JP2000227027A - 予混合圧縮自着火エンジンの制御方法及びエンジン - Google Patents

予混合圧縮自着火エンジンの制御方法及びエンジン

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JP2000227027A
JP2000227027A JP11343214A JP34321499A JP2000227027A JP 2000227027 A JP2000227027 A JP 2000227027A JP 11343214 A JP11343214 A JP 11343214A JP 34321499 A JP34321499 A JP 34321499A JP 2000227027 A JP2000227027 A JP 2000227027A
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engine
fuel
timing
compression ignition
cylinder
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JP11343214A
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Inventor
Hiroshi Fujimoto
洋 藤本
Yuji Nakamura
裕司 中村
Koji Moriya
浩二 守家
Shoji Asada
昭治 浅田
Masashi Nishigaki
雅司 西垣
Takahiro Sako
孝弘 佐古
Shunsaku Nakai
俊作 中井
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B1/00Engines characterised by fuel-air mixture compression
    • F02B1/12Engines characterised by fuel-air mixture compression with compression ignition

Abstract

(57)【要約】 【課題】 予混合圧縮自着火エンジンにおいて、その自
着火タイミングを適性なものとすることができる技術を
得る。 【解決手段】 燃料と燃焼用酸素含有ガスとをシリンダ
3内に給気するとともに、前記シリンダ3内において酸
素含有ガスと燃料との予混合気を圧縮自着火させてクラ
ンク軸9の回転を維持する予混合圧縮自着火エンジンの
制御方法であって、エンジン動作サイクルに於ける圧縮
自着火のタイミングを検出し、検出された圧縮自着火の
タイミングに基づいて、給気温度を制御し、前記圧縮自
着火のタイミングを制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料と燃焼用酸素
含有ガスとを、シリンダ内に給気するとともに、このシ
リンダ内において酸素含有ガスと燃料との予混合気を圧
縮自着火させてクランク軸の回転を維持する予混合圧縮
自着火エンジンに関するものであり、このようなエンジ
ンにおいて、好ましい運転状態を維持する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】内燃機関であるエンジンは、大きく、火
花点火エンジン(オットーサイクルエンジン)と、圧縮
空気中に液体燃料を噴射するディーゼルエンジンに分け
られる。ここで、都市ガス(これはメタンを主成分と
し、その他の高炭素数の炭化水素が混合されている)を
燃料とするガスエンジンでは、従来型のディーゼルエン
ジンの場合、噴射燃料の圧縮動力が大きく、機構も複雑
になる為、圧倒的多数は、火花点火エンジン(以下SI
エンジンと記す)とされる。SIエンジンは、シリンダ
へ空気(燃焼用酸素含有ガスの一例)と燃料の予混合気
を送り込み、シリンダで圧縮した後、スパークプラグで
強制着火する。ところで、エンジンは、圧縮比を増大さ
せる程効率が増大することが分かっているが、SIエン
ジンでは、圧縮比を増大させると、ノッキングが発生
し、その為、通常、圧縮比は10程度に抑えられる。ノ
ッキングとは、火花点火された燃焼波が、シリンダ全域
に拡がる前に、未燃部が自然燃焼して、衝撃波を発生す
る現象であり、この自然着火条件の成立は、温度依存性
が極めて高い。また、圧縮比を増大させると、ノッキン
グが発生し易くなるのは、圧縮比増大とともに、未燃部
の温度が増大するためである。
【0003】最近、自然着火を積極的に利用する予混合
圧縮自着火エンジンのコンセプトが話題になっている。
これは、元々、燃料噴射ディーゼルのパティキュレート
を防止する目的で考え出されたものであるが、圧縮空気
中に燃料を噴射するのではなく、主には、SIエンジン
の様に空気と燃料の予混合気をシリンダに供給し、圧縮
によって自然着火させて、回転を続ける。この手法をガ
スエンジンに適用すれば、ノッキングの問題を避けつ
つ、圧縮比を増大させ、高い効率を得ることが可能とな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記予混合圧縮自着火
エンジンを実現するための大きな課題の一つは、着火時
期の制御である。SIエンジンでは火花点火時期によっ
て、燃料噴射ディーゼルでは燃料噴射時期によって着火
時期を制御できるが、予混合圧縮自着火エンジンの場
合、そのままでは(着火タイミングの制御を適正におこ
なわないと)、起動からの経過時間、エンジン負荷、空
気比等の変化により、自着火の起こるタイミングが変わ
り運転を継続できなくなる。従って、本発明の目的は、
予混合圧縮自着火エンジンにおいて、その自着火タイミ
ングを適性なものとすることができる技術を得ることに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明による、燃料と燃焼用酸素含有ガスとをシリン
ダ内に給気するとともに、このシリンダ内において酸素
