JP2000231017A - ホログラム光学素子及びその製造方法 - Google Patents

ホログラム光学素子及びその製造方法

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JP2000231017A
JP2000231017A JP11033259A JP3325999A JP2000231017A JP 2000231017 A JP2000231017 A JP 2000231017A JP 11033259 A JP11033259 A JP 11033259A JP 3325999 A JP3325999 A JP 3325999A JP 2000231017 A JP2000231017 A JP 2000231017A
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JP
Japan
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photosensitive
optical element
layer
photosensitive layer
hologram optical
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JP11033259A
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Hiroshi Takegawa
洋 武川
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Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/04Processes or apparatus for producing holograms
    • G03H1/0402Recording geometries or arrangements
    • G03H2001/043Non planar recording surface, e.g. curved surface
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H2260/00Recording materials or recording processes
    • G03H2260/12Photopolymer

Landscapes

  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 互いに異なる成分又は成分比をもち、感度ス
ペクトルの異なる複数の感光層を、3次元曲率をもつホ
ログラム基板上でも均一に形成することができる。 【解決手段】 少なくとも2種類以上の感光材料を、基
板上に順次噴霧することにより、少なくとも2層以上の
感光層を上記基板上に積層形成する工程を有し、上記少
なくとも2種類以上の感光材料は、それぞれ異なるレー
ザ波長帯域に対して感光作用をもつ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、曲面基板上に複数
の感光層を備えたホログラム光学素子及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】図19に示すように、従来のホログラム
光学素子100は、例えば約50μm厚のポリエチレン
テレフタレートフィルムからなるベースフィルム101
上に、感光材料を含有する感光層102が、例えば約2
0μmの厚みに形成され、当該感光層102は、例えば
約25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムか
らなるカバーフィルム103によって覆われた構成とさ
れている。
【0003】ここで、上記感光層102中に含有される
感光材料は、ある限られた波長領域に対してのみ感度を
有している。従って、例えば赤、緑、青色のレーザ光を
用いてホログラム光学素子100を露光し、カラーホロ
グラム等のカラー画像又は多波長対応ホログラフィック
