JP2000230806A - 位置認識装置、位置認識方法及び仮想画像立体合成装置 - Google Patents

位置認識装置、位置認識方法及び仮想画像立体合成装置

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JP2000230806A
JP2000230806A JP3191899A JP3191899A JP2000230806A JP 2000230806 A JP2000230806 A JP 2000230806A JP 3191899 A JP3191899 A JP 3191899A JP 3191899 A JP3191899 A JP 3191899A JP 2000230806 A JP2000230806 A JP 2000230806A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】静止物体の特定位置及びその特定位置から離れ
た任意の位置を簡易にかつ少ない計算量で、しかも、ベ
ストフォーカスで精度良く画像処理系などにおいて認識
できるようにする。 【解決手段】任意の静止物体の特定位置を認識する装置
であって、少なくとも、静止物体の所望位置に取付けら
れた複数の被認識マークMi(i=1〜8)と、静止物
体の被認識マークを撮像する撮像手段6と、この撮像手
段6により撮像された被認識マークMiによる輝度信号
を画像処理してその被認識マークMiの位置情報を求め
る演算手段7とを備え、被認識マークMiの任意の一つ
に目標を設定して撮像手段6を近づけたときに、演算手
段7は、目標とされた被認識マークMjの位置情報と他
の被認識マークMiの配置情報とに基づいて目標とされ
た被認識マークMjと撮像手段6との間の距離情報を求
めるようになされたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、仮想空間上の基
準面などに複数の仮想体を出現させ、しかも、その仮想
体の1つに目標を設定してその仮想体内に踏み込んだと
きに、その仮想体の内部の構造などが表示されるような
画像処理システムに適用して好適な位置認識装置、位置
認識方法及び仮想画像立体合成装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、バーチャル・リアリティ(仮想現
実感)に基づく表示技術の向上に伴い、複数の画像表示
面に跨って仮想現実感を観察者に提供するための仮想画
像立体合成装置が出現している。
【0003】この種の立体表示装置は、特開平9−23
7353号の技術文献に見られる。この技術文献によれ
ば、縦横数m程度の大きさの映写空間が設けられ、各々
の面に表示装置が配置され、各々の表示装置から恐竜、
怪獣や武器などの仮想体の画像が立体表示される。そし
て、観察者は液晶シャッター付きの眼鏡をかけ、その映
写空間に立つと、あたかも、各々の表示装置で表示され
た仮想体と同じ場所に居るようなされる。
【0004】また、観察者が仮想空間上で手にする武器
がカメラによって撮像され、その武器の動きによって仮
想体が反応するように画像処理されている。これによ
り、観察者は数千年前の原始時代にタイムスリップし
て、恐竜退治などをゲーム感覚で行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来方式の
立体表示装置によれば、映写空間が立体形状であること
を前提にして、その立体形状の重心が求められ、その重
心から映写空間の相対座標が求められる。そして、その
相対座標に基づいてカメラと、仮想体の位置関係とを求
め、仮想空間上に恐竜などの仮想体を合成表示してい
る。
【0006】例えば、映写空間上のある基準面に恐竜な
どの仮想体を立たせようとしたときに、その仮想体と外
接する矩形領域が画像処理によって抽出され、その矩形
領域の四隅の画像上の位置が相対座標から求められ、透
視投影変換法などから得られたパラメータを用いてカメ
ラと、その仮想体の矩形領域の位置関係とが求められ
る。
【0007】従って、観察者の属する実空間の実際の壁
面(以下静止物体ともいう)には実物の絵画などが存在
しないのに、その仮想空間の壁面及びその壁面から離れ
た位置に複数の絵画を出現させ、しかも、その絵画の1
つに目標を設定してその目標に撮像系を近づけたとき
に、その絵画の下位階層の映像を表示されるような仮想
画像立体合成装置を構成しようとしたときに、従来方式
の装置をそのまま適用すると、画像処理システムが大が
かりとなったり、静止物体の基準面の認識のための画像
処理が複雑になったり、その時の計算量が多くなったり
して、仮想画像立体合成装置などのコストアップにつな
がるという問題がある。
【0008】そこで、本発明は上記の課題に鑑み創作さ
れたものであり、静止物体の特定位置及びその特定位置
から離れた任意の位置を簡易にかつ少ない計算量で、し
かも、ベストフォーカスで精度良く画像処理系などにお
いて認識できるようにした位置認識装置、位置認識方法
及び仮想画像立体合成装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題は、任意の
静止物体の特定位置を認識する装置であって、少なくと
も、静止物体の所望位置に取付けられた被認識マークが
複数と、静止物体の被認識マークを撮像する撮像手段
と、この撮像手段により撮像された被認識マークによる
輝度信号を画像処理して該被認識マークの位置情報を求
める演算手段とを備え、被認識マークの任意の一つに目
標を設定して撮像手段を近づけたときに、演算手段は、
目標とされた被認識マークの位置情報と他の被認識マー
クの配置情報とに基づいて目標とされた被認識マークと
撮像手段との間の距離情報を求めるようになされたこと
を特徴とする位置認識装置によって解決される。
【0010】本発明に係る位置認識装置によれば、静止
物体の所望位置に取付けられた被認識マークの任意の一
つに目標を設定して撮像手段が近づけられたときに、そ
の撮像手段により撮像された被認識マークによる輝度信
号が演算手段によって画像処理され、目標とされた被認
識マークの位置情報と他の被認識マークの位置情報とに
基づいて目標とされた被認識マークと撮像手段との間の
距離情報が求められる。
【0011】従って、静止物体の特定位置及びその特定
位置から離れた任意の位置を簡易にかつ少ない計算量
で、しかも、ベストフォーカスで精度良く画像処理系な
どに認識させることができる。これにより、静止物体の
特定位置及びその特定位置から離れた任意の位置に基準
面を設定し、その基準面を取り込んだ仮想空間上で仮想
体の画像を合成するような仮想画像立体合成装置などに
当該位置認識装置を十分に応用することができる。
【0012】本発明に係る位置認識方法は、任意の静止
物体の特定位置を認識する方法であって、少なくとも、
静止物体の所望位置に複数の被認識マークを取り付け、
静止物体の被認識マークを撮像系によって撮像し、ここ
で撮像された被認識マークによる輝度信号を画像処理し
て該被認識マークの位置情報を求め、被認識マークの任
意の一つに目標を設定して撮像系を近づけたときに、目
標とされた被認識マークの位置情報と他の被認識マーク
の配置情報とに基づいて目標とされた被認識マークと撮
像系との間の距離情報を求めることを特徴とするもので
ある。
【0013】本発明に係る位置認識方法によれば、静止
物体の所望位置に取付けられた被認識マークの任意の一
つに目標を設定し、その目標とされた被認識マークと撮
像系との間の距離情報によって、静止物体の特定位置及
びその特定位置から離れた任意の位置を簡易にかつ少な
い計算量で、しかも、ベストフォーカスで精度良く画像
処理系などに認識させることができる。
【0014】本発明に係る仮想画像立体合成装置は、観
察者の属する外界像に仮想体の画像を立体的に合成する
装置であって、観察者の属する実空間上の任意の静止物
体の特定位置及び該特定位置から任意に離れた位置で基
準面を認識する位置認識手段と、この位置認識手段によ
り認識された仮想空間の基準面上で仮想体の画像を合成
する合成手段とを備え、位置認識手段は、少なくとも、
静止物体の所望位置に取付けられた被認識マークが複数
と、静止物体の被認識マークを撮像する撮像手段と、こ
の撮像手段により撮像された被認識マークによる輝度信
号を画像処理して該被認識マークの位置情報を求める演
算手段とを有し、被認識マークの任意の一つに目標を設
定して撮像手段を近づけたときに、演算手段は、目標と
された被認識マークの位置情報と他の被認識マークの配
置情報とに基づいて目標とされた被認識マークと撮像手
段との間の距離情報を求めるようになされたことを特徴
とするものである。
【0015】本発明の仮想画像立体合成装置によれば、
上述の位置認識装置及び位置認識方法が応用されるの
で、静止物体の特定位置及びその特定位置から離れた任
意の位置を簡易にかつ少ない計算量で、しかも、ベスト
フォーカスで精度良く画像処理系などに認識させること
ができる。
【0016】従って、静止物体の特定位置及びその特定
位置から離れた任意の位置に基準面を設定することがで
きるので、その基準面を取り込んだ仮想空間上で仮想体
の画像を合成するような仮想画像立体合成処理を行うこ
とができる。例えば、予め静止物体の特定位置から任意
に離れた位置に第1の基準面が設定されると共に、その
静止物体の特定位置に第2の基準面が設定されると、観
察者が第1の基準面よりも遠くの位置で被認識マークを
注視するときは、予め準備された仮想体の画像が合成手
段によって第1の基準面上で合成され、観察者が第1の
基準面内に踏み込んだときは、仮想体の画像の下位階層
の画像が合成手段によって第2の基準面上で合成され
る。
【0017】これにより、実際の静止物体には実物の絵
画などが存在しない場合であっても、仮想空間の静止物
体には複数の絵画が出現し、しかも、その絵画の1つに
目標を設定してその絵画の中に踏み込んだときに、その
絵画の下位階層の画像が表示されるようなバーチャル美
術館などを構築することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この
発明の実施形態としての位置認識装置、位置認識方法及
び仮想画像立体合成装置について説明をする。 (1)実施形態としての位置認識装置及び位置認識方法 図1は、本発明に係る実施形態としての位置認識装置1
0の構成例を示す斜視図である。この実施形態では、静
止物体の所望位置に被認識マークを取り付け、その被認
識マークによる輝度信号を画像処理してその被認識マー
クの位置情報を求める演算手段を設け、その被認識マー
クの任意の一つに目標を設定して撮像系を近づけた場合
に、その目標とされた被認識マークの位置情報と他の被
認識マークの配置情報とに基づいて目標とされた被認識
マークと撮像系との間の距離情報を求め、静止物体の特
定位置及びその特定位置から離れた任意の位置を簡易に
かつ少ない計算量で、しかも、精度良く画像処理系など
において認識できるようにしたものである。
【0019】この発明の位置認識装置10は任意の静止
物体の特定位置を認識する装置である。図1に示す位置
認識装置10では、少なくとも、予め壁面1などの静止
物体の所望位置に複数の被認識マークMi(i=1、
2、3、j〜n)が取付けられることを前提とする。こ
の被認識マークMiに関しては、予め点滅パターンが異
なるように点滅する3点以上の光源を有した複数の光源
ブロック、又は、白地に黒で形成されたn行×n列の白
黒マトリクスを有した2次元マトリクスコードが準備さ
れる。
【0020】この位置認識装置10には撮像手段6が設
けられ、静止物体の被認識マークMiが撮像される。こ
の被認識マークMiに関して光源ブロックを適用する場
合には、撮像手段6として流し撮り用の撮像装置が使用
され、光源ブロック内の光源の点滅パターンを所定の撮
像方向に流すように撮像される。ここで、流し撮りとは
流し撮り撮像装置において、同一フィールド期間中に複
数回、光電変換素子(フォトダイオードなど)から信号
電荷を読み出す撮影モードをいう。被認識マークMiに
関して二次元バーコードを適用する場合には、通常のC
CD撮像装置が使用される。
【0021】この撮像手段6には演算手段7が接続さ
れ、この撮像手段6により撮像された被認識マークMi
による輝度信号が画像処理されてその被認識マークMi
の位置情報が求められる。演算手段7には中央演算装置
(CPU)などが使用される。この例では、演算手段7
には記憶手段8が接続され、被認識マークMiの配置情
報が記憶される。記憶手段8にはRAMなどが使用され
る。この配置情報には、被認識マークMiの固体番号を
識別するためのブロック識別情報及び被認識マークMi
間の配置距離情報が含まれている。
【0022】そして、この例では被認識マークM1〜M
nの任意の一つの被認識マークMjに目標を設定して撮
像手段6を近づけたときに、演算手段7では、その目標
とされた被認識マークMjの位置情報と他の被認識マー
クMiの配置情報とに基づいて目標とされた被認識マー
クMiと撮像手段6との間の距離情報Sxを求めるよう
になされる。その際に、演算手段7によって記憶手段8
から他の被認識マークMiの配置情報が読み出され、三
角法などによって被認識マークMjと撮像手段6との間
の距離情報Sxが求られる。更に、被認識マークMiに
関して光源ブロックが適用される場合には、流し撮り用
の撮像手段6により撮像された光源の点滅パターンに基
づく輝度信号が演算手段7によって画像処理され、その
光源の3点の位置が求められる。
【0023】続いて、本発明に係る位置認識方法につい
て位置認識装置10の処理例について説明する。図2
は、位置認識装置10による処理例を示すフローチャー
トである。この例では、壁面1などの任意の静止物体の
特定位置を画像処理系などに認識させることを前提と
し、その特定位置から任意に離れた位置に第1の基準面
を設定し、その特定位置に第2の基準面を設定する場合
を想定する。
【0024】これを前提として、まず、図2に示すフロ
ーチャートのステップA1で、少なくとも、静止物体の
所望位置に複数の被認識マークMiを取り付ける。例え
ば、被認識マークMiに関して、予め点滅パターンが異
なるように点滅する3点以上の光源を設けた光源ブロッ
クを作成する。そして、光源ブロックを静止物体の所望
位置に3点以上を取付ける。もちろん、白地に黒で形成
されたn行×n列の白黒マトリクスを有した2次元マト
リクスコードを作成し、その二次元バーコードを静止物
体の所望位置に3点以上を取付けてもよい。
【0025】その後、ステップA2(第1段階)で静止
物体の被認識マークMiを撮像系によって撮像する。ス
テップA2では静止物体に取付けられた全ての光源ブロ
ックを撮像する位置に撮像系を固定して被注視領域を画
定する。そして、ステップA3で被認識マークMiによ
る輝度信号を画像処理してその被認識マークMiの全て
の位置情報を取得する。この被注視領域内の被認識マー
クMiの位置情報からステップA4で第1の基準面が画
像処理系で認識される。第1の基準面は静止物体の特定
位置から任意に離れた位置に設定される。
【0026】その後、ステップA5で被認識マークMi
の任意の一つに目標を設定する。そして、ステップA6
(第2段階)でその被認識マークMiに撮像系を徐々に
近づけて行き、その撮像系がその目標を認識できたかを
判断する。その際の判断はその被注視領域内で目標とさ
れた光源ブロック内の光源の点滅パターンを所定の撮像
方向に流すように撮像したときに、その光源ブロック内
の光源の点滅パターンが認識できたか否かを検出するこ
とにより行う。
【0027】上述のステップA6で撮像系が目標とする
被認識マークMjに近づいていない場合には、ステップ
A7に移行して撮像系を被認識マークMjに近づけて行
く。ステップA6で撮像系が目標とする被認識マークM
jに近づいた場合には、目標とされた光源ブロック内の
光源の点滅パターンが認識できることから、ステップA
8では演算手段7によってその光源ブロック内の光源の
点滅パターンの輝度信号を画像処理して光源の3点の位
置が求められ、その後、3点の光源の位置を結んで第2
の基準面が求められる。
【0028】この撮像系が被認識マークMjに近づいて
行く間中、ステップA9でその目標とされた被認識マー
クMjの位置情報と他の被認識マークMiの配置情報と
に基づいて目標とされた被認識マークMjと撮像系との
間の距離情報Sxが演算手段7によって求められる。従
って、この目標とされた光源ブロック内の光源の点滅パ
ターンが認識できた場合には仮想空間の第2の基準面上
で仮想体の画像を合成するような処理を行うことがで
き、その光源の点滅パターンを認識できない場合には第
1の基準面上で仮想体の画像を合成するような処理を行
うことができる。
【0029】このように、本実施形態に係る位置認識装
置及び位置認識方法によれば、静止物体の所望位置に取
付けられた被認識マークMiの任意の一つに目標を設定
して撮像手段6が近づけられたときに、その撮像手段6
により撮像された被認識マークMiによる輝度信号が演
算手段7によって画像処理され、目標とされた被認識マ
ークMiの位置情報と他の被認識マークMiの配置情報
とに基づいて目標とされた被認識マークMiと撮像手段
6との間の距離情報Sxが求められる。
【0030】従って、静止物体の特定位置及びその特定
