JP2000231038A - 光ファイバ接続器 - Google Patents

光ファイバ接続器

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JP2000231038A JP3273199A JP3273199A JP2000231038A JP 2000231038 A JP2000231038 A JP 2000231038A JP 3273199 A JP3273199 A JP 3273199A JP 3273199 A JP3273199 A JP 3273199A JP 2000231038 A JP2000231038 A JP 2000231038A
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Tomohiko Ueda
知彦 上田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバ接続器において、接続器本体の製
造に使用する金型を構成する部材同士の連結精度を低減
し、金型の組み立てを容易に行うことができるようにす
る。 【解決手段】 ベース部材1の長手方向中央部には光フ
ァイバ位置決め部11が設けられ、ベース部材1の長手
方向両端部には、光ファイバ7を光ファイバ位置決め部
11に導く光ファイバガイド部12が設けられている。
光ファイバガイド部12は、光ファイバ心線収納部13
と、この光ファイバ心線収納部13の底部から光ファイ
バ位置決め部11に向かって上方に傾斜したテーパ部1
4と、光ファイバ位置決め部11とテーパ部14との間
に設けられ、凹状に形成された光ファイバ非接触部15
とを有している。テーパ部14の頂上部の底の高さ位置
は光ファイバ位置決め部11の底よりも低くなってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メカニカルスプラ
イス等、接続器本体の光ファイバ位置決め部で光ファイ
バの先端面同士を突き合わせ、クランプ部材により接続
器本体をクランプして両光ファイバを固定する光ファイ
バ接続器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来におけるメカニカルスプライス等の
光ファイバ接続器としては、例えば特開平9−3188
36号公報に記載のものが知られている。この公報に記
載の光ファイバ接続器は、ベース及び蓋体からなる二つ
割り構造の素子と、この素子を内側に挟み込むクランプ
バネとを備えている。ベースの長手方向中央部には、光
ファイバを突き合わせ接続可能に位置決め調心するV溝
が形成され、ベースの長手方向両端部には、V溝と同一
直線上に配置され光ファイバを調心機構に導く光ファイ
バガイド溝が形成されている。また、V溝と光ファイバ
ガイド溝との間には、溝が形成されたテーパ状の導入部
が設けられており、このテーパ状導入部の溝は、V溝側
が当該V溝の調心精度とほぼ等しく、光ファイバガイド
溝側が当該光ファイバガイド溝よりも拡張されている。
【0003】このような光ファイバ接続器により光ファ
イバ同士を接続するときは、まず楔によりベースと蓋体
との間の圧接力を緩めた状態で、素子の両端から光ファ
イバをそれぞれ挿入し、各光ファイバの先端部を光ファ
イバガイド溝に沿ってV溝に押し込み、V溝上で光ファ
イバの先端面同士を突き合わせる。そして、楔を引き抜
き、クランプバネの弾性力で両光ファイバをベースと蓋
体との間に挟み込み、光ファイバ同士の接続状態を維持
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光ファイバ接続器の接
続器本体(上記公報では素子)は、製造コストの観点か
らプラスチック成形により製造することが望ましいとさ
れている。そこで、上記従来技術の光ファイバ接続器の