光学素子を作製しようとすると、それぞれの波長に対し
て感度を持つ複数のホログラム光学素子100を張り合
わせて構成しなくてはならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この場
合、それぞれのホログラム光学素子は、通常、隣り合う
露光用レーザ波長に対しても感度をもっているため、多
波長同時露光または途中に定着プロセスを介さない多波
長順次露光によってカラーホログラムを作製しようとす
ると、ひとつの感光層に複数の波長による干渉縞が記録
されてしまい、各色のホログラムの回折効率が劣化して
しまう。これを防止するには、各色用のホログラム光学
素子毎に露光、定着を行ってからそれぞれのホログラム
光学素子を張り合わせるということをしなくてはなら
ず、製造工程が煩雑になるばかりでなく、ホログラム光
学素子の露光時の高精度な位置再現性が必要になり、製
造装置の高コスト化にもつながる。
【0005】一方、近年、可視光全域に対して感度を有
する感光材料が開発されているが、この場合、多波長同
時露光または途中に定着プロセスを介さない多波長順次
露光は可能であるが、屈折率変調度が、単一波長露光に
よって作製されるホログラムの屈折率変調度に比べ、そ
の露光波長の個数分の1程度に低下してしまうという問
題がある。たとえば、フォトポリマを感光材料として用
いた典型的なホログラム光学素子においては、単色露光
にて作製されたホログラムの屈折率変調度が0.04で
あるのに対し、赤色、青色及び緑色の3色露光により作
製されたカラーホログラムにおいては、各色毎の屈折率
変調度は0.01程度に低下してしまう。ここで、ホロ
グラムの回折効率すなわち明るさは、この屈折率変調度
に大きく依存しており、この値が大きいほど回折効率も
大きくなる。
【0006】また、これらのホログラム光学素子は、液
体状のホログラム感光材料を例えばスピンコート法によ
り基板上に塗布して感光層を形成するか、或いは、予め
フィル状になっているホログラム感光材料を、粘着層等
により基板上に張り付けることにより感光層が形成され
る。
【0007】ところが、感光層を形成する基板が、3次
元曲率を有する曲面基板である場合、上述したような方
法では、感光層を均一に基板上に形成することが困難に
なる。つまり、スピンコート法では、液体状のホログラ
ム感光材料を曲面基板上に均一に塗布することが難し
い。また、フィルム状のホログラム感光材料を3次元曲
面上に沿わせることはほとんど不可能である。
【0008】ところで、上記ホログラムをホログラムレ
ンズのようなホログラフィック光学素子として用いるよ
うな場合、その収差特性は、基板の形状に大きく左右さ
れる。そこで、その収差特性上、基板に3次元的な曲率
をもたせた方が有利な場合があり、このとき上述のよう
なスピンコート法あるいはフィルムの張り合わせによる
方法では、これを実現することは非常に難しい。
【0009】本発明は、上述したような従来の実情に鑑
みて提案されたものであり、互いに異なる成分又は成分
比をもち、感度スペクトルの異なる複数の感光層を、3
次元曲率をもつホログラム基板上でも均一に形成するこ
とができるホログラム光学素子及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のホログラム光学
素子は、曲率を有する基板と、上記基板の曲率を有する
主面上に形成された少なくとも2層以上の感光層とを有
し、上記少なくとも2層以上の感光層は、それぞれ異な
るレーザ波長帯域に対して感光作用をもつことを特徴と
する。
【0011】上述したような本発明に係るホログラム光
学素子では、それぞれ異なるレーザ波長帯域に対し感光
作用をもつ少なくとも2層以上の感光層を有しているの
で、レーザ波長帯域に応じた干渉縞が、それぞれの感光
層に形成される。
【0012】また、本発明のホログラム光学素子の製造
方法は、少なくとも2種類以上の感光材料を、基板上に
順次噴霧することにより、少なくとも2層以上の感光層
を上記基板上に積層形成する工程を有し、上記少なくと
も2種類以上の感光材料は、それぞれ異なるレーザ波長
帯域に対して感光作用をもつことを特徴とする。
【0013】上述したような本発明に係るホログラム光