位置から離れた任意の位置を簡易にかつ少ない計算量
で、しかも、精度良く画像処理系などに認識させること
ができる。これにより、静止物体の特定位置から離れた
任意の位置に第1の基準面を設定し、その特定位置に第
2の基準面を設定して、その第1又は第2の基準面を取
り込んだ仮想空間上で仮想体の画像を合成するような仮
想画像立体合成装置などに当該位置認識装置10を十分
に応用することができる。
【0031】(2)実施形態としての仮想画像立体合成
装置 図3は本発明に係る位置認識装置及び位置認識方法を応
用した第1の実施形態としての仮想画像立体合成装置1
00の構成例を示す斜視図である。この実施形態では、
上述した位置認識装置及び位置認識方法を応用して、静
止物体の特定位置及びその特定位置から離れた任意の位
置を簡易にかつ少ない計算量で、しかも、ベストフォー
カスで精度良く画像処理系などに認識させ、静止物体の
特定位置及びその特定位置から離れた任意の位置に基準
面を設定し、その基準面を取り込んだ仮想空間上で仮想
体の画像を合成できるようにしたものである。
【0032】図3に示す仮想画像立体合成装置100
は、観察者の属する外界像に、人物や風景などの静止画
像(2D)又はTV番組のキャラクタ画像(3D)など
の仮想体画像を立体的に合成表示する装置である。
【0033】この仮想画像立体合成装置100は観察者
の属する実空間上の任意の静止物体、例えば、壁面1の
所望位置に取付けられた複数の被認識マークMiとして
基準面設定用の8個の光源ブロックBLi(i=1〜
8)と、観察者の頭部に装着される合成手段としての特
殊グラストロン2と、この特殊グラストロン2における
撮像画像及び表示画像の入出力を制御する画像処理装置
3を備えて成るものである。
【0034】この特殊グラストロン2の本体部21には
ベルト22が設けられ、眼鏡をかけるように本体部21
が観察者の顔面に装着されると共に、その観察者の頭部
外周部に沿ってベルト22が固定される。この例で特殊
グラストロン2は、表示手段24と、流し撮り用の撮像
手段としての流し撮りCCD装置23及び領域抽出用の
通常のCCD撮像装置25とを有しており、その通常の
CCD撮像装置25により認識される第1の基準面(仮
想壁面1’)上で仮想体の画像を合成し、及び、流し撮
りCCD装置23により流し撮り(認識)された特定位
置の第2の基準面(壁面1)上で仮想体の画像を表示手
段24によって合成表示するようになされる。
【0035】この例では、仮想空間の第1の基準面を構
成する仮想壁面1’で、例えば、光源ブロックBL1を
中心に仮想体として肖像画P11が、光源ブロックBL
2を中心に船の絵画(図示せず)P21が、光源ブロッ
クBL3を中心に山の絵画(図示せず)P31などがあ
たかも存在するようになされる。更に、実空間の第2の
基準面を構成する壁面1上で、例えば、光源ブロックB
L1を中心に肖像画P11の下位階層として人体内部構
造の画像P12が、光源ブロックBL2を中心に船の絵
画(図示せず)P21の下位階層として操舵室の画像P
22が、光源ブロックBL3を中心に山の絵画(図示せ
ず)P31の下位階層の画像としてその山の地底構造の
画像などがあたかも存在するようになされる。第2の基
準面を認識する際には、光源ブロックBLi内の複数の
光源が流し撮りCCD装置23によって所定の撮像方向
に流すように流し撮りされる。
【0036】また、上述の壁面1に取付けられた8個の
光源ブロックBL1〜BL8と、流し撮りCCD装置2
3及び通常のCCD撮像装置25とにより位置認識手段
5が構成され、壁面1の特定位置から任意に離れた位置
(離隔距離S0)で第1の基準面が認識され、その特定
位置で第2の基準面を認識するようになされる。この位
置認識手段5には本発明に係る位置認識装置10及び位
置認識方法が応用される。
【0037】この例では壁面1に取付けられた8個の光
源ブロックBL1〜BL8が通常のCCD撮像装置25
によって撮像されて被注視領域が画定されると共に、観
察者によって8個の光源ブロックBL1〜BL8の内の
任意の1つに目標が設定されてその目標に撮像系を近づ
けていったときに、流し撮りCCD装置23によって被
注視領域内で目標とされた光源ブロックBLiが流し撮
りされる。
【0038】この流し撮りCCD装置23として垂直転
送部を有するインターライン転送方式の二次元撮像デバ
イスを使用した場合には、同一フィールド期間中に複数
回、光電変換素子から垂直転送部に信号電荷が読み出さ
れる。また、流し撮りCCD装置23として電荷蓄積部
を有するフレーム転送方式の二次元撮像デバイスを使用
した場合には、同一フィールド期間中に複数回、光電変
換素子から電荷蓄積部に信号電荷が読み出される。
【0039】この特殊グラストロン2には演算手段とし
て画像処理装置3が接続され、流し撮りCCD装置23
及び通常のCCD撮像装置25により撮像された光源ブ
ロックBLiによる輝度信号が画像処理され、その光源
ブロックBLiの位置情報が求められ、その位置情報に
基づいて光源ブロックBLiにおける第1及び第2の基
準面などが設定される。
【0040】例えば、光源ブロックBLiの任意の一つ
に目標を設定して撮像系を近づけたときに、画像処理装
置3は、目標とされた光源ブロックBLjの位置情報と
他の光源ブロックBLiの配置情報とに基づいて目標と
された光源ブロックBLiと撮像系との間の距離情報S
xを求めるようになされる。この配置情報には、光源ブ
ロックBLiの固体番号を識別するためのブロック識別
情報及び光源ブロックBLi間の配置距離情報が含まれ
ている。配置情報については図6で説明する。
【0041】この例で、図4に示す基準面設定用の光源
ブロックBL1〜BL8は静止物体として比較的に平坦
な壁面1に取付けられる。例えば、観察者の属する実空
間の間口(幅)が4m×高さが2.5m程度の大きさの
壁面1に、8個の光源ブロックBL1〜BL8が予め定
められた間隔で図4に示す位置に格子状に配されてい
る。光源ブロックBLiの水平方向の間隔(ピッチ:P
h)は1m程度であり、その垂直方向の間隔(ピッチ:
Pv)は1.5m程度である。この8個の光源ブロック
BL1〜BL8の各々の仮想壁面1’上で肖像画P1
1、船の絵画P21、山の絵画P31・・・・その他の
絵画P8などの画像が合成表示される。仮想壁面1’は
第1の基準面を成すものであり、実空間の壁面1の特定
位置から任意に離れた位置(この例では距離S0)に仮
想的に存在するものである。
【0042】これらの下位階層の人体内部構造の画像P
12、操舵室の画像P22及び地底構造の画像が8個の
光源ブロックBL1〜BL8の各々の壁面(第2の基準
面)1上で合成される。これらの肖像画P11、船の絵
画P21、山の絵画P31・・・、及び、人体内部構造
の画像P12、操舵室の画像P22及び地底構造の画像
等の映像情報は画像処理系のメモリなどに予め格納され
ているものを使用する。
【0043】各々の光源ブロックBLiは図5に示す正
方形状のプレート部11を有している。プレート部11
は第2の基準面を成すものであり、凹凸の無い平坦状に
形成される。プレート部11の大きさは例えば、その一
辺の長さは5cm程度である。プレート部11の表面四
隅には、3点以上の光源としてそれぞれ発光ダイオード
(LED1〜LED4)が取付けられ、人体内部画像、
操舵室の画像P22画像及び地底構造の画像P32画像
などの仮想映像を飛び出せようとする基準面の4つの点
p1〜p4の座標として(x1,y1)、(x2,y
2)、(x3,y3)、(x4,y4)が与えられる
(仮想空間上では画像を合成しようとする第2の基準面
に相当する)。
【0044】この光源ブロックBLi内には点滅制御回
路13が設けられ、4個の発光ダイオードLED1〜L
ED4がそのマーク部としての機能を発揮するために、
つまり、その取付け位置が明らかになるように、少なく
とも、点滅パターンが異なるように点滅制御される。こ
の点滅制御回路13については、図7で説明する。この
発光ダイオードLED1〜LED4の点滅パターンは特
殊グラストロン2内の流し撮りCCD装置23により、
所定の流し撮像方向に流すように撮像される。この流し
撮りは4個の発光ダイオードLED1〜LED4の取付
け位置から第2の基準面を特定するためである。この第
2の基準面の特定については図18、図19で説明をす
る。
【0045】この例では、4つの発光ダイオードLED
1〜LED4は正方形内に位置し、発光ダイオードLE
D1とLED3の間(x方向)の距離Lxが(x3−x
1)であり、発光ダイオードLED2とLED4の間の
距離もLxで、その距離Lxが(x4−x2)である。
また、発光ダイオードLED1とLED2の間(y方
向)の距離Lyが(y2−y1)であり、発光ダイオー
ドLED2とLED4の間の距離もLyで、その距離L
xが(y4−y3)である。
【0046】ここで、ブロック識別情報について説明す
る。この例では光源ブロックBLiを識別するために図
6に示す所定のデータフォーマットが準備されている。
このデータフォーマットは3つの領域に分かれている。
第1のデータ領域には各光源ブロックBLiを識別する
ために、各々の光源ブロックBLi毎に割り当てられた
ブロックNo識別コード1X、2X・・・8Xなどが書
き込まれ、第2のデータ領域には各光源ブロックBLi
内の4個の発光ダイオードLED1〜LED4の位置情
報が書き込まれ、第3のデータ領域には発光ダイオード
LEDi、LEDj間の距離情報Lx、Lyが書き込ま
れる。このブロックNo識別コード、発光ダイオードL
ED1〜LED4の位置情報及び距離情報Lx、Lyを
総称してブロック識別情報という。
【0047】このデータフォーマットに基づいた8個の
光源ブロックBLiのブロック識別情報を画像処理装置
3内のRAMに格納するようになされる。光源ブロック
BL1を例にとってそのブロック識別情報を説明する
と、ブロックNo識別コード1Xには4ビットのデータ
が割り当てられ、4個の発光ダイオードLED1〜LE
D4が全て「0000」、「0000」、「0000」
及び「0000」である。
【0048】また、4個の発光ダイオードLED1〜L
ED4の位置情報には2ビットが割り当てられ、発光ダ
イオードLED1が「00」、LED2が「01」、L
ED3が「10」、及び、LED4が「11」である。
発光ダイオードLEDi、LEDj間の距離情報Lx、
Lyについては、Lx=(x3−x1)=(x4−x
2)及び、Ly=(y2−y1)=(y4−y3)が書
き込まれる。図6では「XX」で示している。
【0049】更に、光源ブロックBLi間の配置距離情
報は光源ブロックBLiの水平方向の間隔(ピッチ:P
h)及びその垂直方向の間隔(ピッチ:Pv)から容易
に得られる。例えば、光源ブロックBL1の配置位置を
原点(X,Y)=(0,0)としたときに、光源ブロッ
クBL2の位置座標として(0,−Pv)、光源ブロッ
クBL3=(Ph,0)、光源ブロックBL4=(P
h,−Pv)、光源ブロックBL5=(2Ph,0)、
光源ブロックBL6=(2Ph,−Pv)、光源ブロッ
クBL7=(3Ph,0)、光源ブロックBL8=(3
Ph,−Pv)で与えられる。
【0050】上述したブロック識別情報及び光源ブロッ
クBLi間の配置距離情報によって配置情報が構成され
る。これらの配置情報は壁面1の認識及び第1及び第2
の基準面の設定の際に使用するために、予め画像処理装
置3内のRAM(情報が随時書き込み読み出し可能なメ
モリ)などに登録される。
【0051】この例では、図7に示す点滅制御回路13
がICチップ化され、このICチップがプレート部11
内に組込まれ、4個の発光ダイオードLED1〜LED
4に所定の電圧が印加されて点滅制御される。この点滅
制御回路13は例えばクロック発生部61を有してい
る。クロック発生部61には例えば、1/2分周回路6
2、1/3分周回路63、1/4分周回路64が接続さ
れており、所定周波数のクロック信号CLK1と、この
クロック信号CLK1を1/2分周回路62で1/2分
周したクロック信号CLK2と、1/3分周回路63で
1/3分周したクロック信号CLK3と、1/4分周回
路64で1/4分周したクロック信号CLK4とが出力
される。
【0052】各々のクロック信号CLK1〜CLK4は
安定化用の抵抗Rを通して各々の発光ダイオードLED
1、LED2、LED3及びLED4に供給されてい
る。このクロック発生部61には電源スイッチSWを介
在して直流電源Eが接続され、この電源Eには小型の乾
電池やボタン電池などが使用される。もちろん、8個の
光源ブロックBL1〜BLの点滅制御回路13を並列に
接続して、AC−DCアダプタから直流電圧を供給する
ようにしてもよい。
【0053】図8は光源ブロックBLiの発光ダイオー
ドLED1、LED2、LED3及びLED4への電圧
供給例を示す波形図である。この例では、図7に示した
点滅制御回路13の電源スイッチSWをオンすると、発
光ダイオードLED1にはクロック信号CLK1が供給
され、発光ダイオードLED2にはクロック信号CLK
1を1/2分周したクロック信号CLK2が供給され、
発光ダイオードLED3にはクロック信号CLK1を1
/3分周したクロック信号CLK3が供給され、発光ダ
イオードLED4にはクロック信号CLK1を1/4分
周したクロック信号CLK4が供給される。従って、各
々の光源ブロックBLiの4つの発光ダイオードLED
1、LED2、LED3及びLED4の点滅パターンを
異なるように点滅制御をすることができる。
【0054】図9に示す特殊グラストロン2は非透過型
のヘッドマウントディスプレイを構成しており、通常の
CCD撮像装置25と、上述した流し撮りCCD装置2
3と、第1の画像表示素子としての右眼表示用の液晶表
示装置(以下LCDという)26と、第2の画像表示素
子としての左眼表示用のLCD27と、図示しない注視
点検出用の撮像手段(第2の撮像系、以下、注視点検出
カメラ4という)とを有している。
【0055】つまり、観察者の眉間に相当する位置に
は、通常のCCD撮像装置25と、流し撮りCCD装置
23とが並べて配置され、前者によって観察者の属する
外界像が撮像され、後者によって光源ブロックBL1〜
BL8の4個の発光ダイオードLED1〜LED4が流
し撮りされる。従って、観察者が基準面設定用の光源ブ
ロックBL1〜BL8に目を向けると、その基準面の方
向に流し撮りCCD装置23が向くようになる。
【0056】この例では、流し撮りCCD装置23に自
動ズーム機構が設けられ、8個の光源ブロックBL1〜
BL8の中の任意の光源ブロックBLiを注視した場合
や、その光源ブロックBLiの中で更に任意の発光ダイ
オードLEDiを注視すると、画像処理装置3によって
自動的にその発光ダイオードLEDiにズームさせるこ
とができる。この自動ズーム機構に関しては、例えば、
技術文献である特開平8−179193号公報の電子機
器及びカメラの技術を応用することができる。
【0057】そして、特殊グラストロン2内の観察者の
右目に相対する位置にはLCD26が取付けられ、例え
ば、通常のCCD撮像装置25により撮影した観察者の
光源ブロックBL1〜BL8と、予め準備された肖像画
P11、船の絵画P21、山の絵画P31などの仮想映
像とを合成したステレオ画像の一方が表示される。ま
た、その観察者の左目に相対する位置にはLCD27が
取付けられ、上述の光源ブロックBL1〜BL8と、肖
像画P11、船の絵画P21、山の絵画P31などの仮
想映像とを合成したステレオ画像の他方が表示される。
【0058】この例では、図10に示す右眼表示用のL
CD26と、左眼表示用のLCD27の表示面内に注視
点検出カメラ4としてのフィルム状の電荷結合素子(以
下フィルムCCDという)4R(右)、4L(左)が配
置され、基準面を注視する観察者の眼球運動を撮像して
その観察者の注視点pが検出される。この例でフィルム
CCD4R、4Lは、観察者の眼球に相対するLCD2
6及びLCD27上に分散して配置されている。
【0059】このフィルムCCD4R、4Lでは、例え
ば、図11Aに示す4×6画素のマトリクスの全体画素
に対して歯抜け状(斜線部分)に撮像素子(電荷結合素
子)4Aが配置されている。従って、白抜き部分には撮
像素子4Aが配置されておらず、LCD26及びLCD
27による映像を通すようになされる。注視点検出カメ
ラ4R、4Lは、フィルム上に部分的にシリコン膜を形
成して光電変換素子などのCCDを歯抜け状に作成し、
このフィルムCCD4R、4LをLCD26及びLCD
27の前方に張り合わせるなどして形成される。
【0060】なお、フィルムCCD4R、4Lは、サフ
ァイヤを基礎材料にして、シリコン膜を部分的に形成す
ることができるので、LCD26及びLCD27と歯抜
け状のフィルムCCD4R、4Lとを1チップ化するこ
ともできる。ただし、チップの透明性(光透過率)は薄
いサングラス程度となる。
【0061】このフィルムCCD4Rでは、図11Bに
示す観察者の左眼の瞳の動きや、その瞳孔の絞り状態が
撮像され、フィルムCCD4Lでは、同図に示す観察者
の右眼の瞳の動きや、その瞳孔の絞り状態が撮像され
る。多少撮像性能は落ちるが、観察者の眼球運動を撮像
する分には支障はない。従って、フィルムCCD4R、
4Lから得られたカメラ出力信号S3に基づいてピント