含有ガスと燃料との予混合気を圧縮自着火させてクラン
ク軸の回転を維持する予混合圧縮自着火エンジンの制御
方法の特徴手段は、請求項1に記載されているように、
エンジン動作サイクルに於ける圧縮自着火のタイミング
を検出し、検出された圧縮自着火のタイミングに基づい
て、給気温度を制御し、前記圧縮自着火のタイミングを
制御することにある。エンジンの動作制御にあっては、
圧縮自着火のタイミングが重要である。従って、まず、
エンジンの動作サイクル中における圧縮自着火の実際の
タイミングを検出する。即ち、エンジンは、給気(給気
吸入)、圧縮、膨張、排出工程を経て動作することか
ら、このような工程を経る時間軸上で、どのタイミング
で自着火が発生しているかを検出する。実際上は、この
ような自着火は、圧縮工程の最終段階、もしくは膨張工
程の初期の段階において、発生することが好ましい。こ
のような検出は、例えば、シリンダ内の内圧の変化ある
いは着火による発光を、クランク軸の回転角と関連付け
て検出することにより、おこなうことができる。そし
て、本願にあっては、シリンダ内に供給される給気(例
えば代表的には予混合気であり、さらに燃焼用酸素含有
ガスと燃料とが別々に供給される場合は、主に燃焼用酸
素含有ガス)の温度を、上記検出されたタイミングに基
づいて制御する。このような給気の温度は、これを低下
させると自着火のタイミングを遅らせることが、上昇さ
せると早めることができるため、検出される自着火のタ
イミングによって、給気温度を制御することにより、結
果的に自着火のタイミングを望ましいものとすることも
できる。
【0006】以上が、圧縮自着火のタンミングの制御方
法に関するものであるが、このような予混合圧縮自着火
エンジンは、請求項2に記載されているように、以下の
ように構成することが好ましい。即ち、燃料と燃焼用酸
素含有ガスとを、シリンダ内に給気するとともに、前記
シリンダ内において酸素含有ガスと燃料との予混合気を
圧縮自着火させてクランク軸の回転を維持する予混合圧
縮自着火エンジンを構成するに、エンジン動作サイクル
に於ける前記圧縮自着火のタイミングを検出する圧縮自
着火タイミング検出手段を備えるとともに、給気される
ガスの温度である給気温度を設定する給気温度設定手段
を備え、前記圧縮自着火タイミング検出手段によって検
出された圧縮自着火のタイミングに基づいて、前記給気
温度設定手段を働かせて給気温度を制御し、前記圧縮自
着火のタイミングを制御する制御手段を備える。この予
混合圧縮自着火エンジンにあっては、圧縮自着火タイミ
ング検出手段により、エンジン動作サイクル内に於ける
経時的な圧縮自着火のタイミングが検出される。一方、
シリンダ内に供給される給気温度を設定する給気温度設
定手段が備えられる。従って、この給気温度設定手段に
より、給気温度は任意に設定できる。さて、本願エンジ
ンには、制御手段が備えられ、この制御手段により前記
圧縮自着火タイミング検出手段によって検出された圧縮
自着火のタイミングに基づいて、前記給気温度設定手段
を働かせて給気される前記給気の温度を制御する。結
果、圧縮自着火のタイミングを変更、制御することがで
き、例えば、これを好ましい状態とすることができる。
【0007】前記予混合圧縮自着火エンジンにおいて、
請求項3に記載されているように、前記制御手段が、前
記圧縮自着火タイミング手段により検出される情報に従
って、圧縮自着火が起こるべきクランク角タイミングに
対する、実際の圧縮自着火のタイミングの遅れもしくは
早まりを判断し、前記実際の圧縮自着火のタイミングに
遅れがある場合に、給気温度を高温側に制御し、前記実
際の圧縮自着火のタイミングに早まりがある場合に、給
気温度を低温側に制御する構成とすることが好ましい。
一般に、予混合圧縮自着火エンジンにおいては、クラン
ク軸の回転角との関係で、圧縮自着火のタイミングとし
て好ましいタイミングが、特定される。即ち、ピストン
が上死点にあるタイミングの近傍に、圧縮自着火のタイ
ミングが来ていることが好ましく、このような理想的な
タイミングは、エンジンの仕様、動作状態が特定される
と、ほぼ一意的に決まる。これが、圧縮自着火が起こる
べきクラン角タイミングである。よって、このような情
報を予め求めておき、制御手段により、このタイミング
に対して、実際の圧縮自着火のタイミングの遅れ若しく
は早まりを特定、判断することが可能であり、これを、
好ましいタイミングに持っていこうとすると、制御手段
による制御を働かせて、それぞれ、給気温度を高温側に
制御したり、給気温度を低温側に制御することにより、
好ましいタイミングとすることができる。
【0008】このように予混合圧縮自着火エンジンを構
成する場合に、請求項4に記載されているように、前記
圧縮自着火タイミング検出手段として、シリンダ内の内
圧を検出する内圧センサを備え、この内圧センサにより
検出されるシリンダ内内圧が、低圧側より高圧側へ変化
を起こす(例えば所定値を越える、あるいは所定の増加
傾向を示す等)タイミングを、圧縮自着火のタイミング
と判断する構成とすることが好ましい。圧縮自着火が発
生すると、シリンダ内圧力は急激に上昇する。従って、
あらかじめ、エンジンにおいて圧縮自着火が起こるシリ
ンダ内圧力を調べておき、この圧力を所定の圧力値とし
て記憶しておくことで、この圧力値との比較において、
圧縮自着火のタイミングを、容易、確実に検出すること
ができる。一方、請求項7に記載されているように、給
気温度設定手段を構成するに、エンジンの給気路に備え
られるアフタークーラーを、その冷却能力が調節可能な
ものとしておいて、給気温度の設定をこのアフタークー
ラーに於ける冷却能力の調節設定によりおこなう構成と
すると、通常、過給器の下流側に備えられるアフターク
ーラーの冷却能を利用して、良好に自着火のタイミング
を調節、設定、制御することができる。本願において
は、過給器付エンジンの場合アフタークーラーは普通に
装備されているので、必要な改造は、冷却水バイパス回
