JP2000227641A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2000227641A
JP2000227641A JP11342362A JP34236299A JP2000227641A JP 2000227641 A JP2000227641 A JP 2000227641A JP 11342362 A JP11342362 A JP 11342362A JP 34236299 A JP34236299 A JP 34236299A JP 2000227641 A JP2000227641 A JP 2000227641A
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Hiroki Sasaki
広樹 佐々木
Hiroyuki Kawamoto
博之 川本
Masatoshi Nakanishi
正壽 仲西
Yoshihiro Saito
祐弘 齋藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色再現性が良好で、使用前の保存性と潜像保
存性が同時に改善されるハロゲン化銀感光材料を提供す
ること。 【解決手段】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
ゲン化銀含有層を有するハロゲン化銀写真感光材料にお
いて、下記一般式1で表される繰り返し単位を含むポリ
マーを含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料。 【化1】 式中、Kは炭素数1〜50の2価の炭化水素基を表し、
Mは1価のカチオン基を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料に関する。特に色再現性が良好で、使用前の保存
性と潜像保存性が同時に改善されるハロゲン化銀感光材
料に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料は、支持体上
に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀含有層を有す
る。ハロゲン化銀写真感光材料は、支持体上にさまざま
な機能を持たせた層を形成することにより製造される
が、その際に層中の成分が適度な粒径で安定性良く分散
していることが求められる。例えば、支持体上に少なく
とも1層の感光性ハロゲン化銀含有層と、少なくとも1
層の水不溶性の写真用固体粒子を含む親水性コロイド層
を有するハロゲン化銀写真感光材料を製造する際には、
水不溶性の写真用固体粒子が層中で凝集せず、塗布する
際の粘度が適度な範囲内にあることが必要とされる。
【0003】このような要求に応えるために、これまで
にさまざまな分散剤が提供されている。分子内にスルホ
ン酸基を含むポリマーとしては、例えば、特開昭53−
39119号公報には、ポリビニルベンゼンアルキルス
ルホン酸塩を含むハロゲン化銀写真感光材料が記載され
ている。また、これ以外にも、ポリスチレンスルホン酸
塩が多数の特許明細書に記されている。
【0004】しかしながら、上記のようなポリマーを分
散剤として使用しても、分散した固体の粒子径が小さく
ならなかったり、分散液の粘度が非常に高くて取り扱い
難かったり、分散液の安定性が悪く沈降凝集が起こった
りするという問題がある。さらに親水性コロイドと混合
した場合には、凝集が発生したり、色素を含む塗膜の吸
収スペクトルがブロードになるという問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、これ
らの従来技術の問題点を解決することを課題とした。す
なわち本発明は、上記の問題を軽減した新規なポリマー
を用いたハロゲン化銀写真感光材料を提供することを解
決すべき課題とした。具体的には、固体微粒子を分散し
たときに表面張力の低下がなく、分散性および分散安定
性が改善された分散剤を用いて、色再現性が良好で、使
用前の保存性と潜像保存性が同時に改善されたハロゲン
化銀感光材料を提供することを課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
進めた結果、少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀含有
層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、下記一
般式1で表される繰り返し単位を含むポリマーを含有す
ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料を提供す
る本発明により課題を解決しうることを見出した。
【0007】
【化5】 式中、Kは炭素数1〜50の2価の炭化水素基を表し、
Mは1価のカチオン基を表す。Kはプロピレン基または
ブチレン基であることが好ましい。上記ポリマーは、一
般式1で表される繰り返し単位のみからなるものであっ
ても、一般式1で表される繰り返し単位の他に、一般式
1で表される繰り返し単位以外の共重合可能なエチレン
性不飽和モノマーからなる繰り返し単位を95モル%以
下で含むものであってもよい。共重合可能なエチレン性
不飽和モノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、
ヒドロキシスチレン、ビニルベンゼンカルボン酸、アル
キルアクリレートおよびアルキルメタクリレートからな
る群より選ばれる1種または2種以上のモノマーが好ま
しい。
【0008】本発明は、水不溶性の写真用固体粒子を一
般式1で表される繰り返し単位を含むポリマーによって
微粒子状に分散する方法も提供する。
【0009】また本発明は、支持体上に少なくとも1層
の水不溶性の写真用固体粒子を含む写真構成層を有する
ハロゲン化銀写真感光材料において、該水不溶性の写真
用固体粒子が少なくとも一般式1で表される繰り返し単
位を含むポリマーによって微粒子状に分散されているこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料も提供する。
また、支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀
含有層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、水
不溶性の写真用固体粒子が少なくとも一般式1で表され
る繰り返し単位を含むポリマーによって微粒子状に分散
されている写真構成層を有していることを特徴とするハ
ロゲン化銀写真感光材料も提供する。
【0010】水不溶性の写真用固体粒子は下記一般式2