素子をプラスチック成形で製造しようとした場合、ベー
スの上面部には、V溝、テーパ状導入部の溝、光ファイ
バガイド溝といった寸法の異なる3つの溝が設けられて
おり、一体化した1つの金型でこれらの溝が連続するよ
うにベースを形成するのは困難である。このため、ベー
スを作るための金型を、V溝を有する部分、テーパ状導
入部、光ファイバガイド溝を有する部分に対応する3つ
の部材に分けることが考えられる。
【0005】しかし、この場合には、各金型部材を精度
良く連結しないと、プラスチック成形されたベースにお
いてV溝とテーパ状導入部との間に相対位置ずれが生じ
る。例えば、V溝に対してテーパ状導入部が高いと、光
ファイバ同士を突き合わせた後、クランプバネにより光
ファイバをベースと蓋体との間に挟み込んだときに、光
ファイバが局所的に曲がってしまい、光ファイバが損傷
する可能性がある。また、このとき、光ファイバがテー
パ状導入部で押さえられるため、光ファイバ先端(接続
点)が浮き、接続点が固定されない可能性もある。ま
た、V溝に対してテーパ状導入部が低いと、光ファイバ
をテーパ状導入部の溝に沿ってV溝に押し込むときに、
光ファイバ先端が両者の間に生じた段差に突き当たって
しまい、光ファイバを挿入しにくくなる可能性がある。
さらに、V溝に対してテーパ状導入部が水平方向にずれ
た場合には、上記と同様に、光ファイバが局所的に曲が
ったり、光ファイバを押し込むときに段差に突き当たる
可能性がある。
【0006】以上のような不具合を防止するためには、
金型においてV溝を有する部分に対応する部材とテーパ
状導入部に対応する部材とを極めて精密に連結させる必
要があり、金型の組み立てにかなりの手間がかかる。
【0007】本発明の目的は、接続器本体の製造に使用
する金型を構成する部材同士の連結精度を低減し、金型
の組み立てを容易に行うことができる光ファイバ接続器
を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、接続器本体の長手方向中央部に設けら
れ、光ファイバ心線の先端から露出された光ファイバを
位置決めするための光ファイバ位置決め部と、接続器本
体の長手方向両端部から光ファイバ位置決め部にかけて
設けられ、光ファイバを前記光ファイバ位置決め部に導
くための光ファイバガイド部とを備え、光ファイバ位置
決め部で光ファイバの先端面同士を突き合わせ、クラン
プ部材により接続器本体をクランプして両光ファイバを
固定する光ファイバ接続器において、光ファイバガイド
部は、底部の高さ位置が光ファイバ位置決め部の底部よ
りも低くなっており、光ファイバ心線が収納される光フ
ァイバ心線収納部と、この光ファイバ心線収納部の底部
から光ファイバ位置決め部に向かって上方に傾斜するテ
ーパ部と、光ファイバ位置決め部とテーパ部との間に設
けられ、光ファイバ位置決め部で光ファイバを位置決め
したときに当該光ファイバが接触しないように構成され
た光ファイバ非接触部とを有し、テーパ部における光フ
ァイバ非接触部側端部の底部の高さ位置が光ファイバ位
置決め部の底部よりも低くなっており、かつ、テーパ部
の傾斜角度及び光ファイバ非接触部における接続器本体
の長手方向長さは、光ファイバがテーパ部に置かれたと
きの当該光ファイバの軸線と光ファイバが光ファイバ位
置決め部に置かれたときの当該光ファイバの軸線とが光
ファイバ非接触部の上方で交差するように構成されてい
る。
【0009】このように光ファイバ非接触部を設けるこ
とにより、テーパ部と光ファイバ位置決め部との間にわ
ずかな相対位置ずれが生じていても、光ファイバを光フ
ァイバガイド部に沿って光ファイバ位置決め部に導いた
ときに、光ファイバは光ファイバ非接触部において緩や
かに曲がるようになるため、光ファイバの損傷が防止さ
れる。
【0010】また、テーパガイド部と光ファイバ位置決
め部との間にはこのような光ファイバ非接触部があるた
め、光ファイバを光ファイバガイド部に沿って光ファイ
