JP2000230052A - 高分子光学材料およびそれを用いた光導波路 - Google Patents

高分子光学材料およびそれを用いた光導波路

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JP2000230052A
JP2000230052A JP3492499A JP3492499A JP2000230052A JP 2000230052 A JP2000230052 A JP 2000230052A JP 3492499 A JP3492499 A JP 3492499A JP 3492499 A JP3492499 A JP 3492499A JP 2000230052 A JP2000230052 A JP 2000230052A
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polymer
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Seiji Toyoda
誠治 豊田
Takashi Kurihara
栗原  隆
Saburo Imamura
三郎 今村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広帯域の1.40−1.61μmにおいても
低損失で、耐熱性、耐湿性が高く、かつ耐クラック性に
優れた光学材料の提供 【解決手段】 一般式(I)および(II)(式中R1
フッ素化アルキル基である)を繰り返し単位とするもの
と、一般式(III)および(IV)(式中R2 はフッ素化ア
リールアルキル基である)を繰り返し単位とするものと
の共重合体である高分子光学材料。 【化5】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学材料およびそ
れを用いた光導波路に関するものであり、それらは、一
般光学や微小光学分野で、また、光通信や光情報処理の
分野で用いられる種々の光学部品、光集積回路または光
配線板等に利用できる。
【0002】
【従来の技術】時間分割された信号を異なる波長におい
て伝送するWDMシステムは、高度情報社会に必要な高
速大容量通信を実現できるシステムとして有望視されて
いる。このWDMシステムにおいてキーとなる光デバイ
スは、光源、光増幅器、光合分波器、光スイッチ、波長
可変フィルター、波長変換器があげられる。近年、15
60−1610nm帯の光増幅器が開発されつつあり
〔例えば、福島他、OFC’97,PD3,(1997
年)〕従来の1530−1565nm帯とあわせて、約
80nmの帯域が波長多重に使え、0.8nm間隔で多
重化すると100波、0.4nm間隔では200波が多
重可能になる。このような広帯域で安定に動作する光デ
バイスが望まれる。
【0003】光スイッチや波長可変フィルターを形成す
る光導波路用として高分子を用いると以下の2点が特徴
として考えられる。第一に、高分子材料はスピンコート
法やディップ法等による薄膜形成が容易であり、大面積
の光部品を作製するのに適している。成膜に際して高温
での熱処理工程を含まないことから、石英等の無機ガラ
ス材料を用いる場合に比べて、半導体基板やプラスチッ
ク基板等、高温での熱処理が困難な基板上に光導波路を
作製できるという利点がある。さらに、高分子の柔軟性
や強靱性を活かしたフレキシブルな光導波路の作製も可
能である。こうしたことから、光通信の分野で用いられ
る光集積回路や、光情報処理の分野で用いられる光配線
板等の光導波路部品を、高分子光学材料を用いて大量・
安価に製造できることが期待されている。第2に、一般
的に高分子材料は石英等の無機ガラス材料に比べて屈折
率の温度依存定数(TO定数)がおよそ1桁大きい。高
分子材料のTO定数は、体積膨張の温度変化により支配
されており、1桁大きいTO定数は高分子材料の柔軟性
を反映した特徴である。このTO定数の高い高分子材料
を用いると、消費電力の小さい熱光学スイッチや熱光学
波長可変フィルターを作製することが可能になる。例え
ば、後者については、渡辺等による熱架橋シリコーンを
用いた熱光学デバイスが報告されている(渡辺等、エレ
クトロニクス・レターズ、第33巻18号、1547
頁、(1997年))。以上の2点は一般的に高分子が