で表される染料化合物であることが好ましい。
【化6】 式中、Aは酸性核を表し、L1、L2およびL3はそれぞ
れ独立に置換されてもよいメチン基を表し、R1、R2
よびR3はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表
す。nは0または1を表す。mは0〜4までの整数を表
し、mが2〜4の整数のとき複数のR2は同一であって
も異なっていてもよい。Xは、ハメットの置換基定数σ
mが0.3〜1.5の電子吸引基を表す。なお、本明細
書において、「〜」はその前後に記載される数値を最小
値および最大値として含む範囲である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、少なくとも1層
の感光性ハロゲン化銀含有層を有し、前記一般式1で表
される繰り返し単位を含むポリマーを含有することを特
徴とする。一般式1において、Kは炭素数1〜50の2
価の炭化水素基を表す。具体例としては、アルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、
アラルキレン基、アルキレンオキシ基、ポリアルキレン
オキシ基およびアルキレン−ポリアルキレンオキシ基が
挙げられる。これらの炭化水素基は置換基を有していて
もよい。
【0012】中でも、Kは、アルキレン基、アルキレン
オキシ基、ポリアルキレンオキシ基またはアルキレン−
ポリアルキレンオキシ基であることが好ましい。具体例
としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレ
ン、フェニレン、ポリプロピレンオキシエチレノキシ−
ブチレンが挙げられる。Kは、より好ましくはアルキレ
ン基であり、特に好ましくプロピレン基またはブチレン
基である。
【0013】一般式1において、Mは1価のカチオン基
を表す。具体例としては、水素、ナトリウム、カリウ
ム、リチウム、アンモニウム等のカチオンが挙げられ
る。これらの中で、ナトリウムカチオンが最も好まし
い。一般式1で表される繰り返し単位を含むポリマーの
分子量は、重量平均分子量で103〜106以下であるこ
とが好ましく、より好ましくは103〜105であり、さ
らに好ましくは3×103〜3×104である。
【0014】一般式1で表される繰り返し単位を含むポ
リマーは、前記一般式1で表される繰り返し単位のみを
1種または2種以上含むホモポリマーまたはコポリマー
であってもよく、あるいは、前記一般式1で表される繰
り返し単位と、前記一般式1で表される繰り返し単位以
外の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー由来の繰り
返し単位とを含むコポリマーであってもよい。前記一般
式1で表される繰り返し単位以外の共重合可能なエチレ
ン性不飽和モノマーとしては、スチレン、スチレン誘導
体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸およ
びメタクリル酸誘導体からなる群より選ばれる1種また
は2種以上のモノマーが挙げられる。
【0015】スチレン誘導体としては、ビニルトルエ
ン、ヒドロキシスチレン、アシルオキシスチレン、アル
コキシスチレン、ハロゲン化スチレン、ビニルベンゼン
カルボン酸、またはビニルベンゼンカルボン酸の塩また
はエステルが好ましい。アシルオキシスチレンとして
は、アセトキシスチレンが好ましい。アルコキシスチレ
ンとしては、t−ブトキシスチレンが好ましい。ハロゲ
ン化スチレンとしては、ブロモスチレンおよびクロロス
チレンが好ましい。アクリル酸誘導体またはメタクリル
酸誘導体としては、アクリル酸アルキルエステルまたは
メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸シクロアル
キルエステルまたはメタクリル酸シクロアルキルエステ
ル、アクリル酸塩またはメタクリル酸塩、またはアクリ
ロニトリルが好ましい。
【0016】中でも、スチレン、ビニルトルエン、ヒド
ロキシスチレン、ビニルベンゼンカルボン酸、ビニルベ
ンゼンカルボン酸塩、アクリルアクリレート、アルキル
メタクリレート、シクロアルキルアクリレート、シクロ
アルキルメタクリレート、およびアクリロニトリルが好
ましい。特に、スチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシ
スチレン、ビニルベンゼンカルボン酸、ビニルベンゼン
カルボン酸塩、アクリルアクリレート、およびアルキル
メタクリレートが好ましい。本発明で用いるポリマーが
前記一般式1で表される繰り返し単位以外の共重合可能
なエチレン性不飽和モノマー由来の繰り返し単位を含む
コポリマーである場合、前記一般式1で表される繰り返
し単位以外の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー由
来の繰り返し単位の含量は、全モノマー中、95モル%
以下であることが好ましく、より好ましくは85モル%
以下であり、さらに好ましくは80モル%以下である。
【0017】一般式1で表される繰り返し単位を含むポ
リマーは、例えば以下の2つの方法によって製造するこ
とができる。第一の方法は、スルホン酸基を導入したモ
ノマーを合成した後、単独重合または共重合する方法で
あり、第二の方法は、ビニルフェノールまたはビニルフ
ェノールの水酸基を保護したモノマーを単独重合または
共重合してホモポリマーまたはコポリマーを得た後、高
分子反応によってスルホン酸基を導入する方法である。
目的に応じて合成方法は選択される。
【0018】(第一の方法)スルホン酸基の導入につい
ては、工業化学雑誌第73巻563頁(1970年)、
同59巻221頁(1956年)およびJ.Am.Ch
em.Soc.第77巻2496頁(1955年)に記
載の方法を参考にすることができる。スルホン酸基を導
入したモノマーを単独重合または共重合する場合、ラジ
カル重合法により重合するのが好ましい。スルホン酸基
を有するモノマーと他のモノマーとの共重合において、
重合溶媒は、メチルスルホキシド(DMSO)、ジメチ
ルホルムアミド(DMF)等の単独溶媒系、またはDM
F/水(例えば体積比8/2)等の混合溶媒系を用いる
ことができる。
【0019】(第二の方法)ビニルフェノールを単独重
合または共重合する場合は、J.Polym.Sc
i.,A−1 7巻2175頁(1969年)、同24
05頁(1969年)に記載の方法を参考にすることが
できる。ビニルフェノールのホモポリマーまたはコポリ
マーは、市販のモノマーから重合してもよいし、市販の
ポリマーを用いてもよい。
【0020】ビニルフェノールの水酸基を保護したモノ