学素子の製造方法では、感光材料を基板上に噴霧するこ
とにより、感光層を基板上に形成しているので、上記基
板表面が3次元曲面である場合にも、均一に上記感光層
を形成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0015】図1に、本発明により製造されるホログラ
ム光学素子の一構成例を示す。このホログラム光学素子
1は、例えばカラーホログラムを作製する際に好適な光
学素子であり、曲面基板2上に、赤色用感光層3と、バ
リア層4と、青色用感光層5と、バリア層6と、緑色用
感光層7と、保護層8とがこの順に積層形成されてい
る。
【0016】曲面基板2は、ガラス、プラスチック等よ
りなり、その表面が3次元曲率を有する曲面とされてい
る。
【0017】赤色、青色及び緑色用感光層3,5,7
は、それぞれ、増感色素(photoseisitizing dye)、反
応開始剤(initiator)、連鎖移動作用剤(chain trans
fer agent)、モノマ、高分子バインダ等を含有するフ
ォトポリマから構成されている。そして、これら赤色、
青色及び緑色用感光層3,5,7の厚さは数μm〜数十
μm程度であり、具体的には、例えばそれぞれ15μm
とされている。
【0018】そして、赤色用感光層3は、約600〜7
00nmの波長帯域においてのみ十分な感度をもつよう
に、増感色素や反応開始剤が含有されており、青色用感
光層5は、約400〜480nmの波長帯域においての
み十分な感度をもつように、増感色素や反応開始剤が含
有されている。また、緑色用感光層7は、約500〜5
50nmの波長帯域においてのみ十分な感度をもつよう
に、増感色素や反応開始剤が含有されている。
【0019】従って、このホログラム光学素子1を波長
647nmのKrガスレーザで露光した場合には、赤色
用感光層3のみが感光し、他の青色用感光層5及び緑色
用感光層7は感光しない。また、ホログラム光学素子1
を波長532nmのYAGレーザの2次高調波を利用し
たレーザで露光した場合には、緑色用感光層7のみが感
光し、他の赤色用感光層3及び青色用感光層5は感光し
ない。また、ホログラム光学素子1を波長477nmの
Arガスレーザで露光した場合には、青色用感光層5の
みが感光し、他の赤色用感光層3及び緑色用感光層7は
感光しない。
【0020】そして、バリア層4,6は、赤色、青色及
び緑色用感光層3,5,7の間での、フォトポリマ分子
の移動を抑制するためのもので、その厚さは、赤色、青
色及び緑色用感光層3,5,7の厚みよりも薄く、例え
ば約5μmとされている。フォトポリマ分子が各色用感
光層3,5,7の間で移動してしまうと、屈折率変調度
が低下し、高い回折効率が得られない。赤色、青色及び
緑色用感光層3,5,7の間にバリア層4,6を設ける
ことで、フォトポリマ分子の移動を抑制し、高い回折効
率を得ることができる。
【0021】このバリア層4,6には、無色透明であり
フォトポリマー感光層間の分子の移動を抑制するような
材質、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリメチル
メタクリレート、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂
等を用いることができる。
【0022】保護層8には、無色透明であり、感光層、
バリア層を空気中の湿度から守るような、防湿効果の高
い材質、例えばポリエチレンテレフタレート、アクリル
樹脂等が用いられる。また、この保護層8の厚みは数十
μm程度であり、具体的には、例えば25μmの厚みと
されている。
【0023】つぎに、このようなホログラム光学素子1
に対して露光を行う際の、位相変調による干渉縞の形成
メカニズムについて、図面を参照しながら説明する。こ
こで、図2は、カラー露光システムの光学系を模式的に
示した図である。
【0024】図2に示すように、このカラー露光システ
ムは、所定の波長のレーザ光を出射するレーザ光源と、
レーザ光源からのレーザ光の光軸上に配された可変ビー
ムスプリッタとを備えている。可変ビームスプリッタ
は、レーザ光源から出射されたレーザ光を、参照光と物