有する特徴であるが、光導波路用には、高耐熱性、高疎
水性および低損失性の要求をクリアーしなければならな
い。熱架橋シリコーン高分子はシラセスキオキサン構造
を分子骨格とし、ラダー構造を有するため優れた耐熱性
を示す。また、側鎖のフェニル基やアルキル基が疎水性
であるために耐湿性が高い。さらに、側鎖に含まれるC
−H結合の水素がハロゲンまたは重水素に置換されてい
るために、C−H結合の伸縮または変角振動の倍音また
は結合音に起因する近赤外域における吸収が低減されて
いる。
【0004】熱架橋シリコーン高分子を用いて、コア/
クラッド構造からなる光導波路を作製する場合、精密に
制御された屈折率差を有する少なくとも2種の材料が必
要となる。その屈折率差は一般的には0.1%〜5%の
範囲である。例えば、シングルモード光ファイバと導波
光のモード径を合わせる場合、コア部の形状は8μm角
の正方形、屈折率差は0.3%であることが望ましい。
前記文献に記載の高分子光学材料においては、側鎖の異
なる繰り返し単位を共重合することにより、屈折率の制
御を行っている。例えば、高屈折率の側鎖としてフェニ
ル基、低屈折率の側鎖としてメチル基等の直鎖状アルキ
ル基が知られている。すなわち、フェニル基側鎖のポリ
フェニルシラセスキオキサンをコア材料とした場合、フ
ェニルシラセスキオキサンとメチルシラセスキオキサン
との共重合体をクラッド材料として用いることができ
る。例えば、コア部断面形状が8μm角の正方形である
シングルモード光導波路をシリコン基板上に形成する場
合、メタルクラッディングの影響を回避するためには、
下部クラッドとして15μm程度以上の膜厚が必要とな
る。ここで、メタルクラッディングとは下部クラッドの
厚さが薄い場合にコア部を導波する光がシリコン基板へ
引き込まれて、導波損失が顕著に大きくなることをい
う。また、上部クラッドに関しても表面の塵または汚
れ、外部からの応力等の影響がコア部を導波する光に及
ばないようにするためには、上部クラッドとしてコア上
面から8μm程度以上の膜厚が必要となる。実際、側鎖
が全てフェニル基であるポリフェニルシラセスキオキサ
ンを用いた場合には、硬化後の薄膜が硬いためにクラッ
クが入り易く、15μm程度以上の膜厚を信頼性良く得
るのは困難であった。しかし、フェニル基以外の側鎖を
導入することにより、硬化後の薄膜の柔軟性を向上し、
クラックの発生率を大幅に低減することができる。その
ための側鎖として、従来、メチル基等の直鎖状アルキル
基が知られていた。すなわち、フェニル基に代えて側鎖
の一部にメチル基等の直鎖状アルキル基を導入した場
合、側鎖のアルキル基の含有量が増えるにつれて、硬化
後の薄膜はより柔軟となりクラックの発生率が大幅に低
減する。すなわち、側鎖にメチル基等の直鎖状アルキル
基を導入することは、ポリシラセスキオキサン系の架橋
型高分子光学材料に、前記の屈折率制御性を与えると同
時に、耐クラック性を与えるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、WDMシス
テムに用いられる1.55μm波長帯に関してC−H結
合の伸縮または変角振動の倍音または結合音に起因する
光吸収が現われる場合があり、導波損失に大きな影響を
及ぼす。例えば、メチル基の場合は、C−H結合の伸縮
振動の2倍音と横揺れ変角振動との結合音が波長1.5
2μmに現われ、1.55μm波長帯の導波損失に大き
な影響を及ぼす。また、重水素化フェニル基の場合に
は、C−D結合の伸縮の3倍音が、1.50μmに現
れ、1.55μmより短波長帯の導波損失に大きな影響
を及ぼす。本発明はこのような現状に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、1.53−1.61μmあるい
はこれより広帯域において低損失であり、かつ耐熱性、
耐湿性、耐溶剤性および耐クラック性に優れた高分子光
学材料、およびそれを用いた光導波路を提供することに
ある。
【0006】通信波長帯において、透明性を向上させる
ためにC−H、C−D結合のHおよびDをフッ素により
置換する方法が一般的に有効である。特開平3−188
402号公報(今村等)に示されているように、パーフ
ルオロアルキル基を側鎖とするシラセスキオキサン類を
用いると、その導波路は光学的透明性の点で優れた特性