マーを単独重合または共重合する場合、水酸基の保護基
としては、メチル基、t−ブチル基などのよく知られた
保護基を用いることができ、ビニルフェノールの水酸基
を保護したモノマーとしては、メトキシスチレン、t−
ブトキシスチレン等が挙げられる。ビニルフェノールの
水酸基を保護したモノマーの単独重合または共重合は、
ラジカル重合法、アニオン重合法およびカチオン重合法
のいずれでもよい。この場合リビング重合系が可能であ
り、共重合の場合、ブロックポリマーの合成も可能であ
る。その後、水酸基の保護基の切断は、通常の方法で行
うことができる。例えば3臭化ホウ素、臭酸、トリフル
オロメタンスルホン酸などを用いて容易に切断すること
ができる。また、保護基の切断については、Macromolec
ules、 第16巻510頁(1983年)、同第22巻
509頁(1989年)を参考にすることができる。
【0021】次に、水酸基を利用してスルホン酸基を導
入する。スルホン酸基の導入には、ウイリアムソンエー
テル合成法を利用することができる。すなわち、該水酸
基を、例えばナトリウムメチラート、ナトリウムエチラ
ート、t−ブトキシカリウム、水素化ナトリウム、金属
ナトリウムなどでフェノラートアニオンにした後、プロ
パンサルトン、ブタンサルトン、クロロエタンスルホン
酸ナトリウムなどのスルホアルキルハライドなどを滴下
添加して反応させることによって、スルホン酸基を導入
することができる。スルホン酸基の導入率を約50mo
l%以下とする場合は、定量的に導入することが可能で
ある。スルホン酸基の導入率を約50mol%以上とす
る場合には、少し過剰(1.2倍当量程度)の試薬を用
いる。反応温度は室温以上が好ましく、より好ましくは
45℃〜70℃であり、特に好ましくは60℃前後であ
る。反応時間は反応温度にもよるが、数時間(2〜5時
間)かけてマイルドに行う方がよい。また、スルホン酸
の導入については、工業化学雑誌第73巻563 頁
(1970年)、同59巻221頁(1956年)およ
びJ.Am.Chem.Soc.,第77巻2496頁
(1955年)を参考にすることができる。
【0022】以下に、一般式1で表される繰り返し単位
を含むポリマーの具体例を示す。重量平均分子量は、常
法により測定することができる。
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】一般式1で表される繰り返し単位を含むポ
リマーは、分散剤として有用である。また、帯電防止
剤、増粘剤または沈降剤として用いることもできる。こ
れらの分散剤、帯電防止剤、増粘剤および沈降剤は、前
記ポリマーの1種を含むものであっても、2種以上を任
意の割合で含むものであってもよい。また、必要に応じ
て、他の成分を適宜含有することができる。
【0027】例えば分散剤として用いる場合は、前記ポ
リマーの他に他の分散剤を含んでいてもよい。分散剤の
使用量は、被分散物に対して1〜100重量%であるこ
とが好ましく、特に好ましくは2〜30重量%である。
また、本発明のハロゲン化銀写真感光材料が含有する分
散剤は、固体分散、乳化分散、析出分散など様々な分散
系に用いることができる。
【0028】一般式1で表される繰り返し単位を含むポ
リマーを含有する分散剤を用いて被分散物を固体分散す
る方法としては、公知の方法を採用することができる。
固体分散方法の詳細については、機能性顔料の応用技術
(シーエムシー刊、1991年)等に記載されている。
中でも、分散メディア法が最も一般的である。この方法
では、粉末またはウエットケーキ状態の被分散物を分散
剤とともに水中で水性スラリーとし、公知の粉砕機(例
えば、ボールミル、サンドミル、ローラーミル、スーパ
ーアペックスミル、スパイクミルなど)を用い、分散メ
ディア(例えば、ガラスビーズ、アルミナビーズ、ジル
コニアビーズなど)の存在下で機械的に粉砕することに
よって分散する。分散メディアであるビーズの平均直径
は、0.005〜1mmであることが好ましく、より好
ましくは0.1〜0.5mmであり、さらに好ましくは
0.1〜0.3mmである。充填率は70%以上である
ことが好ましく、より好ましくは80%以上である。周
速は4m/sであることが好ましく、8m/s以上であ
ることがより好ましく、更に好ましくは10m/s以上
である。温度は100℃以下が好ましく、より好ましく
は40℃以下である。仕事密度は分散室の実容積当たり
0.5kw/リットル以上であることが好ましく、より
好ましくは2kw/リットル以上である。上記の粉砕機
の他に、ロールミル、ホモジナイザー、高圧ホモジナイ
ザー、コロイドミル、デゾルバー、高速インペラー攪拌
機、または超音波分散機(例えばマイクロフルイダイザ
ーなど)を用いることもできる。
【0029】別の固体分散方法としては、例えば、特開
平3−182743号公報に記載されているように、被
分散物の置換基を選択し、被分散物のpHを、通常はア
ルカリ性に調節することによって被分散物を水に溶解さ
せ、その後、分散剤の存在下でpHを下げることによっ
て微少固体析出分散物として得る方法、および米国特許
第2,870,012号明細書に開示されているよう
に、被分散物を適当な溶媒中で溶解させた後、分散剤の
存在下で被分散物の貧溶媒を添加して析出させることに
よって微粒子分散固体を得る方法が挙げられる。
【0030】本発明のハロゲン化銀写真感光材料が含有
する分散剤を固体分散に用いる場合、低分子界面活性剤
を併用してもよいが、低分子界面活性剤によって表面張
力が低下し、被分散物の塗布性が悪化する、被分散物が
親水性コロイド層内に拡散移動する、被分散物が写真材
料の場合には写真性能に悪影響を与えるなどの問題が起
こることが考えられるので、その使用量には十分注意す
る必要がある。低分子界面活性剤を併用する場合、その
使用量は、分散剤中の前記一般式1で表される繰り返し
単位を含むポリマーに対して、50重量%以下であるこ
とが好ましく、より好ましくは20重量%以下、さらに
好ましくは10重量%以下である。
【0031】本発明のハロゲン化銀写真感光材料が含有
する分散剤を用いることのできる被分散物の例として
は、色素像形成カプラー、混色防止剤、色素供与レドッ
クス化合物、カブリ防止剤、還元剤、紫外線吸収剤、褪
色防止剤、造核剤、色素画像安定剤、ハロゲン化銀溶
剤、漂白促進剤、フィルター用色素およびこれらの前駆
体、染料、顔料、有機銀塩などの有機無機複合体、シリ
カ、TiO2 、酸化亜鉛、酸化鉄、カーボンブラック
(微粉炭)などの無機顔料、有機ポリマー、および有機
無機複合ポリマーなどが挙げられる。これら被分散物の
具体例として、リサーチディスクロージャーNo.17
643、No.18716、No.307105などに
記載の化合物が挙げられる。
