及び強音成分の信号等)を用いる場合、3つ
の波形信号を個別に用意する必要があったが、本発明に
よれば、第1の楽音成分と第2の楽音成分を合成した第
1の波形信号と、第3の楽音成分の第2の波形信号との
2つの波形信号を用意すればよいため、波形メモリを有
効に使用することができると共に、回路規模を縮小する
ことができ、よって、装置全体のコストダウンを図るこ
とができる。
成分と第2の楽音成分を合成した第1の波形信号から、
第1の楽音成分信号と第2の楽音成分信号の2種類の楽
音成分信号を生成することができるため、その分使用す
る発音チャンネル数を減らすことができる。例えば、弱
音成分、中音成分、及び強音成分の3つの楽音成分信号
から1つの楽音信号を生成する場合、従来では、それぞ
れの楽音成分信号に対応した3つの発音チャンネルが必
要であるのに対して、本発明では、弱音成分及び強音成
分を合成した信号用の発音チャンネルと、中音成分信号
用の発音チャンネルとの2つの発音チャンネルでよい。
したがって、音源LSIの限られた発音チャンネルを有
効に活用して、より大きな音色変化を実現することがで
きる。
グラムの切り換えの基準となる鍵タッチのしきい値を、
音高や音色によっても可変するように構成すれば、最適
なフィルタ系列やフィルタタイププログラムを選択でき
るため、より自然で良好な音色を提供することができ
る。特に、フィルタタイププログラムを切り換えるとい
ったソフト的な構成とすれば、さらに細かくフィルタタ
イププログラムを設け、上記のしきい値をもそれに対応
して細かく設けることで、より細かくフィルタタイプの
切り換えを行うことができ、より細かい楽音制御を行う
ことができる。
フィルタ系列(又はそのためのフィルタタイププログラ
ム)を更に設け、第1の楽音成分と第2の楽音成分の何
れかをノイズ成分とするように構成すれば、押鍵操作の
情報に基づいて、第1の波形信号から、ノイズ成分信号
と、ノイズ成分を含む楽音成分信号との2種類の楽音成
分信号が得られる。これと第2の波形信号による第3の
楽音成分信号を混合して、発生する楽音信号を生成す
る。これにより、特に、ピアノ等のような音色(ノイズ
成分を含む音)を、よりリアルに自然に発生することが
できる。また、他の音色に関しても、ノイズ成分の付加
等を自在に変えることで、発生する音色のバリエーショ
ンを増やすことができる。
られた発音チャンネルを有効に活用して、鍵タッチの強
さに応じたより自然な楽音を容易に発生することができ
る。
電子楽器の構成を示すブロック図である。
ク図である。
いてフィルタ系列を切り換える動作を説明するための図
である。
ィルタ系列指定テーブルを説明するための図である。
するためのフローチャートである。
るためのフローチャートである。
ためのフローチャートである。
処理を説明するためのフローチャートである。
に基づいてフィルタ系列を切り換える動作を説明するた
めの図である。
楽音発生部の構成を示すブロック図である。
構成を示すブロック図である。
ック図である。
づいてフィルタタイプを切り換えるために用いるフィル
タタイプ指定テーブルを説明するための図である。
するためのフローチャートである。
るためのフローチャートである。
換え処理を説明するためのフローチャートである。
た構成を示すブロック図である。
である。
Claims (20)
- 【請求項1】 少なくとも第1〜第3の楽音成分信号を
混合することで、楽音情報に基づいた楽音を生成して発
生する楽音発生装置であって、 第1の楽音成分及び第2の楽音成分を合成した第1の波
形信号と、第3の楽音成分からなる第2の波形信号とを
記憶する波形記憶手段と、 上記波形記憶手段の第1の波形信号から上記第1の楽音