を示すと考えられる。しかし、シリコン原子のα位およ
びβ位炭素に結合したフッ素は不安定であるため、パー
フルオロアルキル基を側鎖とするシラセスキオキサン類
を用いて作成した導波路は化学的に不安定になる可能性
があり、化学的に安定なフッ素化アルキル基を有するシ
ラセスキオキサン類の材料の探査が必要とされていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の実施の形態は以下(1)〜(6)に示す高
分子光学材料に関する発明である。
【0008】(1) 一般式(I)および(II)(式中
1 はフッ素化アルキル基である)を繰り返し単位とす
る重合体であることを特徴とする高分子光学材料であ
る。
【0009】
【化3】
【0010】(2) (1)に記載の一般式(I)およ
び(II)(式中R1 はフッ素化アルキル基である)を繰
り返し単位とするものと、一般式(III)および(IV)
(式中R2 はフッ素化アリールアルキル基である)を繰
り返し単位とするものとの共重合体であることを特徴と
する高分子光学材料である。
【0011】
【化4】
【0012】(3) 前記一般式(I)および(II)中
のR1 が−Cm2mn2n+1であり、およびnは1か
ら10の整数でありおよびmは2から10の整数である
ことを特徴とする(1)または(2)に記載の高分子光
学材料である。
【0013】(4) 前記一般式(II)中のR2 が−C
p2pArであり、Arはフッ素化アリール基であり、
およびpは2から10の整数であることを特徴とする
(2)に記載の高分子光学材料である。
【0014】(5) 前記一般式(I)および(II)中
のR1 が−CH2 CH2 CF3 、−CH2 CH24
9 、−CH2 CH2613、および−CH2 CH2
817からなる群から選択されたフッ素化アルキル基の
1つであることを特徴とする(3)に記載の高分子光学
材料である。
【0015】(6) 前記一般式(III)および(IV)中
のR2 が−CH2 CH265 基であることを特徴と
する(4)に記載の高分子光学材料である。
【0016】本発明の第2の実施の形態は、高分子光導
波路に関する発明であって、第1の発明の高分子光学材
料をコアまたはクラッドとして用いることを特徴とす
る。
【0017】本発明は、前記の屈折率の制御およびクラ
ック発生の抑制のために導入する側鎖を、従来のような
直鎖状のアルキル基ではなく、後述するようにフッ素化
アルキル基に改良することにより、1.53−1.61
μmの広帯域での透明性を損なわずに、屈折率の制御性
を与え、かつ耐クラック性を向上させることができるこ
とを見い出し、さらに、当該材料を用いて作製した光導
波路は1.53−1.61μmのみならず1.3μm波
長帯あるいはこれより広帯域においても低導波損失であ
り、かつ高い耐熱性と耐湿性を有していることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0018】本発明は、従来の架橋型ポリシラセスキオ
キサン系の高分子光学材料が、屈折率の制御およびクラ
ック発生の抑制を、1.53−1.61μmの広帯域で
の透明性を損なう原因となる直鎖状のアルキル基の側鎖
への導入により行うのに対して、1.53−1.61μ
mあるいはこれにより広帯域での透明性を損なうことの
ないエチレン結合部を有するフッ素化アルキル基または
フッ素化アリールオキシ基を側鎖に導入することによっ
て、屈折率の制御性を与え、かつ耐クラック性を向上さ
せるものである。
【0019】本発明で用いられるR1 は、完全にあるい
は部分的にフッ素化されたフッ素化アルキル基であり、
好ましくは−Cm2mn2n+1(nは1から10の整
数およびmは2から10の整数)で示されるフッ素化ア
ルキル基であり、最も好ましくは−CH2 CH2 CF
3 、−CH2 CH249 、−CH2 CH26
13、および−CH2 CH2817からなる群から選
択されたフッ素化アルキル基である。nは、好ましくは
1から8の整数である。mは、好ましくは2から8の整
数であり、より好ましくは2から6の整数である。これ
らの置換基は、比較的低い屈折率を発現させ、本発明の
高分子光学材料に耐クラック性を付与し、かつ1.53
−1.61μmの広帯域で透明である。さらに、これら
の置換基はシリコン原子のα位およびβ位の炭素に結合