バ位置決め部に挿入するときに、光ファイバ先端がファ
イバ位置決め部の端面に突き当たることが防止される。
【0011】また、テーパ部における光ファイバ非接触
部側端部の底部の高さ位置を光ファイバ位置決め部の底
部よりも低くすることにより、クランプ部材により接続
器本体をクランプしたときに、光ファイバの垂直方向の
局所曲がりが発生することがなくなり、これにより、光
ファイバの損傷が防止されるとともに、光ファイバ先端
(接続点)が確実に固定される。
【0012】さらに、テーパ部の傾斜角度及び光ファイ
バ非接触部における接続器本体の長手方向長さを上記の
ように構成することにより、光ファイバをテーパ部に沿
って光ファイバ位置決め部に押し込むときに、光ファイ
バ先端がファイバ位置決め部の端面に突き当たることな
く、確実に光ファイバ位置決め用部に導かれる。
【0013】したがって、光ファイバ接続器のプラスチ
ック成形に使用する金型における光ファイバ位置決め部
に対応する部材とテーパ部に対応する部材とを極めて精
密に連結させなくて済み、当該金型の組み立てが容易に
行える。
【0014】上記光ファイバ接続器において、好ましく
は、光ファイバ非接触部は、その底部の高さ位置が光フ
ァイバ位置決め部の底部及びテーパ部における光ファイ
バ非接触部側端部の底部よりも低い凹みである。これに
より、光ファイバ非接触部を簡単に形成することができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる光ファイバ
接続器の好適な実施形態について図面を参照して説明す
る。
【0016】図1は本実施形態の光ファイバ接続器を示
す斜視図であり、図2はその光ファイバ接続器を示す分
解斜視図である。同図において、光ファイバ接続器10
0は、ベース部材1と蓋部材2とからなり、光ファイバ
テープ心線6及びその先端から露出された複数本(ここ
では4本)の光ファイバ7を挟み込むための接続器本体
3と、ベース部材1と蓋部材2とをクランプして光ファ
イバテープ心線6及び光ファイバ7を固定するための3
つの金属製のC型クランプ部材4(4a,4b,4c)
とを備えている。ここで、C型クランプ部材4aはベー
ス部材1と蓋部材2との中央部をクランプするものであ
り、クランプ部材4b,4cはベース部材1と蓋部材2
との端部をクランプするものである。ベース部材1及び
蓋部材2は、共に断面長方形状をなしており、プラスチ
ック成形により作られている。また、ベース部材1の長
手方向両端部には、当該ベース部材1に対して蓋部材2
を位置決めするための断面凹状の壁部1a,1aが設け
られており、ベース部材1における両壁部1a,1a間
の上面に蓋部材2が載置されるようになっている。ここ
で、ベース部材1の両端部の上面に蓋を載せないように
したのは、光ファイバテープ心線6をベース部材1の両
端部から接続器本体3内に挿入しやすくするためであ
る。なお、蓋部材2は、中央蓋部2a及び端蓋部2b,
2cの3つの部分を直列に配置した構成になっている。
【0017】ベース部材1の上面部の幅方向中央部に
は、長手方向に延びる複数(ここでは4個)の溝を含
み、光ファイバテープ心線6及びその先端から露出され
た光ファイバ7が載置される光ファイバ載置部10が設
けられている。また、ベース部材1の上面部における幅
方向一端側の角部の3ヶ所には楔下部挿入部9aが形成
され、蓋部材2の下面部における各楔下部挿入部9aに
対応する位置には楔上部挿入部9bが形成されており、
これら楔下部挿入部9a及び楔上部挿入部9bによりベ
ース部材1と蓋部材2との間を開放するための楔30
(図7参照)が挿入される楔挿入溝9を形成している。
【0018】図3は、本発明の主要部であるベース部材
1に設けられた光ファイバ載置部10を示す斜視図であ
り、図4はその光ファイバ載置部10に光ファイバ7が
載置されている状態を示すベース部材1及び蓋部材2の