成分を抽出して第1の楽音成分信号を取得する第1の楽
音成分信号取得手段と、 上記波形記憶手段の第1の波形信号から上記第2の楽音
成分を抽出して第2の楽音成分信号を取得する第2の楽
音成分信号取得手段と、 上記楽音情報に基づいて、上記第1の楽音成分信号取得
手段と上記第2の楽音成分信号取得手段を切り換えて動
作実行させる制御手段と、 上記制御手段での動作実行制御により、上記第1の楽音
成分信号取得手段にて得られた第1の楽音成分信号、又
は上記第2の楽音成分信号取得手段にて得られた第2の
楽音成分信号と、上記波形記憶手段の第2の波形信号か
ら取得された第3の楽音成分信号とを混合して、上記楽
音情報に基づいた楽音信号を生成する楽音信号生成手段
とを備えることを特徴とする楽音発生装置。 - 【請求項2】 上記楽音情報は、タッチ情報、音高情
報、及び音色情報の少なくとも何れかの情報を含むこと
を特徴とする請求項1記載の楽音発生装置。 - 【請求項3】 上記制御手段は、上記楽音情報に含まれ
るタッチ情報と、該タッチ情報に対して予め設定された
しきい値との比較結果に基づいて、上記第1の楽音成分
信号取得手段と上記第2の楽音成分信号取得手段の動作
実行の切り換えを行うことを特徴とする請求項1記載の
楽音発生装置。 - 【請求項4】 上記しきい値は、上記楽音情報に含まれ
る音高情報によって異なることを特徴とする請求項3記
載の楽音発生装置。 - 【請求項5】 上記しきい値は、上記楽音情報に含まれ
る音色情報によって異なることを特徴とする請求項3記
載の楽音発生装置。 - 【請求項6】 上記しきい値は、外部より任意に設定可
能であることを特徴とする請求項3記載の楽音発生装
置。 - 【請求項7】 上記第1〜第3の楽音成分の何れかの成
分は、ノイズ成分を含むことを特徴とする請求項1記載
の楽音発生装置。 - 【請求項8】 上記波形記憶手段の第1の波形信号か
ら、上記第1の楽音成分と上記第2の楽音成分を合成し
た第4の楽音成分信号を取得する第3の楽音成分信号取
得手段を備えることを特徴とする請求項1記載の楽音発
生装置。 - 【請求項9】 上記第1の楽音成分信号取得手段は、上
記第1の波形信号の上記第2の楽音成分をカットする第
1のフィルタ系列を含み、 上記第2の楽音成分信号取得手段は、上記第1の波形信
号の上記第1の楽音成分をカットするフィルタ系列を含
み、 上記制御手段は、上記楽音情報に基づいて、上記第1の
波形信号を通過させるフィルタ系列を、上記第1のフィ
ルタ系列と上記第2のフィルタ系列で切り換えることを
特徴とする請求項1記載の楽音発生装置。 - 【請求項10】 上記第1の楽音成分信号取得手段は、
上記第1の波形信号の上記第2の楽音成分をカットする
ための第1のフィルタタイププログラムを含み、 上記第2の楽音成分信号取得手段は、上記第1の波形信
号の上記第1の楽音成分をカットするための第2のフィ
ルタタイププログラムを含み、 上記制御手段は、上記楽音情報に基づいて、実行するフ
ィルタタイププログラムを、上記第1のフィルタタイプ
プログラムと上記第2のフィルタタイププログラムで切
り換えることを特徴とする請求項1記載の楽音発生装
置。 - 【請求項11】 楽音情報に基づいた楽音を発生する電
子楽器であって、 請求項1〜10の何れかに記載の楽音発生装置の機能を
有することを特徴とする電子楽器。 - 【請求項12】 少なくとも第1〜第3の楽音成分信号
を混合することで、楽音情報に基づいた楽音を生成して
発生するための処理ステップを、コンピュータが読み出
し可能に格納した記憶媒体であって、該処理ステップ
は、 第1の楽音成分及び第2の楽音成分を合成した第1の波
形信号を、第3の楽音成分からなる第2の波形信号と共