するフッ素を持たないため、化学的にも安定である。
【0020】本発明で用いられるR2 は、完全にあるい
は部分的にフッ素化されたフッ素化アリールアルキル基
であり、好ましくは−Cp2pAr(pは2から10の
整数)であり、ここでArはフッ素化アリール基であ
り、最も好ましくは−CH2 CH265 基である。
pは、好ましくは2から8の整数であり、より好ましく
は2から6の整数である。Arは、置換基を有してもよ
い完全にまたは部分的にフッ素化されたフェニル基、ナ
フチル基、およびアントリル基が好ましく、より好まし
くは完全にフッ素化されたフェニル基、ナフチル基、お
よびアントリル基である。この置換基は、比較的高い屈
折率を発現させ、かつ1.53−1.61μmの広帯域
で透明である。この置換基もまた、シリコン原子のα位
およびβ位の炭素に結合するフッ素を持たないため、化
学的にも安定である。
【0021】以下、本発明の内容をさらに詳細に説明す
る。
【0022】本発明の第1の実施の形態における光学材
料を用いる際には、一般式(I)、(II)(III) 、およ
び(IV)で表される繰り返し単位を有する共重合体以外
の成分として、溶媒または触媒を含有することができ
る。溶媒を含有することにより、該光学材料は薄膜の形
成工程に対応した適当な粘性を有する流動体となる。こ
の際に用いられる溶媒としては、トルエン、キシレン、
メシチレン、クロロベンゼン等の芳香族類、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール
等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン等のケ
トン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエス
テル類、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノ
ール等のセロソルブ類、酢酸2−エトキシエチル、酢酸
2−ブトキシエチル等のセロソルブアセテート類、ジブ
チルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、
エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル等のエーテル類、テトラヒドロフラン、N−
メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等の複素環類等
が挙げられる。該光学材料は、溶媒の種類の選択と溶液
濃度の調整により、薄膜の形成工程に対応した適当な粘
性を得ることができる。さらに、均質で平坦性の高い薄
膜を作製するためには、一般式(I)、(II)、(II
I)、および(IV)で表される繰り返し単位を有する共重
合体との相溶性が良く、高沸点の溶媒を用いることが望
ましい。
【0023】該光学材料の硬化は、一般式(II)、および
(IV)で表される繰り返し単位中に含まれる水酸基末端
の縮合反応によって三次元架橋構造を形成することで行
われる。硬化温度と硬化時間は、側鎖または末端の種類
に依存するが、一般的には、150℃〜300℃の温度
で1時間から数時間程度、電気炉中で加熱して行う。な
お、該光学材料が溶媒を含む場合には、硬化反応の前に
硬化温度より低温度、例えば、60℃〜100℃の温度
で予め溶媒を除去することが望ましい。さらに、該光学
材料を用いる際には、硬化反応を促進するための触媒を
添加することができる。例えば、水酸化テトラメチルア
ンモニウム等の添加により、硬化温度を低下または硬化
時間を短縮することができる。
【0024】本発明の第1の実施の形態の高分子光学材
料を用いて、本発明の第2の実施の形態の光導波路を作
製する場合、その工程は以下のように行うことができ
る。
【0025】まず、光導波路に要求される導波モード条
件に応じて、材料の屈折率調整を行い、コア/クラッド
材料として精密に制御された屈折率差を有する少なくと
も2種の材料を準備する。屈折率差の大きさは導波すべ
き光のモードとコアの寸法に応じて決定されるが、一般
的には0.1%〜5%の範囲である。例えば、シングル
モード光ファイバと導波光のモード径を合わせる場合、
コア部の断面形状は8μm角の正方形、屈折率差は0.
