JP2000230356A - シリンダ錠 - Google Patents

シリンダ錠

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JP2000230356A
JP2000230356A JP11033706A JP3370699A JP2000230356A JP 2000230356 A JP2000230356 A JP 2000230356A JP 11033706 A JP11033706 A JP 11033706A JP 3370699 A JP3370699 A JP 3370699A JP 2000230356 A JP2000230356 A JP 2000230356A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリンダ体に角変位摺動可能に嵌合されるロー
タに、一対ずつ複数組のハーフタンブラーが装着され、
シリンダ体の内面に、一対ずつ2組の凹部が、対をなす
両凹部の一方にハーフタンブラーの一端を挿入、係合せ
しめることを可能として設けられるシリンダ錠におい
て、不正解錠を確実に防止する。 【解決手段】対をなす隔壁17,18のうちハーフタン
ブラー19,20の一端部側に対応した隔壁17のキー
挿入孔7側の端縁に係合可能な切欠き部19a,20a
が、ハーフタンブラー19,20の一端部内側に設けら
れ、ハーフタンブラー19,20がその他端を凹部2
5,26に挿入するまで移動した状態では、ばね21,
22のばね力の作用により当該ハーフタンブラー19,
20がその切欠き部19a,20aを隔壁17の端縁に
係合する方向に傾動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダ体に角変
位摺動可能に嵌合されるロータに、一対ずつ複数組のハ
ーフタンブラーが装着されるシリンダ錠に関し、特に不
正解錠を防止する機構を備えたシリンダ錠に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば実開平1−73266号
公報等で開示されるように、ロータの軸線方向に間隔を
あけた複数箇所に、一対ずつのハーフタンブラーがそれ
ぞれ装着されるシリンダ錠は既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなシリンダ錠
は、正規キー以外の不正部材による不正解錠操作が面倒
であり、シリンダ錠の不正解錠を極力防止し得るもので
はあるが、上記従来のものでは不正解錠を確実に防止す
ることができなかった。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、不正解錠を確実に防止し得るようにしたシリ
ンダ錠を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、横断面円形の棒状に形成されるロータの
中心部に、該ロータの軸線方向に沿って延びるキー挿入
孔が設けられ、前記ロータの一直径線上で前記キー挿入
孔を挟む位置に配置される一対の隔壁を相互間に形成し
て前記ロータの外面に両端を開口する一対ずつ複数組の
摺動孔が、前記ロータの軸線方向に間隔をあけた複数箇
所で前記キー挿入孔の一部と交差するようにして前記ロ
ータに設けられ、前記キー挿入孔への正規キーの挿入に
応じて前記ロータの外面からの両端の突出を回避する位
置に移動するようにして前記各摺動孔に摺動可能にそれ
ぞれ嵌合されるハーフタンブラーの外側部と前記ロータ
との間に、それらのハーフタンブラーの一端を前記ロー
タの外面から突出せしめる方向のばね力を発揮するばね
がそれぞれ設けられ、前記ロータをその軸線まわりの角
変位摺動を可能として嵌合せしめるシリンダ体の内面
に、前記各摺動孔の両端に対応する一対ずつ2組の凹部
が、対をなす両凹部の一方に前記ハーフタンブラーの一
端を挿入、係合せしめることを可能として設けられるシ
リンダ錠において、対をなす前記隔壁のうち前記ハーフ
タンブラーの一端部側に対応した隔壁のキー挿入孔側の
端縁に係合可能な切欠き部が、前記各ハーフタンブラー
のうち少なくとも1つのハーフタンブラーの一端部内側
に設けられ、前記少なくとも1つのハーフタンブラーを
嵌合せしめる摺動孔は、前記少なくとも1つのハーフタ
ンブラーがその他端を前記両凹部の他方に挿入するまで
移動した状態では前記ばねのばね力の作用により当該ハ
