JP2000231074A - 光走査装置 - Google Patents

光走査装置

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JP2000231074A
JP2000231074A JP3061599A JP3061599A JP2000231074A JP 2000231074 A JP2000231074 A JP 2000231074A JP 3061599 A JP3061599 A JP 3061599A JP 3061599 A JP3061599 A JP 3061599A JP 2000231074 A JP2000231074 A JP 2000231074A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走査線のピッチむあを確実に抑制紙、良好な
画像を得る。 【解決手段】 光変更器の最大面倒れ量をδ、共役倍率
をM、共役点の製造ばらつきをZ、副走査方向の解像度
をRとしたとき、共役点の湾曲牢Cが(1)式を満足す
るように走査光学系を設定する。(1)式を満足するこ
とにより、共役点の湾曲量に許容量を与え、かつ製造誤
差も考慮した上で、走査線ピッチむらが副走査方向の走
査戦艦各の1/10以下となり量移行な画質を得ること
ができる。 (C/2+Z)×tan(2δ/M)<2.54R・・・
(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光走査装置に係
り、特に、光偏向器の面倒れに起因する走査線のピッチ
むらを効果的に補正し、走査光学系のレイアウトの自由
度を拡大する光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光走査
装置は、デジタル複写機やレーザプリンタの画像形成装
置の書き込み装置として広く利用されており、レーザ光
源から射出した光ビームを、複数の反射面を有し、高速
で駆動される回転多面鏡で偏向走査し、この偏向走査ビ
ームを結像光学系により被走査面上にスポット結像する
と共に、等速度で走査させる方式のものが一般的であ
る。
【0003】このような光走査装置を用いた画像形成装
置に対し、高画質化、生産性向上、消費電力低減等の要
求が高まっている。
【0004】出力画像の高画質化には画像形成装置を形
成する光走査装置以外のサブシステム、例えば帯電装
置、現像装置、転写装置、定着装置等を含む画像形成装
置全体のシステム構成の最適化が必要であるが、光走査
装置としては、単位長さ当たりの書き込み本数を増や
す、所謂高解像度化が必要であり、これに伴って光走査
装置の単位時間当たりの書き込み本数を増やさなければ
ならない。
【0005】すなわち、生産性向上と高画質化を同時に
満たすには、より高速で移動する被走査面に対し、より
高密度で書き込みを行う必要がある。
【0006】従来の光走査装置の構成を変えずにこれを
実現するには、光偏向器の回転数を増加させなければな
らないが、光偏向器の回転数を増加させると、回転多面
鏡の駆動装置への負荷が大きくなり、消費電力が増大す
ると共に、発熱や騒音が大きくなり、故障率が上がると
いう問題がある。
【0007】このような光偏向器への負荷増大を解決
し、高速、高解像度を実現するものとして、特開平9−
96773号公報(以下、先行技術1という)に記載の
ものがある。
【0008】上記先行技術1には、主走査方向にのみパ
ワーを有するfθレンズ系と副走査方向にのみパワーを
有するシリンドリカルミラーよりなる走査光学系を採用
すると共に、光ビームを反射偏向された光ビームがなす
走査角の中心方向からfθレンズを透過して入射し、反
射偏向された光ビームに再びfθレンズを透過させる、
所謂ダブルパス正面入射方式とした光走査装置が開示さ
れている。
【0009】さらに、この先行技術1には、光偏向器の
回転多面鏡の各反射面の面幅より大きい幅の光ビームを
入射させることが開示されている。
【0010】走査光学系をダブルパス正面入射方式と
し、偏向面の面幅よりも大きい幅を持つ光ビームを入射
させることにより、光学系を対称構成として光学特性を
安定させ、かつ回転多面鏡を大径化することなく回転多
面鏡の面数を増やすことが可能となり、光偏向器への負
荷増大を伴わず、高速、高解像度を実現できる。
【0011】また、上記構成において、光偏向器の反射
面と被走査面との間の副走査方向の倍率(以下、共役倍
率という)を適切に選択することにより、被走査面上の
走査位置による共役点位置の変化(以下、共役点の湾曲
という)と副走査方向の像面湾曲を良好に補正できるこ
とも開示されている。
【0012】次に、簡単な構成で像面湾曲、又は共役点
の湾曲を低減するものとして、特開平9−230274
号公報(以下、先行技術2という)記載のものがある。
【0013】この先行技術2には、図9に示される如
く、偏向角の中央方向から、副走査方向に角度をなして
入射した光ビームを反射偏向し、回転多面鏡26を含む
結像光学系の後段にシリンドリカルミラー34を配置し
た走査光学系において、シリドリカルミラー34の折り
返し角度を適宜設定することにより、副走査方向の像面
湾曲、又は共役点の湾曲を低減することが開示されてい
る。なお、シリンドリカルミラー34の反射光が感光ド
ラム31へ至る構成となっている。
【0014】すなわち、シリンドリカルミラー34の折
り返し方向、及び折り返し角度を適宜設定することによ
り、走査中心と走査端に至る光ビームの光路長差をコン
トロールして共役点の湾曲を低減している。
【0015】このように、主走査方向のパワーを有する
fθレンズ系と副走査方向にのみパワーを有するシリン
