JP2000227119A - 動圧軸受へリングボーン型溝部の形成方法 - Google Patents

動圧軸受へリングボーン型溝部の形成方法

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JP2000227119A JP11027467A JP2746799A JP2000227119A JP 2000227119 A JP2000227119 A JP 2000227119A JP 11027467 A JP11027467 A JP 11027467A JP 2746799 A JP2746799 A JP 2746799A JP 2000227119 A JP2000227119 A JP 2000227119A
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成人 清水
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万規男 加藤
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Jun Yatazawa
純 谷田沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細形状を有するヘリングボーン型溝を簡便
で安価に形成することのできる動圧軸受へリングボーン
型溝部の形成方法を提供すること。 【解決手段】 動圧軸受のベアリング軸の外周面又は軸
受スリーブの内周面に設けられるへリングボーン型溝部
を形成する際して、そのベアリング軸の外周面又は軸受
スリーブの内周面に所期形状の透孔を有するマスキング
シートによりマスキングし、精密ショットピーニングに
より炭化珪素等の小径粒子をそのマスキング面に投射す
ることで、所定形状のへリングボーン型溝部を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動圧軸受へリング
ボーン型溝部の形成方法に関し、更に詳しくは、動圧軸
受のベアリング軸或いはその軸受スリーブにへリングボ
ーン型溝部を形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザプリンタのポリゴンミラー
やハードディスクドライブ等においてディスクを回転駆
動させるモータ等には軸受としてボールベアリングが使
用されていたが、ボールの真球度の誤差等に起因する非
周期振れが発生することから、最近このボールベアリン
グに代えて動圧軸受が用いられるようになっている。
【0003】ところで、このような動圧軸受は、ポンピ
ング作用によって軸受の隙間の流体に動圧を発生させる
ものであるから、その動圧を発生させるために、ベアリ
ング軸と軸受スリーブのいずれか一方にへリングボーン
型溝等のらせん状の動圧発生溝が形成されている。
【0004】図1は、従来一般に知られる真空ポンプ機
能を有する空気動圧軸受10をレーザプリンタのポリゴ
ンミラー用スキャナモータに適用した場合の構成を概略
的に示した断面図である。ここに示すポリゴンミラー用
スキャナモータでは、動圧軸受10のベアリング軸14
が基台13上に取り付けられ、ハウジング12内の中央
位置に固定状態で密閉状に装着されており、その周りに
軸受スリーブ15がごく僅かの隙間をもって被着され、
この軸受スリーブ15に回転ミラー18が取り付けられ
ている。
【0005】そして、軸受スリーブ15の外周面にN極
とS極とに着磁されたマグネット20が設けられ、これ
に対峙するようにハウジング12の内壁面にはモータと
しての駆動用コイル16が設けられている。
【0006】かくして、ベアリング軸14の外周面に
は、深さ数μm程度のV字状の溝22、22・・・(へ
リングボーン型溝)が回転方向に一定の間隔をもって刻
まれているが、このへリングボーン型溝22、22・・
・のうちベアリング軸14の上部及び下部に刻まれたも
のは真空ポンプとしての機能を果たし、ベアリング軸1
4の中央部に刻まれたものはベアリング軸14自体を支
持するためのものである。
【0007】図2は、図1に示した動圧軸受10のベア
リング軸14の外観図(a)と軸受スリーブも含めた断
面図(b)を示したものである。図2に示すように、こ
のベアリング軸14の軸内は一方の軸端が開口した空洞
になっており、そのベアリング軸14の上部及び下部に
は、気体(空気等)を導入するガス導入孔24、24・
・・が設けられ、一方ベアリング軸14の基台13と軸
受スリーブ15との間には、ベアリング軸14の周りに
ガス(この実施例では大気中の空気)を導入するための