【0032】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、前
記ポリマーを用いて分散された水不溶性の写真用固体粒
子を含有することが好ましい。また、本発明のハロゲン
化銀写真感光材料は、支持体上に、少なくとも1層の感
光性ハロゲン化銀含有層と、少なくとも1層の水不溶性
の写真用固体粒子を含む親水性コロイド層とを有し、前
記水不溶性の写真用固体粒子が前記ポリマーを用いて微
粒子状に分散されていることが好ましい。
【0033】なお、本発明のハロゲン化銀写真感光材料
は、通常のハロゲン化銀写真感光材料の他に、熱現像感
光材料であってもよい。熱現像感光材料のシステムや該
感光材料の内容については、特公平3−10391号公
報、同6−52387号公報、特開平5−341432
号公報、同6−194781号公報、同6−30114
1号公報、同7−13295号公報、同10−2218
08号公報、同10−288823号公報、同10−3
39934号公報、米国特許第5380635号明細書
などを参照することができる。熱現像感光材料におい
て、分散剤によって固体分散することができる水不溶性
の写真用固体粒子としては、還元剤、有機酸銀、造核
剤、色調剤、還元剤、発色剤、色調改良、カブリ防止
剤、イラジエーション防止の観点から添加されている各
種染料や顔料などが挙げられる。
【0034】本発明のハロゲン化銀写真感光材料として
は、カラーリバーサルフィルムとカラーネガフィルムを
挙げることができる。特に一般用カラーネガフィルムが
好ましい。ハロゲン化銀写真感光材料を作製するための
ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化学熟成および
分光増感を行ったものを使用する。本発明の効果は、金
化合物と含イオウ化合物で増感した乳剤を使用したとき
に特に顕著に認められる。このような工程で使用される
添加剤および本発明において使用できる公知の写真用添
加剤はリサーチ・ディスクロージャーNo.17643
および同No.18716に記載されており、その該当
箇所を以下に挙げる。
【0035】 添加剤種類 No.17643 No.18716 1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 2 感度上昇剤 同上 3 分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄〜 強色増感剤 649頁右欄 4 増白剤 24頁 5 かぶり防止剤 24〜25頁 649頁右欄〜 および安定剤 6 光吸収剤、フィ 25〜26頁 650頁左欄〜 ルター染料、紫 650頁左欄 外線吸収剤 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左〜右欄 8 色素画像安定剤 25頁 9 硬膜剤 26頁 651頁左欄 10 バインダー 26頁 同上 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁左欄 12 塗布助剤および 26〜27頁 650頁右欄 表面活性剤
【0036】本発明のハロゲン化銀写真感光材料におい
て、分散剤によって固体分散された写真用固体粒子は、
目的に応じてハロゲン化銀写真感光材料の任意の位置
に、任意の量を組み込むことができる。すなわち、下塗
り層中、ハロゲン化銀含有層と支持体の間のアンチハレ
ーション層中、ハロゲン化銀含有層中、イエローフィル
ター層中、中間層中、保護層中、ハロゲン化銀含有層に
対し支持体の反対側のバック層中、その他の補助層中に
含有させることができる。中でも、親水性コロイド層に
含有させることが好ましく、より好ましくは非感光性層
中、特に好ましくはイエローフィルター層中に含有させ
ることが好ましい。本発明のハロゲン化銀写真感光材料
において、分散剤は必要に応じて1層のみならず複数の
層中に添加してもよいし、2種類以上の分散剤を1層ま
たは複数の層中に、独立にまたは混合して使用してもよ
い。
【0037】本発明のハロゲン化銀写真感光材料におい
て、分散剤が好適に適用される親水性コロイド層に用い
られる親水性コロイドとしては、ゼラチンが最も好まし
く、公知の各種のゼラチンを用いることができる。例え
ば、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチンなどのゼラチン
の製造法が異なるものや、これらのゼラチンにフタル化
やスルホニル化などの化学的変性を行ったものを用いる
ことができる。また必要な場合には、脱塩処理を行って
使用することもできる。
【0038】本発明のハロゲン化銀写真感光材料におい
て、分散剤は染料の分散に用いることが好ましい。染料
は、ゼラチンからなる親水性コロイド層に含有されるこ
とが好ましい。染料の使用量は、使用する染料の種類、
分散度、必要とされる吸光度、使用しうるゼラチンの量
によって異なるが、ゼラチンとの比率で、1/103
1/3の範囲が好ましく、光学濃度が0.05〜3.0
となる範囲が好ましい。具体的な染料の使用量は、染料
によって異なるが、一般に10-3g/m2〜3.0g/
2であり、特に10-3g/m2〜1.0g/m2の範囲
が好ましい。
【0039】分散剤によって分散した染料は、必要に応
じて、他の各種の水溶性染料、媒染剤に吸着させた水溶
性の染料、乳化分散された染料、または本発明の分散剤
を用いる方法とは別の方法で製造した分散固体状染料と
組み合わせて使用することができる。本発明のハロゲン
化銀写真感光材料において、分散剤は特に下記一般式2
で表される染料の分散に用いることが好ましい。
【0040】
【化10】
【0041】式中、Aは酸性核を表す。この酸性核は電
気的陰性の環構造であれば特に制限はないが、カルボニ
ル基を1個以上有するものが好ましい。具体例として
は、5−ピラゾロン、イソオキサゾロン、バルビツール
酸、チオバルビツール酸、ピラゾロピリドン、ローダミ
ン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサゾリジン
ジオン、ピラゾリジンジオン、インダンジオン、ヒドロ
キシピリドン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン
−2,4−ジオン、および3−オキソ−2,3−ジヒド
ロベンゾ〔d〕チオフェン−1,1−ジオキシドが挙げ
られる。中でも、5−ピラゾロン、ヒドロキシピリド
ン、ピラゾロピリドン、バルビツール酸およびイソオキ
サゾロンが好ましく、特に好ましくは5−ピラゾロンで
ある。
【0042】L1、L2およびL3はそれぞれ独立に置換
されてもよいメチン基を表す。メチン基の置換基として