ドリカルミラーよりなる走査光学系では、共役倍率とシ
リンドリカルミラーの折り返し角度を適宜選択すること
により、共役点の湾曲を制御し、ピッチむらのない良好
な画質を得ることが知られている。
【0016】しかしながら、主走査方向にのみパワーを
有するfθレンズ系と副走査方向にのみパワーを有する
シリンドリカルミラーの組み合わせでは、共役倍率はシ
リンドリカルミラーの配置でほぼ決定してしまうが、画
像形成装置内の光走査装置レイアウト自由度の制約によ
っては、シリンドリカルミラーを所望の位置に配置する
ことが困難となり、共役点の湾曲を効果的に補正する共
役倍率を選択できないことがある。
【0017】また、共役点の湾曲量を低減できるシリン
ドリカルミラーの折り返し角度も、同様の理由により最
適な角度に設定できないことがある。
【0018】図10は、前記先行技術1の第1の実施の
形態として示されているレンズデータを用いて、シリン
ドリカルミラーの配置、すなわち共役倍率を変えて、共
役点の湾曲が完全に補正されるときのシリンドリカルミ
ラーでの折り返し角を求めて、プロットしたグラフであ
る。
【0019】図10の横軸は、fθレンズ系の傾け角度
を表している。傾け方向は正面入射する光ビームとレン
ズ法線のなす角度が大きくなる方向である。
【0020】先行技術2に記載されているように、結像
光学系を偏心させることにより、シリンドリカルミラー
上での走査線湾曲量を変えることができ、共役点の湾曲
量を調整できる。
【0021】図10から、共役倍率とシリンドリカルミ
ラーの折り返し角度には関係があることがわかる。すな
わち、共役点の湾曲を効果的に低減するには、共役倍率
が小さい場合にはシリンドリカルミラーの折り返し角度
を小さく、共役倍率が大きい場合にはシリンドリカルミ
ラーの折り返し角度を大きくすることが望ましい。そし
て、この条件を満たすレイアウトとすることにより、共
役点の湾曲を効果的に補正し、走査線のピッチむらを抑
制した良好な画質を得ることができる。
【0022】ところが、シリンドリカルミラーの折り返
し角度が50°を超えると、共役倍率とfθレンズ系の
傾け角度を選択しても共役点の湾曲を完全に補正するこ
とが困難となる。
【0023】本発明は上記事実を考慮し、主走査方向に
のみパワーを有するfθレンズ系と、副走査方向にのみ
パワーを有するシリンドリカルミラーからなる走査光学
系を採用し、シリンドリカルミラーの配置の自由度に制
約がある場合でも、特にシリンドリカルミラーの折り返
し角度が50°を超えるような走査光学系のレイアウト
においても走査線のピッチむらを確実に抑制し、良好な
画質を得られる光走査装置を得ることが目的である。
【0024】また、上記目的に加え、共役点位置を調整
可能な光走査装置を提供し、コストアップを伴わず、高
解像度化に適した光走査装置を得ることが目的である。
【0025】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、光源と、光源から射出した光ビームを主走査対応方
向に長い線像として結像させる第1の結像光学系と、前
記線像の結像位置又はこの結像位置を含む周辺領域に反
射面を有する光偏向器と、主走査方向にのみ収束力を有
し前記光偏向器により偏向走査された光ビームを主走査
方向に結像させる第2の結像光学系と、副走査方向にの
み収束力を有するシリンドリカルミラーとを備え、前記
光偏向器の反射面と被走査面とが幾何光学的に略共役な
関係をなすと共に、シリンドリカルミラーでの折り返し
角度が50°以上である光走査装置であって、前記光偏
向器への入射光ビームを、偏向範囲の中央方向から光偏
向器の回転軸に直交する平面に対して副走査方向に角度
をなして入射させ、前記第2の結像光学系を構成するレ
ンズを、主走査対応方向の軸回りに傾けて配置し、かつ
(1)式を満足することを特徴としている。
【0026】 (C/2+Z)×tan(2δ/M)<2.54R・・・(1) ただし、 C:共役点の湾曲量(mm)、 Z:共役点位置の製造誤差(mm)、 δ:光偏向器の最大面倒れ量(°)、 M:共役倍率、 R:副走査方向の解像度(scan/inch)、 である。
【0027】請求項1に記載の発明によれば、主走査方
向にのみパワーを有するfθレンズ系と副走査方向にの
みパワーを有するシリンドリカルミラーよりなる走査光
学系を備え、光源から射出した光ビームを第1の結像光
学系により主走査方向に長い線像として結像させ、この
線像の結像位置又はこの結像位置を含む周辺領域に反射
面を有する光偏向器により反射偏向した後、走査光学系
により被走査面上にスポット結像させると共に、等速度
で走査する。
【0028】光偏向器への入射光ビームは、走査範囲の
中央方向から光偏向器の回転軸に直交する平面に対して
角度をなして進み、fθレンズを透過して入射する。
【0029】fθレンズは、入射光ビームとなす角度が
大きくなる方向に傾け配置されており、光偏向器により
反射偏向された光ビームが再び透過するダブルパス正面
入射方式となっている。fθレンズを透過した偏向光ビ
ームは、副走査方向にのみ収束力を有するシリンドリカ
ルミラーによる50°以上の角度で折り返されて被走査
面に至る。
【0030】そして、光偏向器の最大面倒れ量をδ、共
役倍率をM、共役点の製造ばらつきをZ、副走査方向の
解像度をRとしたとき、共役点の湾曲量Cが(1)式を
満足するように、走査光学系を設定する。(1)式を満
足することにより、共役点の湾曲量に許容量を与え、か
つ製造誤差も考慮したうえで、走査線のピッチむらが副
走査方向の走査線間隔の1/10以下となり良好な画質
を得ることができる。
【0031】図11は、光偏向器の反射面と被走査面と
の間の光路を示している。図11(A)は主走査平面を