体光とに分離するためのものである。ここで、レーザ光
源としては、緑色用レーザ光源として波長532nmの
YAGレーザ10が用いられる。また、青色用レーザ光
源としては波長477nmのArレーザ11が用いら
れ、赤色用レーザ光源としては波長647nmKrレー
ザ12が用いられる。
【0025】そして、YAGレーザ10から出射した緑
色レーザGは、全反射ミラー13によって全反射され、
可変ビームスプリッタ14に入射する。ここで、可変ビ
ームスプリッタ14によって反射された光が参照光G1
となり、可変ビームスプリッタを透過した光が物体光G
2となる。
【0026】また、Arレーザ11から出射した青色レ
ーザBは、全反射ミラー15によって全反射され、可変
ビームスプリッタ16に入射する。ここで、可変ビーム
スプリッタ16によって反射された光が参照光B1とな
り、可変ビームスプリッタを透過した光が物体光B2と
なる。
【0027】また、Krレーザ12から出射した赤色レ
ーザRは、全反射ミラー17によって全反射され、可変
ビームスプリッタ18に入射する。ここで、可変ビーム
スプリッタ18を透過した光が参照光R1となり、可変
ビームスプリッタ18によって反射された光が物体光R
2となる。
【0028】可変ビームスプリッタ14,16,18に
よって分離された各色毎の参照光G1,B1,R1は、
ダイクロイックミラー19,20によって色合成され
る。そして色合成された参照光L1は、参照光用のビー
ム整形光学系21を介して、ホログラム基板30上に配
されたホログラム光学素子1に入射する。なお、この参
照光の光路中には、当該参照光の進行方向を変えるため
の全反射ミラー22,23,24が配されている。
【0029】一方、可変ビームスプリッタ14,16,
18によって分離された各色毎の物体光G2,B2,R
2は、ダイクロイックミラー25,26によって色合成
される。そして色合成された物体光L2は、物体光用の
ビーム整形光学系27を介して、ホログラム光学素子1
に入射する。なお、これら物体光の光路中には、当該物
体光の進行方向を変えるための全反射ミラー28、29
が配されている。
【0030】ここで、参照光L1及び物体光L2は、参
照光L1がホログラム光学素子1の一方の主面に入射
し、物体光L2がホログラム光学素子1の他方の主面に
入射するようにする。すなわち、ホログラム光学素子1
の一方の主面に、参照光L1を所定の入射角度にて入射
させるとともに、ホログラム光学素子1の他方の主面
に、物体光L2をホログラム光学素子1に対して光軸が
ほぼ垂直となるように入射させる。これにより、参照光
L1と物体光L2とがホログラム光学素子1の感光層
3,5,7上において干渉し、参照光L1と物体光L2
との干渉によって生じる干渉縞が、ホログラム光学素子
1の感光層に屈折率の変化として記録される。
【0031】すなわち、図3に示すように、初期状態に
おいて高分子バインダ31中にモノマ32が均一に分散
されてなるフォトポリマに対して、所定以上のエネルギ
ーを有する光La(すなわち、参照光と物体光とによる
干渉縞の明るい部分に相当する。)が照射されると、図
4に示すように、照射された光Laのエネルギーに応じ
て、露光された部分のモノマ32が重合する。そして、
モノマ32が重合する結果、モノマ32の濃度が場所に
よって変化することとなる。モノマ32と高分子バイン
ダ31とは屈折率が異なるため、ここに屈折率変調によ
る干渉縞の記録がなされ、露光が完了する。
【0032】この後、図5に示すように、紫外線Lbを
照射されることにより残存モノマが重合し、モノマ32
の重合が完了し、屈折率変調度が増加されるとともに、
この屈折率変調が定着する。続いて、例えば120℃で
2時間の熱処理を施すことにより、屈折率変調度が増幅
され、ホログラム作製が終了する。この場合の屈折率変
調度の増加は0.02〜0.04程度である。
【0033】ところで、光子のエネルギー(hν)によ
りモノマの光重合が発生するプロセスは、フォトポリマ
を構成している増感色素(photosensitizing dye)や反
応開始剤に大きく依存している。すなわち、以下に示す
ように、まず増感色素(Dye)が光子エネルギー(h