が常に一定になるように流し撮りCCD装置23の自動
ズーム機構を制御することができる。
【0062】この特殊グラストロン2は図12に示す観
察者の顔面又は頭部に装着され、上述のLCD26のス
テレオ画像と、LCD27のステレオ画像とが観察者の
眼球に導くようになされる。図12において、特殊グラ
ストロン2を装着した観察者の両目の光軸が重なったと
ころが、注視点pである。この注視点pを基準にして、
観察者の属する背景像のステレオ画像と肖像画P11、
船の絵画P21、山の絵画P31などの仮想映像のステ
レオ画像とが頭の中で合成される。
【0063】ここで、観察者の眼球表面から注視点pに
至る離隔距離をSeとし、流し撮りCCD装置23のレ
ンズ表面から注視点pに至る焦点距離をScとし、観察
者の眼球表面と流し撮りCCD装置23のレンズ表面と
の間のオフセット距離をSoffとする。
【0064】この観察者の眼球映像は、上述したように
左右のLCD26、27の前面にフィルムCCD4R、
4Lを設ける場合に限られることはなく、左眼表示用の
LCD27から背景映像を出力し、右眼表示用のLCD
26上にフィルムCCD4R目を設け、そのCCD4R
によって眼球映像を取得してもよい。この逆の方法でも
よい。この例では、観察者の眼球運動から黒目と瞳孔の
位置関係及び瞳孔の形状を認識し、その認識情報から注
視点pの方向と離隔距離Seとを求め、その離隔距離S
eに基づいて特殊グラストロン2と発光ダイオードLE
Diとの間の焦点距離Sc+Soffを補正するようにな
される。
【0065】続いて、インターライン転送方式の流し撮
りCCD装置23の内部構成について説明する。図13
に示す流し撮りCCD装置23は基板31を有してい
る。その基板31上には、1画素を構成する光電変換素
子としてフォトダイオードPHij(i=1〜n、j=
1〜m)がn列×m行のマトリクス状に配置されてい
る。
【0066】この基板の列方向には電荷転送部としてm
本の垂直転送部32が設けられ、フォトダイオードPH
ijから読み出した信号電荷が垂直読み出し信号S1に
基づいて垂直方向(流し撮り方向)に転送される。この
垂直転送部32には水平転送部33が接続され、その信
号電荷が水平読み出し信号S2に基づいて水平方向に転
送されるので、出力端子34には流し撮り信号SOUTが
出力される。この例では、光源ブロックBLiの4つの
発光ダイオードLED1〜LED4を流し撮りをするた
めに、少なくとも、同一フィールド期間中に複数回、フ
ォトダイオードPHijから垂直転送部32に信号電荷
が読み出される。
【0067】また、流し撮りCCD装置23は図14に
示す魚眼レンズ35を有している。魚眼レンズ35は例
えばCCD撮像素子36の光軸上に設けられる。この魚
眼レンズ35によって観察者の基準面設定用の光源ブロ
ックBL1〜BL8などを広範囲に撮像できるようにな
されている。もちろん、通常のレンズでも構わないが、
視野が狭くなるので、観察者は光源ブロックBLiに向
けてより多く頭部を傾けなければならない。
【0068】この例では、魚眼レンズ35の中央に一番
近い部分で発光ダイオードLEDiの点滅パターンが確
認されると、流し撮りCCD装置23の自動ズーム機構
によりそのピントが常に一定になるように焦点が合わせ
込まれる。従って、発光ダイオードLEDの点滅パター
ンの取得精度を向上させることができる。このピントが
合った状態で、4個の発光ダイオードLED1〜LED
4の発光位置が求められ、その位置を結んで第2の基準
面が認識される。その際に、観察者の注視する発光ダイ
オードLEDiと流し撮りCCD装置23との焦点距離
Scが近すぎて、その発光ダイオードLEDによる輝度
情報が取得できない場合には、ピントを通常に戻して広
域の他の発光ダイオードLEDiの点滅パターンを認識
するようにする。
【0069】続いて、仮想画像立体合成装置100の回
路構成について説明する。図15に示す仮想画像立体合
成装置100は大きく分けて3つの回路ブロックから成
る。第1の回路ブロックは基準面設定用の光源ブロック
BL1〜BL8であり、この光源ブロックBL1〜BL
8には点滅制御回路13が各々設けられ、4個の発光ダ
イオードLED1〜LED4に所定の電圧が印加されて
点滅制御される。点滅制御回路13では点滅パターンが
異なるように発光ダイオードLED1、LED2、LE
D3及びLED4が点滅間隔が制御される(図7、図8
参照)。
【0070】第2の回路ブロックは特殊グラストロン2
であり、上述した流し撮りCCD装置23、通常のCC
D撮像装置25、右眼表示用のLCD26、左眼表示用
のLCD27及び左右のフィルムCCD4R、4L(注
視点検出用のカメラ4)を有している。
【0071】第3の回路ブロックは画像処理装置3であ
り、内部バス41を有している。内部バス41にはイン
タフェース(I/O)42、画像キャプチャ部43、画
像処理部44、CPU45、ROM46、RAM47及
びE2PROM(電気的な書き込み及び消去が可能な読
み出し専用メモリ)48が接続されている。流し撮りC
CD装置23、通常のCCD撮像装置25、右眼表示用
のLCD26、左眼表示用のLCD27及び注視点検出
用のカメラ4はインタフェース42を介して内部バス4
1に接続される。
【0072】この内部バス41にはE2PROM48が
接続され、観察者の属する外界像に肖像画P11、船の
絵画P21、山の絵画P31、これらの下位階層の人体
内部構造の画像P12、操舵室の画像P22及び地底構
造の画像などの仮想映像を立体的に合成するアルゴリズ
ムが格納されている。例えば、E2PROM48には、
観察者の属する実空間上の壁面1で任意に設定された仮
想壁面1’で肖像画P11、船の絵画P21、山の絵画
P31などの仮想映像を重ね合わせて合成するアルゴリ
ズムと、その実空間上の壁面1で任意に設定された第2
の基準面上で肖像画P11の下位階層の人体内部構造の
画像P12、船の絵画P21の下位階層の操舵室の画像
P22又は山の絵画P31の下位階層の地底構造の画像
などの仮想映像を重ね合わせて合成するアルゴリズムが
格納される。
【0073】従って、このアルゴリズムを実行すること
によって、簡易に、しかも、少ない計算量で実空間の壁
面1の光源ブロックBLi上で第1又は第2の基準面を
認識することができる。これにより、実空間上の壁面1
の光源ブロックBLiの第1の基準面の属する位置に、
あたかも、肖像画P11、船の絵画P21、山の絵画P
31などが存在するように仮想画像立体合成処理をする
こと、及び、その第2の基準面上で、これらの下位階層
の人体内部構造の画像P12、操舵室の画像P22及び
地底構造の画像などが存在するように仮想画像立体合成
処理をすることができるので、バーチャル美術館などの
仮想画像立体合成装置100を再現性良く構成すること
ができる。
【0074】更に、内部バス41にはROM46が接続
され、この仮想画像立体合成装置100を制御するため
のシステムプログラムや、メモリの読み出し手順などの
制御情報などが格納される。内部バス41にはワーキン
グ用のRAM47が接続され、システムプログラムや、
肖像画P11、船の絵画P21、山の絵画P31などの
仮想画像を表示する表示情報が一時記録される。
【0075】例えば、RAM47には、基準面設定用の
8個の光源ブロックBL1〜BL8の各々4つの発光ダ
イオードLED1〜LED4の位置情報(x1,y
1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y
4)及び、4つの発光ダイオードLED1〜LED4間
の距離情報Lx=(x3−x1)=(x4−x2)や、
距離情報Ly=(y2−y1)=(y4−y3)が記憶
されている。その際に、予め定められた配置間隔で8個
の光源ブロックBL1〜BL8を壁面1に取付ける場合
には、その8個の光源ブロックBL1〜BL8の配置情
報を予めアドレスマップにしてRAM47に記憶してお
いてもよい。
【0076】また、内部バス41には制御手段としてC
PU45が接続され、インタフェース42、画像キャプ
チャ部43、画像処理部44、ROM46、RAM47
及びE2PROM48の入出力の制御や、流し撮りCC
D装置23、CCD撮像装置25、LCD26、LCD
27及び注視点検出用のカメラ4の入出力の制御が行わ
れる。この例では観察者が注視した発光ダイオードLE
Diと特殊グラストロン2との間の焦点距離ScがCP
U45によって算出される。ここで算出された焦点距離
Scと、フィルムCCD4R、4Lによるカメラ出力信
号S3とに基づいて、観察者が注視した特定の発光ダイ
オードLEDiに対して流し撮りCCD装置23のピン
トをより高精度に合わせ込むことができる。
【0077】例えば、CPU45はカメラ出力信号S3
に基づいて流し撮りCCD装置23の焦点距離Scを調
整したり、観察者の眼球運動から認識された瞳孔の動き
に基づいてその観察者が注視した発光ダイオードLED
iと流し撮りCCD装置23との間の焦点距離Scを補
正するように動作する。この補正動作については図16
で説明する。その他にCPU45はカメラ出力信号S3
に基づいてLCD26、LCD27への映像出力を制御
するようになされる。例えば、観察者が注視した部分の
画像を所定の倍率で拡大してLCD26、LCD27に
表示するような拡大表示制御が行われる。
【0078】これに関連してインタフェース42には操
作部9が設けられ、少なくとも、観察者が注視した部分
の画像を所定の大きさに戻して表示するような指示信号
(リセット信号)S5がインタフェース42を介してC
PU45に指示が与えるようになされている。一時拡大
した画像を通常の大きさの画像に戻すためである。
【0079】このインタフェース42には画像処理部4
4が接続され、例えば、流し撮りCCD装置23で撮像
された基準面設定用の光源ブロックBLiの4つの発光
ダイオードLED1〜LED4の画像(図17参照)
が、CPU45の制御命令と共にインタフェース42を
介して、画像処理部44に取り込まれ、そこで所定の画
像処理がなされ、再び、インタフェース42を介して特
殊グラストロン2内のLCD26及びLCD27などに
転送される。
【0080】また、インタフェース42には画像キャプ
チャ部43が接続され、CPU45の制御命令を受け
て、流し撮りCCD装置23から入力した点滅パターン
の画像データを獲得する所定のキャプチャ処理がなされ
る。この点滅パターンの画像データは時間経過に対応す
る輝度の変化として表現されている。画像キャプチャ部
43には演算手段としての画像処理部44が接続され、
所定の画像処理が施された画像データに関して、点滅パ
ターンの同期ずれが補正されたり、観察者の属する基準
面が求められる。この基準面の算出については図17〜
図19で説明する。
【0081】続いて、仮想画像立体合成装置100の位
置認識手段5の焦点補正時の動作例について説明をす
る。図16に示す流し撮りCCD装置23には図示しな
いインタフェース42を介して画像処理部44が接続さ
れ、基準面設定用の光源ブロックBLiの4つの発光ダ
イオードLED1〜LED4の画像が取り込まれ、そこ
で所定の画像処理がなされる。
【0082】また、図16に示す光源ブロックBLiに
よる基準面を注視する観察者の眼球運動が注視点検出カ
メラ4によって撮像され、その観察者の注視点pが検出
される。この注視点検出カメラ4には図示しないインタ
フェース42を介して制御手段としてのCPU45が接
続され、この注視点検出カメラ4から得られたカメラ出
力信号S3に基づいて流し撮りCCD装置23の焦点距
離が調整される。
【0083】例えば、CPU45は、流し撮りCCD装
置23にズーム制御信号S0を出力して、観察者の眼球
運動から認識された瞳孔の動きに基づく発光ダイオード
LEDiと流し撮りCCD装置23との間の焦点距離を
補正するようになされる。
【0084】ここで、観察者の眼球表面から注視点pに
至る離隔距離をSeとし、流し撮りCCD装置23のレ
ンズ表面から注視点pに至る焦点距離をScとし、観察
者の眼球表面と流し撮りCCD装置23のレンズ表面と
の間のオフセット距離をSoffとすると、その注視点p
に至る離隔距離Seが焦点距離Sc+Soffよりも多い
場合には、CPU45がその焦点距離Scを長くするよ
うに流し撮りCCD装置23の光学系を調整する。反対
に、注視点pに至る離隔距離Seが焦点距離Sc+Sof
fよりも少ない場合には、CPU45はその焦点距離S
cを短くするように流し撮りCCD装置23の光学系を
調整するようになされる。
【0085】続いて、画像処理装置3の第2の基準面の
設定時の動作例について説明をする。この例では、図1
5に示した画像処理装置3では、RAM47から読み出
された基準面設定用の光源ブロックBL1〜BL8の4
つの発光ダイオードLED1〜4の位置情報及び距離情
報Lx,Lyを参照しながら、流し撮りCCD装置23
で撮像された実際の4つの発光ダイオードLED1〜L
ED4の位置情報及び距離情報Lx,Lyが演算され
る。
【0086】この実際の4つの発光ダイオードLED1
〜LED4の位置情報及び距離情報Lx,LyがRAM
47による発光ダイオードLED1〜LED4の位置情
報及び距離情報Lx,Lyにより一層近づくように、流
し撮りCCD装置23の焦点光学系が自動調節される。
これにより、図19に示す基準面設定用の光源ブロック
BLiの4つの発光ダイオードLED1〜LED4の修
正後の画像を画像処理部44に取り込むことができる。
修正後の画像は、4つの発光ダイオードLED1〜LE
D4の位置が、4つ輝点p1〜p4の位置座標(x1,
y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y
4)に近似し、しかも、4つの発光ダイオードLED1
〜LED4間の距離がLx=(x3−x1)=(x4−
x2)や、距離情報Ly=(y2−y1)=(y4−y
3)に近似するようなイメージになされる。
【0087】例えば、図15に示した画像処理部44で
は流し撮りCCD装置23から出力された流し撮り信号
(輝度信号)SOUTの点滅パターンに関して、図19に
示すウインドWにより画定された画像領域内で、4つの
流し撮り輝点p1〜p4を含むXY平面を成す空間的な
配置パターンに変換される。その後、その配置パターン
上を走査して、少なくとも、4つの輝点p1〜p4の位
置座標(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y
3)、(X4,Y4)が求められる。
【0088】この4つの輝点p1〜p4は壁面1に取付
けられた基準面設定用の8個の光源ブロックBL1〜B
L8のうちの1つを注視した際の、光源ブロックBLi
の4つの発光ダイオードLED1〜LED4である。実
空間上の光源ブロックBLiの4つの発光ダイオードL
ED1〜LED4の位置座標は既知であり、その位置座
標は(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y
3)、(x4,y4)である。
【0089】従って、上述の実空間上の光源ブロックB
Liの基準面は4つの発光ダイオードLED1〜LED
4の取付け位置に射影する変換行列を演算することによ
り得られる。ここで実空間の光源ブロックBLiの平面
上の点(xi,yi,0)をある並進・回転運動によっ
て移動し、それを透視変換で画像座標系に射影した点を
(Xi,Yi)で示すと、両者の間には(1)式なる関
係がある。
【0090】
【数1】
【0091】但し、a1・・・・a8は未知の係数でC
CD撮像装置25などの外部パラメータ(位置と方向)
及び焦点距離などの内部パラメータである。これらのパ
ラメータは実空間の既知の点の位置座標(x1,y
1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y
4)と、それらに対応する4組の画像処理系の位置座標
(X1,Y1)、(Y2,Y2)、(X3,Y3)、
(X4,Y4)が存在すれば、(2)式の方程式を解く
ことにより得られる。
【0092】
【数2】
【0093】ここで得られた4点の位置座標(X1,Y
1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y
4)を結ぶことにより、図19に示した実空間上の光源
ブロックBLiの基準面が認識される。
【0094】具体的には、図19に示す配置パターン上
で流し撮像方向をY軸とし、そのY軸に直交する方向を
X軸としたときに、画像処理部44によって流し撮像方
向と同一方向又はその反対方向に輝度信号値が加算され
る。この加算値がX軸上にプロットされると、そのX軸
にプロットされた輝度信号値が最大となる4つの位置が
検出され、この4つの位置に対応するX座標値X1、X
2、X3、X4が求められる。
【0095】また、その配置パターン上で取得画像をY
方向に走査したときに、そのY方向に並んだ複数の輝点
のうち、最初に発光した輝点位置が各々X座標値に対応
したY座標値Y1、Y2、Y3、Y4として求められ
る。この4つの輝点間の距離情報はLx=(X3−X
1)=(X4−X2)及びLy=(Y2−Y1)=(Y
4−Y3)として求めることができる。
【0096】ここで、実空間上の4つの発光ダイオード
LED1〜LED4の位置座標をwi(i=1〜4)と