3%であることが望ましい。該光学材料においては、一
般式(I)および(II)を繰り返し単位とする成分が、
一般式(III)および(IV)を繰り返し単位とする成分に
比べて低い屈折率を有するために、共重合の比率を変え
ることによって屈折率の調整が可能である。
【0026】次に、屈折率調整をしたクラッド材料を基
板の上に下部クラッドとしてスピンコート法等により塗
布し、これを上記の方法により硬化する。次いで、この
上に屈折率調整をしたコア材料をスピンコート法等によ
り塗布し、これを上記の方法により硬化する。ここで、
下部クラッド層は硬化されているために、コア材料を塗
布する際にインターミキシングが発生することはない。
【0027】続いて、コア層の上にエッチングマスクと
なる層を形成し、フォトリソグラフィー等により導波路
パターンに加工する。エッチングマスクの材料として
は、有機フォトレジストまたは金属等が用いられる。さ
らに、コア層を反応性イオンエッチングにより所望の導
波路パターンに加工し、最後に上部クラッド層を塗布
し、硬化する。ここで、下部クラッド層およびコア層は
硬化されているために、上部クラッド材料を塗布する際
にインターミキシングが発生することはない、こうして
作製された光導波路は、用いた材料がアルキル基の代わ
りにフッ素化アルキル基またはフッ素化アリールアルキ
ル基を含んでいるために、1.3μm波長帯のみならず
1.55μm波長帯においても低導波損失であり、かつ
耐熱性、耐湿性に優れている。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0029】(実施例1)ペンタフルオロフェニルエチ
ルトリクロロシラン(236.9g、0.72モル)と
(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリクロロシラ
ン(231.5g、1.00モル)を脱水処理したテト
ラヒドロフラン1リットルに溶解し、ここに水(92.
9g、5.16モル)を液温が上昇しないようにゆっく
りと滴下した。続いて、反応液を撹拌しながら、ここに
炭酸水素ナトリウム(433.4g、5.16モル)を
加えた。炭酸ガスの発生が終了後、さらに1時間撹拌を
続けた。次いで、反応液を濾過し、ロータリーエバポレ
ータで濾液のテトラヒドロフランを留去したところ、無
色透明で粘稠な液体を得た。さらに、この液体を真空乾
燥することによりポリマーAを得た。本材料の分子量を
GPCで測定したところ、重量平均分子量Mw=330
0、数平均分子量Mn=1500であった。
【0030】上記ポリマーA50gおよび溶媒メチルイ
ソプチルケトン(MIBK)50gからなる組成物Bを
調製した。本組成物は、200℃で1時間加熱処理する
ことにより硬化し、溶媒に対して不溶となることが判明
した。
【0031】また、フェニルトリクロロシラン(23
6.9g、1.12モル)とシクロヘキシルトリクロロ
シラン(208.4g、0.96モル)を脱水処理した
テトラヒドロフラン1リットルに溶解し、ここに水(1
08g、6.00モル)を液温が上昇しないようにゆっ
くりと滴下した。続いて、反応液を撹拌しながら、ここ
に炭酸水素ナトリウム(504g、6.00モル)を加
えた。二酸化炭素の発生が終了後、さらに1時間撹拌を
続けた。次いで、反応液を濾過し、ロータリーエバポレ
ータで濾液のテトラヒドロフランを留去したところ、無
色透明で粘稠な液体を得た。さらに、この液体を真空乾
燥することによりポリマーCを得た。本材料の分子量を
GPCで測定したところ、Mw=3300、Mn=15
00であった。
【0032】上記ポリマーC50gおよび溶媒MIBK
50gからなる組成物Dを調製した。本組成物は、20
0℃で1時間加熱処理することにより硬化し、溶媒に対
して不溶となることが判明した。
【0033】上記ポリマーAをコア、ポリマーCをクラ
ッドとして用いる光導波路は、以下のようにして作製し
た。まず、シリコン処理基板上に組成物Dのスピンコー
ト法により塗布して成膜した。この際、膜厚が15μm
となるようにスピンコータの回転数を調整した。形成し
た薄膜は、60℃で2時間加熱して溶媒を除去した後、
200℃で1時間加熱することにより硬化し、下部クラ
ッド層とした。次いで、この上に組成物Bを用いて、コ
ア層をスピンコート法により形成した。スピンコータの