垂直方向断面図であり、図5は光ファイバ載置部10に
光ファイバ7が載置されている状態を示すベース部材1
の上面図でる。
【0019】図2〜図5において、ベース部材1の上面
部の長手方向中央部には、当該ベース部材1の長手方向
に延び、光ファイバテープ心線6から露出した4本の光
ファイバ7を調心し位置決めするための4本の光ファイ
バ位置決め用溝(V溝)11aを含む光ファイバ位置決
め部11が設けられている。また、ベース部材1の長手
方向両端部から中央部までの位置には、当該ベース部材
1の長手方向に延び、光ファイバ7を光ファイバ位置決
め用溝11aに案内するための4本の光ファイバガイド
用溝(V溝)12a及びその両側に形成された切欠部1
2bを含む光ファイバガイド部12が設けられている。
【0020】この光ファイバガイド部12は、光ファイ
バテープ心線6が収納される光ファイバ心線収納部13
と、この光ファイバ心線収納部13の光ファイバ位置決
め部11側に光ファイバ心線収納部13に隣接して形成
されたテーパ部14と、光ファイバ位置決め部11とテ
ーパ部14との間に設けられ、光ファイバ7が光ファイ
バ位置決め用溝11aで位置決めされたときに当該光フ
ァイバ7が接触しないように凹状に形成された光ファイ
バ非接触部15とからなっている。
【0021】光ファイバ心線収納部13は、光ファイバ
テープ心線6が収納可能になるようにその幅Wgが光フ
ァイバ位置決め部11の幅Wpよりも切欠部12bの分
だけ広く、かつ当該光ファイバ心線収納部13における
光ファイバガイド用溝12aの底Tsの高さ位置が光フ
ァイバ位置決め用溝11aの底Tpよりも低く形成され
ている。テーパ部14は、光ファイバ心線収納部13の
底Tsから光ファイバ位置決め部11に向かって上方に
傾斜しており、光ファイバ位置決め部11側端部(テー
パ部14の頂上部)における光ファイバガイド用溝12
aの底Ttの高さ位置は、光ファイバ位置決め用溝11
aの底Tpよりも低くなっている。なお、光ファイバ位
置決め用溝11aと光ファイバガイド用溝12aの形状
及び寸法が同じである。
【0022】光ファイバ非接触部15はその底面が平ら
になっており、かつ当該底面Tnの高さ位置は光ファイ
バ位置決め用溝11aの底Tp及びテーパ部14の頂上
部における光ファイバガイド用溝12aの底Ttよりも
低くなっている。このように光ファイバ非接触部15を
凹みとすることにより、当該光ファイバ非接触部15を
成形するための金型の構造が簡単になる。以上におい
て、光ファイバ位置決め部11、光ファイバ心線収納部
13、テーパ部14及び光ファイバ非接触部15で、上
述した光ファイバ載置部10を構成している。そして、
この光ファイバ載置部10に光ファイバテープ心線6及
びその先端から露出された光ファイバ7を載置するとき
は、光ファイバ7の先端を光ファイバガイド用溝12a
に沿って光ファイバ位置決め用溝11aまで挿入しつ
つ、光ファイバ心線収納部13において光ファイバガイ
ド用溝12aを形成する壁の上面に光ファイバテープ心
線6を乗せる。
【0023】図6はテーパ部14の傾斜角度と光ファイ
バ非接触部15の幅(ベース部材1長手方向の長さ)の
関係を示す図である。同図において、テーパ部14の傾
斜角度θと光ファイバ非接触部15の幅Dは、光ファイ
バがテーパ部14の光ファイバガイド用溝12aに載置
されたときの当該光ファイバの軸線(光軸)Jtと光フ
ァイバが光ファイバ位置決め用溝11aに載置されたと
きの光軸Jpの交点Cが、光ファイバ非接触部15の上
方に位置するように設定されている。ここで、光ファイ
バ非接触部15の上方とは、光ファイバ非接触部15に
おける長手方向両端を通り、光ファイバ位置決め用溝1
1aに対して垂直方向上方に延びる2つの面M1、M2
で作られる領域R内での光ファイバ非接触部15の上方
をいう。例えば、光ファイバ非接触部15の幅Dが0.