示し、図11(B)は主走査平面と直交する副走査平面
を示している。また、説明の便宜上、光路を展開すると
共に、光ビームの光偏向器PMの反射面への副走査方向
の入射角度を0として作図している。なお、光偏向器P
Mの反射面に反射された光ビームは、2枚構成のfθレ
ンズFL1、FL2を透過し、シリンドリカルミラーS
Mで反射した後、被走査面(線分AC)へと至るように
なっている。
【0032】被走査面上へ発生する走査線のピッチむら
の原因は、光偏向器PMの面倒れである。面倒れは光偏
向器PMの機械加工精度や、光偏向器PMを駆動モータ
(図示せず)に取り付けるときの傾きにより発生し、一
定角度で光偏向器の反射面に入射した光ビームに対する
副走査方向の反射方向を面毎に異ならせるという現象を
引き起し、被走査面上での書き込み位置を面毎にばらつ
かせる。この問題を解決するために用いられる面倒れ補
正光学系は、図11(B)に示すように、光偏向器の反
射面Oと被走査面Bを共役関係(物点と像点の関係)と
することにより、理想の光路(線分OB)から外れた光
ビームOHを被走査面上ではほぼ理想の走査位置に導
き、ピッチむらを抑制する。この働きにより光偏向器に
面倒れの許容誤差を与えたうえでピッチむらのない良好
な画質が得られるので、高価な部品を用いることなく光
走査装置を構成できる。
【0033】しかし、光偏向器PMと被走査面と共役な
関係とならしめたとしても、現実的なピッチむら補正能
力には、共役点がどの程度正確に被走査面位置と一致し
ているか、すなわち共役点と被走査面の隔差が大きく影
響する。
【0034】図12は、面倒れがある場合の光ビームの
光路を模式的に示した副走査断面の図である。
【0035】面倒れδにより理想の光路OBからずれた
光路をたどる光ビームは、共役点Eでは光路によらず副
走査方向の同一位置に到達する。しかし、被走査面Fが
この共役点Eと一致していないと被走査面F上での光ビ
ームの到達位置は一定とならない。
【0036】共役点Eが被走査面Fから離れ隔差Dを引
き起こす主な原因は、共役点の湾曲と共役点位置の製造
のばらつきであり、さらに隔差Dとあいまって被走査面
F上での光ビームの到達位置の誤差を拡大するのが共役
倍率Mである。
【0037】まず、共役点の湾曲について説明する。
【0038】図11(A)に示すようにfθレンズFL
1、FL2には、被走査面上の画像幅ACを走査するた
めに±θの偏向角をカバーし、シリンドリカルミラーS
Mとの組み合わせで、被走査面上の任意の偏向角に比例
した位置に光ビームをスポット結像させる特性、光偏向
器の反射面Oと被走査面F(図12参照)とを共役な関
係とする特性などが要求される。
【0039】しかし、図11(A)に示すような2枚構
成のfθレンズFL1、FL2とシリンドリカルミラー
SMの組み合わせでこれら全ての特性を完全に補正する
ことは非常に難しい。
【0040】このため、走査中心に至る光路OB、走査
端に至る光路OA及びOCにおける共役点は、それぞれ
の被走査面からわずかにずれ、画像エリア全域での共役
点は、Ea、Eb、Ecで示すような湾曲した軌跡とな
るのが普通である。
【0041】この共役点湾曲は、シリンドリカルミラー
SMの配置、及びシリンドリカルミラーSMの折り返し
角度を適宜選択することにより、低減可能なことは前述
の通りであるが、走査光学系のレイアウトに制約がある
場合は、残存する共役点の湾曲を考慮して走査光学系全
体の構成でピッチむらを抑制しなければならない。
【0042】次に、共役点位置の製造のばらつきについ
て説明する。共役点は、光偏向器PMと被走査面の間に
配設された光学系による光偏向器の反射面の像であるか
ら、この光学系の倍率が変化すると像のできる位置、す
なわち共役点位置も変化する。
【0043】例えば、シリンドリカルミラーSMの曲率
半径に加工誤差があるとこの現象が生じる。しかし、光
学部品の加工誤差を完全になくすことは不可能であるか
ら、ピッチむらを抑制するには共役点位置の製造ばらつ
きを考慮する必要がある。
【0044】このように、被走査面Fと共役点Eとの隔
差D(図12参照)は、走査光学系の設計において残存
する共役点湾曲に通常の部品加工誤差により発生する共
役点位置の製造ばらつきが加わった大きさとなる。
【0045】次に、図12を用いて、共役倍率Mと被走
査面上の光ビームの到達位置の関係について説明する。
光偏向器の反射面にδの面倒れがある場合、偏向光束の
ぶれは、反射の法則により2倍(2δ)となる。これを
横倍率Mの光学系で伝達すると、角倍率は横倍率Mの逆
数となるから、被走査面近傍に到達する光ビームのぶれ
は、2δ/Mとなる。そして、被走査面Fと共役点Eと
の隔差Dがあるときの被走査面上での光ビームの到達位
置の誤差をP、とすると、以下の(5)式で表される。
【0046】P=D×tan(2δ/M)・・ ・(5) ここで、設計上残存する共役点の湾曲量をCとし、図1
1(A)で示すように湾曲量を画像エリア範囲で被走査
面の前後に割り振りする。また、共役点位置の製造ばら
つきを±Zとすると、前記(5)式は(6)式となる。
【0047】 P=(C/2+Z)×tan(2δ/M)・・・(6) 一般にピッチむらは走査線間隔の1/10以下であれば
画質上問題とならないから、副走査方向の解像度をR
(scan/inch)とすれば、結局(1)式を満足す
るように走査光学系を構成すれば、ピッチむらによる画
質の劣化のない良好な画像を得ることができる。
【0048】請求項2に記載の発明は、前記請求項1の
光走査装置において、共役点位置の製造誤差Zと光偏向
器の最大面倒れ量δが定量化しており、(2)式を満足
するようにしたことを特徴としている。