回転数は、コア層の膜厚が8μmとなるように調整し
た。この際、下部クラッド層とコア層との間でインター
ミキシングは全く見られなかった。形成したコア層は、
60℃で2時間加熱して溶媒を除去した後、200℃で
1時間加熱することにより硬化した。続いて、この上に
フォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィーにより
直線状の導波路マスクパターンを形成した。さらに、反
応性イオンエッチングにより、マスクパターン以外の部
分のコア層を除去し、幅8μm、高さ8μmの矩形断面
のコアリッジを形成した。
【0034】この上に組成物Dを塗布し、下部クラッド
を形成した場合と同様に硬化して、コア/クラッド構造
からなる埋め込み型チャネル光導波路を作製した。上部
クラッドの厚さはコアの上面から8μmとなるようにし
た。以上の光導波路作製工程において、クラックの発生
は見られなかった。
【0035】この光導波路をダイシングソーによって5
cmの長さに切り出し、導波損失を測定したところ、波
長1.3μmのみならず波長1.40−1.61μmで
も0.3dB/cm以下であった。また、この光導波路
の損失は75℃/90%RHの条件下においても1箇月
以上変動しなかった。
【0036】(実施例2)ペンタフルオロフェニルエチ
ルトリクロロシラン(329.6g、1.00モル)と
3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘ
キシルトリクロロシラン(343.4g、0.90モ
ル)を脱水処理したテトラヒドロフラン1リットルに溶
解し、ここに水(103g、5.70モル)を液温が上
昇しないようにゆっくりと滴下した。続いて、反応液を
撹拌しながら、ここに炭酸水素ナトリウム(479g、
5.70モル)を加えた。炭酸ガスの発生が終了後、さ
らに1時間撹拌を続けた。次いで、反応液を濾過し、ロ
ータリーエバポレータで濾液のテトラヒドロフランを留
去したところ、無色透明で粘稠な液体を得た。さらに、
この液体を真空乾燥することによりポリマーEを得た。
本材料の分子量をGPCで測定したところ、Mw=24
00、Mn=1200であった。
【0037】上記ポリマーE50gおよび溶媒MIBK
50gからなる組成物Fを調製した。本組成物は、20
0℃で1時間加熱処理することにより硬化し、溶媒に対
して不溶となることが判明した。
【0038】また、ペンタフルオロフェニルエチルトリ
クロロシラン(329.6g、1.00モル)と3,
3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシ
ルトリクロロシラン(381.5g、1.00モル)を
脱水処理したテトラヒドロフラン1リットルに溶解し、
ここに水(108g、6.00モル)を液温が上昇しな
いようにゆっくりと滴下した。続いて、反応液を撹拌し
ながら、ここに炭酸水素ナトリウム(504g、6.0
0モル)を加えた。二酸化炭素の発生が終了後、さらに
1時間撹拌を続けた。次いで、反応液を濾過し、ロータ
リーエバポレータで濾液のテトラヒドロフランを留去し
たところ、無色透明で粘稠な液体を得た。さらに、この
液体を真空乾燥することによりポリマーGを得た。本材
料の分子量をGPCで測定したところ、Mw=240
0、Mn=1200であった。
【0039】上記ポリマーG50gおよび溶媒MIBK
50gからなる組成物Hを調製した。本組成物は、20
0℃で1時間加熱処理することにより硬化し、溶媒に対
して不溶となることが判明した。
【0040】上記ポリマーEをコア、ポリマーGをクラ
ッドとして用いる光導波路は、実施例1に準じて作製し
た。この光導波路をダイシングソーによって5cmの長
さに切り出し、導波損失を測定したところ、波長1.3
μmのみならず波長1.40−1.61μmで0.3d
B/cm以下であった。また、この光導波路の損失は1
20℃の条件下においても1箇月以上変動がみられなか
った。
【0041】(実施例3)ペンタフルオロフェニルエチ
ルトリクロロシラン(329.6g、1.00モル)と
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8
−トリデカフルオロオクチルトリクロロシラン(43
3.4g、0.90モル)を脱水処理したテトラヒドロ
フラン1リットルに溶解し、ここに水(103g、5.