は、例えば、メチル基、エチル基などのアルキル基、シ
アノ基、塩素原子などのハロゲン原子が挙げられる。L
1、L2およびL3は、無置換のメチン基であることが好
ましい。
【0043】R1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素
原子または置換基を表す。R1、R2およびR3で表され
る置換基としては、例えば、炭素数1〜8の置換もしく
は無置換のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec
−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、メトキシエチ
ル、エトキシエチル、エトキシカルボニルメチル、エト
キシカルボニルエチル、シアノエチル、ジエチルアミノ
エチル、ヒドロキシエチル、クロロエチル、アセトキシ
エチル等)、炭素数7〜12の置換もしくは無置換のア
ラルキル基(例えば、ベンジル、2−カルボキシベンジ
ル等)、炭素数6〜18の置換もしくは無置換のアリー
ル基(例えば、フェニル、4−メチルフェニル、4−メ
トキシフェニル、4−カルボキシフェニル、3,5−ジ
カルボキシフェニル等)、炭素数2〜6の置換もしくは
無置換のアシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、
ブタノイル、クロロアセチル等)、炭素数1〜8の置換
もしくは無置換のスルホニル基(例えばメタンスルホニ
ル、p−トルエンスルホニル等)、炭素数2〜6のアル
コキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル等)、炭素数7〜12の置換もしくは
無置換のアリールオキシカルボニル基(例えば、フェノ
キシカルボニル、4−メチルフェノキシカルボニル、4
−メトキシフェノキシカルボニル等)、炭素数1〜4の
置換もしくは無置換のアルコキシル基(例えば、メトキ
シ、エトキシ、n−ブトキシ、メトキシエトキシ等)、
炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシ
基(例えば、フェノキシ、4−メトキシフェノキシ
等)、炭素数2〜8の置換もしくは無置換のアシルオキ
シ基(例えば、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、
シクロヘキシルカルボニルオキシ、ベンゾイルオキシ、
クロロアセチルオキシ等)、炭素数1〜6の置換もしく
は無置換のスルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホ
ニルオキシ等)、炭素数2〜8のカルバモイルオキシ基
(例えば、メチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバ
モイルオキシ等)、炭素数8以下の置換もしくは無置換
のアミノ基もしくはイミノ基(例えば、無置換のアミ
ノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、
フェニルアミノ、メトキシフェニルアミノ、クロロフェ
ニルアミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピ
リジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキ
シカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メ
チルカルバモイルアミノ、フェニルカルバモイルアミ
ノ、アセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ、シクロ
ヘキシルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、クロロ
アセチルアミノ、メチルスルホニルアミノ等)、炭素数
1〜8の置換もしくは無置換のカルバモイル基(例え
ば、無置換カルバモイル、メチルカルバモイル、エチル
カルバモイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカ
ルバモイル、ジメチルカルバモイル、モルホリノカルバ
モイル、ピロリジノカルバモイル等)、炭素数1〜8の
置換もしくは無置換のスルホンアミド基(例えば、メタ
ンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド等)、
ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)、水酸
基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基などが挙げら
れる。
【0044】R1は、好ましくは水素原子、アルキル
基、アリール基、アルコキシカルボニル基、またアリー
ルオキシカルボニル基であり、特に好ましくは水素原子
である。R2は、好ましくはアルキル基、アリール基、
アミノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、カルバモイ
ル基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはカルボキシル基
である。R3は、好ましくは水素原子、アルキル基、ま
たはアリール基であり、より好ましくは水素原子または
アルキル基であり、特に好ましくはアルキル基である。
【0045】nは0または1を表すが、好ましくは0で
ある。mは0〜4の整数を表すが、好ましくは0、1ま
たは2であり、特に好ましくは0である。mが2〜4の
整数のとき複数のR2は同一であっても異なっていても
よい。
【0046】Xは、ハメットの置換基定数σmが0.3
〜1.5の電子吸引基を表す。ハメットの置換基定数σ
mについては、例えば、Chem.Rev.,91、1
65(1991)に記載されている。ハメットの置換基
定数σmが0.3〜1.5の電子吸引基としては、例え
ば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子(σm=0.3
4;以下同じ)、塩素原子(0.37)、臭素原子
(0.39)、ヨウ素原子(0.35))、トリフルオ
ロメチル基(0.43)、シアノ基(0.56)、ホル
ミル基(0.35)、アシル基(例えば、アセチル
(0.38))、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ
(0.39))、カルボキシル基(0.37)、アルコ
キシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル(0.