路等の設置等、ごくわずかで済み、コストを極めて小さ
くおさえる事ができる。特に、コージェネレーション用
ではクーリングタワーを専用に設置するので充分な冷却
能力、すなわち制御能力が得られる。又、一般に負荷変
動は緩やかであるので、自動車用エンジンの様に応答性
の問題をあまり考慮する必要がなく、従って冷却水量制
御の様な応答速度の遅い手段でも充分対応できる。
【0009】さて、予混合圧縮自着火エンジンの自着火
のタイミングは、上記の制御系を備えることにより、自
着火のタイミングを好ましいタイミングにもっていくこ
とができる。従って、この制御系を備えることで、動作
条件(例えば、エンジンの運転開始からの経過時間、エ
ンジン負荷、空気比、あるいは環境温湿度等)が変化し
てもほぼ十分な制御状態を実現できるが、条件変化が激
しい場合は、以下のような構成を採用することも好まし
い場合がある。この場合、動作条件の変化に対して、直
接、給気温度を制御するようにするのである。即ち、こ
のような動作条件の変化に対して、給気の温度を適切に
調整する構成を付加し、好ましい動作状態を得ようとす
る提案が以下のものである。即ち、燃料と燃焼用酸素含
有ガスとを、シリンダ内に給気するとともに、前記シリ
ンダ内において酸素含有ガスと燃料との予混合気を圧縮
自着火させてクランク軸の回転を維持する予混合圧縮自
着火エンジンを構成するに、請求項5に記載されている
ように、エンジンの動作条件を検出する動作条件検出手
段を備えるとともに、給気されるガスの温度である給気
温度を設定する給気温度設定手段を備え、前記動作条件
検出手段によって検出された動作条件に基づいて、前記
給気温度設定手段を働かせて給気温度を制御し、前記圧
縮自着火のタイミングを制御する制御手段を備える。こ
の構成にあっては、動作条件検出手段により、着火タイ
ミングに影響を及ぼすと考えられる動作条件が検出され
る。このような動作条件とは、先に示したような、エン
ジンの運転開始からの経過時間、エンジン負荷、空気
比、あるいは環境温湿度等である。一方、これまで説明
してきた例と同様に、給気温度設定手段を設けることに
より、給気温の設定が可能とされる。そして、制御手段
は、前記動作条件検出手段によって検出された動作条件
に基づいて、給気温度設定手段を働かせて給気温度を制
御し、圧縮自着火のタイミングを制御する。即ち、制御
手段には、例えば、動作条件に従った、あるいはこのよ
うな動作条件の変化傾向に対応して、給気温の設定ある
いはその変化傾向を設定するための情報が予め収納され
ており、このような予め得られている規範情報に従っ
て、給気温度を制御する。このようにすることで、動作
条件に適合して、あるいは動作条件の変化に対応して、
給気温の制御を伴って、好ましい運転状態を確保でき
る。
【0010】このような動作条件を検出して、この検出
情報に従って給気温を制御して働く予混合圧縮自着火エ
ンジンにおいて、請求項6に記載されているように、前
記動作条件検出手段が、前記動作条件としてのエンジン
負荷を検出するエンジン負荷検出手段であり、前記制御
手段が、前記エンジン負荷検出手段により検出されるエ
ンジン負荷が増大する場合に給気温度を低温側に制御
し、エンジン負荷が減少する場合に給気温度を高温側に
制御する構成とされていることが好ましい。エンジン負
荷の上昇は、一般にシリンダ温度の上昇を来すため、着
火タイミングは早まることとなる。従って、この場合
は、給気温度を低下させて、着火タイミングを適正なタ
イミングに保持することが好ましい。逆に、エンジン負
荷の低減は、一般にシリンダ温度の低下を来すため、着
火タイミングは遅れることとなる。従って、この場合
は、給気である給気温度を高めて、着火タイミングを適
正なタイミングに保持することが好ましい。
【0011】このように、動作条件を検出して、この検
出情報に従って給気温を制御して働く予混合圧縮自着火
エンジンにおいて、前記動作条件検出手段が、前記動作
条件としての環境温度を検出する環境温度検出手段であ
り、前記制御手段が、前記環境温度検出手段により検出
される環境温度が上昇する場合に、給気温度を低温側に
制御し、環境温度が下降する場合に、給気温度を高温側
に制御する構成とされていることが好ましい。環境温度
の上昇は、一般にシリンダ温度の上昇を来すため、着火
タイミングは早まる。従って、この場合は、給気である
給気温度を低下させて、着火タイミングを適正なタイミ
ングに保持することが好ましい。逆に、環境温度の下降
は、一般にシリンダ温度の低下を来すため、着火タイミ
ングは遅れることとなる。従って、この場合は、給気で
ある給気温度を高めて、着火タイミングを適正なタイミ
ングに保持することが好ましい。
【0012】この構成の場合も、請求項7に記載されて
いるように、給気温度設定手段を構成するに、エンジン
の給気路に備えられるアフタークーラーを、その冷却能
力が調節可能なものとしておいて、給気温度の設定をこ
のアフタークーラーに於ける冷却能力の調節設定により
おこなう構成とすることが好ましい。この場合も、通
常、過給器の下流側に備えられるアフタークーラーの冷
却能を利用して、エンジンの動作条件に対応して良好な
運転状態を得ることができる。
【0013】また、請求項8に記載されているように、
前記給気温度設定手段を構成するに、前記給気路におい
て前記シリンダに供給される酸素含有ガスの一部を利用
してバーナ用燃料を燃焼させるバーナ装置を備え、前記
バーナ用燃料の燃焼量調整により、前記給気温度を制御
することができる。上記のように、シリンダ内に供給さ
れる酸素含有ガスのみが流通する給気路において、バー
ナ用燃料を噴出させて燃焼させるバーナを備え、このバ
ーナ用燃料を酸素含有ガスの一部を利用して燃焼させ、
この燃焼ガス及びバーナによって加熱されたその他の酸
素含有ガスに燃料を供給して予混合気を形成して、シリ
ンダ内に給気するように構成し、上記バーナ装置におけ
るバーナ用燃料の燃焼量即ちバーナ用燃料の供給量を調
整することで、上記給気温度を調整することができ、こ