【0049】 (C/2+1)×tan(0.00116/M)<2.54R・・・(2) ただし、 C:共役点の湾曲量(mm)、 M:共役倍率、 R:副走査方向の解像度(scan/inch)、 である。
【0050】請求項2に記載の発明によれば、前記請求
項1の発明において、共役点位置の製造誤差Zと光偏向
器の最大面倒れ量δを定量的に示している。
【0051】通常の部品加工誤差として、光偏向器の面
倒れ量は120秒、シリンドリカルミラーの曲率半径
は、例えばノミナルの曲率半径190mmの場合、±
1.5mm程度の誤差は発生するので、この誤差を考慮
すると(1)式は(2)式、として表すことができる。
【0052】そして、副走査方向の倍率をM、副走査方
向の解像度をRとしたときの共役点の湾曲量Cが(2)
式を満足するように走査光学系を設定する。(2)式を
満足することにより、走査線のピッチむらが走査線間隔
の1/10以下となり、共役点の湾曲に許容量を与えた
うえで良好な画質を得ることができる。
【0053】請求項3に記載の発明は、前記請求項1に
記載の発明において、前記(1)式又は(2)式におい
て、共役倍率Mが(3)式を満足することを特徴として
いる。
【0054】M>0.3・・・(3) 請求項3に記載の発明によれば、共役倍率Mを0.3以
上とすることにより、シリンドリカルミラーの折り返し
角度を大きくしたときの共役点の湾曲を小さく抑えるこ
とができるので、併せて(1)又は(2)式を満足する
ことにより、良好な画質を維持しつつ、レイアウトの自
由度を拡大することができる。
【0055】請求項4に記載の発明は、光源と、光源か
ら射出した光ビームを主走査対応方向に長い線像として
結像させる第1の結像光学系と、前記線像の結像位置又
はこの結像位置を含む周辺領域に反射面を有する光偏向
器と、主走査方向にのみ収束力を有し前記光偏向器によ
り偏向走査された光ビームを主走査方向に結像させる第
2の結像光学系と、副走査方向にのみ収束力を有するシ
リンドリカルミラーとを備え、前記光偏向器の反射面と
被走査面とが幾何光学的に略共役な関係をなす光走査装
置であって、前記光偏向器への入射光ビームは、偏向範
囲の中央方向から光偏向器の回転軸に直交する平面に対
して副走査方向に角度をなして入射すると共に、前記第
2の結像光学系を構成するレンズは、主走査対応方向の
軸回りに傾けて配置されており、(4)式を満足すると
共に、被走査面に対する共役点位置を調整可能な共役点
位置調整手段を備えたことを特徴としている。
【0056】 (C/2)×tan(2δ/M)<2.54/R・・・(4) ただし、 C:共役点の湾曲量(mm)、 δ:光偏向器の最大面倒れ量(°)、 M:共役倍率、 R:副走査方向の解像度(scan/inch) である。
【0057】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
及び請求項2と同様の構成の光走査装置に加えて、共役
点位置調整手段を備えている。
【0058】図12に示される如く、部品加工誤差によ
り発生する共役点位置の製造誤差Zを調整により補正す
ることによって、被走査面Fと共役点Eとの隔差Dを走
査光学系の設計において残存する共役点湾曲のみとす
る。
【0059】これにより、走査光学系の設計における共
役点の湾曲量に対する許容量を大きくし、レイアウトへ
の対応自由度を増すことができる。また、被走査面上で
の光ビームの到達位置誤差を小さくして、特別な部品を
用いずに、副走査方向の走査線間隔の小さく高解像度の
光走査装置への対応が可能となる。
【0060】請求項5に記載の発明は、前記請求項4に
記載の発明において、前記共役位置調整手段が、第2の
結像光学系とシリンドリカルミラーとの間に設けられた
副走査方向光路調整手段であることを特徴としている。
【0061】請求項5に記載の発明によれば、図11
(B)に示す共役関係において、シリンドリカルミラー
SM上の走査位置を副走査方向に調整することで共役点
の位置を被走査面に対して移動させるとにより、被走査
面上での光ビームの到達位置誤差を小さくすることがで
きる。
【0062】請求項6に記載の発明は、前記請求項4記
載の発明において、前記共役点調整手段が、前記光走査
装置と被走査面との距離調整手段であることを特徴とし
ている。
【0063】請求項6に記載の発明によれば、光走査装
置と被走査面との距離を調整して共役点の位置を被走査
面に対して移動させることにより、被走査面上での光ビ
ームの到達位置誤差を小さくすることができる。
【0064】請求項7に記載の発明は、前記請求項4記
載の発明において、前記共役点位置調整手段が光偏向器
と被走査面の間に設けられた平行平面板の板厚変更手段
であることを特徴としている。
【0065】請求項7に記載の発明によれば、平行平面
板の厚さを変更して共役点の位置を被走査面に対して移
動させることにより、被走査面上での光ビームの到達位
置誤差を小さくすることができる。
【0066】請求項8に記載の発明は、前記請求項4乃
至請求項7の何れか1項記載の発明において、前記主走
査方向の走査倍率調整手段を、さらに備えたことを特徴
としている。
【0067】請求項8に記載の発明によれば、共役点位
置を調整したことにより発生する主走査方向の走査倍率
の変化を主走査倍率調整手段により補正することによ
り、倍率変化による影響をなくすことができる。
【0068】
【発明の実施の形態】図3には本発明の光走査装置30
2が適用された、画像形成装置301が示されている。
【0069】画像形成装置301には、前記光走査装置
302、感光ドラム305が上下関係の位置(光走査装
置302が上)で配置されている。感光ドラム305の
下方周面には、中間転写体ベルト303が接触されてい
る。