37))、アリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル
基(0.34))、アリールオキシカルボニル基(例え
ば、フェノキシカルボニル(0.37))、アルキルカ
ルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル(0.3
5))、ニトロ基(0.71)、アルキルスルフィニル
基(例えば、メチルスルフィニル(0.52))、アル
キルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル(0.6
0))、スルファモイル基(0.53)等が挙げられ
る。好ましくはアルコキシカルボニル基、シアノ基また
はアリールカルボニル基であり、より好ましくはアルコ
キシカルボニル基またはシアノ基であり、さらに好まし
くはアルコキシカルボニル基である。
【0047】前記一般式2で表される染料は、好ましく
は、Aが5−ピラゾロン、ヒドロキシピリドン、ピラゾ
ロピリドン、バルビツール酸、またはイソオキサゾロン
であり、n=0であり、m=0であり、R1が水素原子
であり、R3が水素原子またはアルキル基であり、かつ
Xがアルコキシカルボニル基またはシアノ基である。特
に好ましくは、Aが5−ピラゾロンであり、n=0であ
り、m=0であり、R1 が水素原子であり、R3 がアル
キル基であり、かつXがアルコキシカルボニル基であ
る。以下に、前記一般式2で表される染料の具体例を示
が、本発明で使用することができる染料は、これらの具
体例に限定されるものではない。
【0048】
【化11】
【0049】
【化12】
【0050】
【化13】
【0051】
【実施例】以下に実施例を記載して本発明をさらに具体
的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割
合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変
更することができる。したがって、本発明の範囲は以下
に示す具体例に制限されるものではない。
【0052】<参考例1>:ホモポリマー(P−2)の
合成 ビニルフェノール60gをメタノール200mlに室温
で溶解した。ナトリウムメトキシド27.5gを加え4
5℃に昇温した。10分後、1,4−ブタンサルトン6
0gを1時間にわたって滴下した。その後、内温50℃
で2時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、アセト
ン1リットル中に注いだ。室温下30分撹拌した後、析
出した固体を濾過し、4−(p−ビニルフェノキシ)−
ブタンスルホン酸を得た。収量116.8g(収率85
%)。 1H−NMRにより同定した。
【0053】得られた4−(p−ビニルフェノキシ)−
ブタンスルホン酸30gを水150mlに室温下溶解し
た。窒素気流下、2,2′−アゾビス(2−アミジノプ
ロパン)二塩酸塩1.0gを加え65℃に昇温した。そ
の後、内温65℃で5時間反応させた。反応液を室温ま
で冷却し、アセトン800ml中に注いだ。室温下31
時間撹拌した後、析出した固体を濾過し、50℃で3日
間真空乾燥して、ホモポリマー(P−2)を得た。収量
23g(収率76%)。分子量は溶離液を水(添加塩L
iBr5mmol)とするGPC(東ソー製HLC−8
020GPC:カラムGMPW、G4000PW、G2
500PW)で測定した。その結果、重量平均分子量は
5400であった。
【0054】<参考例2>:コポリマー(P−9)の合
成 丸善石油化学(株)製マルカリンカーCTS−70[重
量平均分子量約4000のポリ(4−ヒドロキシスチレ
ン−コ−スチレン)スチレンのモル比が30%]28
5.8gをメタノール900mlに室温下溶解した。ナ
トリウムメキシドのメタノール溶液(固形分28%(湘
南和光(株)製、SM−28))223.7gを加え、内
温を65℃に昇温した。20分後、1,4−ブタンサル
トン158gを1時間にわたって滴下した。その後、内
温65℃で4時間後反応させた。反応液を室温まで冷却
し、アセトン4.5リットル中に注いだ。室温で1時間
攪拌した後、析出した固体を濾過し、50℃で3日間真
空乾燥して、コポリマー(P−9)を得た。収量43
1.2g(収率91%)。
【0055】スルホアルキル化率(組成比)は、原料
(ここではマルカリンカーCTS−70)と反応生成物
との両者について、1H−NMR測定(DMSO−D
6)を行い、芳香環のピーク面積を同一にしたときのフ
ェノールのOH基の面積比から求めた。13C−NMR測
定でも同様に求めることができる。分子量は溶離液をD
MF(添加塩LiBr5mmol)とするGPC(東ソ
ー製HLC−8020GPC:カラムα−4000、α
−3000、α−2000)で測定した。その結果、重
量平均分子量は4400であった。
【0056】<参考例3>:コポリマー(P−13)の
合成 トルエン150mlにアゾビスイソブチロニトリル0.
95gを加え、80℃に昇温した。窒素気流下、t−ブ
トキシスチレン88g、2−エチルヘキシルアクリレー
ト73.6gおよびトルエン80mlの混合溶液を2時
間にわたって滴下した。その後、さらにアゾビスイソブ
チロニトリル0.31gを加え、内温80℃で6時間反
応させた。反応液を室温まで冷却し、ヘキサン3リット
ル中に注いだ。室温下30分撹拌した後、析出した固体
を濾過し、50℃で3日間真空乾燥して、水酸基が保護
されたポリマーを得た。収量113g(収率70%)。
分子量は溶離液をTHFとするGPC(東ソー製HLC
−8020GPC:カラムGMHXL、G4000HXL
G2000HXL)で測定した。その結果、重量平均分子
量は11000であった。 1H−NMR測定(CDCl
3)を行い、共重合組成比は1対1であった。
【0057】次に、得られたポリマーの水酸基の保護基
を以下の様にして脱保護した。該ポリマー50gをトル
エン150mlおよびメタノール150mlの混合溶媒
に室温で溶解した。トリフルオロメタンスルホン酸20
gを加え、室温下で2時間反応させた。反応液をヘキサ
ン2リットル中に注いだ。室温下30分撹拌した後、析
出した固体を濾過し、50℃で3日間真空乾燥して、水
酸基を有するポリマーを得た。収量33g(収率98
%)。1H−NMR測定(CDCl3)により、保護基が
完全に切断されたことと、2−エチルヘキシルアクリレ
ートのエステル基が切断されていないことを確認した。
【0058】続いて、スルホン酸基の導入を以下の様に
して行った。保護基を切断して得た水酸基を有するポリ
マー30gをメタノール150mlに室温で溶解した。
ナトリウムメトキシド1.6gを加え、45℃に昇温し
た。30分後、1,4−ブタンサルトン18gを加え
た。その後、内温50℃で2時間反応させた。反応液を
室温まで冷却し、ヘキサン1リットル中に注いだ。室温
下30分撹拌した後、析出した固体を濾過し、50℃で