のように給気温度設定手段を構成することができる。ま
た、バーナによって、直接酸素含有ガスを加熱して給気
温度を設定するので、給気温度を変化させる場合の応答
性にすぐれ、圧縮自着火タイミングまたは動作条件に基
づいて好ましい状態で給気温度を制御し、予混合圧縮自
着火エンジンの良好な運転状態を得ることができる。
【0014】さらに、このような構成の場合、請求項9
に記載されているように、前記バーナ装置が、前記バー
ナ用燃料を間欠的に燃焼させるパルスバーナ、若しくは
前記バーナ用燃料を互いに衝突するように噴出して燃焼
させるインパクトバーナであることが好ましい。このよ
うなパルスバーナ及びインパクトバーナは、燃焼量を変
化させる幅(TDR)が、通常の例えばブンゼンバーナ
と比べて広いので、最適な燃焼量を得ることが容易であ
り、好都合である。パルスバーナは、バーナ用燃料を間
欠的に燃焼させるため、その間欠燃焼時間を変化させる
ことによって広いTDRを取ることができる。インパク
トバーナはバーナ用燃料を複数のノズルから噴出して互
いに衝突させることにより、その衝突部に渦を発生さ
せ、保炎を容易に行うことができるため、広いTDRを
取ることができる。よって、本発明において、パルスバ
ーナ若しくはインパクトバーナバーナを利用して、給気
温度設定手段を構成することで、広い燃焼量調整によ
り、前記給気温度を幅広く制御し、予混合圧縮自着火エ
ンジンの良好な運転状態を得ることができる。
【0015】さらに、本発明の予混合圧縮自着火エンジ
ンの特徴構成は、請求項10に記載されているように、
燃料と燃焼用酸素含有ガスとをシリンダ内に給気すると
ともに、前記シリンダ内において酸素含有ガスと燃料と
の予混合気を圧縮自着火させてクランク軸の回転を維持
する予混合圧縮自着火エンジンあって、前記燃焼用酸素
含有ガスが流通する給気路において、前記燃料が供給さ
れて前記予混合気が形成される燃料供給部の上流側に、
前記給気路に流通する前記酸素含有ガスにバーナ用燃料
を噴出して燃焼させるバーナ装置を備え、前記バーナ装
置における前記バーナ燃料の燃焼量を設定するバーナ装
置出力設定手段を備える点にある。
【0016】このように構成することで、バーナ装置出
力設定手段により前記バーナ装置における前記バーナ燃
料の燃焼量を設定することで、給気路における給気温度
を調整することができるので、このバーナ装置出力設定
手段を上記の給気温度設定手段として働かせて、制御す
ることで、予混合圧縮自着火エンジンの自着火タイミン
グ若しくは動作状態を制御することができる。さらに、
上記の構成によって、例えば、予混合圧縮自着火エンジ
ンを高出力で運転する場合、燃焼室に供給する燃料の量
を増加させて燃焼室において圧縮自着火させる予混合気
の当量比を増加させるが、この時に切換手段によってバ
ーナ装置を運転状態として、給気路における酸素含有ガ
スの一部を利用してバーナ用燃料を燃焼させることで、
給気路の酸素濃度を低下させることができ、この酸素濃
度が低下した酸素含有ガスを利用して燃焼室において燃
料を圧縮自着火させるので、当量比を増加させても燃焼
を緩慢にすることができ、結果、NOxの発生を抑制す
ることができる。
【0017】さて、これまでシリンダ内に供給される給
気温を積極的に制御する場合に関して説明したが、この
制御は、実体上、エンジンにおいて給気工程以降、自着
火のタイミング前に於けるシリンダ内に存するガスの温
度を制御することになっている。即ち、給気温を制御す
ることで、主には圧縮されるガスの初期温度を制御して
いるのである。よって、本願は、燃料と燃焼用酸素含有
ガスとをシリンダ内に給気するとともに、前記シリンダ
内において酸素含有ガスと燃料との予混合気を圧縮自着
火させてクランク軸の回転を維持する予混合圧縮自着火
エンジンの制御方法として、請求項8に記載されている
ように、エンジン動作サイクルに於ける前記圧縮自着火
のタイミングを検出し、 前記検出された圧縮自着火の
タイミングに基づいて、給気工程以降、自着火タイミン
グ前にシリンダ内に存するガスの温度を制御し、前記圧
縮自着火のタイミングを制御する予混合圧縮自着火エン
ジンの制御方法を提案するものとなっている。この場合
も、自着火タイミングを適切に制御できる。
【0018】
【発明の実施の形態】〔実施例1〕本願の予混合圧縮自
着火エンジン100の構造を図1に基づいて説明する。
エンジン100は、吸入弁1及び排気弁2を備えたシリ
ンダ3と、このシリンダ3内に収納されるピストン4を
備えたエンジン本体5を備えるとともにこのエンジン本
体5の給気側に過給器6及びアフタークーラー7を備え
て構成されている。ピストン4は連接棒8によってクラ
ンク軸9に接続されており、ピストン4の往復動に従っ
てクランク軸9に回転出力を得られる。この構成によ
り、過給器6を介して圧縮された予混合気は、アフター
クーラー7において冷却され、シリンダ3内へ導かれ、
圧縮、膨張工程を経た後、排気弁を介して排気側へ排気
される。
【0019】エンジンの動作サイクルは、給気(吸引)
工程、圧縮工程、膨張工程、排気工程を経て、一サイク
ルを完了する。通常、前記給気(吸引)工程において
は、吸入弁1のみが開状態とされて、予混合気の吸入が
行われる。圧縮工程においては、吸入弁1及び排気弁2
が共に閉状態とされピストン4がシリンダ3内空間を減
少させる方向に移動し、シリンダ3内のガスの圧縮がお
こる。この圧縮が完了する状態に於けるピストン4の位
置が、上死点と呼ばれ、本願における圧縮自着火は、こ
の位置の近傍にピストン4があるタイミングで起こるこ
とが好ましい。膨張工程は、燃焼によって発生する高圧
ガスによりピストン4がシリンダ内空間を増加する方向
に移動する工程である。この工程にあっても、吸入弁1
及び排気弁2が共に閉状態とされる。さらに、排気工程
においては、排気弁2のみが開状態とされ、ピストン4
のシリンダ3内空間を減少させる方向への移動に伴って
シリンダ3内の排ガスが排出される。以上の工程は、4