し、その4つの発光ダイオードLED1〜LED4の位
置座標wiのカメラ座標系上での表現ベクトルをCiと
し、その4つの発光ダイオードLED1〜4のLCD画
面上での位置座標をPiとし、流し撮りCCD装置23
の回転マトリクスをR、その移動ベクトルをTとする
と、(3)式、すなわち、 Ci=R・wi+T ・・・(3) 但し、Ci=Pi・ki(kiはスカラー)という関係
がある。従って、通常のCCD撮像装置25の回転マト
リクスRとその移動ベクトルTとを演算し、これをパラ
メータとして実空間と仮想空間との間で座標変換を容易
に行うことができるので、仮想空間上の光源ブロックB
Liの基準面に肖像画P11、船の絵画P21、山の絵
画P31などの画像を合成することができる。
【0097】続いて、壁面1、仮想壁面1’及び特殊グ
ラストロン2を装着した観察者との位置関係について説
明をする。図20は、仮想壁面1’と撮像系との位置関
係例を示す上面図である。この例では、図20に示す壁
面1の特定位置から距離S0だけ離れた位置に第1の基
準面として仮想壁面1’が設定され、各々の光源ブロッ
クBLi上に第2の基準面が設定される。
【0098】そして、図20に示す位置S1に撮像系が
存在する場合、すなわち、図21Aに示す特殊グラスト
ロン2を装着した観察者30が壁面1から遠くに離れた
位置SP1に立った場合(S0<<S1)には、8個の
光源ブロックBL1〜BL8が壁面1に取り付けられて
いることが特殊グラストロン2の撮像系によって辛うじ
て認識される。この際に観察者30は光源ブロックBL
1を頂点として壁面1に対して直角を成す方向に立つ。
【0099】その後、撮像系の接近目標として光源ブロ
ックBL1を設定する。そして、図20に示す位置S2
に撮像系が移動した場合、すなわち、図21Bに示す観
察者30が壁面1の方向に近づいて立った場合(S2>
S0)には、壁面1に取り付けられた8個の光源ブロッ
クBL1〜BL8が撮像系によって認識される。もちろ
ん、観察者30は光源ブロックBL1に向かって真っ直
ぐに移動する。この位置はそれ以上壁面側に撮像系を進
ませると、8個の光源ブロックBL1〜BL8の内の右
端の2つの光源ブロックBL7、BL8の画像が撮像系
の視野から切れてしまう位置でもある。この位置に撮像
系が存在する場合には、8個の光源ブロックBL1〜B
L8の位置はRAM47からの配置距離情報を参照する
ことによって認識することができる。
【0100】この8個の光源ブロックBL1〜BL8の
位置が画像処理系で認識可能になると、光源ブロックB
Liの個々の発光ダイオードの点滅パターンがつぶれて
認識できなくとも、特殊グラストロン2によって、予め
準備された肖像画P11、船の絵画P21、山の絵画P
31などが第1の基準面上に存在するように仮想画像立
体合成処理をすることができる。
【0101】ここで、目標とされた光源ブロックBL1
と撮像系との間の距離情報Sxは(4)式により求めら
れる。 Sx=Shx・tan(90−θ)・・・・・(4)
【0102】但し、θは撮像系の視野角である。Shx
は光源ブロックBL1からの壁面1に沿った方向への配
置距離である。光源ブロックBL3、BL4では配置距
離がShであり、光源ブロックBL5、BL6では配置
距離が2Shであり、光源ブロックBL7、BL8では
配置距離が3Shである。
【0103】更に、図20に示す位置S3に撮像系が存
在する場合、すなわち、図22Aに示す特殊グラストロ
ン2を装着した観察者30が仮想壁面1’の直前位置S
P3に立った場合(S0=S3)には、上下2個の光源
ブロックBL1、BL2が壁面1に取り付けられている
ことが撮像系によって認識される。
【0104】この位置はそれ以上仮想壁面1’よりに前
に撮像系を進ませると、4個の光源ブロックBL1〜B
L4の内の右端の2つの光源ブロックBL3及びBL4
の画像が撮像系の視野から切れてしまう位置でもある。
この位置が画像処理系では画像切り替え点として認識さ
れる。例えば、肖像画P11から人体内部構造の画像P
12に表示を切り替える位置である。
【0105】つまり、図20に示す位置S4に撮像系が
移動した場合、すなわち、図22Bに示す観察者30が
仮想壁面1’の中に踏み込んで壁面1の方向に近づいて
立った場合(S4<S0)には、すでに壁面1に取り付
けられた光源ブロックBL1が流し撮りCCD装置23
によって認識可能となっているので、光源ブロックBL
1による第2の基準面上で肖像画P11の下位階層であ
る人体内部構造の画像P12を特殊グラストロン2の表
示手段24に表示することができる。
【0106】次に、本発明の位置認識方法に関して仮想
画像立体合成装置100の動作を説明する。図23はそ
の動作例を示すメインルーチンのフローチャートであ
り、図24はその流し撮りCCD装置23の焦点距離の
補正例を示すサブルーチン、図25は、その通常のCC
D撮像装置25の最大望遠時の動作例を示すサブルーチ
ン、図26はその壁面1の光源ブロックBLiの拡大撮
像例を示すサブルーチン、及び、図27はその発光ダイ
オードLED1〜LED4の位置算出例を示すサブルー
チンの各々のフローチャートである。図28は仮想画像
立体合成装置100を応用したバーチャル美術館の構成
例を示すイメージ図である。
【0107】この例では、ほぼ平坦な壁面1の所望位置
に基準面設定用の8個の光源ブロックBLi(i=1〜
8)を予め定められた配置ピッチ(間隔)で配置し、そ
の8個の光源ブロックBLiを撮像して画像処理系に認
識させた後に、第1の基準面上で仮想画像の合成処理を
し、その後、8個の光源ブロックBLiの中の1つの光
源ブロックBLiを目標に設定してその目標に撮像系を
近づけたときに、その光源ブロックBLiを拡大して流
し撮りし、この流し撮りに基づいて第2の基準面で仮想
画像を合成処理する場合を想定する。
【0108】この位置認識原理を応用して、8個の光源
ブロックBL1〜BL8の各々の仮想空間上で肖像画P
11、船の絵画P21、山の絵画P31・・・・その他
の絵画P8などの8枚の画像を表示する。図28ではそ
の第1の基準面を含む仮想空間上に、光源ブロックBL
1を中心に肖像画P11が、光源ブロックBL2を中心
に船の絵画P21が、光源ブロックBL3を中心に山の
絵画P31があたかも存在するようになされる。その
後、この3枚のうちの1枚の映像に観察者30が目標を
設定して壁面方向に近づくと、その絵画映像が下位階層
の画像に切り替えられて特殊グラストロン2に表示する
ような場合を想定する。もちろん、観察者30は図9に
示した特殊グラストロン2を頭部に装着する。
【0109】これを前提にして、図23に示すフローチ
ャートのステップB1で壁面1に取付けられた光源ブロ
ックBLiを撮像して被注視領域を画定する。例えば、
図24のサブルーチンをコールしてそのフローチャート
のステップC1で、まず、流し撮りCCD装置23が最
大望遠状態になされる。この最大望遠状態は通常の視野
で遠くの物を見た場合である。
【0110】このように遠くから物を見た状態にする
と、流し撮りCCD装置23では各光源ブロックBL1
〜BL8の発光ダイオードLED1〜4の点滅パターン
まで識別することができず、画像処理系では各光源ブロ
ックBL1〜BL8が同期して点滅していると認識され
る。従って、光源ブロックBL1〜BL8の存在位置を
画像処理系によって認識させることができる。
【0111】つまり、ステップC2に移行して、その壁
面1に配置された8個の光源ブロックBL1〜BL8が
全部、流し撮りCCD装置23の撮像範囲に収まったか
否かが画像処理系で判別される。この際の判別ではパタ
ーン認識などを利用して行ってもよい。その8個の光源
ブロックBL1〜BL8が撮像範囲に収まらない場合に
は、ステップC3に移行して流し撮りCCD装置23の
焦点調整機構がパーン(螺旋回転)された後に、ステッ
プC4に移行して8個の光源ブロックBL1〜BL8が
画像処理系で認識処理される。
【0112】その後、ステップC2に戻って、その壁面
1に配置された8個の光源ブロックBL1〜BL8が全
部撮像範囲に収まったか否かが再度、画像処理系で判別
される。そして、図23に示すメインルーチンのステッ
プB1に戻り、ステップB2に移行して、画像処理装置
3では、RAM47から読み出された8個の光源ブロッ
クBL1〜BL8の配置距離情報を参照しながら、通常
のCCD撮像装置25で撮像された実際の8個の光源ブ
ロックBL1〜BL8の位置情報が演算される。
【0113】その後、ステップB3では第1の基準面が
認識され、特殊グラストロン2の表示手段24には仮想
壁面1’が表示される。そして、ステップB4に移行し
て仮想壁面1’に肖像画P11、船の絵画P21、山の
絵画P31・・・・その他の絵画P8などの8枚の画像
が合成される。このとき、観察者30が装着した特殊グ
ラストロン2では、LCD26により実空間の外界像で
ある壁面1と、肖像画P11、船の絵画P21、山の絵
画P31などの画像とを合成したステレオ画像の一方が
観察者30の右の眼球に導くようになされる。LCD2
7により、実空間の壁面1と、肖像画P11、船の絵画
P21、山の絵画P31などの画像とを合成したステレ
オ画像の他方が観察者30の左の眼球に導くようになさ
れる。
【0114】従って、実空間上の壁面1には、肖像画P
11、船の絵画P21、山の絵画P31などが出現して
いない(図4参照)のに、図28に示す仮想壁面1’に
は肖像画P11、船の絵画P21、山の絵画P31など
を出現させることができる。これにより、観察者30の
属する実空間上の背景画像と、仮想空間上に出現した肖
像画P11、船の絵画P21、山の絵画P31などの画
像が頭の中で合成されるので、実空間上の壁面1の属す
る光源ブロックBLiの位置に、あたかも、肖像画P1
1、船の絵画P21、山の絵画P31などが存在するよ
うにできる。
【0115】この一連の撮像処理及び画像処理と並行し
て、ステップB12では観察者30の眼球運動が撮像さ
れると共に、ステップB13で少なくとも、流し撮りC
CD装置23の焦点距離の補正がなされる。もちろん、
通常のCCD撮像装置25の焦点距離を補正するように
してもよい。例えば、図25のサブルーチンをコールし
てそのフローチャートのステップD1で、観察者30の
注視点pが図11Aに示した歯抜けのフィルムCCD4
R、4Lなどの注視点検出用のカメラ4で検出される。
【0116】その後、ステップD2で観察者30の眼球
表面から注視点pに至る離隔距離Seと、その観察者3
0が注視した発光ダイオードLEDiと流し撮りCCD
装置23との間の焦点距離Sc+SoffとがCPU45
よって比較される。ここで、注視点pに至る離隔距離S
eと流し撮りCCD装置23の焦点距離Sc+Soffと
が一致している場合には、光学系の調整は不要なので、
ステップD8に移行して、観察者30の眼球運動の監視
を継続する。この注視点pに至る離隔距離Seと流し撮
りCCD装置23の焦点距離Sc+Soffとが不一致の
場合には、ステップD3に移行する。
【0117】このステップD3では、注視点pに至る離
隔距離Seが流し撮りCCD装置23の焦点距離Sc+
Soffよりも多い(A)か、少ない(B)かが判定され
る。例えば、注視点pに至る離隔距離Seが流し撮りC
CD装置23の焦点距離Sc+Soffよりも多い場合に
は、ステップD4に移行してCPU45によってその焦
点距離Scを増加するように流し撮りCCD装置23の
絞りやレンズなどの光学系が調整される。
【0118】この調整結果で、ステップD5で離隔距離
Seと焦点距離Sc+Soffとが一致した場合には、ス
テップD8に移行し、一致しない場合はステップD4に
戻って調整を継続する。反対に、観察者30の眼球表面
から注視点pに至る離隔距離Seが焦点距離Sc+Sof
fよりも少ない場合には、ステップD6に移行してCP
U45により、その焦点距離Scを減少するように流し
撮りCCD装置23の光学系が調整される。その調整結
果で、ステップD7で離隔距離Seと焦点距離Sc+S
offとが一致した場合には、ステップD8に移行し、一
致しない場合はステップD6に戻って調整を継続する。
これにより、観察者30が注視した光源ブロックBLi
と流し撮りCCD装置23の光学系との間の焦点距離S
c+Soffを自動補正することができる。
【0119】そして、図23に示すメインルーチンのス
テップB5では8個の光源ブロックBLiのうちのどの
光源ブロックBLiに目標が設定されたかが、図25の
サブルーチンのステップD1の観察者30の注視点pの
情報に基づいて検出される。この際に、いずれかの光源
ブロックBLiに注視された場合にはステップB6に移
行する。反対に、いずれの光源ブロックBLiも注視さ
れない場合にはステップB14に移行する。
【0120】従って、いずれかの光源ブロックBLiに
目標が設定されたときは、その目標に向かって観察者3
0が壁面1の方向へ近づいて行く間中、ステップB6で
撮像系と目標との間の距離情報Sxが算出される。この
際の距離情報Sxに関しては(4)式により演算され
る。もちろん、第1の基準面には肖像画P11、船の絵
画P21、山の絵画P31などの画像が表示されてい
る。
【0121】そして、ステップB7で観察者30が仮想
壁面1’に到達したか否かが検出される。観察者30が
仮想壁面1’に到達していない場合にはステップB6に
戻って撮像系と目標との間の距離情報Sxの算出が継続
される。ここで、観察者30が図22Aに示した仮想壁
面1’の直前位置SP3に立ったような場合には距離情
報Sx=S0=S3が画像処理装置3によって検出され
る。この位置は肖像画P11から人体内部構造の画像P
12に表示を切り替える位置である。従って、一歩でも
仮想壁面1’内へ踏み込むと、特殊グラストロン2の表
示手段24の映像が切り替わるようになされる。
【0122】例えば、ステップB8に移行して、その被
注視領域内で目標とされた光源ブロックBL1を拡大し
て撮像する。そして、光源ブロックBL1の4つの発光
ダイオードLED1〜LED4が全部、流し撮りCCD
装置23の撮像範囲に収まった場合には、図26のサブ
ルーチンをコールしてそのフローチャートのステップE
1で光源ブロックBL1に発光ダイオードLED1〜L
ED4が存在するか否かが検出される。このとき、観察
者30が注目した光源ブロックBL1にステップE2で
ズームアップされる。
【0123】この際に、画像処理装置3では、RAM4
7から読み出された基準面設定用の光源ブロックBL1
の4つの発光ダイオードLED1〜LED4の位置情報
及び距離情報Lx,Lyを参照しながら、流し撮りCC
D装置23で撮像された実際の4つの発光ダイオードL
ED1〜LED4の位置情報及び距離情報Lx,Lyが
演算される。
【0124】そして、実際に撮像された4つの発光ダイ
オードLED1〜LED4の位置及び距離Lx,Lyが
RAM47による発光ダイオードLED1〜LED4の
位置情報及び距離情報Lx,Lyにより一層近づくよう
に、流し撮りCCD装置23の焦点光学系が自動調整さ
れる。その後、ステップE1に戻る。従って、ステップ
E1で観察者30が注目した光源ブロックBLiに4個
の発光ダイオードLED1〜LED4が存在することが
認識されると、ステップE3に移行して画像処理系では
位置認識処理がなされる。この処理については、図18
及び図19で説明した通りである。
【0125】その後、ステップE4に移行して壁面1が
認識できたか否かが判別される。この壁面1が認識でき
た場合には、この位置認識処理を終了してメインルーチ
ンにリターンする。この壁面1が認識できない場合に
は、ステップE5に移行して4つの輝点の距離情報L
x、Lyが、図15に示したRAM47から読み出され
た距離情報(基準値)Lx、Lyよりも小さいかが検出
される。RAM47による距離情報Lx、Lyよりも演
算された距離情報Lx、Lyが小さい場合には、ステッ
プE6に移行してズームアップされる。その後、ステッ
プE3に戻って位置認識処理が行われる。
【0126】また、ステップE5でRAM47による距
離情報Lx、Lyよりも演算された距離情報Lx、Ly
が大きい場合には、ステップE7に移行して再度、4つ
の輝点の距離情報Lx、LyがRAM47に格納された
距離情報(基準値)Lx、Lyよりも大きいかが検出さ
れる。RAM47による距離情報Lx、Lyよりも演算
された距離情報Lx、Lyが大きい場合には、ステップ
E8に移行してズームダウンされる。
【0127】そして、ステップE8でズームダウンした
後、及び、ステップE7でRAM47による距離情報L
x、Lyよりも演算された距離情報Lx、Lyが大きく
ない場合には、ステップE3に戻って位置認識処理が行
われる。その後、ステップE4に移行して壁面1が認識
できたか否かが判別される。
【0128】以上の処理を繰り返すことで、観察者30
が注視した特定の光源ブロックBLiを、再現性よく画
像処理系に認識させることができる。従って、画像処理
系で壁面1が認識されると、この位置認識処理を終了し
て図23のメインルーチンのステップB8にリターンす
る。
【0129】そして、図23のフローチャートのステッ
プB9に移行して拡大撮像された光源ブロックBLiに
よる輝度信号を画像処理してその光源ブロックBLiの
位置を求める。例えば、図27のサブルーチンをコール