ガス導入孔25、25・・・が設けられている。
【0008】このように構成された動圧軸受10では、
回転ミラー18が回転すると、容器内の空気が図中の矢
印で示されるようにガス導入孔25より軸受スリーブ1
5内に導入されて流動し、ベアリング軸14の各ガス導
入孔24、24・・・を介してベアリング軸14の空洞
内に導入され、一方の軸端の開口部より外部に排出され
る。そして、このようなガスの流れにより容器内の圧力
が減少するので、非周期振れ等が発生することなく円滑
に回転する。また、回転ミラー18の回転が止まると容
器内の圧力は外部の圧力と等しくなる。
【0009】従来、ベアリング軸又は回転ミラー(軸受
スリーブ)に、このような動圧発生溝を形成する方法と
してはエッチング法による溝加工が用いられていた。こ
のエッチング法は、所定形状のマスキングをしておき、
マスキングされていない部分に溝を形成するものであ
る。これには2種類の方法があり、1つはエッチング液
による液相−固相間反応を利用したウェットエッチング
であり、もう1つはプラズマ中での反応ガスによる気相
−固相間反応を利用したドライエッチングである。これ
らの2つの方法のうち、加工精度が比較的優れているこ
とから、溝形成にはドライエッチング法が用いられるこ
とが多い。これらのエッチング法は、主に硬質材料の溝
形成に用いられている。
【0010】また、その他の形成方法としては、例え
ば、らせん形状等の溝を形成する場合に転造加工による
形成が用いられていた。この転造加工では材料をダイス
等の間に挟み、このダイス等によって材料を回転させな
がら塑性変形させることにより所定の形状を形成するも
のである。この転造加工は、主に軟質材料の溝形成に用
いられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たエッチング法によるへリングボーン型溝部の形成は、
エッチング液の濃度等によって加工精度が大きく左右さ
れてしまう。また、エッチング液によってへリングボー
ン型溝部の内側面まで浸食されて加工精度が良くない。
ヘリングボーン型溝部が動圧発生溝として機能するため
には、その形状の精密さが要求されることから、加工精
度が低いこの方法はヘリングボーン型溝部の形成には適
していない。また更に、このエッチング法は全体的に工
程数が多く、しかも加工に必要な時間も長いことから、
生産性が低く大量生産には適しておらず実用性に乏しい
ものとなっている。
【0012】また、転造加工は軟質材料の加工には適し
ているものの、動圧軸受では高速回転に耐えられるよう
にするために硬質材料で構成されることから、へリング
ボーン型溝の形成には適していない。硬質材料を転造加
工した場合、ダイスの形状が著しく損なわれたり、或い
はその表面に傷がついたりする傾向にある。このように
ダイスの形状が劣化すると、被加工物の溝加工の加工精
度が低下し、また、ダイスの表面に傷がつくと、その傷
が被加工物の表面にそのまま転写されてしまい、被加工
物の表面が不必要に削られる等の不都合が生じる。その
結果、動圧軸受のベアリング軸や軸受スリーブに動圧発
生溝等を加工する工程において動圧発生溝等の加工精度
が不十分になり、このために高性能な動圧軸受を得るこ
とができない。
【0013】本発明の解決しようとする課題は、微細形
状のへリングボーン型溝部を精密に形成することがで
き、しかも製造工程が簡便で安価に製造することのでき
る動圧軸受へリングボーン型溝部の形成方法を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の動圧軸受へリングボーン型溝部の形成方法
は、動圧軸受のベアリング軸の外周面及び該ベアリング
軸が挿通される軸受スリーブの内周面にへリングボーン
型溝部を形成するに際し、前記動圧軸受のベアリング軸
の外周面及び/又は軸受スリーブの内周面に所期のヘリ
ングボーン形状の透孔を有するマスキングシートにより
マスキングし、そのマスキング面に精密ショットピーニ
ングにより小径粒子を投射するようにしたことを要旨と
するものである。
【0015】上記構成を有する本発明の動圧軸受へリン
グボーン型溝部の形成方法によれば、へリングボーン型
溝部の形成に際し、従来、バリ取りや表面梨地処理のよ
うな比較的大まかな加工に用いられていたショットピー
ニングやショットブラスト等の噴射(投射)加工をへリ
ングボーン型溝部の形成に用いるものであって、その小
径粒子の材質、粒径、及び投射圧力等を調整することに
より、従来エッチングや転造加工で問題とされていた加
工精度が飛躍的に向上し、しかも簡便に作製できるもの
となる。
【0016】この場合の「小径粒子」としては、アルミ