ーフタンブラーが前記切欠き部を前記隔壁の端縁に係合
する方向に傾動することを許容するように形成されるこ
とを特徴とする。
【0006】このような構成によれば、シリンダ体の内
面に対をなして設けられている凹部の一方に一端を係合
せしめている複数のハーフタンブラーを、キー挿入孔に
挿入した正規キー以外の不正部材により前記凹部との係
合を解除するように操作する際に、少なくとも1つのハ
ーフタンブラーが、その他端を他方の凹部に挿入、係合
した状態となることにより、不正解錠が防止されること
になる。すなわち、前記不正部材により、切欠き部を有
する少なくとも1つのハーフタンブラーを、その一端が
一方の凹部から離脱する方向に移動するように操作する
際には、ハーフタンブラーの位置を外部から視認するこ
とができないので、当該ハーフタンブラーをその離脱方
向の移動端まで移動させることになる。その状態では、
当該ハーフタンブラーの他端が他方の凹部に挿入され、
ばね力の作用により当該ハーフタンブラーが切欠き部を
隔壁の端縁に係合する方向に傾動するので、当該ハーフ
タンブラーの他端が他方の凹部に挿入、係合されてしま
い、ロータがシリンダ体内で角変位摺動することが阻止
されるので、不正解錠が防止されることになる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明す
る。
【0008】図1〜図4は本発明の一実施例を示すもの
であり、図1はシリンダ錠の縦断面図であって図2の1
−1線に沿う断面図、図2は正規キー挿入状態での図1
の2−2線断面図、図3は正規キーを抜いた状態での図
2に対応した断面図、図4は不正解錠操作状態での図2
に対応した断面図である。
【0009】先ず図1において、固定のシリンダ体5に
設けられたシリンダ孔6に、横断面円形の棒状に形成さ
れるロータ8が、中立位置と、シリンダ孔6の周方向に
沿って中立位置の一側に設定される鎖錠位置と、シリン
ダ孔6の周方向に沿って中立位置の他側に設定される解
錠位置との間で角変位摺動することを可能として嵌合さ
れ、該ロータ8の両端はシリンダ体5の両端よりも突出
される。しかもロータ8の中心部には、ロータ8の一端
面(図1の左端面)に一端を開口した有底のキー挿入孔
7が、該ロータ8の軸線方向に沿って延びるようにして
設けられる。
【0010】ロータ8の軸線方向に間隔をあけた複数箇
所、この実施例では、図1に鎖線で示した第1〜第4係
合位置P1,P2,P3,P4の4箇所で、ロータ8を
シリンダ体5に係合することが可能であり、そのような
係合状態ではシリンダ体5に対するロータ8の角変位摺
動が阻止される。また図1で示すように、キー挿入孔7
に正規キー10を挿入すると、ロータ8のシリンダ体5
との係合が解除され、正規キー10の操作によりロータ
8をシリンダ体5内で角変位摺動することができる。
【0011】ロータ8の他端部には、該ロータ8ととも
に角変位するレバー11の基部が固着され、該レバー1
1およびシリンダ体5間には、ロータ8を前記中立位置
側に向けて付勢するばね力を発揮する戻しばね12が設
けられる。
【0012】図2を併せて参照して、正規キー10は、
横断面形状を長方形状として一直線状に延びるキー主部
10aの後端に操作部10bが一体に連設されて成るも
のであり、キー主部10aの先端部両面の中央部には、
その先端部両面の両側を切込むことにより突部13,1
4が形成される。それらの突部13,14は、キー主部
10aの長手方向に沿って移動するにつれて形状が順次
変化するものであり、両突部13,14は、相互に同一
の形状を有すものであっても、相互に異なる形状を有す
るものであってもよい。
【0013】さらに、図3を併せて参照して、第3係合
位置P3において、ロータ8には、該ロータ8の軸線に
直交する平面内で両端をロータ8の外面に開口する一対
の摺動孔15,16がキー挿入孔7の一部と交差するよ
うにして設けられ、両摺動孔15,16相互間には、ロ
ータ8の一直径線L上でキー挿入孔7を挟む位置に配置
される一対の隔壁17,18が形成される。
【0014】各摺動孔15,16には、キー挿入孔7に
正規キー10が挿入されたときには、ロータ8の外面か
らの両端の突出を回避する位置に移動するようにしてハ
ーフタンブラー19,20がそれぞれ摺動可能に嵌合さ
れており、両ハーフタンブラー19,20の外側部とロ
ータ8との間には、それらのハーフタンブラー19,2
0の一端(図2および図3の左端)をロータ8の外面か