【0070】光走査装置301から照射された光ビーム
は感光ドラム305の上の露光ポイント307を照射す
るようになっている。感光ドラム305は、図3の時計
方向(矢印A方向)回りに回転するようになっており、
露光により形成された静電潜像は、図示しない現像装置
による現像され、前記中間転写体ベルト303との接触
点である一次転写ポイント308で、この中間転写体ベ
ルト303に転写される。
【0071】なお、カラー画像を形成する場合には、中
間転写体ベルト303の同一の位置にイエロー、マゼン
タ、シアン、ブラックの各色の画像を重ねて転写すれば
よい。
【0072】一次転写された中間転写体ベルト303
は、図3の矢印B方向に搬送され、2次転写ポイント3
09まで至ると、用紙トレイ304からこの2次転写ポ
イント309に搬送されてきた用紙311に画像が転写
される。画像が転写された用紙311は、図3の鎖線の
如く搬送され、装置外へ排出される。
【0073】次に、光走査装置302の詳細について説
明する。
【0074】図1には、本実施の形態に係る光走査装置
302が示されている。この光走査装置302は、光源
101から照射される光ビームを第1の結像光学系OP
1、回転多面鏡109、fθレンズ108及び第3の折
り返しミラー110を介して、シリンドリカルミラー1
11に案内し、このシリンドリカルミラー111によっ
て感光ドラム305の周面に結像する構成となってい
る。
【0075】光源101は、図示しない画像信号形成手
段から送信された画像信号によって変調され、光ビーム
を出力する。第1の結像光学系OP1は、光源101側
から見て、コリメータレンズ102、スリット103、
エキスパンダーレンズ104、第1の折り返しミラー1
05、シリンドリカルレンズ106及び第2の折り返し
ミラー107の順に配置構成されている。
【0076】前記第2の折り返しミラー107で折り返
された光ビームは回転多面鏡109の回転軸と直交する
平面に対して角度をなして、走査範囲の中央方向からf
θレンズ108を透過して回転多面鏡109の反射面に
入射される。
【0077】コリメートレンズ102により平行な光ビ
ームトナリスリット102により整形された光ビーム
は、前記エキスパンダーレンズ104によって発散状態
とされ、fθレンズ18を透過することにより、主走査
方向で再び平行な光ビームとされる。この平行な光ビー
ムの幅は、回転多面鏡109の反射面の面幅よりも広く
なっており、この結果、回転多面鏡109の回転角によ
らず画像エリア走査中は常に反射面の全幅を照射してい
る。
【0078】また、シリドリカルレンズ106により副
走査方向にのみ収束させられた光ビームは、回転多面鏡
109の反射面近傍で線像として結像するようになって
いる。
【0079】fθレンズ108は、負及び正の2枚の単
レンズ108a、108bからなり、主走査方向にのみ
屈折力を持っている。負の単レンズ108aは、光偏向
器側が凹のシリドリカル面、反対側が平面でとなってい
る。また、正の単レンズ108bは、光偏向器側が平
面、反対側が凸のシリンドリカル面となっている。
【0080】回転多面鏡109で偏向走査された光ビー
ムは、再びfθレンズ108を透過し、主走査方向には
被走査面上に結像する光ビームとされる。fθレンズ1
08を透過した光ビームは、第3の折り返しミラー11
0により光偏向器側に折り返されて、fθレンズ108
と回転多面鏡109の上を通ってシリンドリカルミラー
111に入射する。シリンドリカルミラー111は副走
査方向にのみ収束力を持ち、回転多面鏡109の反射面
位置近傍から副走査方向に発散してきた光ビームを被走
査面上に結像させる。なお、シリンドリカルミラー11
1の下流側には、防塵ガラス112が配設されている。
【0081】図2は、本実施の形態に係る光走査装置3
02の走査中心に至る光ビームを含む副走査断面を示し
ており、以下、この方向から見た光ビームの照射方向に
ついて説明する。
【0082】図2に示される如く、光ビームは、前記第
2の折り返しミラー107(図1参照)で折り返され
後、1.2°下向きの光ビームとして、この光ビームと
なす角度が大きくなる方向に2°傾き、副走査方向には
屈折力を持たない2枚組のfθレンズ108を透過して
回転多面鏡109に入射する。
【0083】回転多面鏡109は内接円直径が25mm
で12面の反射面を有している。
【0084】回転多面鏡109で反射された光ビーム
は、回転多面鏡109への入射時とは逆向きの順番でf
θレンズ108を透過して進み、第3の折り返しミラー
110により折り返されてシリンドリカルミラー111
へ入射するようになっている。
【0085】光ビームのシリンドリカルミラー111へ
の入射角は、32.8°である。
【0086】このシリンドリカルミラー111で反射さ
れた光ビームは、下向きに折り返されて防塵ガラス11
2を透過し感光ドラム305へ至る。
【0087】シリンドリカルミラー111から感光ドラ
ム305までの距離は、共役倍率Mを大きくして面倒れ
の感度を下げるためには長くとることが望ましいが、こ
の距離を大きくすると、光走査装置から感光ドラムまで
の距離が長くなって、装置全体が大きくなるため、この
点からは、前記距離は短いことが望ましい。
【0088】このような構成の画像形成装置301で
は、図3に示される如く、1次転写ポイント308が感
光ドラム305の下側にくるため、現像機の配置と大き
さや露光から現像までの時間との兼ね合いで露光ポイン
ト307は感光ドラム305上部となる。このため、シ
リンドリカルミラー111から露光ポイント307まで
の距離G(図3参照)が直接画像形成装置の高さに影響
することになる。
【0089】また、露光ポイント307が決定すると、