ナ、炭化珪素、ガラスビーズ、或いはプラスチック等の
粒子が好適なものとして用いられる。また、その「小径
粒子」の粒径は、5〜100μmの範囲が好ましく、更
に詳しくは40〜80μmの範囲であることが好まし
い。その粒径が5μmより小さい場合には、所期する深
さの溝を形成することが困難である。また、その粒径が
100μmより大きい場合には、微細な形状を寸法精度
良く形成することができない。
【0017】更に、「精密ショットピーニング」を行う
際の投射圧力は、投射材や被投射材の材質等によって適
宜選択すれば良いが、好ましくは1〜10kg/cm
の範囲が良い。投射圧力が1kg/cmより小さい場
合には、所期する深さの溝形成に時間が掛かりすぎ、ま
た、10kg/cmより大きい圧力を掛けても単位時
間当たりに形成できる溝深さに大きな変化はなく、装置
に不必要な負担を掛けるだけである。
【0018】そして、「精密ショットピーニング」を行
うための装置としては、上述の「小径粒子」を投射圧
力、単位時間当たりの投射量、ノズルの投射口径等の条
件を調節して投射することが可能であって、また、投射
材(小径粒子)の定量供給が可能なものが好ましい。
【0019】また、単位時間当たりの投射量及び投射時
間は、形成する溝部の深さによって適宜選択すれば良
い。更にまた、ノズルの投射口径は、投射材の粒径や溝
部の形状によって適宜選択すれば良い。
【0020】また、「マスキング」としては、メタルレ
ジスト、フォトレジスト或いは印刷レジスト等を用いる
ことができる。メタルレジストを用いる場合には、ステ
ンレスの薄板やニッケルの電鋳品等を用いるのが良い。
フォトレジストを用いる場合には、衝撃に対する耐性に
優れたものが好ましく、紫外線硬化型のウレタン樹脂等
を用いるのが良い。また、印刷レジストを用いる場合に
は、スクリーン印刷を用いるのが良い。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を詳細
に説明する。まず初めに、実施例1〜実施例8は、本発
明に係る精密ショットピーニングによるへリングボーン
型溝部形成方法によって、投射材の材質、投射材の粒
径、投射圧力を変えて、溝部を形成したものである。
【0022】この実施例1〜実施例8の精密ショットピ
ーニングでは、いずれも被投射材としてSCM440
(HT材)からなる軸受スリーブに対して、微粉噴射加
工装置ニューマブラスター(不二製作所製)を用いて行
った。図3は、この微粉噴射加工装置を概略的に示した
ものである。
【0023】図3に示す微粉噴射加工装置30は、加工
台32に被加工物42(この実施例では、軸受スリーブ
を示している。)を保持するホルダ34が設けられ、一
方、鉛直方向に移動自在に設けられるスライド40に投
射材である硬質ビーズが収容されるチャンバー38が取
り付けられ、このチャンバー38に硬質ビーズ噴射ノズ
ル36が、ホルダ34に保持される被加工物42上に位
置して回転自在に支持されている。そして、この装置を
用いて被加工物42にへリングボーン溝を形成する場合
には、予めその被加工物42のへリングボーン溝形成面
にその溝形状の透孔を有するマスキングシートによりマ
スキングしておき、次に、スライダ40を駆動させ、チ
ャンバー38を降下させることによりノズル36を回転
させながら垂直に下降させ、ノズル36が被加工物42
に対峙した位置でノズルより投射材を噴射させ、これに
より所定形状のヘリングボーン型溝部を形成するもので
ある。
【0024】実施例1〜実施例4は、投射材として硬質
ビーズを用いて精密ショットピーニングを行ったもので
ある。各実施例の条件は表1に示す。この場合の硬質ビ
ーズの粒径は、実施例1及び実施例2が40μm、実施
例3及び実施例4が80μmのものを用いている。投射
圧力は、実施例1及び実施例3が2kg/cm、実施
例2及び実施例4が4kg/cmとして行った。投射
時間は、いずれも15(秒)とした。
【0025】
【表1】
【0026】また、実施例5〜実施例8は、投射材とし
て炭化珪素(SiC)を用いて精密ショットピーニング
を行ったものである。各実施例の条件を表2に示す。こ
の場合の硬質ビーズの粒径は、実施例5及び実施例6が
40μm、実施例7及び実施例8が80μmのものを用
いている。投射圧力は、実施例5及び実施例7が2kg
/cm、実施例6及び実施例8が4kg/cmとし
て行った。投射時間は、いずれも20(秒)とした。
【0027】
【表2】
【0028】これら実施例1〜実施例8について評価を
する。まず、投射材の違いによる形成できる溝の深さを
見てみると、実施例1〜実施例4(硬質ビーズ)は0.