ν)を吸収し電気的に励起された状態になる(式1)。
続いてこの励起状態の増感色素(Dye)が反応開始
剤を構成している基(radical)の分解を促進し(式
2)、最後に、この基と連鎖移動作用剤(chain transf
er agent)とがモノマに作用し、光重合を発生させポリ
マ化させる(式3)。
【0034】 Dye → Dye* (式1) Dye* + initiator → radical (式2) radical + chain transfer agent + monomer → polymer (式3) これにより、フォトポリマ中の増感色素や反応開始剤の
種類や成分比をコントロールすることにより、赤色、青
色及び緑色用感光層3,5,7の感光波長帯域を制御で
きることになる。
【0035】そして、上述したようなホログラム光学素
子1を用いることで、赤色、緑色及び青色の多波長同時
露光による方法又は多波長順次露光による方法によって
も、それぞれ独立した赤色、青色及び緑色用感光層3,
5,7に、赤色、青色及び緑色の干渉縞がそれぞれ記録
されるため、高い回折効率を有するカラーホログラムを
作製することができる。
【0036】上述したようなホログラム光学素子1は、
いわゆる厚いホログラムを作製する際に特に好適であ
る。ここで、いわゆる厚いホログラムとは、干渉縞の間
隔が、感光層3,5,7の厚さに比べて小さいホログラ
ムであり、入射光束を回折反射する際に、この入射光束
の波長並びに入射角度に対して選択性をもつ。
【0037】すなわち、無限に厚いホログラムにおいて
は、再生(回折)のための入射光はその製造光束と同一
の波長、同一の入射角の場合にのみ再生(回折)が行わ
れ、その他の波長もしくは入射角の場合には再生(回
折)は行われず、0次光(つまり回折されずにホログラ
ムを透過してくる光束)が発生するのみである。
【0038】つまり、厚いホログラムでは、ホログラム
再生光源として広帯域なスペクトルをもつ光源を用いて
も単一波長による再生が可能であり、薄いホログラムの
再生時にみられるような回折角度の波長依存性は現れ
ず、原理的に色ずれのないカラー(多波長)再生が可能
である。
【0039】つぎに、上述したようなホログラム光学素
子1の製造方法について説明する。本方法では、ホログ
ラム感光材料を噴霧することにより、曲面基板2上にホ
ログラム感光層を形成する。
【0040】図6及び図7に、本発明を適用してホログ
ラム光学素子1を製造する際に用いられる噴霧装置の一
構成例を示す。この噴霧装置40は、略円盤状のリボル
バ41と、リボルバ41にそれぞれ取り付けられた赤色
感光材料噴霧ノズル42と、青色感光材料噴霧ノズル4
3と、緑色感光材料噴霧ノズル44と、バリア層料噴霧
ノズル45と、保護層料噴霧ノズル46とを備えてい
る。そして、リボルバ41は支持部材47に支持されて
おり、この支持部材47を回転軸として例えば図中矢印
方向に回転可能となされている。
【0041】そして、赤色感光材料噴霧ノズル42に
は、図示しない赤色感光材料供給管を介して、図示しな
い赤色感光材料タンクが接続されている。この赤色感光
材料タンクには、赤色感光材料が溜められている。ま
た、青色感光材料噴霧ノズル43には、図示しない青色
感光材料供給管を介して、図示しない青色感光材料タン
クが接続されている。この青色感光材料タンクには、青
色感光材料が溜められている。また、緑色感光材料噴霧
ノズル44には、図示しない緑色感光材料供給管を介し
て、図示しない緑色感光材料タンクが接続されている。
この緑色感光材料タンクには、緑色感光材料が溜められ
ている。
【0042】ここで、上記の赤色感光材料、青色感光材
料及び緑色感光材料は、それぞれ、増感色素、反応開始
剤、連鎖移動作用剤、モノマ、高分子バインダ等を含有
するフォトポリマから構成されている。
【0043】そして、赤色感光材料は、約600〜70
0nmの波長帯域においてのみ十分な感度をもつよう
に、増感色素や反応開始剤が含有されており、青色感光
材料は、約400〜480nmの波長帯域においてのみ
十分な感度をもつように、増感色素や反応開始剤が含有
されている。また、緑色感光材料は、約500〜550