3日間真空乾燥して、コポリマー(P−13)を得た。
収量33g(収率92%)。1H−NMR測定(DMS
O−D6)により、共重合組成比は1対1であること
と、2−エチルヘキシルアクリレートのエステル基が切
断されていないことを確認した。分子量は溶離液をDM
F(添加塩LiBr5mmol)とするGPC(東ソー
製HLC−8020GPC:カラムα−4000、α−
3000、α−2000)で測定した。その結果、重量
平均分子量は14300であった。
【0059】<参考例4>:染料分散物の調製 下記表1に示した分散剤を用い、以下の処方によりプレ
ミックス品を調製した後、サンドグラインダーにより表
1に示した時間、分散を行い、染料(S−1)の分散物
を調製した(染料濃度25重量%の分散物)。 (プレミックス品処方) 染料(S−1)のウェットケーキ(固形分85.0%) 58.2g 分散剤(表1中) 染料固形分に対して5〜18% 水 残余 合計 198g 一方、比較例として、分散剤としてポリスチレンスルホ
ン酸ナトリウム塩(PSSNa)(ライオン(株)製;
ポリティPS−1900)を使用して、同様の分散物を
調製した。
【0060】得られた分散物について、吸光度(吸収最
大波長:λmax)、分散度およびδ(分散度)を求
め、分散物の沈降の有無を観察した。吸光度は、得られ
た分散物を水で所定濃度に希釈し、吸収スペクトルを測
定することにより求めた。すなわち、吸収最大波長(λ
max)は440nm前後に存在するが、それぞれの分
散物のλmaxにおける吸光度(Dmax)を、表1中
No.5のDmaxを100とした相対値として吸光度
を求めた。分散度は、500nmおよびλmaxにおけ
る吸光度を測定し、その比、すなわち「500nmにお
ける吸光度/λmaxにおける吸光度」を分散度とし
た。δ(分散度)は経時前後の分散度の差であり、「分
散直後の分散度−40℃で1週間経時後の分散度」とし
て求めた。沈降の有無は、得られた分散物を室温で1ヶ
月間放置した後、目視によって観察した。結果を表1に
示す。
【0061】
【表1】
【0062】分散物の分散性は、Dmaxが大きいほど
良好である。分散安定性は、δ(分散度)すなわち分散
度の変化と沈降の有無で判断することができる。分散安
定性が悪化すると分散度の値が上昇するため、δ(分散
度)は大きくなる。
【0063】表1より明らかなように、本発明のハロゲ
ン化銀写真感光材料に用いられる分散剤によって染料
(S−1)を分散すると、分散性が良好である。加え
て、分散時間を長くした場合、比較例では殆ど分散が進
行しないのに対して、上記の分散剤を用いるとさらに分
散性が向上する。ここで用いた染料(S−1)は脱色性
染料であり、上記の分散剤を用いて微細分散を行うとハ
ロゲン化銀写真感光材料への染料添加量を減らすことが
できるので、処理液の負荷を軽減できるメリットを有し
ている。また分散安定性に関しても、上記の分散剤を用
いた分散物は分散度の経時変化が少なく、沈降も見られ
ず、分散安定性が非常に高いことが分かる。
【0064】<参考例5>:還元剤分散物の調製 下記表2に示した分散剤を用い、以下の処方によりプレ
ミックス品を調製した後、分散機(1/4Gサンドグラ
インダーミル:アイメックス(株)製)により、冷却水
を流しながら表2に示した時間、分散を行い、還元剤の
分散物を得た(還元剤濃度20%の分散物)。 (プレミックス品処方) 還元剤:1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5 ,5−トリメチルヘキサン 50g 分散剤(表2中) 還元剤固形分に対して8〜20% 水 残余 合計 250g
【0065】一方、比較例として、分散剤としてポリス
チレンスルホン酸ナトリウム塩(PSSNa)(ライオ
ン(株)製;ポリティPS−1900)を使用して、同
様の分散物を調製した。表2中、分散剤量は還元剤に対
する重量比率である。濾過量は、得られた分散物をフィ
ルター(富士写真フイルム製FE(孔径10μm、2
5.4cm))で濾過し、一定時間にフィルターを通過
した分散物の量である。経時前後での濾過量の変化は、
得られた分散物を40℃相対湿度60%の高湿下で2週
間保存した場合の、保存前後の濾過量の差である。沈降
の有無は、得られた分散物を室温で1ヶ月間放置した
後、目視によって観察した。結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】表2より明らかなように、本発明のハロゲ
ン化銀写真感光材料に用いられる分散剤によって還元剤
を分散すると、分散性が良く、粒子径をより微細にする
ことが可能で、濾過量が大きい。また分散安定性に関し
ても、上記の分散剤を用いて分散を行うと、経時前後で
の濾過量の変化が少なく、沈降も見られず、分散安定性
が高いことが分かる。得られた分散物を塗布したとこ
ろ、塗布面の面状に関して、上記の分散剤を用いた分散
物ではブツが生じなかったが、比較例の場合、若干の数
のブツが生じた。還元剤の他に有機酸銀、造核剤、色調
剤、還元剤、発色剤、色調改良剤、イラジエーション防
止の観点から添加されている各種染料や顔料などについ
ても同様の効果を有することが分かった。
【0068】<実施例1>:感光材料の作製 (1)染料分散物の調製 染料(S−1)(特開平11−38568号の実施例1
の第12層の固体分散染料ExF−5と同じ)を次の方
法で分散した。すなわち、分散剤(P−4)の10%水
溶液4.95gと水13.5mlとを700mlのポッ
トミルに入れ、染料のウェットケーキ(固形分85.0
%)5.82gと酸化ジルコニアビーズ(直径1mm)
500mlを添加して、内容物を分散した。参考例4で
規定した分散度が0.42になるように分散時間を調節
した。この分散には中央工機製のBO型振動ボールミル
を用いた。分散後内容物を取り出し、12.5%ゼラチ
ン水溶液8gを添加し、ビーズを濾過して除き、染料の
ゼラチン分散物を得た。また、染料(S−1)の分散剤
(P−4)を(P−8)、(P−9)またはPSSNa
(比較例)に変更して上記と同様の方法で染料分散物を
調製した。
【0069】上記染料(S−1)以外の固体染料につい
ては、以下の条件で作製した。すなわち、水21.7m
l、5%のp−オクチルフェノキシエトキシエトキシエ
タンスルホン酸ナトリウム3mlおよび5%水溶液のp
−オクチルフェノキシポリオキシエチレンエーテル(重
合度10)0.5gを700mlのポットミルに入れ、染
料ExF−2(またはExF−3、ExF−4)5.0
gおよび酸化ジルコニアビーズ(直径1mm)500m
lを添加して、内容物を2時間分散した。この分散には
中央工機製のBO型振動ボールミルを用いた。分散後、
内容物を取り出し、12.5%ゼラチン水溶液8gを添
加し、ビーズを濾過して除き、染料のゼラチン分散物を
得た。
【0070】(2)試料101〜104の作製 上記(1)で得られた染料分散物を用いて、特開平11
−38568号公報の実施例1に記載の多層感光材料を