1μm以下であるのに対して、実施例5〜実施例8(S
iC)は1〜3μm程度の深さを形成できている。この
ことから、硬質ビーズは浅い溝を形成する場合に適した
ものであり、へリングボーン型溝部の形成には炭化珪素
(SiC)の粒子が適していることが解る。
【0029】次に、図4は、粒径が80μmの炭化珪素
粒子を用いた場合の投射圧力と溝深さの関係を示したも
のである。このグラフは、横軸に投射圧力(kg/cm
)を採り、縦軸に溝深さ(μm)を採っている。この
グラフから解るとおり、投射圧力が大きくなるにつれ
て、形成される溝深さは大きくなるが、4kg/cm
より大きくなると、ほぼ定常状態となる。このことは、
ある一定の値以上の圧力を掛けても得られる効果は殆ど
変わらないことを示している。つまり、この場合には4
kg/cm程度の投射圧力が最適であることを示して
いる。
【0030】次に、図5は、投射材に炭化珪素を用い
て、投射圧力を4kg/cmとした場合の投射材の粒
径と粗さの関係を示したものである。このグラフは、横
軸に粒径(μm)を採り、縦軸に粗さ(μm)を採って
いる。このグラフから解るとおり、投射材の粒径が大き
くなるにつれて、形成される溝部の表面の粗さは緩やか
に大きくなる。そして、投射材の粒径が60μmを過ぎ
たあたりから粗さはほぼ一定となる。
【0031】この粗さについては、小さい方が良い場合
もあれば、例えばプラズマ溶射等によって、その表面に
金属やセラミックスの被膜を形成するとき等のように、
ある程度の粗さが必要な場合もあり、種々の表面粗さが
その用途に応じて求められているが、本発明に係る溝部
形成方法は、投射材の粒径を調節することにより、要求
される表面粗さを形成することが可能なものである。
【0032】以上のことから、本発明に係る動圧軸受へ
リングボーン型溝部の形成方法は、投射材の材質、粒
径、投射圧力を調節することにより、所定の溝深さや表
面粗さを有する溝部を形成できることが解った。そして
次に、この方法を実際の動圧軸受に適用した場合につい
て説明する。
【0033】図6は動圧軸受の軸受スリーブ42にへリ
ングボーン型溝部22、22・・・を形成した場合の一
実施形態を示している。そして、図7は、この図6に示
した軸受スリーブ42の内径部分を拡大して示したもの
であり、V字状のへリングボーン型溝部22、22・・
・の形状を詳しく示したものである。また、図8(a)
は図7に示したへリングボーン溝部のBB’断面を示し
たものであり、図8(b)はそのCC’断面を示したも
のである。W及びWはそれぞれ溝部の幅を示してお
り、D及びDはそれぞれ溝部の深さを示している。
【0034】このへリングボーン型溝部22、22・・
・の形成では、投射材として炭化珪素を用いており、そ
の粒径は80μm、投射圧力は4kg/cmとし、形
成に要した時間は15(秒)である。この条件で、形成
されたへリングボーン型溝部22、22・・・は、W
=200μm、D=12.5μm、W=106μ
m、D=6.3μmとなっている。このように、比較
的大まかな形状であるBB’断面はもちろん、微細な形
状を有するCC’断面も所期するとおり形成することが
できる。
【0035】本発明は、上記した実施例に何等限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々
の改変が可能である。例えば、上記実施例では軸受スリ
ーブ側にへリングボーン型溝部を形成した場合について
示したが、本発明はベアリング軸側にへリングボーン型
溝部を形成する場合にも適用することができる。
【0036】更に、本発明は、投射材の粒径や投射圧力
等の条件を変えることで、上記実施例に示したV字状の
へリングボーン型溝部に限らず、様々な形状及び深さの
動圧発生溝部を形成することができる。
【0037】また、上記実施例では投射材として硬質ビ
ーズと炭化珪素を用いたが、その粒径が5〜100μm
の範囲であれば、プラスチックやアルミナ等種々の小径
粒子を適用することができる。また、へリングボーン型
溝部の形成に用いる装置も投射圧力、単位時間当たりの