nmの波長帯域においてのみ十分な感度をもつように、
増感色素や反応開始剤が含有されている。
【0044】また、バリア層料噴霧ノズル45には、図
示しないバリア層材料供給管を介して、図示しないバリ
ア層材料タンクが接続されている。このバリア層材料タ
ンクには、バリア層材料が溜められている。ここで、バ
リア層材料には、無色透明であり感光層間の分子の移動
を抑制するような材質、例えばポリエチレンテレフタレ
ート、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコー
ル、アクリル樹脂等を用いることができる。
【0045】また、保護層料噴霧ノズル46には、図示
しない保護層材料供給管を介して、図示しない保護層材
料タンクが接続されている。この保護層材料タンクに
は、保護層材料が溜められている。ここで、保護層材料
には、無色透明であり、感光層、バリア層を空気中の湿
度から守るような、防湿効果の高い材質、例えばポリエ
チレンテレフタレート、アクリル樹脂等が用いられる。
【0046】つぎに、上述したような噴霧装置40を用
いて、ホログラム光学素子1を製造する際の工程につい
て説明する。
【0047】まず、曲面基板2上に赤色感光層を形成す
る。
【0048】曲面基板2上に赤色感光層を形成するに
は、まず、図6及び図7に示すように、リボルバ41を
回転させて、赤色感光材料噴霧ノズル42を曲面基板2
のほぼ真上に配する。次に、赤色感光材料を、赤色感光
材料タンクから赤色感光材料供給管を介して、赤色感光
材料噴霧ノズル42に供給する。そして、赤色感光材料
噴霧ノズル42から赤色感光材料を曲面基板2上に噴霧
することにより、赤色感光層3が曲面基板2上に形成さ
れる。赤色感光層3の厚さは、具体的には例えば15μ
m程度とする。
【0049】次に、赤色感光層3上にバリア層4を形成
する。
【0050】赤色感光層3上にバリア層4を形成するに
は、まず、図8及び図9に示すように、リボルバ41を
回転させて、バリア層料噴霧ノズル45を曲面基板2の
ほぼ真上に位置させる。次に、バリア層材料を、バリア
層材料タンクからバリア層材料供給管を介して、バリア
層料噴霧ノズル45に供給する。そして、バリア層料噴
霧ノズル45からバリア層材料を赤色感光層3上に噴霧
することにより、バリア層4が赤色感光層3上に形成さ
れる。バリア層4の厚さは、具体的には例えば5μm程
度とする。
【0051】次に、バリア層4上に青色感光層5を形成
する。
【0052】バリア層4上に青色感光層5を形成するに
は、まず、図10及び図11に示すように、リボルバ4
1を回転させて、青色感光材料噴霧ノズル43を曲面基
板2のほぼ真上に位置させる。次に、青色感光材料を、
青色感光材料タンクから青色感光材料供給管を介して青
色感光材料噴霧ノズル43に供給する。そして、青色感
光材料噴霧ノズル43から青色感光材料をバリア層4上
に噴霧することにより、青色感光層5がバリア層4上に
形成される。青色感光層5の厚さは、具体的には例えば
15μm程度とする。
【0053】次に、青色感光層5上にバリア層6を形成
する。
【0054】青色感光層5上にバリア層6を形成するに
は、まず、図12及び図13に示すように、リボルバ4
1を回転させて、バリア層料噴霧ノズル45を曲面基板
2のほぼ真上に位置させる。次に、バリア層材料を、バ
リア層材料タンクからバリア層材料供給管を介してバリ
ア層料噴霧ノズル45に供給する。そして、バリア層料
噴霧ノズル45からバリア層材料を青色感光層5上に噴
霧することにより、バリア層6が青色感光層5上に形成
される。バリア層6の厚さは、具体的には例えば5μm
程度とする。
【0055】次に、バリア層6上に緑色感光層7を形成
する。
【0056】バリア層6上に緑色感光層7を形成するに
は、まず、図14及び図15に示すように、リボルバ4
1を回転させて、緑色感光材料噴霧ノズル44を曲面基
板2のほぼ真上に位置させる。次に、緑色感光材料を、
緑色感光材料タンクから緑色感光材料供給管を介して緑
色感光材料噴霧ノズル44に供給する。そして、緑色感
光材料噴霧ノズル44から緑色感光材料をバリア層6上
に噴霧することにより、緑色感光層7がバリア層6上に