6mm、光ファイバ位置決め用溝11aの底Tpの高さ
位置とテーパ部14の頂上部における光ファイバガイド
用溝12aの底Ttの高さ位置との差が30μmの場合
には、テーパ部14のテーパ角度は3度以上であるのが
望ましい。
【0024】このように構成することにより、光ファイ
バ7を光ファイバガイド用溝12aに沿って光ファイバ
位置決め用溝11aに向けて押し込んだときに、光ファ
イバ7先端が光ファイバ位置決め部11の端面(凹みで
ある光ファイバ非接触部15の光ファイバ位置決め部1
1側側面)に突き当たることなく、確実に光ファイバ位
置決め用溝11aに乗っかるようになる。
【0025】図4に戻り、蓋部材2の下面部における光
ファイバ心線収納部13に対応する位置には、光ファイ
バテープ心線6の収納を確保できるようにするための光
ファイバ心線収納用溝23が形成され、テーパ部14に
対応する位置には、蓋部材2の長手方向中央部に向かっ
て下方に傾斜したテーパ溝24が形成されている。ま
た、上述した蓋部材2の一部を構成する中央蓋部2a
は、ベース部材1における光ファイバ位置決め部11及
び光ファイバ非接触部15に対応しており、その両端部
にはテーパ溝が形成されている。
【0026】図7は光ファイバ接続器100により光フ
ァイバ同士を接続する手順を示す図である。光ファイバ
同士を接続するときは、まず図7(a)に示すように、
楔挿入溝9に楔30を差し込み、ベース部材1と蓋部材
2との間を開放しておく。
【0027】続いて、図7(b)に示すように、接続器
本体3の長手方向両端から光ファイバテープ心線6を接
続器本体3内に挿入し、その先端から露出された4本の
光ファイバ7を光ファイバガイド用溝12aに沿って押
し込み、当該光ファイバ7を光ファイバ位置決め用溝1
1aに導く(図4参照)。
【0028】光ファイバ位置決め用溝11aで光ファイ
バ7同士の突き合わせが完了したら、図7(c)に示す
ように、楔30を楔挿入溝9から引き抜き、C型クラン
プ部材4の弾性力で光ファイバテープ心線6及び光ファ
イバ7をベース部材1と蓋部材2との間に挟み込んで固
定する。
【0029】次に、以上のように構成した本実施形態の
作用を図8〜図12により説明する。図8は、比較例と
して、従来一般の光ファイバ接続器のベース部材を示し
たものである。同図において、このベース部材50に
は、長手方向端部から中央部にかけて順に、4本の光フ
ァイバガイド用溝53aを含む光ファイバ心線収納部5
3、4本の光ファイバガイド用溝54aを含むテーパ部
54及び4本の光ファイバ位置決め用溝51aを含む光
ファイバ位置決め部51が形成されており、本実施形態
の光ファイバ非接触部は設けられていない。
【0030】前述したように、ベース部材50を作るた
めの金型部品を1つの連続部品で形成するのは困難であ
ることから、光ファイバ位置決め部51、テーパ部5
4、光ファイバ心線収納部53に対応する3つの部分に
分け、これらを連結して1つの金型を形成しようとした
場合、各部分の連結部を精密に連結させないと、プラス
チック成形されたベース部材50に図9に示すような不
具合が生じる。具体的には、図9(a)に示すように光
ファイバ位置決め部51がテーパ部54に対して低くな
ったり、図9(b)に示すように光ファイバ位置決め部
51がテーパ部54に対して高くなったり、図9(c)
に示すように光ファイバ位置決め部51がテーパ部に対
して水平方向にずれてしまう。
【0031】光ファイバ位置決め部51がテーパ部54
に対して低いと、図10に示すように、光ファイバ7を
光ファイバ位置決め用溝51aに挿入してクランプ部材
(図示せず)でベース部材50と蓋部材55をクランプ
したときに、光ファイバ7が垂直方向に局所的に曲がっ
てしまい、光ファイバ7が損傷すると共に、光損失が増
大してしまう可能性がある。また、光ファイバ位置決め
部51がテーパ部54に対して高いと、図11に示すよ
うに、光ファイバ7を光ファイバガイド用溝54aに沿
って光ファイバ位置決め用溝51aに押し込むときに、
光ファイバ7先端が光ファイバ位置決め部51とテーパ
部54間の段差(光ファイバ位置決め部51の端面)に