作製した。すなわち、得られた染料分散物を、第12層
のイエローフィルター層塗布液として用いた。得られた
感光材料試料は、分散剤:(P−4)、(P−8)、
(P−9)およびPSSNaを用いたものを、それぞれ
101〜103および104(比較例)とした。
【0071】(3)評価 (1)得られた染料分散物および(2)で得られた試料
について、評価を行った。すなわち、(1)で得られた
染料分散物を、40℃相対湿度60%の高湿下に2週間
保存し、その前後に分散物をフィルター(富士写真フイ
ルム製;FG30(孔径30μm、10インチ))で濾
過し、一定時間当たりの濾過量を測定した。濾過量は、
分散剤(P−4)を用いた染料分散物の保存前の濾過量
を100としたときの相対値として、表3に示す。さら
に該染料分散物をPET支持体上に単層塗布して、塗布
膜の吸収スペクトルを測定し、ブツの発生の有無を目視
によって観察した。吸光度は、分散剤(P−4)を用い
た染料分散物の保存前の塗布膜の吸光度(吸収最大波
長:λmax)を100としたときの相対値として、表
3に示す。さらに、(2)で得られた試料について、特
開平11−38568号公報の実施例1と同様に現像処
理および試験を行った。その結果を表4に示す。
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】表3および表4より明らかなように、本発
明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる分散剤を用
いた分散物は、分散性が良く、粒子径をより微細にする
ことが可能で、濾過量が大きく、塗布した際の塗布面上
にブツが生じない。また、本発明のハロゲン化銀カラー
写真感光材料は、色再現性に優れ、かつ使用前の保存
性、潜像保存性に優れていることが分かる。
【0075】
【発明の効果】本発明によって提供されるハロゲン化銀
感光材料は、固体微粒子を分散したときに表面張力の低
下がなく分散性および分散安定性が改善された分散剤を
用いることによって、色再現性が良好で、使用前の保存
性と潜像保存性が同時に改善されている。
【手続補正書】
【提出日】平成12年2月9日(2000.2.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 式中、Kは炭素数1〜50の2価の炭化水素基を表し、
Mは1価のカチオン基を表す。
【化2】 式中、Kは炭素数1〜50の2価の炭化水素基を表し、
Mは1価のカチオン基を表す。
【化3】 式中、Kは炭素数1〜50の2価の炭化水素基を表し、
Mは1価のカチオン基を表す。
【化4】 式中、Aは酸性核を表し、L1、L2およびL3はそれぞ
れ独立に置換されてもよいメチン基を表し、R1、R2
よびR3はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表
す。nは0または1を表す。mは0〜4までの整数を表
し、mが2〜4の整数のとき複数のR2は同一であって
も異なっていてもよい。Xは、ハメットの置換基定数σ
mが0.3〜1.5の電子吸引基を表す。
フロントページの続き (72)発明者 仲西 正壽 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社足柄研究所内 (72)発明者 齋藤 祐弘 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社足柄研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀含有層を有するハロゲン化銀写真感光材料にお
    いて、下記一般式1で表される繰り返し単位を含むポリ
    マーを含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光
    材料。 【化1】 式中、Kは炭素数1〜50の2価の炭化水素基を表し、
    Mは1価のカチオン基を表す。
  2. 【請求項2】 前記一般式1において、Kがプロピレン
    基またはブチレン基であることを特徴とする、請求項1
    に記載のポリマー。
  3. 【請求項3】 前記一般式1で表される繰り返し単位の
    みからなることを特徴とする、請求項1または2に記載
    のポリマー。
  4. 【請求項4】 前記一般式1で表される繰り返し単位の
    他に、前記一般式1で表される繰り返し単位以外の共重
    合可能なエチレン性不飽和モノマーからなる繰り返し単
    位を95モル%以下で含むことを特徴とする、請求項1
    または2に記載のポリマー。
  5. 【請求項5】 前記共重合可能なエチレン性不飽和モノ
    マーが、スチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシスチレ
    ン、ビニルベンゼンカルボン酸、アルキルアクリレート
    およびアルキルメタクリレートからなる群より選ばれる
    1種または2種以上のモノマーであることを特徴とす
    る、請求項4に記載のポリマー。
  6. 【請求項6】 水不溶性の写真用固体粒子を下記一般式
    1で表される繰り返し単位を含むポリマーによって微粒
    子状に分散する方法。 【化2】 式中、Kは炭素数1〜50の2価の炭化水素基を表し、
    Mは1価のカチオン基を表す。
  7. 【請求項7】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀含有層を有するハロゲン化銀写真感光材料にお
    いて、水不溶性の写真用固体粒子が少なくとも下記一般
    式1で表される繰り返し単位を含むポリマーによって微
    粒子状に分散されている写真構成層を有していることを
    特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 【化3】 式中、Kは炭素数1〜50の2価の炭化水素基を表し、
    Mは1価のカチオン基を表す。
  8. 【請求項8】 前記水不溶性の写真用固体粒子が下記一
    般式2で表される染料化合物であることを特徴とする、
    請求項7に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 【化4】 式中、Aは酸性核を表し、L1、L2およびL3はそれぞ
    れ独立に置換されてもよいメチン基を表し、R1、R2
    よびR3はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表
    す。nは0または1を表す。mは0〜4までの整数を表
    し、mが2〜4の整数のとき複数のR2は同一であって
    も異なっていてもよい。Xは、ハメットの置換基定数σ
    mが0.3〜1.5の電子吸引基を表す。
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