70モル)を液温が上昇しないようにゆっくりと滴下し
た。続いて、反応液を撹拌しながら、ここに炭酸水素ナ
トリウム(479g、5.70モル)を加えた。炭酸ガ
スの発生が終了後、さらに1時間撹拌を続けた。次い
で、反応液を濾過し、ロータリーエバポレータで濾液の
テトラヒドロフランを留去したところ、無色透明で粘稠
な液体を得た。さらに、この液体を真空乾燥することに
よりポリマーJを得た。本材料の分子量をGPCで測定
したところ、Mw=2400、Mn=1200であっ
た。
【0042】上記ポリマーJ50gおよび溶媒MIBK
50gからなる組成物Kを調製した。本組成物は、20
0℃で1時間加熱処理することにより硬化し、溶媒に対
して不溶となることが判明した。
【0043】また、ペンタフルオロフェニルエチルトリ
クロロシラン(329.6g、1.00モル)と3,
3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ト
リデカフルオロオクチルトリクロロシラン(481.5
g、1.00モル)を脱水処理したテトラヒドロフラン
1リットルに溶解し、ここに水(108g、6.00モ
ル)を液温が上昇しないようにゆっくりと滴下した。続
いて、反応液を撹拌しながら、ここに炭酸水素ナトリウ
ム(504g、6.00モル)を加えた。二酸化炭素の
発生が終了後、さらに1時間撹拌を続けた。次いで、反
応液を濾過し、ロータリーエバポレータで濾液のテトラ
ヒドロフランを留去したところ、無色透明で粘稠な液体
を得た。さらに、この液体を真空乾燥することによりポ
リマーLを得た。本材料の分子量をGPCで測定したと
ころ、Mw=2400、Mn=1200であった。
【0044】上記ポリマーL50gおよび溶媒MIBK
50gからなる組成物Mを調製した。本組成物は、20
0℃で1時間加熱処理することにより硬化し、溶媒に対
して不溶となることが判明した。
【0045】上記ポリマーJをコア、ポリマーLをクラ
ッドとして用いる光導波路は、実施例1に準じて作製し
た。この光導波路をダイシングソーによって5cmの長
さに切り出し、導波損失を測定したところ、波長1.3
μmのみならず波長1.40−1.61μmで0.3d
B/cm以下であった。また、この光導波路の損失は1
20℃の条件下においても1箇月以上変動がみられなか
った。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるポリ
シラセスキオキサンを用いることにより、広帯域の1.
40−1.61μmにおいても低損失で、耐熱性、耐湿
性が高く、かつ耐クラック性に優れた光学材料が実現で
きる。
【0047】また、本発明にかかる光学材料を用いた光
部品は、特に、光導波路型部品への適用が有利である。
したがって、本発明は、一般光学、微小光学、光通信、
光情報処理等の分野に適用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今村 三郎 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA04 PA02 PA21 PA24 PA28 QA05 TA00 4J035 BA04 BA14 CA05U CA051 CA16N CA161 EA01 FB05 LA03 LB17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)および(II)(式中R1
    フッ素化アルキル基である)を繰り返し単位とする重合
    体であることを特徴とする高分子光学材料。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式(I)および
    (II)(式中R1 はフッ素化アルキル基である)を繰り
    返し単位とするものと、一般式(III)および(IV)(式
    中R2 はフッ素化アリールアルキル基である)を繰り返
    し単位とするものとの共重合体であることを特徴とする
    高分子光学材料。 【化2】
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)および(II)中のR1
    が−Cm2mn2n+1であり、およびnは1から10
    の整数でありおよびmは2から10の整数であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の高分子光学材料。
  4. 【請求項4】 前記一般式(III)および(IV)中のR2
    は−Cp2pArであり、Arはフッ素化アリール基で
    あり、およびpは2から10の整数であることを特徴と
    する請求項2に記載の高分子光学材料。
  5. 【請求項5】 前記一般式(I)および(II)中のR1
    が−CH2 CH2 CF3 、−CH2 CH249 、−
    CH2 CH2613、および−CH2 CH2817
    からなる群から選択されたフッ素化アルキル基の1つで
    あることを特徴とする請求項3に記載の高分子光学材
    料。
  6. 【請求項6】 前記一般式(III)および(IV)中のR2
    が−CH2 CH265 基であることを特徴とする請
    求項4に記載の高分子光学材料。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか1つに記載の
    高分子光学材料をコアまたはクラッドとして用いること
    を特徴とする高分子光導波路。
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