してそのフローチャートのステップF1でビデオキャプ
チャ処理を実行する。その後、ステップF2で光源ブロ
ックBLiの四隅の発光ダイオードLED1〜LED4
を認識する。具体的には、流し撮りCCD装置23で撮
像された光源ブロックBLiの4つの発光ダイオードL
ED1〜LED4による輝度信号の点滅パターンが、4
つの輝点p1〜p4を含むXY平面を成す空間的な配置
パターンに変換される。
【0130】その後、その配置パターン上を走査して、
少なくとも、4つの輝点p1〜p4の位置座標(X1,
Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y
4)が求められ、上述した(1)式及び(2)式が演算
され、実空間上の4つの発光ダイオードLED1〜4の
取付け位置と、画像処理系の4点の位置座標(X1,Y
1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y
4)との関係が求められ、この4点を結ぶことにより基
準面が求められる(壁面の認識原理)。そして、ステッ
プF3で画像処理部44では上述の(3)式に基づいて
演算処理が行われ、流し撮りCCD装置23と基準面と
の位置関係が検出される。
【0131】その後、図23のメインルーチンのステッ
プB9にリターンし、ステップB10に移行して壁面1
の特定位置である光源ブロックBL1に第2の基準面が
設定される。そして、ステップB11に移行して仮想空
間の光源ブロックBL1の第2の基準面上に肖像画P1
1の下位階層の画像である人体内部構造の画像P12が
特殊グラストロン2に表示される。例えば、特殊グラス
トロンでは、LCD26により実空間の外界像である壁
面1と、肖像画P11の下位階層の画像である人体内部
構造の画像P12とを合成したステレオ画像の一方が観
察者30の右の眼球に導くようになされる。LCD27
により、実空間の壁面1と、その人体内部構造の画像P
12とを合成したステレオ画像の他方が観察者30の左
の眼球に導くようになされる。
【0132】従って、実空間上の壁面1には、人体内部
構造の画像P12などが出現していない(図4参照)の
に、仮想空間の光源ブロックBLiによる第2の基準面
上に、は図29Aに示すような人体内部構造の画像P1
2を出現させることができる。これにより、観察者30
の属する実空間上の背景画像と、仮想空間上に出現した
人体内部構造の画像P12が頭の中で合成されるので、
実空間上の壁面1の属する光源ブロックBLiの位置
に、あたかも、人体内部構造の画像P12が存在するよ
うにできる。
【0133】この例では、上述の壁面1の認識原理を応
用することにより、観察者30が例えば図28に示す左
側の肖像画P11に注視すると、注視点検出用のカメラ
4からCPU45へ「肖像画に注視している」旨のカメ
ラ出力信号S3が出力されるので、画像処理装置3で
は、その肖像画P11に目標を設定されたことを判断で
きる。
【0134】また、右眼表示用のLCD26及び左表示
用のLCD27に人体内部構造の画像P12及び肖像画
P11を拡大して表示した場合には、先に述べた操作部
9を操作すると、指示信号S5がCPU45に出力さ
れ、観察者30が注視した肖像画P11を所定の大きさ
に戻した表示がなされる。そして、図23に示したフロ
ーチャートのステップB14の「終了する」に対して
「NO」でステップB1に戻ってその仮想画像合成表示
処理を継続し、「YES」でその仮想画像合成表示処理を
終了する。
【0135】なお、図29Aは、肖像画の下位階層の画
像例を示す人体内部構造の画像P12のイメージ図、及
び、図29Bは船の絵画P21の下位階層の画像例を示
す操舵室から進行方向を見た画像P22を示すイメージ
図である。図28において、目標を船の絵画P21に設
定した場合には、観察者30が仮想壁面1’を越えた時
点で図28に示した船の絵画P21から図29Bに示す
操舵室の画像P22に表示を切り換えることができる。
【0136】このように、本実施形態としての仮想画像
立体合成装置100によれば、上述の位置認識装置10
及び位置認識方法が応用されるので、壁面1の特定位置
の光源ブロックBLi及びその光源ブロックBLiから
離れた任意の位置を簡易にかつ少ない計算量で、しか
も、ベストフォーカスで精度良く画像処理系などに認識
させることができる。
【0137】従って、壁面1の特定位置の光源ブロック
BLiから離れた任意の位置に第1の基準面を設定し、
又は、その光源ブロックBLiに第2の基準面を設定す
ることができるので、その第1の基準面を取り込んだ仮
想壁面1’上で仮想体の画像を合成するような仮想画像
立体合成処理を行うこと、及び、その第2の基準面を取
り込んだ壁面1上で仮想体の画像を合成するような仮想
画像立体合成処理を行うことができる。
【0138】これにより、実際の壁面1には肖像画P1
1、船の絵画P21、山の絵画P31などの実物の絵画
などが存在しない場合であっても、仮想壁面1’には複
数の絵画が出現し、しかも、その絵画の1つに目標を設
定してその絵画の中に踏み込んだときに、その絵画の下
位階層の画像が表示されるようなバーチャル美術館など
を再現性よく構築することができる。
【0139】また、本例のバーチャル美術館では、仮想
空間上で、図28に示した肖像画P11、船の絵画P2
1及び山の絵画P31の3枚の画像のうち、観察者30
が注視した1枚の画像に通常のCCD撮像装置25の焦
点を合わせ込むとができるので、その画像をズームアッ
プして表示することができる。従って、このバーチャル
美術館では実空間の壁面1に8個の光源ブロックBLi
を設け、その映像ソフトをCD−ROMなどから供給す
ればよく、観察者30が注視した画像を忠実に画像表示
することができる。
【0140】更に、この例では、観察者30が注視した
特定の発光ダイオードLEDiに流し撮りCCD装置2
3の焦点を精度良く合わせ込むことができる。従って、
ベストフォーカスで4つの発光ダイオードLED1〜L
ED4を所定の撮像方向に流すように撮像することがで
きる。これと共に、その点滅パターンの輝度信号を画像
処理装置3で最適に画像処理することができるので、8
個の光源ブロックBL1〜BL8による第1及び第2の
基準面を精度良く認識させることができる。
【0141】しかも、観察者30の属する実空間上の壁
面1に関して第1及び第2の基準面を簡易に、しかも、
少ない計算量で認識することができる。従って、画像処
理部44における演算負担を従来方式に比べて軽減でき
ると共に、これらのバーチャル美術館などの仮想画像立
体合成装置のコストダウンを図ることができる。
【0142】この実施形態では流し撮りCCD23に関
してインターライン転送方式の二次元撮像デバイスを使
用する場合について説明したが、これに限られることは
なく、フレーム転送方式の二次元撮像デバイスを使用す
る場合であっても同様な効果が得られる。
【0143】(3)第2の仮想画像立体合成装置 図30は本発明に係る位置認識装置及び位置認識方法を
応用した第2の実施形態としての仮想画像立体合成装置
200の構成例を示す斜視図である。この実施形態で
は、壁面1に取付けられる被認識マークMiが光源ブロ
ックBLiから二次元バーコードBCi(i=1〜8)
に置き換わったものであり、その内の任意の1つに目標
が設定され、その目標に撮像系を近づけた場合におい
て、その目標となされた二次元バーコードBCiと撮像
系との距離情報を求める演算手段を設け、壁面1の特定
位置及びその特定位置から離れた任意の位置を簡易にか
つ少ない計算量で、しかも、ベストフォーカスで精度良
く画像処理系などに認識させ、壁面1の特定位置及びそ
の特定位置から離れた任意の位置に各々基準面を設定
し、その各々の基準面を取り込んだ仮想空間上で仮想体
の画像を合成できるようにしたものである。
【0144】図30に示す仮想画像立体合成装置200
は、第1の実施形態と同様にして観察者30の属する外
界像に、人物や風景などの静止画像(2D)又はTV番
組のキャラクタ画像(3D)などの仮想体画像を立体的
に合成表示する装置である。
【0145】この仮想画像立体合成装置200は壁面1
の所望位置に取付けられた複数の被認識マークMiとし
ての基準面設定用の8個の二次元バーコードBCi(i
=1〜8)と、観察者30の頭部に装着される合成手段
としての特殊グラストロン20と、この特殊グラストロ
ン20における撮像画像及び表示画像の入出力を制御す
る画像処理装置3を備えて成るものである。
【0146】この特殊グラストロン20の本体部21に
は第1の実施形態と同様にしてベルト22が設けられ、
眼鏡をかけるように本体部21が観察者30の顔面に装
着されると共に、その観察者30の頭部外周部に沿って
ベルト22が固定される。この例で特殊グラストロン2
0は、表示手段24と、領域抽出用の撮像手段としての
通常のCCD撮像装置25とを有しており、そのCCD
撮像装置25により撮像(認識)された仮想空間の基準
面上に仮想体の画像を表示手段24によって合成表示す
るようになされる。
【0147】この例では、実空間上の壁面1の基準面の
属する位置に、例えば、光源ブロックBL1を中心に仮
想体として肖像画P11が、光源ブロックBL2を中心
に船の絵画(図示せず)P21が、光源ブロックBL3
を中心に山の絵画(図示せず)P31などがあたかも存
在するようになされる。その際に通常のCCD撮像装置
25によって二次元バーコードBCiが撮像される。ま
た、上述の壁面1に取付けられた8個の二次元バーコー
ドBC1〜BC8と、通常のCCD撮像装置25とによ
り位置認識手段50が構成され、壁面1の特定位置及び
その特定位置から離れた任意の位置で基準面を認識(設
定)するようになされる。この位置認識手段50には本
発明に係る位置認識装置10及び位置認識方法が応用さ
れる。
【0148】この例では壁面1に取付けられた8個の二
次元バーコードBC1〜BC8が通常のCCD撮像装置
25によって撮像されて被注視領域が画定されると共
に、観察者30によって8個の二次元バーコードBC1
〜BC8の内の任意の1つに目標が設定されたときに、
その被注視領域内で目標となされた二次元バーコードB
CiがCCD撮像装置25によって撮像される。
【0149】この特殊グラストロン20には演算手段と
しての画像処理装置3が接続され、及び通常のCCD撮
像装置25により撮像された二次元バーコードBCiに
よる輝度信号を画像処理してその二次元バーコードBC
iの位置が求められ、その位置情報に基づいて二次元バ
ーコードBCiにおける第1及び第2の基準面などを設
定するための画像処理がなされる。
【0150】この例で、図31に示す基準面設定用の二
次元バーコードBC1〜BC8は静止物体として比較的
に平坦な壁面1に取付けられる。壁面1の大きさについ
ては第1の実施形態で述べた通りであり、8個の二次元
バーコードBCiが予め定められた間隔で図31に示す
位置に格子状に配されている。二次元バーコードBCi
の水平方向の間隔(ピッチ:Ph)は1m程度であり、
その垂直方向の間隔(ピッチ:Pv)は1.5m程度で
ある。この8個の二次元バーコードBC1〜BC8の各
々の仮想空間上で第1の実施形態と同様にして肖像画P
11、船の絵画P21、山の絵画P31・・・・その他
の絵画P8などの画像が合成表示される。これらの肖像
画P11、船の絵画P21、山の絵画P31・・・の映
像や、これらの下位階層の映像は画像処理系のメモリな
どに予め格納されているものを使用する。
【0151】図32は第2の実施形態としての仮想画像
立体合成装置200で使用する基準面設定用の二次元バ
ーコードBCiの構成例を示す図である。各々の二次元
バーコードBCiは、一辺が5cm程度であり、少なく
とも、図32に示す白地に黒で印刷されたn行×n列
(この例では、n=7)の白黒マトリクスと、その白黒
マトリクスと同じ太さの黒枠部51から成る。この例で
は黒枠部51で囲まれた5×5画素がコード領域部52
であり、この25画素のうち、図32に示す12画素が
黒で塗りつぶされている。この二次元バーコードBCi
が基準面として使用されるものである。
【0152】この例でも、基準面設定用の各々の二次元
バーコードBCiの各々の四隅の点の位置情報(x1,
y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y
4)及び、4つの点間の距離情報Lx=(x3−x1)
=(x4−x2)や、距離情報Ly=(y2−y1)=
(y4−y3)が規定されている。これらの位置情報及
び距離情報は壁面1の認識の際に使用するために、ブロ
ック識別情報と共に予め画像処理装置3内のRAMなど
に登録されている。
【0153】この例では第1の実施形態と同様にして各
々の二次元バーコードBCiを識別するために所定のデ
ータフォーマットが準備されている(図6参照)。そし
て、一方のデータ領域には各二次元バーコードBCiを
識別するために、各々の二次元バーコードBCi毎に割
り当てられたブロックNo識別コード(コード領域部5
2のデコード値)「1、2・・・8」などが書き込ま
れ、他のデータ領域には各二次元バーコードBCiの四
隅の4点の位置情報及び距離情報Lx、Lyが書き込ま
れる。このブロックNo識別コード及び二次元バーコー
ドBCiの四隅の点の位置情報及び距離情報Lx、Ly
を総称してこの例でもブロック識別情報という。
【0154】また、二次元バーコードBCi間の配置距
離情報は二次元バーコードBCiの水平方向の間隔(ピ
ッチ:Ph)及びその垂直方向の間隔(ピッチ:Pv)
から光源ブロックBLiと同様にして容易に得られる。
上述したブロック識別情報及び二次元バーコードBCi
間の配置距離情報によって配置情報が構成される。これ
らの配置情報は壁面1の認識及び第1及び第2の基準面
の設定の際に使用するために、予め画像処理装置内のR
AM(情報が随時書き込み読み出し可能なメモリ)47
などに登録される。
【0155】図33に示す特殊グラストロン20は非透
過型のヘッドマウントディスプレイを構成しており、通
常のCCD撮像装置25と、第1の画像表示素子として
の右眼表示用の液晶表示装置(以下LCDという)26
と、第2の画像表示素子としての左眼表示用のLCD2
7と、図示しない注視点検出用の撮像手段(第2の撮像
系、以下、注視点検出カメラ4という)とを有してい
る。
【0156】つまり、観察者30の眉間に相当する位置
には、通常のCCD撮像装置25が配置され、観察者3
0の属する外界像が撮像されると共に、二次元バーコー
ドBC1〜BC8が撮像される。従って、観察者30が
基準面設定用の二次元バーコードBC1〜BC8に目を
向けると、その基準面の方向にCCD撮像装置25が向
くようになる。
【0157】この例では、CCD撮像装置25に自動ズ
ーム機構が設けられ、8個の二次元バーコードBC1〜
BC8の中の任意の二次元バーコードBCiを注視する
と、画像処理装置3によって自動的にその二次元バーコ
ードBCiにズームさせることができる。この自動ズー
ム機構に関しては、第1の実施形態で説明した通りであ
るのその説明を省略する。
【0158】そして、特殊グラストロン20内の観察者
30の右目に相対する位置にはLCD26が取付けら
れ、例えば、通常のCCD撮像装置25により撮影した
観察者30の二次元バーコードBC1〜BC8と、予め
準備された肖像画P11、船の絵画P21、山の絵画P
31などの仮想映像とを合成したステレオ画像の一方が
表示される。また、その観察者30の左目に相対する位
置にはLCD27が取付けられ、上述の二次元バーコー
ドBC1〜BC8と、肖像画P11、船の絵画P21、
山の絵画P31などの仮想映像とを合成したステレオ画
像の他方が表示される。
【0159】続いて、仮想画像立体合成装置200の回
路構成例について説明する。図34に示す仮想画像立体
合成装置200は大きく分けて2つの回路ブロックから
成る。第1の回路ブロックは特殊グラストロン20であ
り、上述した通常のCCD撮像装置25、右眼表示用の
LCD26、左眼表示用のLCD27及び左右のフィル
ムCCD4R、4L(注視点検出用のカメラ4)を有し
ている。
【0160】第2の回路ブロックは画像処理装置3であ
り、内部バス41を有している。内部バス41にはイン
タフェース(I/O)42、画像キャプチャ部43、画
像処理部44、CPU45、ROM46、RAM47及
びE2PROM48が接続されている。通常のCCD撮
像装置25、右眼表示用のLCD26、左眼表示用のL
CD27及び注視点検出用のカメラ4はインタフェース
42を介して内部バス41に接続される。
【0161】このE2PROM48には、観察者30の
属する外界像に肖像画P11、船の絵画P21、山の絵
画P31などの仮想映像を立体的に合成するアルゴリズ
ムが格納されている。例えば、E2PROM48には、
観察者30の属する実空間上の壁面1で任意に設定され
た二次元バーコードBCiに基づく基準面を撮像して仮
想空間上にその基準面を表示すると共に、その仮想空間
上に肖像画P11、船の絵画P21、山の絵画P31な
どの仮想映像を重ね合わせて合成するアルゴリズムが格
納される。
【0162】従って、このアルゴリズムを実行すること
によって、簡易に、しかも、少ない計算量で実空間上の
壁面1の二次元バーコードBCiと撮像系との間の距離