ら突出せしめる方向のばね力を発揮するばね21,22
がそれぞれ設けられる。
【0015】ところで、この実施例では、一対の摺動孔
15,16がロータ8の一直径線Lに関して対称に形成
され、それに応じてハーフタンブラー19,20も同一
形状に形成され、ばね21,22による両ハーフタンブ
ラー19,20の付勢方向も同一方向に定められている
のであるが、対をなす摺動孔15,16が前記一直径線
Lに関して非対称に形成されていてもよく、ハーフタン
ブラー19,20も相互に異なる形状に形成されていて
もよく、さらにばね21,22による両ハーフタンブラ
ー19,20の付勢方向が相互に逆方向に定められてい
てもよい。
【0016】一方、シリンダ体5の内面には、中立位置
で前記各摺動孔15,16の両端に対応する一対ずつ2
組の凹部23,24;25,26が、対をなす両凹部2
3,24;25,26の一方23,25にハーフタンブ
ラー19,20の一端を挿入、係合せしめることを可能
として設けられる。
【0017】前記各ハーフタンブラー19,20の一端
部内側には、対をなす前記隔壁17,18のうちハーフ
タンブラー19,20の一端部側に対応した隔壁17の
キー挿入孔7側の端縁に係合可能な切欠き部19a,2
0aが設けられる。
【0018】一方、ハーフタンブラー20を嵌合せしめ
る摺動孔16は、図4で示すように、該ハーフタンブラ
ー20がその他端を対をなす両凹部25,26の他方2
6に挿入するまで移動した状態では、ばね22のばね力
の作用により当該ハーフタンブラー20が前記切欠き部
20aを前記隔壁17の端縁に係合する方向に傾動する
ことを許容するように形成される。
【0019】またハーフタンブラー19を嵌合せしめる
摺動孔15も、前記摺動孔16と同様に、ハーフタンブ
ラー19がその他端を凹部24に挿入するまで移動した
状態では、ばね21のばね力の作用により当該ハーフタ
ンブラー19がその切欠き部19aを隔壁17のキー挿
入孔7側の端縁に係合する方向に傾動することを許容す
るように形成される。
【0020】ロータ8における第1、第2および第4係
合位置P1,P2,P4においても、上記第3係合位置
P3のハーフタンブラー19,20と同様にして、図示
しない一対のハーフタンブラーがそれぞれ装着されてお
り、それらのハーフタンブラーは、その一端部内側に切
欠き部を有するものであっても、なくてもよい。また一
対ずつ2組の凹部23,24;25,26は、第1〜第
4係合位置P1〜P4間に対応する部分間にわたってシ
リンダ体5の内面に設けられている。
【0021】次にこの実施例の作用について説明する
と、キー挿入孔7に挿入した正規キー10以外の不正部
材により不正解錠操作を行なうにあたり、ロータ8にお
ける第3係合位置P3で凹部23,24;25,26の
一方23,25に一端を係合せしめているハーフタンブ
ラー19,20を、前記不正部材で凹部23,25との
係合を解除するように操作すると、ハーフタンブラー1
9,20の位置を外部から視認することができないの
で、当該ハーフタンブラー19,20をその離脱方向の
移動端まで移動させることになり、その状態では、当該
ハーフタンブラー19,20の他端が他方の凹部24,
26に挿入される。
【0022】而して、ハーフタンブラー19,20の他
端が他方の凹部24,26に挿入されると、ばね21,
22のばね力の作用により当該ハーフタンブラー19,
20が、その一端側の切欠き部19a,20aを隔壁1
7のキー挿入孔7側の端縁に係合する方向に傾動するこ
とになる。これにより、ハーフタンブラー19,20
は、その他端が他方の凹部24,26に挿入、係合した
状態で保持されることになり、ロータ8がシリンダ体5
内で角変位摺動することが阻止されるので、不正解錠が
防止されることになる。
【0023】またロータ8における第1、第2および第
4係合位置P1,P2,P4におけるハーフタンブラー
が、その一端部内側に切欠き部を有するものであった場
合には、第1〜第4係合位置P1〜P4のいずれの位置
にあっても、ハーフタンブラーの他端が対をなす両凹部
23,24;25,26の他方24,26に係合して、
ロータ8のシリンダ体5に対する角変位摺動が阻止され
る。
【0024】ところでハーフタンブラー19,20の切
欠き部19a,20aが隔壁17のキー挿入孔7側の端
縁に係合した状態は、キー挿入孔7に正規キー10を挿
入することにより解除されるものであり、正規キー10
をキー挿入孔7に挿入することにより、ハーフタンブラ