サイクルエンジンが普通に備える工程であり、基本的に
予混合圧縮自着火エンジンも、着火が、圧縮に伴って発
生される熱によって起こる以外、他のエンジンと変わる
ところはない。
【0020】以下 本願の特徴構成に関して説明する。
エンジン100には、シリンダ3内の内圧を検出するた
めの内圧センサ10が備えられるとともに、クランク軸
9の角度を検出するためのクランク角センサ11が備え
られている。内圧センサ10からの出力情報は予め設定
されている設定値と比較され、その比較結果、及び検出
されたクランク角が、エンジンに備えられる制御装置1
2に送られる。従って、制御装置12においては、各時
点において、クランク角と設定値に対してシリンダ内の
内圧がどのような状態にあるかの情報を得ることができ
る。シリンダ内圧が設定値を越えるタイミングが実際の
自着火のタイミングと判断する。このように、エンジン
の動作サイクルに於ける圧縮自着火のタンミングを検出
する手段を、圧縮自着火タイミング検出手段Aと呼ぶ。
ここで、この圧縮自着火タイミング検出手段Aにおいて
は、クランク角が動作サイクルの時間軸に代わる情報と
して認識され、クランク角がどの角度にあるタイミング
で、圧縮自着火が起こったかを検出して、自着火のタイ
ミングが特定される。
【0021】一方、前述のアフタークーラー7の冷却水
流路13に於ける設置構成に関して説明すると、基端側
にクーリングタワー14を備えた冷却水流路13には、
アフタークーラー7に対して、これと並列にバイパス路
15が備えられており、アフタークーラー7を介する流
路13aと、バイパス路15を介する流路13bとの合
流部に3方弁16を設け、この3方弁16の開度調整に
より、アフタークーラー7に流れる冷却水の流量を調節
できる構成が採用されている。さらに、クーリングタワ
ー14内の冷却水の温度は、所定の温度に設定されるよ
うに構成されている。この構成を採用することにより、
アフタークーラー7内を流れる冷却水の量を調整するこ
とで、給気温度を設定・調節することができる。即ち、
給気温を上昇させようとする場合は、バイパス路15を
流れる冷却水流量を増大させればよく、逆の場合は、減
少させればよい。このように、給気される予混合気の温
度を設定する手段を給気温度設定手段Bと呼ぶ。
【0022】上記構成により、制御装置12(これは制
御手段Cを構成する)には、エンジン100の一動作サ
イクル内における実際の自着火のタイミング情報(実際
は、各クランク角においてシリンダ内圧力が設定値(所
定値)に対して、これを越えたクランク角情報)が、入
力される。一方、この制御装置12は、内部に記憶手段
120を備えており、運転条件に対応して、圧縮自着火
が起こるべきタイミング(特定のクランク角)情報を備
えている。このような好ましい自着火のタイミングは、
エンジンの仕様が固定されている場合、経験的に判明し
ており、予め記憶しておくことができる。そして、制御
装置12内では、エンジン動作時における、実際の自着
火タイミング(シリンダ内圧が前記設定値を越えるクラ
ンク角)と、前記好ましい自着火のタイミング(好まし
いクランク角)との、比較をおこなう。このようにする
ことで、実際の自着火のタイミングが遅れているか、早
まっているかが判明する。この結果に基づいて、制御装
置12にあっては、実際の自着火のタイミングが遅れて
いる場合に、3方弁16の開度を調節して、バイパス路
15を流れる冷却水量を減少させて、給気温度を現状よ
り増加する側に導く。一方、実際の自着火のタイミング
が早まっている場合に、3方弁16の開度を調節して、
バイパス路15を流れる冷却水量を増加させて、給気温
度を現状より減少する側に導く。このように制御するこ
とにより、自着火のタイミングを好ましい状態に維持す
ることができる。以上が、図1に示す本願の予混合自着
火エンジンの基本構造である。
【0023】本願の別構成例に関して、図2に基づいて
説明する。この構造は、図1の構造に加えて、エンジン
の動作条件(環境)が、大きく変化した場合に対応でき
る構成である。図1と比較して、アフタークーラー7b
が前記のアフタークーラー7aの上流側に追加されると
もに、制御装置に対して、これに、エンジンの動作条件
を検出するための手段が備えられており、上流側に位置
するアフタークーラー7bにより、動作条件に対応した
予備的な給気冷却が予め施されることに特徴がある。即
ち、アフタークーラー7bに供給される冷却水の流量が
流量調節弁19の開度調整によって行われ、流量制御を
おこなう構成とされている。アフタークーラーをどの様
な構成にしようと、給気温度を冷却水温度以下に制御で
きるものではないが、図2の様な構成をとることによっ
て通常はアフタークーラー7aのみによるより細かい制
御を可能とし、同時に環境が大きく変動した時にアフタ
ークーラー7bを使って全体にバイアスをかけることが
できるのである。図1に示すものと同様の構造は、説明
を省略する。図2に示すように、このエンジンにあって
は、制御装置12には、上記のような圧力センサ10及
びクランク角センサ11からの検出情報の他に、エンジ
ンにかかる負荷情報、及びエンジンの周囲環境の温湿度
情報が入力されるようにシステムが構成されている。そ
して、これらの入力情報に基づいて給気温度の制御が行
える構造が採用されている。エンジン負荷に関しては、
エンジンの必要回転数等をモニターするエンジン負荷検
出センサ17(エンジン負荷検出手段の一例)が備えら
れる構成が採用されており、検出される負荷の変動に対
して制御装置12は、エンジン負荷検出手段17により
検出されるエンジン負荷が増大する場合に、給気温度を
低温側に制御し、エンジン負荷が減少する場合に、給気
温度を高温側に制御する構成が採用されている。結果、
エンジン負荷に対しても本願の自着火エンジンは良好に
対応できる。さらに環境温度に関しては、環境温度を検
出する温度センサ18(環境温度検出手段の一例)が備
えられており、この環境温度検出手段18により検出さ