シリンドリカルミラーでの折り返し角度にも制約が加わ
り自由に設定できない。さらに、画像形成装置内部のス
ペースを有効活用するために、光走査装置302を画像
形成装置301の幅方向で端に寄せて配置する場合も折
リ返し角度は大きくなる。
【0090】このような制約を受けた光走査装置の具体
的に数値を以下に示す。
【0091】 シリンドリカルミラー〜感光ドラム 108mm 共役倍率 0.33 シリンドリカルミラーの折リ返し角度 65.6° fθレンズの傾け角度 2° 以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0092】図4は、共役倍率0.33で、fθレンズ
108の傾け角とシリンドリカルミラー111の折り返
し角を変えたときの共役点の湾曲量が変化する様子をプ
ロットしたグラフである。
【0093】選択可能なfθレンズ108の傾け角度
は、正面入射時にレンズ表面で反射した光ビームを感光
ドラム305に至らせない条件や、走査範囲でのビーム
径の均一性を考慮すると、横軸に示した1〜4°の範囲
となる。
【0094】共役倍率が0.33の場合、共役点を湾曲
を完全に補正するには、シリンドリカルミラー111で
の折り返し角度を50°以下にしなければならないが、
図3に示したような画像形成装置301のレイアウトと
なる場合、シリンドリカルミラー111の折り返し角度
が50°を越えるため、 (C/2+Z)×tan(2δ/M)<2.54R…(1) を満足するように設定し、設計上の共役点の湾曲を許容
範囲内で残存させる略補正状態とする。この条件を満足
することにより、被走査面上でのピッチむらが走査線間
隔の1/10以下となリ良好な画像を得ることができ
る。
【0095】なお、ここで、通常の部品加工で得られる
精度を δ : 光偏向器の面倒れ量 120[”] Z : 共役点位置の製造誤差 ±1[mm] とすると、解像度Rが600spiの場合、走査線間隔
の1/10(右辺)は、2.54/600=0.004
23[mm]となる。これに対し、上記条件での被走査
面上での光ビームの到達位置の誤差(左辺)は、0.0
0353(C/2+1)となるから、 C<0.40・・・(7) が良好な画像を得るための必要条件である。シリンドリ
カルミラー111の折り返し角65.6°とfθレンズ
108の傾け角2°では、共役点の湾曲は0.34mm
となり、この条件を溝足する。
【0096】次に、望ましい共役倍率の施囲について説
明する。図5は、面倒れ120秒、共役点位置の製造誤
差±1mmを前提としたときの、共役倍率と許容共役点
湾曲量の関係を示したグラフである。(1)式を満足す
ることにより、シリンドリカルミラー111での折り返
し角が50°以上でも良好な画質を得られることは既に
説明したが、共役点の許容湾曲量は共役倍率が小さくな
るにしたがって小さくなリ、共役倍率0.3以下では良
好な画質を得られる条件がなくなるため、共役倍率M
を、 M>0.3・・・(3) とすることが望ましい。
【0097】次に、高解像度化への対応について説明す
る。図5に示したように(1)式を満足する設定を選ん
だとしても、量大面倒れ量120”、共役点位置の製造
誤差±1mmを前提とすると、対応できる解像度には限
界がある。例えば1200spiで被走査面上での光ビ
ームの到達位置の誤差を走査線間隔の1/10にするこ
とは困難である。
【0098】図6は、部品加工精度を厳しくした、面倒
れ90秒、共役点位置の製造誤差±0.5mmの場合の
共役倍率と許容共役点湾曲量の関係を示したグラフであ
る。部品精度を厳しくすれば共役点湾曲の許容誤差を確
保できるが、部品コストが上がってしまう。
【0099】この問題を解決するために、共役点位置の
製造誤差分を補正する共役点位置調整手段を設ける。第
一の共役点位置調整手段は、第2の結像光学系OP2と
シリンドリカルミラー111の間に設けた副走査方向の
光路調整手段である。例えば、図13に示すような第3
の折り返しミラー110に煽り調整機構150を設ける
ことにより達成可能である。煽り調整機構150には、
調整ねじ150Aが設けられ、この調整ねじ150Aを
回転させることによって第3の折り返しミラー110の
取付角度を調整することができる。
【0100】図1の構成では、シリンドリカルミラー1
11上の副走査方向アライメントを1mm調整すると、
共役点が光軸方向に0.6mm移動するので、煽り調整
を行なうことにより共役点位置を調整して被走査面上で
の光ビームの到達位置の誤差を軽減できる。煽り調整を
行うとシリンドリカルミラー111上での光ビーム位置
は変化するが、この調整移動分を含んだ幅をもつシリン
ドリカルミラー110を配設すればよい。また、シリン
ドリカルミラー111上で光ビームのアライメントを動
かしても、被走査面上では共役関係が働いて副走査方向
のレジ変動は縮少されるため、レジずれという副作用は
発生しない。
【0101】第二の共役点位置調整手段は、光走査装置
と被走査面との距離調整手段である。図7はスペーサ7
02を用いた距離調整手段の実施例である。光走査装置
302と光走査装置の取付け基準面701との間にスペ
ーサ702を設ける。このスペーサ702は、厚さ寸法
が異なる複数のものが予め用意されている。
【0102】まず、基準のスペーサ702を取付けて共
役点位置を測定して、被走査面からの共役点ずれ方向お
よびずれ量を把握する。つづいてずれを補正するスペー
サ702に交換して光走査装置を固定する。
【0103】第三の共役点位置調整手段は、複数異なる
板厚の防塵ガラス112を用意し、共役点のずれ量に応
じ適宜厚さを選択する方法である。図8に基づいて、第
三の共役点位置調整手段の原理を説明する。図8は、行