ー19,20は、その両端をロータ8の外面から突出し
ない位置まで移動することになる。
【0025】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0026】たとえば上記実施例では、複数のハーフタ
ンブラー19,20に切欠き部19a,20aが設けら
れていたが、複数のハーフタンブラーのうち少なくとも
1つのハーフタンブラーに切欠き部が設けられていれば
よい。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、キー挿入
孔に挿入した正規キー以外の不正部材で不正解錠操作を
行なうと、対をなす凹部の一方に一端を挿入、係合した
状態にある少なくとも1つのハーフタンブラーが、その
他端を他方の凹部に挿入、係合した状態となり、ロータ
のシリンダ体に対する角変位摺動が阻止されるので、不
正解錠が確実に防止されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリンダ錠の縦断面図であって図2の1−1線
に沿う断面図である。
【図2】正規キー挿入状態での図1の2−2線断面図で
ある。
【図3】正規キーを抜いた状態での図2に対応した断面
図である。
【図4】不正解錠操作状態での図2に対応した断面図で
ある。
【符号の説明】
5・・・シリンダ体 7・・・キー挿入孔 8・・・ロータ 10・・・正規キー 15,16・・・摺動孔 17,18・・・隔壁 19,20・・・ハーフタンブラー 19a,20a・・・切欠き部 21,22・・・ばね 23,24,25,26・・・凹部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横断面円形の棒状に形成されるロータ
    (8)の中心部に、該ロータ(8)の軸線方向に沿って
    延びるキー挿入孔(7)が設けられ、前記ロータ(8)
    の一直径線上で前記キー挿入孔(7)を挟む位置に配置
    される一対の隔壁(17,18)を相互間に形成して前
    記ロータ(8)の外面に両端を開口する一対ずつ複数組
    の摺動孔(15,16)が、前記ロータ(8)の軸線方
    向に間隔をあけた複数箇所で前記キー挿入孔(7)の一
    部と交差するようにして前記ロータ(8)に設けられ、
    前記キー挿入孔(7)への正規キー(10)の挿入に応
    じて前記ロータ(8)の外面からの両端の突出を回避す
    る位置に移動するようにして前記各摺動孔(15,1
    6)に摺動可能にそれぞれ嵌合されるハーフタンブラー
    (19,20)の外側部と前記ロータ(8)との間に、
    それらのハーフタンブラー(19,20)の一端を前記
    ロータ(8)の外面から突出せしめる方向のばね力を発
    揮するばね(21,22)がそれぞれ設けられ、前記ロ
    ータ(8)をその軸線まわりの角変位摺動を可能として
    嵌合せしめるシリンダ体(5)の内面に、前記各摺動孔
    (15,16)の両端に対応する一対ずつ2組の凹部
    (23,24;25,26)が、対をなす両凹部(2
    3,24;25,26)の一方(23,25)に前記ハ
    ーフタンブラー(19,20)の一端を挿入、係合せし
    めることを可能として設けられるシリンダ錠において、
    対をなす前記隔壁(17,18)のうち前記ハーフタン
    ブラー(19,20)の一端部側に対応した隔壁(1
    7)のキー挿入孔(7)側の端縁に係合可能な切欠き部
    (19a,20a)が、前記各ハーフタンブラー(1
    9,20)のうち少なくとも1つのハーフタンブラー
    (19,20)の一端部内側に設けられ、前記少なくと
    も1つのハーフタンブラー(19,20)を嵌合せしめ
    る摺動孔(15,16)は、前記少なくとも1つのハー
    フタンブラー(19,20)がその他端を前記両凹部
    (23,24;25,26)の他方(24,26)に挿
    入するまで移動した状態では前記ばね(21,22)の
    ばね力の作用により当該ハーフタンブラー(19,2
    0)が前記切欠き部(19a,20a)を前記隔壁(1
    7)の端縁に係合する方向に傾動することを許容するよ
    うに形成されることを特徴とするシリンダ錠。
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