投射量、ノズルの投射口径等の条件が調節できるもので
あれば、何等限定されることなく適用することができ
る。
【0038】
【発明の効果】本発明に係る動圧軸受へリングボーン型
溝部の形成方法は、動圧軸受のベアリング軸の外周面又
は軸受スリーブの内周面をマスキングした後に、精密シ
ョットピーニングにより小径粒子をそのベアリング軸の
外周面又は軸受スリーブの内周面に対して投射すること
により、へリングボーン型溝部を形成したものであるこ
とから、エッチングのような複雑な工程手順を要するこ
ともなく、しかも形成に要する時間も短いことから生産
性が非常に高く、大量生産が可能なものとなっている。
【0039】更に、本発明では、投射材の粒径が小さ
く、しかも投射圧力や投射ノズルの口径を変えることで
極めて狭い範囲での投射が可能なことから、精密なマス
キングは必要なく、簡単なマスキングをするだけで、微
細な形状を有するへリングボーン型溝部を簡単に形成す
ることができる。
【0040】本発明に係る動圧軸受へリングボーン型溝
部の形成方法は、従来の方法において数段階の工程を経
て長時間掛けて行われるものを、短時間で極めて簡便に
形成することを可能にしたものであり、更にその作製に
掛かるコストを大幅に削減することができるようにした
ものである。つまり、本発明の方法は、微細形状のへリ
ングボーン型溝部を簡便にしかも精密に作製することが
できるだけでなく、大量生産に適したものであることか
ら、産業上極めて有用性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来一般に知られる動圧軸受を用いたレーザプ
リンタのポリゴンミラー用スキャナモータの概略構成を
示した図である。
【図2】図1に示した動圧軸受の外観を概略的に示した
図(a)と、その断面図(b)を示した図である。
【図3】本発明の実施例に用いた微粉噴射加工装置の概
略構成を示した図である。
【図4】本発明の実施例で形成されたへリングボーン型
溝部の溝深さと、その形成に用いられた投射圧力との関
係を示した図である。
【図5】本発明の実施例で形成されたへリングボーン型
溝部の粗さと、その形成に用いられた投射材の粒径との
関係を示した図である。
【図6】本発明を適用した動圧軸受の軸受スリーブを示
した図である。
【図7】図6に示した軸受スリーブのへリングボーン型
溝部を拡大して示した図である。
【図8】図7に示したへリングボーン型溝部のBB’断
面(a)とCC’断面(b)を示した図である。
【符号の説明】
14 ベアリング軸 15 軸受スリーブ 22 へリングボーン型溝部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷田沢 純 愛知県東海市加木屋町南鹿持1−6大池南 荘S103

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動圧軸受のベアリング軸の外周面及び該
    ベアリング軸が挿通される軸受スリーブの内周面にへリ
    ングボーン型溝部を形成するに際し、前記動圧軸受のベ
    アリング軸の外周面及び/又は軸受スリーブの内周面に
    所期のヘリングボーン形状の透孔を有するマスキングシ
    ートによりマスキングし、そのマスキング面に精密ショ
    ットピーニングにより小径粒子を投射するようにしたこ
    とを特徴とする動圧軸受へリングボーン型溝部の形成方
    法。
  2. 【請求項2】 前記小径粒子は、アルミナ、炭化珪素、
    ガラスビーズ、プラスチックより選ばれた1種又は2種
    以上の粒子からなることを特徴とする請求項1に記載の
    動圧軸受へリングボーン型溝部の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記小径粒子の粒径が、5〜100μm
    であることを特徴とする請求項2に記載の動圧軸受へリ
    ングボーン型溝部の形成方法。
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