形成される。緑色感光層7の厚さは、具体的には例えば
15μm程度とする。
【0057】次に、緑色感光層7上に保護層8を形成す
る。
【0058】緑色感光層7上に保護層8を形成するに
は、まず、図16及び図17に示すように、リボルバ4
1を回転させて、保護層料噴霧ノズル46を曲面基板2
のほぼ真上に位置させる。次に、保護層材料を、保護層
材料タンクから保護層材料供給管を介して、保護層料噴
霧ノズル46に供給する。そして、保護層料噴霧ノズル
46から保護層材料を緑色感光層7上に噴霧することに
より、保護層8が緑色感光層7上に形成される。保護層
8の厚さは、具体的には例えば25μm程度とする。
【0059】以上のようにして、曲面基板2上に、赤色
用感光層3と、バリア層4と、青色用感光層5と、バリ
ア層6と、青色用感光層7と、保護層8とがこの順に積
層形成されて、図1に示したようなホログラム光学素子
1が作製される。
【0060】上述したような、ホログラム光学素子1を
構成する各層の材料を噴霧することで、曲面基板2の表
面が3次元曲面を有するような場合であっても、上記各
層の材料を均一に、安定して曲面基板2上に被着させる
ことができ、光学特性に優れたホログラム光学素子1を
得ることができる。
【0061】なお、上述した説明では、バリア層料噴霧
ノズル45と、保護層料噴霧ノズル46とを別個に設け
た場合を例に挙げて説明したが、保護層材料として、バ
リア層材料と同一のものを用いる場合には、保護層料噴
霧ノズル46を設けずに、バリア層料噴霧ノズル45
を、保護層料噴霧ノズル46として兼用することもでき
る。
【0062】また、上述した実施の形態では、3次元曲
率を有する曲面基板2を用いてホログラム光学素子1を
作製する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、表面が略平坦な基板又はベー
スフィルムを用いてホログラム光学素子を作製する場合
にも、もちろん適用可能である。
【0063】なお、上述した実施の形態では、赤色、青
色及び緑色用感光層3,5,7の厚みがすべて同じとさ
れたホログラム光学素子1を例に挙げて説明したが、各
色用感光層3,5,7の厚みを異なるものとしてもよ
い。赤色、青色及び緑色用感光層3,5,7の厚さは、
回折効率の最大値及び回折スペクトルの帯域に影響し、
定性的には、赤色、青色及び緑色用感光層3,5,7の
厚さが厚いほど回折効率の最大値は増加し、回折スペク
トルの帯域は減少する。
【0064】従って、赤色、青色及び緑色用感光層3,
5,7の厚さをコントロールし、再生光源のスペクトル
に合わせた回折スペクトル帯域をもたせることで、光利
用効率を上げることが可能となる。例えば、図18のス
ペクトルに示すように、赤色のバンド幅が比較的広い再
生光源を用いる場合、赤色用感光層3の厚さを、青色用
感光層5及び緑色用感光層7に比べて薄くする。具体的
には、青色用感光層5及び緑色用感光層7の厚さが15
μmとされている場合、赤色用感光層3の厚さを、例え
ば7μmとする。
【0065】また、上述した実施の形態では、ホログラ
ム光学素子1を露光する際に、赤色、青色及び緑色の光
を色合成して一度に照射してホログラム光学素子1を露
光する多波長同時露光を例に挙げて説明したが、赤色、
青色及び緑色の光をそれぞれ単独に順次照射する多波長
順次露光によっても、ホログラム光学素子1を露光する
ことができる。この場合、各色の露光工程の間に定着工
程を介さなくても、明るく高回折効率のカラーホログラ
ムを得ることができる。
【0066】
【発明の効果】本発明では、層構成材料を噴霧すること
により、3次元曲面を有する基板上であっても、各構成
層が基板全面に亘って均一の厚みに形成されたホログラ
ム光学素子を得ることができる。
【0067】さらに本発明では、各露光波長に対して独
立して感光作用をもつ複数のホログラム感光層を曲面基
板上に形成することにより、多波長同時露光又は定着工
程を伴わない多波長順次露光によっても明るく高回折効
率なホログラムが得られるホログラム光学素子を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホログラム光学素子の一構成例を示す
