JP2000231015A - 位相差板の製造方法 - Google Patents

位相差板の製造方法

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JP2000231015A
JP2000231015A JP11031605A JP3160599A JP2000231015A JP 2000231015 A JP2000231015 A JP 2000231015A JP 11031605 A JP11031605 A JP 11031605A JP 3160599 A JP3160599 A JP 3160599A JP 2000231015 A JP2000231015 A JP 2000231015A
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film
glass transition
stretching
transition point
retardation
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Naoya Saito
直也 斎藤
Akihiko Uchiyama
昭彦 内山
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ポリカーボネートからなる未延伸
フィルムを用いて、均一性の高い位相差板を提供する。 【解決手段】 流延法により得られ、残留溶媒を実質的
に含まず、かつガラス転移点における吸熱量(単位:J/g)
が0.8以下のポリカーボネートの未延伸フィルムを、該
未延伸フィルムのガラス転移点以下の温度で延伸するこ
とを特徴とする、位相差板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置にお
ける視角特性改善用光学補償板として有用な位相差板の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】位相差板は液晶表示装置のSTN(スー
パーツイステッドネマチック)方式等に用いられ、色補
償、視野角拡大等の問題を解決するために用いられてい
る。一般に色補償用の位相差板の材料としては、ポリカ
ーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン等が
用いられ、視野角拡大用の位相差板材料としては前述の
材料に加えて高分子液晶、ディスコチック液晶等が用い
られる。位相差板は透明性も重要ながら、延伸後に位相
差ムラが生じないことが重要である。位相差ムラの原因
の一つとして、未延伸フィルムの品質が問題となる。そ
の対策として特開平4-204503号公報のように、フィルム
に溶媒を含有させた状態や、特開平9-304619号公報のよ
うに延伸する前にフィルムに養生処理を施すといった方
法によって延伸が行われてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法によって利用できるポリカーボネートフィルムは、残
留溶媒を含む溶液キャスティング法によって得られたフ
ィルムに限られる。この場合、長期保管によって残留溶
媒成分が変化する問題や、延伸後のフィルムに溶媒成分
が残存することがある。本発明は、ポリカーボネートか
らなる未延伸フィルムを用いて、均一性の高い位相差板
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討し
たところ、溶媒を含まない状態のポリカーボネートフィ
ルムを延伸した場合にも、条件によっては延伸むらが発
生しにくい場合があることが分かった。すなわち、未延
伸フィルムを詳細に検討した結果、位相差ムラの大小は
示差走査型熱量分析計で得られる図1に示したガラス転
移点近傍に現れる吸熱量の大小と関連があることを見出
した。
【0005】すなわち本発明は、流延法により得られ、
残留溶媒を実質的に含まず、かつガラス転移点における
吸熱量(単位:J/g)が0.8以下のポリカーボネートの未延
伸フィルムを、該未延伸フィルムのガラス転移点以下の
温度で延伸することを特徴とする、位相差板の製造方法
である。
【0006】本発明における未延伸フィルムは、ポリカ
ーボネートからなるものである。ポリカーボネートとし
ては、熱可塑性フィルムであればその種類を問わない
が、非晶性高分子樹脂フィルム好ましくは、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールZなどのビスフェノール成分を
含む、単一組成または共重合組成の芳香族ポリカーボネ
ートである。ポリカーボネート中には可塑剤等の他の成
分を実質的に含んでいなくてもよい。
【0007】未延伸フィルムの厚さとしては特に制限は
ないが、30μm以上300μm以下の範囲が好まし
い。
【0008】本発明における製造方法では、未延伸フィ
ルムの製造方法に関らず、示差走査型熱量分析計(例え
ばTA-instruments社製 DSC-2920)で測定を行うことによ