情報や、その位置で基準面を認識することができる。こ
れにより、実空間上の壁面1の二次元バーコードBCi
の基準面の属する位置に、あたかも、肖像画P11、船
の絵画P21、山の絵画P31などが存在するように仮
想画像立体合成処理をすることができるので、第1の実
施形態と同様にしてバーチャル美術館などの仮想画像立
体合成装置200を再現性良く構成することができる。
【0163】更に、内部バス41にはROM46が接続
され、この仮想画像立体合成装置200を制御するため
のシステムプログラムや、メモリの読み出し手順などの
制御情報などが格納される。内部バス41にはワーキン
グ用のRAM47が接続され、システムプログラムや、
肖像画P11、船の絵画P21、山の絵画P31などの
仮想画像を表示する表示情報が一時記録される。
【0164】例えば、RAM47には、基準面設定用の
各々の二次元バーコードBCiの四隅の点の位置情報
(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、
(x4,y4)及び、4つの点間の距離情報Lx=(x
3−x1)=(x4−x2)や、距離情報Ly=(y2
−y1)=(y4−y3)が記憶されている。その際
に、予め定められた配置間隔で8個の二次元バーコード
BC1〜BC8を壁面1に取付ける場合には、その8個
の二次元バーコードBC1〜BC8の配置情報を予めア
ドレスマップにしてRAM47に記憶しておいてもよ
い。配置距離情報は水平及び垂直方向のピッチPh、P
vから得られる。
【0165】また、内部バス41には制御手段としてC
PU45が接続され、インタフェース42、画像キャプ
チャ部43、画像処理部44、ROM46、RAM47
及びE2PROM48の入出力の制御や、CCD撮像装
置25、LCD26、LCD27及び注視点検出用のカ
メラ4の入出力の制御が行われる。この例では観察者3
0が注視した二次元バーコードBCiと特殊グラストロ
ン20との間の焦点距離ScがCPU45によって算出
される。ここで算出された焦点距離Scと、フィルムC
CD4R、4Lによるカメラ出力信号S3とに基づい
て、観察者30が注視した特定の二次元バーコードBC
iに対してのピントをより高精度に合わせ込むことがで
きる。
【0166】例えば、CPU45はカメラ出力信号S3
に基づいての焦点距離Scを調整したり、観察者30の
眼球運動から認識された瞳孔の動きに基づいてその観察
者30が注視した二次元バーコードBCiとCCD撮像
装置25との間の焦点距離Scを補正するように動作す
る。この補正動作については図35で説明する。その他
にCPU45はカメラ出力信号S3に基づいてLCD2
6、LCD27への映像出力を制御するようになされ
る。例えば、観察者30が注視した部分の画像を所定の
倍率で拡大してLCD26、LCD27に表示するよう
な拡大表示制御が行われる。
【0167】これに関連してインタフェース42には操
作部9が設けられ、少なくとも、観察者30が注視した
部分の画像を所定の大きさに戻して表示するような指示
信号(リセット信号)S5がインタフェース42を介し
てCPU45に指示が与えるようになされている。これ
は第1の実施形態と同様にして一時拡大した画像を通常
の大きさの画像に戻すためである。
【0168】このインタフェース42には画像処理部4
4が接続され、例えば、通常のCCD撮像装置25で撮
像された基準面設定用の二次元バーコードBCiの画像
(図32参照)が、CPU45の制御命令と共にインタ
フェース42を介して、画像処理部44に取り込まれ、
そこで所定の画像処理がなされ、再び、インタフェース
42を介して特殊グラストロン20内のLCD26及び
LCD27などに転送される。
【0169】また、インタフェース42には画像キャプ
チャ部43が接続され、CPU45の制御命令を受け
て、CCD撮像装置25から入力した二次元バーコード
BCiに係る画像データを獲得する所定のキャプチャ処
理がなされる。画像キャプチャ部43には内部バス41
を介して演算手段としての画像処理部44が接続され、
所定の画像処理が施された画像データに関して、観察者
30の前に属する壁面1で基準面が求められる。
【0170】例えば、画像処理部44では拡大撮像され
る二次元バーコードBCiの画像データに対して前処理
が施される。この処理では、まず、CCD撮像装置25
による取得画像が適当な閾値で2値化される。バーコー
ド部分は白地に黒で印刷されているので、固定閾値によ
って、かなり安定的に背景画像とコード領域とを分離す
ることができる。次に、黒ピクセルの連結領域毎にラベ
ル付けが施される。
【0171】この2次元バーコードBCiの黒枠部51
はラベル付けされた連結領域のいずれかに含まれること
となる。従って、連結領域の外接四角形の大きさと縦横
比を考慮して、コード領域部52が含まれている可能性
の低い背景画像(領域)は除去するようになされる。
【0172】その後、前処理の結果得られた連結領域の
各要素に対してバーコード枠の当てはめを行う。例え
ば、外接四角形の各辺から内側に向かって、黒領域を探
索し、コー黒枠部51の点列を得る。この点列に対して
最小二乗法で線分を当てはめる。そして、当該二次元バ
ーコードBCiに与えられたコード領域部52を認識す
る。
【0173】上述の基準面は黒枠部51の4頂点を正方
形の頂点に射影する変換行列を演算することにより得ら
れる。ここで実空間の平面上の点(xi,yi,0)を
ある並進・回転運動によって移動し、それを透視変換で
画像座標系に射影した点を(Xi,Yi)で示すと、両
者の間には第1の実施形態で説明した(1)式と同様な
関係がある。
【0174】従って、これらのパラメータは実空間の既
知の点の位置座標(x1,y1)、(x2,y2)、
(x3,y3)、(x4,y4)と、それらに対応する
4組の画像処理系の位置座標(X1,Y1)、(Y2,
Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)が存在すれ
ば、先に説明した(2)式の方程式を解くことにより得
られる。
【0175】ここで得られた位置座標(x1,y1)、
(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)に関
して、一辺の長さを「1」とする正方形の4頂点とする
と、この4頂点を結ぶ面が実空間上の基準面となる。な
お、画面上の黒枠部51はCCD撮像装置25の姿勢
や、透視投影によって歪んでいるが、外部パラメータ及
び内部パラメータによって、画面上の矩形頂点を正方形
の各頂点に射影することができる。従って、図32に示
す仮想空間上の二次元バーコードBCiの四隅の位置座
標から正立方体を作成することができるので、その正立
方体に肖像画P11、船の絵画P21、山の絵画P31
などの仮想画像などを合成することができる。
【0176】続いて、仮想画像立体合成装置200の位
置認識手段50の焦点補正時の動作例について説明をす
る。図35に示す通常のCCD撮像装置25には図示し
ないインタフェース42を介して画像処理部44が接続
され、基準面設定用の二次元バーコードBCiの画像が
取り込まれ、そこで所定の画像処理がなされる。
【0177】また、図35に示す二次元バーコードBC
iによる基準面を注視する観察者30の眼球運動が注視
点検出カメラ4によって撮像され、その観察者30の注
視点pが検出される。この注視点検出カメラ4には図示
しないインタフェース42を介して制御手段としてのC
PU45が接続され、この注視点検出カメラ4から得ら
れたカメラ出力信号S3に基づいての焦点距離が調整さ
れる。例えば、CPU45は、CCD撮像装置25にズ
ーム制御信号S0を出力して、観察者30の眼球運動か
ら認識された瞳孔の動きに基づく二次元バーコードBC
iとCCD撮像装置25との間の焦点距離を補正するよ
うになされる。
【0178】ここで、観察者30の眼球表面から注視点
pに至る離隔距離をSeとし、CCD撮像装置25のレ
ンズ表面から注視点pに至る焦点距離をScとし、観察
者30の眼球表面とのレンズ表面との間のオフセット距
離をSoffとすると、その注視点pに至る離隔距離Se
が焦点距離Sc+Soffよりも多い場合には、CPU4
5がその焦点距離Scを長くするようにCCD撮像装置
25の光学系を調整する。反対に、注視点pに至る離隔
距離Seが焦点距離Sc+Soffよりも少ない場合に
は、CPU45はその焦点距離Scを短くするようにC
CD撮像装置25の光学系を調整するようになされる。
【0179】次に、本発明の位置認識方法に関して仮想
画像立体合成装置200の動作を説明する。図36は仮
想画像立体合成装置200の動作例を示すメインルーチ
ンのフローチャートである。図37は仮想画像立体合成
装置200を応用したバーチャル美術館の構成例を示す
イメージ図である。なお、仮想画像立体合成装置200
の動作説明に当たって、第1の実施形態で説明した図2
4〜図27のサブルーチンを使用することにする。
【0180】この例では、ほぼ平坦な壁面1の所望位置
に基準面設定用の8個の二次元バーコードBCi(i=
1〜8)を予め定められた配置ピッチ(間隔)で配置
し、その8個の二次元バーコードBCiを撮像して画像
処理系に認識させた後に、第1の基準面上で仮想画像の
合成処理をし、その後、8個の二次元バーコードBCi
の中の1つに目標を設定してその目標に撮像系を近づ
け、上述の第1の基準面を越えたときに、その二次元バ
ーコードBCiを拡大して撮像し、この拡大撮像に基づ
いて第2の基準面上で仮想画像の合成処理をする場合を
想定する。
【0181】この位置認識原理を応用して8個の二次元
バーコードBC1〜BC8の各々の仮想空間上で肖像画
P11、船の絵画P21、山の絵画P31・・・・その
他の絵画P8などの8枚の画像を表示する。図37では
その第1の基準面を含む仮想空間上に、二次元バーコー
ドBC1を中心に肖像画P11が、二次元バーコードB
C2を中心に船の絵画P21が、二次元バーコードBC
3を中心に山の絵画P31があたかも存在するようにな
される。
【0182】その後、この3枚のうちの1枚の映像に観
察者30が目標を設定して壁面方向に近づくと、第1の
基準面を越えた時点でその絵画映像が下位階層の映像に
切り換えて特殊グラストロン20に表示するような場合
を想定する。もちろん、観察者30は図33に示した特
殊グラストロン20を頭部に装着する。
【0183】これらを前提にして、図36に示すフロー
チャートのステップG1で壁面1に取付けられた二次元
バーコードBCiを撮像して被注視領域を画定する。例
えば、図24に示したサブルーチンをコールしてそのフ
ローチャートのステップC1で、まず、CCD撮像装置
25が最大望遠状態になされる。CCD撮像装置25で
は各二次元バーコードBC1〜BC8の白黒のコード領
域部52まで識別することができず、画像処理系では8
個の二次元バーコードBC1〜BC8が予め定めらた位
置に配置されていると認識される。従って、二次元バー
コードBC1〜BC8が壁面1に存在していることを画
像処理系によって認識させることができる。
【0184】つまり、ステップC2に移行して、その壁
面1に配置された8個の二次元バーコードBC1〜BC
8が全部、CCD撮像装置25の撮像範囲に収まったか
否かが画像処理系で判別される。この際の判別ではパタ
ーン認識などを利用して行ってもよい。その8個の二次
元バーコードBC1〜BC8が撮像範囲に収まらない場
合には、ステップC3に移行してCCD撮像装置25の
焦点調整機構がパーン(螺旋回転)された後に、ステッ
プC4に移行して8個の二次元バーコードBC1〜BC
8が画像処理系で認識処理される。
【0185】この際に、画像処理装置3では、RAM4
7から読み出された8個の二次元バーコードBC1〜B
C8のコード認識情報や、配置情報を参照しながら、C
CD撮像装置25で撮像された実際の8個の二次元バー
コードBC1〜BC8の配置情報が演算される。その
後、ステップC2に戻って、その壁面1に配置された8
個の二次元バーコードBC1〜BC8が全部撮像範囲に
収まったか否かが再度、画像処理系で判別される。その
後、図36に示すメインルーチンのステップG1に戻
り、ステップG2に移行して、画像処理装置3では、R
AM47から読み出された8個の二次元バーコードBC
1〜BC8の配置距離情報を参照しながら、通常のCC
D撮像装置25で撮像された実際の8個の二次元バーコ
ードBC1〜BC8の位置情報が演算される。
【0186】その後、ステップG3では第1の基準面が
認識され、特殊グラストロン20の表示手段24には仮
想壁面1’が表示される。そして、ステップG4に移行
して仮想壁面1’に肖像画P11、船の絵画P21、山
の絵画P31・・・・その他の絵画P8などの8枚の画
像が合成される。このとき、観察者30が装着した特殊
グラストロン20では、LCD26により実空間の外界
像である壁面1と、肖像画P11、船の絵画P21、山
の絵画P31などの画像とを合成したステレオ画像の一
方が観察者30の右の眼球に導くようになされる。LC
D27により、実空間の壁面1と、肖像画P11、船の
絵画P21、山の絵画P31などの画像とを合成したス
テレオ画像の他方が観察者30の左の眼球に導くように
なされる。
【0187】従って、実空間上の壁面1には、肖像画P
11、船の絵画P21、山の絵画P31などが出現して
いない(図4参照)のに、図37に示す仮想壁面1’に
は肖像画P11、船の絵画P21、山の絵画P31など
を出現させることができる。これにより、観察者30の
属する実空間上の背景画像と、仮想空間上に出現した肖
像画P11、船の絵画P21、山の絵画P31などの画
像が頭の中で合成されるので、実空間上の壁面1の属す
る二次元バーコードBCiの位置に、あたかも、肖像画
P11、船の絵画P21、山の絵画P31などが存在す
るようにできる。
【0188】この一連の撮像処理及び画像処理と並行し
て、ステップG12では観察者30の眼球運動が撮像さ
れると共に、ステップG13で少なくとも、CCD撮像
装置25の焦点距離の補正がなされる。もちろん、通常
のCCD撮像装置25の焦点距離を補正するようにして
もよい。例えば、図25に示したサブルーチンをコール
してそのフローチャートのステップD1で、観察者30
の注視点pが図11Aに示した歯抜けのフィルムCCD
4R、4Lなどの注視点検出用のカメラ4で検出され
る。
【0189】その後、ステップD2で観察者30の眼球
表面から注視点pに至る離隔距離Seと、その観察者3
0が注視した二次元バーコードBCiとCCD撮像装置
25との間の焦点距離Sc+SoffとがCPU45よっ
て比較される。ここで、注視点pに至る離隔距離Seと
の焦点距離Sc+Soffとが一致している場合には、光
学系の調整は不要なので、ステップD8に移行して、観
察者30の眼球運動の監視を継続する。この注視点pに
至る離隔距離Seとの焦点距離Sc+Soffとが不一致
の場合には、ステップD3に移行する。
【0190】このステップD3では、注視点pに至る離
隔距離Seがの焦点距離Sc+Soffよりも多い(A)
か、少ない(B)かが判定される。例えば、注視点pに
至る離隔距離SeがCCD撮像装置25の焦点距離Sc
+Soffよりも多い場合には、ステップD4に移行して
CPU45によってその焦点距離Scを増加するように
CCD撮像装置25の絞りやレンズなどの光学系が調整
される。
【0191】この調整結果で、ステップD5で離隔距離
Seと焦点距離Sc+Soffとが一致した場合には、ス
テップD8に移行し、一致しない場合はステップD4に
戻って調整を継続する。反対に、観察者30の眼球表面
から注視点pに至る離隔距離Seが焦点距離Sc+Sof
fよりも少ない場合には、ステップD6に移行してCP
U45により、その焦点距離Scを減少するようにCC
D撮像装置25の光学系が調整される。その調整結果
で、ステップD7で離隔距離Seと焦点距離Sc+Sof
fとが一致した場合には、ステップD8に移行し、一致
しない場合はステップD6に戻って調整を継続する。こ
れにより、観察者30が注視した二次元バーコードBC
iとCCD撮像装置25の光学系との間の焦点距離Sc
+Soffを自動補正することができる。
【0192】そして、メインルーチンのステップG5で
8個の二次元バーコードBC1〜BC8のうちどの二次
元バーコードBCiに目標が設定されたかが、図25の
サブルーチンのステップD1から観察者30の注視点p
の情報に基づいて検出される。この際に、いずれかの二
次元バーコードBCiに注視された場合にはステップG
6に移行する。反対に、いずれの二次元バーコードBC
iも注視されない場合にはステップG14に移行する。
【0193】従って、いずれかの二次元バーコードBC
iに目標が設定されたときは、その目標に向かって観察
者30が壁面1の方向へ近づいて行く間中、ステップG
6で撮像系と目標との間の距離情報Sxが算出される。
この際の距離情報Sxに関しては、(4)式により算出
される。もちろん、第1の基準面には肖像画P11、船
の絵画P21、山の絵画P31などの画像が表示されて
いる。
【0194】そして、ステップG7で観察者30が仮想
壁面1’に到達したか否かが検出される。観察者30が
仮想壁面1’に到達していない場合にはステップG6に
戻って撮像系と目標との間の距離情報Sxの算出が継続