平面板800を挿入したことによる結像位置変化を説明
する図である。平行平面板800の厚さをd、屈折率を
nとすると、平行平面板800の挿入による結像位置の
変化量△は、(1−1/n)dで表されるから、屈折率
を1.51とすれば、 △=0.34d・・・(8) となる。従って、1mmと2mmの板厚の防塵ガラス1
12を適用し、前記平行平面板800としての機能を持
たせるようにすれば、共役点位置を0.34mm調整で
きる。
【0104】このように、共役点位置調整手段を設ける
ことにより、共役点位置を調整可能となり、部品の加工
精度を厳しくせずに良好な画像を得られるが、調整によ
り主走査方向の倍率が変化するという問題が発生する。
そこで、主走査方向の倍率調整手段を設けて対応する。
例えば、画像信号の駆動周波数を変化させて、主走査方
向の倍率を調整する。駆動周波数の変更方法について
は、従来知られている方法を適宜使用すれば良い。 (変形例)次に、本発明の実施の形態の変形例として、
マルチスポット光源を用いた場合の構成について説明す
る。光走査装置の構成は図1の示したものと同様であ
る。光源は副走査方向に14μm間隔で同一チップ上に
2つの発光点をもち、副走査方向に9倍の倍率をもつ第
一の結像光学系によリ回転多面鏡109の反射近傍に離
間した2つの線像として結像する。回転多面鏡109か
ら被走査面305までを構成する走査光学系の副走査方
向の倍率(共役倍率)を0.33とすると、光源から被
走査面までの間の副走査方向の倍畢は約3倍となり、1
4μm間隔の発光点は被走査面上で42μmのスポット
間隔となって600spiに対応する走査線間隔が得ら
れる。
【0105】このようにマルチビーム光源を用いること
により被走査面上を同時走査することが可能となるが、
図1のような光走査装置により12面の回転多面鏡で2
ビーム走査を行なっても、60枚/分以上の画像出力ス
ピードで1200spiの解像度を得ようとすると、光
偏向品の回転数が35,000rpm以上になってしま
い、信頼性を確保することが難しくなる。
【0106】この問題を解決するため、パルス幅変調と
強度変調を組合わせた画像書き込みのドット制御を行な
い、解像度を維持したまま高画質化する方法が検討され
ている。しかし、強度変調を行なうと光源に要求される
発光量レンジが拡大され、光源は従来よりも広い範囲に
渡って安定して発光する必要がある。また、光源発光量
を変動させる別の要因として光走査装置の光利用効率が
ある。すなわち、レーザダイオード光源の広がり角や、
光学系の透過率、反射率がばらつくと、光源から射出し
た光ビームが感光ドラムに到達する割合が光走査装置毎
にばらつき、このばらつき分も光源の発光量で調整して
被走査面上で規定の照射エネルギーを得ようとすると、
従来の光源では光量可変範囲が不足することになる。
【0107】そこで、第一の結像光学系の光路中に設け
た折り返しミラーを異なる光量減衰率をもつ複数の光量
減衰部材から選択的に搭載することにより、光走査装置
の光利用効率のばらつきを低減して光源の光量可変範囲
に対する負荷を軽減して光量可変範囲の狭い安価な光源
を利用可能とする。または、画像形成に使用する光量可
変範囲を拡大して高画質化を促進する。
【0108】選択使用する光量減衰部材は奇数枚用意
し、設計中央の値をもつ光量減衰部材を搭載して初期調
整を行ない、光源の発光量が規定範囲に入らない場合
は、光量減衰部材を交換することにより、交換頻度を抑
制する。また、調整に際しては、規定の感光ドラム照射
エネルギよりも低い光量で初期調整を行ない、光源の発
光量と感光ドラム上の照射エネルギをモニターして光利
用効率を算出したうえで最適な光量減衰部材を選択搭載
したのち、規定の感光ドラム照射エネルギで光量調整を
行なう。この手順を取ることにより、調整途上で保証出
力の上限を越えて光源を点灯させる問題を回避できる。
【0109】光量減衰部材を選択搭載する折り返しミラ
ーは、光路調整機能を有しない折り返しミラーとする。
折り返しミラーは反射面側を基準面にあてつけて組立て
られているので、調整機能を有しない折り返しミラー、
すなわち基準面が固定されている折り返しミラーを交換
すれば、折り返しミラー交換のよる光路変動を最小に抑
えることができ、光路再調整を発生させない。
【0110】また、光走査装置の画像書き込み開始を制
御する信号を検知する同期検知センサー上では、複数の
ビームを全て点灯する。同期検知センサは感光ドラムよ
りも検知に必要な光量が大きいが、複数点灯することで
検知に必要な光量を得られるので、同期検知センサへ至
る光路面と画像エリアへ至る光路を区別することなくミ
ラー寸法を小さくできる単一の結像光学系の光路上に光
量減衰ミラーを配置できる。
【0111】
【発明の効果】以上説明した如く請求項1及び請求項2
に記載の発明によれば、所定の関係式を溝足する設定と
することにより、シリンドリカルミラーの折り返し角度
を50°以上とした場合でも、被走査面上での副走査方
向の走査位置誤差を、走査線間隔の1/10以下にする
ことができ、良好な画質を得られるレイアウトの自由度
を拡大できる。
【0112】請求項3の発明によれば、共役点湾曲の許
容誤差範囲を大きくできるので、レイアウトの自由度を
拡大できる。
【0113】請求項4乃至請求項7の発明によれば、共
役点位置の製造誤差を補正する共役点位置調整手段をも
つので、共役点湾曲の許容誤差範囲を広げてレイアウト
自由度を拡大したり、許容誤差範囲が狭い高解像度な光
走査装置でも部品加工精度を厳しくすることなく良好な
画質を得られる。
【0114】請求項8の発明によれば、主走査倍率の変
化を補正する倍率調整手段をもつので、共役点位置の調
整に伴って発生する主走査方向の倍率変化を補正でき