断面図である。
【図2】ホログラム光学素子を露光するカラー露光シス
テムの光学系の一例を示した模式図である。
【図3】位相変調による干渉縞の記録原理を説明する図
であり、モノマが高分子バインダ中に分散されている状
態を示す模式図である。
【図4】位相変調による干渉縞の記録原理を説明する図
であり、干渉縞の明暗に応じてモノマが移動した状態を
示す模式図である。
【図5】位相変調による干渉縞の記録原理を説明する図
であり、紫外線を照射して残存モノマを光重合させた状
態を示す模式図である。
【図6】ホログラム光学素子を製造する際に用いられる
噴霧装置の一例を模式的に示す平面図である。
【図7】図7に示される噴霧装置の側面図である。
【図8】ホログラム光学素子の製造方法を説明する図で
あり、赤色感光層上にバリア層を形成する状態を示す平
面図である。
【図9】図8を側面から見た状態を示す側面図である。
【図10】ホログラム光学素子の製造方法を説明する図
であり、バリア層上に青色感光層を形成する状態を示す
平面図である。
【図11】図10を側面から見た状態を示す側面図であ
る。
【図12】ホログラム光学素子の製造方法を説明する図
であり、青色感光層上にバリア層を形成する状態を示す
平面図である。
【図13】図12を側面から見た状態を示す側面図であ
る。
【図14】ホログラム光学素子の製造方法を説明する図
であり、バリア層上に緑色感光層を形成する状態を示す
平面図である。
【図15】図14を側面から見た状態を示す側面図であ
る。
【図16】ホログラム光学素子の製造方法を説明する図
であり、緑色感光層上に保護層を形成する状態を示す平
面図である。
【図17】図16を側面から見た状態を示す側面図であ
る。
【図18】再生光源の波長帯域の一例を示すスペクトル
図である。
【図19】従来のホログラム感光フィルムの一構成例を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 ホログラム光学素子、 2 基板、 3 赤色用感
光層、 4,6 バリア層、 5 青色用感光層、 7
緑色用感光層、 8 カバーフィルム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曲率を有する基板と、 上記基板の曲率を有する主面上に形成された少なくとも
    2層以上の感光層とを有し、 上記少なくとも2層以上の感光層は、それぞれ異なるレ
    ーザ波長帯域に対して感光作用をもつことを特徴とする
    ホログラム光学素子。
  2. 【請求項2】 上記2層以上の感光層の間に、当該感光
    層間での分子移動を抑制するバリア層が配されているこ
    とを特徴とする請求項1記載のホログラム光学素子。
  3. 【請求項3】 上記2層以上の感光層は、感光作用をも
    つレーザ波長帯域が異なる増感色素をそれぞれ含有する
    ことを特徴とする請求項1記載のホログラム光学素子。
  4. 【請求項4】 上記2層以上の感光層は、感光作用をも
    つレーザ波長帯域が異なる反応開始剤をそれぞれ含有す
    ることを特徴とする請求項1記載のホログラム光学素
    子。
  5. 【請求項5】 3層の感光層を有し、各感光層が感光作
    用をもつレーザ波長帯域の中心波長が、それぞれ400
    〜500nm、500〜600nm、600〜700n
    mに存在することを特徴とする請求項1記載のホログラ
    ム光学素子。
  6. 【請求項6】 上記感光層は、フォトポリマからなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のホログラム光学素子。
  7. 【請求項7】 少なくとも2種類以上の感光材料を、曲
    率を有する基板上に順次噴霧することにより、少なくと
    も2層以上の感光層を上記基板上に積層形成する工程を
    有し、 上記少なくとも2種類以上の感光材料は、それぞれ異な
    るレーザ波長帯域に対して感光作用をもつことを特徴と
    するホログラム光学素子の製造方法。
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