される。ここで、観察者30が図22Aに示した仮想壁
面1’の直前位置SP3に立ったような場合には距離情
報Sx=S0=S3が画像処理装置3によって検出され
る。この位置は肖像画P11から人体内部構造の画像P
12に表示を切り替える位置である。従って、一歩でも
仮想壁面1’内へ踏み込むと、特殊グラストロン20の
表示手段24の映像が切り替わるようになされる。
【0195】例えば、ステップG8に移行して被注視領
域内で目標となされた二次元バーコードBCiを拡大し
て撮像する。そして、二次元バーコードBC1の白黒の
コード領域部52が全部、CCD撮像装置25の撮像範
囲に収まった場合には、例えば、図26のサブルーチン
をコールしてそのフローチャートのステップE1で二次
元バーコードBC1に白黒のコード領域部52が存在す
るか否かが検出される。このとき、観察者30が注目し
た二次元バーコードBCiにステップE2でズームアッ
プされる。
【0196】この際に、画像処理装置3では、RAM4
7から読み出された二次元バーコードBCiの位置情報
及び距離情報Lx,Lyを参照しながら、CCD撮像装
置25で撮像された実際の二次元バーコードBCiの位
置情報及び距離情報Lx,Lyが演算される。そして、
実際に撮像された二次元バーコードBCiの位置及び距
離情報Lx,LyがRAM47による二次元バーコード
BCiの位置情報及び距離情報Lx,Lyにより一層近
づくように、CCD撮像装置25の焦点光学系が自動調
整される。
【0197】その後、ステップE1に戻る。従って、ス
テップE1で観察者30が注目した二次元バーコードB
Ciに白黒のコード領域部52が存在することが認識さ
れると、ステップE3に移行して画像処理系では位置認
識処理がなされる。この処理については、図35で説明
した通りである。
【0198】そして、ステップE4に移行して壁面1が
認識できたか否かが判別される。この壁面1が認識でき
た場合には、この位置認識処理を終了して図36のメイ
ンルーチンのステップG8にリターンする。この壁面1
が認識できない場合には、ステップE5に移行してその
二次元バーコードBCiの四隅の4つの点間の距離情報
Lx、Lyが、図34に示したRAM47から読み出さ
れた距離情報(基準値)Lx、Lyよりも小さいかが検
出される。RAM47による距離情報Lx、Lyよりも
演算された距離情報Lx、Lyが小さい場合には、ステ
ップE6に移行してズームアップされる。その後、ステ
ップE3に戻って位置認識処理が行われる。
【0199】また、ステップE5でRAM47による二
次元バーコードBCiの距離情報Lx、Lyよりも演算
された二次元バーコードBCiの距離情報Lx、Lyが
大きい場合には、ステップE7に移行して再度、二次元
バーコードBCiの四隅の4つの点間の距離情報Lx、
LyがRAM47に格納された距離情報(基準値)L
x、Lyよりも大きいかが検出される。RAM47によ
る距離情報Lx、Lyよりも演算された距離情報Lx、
Lyが大きい場合には、ステップE8に移行してズーム
ダウンされる。
【0200】そして、ステップE8でズームダウンした
後、及び、ステップE7でRAM47による距離情報L
x、Lyよりも演算された距離情報Lx、Lyが大きく
ない場合には、ステップE3に戻って位置認識処理が行
われる。その後、ステップE4に移行して壁面1が認識
できたか否かが判別される。
【0201】以上の処理を繰り返すことで、観察者30
が注視した特定の二次元バーコードBCiを、再現性よ
く画像処理系に認識させることができる。従って、画像
処理系で壁面1が認識されると、この位置認識処理を終
了して図36のメインルーチンのステップG8にリター
ンする。
【0202】そして、図36のフローチャートのステッ
プG9に移行して拡大撮像された二次元バーコードBC
iによる輝度信号を画像処理してその二次元バーコード
BCiの位置を求める。例えば、図27のサブルーチン
をコールしてそのフローチャートのステップF1でビデ
オキャプチャ処理を実行する。その後、ステップF2で
二次元バーコードBCiの白黒のコード領域部52を認
識する。
【0203】具体的には、CCD撮像装置25で撮像さ
れた二次元バーコードBCiによる輝度信号が適当な閾
値で2値化される。次に、黒ピクセルの連結領域毎にラ
ベル付けが施される。そして、連結領域の外接四角形の
大きさと縦横比を考慮して、コード領域部52が含まれ
ている可能性の低い背景画像(領域)は除去するように
なされる。その後、前処理の結果得られた連結領域の各
要素に対してバーコード枠の当てはめが行われる。例え
ば、外接四角形の各辺から内側に向かって、黒領域を探
索し、図32に示した黒枠部51の点列を得る。その
後、当該二次元バーコードBCiに与えられたコード領
域部52を認識する。
【0204】上述の基準面は黒枠部51の4頂点を正方
形の頂点に射影する変換行列を演算することにより得ら
れる。ここで実空間の平面上の点(xi,yi,0)を
ある並進・回転運動によって移動し、それを透視変換で
画像座標系に射影した点を(Xi,Yi)で示すと、両
者の間には第1の実施形態で説明した(1)式と同様な
関係がある。
【0205】従って、これらのパラメータは実空間の既
知の点の位置座標(x1,y1)、(x2,y2)、
(x3,y3)、(x4,y4)と、それらに対応する
4組の画像処理系の位置座標(X1,Y1)、(Y2,
Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)が存在すれ
ば、先に説明した(2)式の方程式を解くことにより得
られる。
【0206】ここで得られた位置座標(x1,y1)、
(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)に関
して、一辺の長さを「1」とする正方形の4頂点とする
と、この4頂点を結ぶことにより基準面が求められる
(壁面の認識原理)。そして、ステップF3で画像処理
部44では上述の(3)式に基づいて演算処理が行わ
れ、CCD撮像装置25と基準面との位置関係が検出さ
れる。
【0207】なお、画面上の黒枠部51はCCD撮像装
置25の姿勢や、透視投影によって歪んでいるが、外部
パラメータ及び内部パラメータによって、画面上の矩形
頂点を正方形の各頂点に射影することができる。その
後、図36のメインルーチンのステップG9にリターン
し、ステップG10に移行して壁面1の特定位置である
二次元バーコードBCiに第2の基準面が設定される。
その後、ステップG11に移行して仮想空間の二次元バ
ーコードBCiの第2の基準面上に肖像画P11の下位
階層である人体内部構造の画像P12が特殊グラストロ
ン20に表示される。
【0208】例えば、特殊グラストロン20では、LC
D26により実空間の外界像である壁面1と、肖像画P
11の下位階層である人体内部構造の画像P12とを合
成したステレオ画像の一方が観察者30の右の眼球に導
くようになされる。LCD27により、実空間の壁面1
と、その下位階層である人体内部構造の画像P12とを
合成したステレオ画像の他方が観察者30の左の眼球に
導くようになされる。
【0209】従って、実空間上の壁面1には、人体内部
構造の画像P12が出現していない(図31参照)の
に、図37に示す仮想空間の二次元バーコードBCiに
よる第2の基準面上には図29Aに示した人体内部構造
の画像P12を出現させることができる。これにより、
観察者30の属する実空間上の背景画像と、仮想空間上
に出現した人体内部構造の画像P12が頭の中で合成さ
れるので、実空間上の壁面1の属する二次元バーコード
BCiの位置に、あたかも、人体内部構造の画像P12
が存在するようにできる。
【0210】この例では、上述の壁面1の認識原理を応
用することにより、第1の実施形態と同様にして観察者
30が例えば図37に示す左側の肖像画P11に注視す
ると、注視点検出用のカメラ4からCPU45へ「肖像
画に注視している」旨のカメラ出力信号S3が出力され
るので、画像処理装置3では、その肖像画P11に目標
が設定されたことを判断できる。
【0211】また、右眼表示用のLCD26及び左表示
用のLCD27に人体内部構造の画像P12及び肖像画
P11を拡大して表示した場合には、先に述べた操作部
9を操作すると、指示信号S5がCPU45に出力さ
れ、観察者30が注視した肖像画P11などを所定の大
きさに戻した表示がなされる。そして、図36に示した
フローチャートのステップG14の「終了する」に対し
て「NO」でステップG1に戻ってその仮想画像合成表
示処理を継続し、「YES」でその仮想画像合成表示処理
を終了する。
【0212】このように、第2の実施形態としての仮想
画像立体合成装置200によれば、上述の位置認識装置
10及び位置認識方法が応用されるので、壁面1の特定
位置の二次元バーコードBCi及びその二次元バーコー
ドBCiから離れた任意の位置を簡易にかつ少ない計算
量で、しかも、ベストフォーカスで精度良く画像処理系
などに認識させることができる。
【0213】従って、壁面1の特定位置の二次元バーコ
ードBCiから離れた任意の位置に第1の基準面を設定
し、又は、その二次元バーコードBCiに第2の基準面
を設定することができるので、その第1の基準面を取り
込んだ仮想壁面1’上で仮想体の画像を合成するような
仮想画像立体合成処理を行うこと、及び、その第2の基
準面を取り込んだ壁面1上で仮想体の画像を合成するよ
うな仮想画像立体合成処理を行うことができる。
【0214】これにより、実際の壁面1には実物の絵画
などが存在しない場合であっても、仮想壁面1’には肖
像画P11、船の絵画P21、山の絵画P31などが出
現し、しかも、その絵画の1つに目標を設定してその絵
画の中に踏み込んだときに、その絵画の下位階層の画像
が表示されるようなバーチャル美術館などを再現性よく
構築することができる。
【0215】また、本例のバーチャル美術館では、仮想
空間上で、図37に示した肖像画P11、船の絵画P2
1及び山の絵画P31の3枚の画像のうち、観察者30
が注視した1枚の画像に通常のCCD撮像装置25の焦
点を合わせ込むとができるので、その画像をズームアッ
プして表示することができる。従って、このバーチャル
美術館では実空間の壁面1に8個の二次元バーコードB
Ciを設け、その映像ソフトをCD−ROMなどから供
給すればよく、観察者30が注視した画像を忠実に画像
表示することができる。
【0216】この実施形態では、仮想体画像に関して肖
像画P11、船の絵画P21、山の絵画P31などの2
Dポリゴンの場合について説明したが、これに限られる
ことはなく、台座ポリゴンや、光、炎、あるいは、氷の
3Dポリゴンであっても、更に、鎧のような3Dポリゴ
ンであってもよい。
【0217】更に、本実施形態では仮想壁面1’上に8
個の絵画を表示する場合ついて説明したが、これに限ら
れることはなく、その仮想壁面1’上で1枚の海の絵画
などを表示し、その海の映像(仮想壁面1’)に足を踏
み入れたときに、魚や海藻が揺れ動く海中の映像に切り
換えるようにしてもよい。
【0218】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る位置
認識装置によれば、静止物体の所望位置に取付けられた
被認識マークによる輝度信号を画像処理してその被認識
マークの位置情報を求める演算手段が設けられ、その被
認識マークの任意の一つに目標を設定して撮像手段を近
づけた場合に、目標とされた被認識マークの位置情報と
他の被認識マークの配置情報とに基づいて目標とされた
被認識マークと撮像手段との間の距離情報が求められる
ものである。
【0219】この構成によって、静止物体の特定位置及
びその特定位置から離れた任意の位置を簡易にかつ少な
い計算量で、しかも、ベストフォーカスで精度良く画像
処理系などに認識させることができる。これにより、静
止物体の特定位置及びその特定位置から離れた任意の位
置に基準面を設定し、その基準面を取り込んだ仮想空間
上で仮想体の画像を合成するような仮想画像立体合成装
置などに当該位置認識装置を十分に応用することができ
る。
【0220】本発明に係る位置認識方法によれば、静止
物体の所望位置に取付けられた被認識マークの任意の一
つに目標を設定し、その目標に撮像系を近づけたとき
に、その被認識マークによる輝度信号を画像処理して、
目標とされた被認識マークの位置情報と他の被認識マー
クの配置情報とに基づいて目標とされた被認識マークと
撮像系との間の距離情報を求めるようにしたものであ
る。
【0221】この構成によって、静止物体の特定位置及
びその特定位置から離れた任意の位置を簡易にかつ少な
い計算量で、しかも、ベストフォーカスで精度良く画像
処理系などに認識させることができる。
【0222】本発明の仮想画像立体合成装置によれば、
上述の位置認識装置及び位置認識方法が応用されるの
で、静止物体の特定位置及びその特定位置から離れた任
意の位置を簡易にかつ少ない計算量で、しかも、ベスト
フォーカスで精度良く画像処理系などに認識させること
ができる。
【0223】この構成によって、静止物体の特定位置及
びその特定位置から離れた任意の位置に基準面を設定す
ることができるので、その基準面を取り込んだ仮想空間
上で仮想体の画像を合成するような仮想画像立体合成処
理を行うことができる。
【0224】この発明は、仮想空間上の基準面などに複
数の仮想体を出現させ、しかも、その仮想体の1つに目
標を設定してその仮想体内に踏み込んだときに、その仮
想体の内部の構造などが表示されるようなバーチャル美
術館などの画像処理システムに適用して極めて好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態としての位置認識装置10の構成例を
示す斜視図である。
【図2】位置認識装置10による処理例を示すフローチ
ャートである。
【図3】位置認識装置10及び位置認識方法を応用した
第1の実施形態としての仮想画像立体合成装置100の
構成例を示す斜視図である。
【図4】その位置認識手段5の一部を構成する光源ブロ
ックBL1〜BL8の配置例を示すイメージ図である。
【図5】その基準面設定用の光源ブロックBLiの構成
例を示す斜視図である。
【図6】そのブロック認識情報のデータフォーマット例
を示す図である。
【図7】その光源ブロックBLi内の点滅制御回路13
の内部構成例を示す回路図である。
【図8】4つの発光ダイオードLED1〜LED4の電
圧供給例を示す波形図である。
【図9】仮想画像立体合成装置100の特殊グラストロ
ン2の構成例を示す正面から見た概念図である。
【図10】特殊グラストロン2の内部構成例を示す一部
破砕の上面から見た概念図である。
【図11】そのフィルムCCD4R、4Lの構成例を示
す上面から見た概念図である。
【図12】その特殊グラストロン2の装着時の注視点p
の位置関係例を示す概念図である。
【図13】その特殊グラストロン2の流し撮りCCD装
置23の内部構成例を示す平面図である。
【図14】その流し撮りCCD装置23の光学系の構成
例を示す断面図である。
【図15】仮想画像立体合成装置100の回路ブロック
例を示す図である。
【図16】その位置認識手段5の構成例を示すブロック
図である。
【図17】その光源ブロックBL1〜BL8の通常画像
例を示すイメージ図である。
【図18】その拡大撮像時の1つの光源ブロックBL1
の通常画像例を示すイメージ図である。
【図19】その光源ブロックBL1の基準面の位置座標
の算出例を示す模式図である。
【図20】壁面1、仮想壁面1’及び撮像系との位置関
係例を示す上面図である。
【図21】Aは、観察者30が仮想壁面1’から遠くに
離れた位置関係例、及び、Bは観察者30が仮想壁面に
近づいた位置関係例(その1)を示す側面図である。
【図22】Aは、観察者30が仮想壁面1’の前に立っ
た位置関係例及びBはその仮想壁面1’に踏み込んだ位
置関係例(その2)を示す側面図である。
【図23】仮想画像立体合成装置100の動作例を示す
フローチャート(メインルーチン)である。
【図24】その通常のCCD撮像装置25の最大望遠時
の動作例を示すフローチャート(サブルーチン)であ
る。
【図25】その流し撮りCCD装置23の焦点距離の補
正例を示すフローチャート(サブルーチン)である。
【図26】その壁面1の光源ブロックBLiの拡大撮像
例を示すフローチャート(サブルーチン)である。
【図27】その発光ダイオードLED1〜LED4の位
置算出例を示すフローチャート(サブルーチン)であ
る。
【図28】その位置認識原理を応用したバーチャル美術
館の構成例を示すイメージ図である。
【図29】Aは人物の絵画の下位階層としての人体内部
構造の画像P12の一例、及び、Bは船の絵画の下位階
層としての操舵室の画像P22の一例を示すイメージ図
である。
【図30】位置認識装置10及び位置認識方法を応用し
た第2の実施形態としての仮想画像立体合成装置200
の構成例を示す斜視図である。
【図31】その位置認識手段50の一部を構成する二次
元バーコードBC1〜BC8の配置例を示すイメージ図
である。
【図32】その1つの二次元バーコードBCiの構成例
を示す斜視図である。
【図33】仮想画像立体合成装置200の特殊グラスト
ロン20の構成例を示す正面から見た概念図である。
【図34】仮想画像立体合成装置200の回路ブロック