って得られるガラス転移点近傍に現れる吸熱量によって
定義でき、その値が一定値以下であれば、延伸倍率、温
度等、他の条件が一定の場合、延伸後に得られる位相差
板の延伸ムラは最小とすることができる。これは、吸熱
量が少ない方が分子構造を緩和させるのに必要なエネル
ギーが少なくて済むと考えられるためである。この吸熱
ピークは一般にエンタルピー緩和と呼ばれている。吸熱
量は、図1に示した部分であり、吸熱点を通過後のベー
スラインを延長した直線1によって囲まれる部分2の面
積によって定義され、単位はJ/gとなる。
【0009】溶液キャスティング法(流延法)で製膜さ
れた未延伸フィルムは、該未延伸フィルムのガラス転移
点以下の温度で溶媒の乾燥が行われるため、この未延伸
フィルム中に実質的に溶媒を含まない状態(高分子フィ
ルムを100重量部とした時残留溶媒が0.1重量部以下)ま
で乾燥を行った場合、エンタルピー緩和によりガラス転
移点近傍での吸熱量が増大してしまうという問題があ
る。この場合、ガラス転移点以上の温度で加熱すること
により吸熱量を低減させることができるが、この時にフ
ィルムに張力が加わると容易に延伸されてしまうため、
例えば熱板ベルトで上下から挟み込み、フィルムの巻き
取り方向に張力が加わらないようにする工夫が必要であ
る。したがって、本発明に用いる未延伸フィルムは、ガ
ラス転移点温度よりも低い温度で乾燥を行い、この吸熱
ピークの発生を抑えた乾燥工程を選択することが好まし
い。このような乾燥処理によって、未延伸フィルムのリ
ターデーションをほぼ0nmにすることができ、また、
ガラス転移温度での吸熱量が0.8以下なので延伸後の
フィルムの延伸ムラが改善された位相差フィルムを得る
ことができる。
【0010】上記未延伸フィルムはフィルム中に流延法
で用いた溶媒を実質的に残留せず、0.1重量%以下で
ある。
【0011】かかる未延伸フィルムはついで延伸され
る。延伸方法は、幅自由一軸延伸、幅固定一軸延伸、二
軸延伸等があるが、幅自由一軸延伸が好ましい。
【0012】延伸温度については、未延伸フィルムのガ
ラス転移点からガラス転移点以下20℃の範囲が好まし
い。より好ましくはガラス転移点からガラス転移点以下
10℃の範囲である。延伸温度がガラス転移点を超えた場
合、弱い張力でも容易に延伸されるため、任意の位相差
を持つフィルムを作成するための制御が困難になり、ま
た分子鎖の配向が比較的自由になるため、フィルムの位
相差を出しにくいといった問題がある。
【0013】未延伸フィルムのガラス転移点での吸熱量
は0.8J/g以下であり、好ましくは0.5J/g以下にすること
で、良質な位相差板を得ることができる。0.8J/gより吸
熱量が大きくなると延伸ムラが大きくなる。
【0014】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示すが、本発明は
これら実施例に制限されるものではない。
【0015】[実施例1]溶液キャスティング法によっ
て製造された幅230mm,厚さ100μm,ガラス転
移点157℃のポリカーボネートフィルム(帝人(株)製 商
品名「PURE ACE C-110」)を張力がかからないように180
℃で熱処理することによって、残留溶媒が0.1重量%
未満であり、示差走査型熱量分析計(TA-instruments社
製 DSC-2920)により、昇温速度20℃/分、測定温度範囲3
5〜250℃で測定を行った時、ガラス転移点における吸熱
量(単位:J/g)が0となったフィルムを得た。ついで、か
かるフィルムを下記の如く延伸した。延伸に用いた装置
は図2に記載の連続延伸装置であり、延伸温度は148
℃、延伸速度は100mm/minを条件とした。延伸倍率は、
出口側ロールの速度を120mm/minとすることにより、1.2
倍に設定した。このフィルムのリターデーションを測定
したところ、1030nmであった。
【0016】上記方法によって得られた位相差板につい
て、直交した2枚の偏光板の間に挟み込んで延伸ムラを
観測したところ、長さ方向で±5nm以内であった。
【0017】[実施例2]溶液キャスティング法によっ
て製造された幅230mm,厚さ100μm,ガラス転
移点157℃のポリカーボネートフィルム(帝人(株)製 商
品名「PURE ACE C-110」)を130℃で熱処理すること
によって、示差走査型熱量分析計(TA-instruments社製
DSC-2920)により、昇温速度20℃/分、測定温度範囲35〜
250℃という条件で測定したところ、ガラス転移点にお
ける吸熱量(単位:J/g)が0.5であった。このフィルムを
以下のようにして延伸した。延伸に用いた装置は図2に
記載の連続延伸装置であり、延伸温度は148℃、延伸速
度は100mm/minを条件とした。延伸倍率は、出口側ロー
ルの速度を120mm/minとすることにより、1.2倍に設定し
た。このフィルムのリターデーションを測定したとこ
ろ、970nmであった。
【0018】上記方法によって得られた位相差板につい
て、直交した2枚の偏光板の間に挟み込んで延伸ムラを