に波形メモリに記憶する記憶ステップと、 上記楽音情報に基づいて、上記波形メモリの上記第1の
波形信号の出力先を、上記第1の波形信号から上記第2
の楽音成分をカットする第1のフィルタ系列と、上記第
2の波形信号から上記第1の楽音成分をカットする第2
のフィルタ系列とで切り換えることで、上記第1の波形
信号から第1の楽音成分信号又は第2の楽音成分信号を
取得する楽音成分信号取得ステップと、 上記楽音成分信号取得ステップにより得られた第1の楽
音成分信号又は第2の楽音成分信号と、上記波形メモリ
の第2の波形信号から取得された第3の楽音成分信号と
を混合して、上記楽音情報に基づいた楽音信号を生成す
る楽音信号生成ステップとを含むことを特徴とする記憶
媒体。 - 【請求項13】 少なくとも第1〜第3の楽音成分信号
を混合することで、楽音情報に基づいた楽音を生成して
発生するための処理ステップを、コンピュータが読み出
し可能に格納した記憶媒体であって、該処理ステップ
は、 第1の楽音成分及び第2の楽音成分を合成した第1の波
形信号を、第3の楽音成分からなる第2の波形信号と共
に波形メモリに記憶する記憶ステップと、 上記第1の波形信号から上記第2の楽音成分をカットす
るための第1のフィルタタイププログラムと、上記第2
の波形信号から上記第1の楽音成分をカットするための
第2のフィルタタイププログラムとをプログラムメモリ
に記憶するプログラム記憶ステップと、 上記楽音情報に基づいて、実行するフィルタタイププロ
グラムを、上記プログラムメモリの上記第1のフィルタ
タイププログラムと上記第2のフィルタタイププログラ
ムで切り換えて読み込んで実行することで、上記第1の
波形信号から第1の楽音成分信号又は第2の楽音成分信
号を取得する楽音成分信号取得ステップと、 上記楽音成分信号取得ステップにより得られた第1の楽
音成分信号又は第2の楽音成分信号と、上記波形メモリ
の第2の波形信号から取得された第3の楽音成分信号と
を混合して、上記楽音情報に基づいた楽音信号を生成す
る楽音信号生成ステップとを含むことを特徴とする記憶
媒体。 - 【請求項14】 上記楽音情報は、タッチ情報、音高情
報、及び音色情報の少なくとも何れかの情報を含むこと
を特徴とする請求項12又は13記載の記憶媒体。 - 【請求項15】 上記楽音成分信号取得ステップは、上
記楽音情報に含まれるタッチ情報と該タッチ情報に対し
て予め設定されたしきい値を比較するステップと、該ス
テップによる比較結果に基づいて上記の切り換えを実行
するステップとを含むことを特徴とする請求項12又は
13に記載の記憶媒体。 - 【請求項16】 上記しきい値は、上記楽音情報に含ま
れる音高情報によって異なることを特徴とする請求項1
5記載の記憶媒体。 - 【請求項17】 上記しきい値は、上記楽音情報に含ま
れる音色情報によって異なることを特徴とする請求項1
5記載の記憶媒体。 - 【請求項18】 上記しきい値は、操作パネル上の操作
子によって任意に設定可能であることを特徴とする請求
項15記載の記憶媒体。 - 【請求項19】 上記第1〜第3の楽音成分の何れかの
成分は、ノイズ成分を含むことを特徴とする請求項12
又は13記載の記憶媒体。 - 【請求項20】 上記楽音成分信号取得ステップは、上
記第1の波形信号をそのまま楽音成分信号として出力す
るフィルタ系列、又は上記第1の波形信号をそのまま楽
音成分信号として出力するためのフィルタタイププログ
ラムを含めて、上記の切り換えを実行するステップを含
むことを特徴とする請求項12又は13記載の記憶媒
体。
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