突き当たってしまい、光ファイバ7を光ファイバ位置決
め用溝51aに挿入しにくくなる可能性がある。さら
に、光ファイバ位置決め部51がテーパ部54に対して
水平方向にずれた場合には、図12に示すように、光フ
ァイバ7を光ファイバガイド用溝54aに沿って光ファ
イバ位置決め用溝51aに押し込んだときに、光ファイ
バ7が水平方向に局所的に曲がってしまう。また、光フ
ァイバ7を光ファイバガイド用溝54aに沿って押し込
むときに、光ファイバ7先端が光ファイバ位置決め部5
1の端面に突き当たる可能性もある。
【0032】これに対し、本実施形態では、テーパ部1
4と光ファイバ位置決め部11との間に光ファイバ非接
触部15を設けたので、上記の不具合を解決することが
できる。
【0033】すなわち、光ファイバ位置決め部11がテ
ーパ部14に対してわずかにずれても、両者の間には光
ファイバ非接触部15があるため、光ファイバ7を光フ
ァイバガイド用溝12aに沿って光ファイバ位置決め用
溝11aに向けて押し込むと、光ファイバ非接触部15
で光ファイバ7が緩やかに曲がることになり(図5参
照)、これにより光ファイバ7の損傷及び光損失を低減
できる。
【0034】また、テーパ部14の傾斜角度θ及び光フ
ァイバ非接触部15の幅Dを、光ファイバがテーパ部1
4の光ファイバガイド用溝12aに載置されたときの光
軸Jtと光ファイバが光ファイバ位置決め用溝11aに
載置されたときの光軸Jpの交点Cが、光ファイバ非接
触部15の上方に位置するように設定したので、光ファ
イバ7を光ファイバ位置決め用溝11aに押し込むとき
に、光ファイバ7先端が光ファイバ位置決め部11の端
面に突き当たることが防止され(図4参照)、これによ
り光ファイバ7を挿入しやすくなる。
【0035】さらに、テーパ部14の頂上部における光
ファイバガイド用溝12aの底の高さ位置を光ファイバ
位置決め用溝11aの底よりも予め低くしたので、光フ
ァイバ7を光ファイバ位置決め用溝11aに挿入した
後、楔30を楔挿入溝9から引き抜いてC型クランプ部
材4でベース部材1と蓋部材2をクランプしたときに、
光ファイバ7が垂直方向に局所曲がりを起こすことはな
くほぼまっすぐに延び(図4参照)、これにより光ファ
イバ7の損傷及び光損失を低減できる。また、このよう
に光ファイバ7の垂直方向の局所曲がりはほとんど起き
ないので、光ファイバ7の接続点が確実に固定される。
【0036】以上のように本実施形態によれば、光ファ
イバ位置決め部11がテーパ部14に対してわずかにず
れても、光ファイバ7先端が光ファイバ位置決め部11
の端面に突き当たることや、光ファイバ7が局所的に曲
がることが無くなるので、金型における光ファイバ位置
決め部11に対応する部分とテーパ部14に対応する部
分とを極めて精密に連結させる必要は無い。したがっ
て、光ファイバ接続器100の製造に使用する金型の組
み立てが容易に行えるようになり、作業性が向上する。
【0037】なお、本実施形態では、光ファイバ非接触
部15を構成する凹みを底面が平らになるようにした
が、その凹みの形状は特にこれに限られず、例えば断面
V字状や曲面になるようにしてもよい。また、テーパ部
14の最上部の形状は、エッジ状、平面状、R形状のい
ずれであっても構わない。
【0038】また、本実施形態では、光ファイバテープ
心線6の先端から露出された複数本の光ファイバ7同士
を接続するための光ファイバ接続器について説明してき
たが、光ファイバ心線から露出された1本の光ファイバ
同士を接続するものにも適用できる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、テーパ部と光ファイバ
位置決め部との間にわずかな相対位置ずれが生じていて
も、光ファイバをテーパ部に沿って光ファイバ位置決め
部に導くときに、光ファイバが局所的に曲がったり、光
ファイバ先端がその位置ずれにより生じた段差に突き当
たることが無くなる。また、クランプ部材により接続器
本体をクランプしたときに、光ファイバの接続点が確実
に固定される。したがって、光ファイバ接続器の製造に
使用する金型同士の連結精度を低減することができ、当