例を示す図である。
【図35】その位置認識手段50の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図36】仮想画像立体合成装置200の動作例を示す
のフローチャートである。
【図37】その位置認識原理を応用したバーチャル美術
館の構成例を示すイメージ図である。
【符号の説明】
1・・・壁面、1’・・・仮想壁面(第1の基準面)、
2,20・・・特殊グラストロン、3・・・画像処理装
置、4・・・注視点検出用のカメラ(注視点検出用の撮
像手段)、5・・・位置認識手段(位置認識装置)、6
・・・撮像手段、7・・・演算手段、8・・・記憶手
段、10・・・位置認識装置、11・・・プレート部
(第2の基準面)、13・・・点滅制御回路、23・・
・流し撮りCCD装置(流し撮り用の撮像手段)、24
・・・表示手段、25・・・CCD撮像装置(領域抽出
用の撮像手段)、26・・・右眼表示用のLCD、27
・・・左眼表示用のLCD、32・・・垂直転送部(電
荷転送部)、33・・・水平転送部、BLi(i=1〜
8)・・・光源ブロック、LED1〜LED4・・・発
光ダイオード(光源)、BCi(i=1〜8)・・・二
次元バーコード、100,200・・・仮想画像立体合
成装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉村 司 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA02 AA03 BB13 BB29 DD10 EE05 FF01 FF05 FF26 GG07 JJ00 JJ03 JJ26 QQ21 QQ24 QQ32 5B087 AA07 AE00 BC12 BC13 BC16 BC26 BC32 DJ01

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の静止物体の特定位置を認識する装
    置であって、 少なくとも、前記静止物体の所望位置に取付けられた被
    認識マークが複数と、前記静止物体の被認識マークを撮
    像する撮像手段と、 前記撮像手段により撮像された前記被認識マークによる
    輝度信号を画像処理して該被認識マークの位置情報を求
    める演算手段とを備え、 前記被認識マークの任意の一つに目標を設定して前記撮
    像手段を近づけたときに、 前記演算手段は、 前記目標とされた被認識マークの位置情報と他の被認識
    マークの配置情報とに基づいて前記目標とされた被認識
    マークと前記撮像手段との間の距離情報を求めるように
    なされたことを特徴とする位置認識装置。
  2. 【請求項2】 前記被認識マークの配置情報を記憶する
    記憶手段が設けられ、 前記配置情報には、 前記被認識マークの固体番号を識別するためのブロック
    識別情報及び前記被認識マーク間の配置距離情報を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の位置認識装置。
  3. 【請求項3】 前記被認識マークの位置情報を求める演
    算手段が設けられる場合であって、 前記被認識マークの撮像に関して、 予め点滅パターンが異なるように点滅する3点以上の光
    源を有した複数の光源ブロックと、 前記光源ブロック内の光源の点滅パターンを所定の撮像
    方向に流すように撮像する流し撮り用の撮像手段とが設
    けられ、 前記演算手段は、 前記流し撮り用の撮像手段により撮像された前記光源の
    点滅パターンに基づく輝度信号を画像処理して該光源の
    3点の位置を求めることを特徴とする請求項1に記載の
    位置認識装置。
  4. 【請求項4】 前記光源ブロック及び流し撮り用の撮像
    手段が設けられる場合であって、 前記光源ブロックの1つを注視する観察者の眼球運動を
    撮像して該観察者の注視点を検出する注視点検出用の撮
    像手段と、 前記注視点検出用の撮像手段の出力に基づいて前記流し
    撮り用の撮像手段の光学系を調整する制御手段とが設け
    られ、 前記制御手段は、 前記観察者の眼球運動から認識された瞳孔の動きに基づ
    いて該観察者の注視点と前記流し撮り用の撮像手段の焦
    点との間の距離差を補正することを特徴とする請求項3
    に記載の位置認識装置。
  5. 【請求項5】 前記被認識マークの位置情報を求める演
    算手段が設けられる場合であって、 前記被認識マークの撮像に関して、少なくとも、白地に
    黒で形成されたn行×n列の白黒マトリクスを有した2
    次元マトリクスコードと、 前記二次元マトリクスコードを撮像する領域抽出用の撮
    像手段が設けられ、 前記演算手段は、 前記領域抽出用の撮像手段により撮像された前記二次元
    マトリクスコードによる輝度信号を画像処理して該二次
    元マトリクスコードの位置情報を求めることを特徴とす
    る請求項1に記載の位置認識装置。
  6. 【請求項6】 前記二次元マトリクスコードの位置情報
    を求める演算手段と、 前記領域抽出用の撮像手段とが設けられる場合であっ
    て、 前記二次元マトリクスコードの1つを注視する観察者の
    眼球運動を撮像して該観察者の注視点を検出する注視点
    検出用の撮像手段と、 前記注視点検出用の撮像手段の出力に基づいて前記領域
    抽出用の撮像手段の光学系を調整する制御手段とが設け
    られ、 前記制御手段は、 前記観察者の眼球運動から認識された瞳孔の動きに基づ
    いて該観察者の注視点と前記領域抽出用の撮像手段の焦
    点との間の距離差を補正することを特徴とする請求項5
    に記載の位置認識装置。
  7. 【請求項7】 任意の静止物体の特定位置を認識する方
    法であって、 少なくとも、前記静止物体の所望位置に複数の被認識マ
    ークを取り付け、 前記静止物体の被認識マークを撮像系によって撮像し、 前記撮像された前記被認識マークによる輝度信号を画像
    処理して該被認識マークの位置情報を求め、 前記被認識マークの任意の一つに目標を設定して撮像系
    を近づけたときに、 前記目標とされた被認識マークの位置情報と他の被認識
    マークの配置情報とに基づいて前記目標とされた被認識
    マークと前記撮像系との間の距離情報を求めることを特
    徴とする位置認識方法。
  8. 【請求項8】 前記被認識マークの配置情報には、 前記被認識マークの固体番号を識別するためのブロック
    識別情報及び前記被認識マーク間の配置距離情報を含む
    ことを特徴とする請求項7に記載の位置認識方法。
  9. 【請求項9】 前記被認識マークに関して、予め点滅パ
    ターンが異なるように点滅する3点以上の光源を設けた
    光源ブロックを作成し、 その後、前記光源ブロックを前記静止物体の所望位置に
    3点以上を取付け、 第1段階で前記静止物体に取付けられた光源ブロックを
    撮像して被注視領域を画定し、 第2段階で前記光源ブロックの任意の一つに目標を設定
    して撮像系を近づけたときに、 前記被注視領域内で目標とされた光源ブロック内の光源
    の点滅パターンを所定の撮像方向に流すように撮像し、 前記光源の点滅パターンの輝度信号を画像処理して前記
    光源の3点の位置を求め、その後、前記3点の光源の位
    置を結んで基準面を求めることを特徴とする請求項7に
    記載の位置認識方法。
  10. 【請求項10】 前記第2段階の被注視領域内で光源ブ
    ロックの任意の1つに目標を設定して撮像系を近づける
    場合であって、 前記被注視領域内で目標とされた光源ブロックを第1の
    撮像系で撮像すると共に、前記光源ブロック内の光源の
    点滅パターンを所定の撮像方向に流すように第2の撮像
    系によって撮像し、かつ、 前記光源ブロックを注視する観察者の眼球運動を第3の
    撮像系によって撮像し、 前記観察者の眼球運動から認識された瞳孔の動きに基づ
    いてその観察者が注視した光源ブロックの位置と第2の
    撮像系の焦点との間の距離差を補正し、 前記距離差を補正された前記第2の撮像系によって撮像
    された点滅パターンの輝度信号を画像処理して前記光源
    の3点の位置を求め、その後、前記3点の光源の位置を
    結んで基準面を求めることを特徴とする請求項9に記載
    の位置認識方法。
  11. 【請求項11】 前記被認識マークに関して、予め、少
    なくとも、白地に黒で形成されたn行×n列の白黒マト
    リクスを有した2次元マトリクスコードを作成し、 前記二次元マトリクスコードを静止物体の複数の所望位
    置に取付け、 前記静止物体に取付けられた二次元マトリクスコードを
    撮像して被注視領域を画定し、 前記二次元マトリクスコードの任意の1つに目標を設定
    して該目標に撮像系を近づけたときに、 前記被注視領域内で目標となされた二次元マトリクスコ
    ードによる輝度信号を画像処理して該二次元マトリクス
    コードの位置情報を求めることを特徴とする請求項7に
    記載の位置認識方法。
  12. 【請求項12】 前記二次元マトリクスコードを第1の
    撮像系によって撮像すると共に、被注視領域内で二次元
    バーコードの任意の1つに目標を設定して近づた場合で
    あって、 前記二次元マトリクスコードを注視する観察者の眼球運
    動を第2の撮像系によって撮像し、 前記観察者の眼球運動から認識された瞳孔の動きに基づ
    いてその観察者が注視した二次元バーコードの位置と第
    1の撮像系の焦点との間の距離差を補正し、 前記距離差を補正された前記第1の撮像系による二次元
    バーコードの輝度信号を画像処理して前記二次元バーコ
    ードの位置を求めることを特徴とする請求項11記載の
    位置認識方法。
  13. 【請求項13】 観察者の属する外界像に仮想体の画像
    を立体的に合成する装置であって、 前記観察者の属する実空間上の任意の静止物体の特定位
    置及び該特定位置から任意に離れた位置で基準面を認識
    する位置認識手段と、 前記位置認識手段により認識された仮想空間の基準面上
    で仮想体の画像を合成する合成手段とを備え、 前記位置認識手段は、 少なくとも、前記静止物体の所望位置に取付けられた被
    認識マークが複数と、 前記静止物体の被認識マークを撮像する撮像手段と、 前記撮像手段により撮像された前記被認識マークによる
    輝度信号を画像処理して該被認識マークの位置情報を求
    める演算手段とを有し、 前記被認識マークの任意の一つに目標を設定して前記撮
    像手段を近づけたときに、 前記演算手段は、 前記目標とされた被認識マークの位置情報と他の被認識
    マークの配置情報とに基づいて前記目標とされた被認識
    マークと前記撮像手段との間の距離情報を求めるように
    なされたことを特徴とする仮想画像立体合成装置。
  14. 【請求項14】 前記被認識マークの配置情報を記憶す
    る記憶手段が設けられ、 前記配置情報には、 前記被認識マークの固体番号を識別するためのブロック
    識別情報及び前記被認識マーク間の配置距離情報を含む
    ことを特徴とする請求項13に記載の仮想画像立体合成
    装置。
  15. 【請求項15】 前記仮想空間の基準面上で仮想体の画
    像を合成する合成手段が設けられる場合であって、 予め前記静止物体の特定位置から任意に離れた位置に第
    1の基準面が設定されると共に、前記静止物体の特定位
    置に第2の基準面が設定され、 前記合成手段は、 観察者が前記第1の基準面よりも遠くの位置で被認識マ
    ークを注視するときは、予め準備された仮想体の画像を
    前記第1の基準面上で合成し、 観察者が前記第1の基準面内に踏み込んだときは、 前記仮想体の画像の下位階層の画像を前記第2の基準面
    上で合成するようになされたことを特徴とする請求項1
    3に記載の仮想画像立体合成装置。
  16. 【請求項16】 前記被認識マークの位置を求める演算
    手段が設けられる場合であって、 前記被認識マークの撮像に関して、 予め点滅パターンが異なるように点滅する3点以上の光
    源を有した複数の光源ブロックと、 前記光源ブロック内の光源の点滅パターンを所定の撮像
    方向に流すように撮像する流し撮り用の撮像手段とが設
    けられ、 前記演算手段は、 前記流し撮り用の撮像手段により撮像された前記光源の
    点滅パターンに基づく輝度信号を画像処理して該光源の
    3点の位置を求めることを特徴とする請求項13に記載
    の仮想画像立体合成装置。
  17. 【請求項17】 前記光源ブロック及び流し撮り用の撮
    像手段が設けられる場合であって、 前記光源ブロックの1つを注視する観察者の眼球運動を
    撮像して該観察者の注視点を検出する注視点検出用の撮
    像手段と、 前記注視点検出用の撮像手段の出力に基づいて前記流し
    撮り用の撮像手段の光学系を調整する制御手段とが設け
    られ、 前記制御手段は、 前記観察者の眼球運動から認識された瞳孔の動きに基づ
    いて該観察者の注視点と前記流し撮り用の撮像手段の焦
    点との間の距離差を補正することを特徴とする請求項1
    6に記載の仮想画像立体合成装置。
  18. 【請求項18】 前記流し撮り用の撮像手段には、 各画素を構成する複数の光電変換素子を有した二次元撮
    像デバイスが使用され、 前記光電変換素子から得られた信号電荷を所定の方向に
    転送するときに、 少なくとも、同一フィールド期間中に複数回、前記光電
    変換素子から前記信号電荷を読み出すようになされたこ
    とを特徴とする請求項16に記載の仮想画像立体合成装
    置。
  19. 【請求項19】 前記撮像手段及び演算手段が設けられ
    る場合であって、前記演算手段は、 前記撮像手段による輝度信号の点滅パターンに関して、
    3つの輝点を含むXY平面を成す空間的な配置パターン
    に変換し、 前記配置パターン上を走査して、少なくとも、3つの輝
    点の位置座標を求め、 前記3点の位置座標を結ぶことにより前記基準面を認識
    するようになされたことを特徴とする請求項16に記載
    の仮想画像立体合成装置。
  20. 【請求項20】 前記演算手段は、 3つの輝点を含むXY平面を成す配置パターン上で流し
    撮像方向をY軸とし、該Y軸に直交する軸をX軸とした
    ときに、 前記流し撮像方向に輝度信号値を加算してX軸上にプロ
    ットし、 前記X軸上にプロットされた輝度信号値が最大となる位
    置を検出して3つのX座標値を求め、かつ、 前記配置パターン上でY軸方向に走査したときに、 前記流し撮像方向に並んだ複数の輝点のうち、最初に発
    光した輝点位置を各々X座標値に対応したY座標値とし
    て求めることを特徴とする請求項19に記載の仮想画像
    立体合成装置。
  21. 【請求項21】 前記被認識マークの位置を求める演算
    手段が設けられる場合であって、 前記被認識マークの撮像に関して、少なくとも、白地に
    黒で形成されたn行×n列の白黒マトリクスを有した2
    次元マトリクスコードと、 前記二次元マトリクスコードを撮像する領域抽出用の撮
    像手段が設けられ、 前記演算手段は、 前記領域抽出用の撮像手段により撮像された前記二次元
    マトリクスコードによる輝度信号を画像処理して該二次
    元マトリクスコードの位置情報を求めることを特徴とす
    る請求項13に記載の仮想画像立体合成装置。
  22. 【請求項22】 前記二次元マトリクスコードの位置を
    求める演算手段と、 前記領域抽出用の撮像手段とが設けられる場合であっ
    て、 前記二次元マトリクスコードの1つを注視する観察者の
    眼球運動を撮像して該観察者の注視点を検出する注視点
    検出用の撮像手段と、 前記注視点検出用の撮像手段の出力に基づいて前記領域
    抽出用の撮像手段の光学系を調整する制御手段とが設け
    られ、 前記制御手段は、 前記観察者の眼球運動から認識された瞳孔の動きに基づ
    いて該観察者の注視点と前記領域抽出用の撮像手段の焦
    点との間の距離差を補正することを特徴とする請求項2
    1に記載の仮想画像立体合成装置。
  23. 【請求項23】 前記合成手段及び注視点検出用の撮像
    手段が設けられる場合であって、 前記合成手段は、 観察者の属する外界像を撮像する撮像手段と、 前記撮像手段による外界像と予め準備された仮想体の画
    像と合成したステレオ画像の一方を表示する第1の画像
    表示素子と、 前記ステレオ画像の他方を表示する第2の画像表示素子
    とを有し、 前記注視点検出用の撮像手段が、前記観察者の眼球に相
    対する位置であって前記第1及び第2の画像表示素子の
    表示面内に分散して配置されることを特徴とする請求項
    13に記載の仮想画像立体合成装置。
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