観測したところ、長さ方向でおよそ30cm周期で±10nm以
内のムラが観測されたが、問題となるムラは観測されな
かった。
【0019】[実施例3]ガラス転移点205℃のイソホ
ロン共重合ポリカーボネートフィルム(Bayer(株)製 商
品名「APEC-HT KU1-9371」)を用いて、溶液キャスティ
ング法によって幅230mm,厚さ100μmのフィル
ムを得た。フィルムを150℃で熱処理乾燥することによ
って残留溶媒成分を0.1重量部以下とし、かつ示差走査
型熱量分析計(TA-instruments社製 DSC-2920)により、
昇温速度20℃/分、測定温度範囲35〜300℃で測定を行っ
た時、ガラス転移点における吸熱量(単位:J/g)が0とな
ったフィルムを延伸した。延伸に用いた装置は図2に記
載の連続延伸装置であり、延伸温度は198℃、延伸速度
は100mm/minを条件とした。延伸倍率は、出口側ロール
の速度を120mm/minとすることにより、1.2倍に設定し
た。このフィルムのリターデーションを測定したとこ
ろ、470nmであった。
【0020】上記方法によって得られた位相差板につい
て、直交した2枚の偏光板の間に挟み込んで延伸ムラを
観測したところ、長さ方向で±5nm以内であった。
【0021】[比較例1]溶液キャスティング法によっ
て製造された幅230mm,厚さ100μm,ガラス転
移点157℃のポリカーボネートフィルム(帝人(株)製 商
品名「PURE ACE C-110」)を130℃で熱処理することによ
って、示差走査型熱量分析計(TA-instruments社製 DSC-
2920)により、昇温速度20℃/分、測定温度範囲35〜250
℃で測定を行った時、ガラス転移点における吸熱量(単
位:J/g)が1.0となったフィルムを延伸した。延伸に用い
た装置は図2に記載の連続延伸装置であり、延伸温度は
148℃、延伸速度は100mm/minを条件とした。延伸倍率
は、出口側ロールの速度を120mm/minとすることによ
り、1.2倍に設定した。このフィルムのリターデーショ
ンを測定したところ、940nmであった。
【0022】上記方法によって得られた位相差板は、表
面に星状の延伸不均一点が発生し、さらに直交した2枚
の偏光板の間に挟み込んで延伸ムラを観測したところ、
およそ5mm間隔でムラが発生し、位相差板としては不適
であった。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、位相差フィルムの原反
である未延伸フィルムのガラス転移点における吸熱量
(単位:J/g)を0.8以下とすることによって、延伸後のフ
ィルムの延伸ムラが少ない位相差板を提供することがで
きる。また、その製造方法により液晶表示装置等に用い
る位相差板を安価で提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】示差走査型熱量分析計によって得られるガラス
転移点近傍の吸熱量の定義である。
【図2】実施例で用いた一軸延伸機の模式図である。
【符号の説明】
1.ガラス転移点以後のベースラインを延長した線 2.吸熱量(J/g) 3.入口側ニップロール 4.入口側金属ロール 5.出口側ニップロール 6.出口側金属ロール 7.加熱延伸ゾーン 8.高分子フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 11:00 Fターム(参考) 2H049 BA06 BB42 BC03 BC09 BC22 2H091 FA11X FA11Z FC07 4F205 AA28 AC05 AG01 AH73 AR06 GA07 GB02 GC06 GF01 GF24 GW06 GW21 4F210 AA28 AC05 AG01 AH73 AR06 QA03 QC02 QD16 QG01 QG18

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流延法により得られ、かつガラス転移点
    における吸熱量(単位:J/g)が0.8以下のポリカーボネー
    トの未延伸フィルムを、該未延伸フィルムのガラス転移
    点以下の温度で延伸することを特徴とする、位相差板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 延伸を、該未延伸フィルムのガラス転移
    点からガラス転移点以下20℃までの温度範囲で行う、請
    求項1記載の位相差板の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005116701A1 (en) * 2004-05-25 2005-12-08 General Electric Company Optical film, light-diffusing film, and methods of making and using the same

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