該金型の組み立てが容易に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による光ファイバ接続
器を示す斜視図である。
【図2】図1に示す光ファイバ接続器を示す分解斜視図
である。
【図3】図2に示すベース部材を示す斜視図である。
【図4】図2に示すベース部材の光ファイバ位置決め部
に光ファイバを挿入したときの状態を示すベース部材及
び蓋部材の垂直方向の要部断面図である。
【図5】図2に示すベース部材の光ファイバ位置決め部
に光ファイバを挿入したときの状態を示す要部上面図で
ある。
【図6】図4に示すテーパ部の傾斜角度と光ファイバ非
接触部の幅との関係を示す図である。
【図7】図1に示す光ファイバ接続器により光ファイバ
同士を接続する手順を示す図である。
【図8】従来における光ファイバ接続器のベース部材の
一例を示す斜視図である。
【図9】図8に示すベース部材のテーパ部と光ファイバ
位置決め部との間に位置ずれが生じている様子を示す図
である。
【図10】図9(a)に示す場合に生じる不具合を示す
ベース部材及び蓋部材の垂直方向の要部断面図である。
【図11】図9(b)に示す場合に生じる不具合を示す
ベース部材及び蓋部材の垂直方向の要部断面図である。
【図12】図9(c)に示す場合に生じる不具合を示す
ベース部材及び蓋部材の要部上面図である。
【符号の説明】
1…ベース部材、2…蓋部材、3…接続器本体、4…ク
ランプ部材、6…光ファイバテープ心線、7…光ファイ
バ、11…光ファイバ位置決め部、11a…光ファイバ
位置決め用溝、12…光ファイバガイド部、12a…光
ファイバガイド用溝、13…光ファイバ心線収納部、1
4…テーパ部、15…光ファイバ非接触部、100…光
ファイバ接続器。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接続器本体の長手方向中央部に設けら
    れ、光ファイバ心線の先端から露出された光ファイバを
    位置決めするための光ファイバ位置決め部と、前記接続
    器本体の長手方向両端部から前記光ファイバ位置決め部
    にかけて設けられ、前記光ファイバを前記光ファイバ位
    置決め部に導くための光ファイバガイド部とを備え、前
    記光ファイバ位置決め部で前記光ファイバの先端面同士
    を突き合わせ、クランプ部材により前記接続器本体をク
    ランプして前記両光ファイバを固定する光ファイバ接続
    器において、 前記光ファイバガイド部は、底部の高さ位置が前記光フ
    ァイバ位置決め部の底部よりも低くなっており、前記光
    ファイバ心線が収納される光ファイバ心線収納部と、こ
    の光ファイバ心線収納部の底部から前記光ファイバ位置
    決め部に向かって上方に傾斜するテーパ部と、前記光フ
    ァイバ位置決め部と前記テーパ部との間に設けられ、前
    記光ファイバ位置決め部で前記光ファイバを位置決めし
    たときに当該光ファイバが接触しないように構成された
    光ファイバ非接触部とを有し、 前記テーパ部における前記光ファイバ非接触部側端部の
    底部の高さ位置が前記光ファイバ位置決め部の底部より
    も低くなっており、かつ、 前記テーパ部の傾斜角度及び前記光ファイバ非接触部に
    おける前記接続器本体の長手方向長さは、前記光ファイ
    バが前記テーパ部に置かれたときの当該光ファイバの軸
    線と前記光ファイバが前記光ファイバ位置決め部に置か
    れたときの当該光ファイバの軸線とが前記光ファイバ非
    接触部の上方で交差するように構成されていることを特
    徴とする光ファイバ接続器。
  2. 【請求項2】 前記光ファイバ非接触部は、その底部の
    高さ位置が前記光ファイバ位置決め部の底部及び前記テ
    ーパ部における前記光ファイバ非接触部側端部の底部よ
    りも低い凹みであることを特徴とする請求項1記載の光
    ファイバ接続器。
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