れる環境温度が上昇する場合に、給気温度を低温側に制
御し、環境温度が下降する場合に、給気温度を高温側に
制御する構成が採用されている。結果、環境温度等の変
動に対しても、これに良好に対応できる。ここで、負荷
センサや環境温度センサのような、エンジンの動作条件
を検出する手段を、動作条件検出手段Dと称する。
【0024】〔実施例2〕次に、上記の実施例1とは別
の実施の形態を図面に基づいて説明する。図3に示す予
混合圧縮自着火エンジン200のエンジン本体5は、上
記の実施例1と同様である為、詳細についての説明を省
略するが、エンジン200は、給気温度設定手段Bとし
て、給気路20においてシリンダ3に供給される酸素含
有ガスの一部を利用してバーナ用燃料を燃焼させるバー
ナ装置24を備え、バーナ用燃料の燃焼量調整により、
前記給気温度を制御するように構成されている。
【0025】尚、予混合圧縮自着火エンジン2の仕様
は、シリンダのボア径が165mm、ピストン8のスト
ロークが180mm、圧縮比が17となっており、定常
運転において、大気圧程度で空気比3程度の天然ガスの
予混合気を圧縮自着火燃焼させ、回転数1200ppm
程度でクランク軸9を回転させるように構成されてい
る。
【0026】また、エンジン200は、給気路20に予
混合気を供給するために、給気路20に備えられたバッ
ファタンク28の入口側に、ミキサ25を備えており、
ミキサ25は、上流側から供給される空気(酸素含有ガ
スの一例)に、天然ガスである燃料を遮断弁31及び流
量調整弁30を介して供給することで、予混合気を生成
することができ、制御装置12によって流量調整弁30
を制御することで、生成される予混合気の空気比を調整
するように構成されている。ミキサ25で生成された予
混合気は、一旦バッファタンク28に供給されて、この
バッファタンクから給気路20に導かれ、燃焼室9に供
給される。
【0027】さらに、エンジン200は、給気路20に
おいてミキサ25の上流側にバーナ装置24を備えてお
り、このバーナ装置24の詳細について図1及び図2に
基づいて説明する。図4に示すように、バーナ装置24
は、燃焼量の変化割合(TDR)が大きく取れるように
するため、保炎を強化するように、燃料Gを互いに衝突
するように噴出して燃焼させるインパクトバーナであり
であり、両端が絞られたバーナ燃焼室49を規定し、両
端に流入口45と排出口44とを有する筒体43と、流
入口45の外周部にフランジ42と、排出口44の外周
部にフランジ41が設けられ、フランジ42が空気の流
入する側に接続され、フランジ41がミキサ25及びシ
リンダ3側に接続されている。
【0028】さらに、制御装置12によって制御される
流量調整弁29を介して燃料をバーナ燃焼室49に導く
為の配管部材46と、配管部材46のバーナ燃焼室49
における端部にバーナノズル46aと、バーナノズル4
6aの噴出方向の近傍に火花を発生するスパークロット
48を備えており、制御装置12によって、流量調整弁
29を働かせて燃料Gをバーナノズル46に設けられた
複数の噴孔(図示せず)からバーナ燃焼室49に互いに
衝突させながら噴出させるのと共に、スパークロット4
8を働かせてこの噴出した燃料を着火し、バーナ燃焼室
49においてコンパクトな炎で燃焼させることができ、
流入口45から流入して燃焼室において加熱された空気
の残部が排出口44から排出されることになる。また、
このようなインパクトバーナは、通常のバーナ例えばブ
ンゼンバーナと比べて保炎性がよく、燃焼量を変化でき
る幅(TDR)が大きいため、最適な燃焼量を取ること
が容易である。
【0029】さらに、制御装置12は、この加熱された
空気に、流量調整弁30を働かせて、その加熱ガスに燃
料を供給して予混合気を生成し、バッファタンク28、
給気路20を介してシリンダ3に供給するように構成さ
れており、さらに、制御装置12は、流量調整弁30を
調整してバーナ装置24におけるバーナ用燃料の燃焼量
を調整することで、燃料を供給される空気の温度を調整
し、結果シリンダ3に供給される予混合気の温度を調整
するように構成され、このように、シリンダ3に給気さ
れる予混合気の温度を設定する手段を給気温度設定手段
Bと呼ぶ。
【0030】さらに、制御装置12は、給気路20に備
えられた温度センサ26によって、予混合気の温度を検
出しながら、流量調整弁29を制御してバーナ装置24
に供給される燃料の流量を設定することで、給気路20
内の予混合気の温度を安定させるように構成されてい
る。
【0031】また、バーナ燃焼室49には、フレームロ
ット47が備えられ、バーナ燃焼室49における火炎を
検出して、制御装置12に出力し、バーナ装置24が正
常に運転されているかを確認することができる。
【0032】そして、実施例1と同様に、制御装置12
内では、エンジン動作時における、実際の自着火タイミ
ング(シリンダ内圧が前記設定値を越えるクランク角)
と、前記好ましい自着火のタイミング(好ましいクラン
ク角)との、比較をおこなう。このようにすることで、
実際の自着火のタイミングが遅れているか、早まってい
るかが判明する。この結果に基づいて、制御装置12に
あっては、実際の自着火のタイミングが遅れている場合
に、流量調整弁29を調整して、バーナ装置24におけ
るバーナ用燃料の燃焼量を増加させ、給気温度を現状よ
り増加する側に導く。一方、実際の自着火のタイミング
が早まっている場合に、流量調整弁29を調整して、バ
ーナ装置24におけるバーナ用燃料の燃焼量を減少さ
せ、給気温度を現状より減少する側に導く。このように
制御することにより、自着火のタイミングを好ましい状
態に維持することができる。
【0033】さらに、エンジン負荷及び環境温度に対し
ても、上記実施例と同様に、制御装置に関しては、エン
ジン負荷検出センサ17及び温度センサ18により検出
される負荷の変動に対して制御装置12は、エンジン負
荷が増大する場合若しくは環境温度が上昇する場合に、
給気温度を低温側に制御し、エンジン負荷が減少する場