る。
【0115】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光走査装置を示す図である。
【図2】 本発明に係る光走査装置図の走査中心に至る
光ビームを含む副走査断面を示した図である。
【図3】 画像形成装置内部のレイアウトを示す図であ
る。
【図4】 共役点の湾曲量変化をプロットしたグラフで
ある。
【図5】 共役倍率と許容共役点湾曲量の関係を示した
グラフである。
【図6】 共役倍率と許容共役点湾曲量の関係を示した
グラフである。
【図7】 スペーサーを用いた距離調整手段の実施例で
ある。
【図8】 平行平面板挿入による結像位置変化を説明す
る図である。
【図9】 先行技術2を説明するための結像光学系の概
略図である。
【図10】 共役倍率を変えて、共役点の湾曲が完全に
補正されるときのシリンドリカルミラーでの折り返し角
を求めてプロットしたグラフである。
【図11】 光偏向器の反射面と被走査面との間の光路
を示した図である。
【図12】 面倒れがある場合の光ビームの光路を模式
的に示した副走査断面の図である。
【図13】 折り返しミラーの煽り調整機構を示す図で
ある。
【符号の説明】
301 画像形成装置 302 光走査装置 305 感光ドラム 101 光源 OP1 第1の結像光学系 OP2 第2の結像光学系 109 回転多面鏡 110 第3の折り返しミラー 111 シリンドリカルミラー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、光源から射出した光ビームを主
    走査対応方向に長い線像として結像させる第1の結像光
    学系と、 前記線像の結像位置又はこの結像位置を含む周辺領域に
    反射面を有する光偏向器と、 主走査方向にのみ収束力を有し前記光偏向器により偏向
    走査された光ビームを主走査方向に結像させる第2の結
    像光学系と、 副走査方向にのみ収束力を有するシリンドリカルミラー
    とを備え、 前記光偏向器の反射面と被走査面とが幾何光学的に略共
    役な関係をなすと共に、シリンドリカルミラーでの折り
    返し角度が50°以上である光走査装置であって、 前記光偏向器への入射光ビームを、偏向範囲の中央方向
    から光偏向器の回転軸に直交する平面に対して副走査方
    向に角度をなして入射させ、前記第2の結像光学系を構
    成するレンズを、主走査対応方向の軸回りに傾けて配置
    し、かつ(1)式を満足することを特徴とする光走査装
    置。 (C/2+Z)×tan(2δ/M)<2.54R・・・(1) ただし、 C:共役点の湾曲量(mm)、 Z:共役点位置の製造誤差(mm)、 δ:光偏向器の最大面倒れ量(°)、 M:共役倍率、 R:副走査方向の解像度(scan/inch)、 である。
  2. 【請求項2】 前記請求項1の光走査装置において、共
    役点位置の製造誤差Zと光偏向器の最大面倒れ量δが定
    量化し、(2)式を満足することを特徴とする光走査装
    置。 (C/2+1)×tan(0.00116/M)<2.54R・・・(2) ただし、 C:共役点の湾曲量(mm)、 M:共役倍率、 R:副走査方向の解像度(scan/inch)、 である。
  3. 【請求項3】 前記(1)式又は(2)式において、共
    役倍率Mが(3)式を満足することを特徴とする前記請
    求項1又は請求項2記載の光走査装置。 M>0.3・・・(3)
  4. 【請求項4】 光源と、光源から射出した光ビームを主
    走査対応方向に長い線像として結像させる第1の結像光
    学系と、 前記線像の結像位置又はこの結像位置を含む周辺領域に
    反射面を有する光偏向器と、 主走査方向にのみ収束力を有し前記光偏向器により偏向
    走査された光ビームを主走査方向に結像させる第2の結
    像光学系と、 副走査方向にのみ収束力を有するシリンドリカルミラー
    とを備え、 前記光偏向器の反射面と被走査面とが幾何光学的に略共
    役な関係をなす光走査装置であって、 前記光偏向器への入射光ビームが、偏向範囲の中央方向
    から光偏向器の回転軸に直交する平面に対して副走査方
    向に角度をなして入射すると共に、前記第2の結像光学
    系を構成するレンズは、主走査対応方向の軸回りに傾け
    て配置されており、(4)式を満足すると共に、被走査
    面に対する共役点位置を調整可能な共役点位置調整手段
    を備えたことを特徴とする光走査装置。 (C/2)×tan(2δ/M)<2.54/R・・・(4) ただし、 C:共役点の湾曲量(mm)、 δ:光偏向器の最大面倒れ量(°)、 M:共役倍率、 R:副走査方向の解像度(scan/inch)、 である。
  5. 【請求項5】 前記共役位置調整手段が、第2の結像光
    学系とシリンドリカルミラーとの間に設けられた副走査
    方向光路調整手段であることを特徴とする請求項4記載
    の光走査装置。
  6. 【請求項6】 前記共役点調整手段が、前記光走査装置
    と被走査面との距離調整手段であることを特徴とする請
    求項4記載の光走査装置。
  7. 【請求項7】 前記共役点位置調整手段が光偏向器と被
    走査面の間に設けられた平行平面板の板厚変更手段であ
    ることを特徴とする請求項4記載の光走査装置。
  8. 【請求項8】 前記主走査方向の走査倍率調整手段を、
    さらに備えたことを特徴とする請求項4乃至請求項7の
    何れか1項記載の光走査装置。
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