合若しくは環境温度が低下する場合に、給気温度を高温
側に制御する構成が採用されている。結果、エンジン負
荷及び環境温度に対しても本願の自着火エンジンは良好
に対応できる。ここで、負荷センサや環境温度センサの
ような、エンジンの動作条件を検出する手段を、動作条
件検出手段Dと称する。
【0034】また、上記の実施例2において、バーナ装
置24として、インパクトバーナを利用した構成を示し
たが、別に、このバーナ装置24を、バーナ用燃料Gを
間欠的に燃焼させ、その間欠燃焼の時間を変化させるこ
とによって広いTDRを取ることができるパルスバーナ
として構成することもでき、さらにこれらのバーナ装置
24の構成は、本発明を限定するものではなく、種々の
構成のバーナ装置を構成して、給気温度設定手段Bとし
て利用することができる。
【0035】〔別実施の形態例〕 (イ) 本願の予混合圧縮自着火エンジンに使用できる
燃料としては、都市ガス等が好適であるが、ガソリン、
プロパン、メタノール等、任意の燃料を使用することが
できる。 (ロ) 予混合気を生成するにあたっては、燃料とこの
燃料の燃焼のための酸素を含有するガスとを混合すれば
よいが、例えば、燃焼用酸素含有ガスとして空気を使用
することが一般的である。しかしながら、このようなガ
スとしては、例えば、酸素成分含有量が空気に対して高
い酸素富化ガス等を使用することが可能である。 (ハ) 上記の実施の形態例において、自着火のタイミ
ングの検出にあたっては、シリンダ内圧が所定の設定値
を越えるタイミングとして捕らえたが、着火の発光を検
出するフォトセンサー、ノッキングセンサ等をシリンダ
に取りつけておいて、これらのセンサの信号から検出す
るようにしてもよい。さらに、動作サイクルに於けるタ
イミングの特定は、クランク角との関係で特定したが、
時間軸において、このタイミングを特定してもよい。 (ニ) 上記の実施例1においては、過給器の下手側に
アフタークーラーを備え、このクーラーを流れる冷却水
量の調整により、給気温度の調節を行ったが、例えば、
アフタークーラーの代わりに空冷式とし、給気温度を調
節する等、給気温度の調整に任意の手段によりおこなう
ことができる。 (ホ) 上記の実施の形態例においては、エンジンの動
作条件として、エンジン負荷、環境温度の場合を主に説
明したが、これら、自着火に影響を与える動作条件とし
ては、環境湿度、起動からの経過時間、空気比、過給
圧、燃料ガス組成等もある。従って、これらの状態を検
出するセンサを設け、このセンサの出力に従って、給気
温度の制御をすることが好ましい。例えば、環境湿度の
上昇に対しては給気温度を上昇させ、環境湿度の下降に
対しては給気温度を下降させる。起動からの経過時間に
関しては、この経過時間が短い場合は給気温度を比較的
高温に維持し、経過時間が所定の定常運転時間に達した
段階で、初期に於ける給気温度より低温側に調整するよ
うに構成することが好ましい。また、空気比に関して
は、空気比の上昇に対しては給気温度を上昇させ、空気
比の下降に対しては給気温度を下降させる。ここで、空
気比は、圧縮自着火エンジンの場合2〜6の範囲内に設
定されることが多く、この程度の範囲に於ける上昇・下
降の変化に対応する。さらに、このような検出される動
作条件の変化に対応して、前記クローズド制御の目標値
となる圧縮自着火が起こるべきクランク角タイミング
(好ましい圧縮自着火タイミング)を変更するように構
成してもよい。 (ヘ) 上記の実施の形態例においては、所謂、4サイ
クルエンジンに関連して説明したが、本願は、2サイク
ルエンジンにおいても適応可能である。 (ト) 上記の実施の形態例においては、燃料と燃焼用
酸素含有ガスとの混合気である予混合気をシリンダ内に
吸入する構造のものを示したが、燃料及び燃焼酸素含有
ガスを別々に、例えば、圧縮工程の初期段階でシリンダ
内に供給して、予混合気を形成して、これを圧縮・自着
火する構造のものにおいても、本願の発明は適応でき
る。この場合、給気としての、燃焼用酸化含有ガスを温
度制御することとなる。
【0036】
【発明の効果】従って、上記手法によりコストをあまり
かけずに、予混合圧縮自着火エンジンを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の第1の実施の形態の予混合圧縮自着火エ
ンジンシステムの構成を示す図
【図2】第1の実施の形態に対して別実施形態の予混合
圧縮自着火エンジンシステムの構成を示す図
【図3】本願の第2の実施の形態の予混合圧縮自着火エ
ンジンシステムの構成を示す図
【図4】図3に示す予混合圧縮自着火エンジンに備えら
れたバーナ装置の拡大断面図
【符号の説明】
3 シリンダ 4 ピストン 5 エンジン本体 6 過給器 7 アフタークーラー 9 クランク軸 10 内圧センサ 11 クランク角センサ 12 制御装置 13 冷却水流路 14 クーリングタワー 15 バイパス路 16 3方弁 17 エンジン負荷検出センサ 18 温度センサ 24 バーナ装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 21/02 301 F02M 21/02 301Z (72)発明者 守家 浩二 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 浅田 昭治 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 西垣 雅司 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 佐古 孝弘 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 中井 俊作 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料と燃焼用酸素含有ガスとをシリンダ
    内に給気するとともに、前記シリンダ内において酸素含
    有ガスと燃料との予混合気を圧縮自着火させてクランク
    軸の回転を維持する予混合圧縮自着火エンジンの制御方
    法であって、 エンジン動作サイクルに於ける前記圧縮自着火のタイミ
    ングを検出し、 前記検出された圧縮自着火のタイミングに基づいて、給
    気温度を制御し、前記圧縮自着火のタイミングを制御す
    る予混合圧縮自着火エンジンの制御方法。
  2. 【請求項2】 燃料と燃焼用酸素含有ガスとを、シリン
    ダ内に給気するとともに、前記シリンダ内において酸素
    含有ガスと燃料との予混合気を圧縮自着火させてクラン
    ク軸の回転を維持する予混合圧縮自着火エンジンあっ
    て、 エンジン動作サイクルに於ける前記圧縮自着火のタイミ
    ングを検出する圧縮自着火タイミング検出手段を備える
    とともに、 給気されるガスの温度である給気温度を設定する給気温
    度設定手段を備え、 前記圧縮自着火タイミング検出手段によって検出された
    圧縮自着火のタイミングに基づいて、前記給気温度設定
    手段を働かせて給気温度を制御し、前記圧縮自着火のタ
    イミングを制御する制御手段を備えた予混合圧縮自着火
    エンジン。
  3. 【請求項3】 前記制御手段が、前記圧縮自着火タイミ
    ング検出手段により検出される情報に従って、圧縮自着
    火が起こるべきクランク角タイミングに対する、実際の
    圧縮自着火のタイミングの遅れもしくは早まりを判断
    し、 前記実際の圧縮自着火のタイミングに遅れがある場合
    に、給気温度を高温側に制御し、前記実際の圧縮自着火
    のタイミングに早まりがある場合に、給気温度を低温側
    に制御する請求項2記載の予混合圧縮自着火エンジン。
  4. 【請求項4】 前記圧縮自着火タイミング検出手段が、
    前記シリンダ内の内圧を検出する内圧センサを備えると
    ともに、前記内圧センサにより検出されるシリンダ内内
    圧が、低圧側より高圧側へ所定の変化を起こすタイミン
    グを、圧縮自着火のタイミングと判断する請求項2また
    は3記載の予混合圧縮自着火エンジン。
  5. 【請求項5】 燃料と燃焼用酸素含有ガスとをシリンダ
    内に給気するとともに、前記シリンダ内において酸素含
    有ガスと燃料との予混合気を圧縮自着火させてクランク
    軸の回転を維持する予混合圧縮自着火エンジンあって、 エンジンの動作条件を検出する動作条件検出手段を備え
    るとともに、 給気されるガスの温度である給気温度を設定する給気温
    度設定手段を備え、 前記動作条件検出手段によって検出された動作条件に基
    づいて、前記給気温度設定手段を働かせて給気温度を制
    御し、前記圧縮自着火のタイミングを制御する制御手段
    を備えた予混合圧縮自着火エンジン。
  6. 【請求項6】 前記動作条件検出手段が、前記動作条件
    としてのエンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段
    であり、 前記制御手段が、前記エンジン負荷検出手段により検出
    されるエンジン負荷が増大する場合に、給気温度を低温
    側に制御し、エンジン負荷が減少する場合に、給気温度
    を高温側に制御する請求項5記載の予混合圧縮自着火エ
    ンジン。
  7. 【請求項7】 前記給気温度設定手段を構成するに、給
    気路に冷却能力を調節可能なアフタークーラーを備え、
    アフタークーラーに於ける冷却能力の調節設定により、
    前記給気温度を制御する請求項2〜6のいずれか1項記
    載の予混合圧縮自着火エンジン。
  8. 【請求項8】 前記給気温度設定手段を構成するに、前
    記給気路において前記シリンダに供給される酸素含有ガ
    スの一部を利用してバーナ用燃料を燃焼させるバーナ装
    置を備え、前記バーナ用燃料の燃焼量調整により、前記
    給気温度を制御する請求項2〜6の何れかに記載の予混
    合圧縮自着火エンジン。
  9. 【請求項9】 前記バーナ装置が、前記バーナ用燃料を
    間欠的に燃焼させるパルスバーナ、若しくは前記バーナ
    用燃料を互いに衝突するように噴出して燃焼させるイン
    パクトバーナである請求項8に記載の予混合圧縮自着火
    エンジン。
  10. 【請求項10】 燃料と燃焼用酸素含有ガスとをシリン
    ダ内に給気するとともに、前記シリンダ内において酸素
    含有ガスと燃料との予混合気を圧縮自着火させてクラン
    ク軸の回転を維持する予混合圧縮自着火エンジンあっ
    て、 前記燃焼用酸素含有ガスが流通する給気路において、前
    記燃料が供給されて前記予混合気が形成される燃料供給
    部の上流側に、前記給気路に流通する前記酸素含有ガス
    にバーナ用燃料を噴出して燃焼させるバーナ装置を備
    え、 前記バーナ装置における前記バーナ燃料の燃焼量を設定
    するバーナ装置出力設定手段を備えた予混合圧縮自着火
    エンジン。
  11. 【請求項11】 燃料と燃焼用酸素含有ガスとをシリン
    ダ内に給気するとともに、前記シリンダ内において酸素
    含有ガスと燃料との予混合気を圧縮自着火させてクラン
    ク軸の回転を維持する予混合圧縮自着火エンジンの制御
    方法であって、 エンジン動作サイクルに於ける前記圧縮自着火のタイミ
    ングを検出し、 前記検出された圧縮自着火のタイミングに基づいて、給
    気工程以降、自着火タイミング前にシリンダ内に存する
    ガスの温度を制御し、前記圧縮自着火のタイミングを制
    御する予混合圧縮自着火エンジンの制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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