JP2000225190A - 麻酔装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規麻酔装置の提供。 【解決手段】 呼吸ガス用可変−容量ガス容器有するガ
スフローシステム、新鮮なガスをガスフローシステムへ
供給するための新鮮なガス用のシステムおよび、コント
ロールユニットから成り、このコントロールユニット
が、吸気第１相において可変−容量ガス容器を制御し、
呼吸ガス流を減少させるとともに新鮮なガス用のシステ
ムから供給される新鮮なガス流と混合させる麻酔装置に
おいて、吸気の完了前に可変−容量ガス容器からの呼吸
ガス流が停止した場合、コントロールユニットが作動し
て、吸気第２相が始動し、該第２相においてコントロー
ルユニットが麻酔装置を制御して新鮮なガス用のシステ
ムからの新鮮なガス流により吸気を維持する、麻酔装
置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は請求項１に記載の麻
酔装置に関する。

【０００２】麻酔装置は通常、容量−制御モード、すな
わち呼吸サイクル毎に呼吸ガスの特異的１回換気量分を
患者へ供給するようにして作動する。これは、体積が１
回換気量に相当する可変−容量ガス容器を利用すること
で達成できる。ガス容器は、１回換気量に機械的に制限
したピストンまたはベローズから成る。このような系の
１例がＤＥ−Ａｌ−２９４５４７２に記載されている。

【０００３】圧力−制御モードでも作動できる麻酔装置
が、たとえばＵＳ−Ａ−５３１５９８９に記載されてい
る。この場合、可変−容量ガス容器は無制限のベローズ
から成る。ベローズの外側へ適用する駆動ガスの圧力
は、特定の吸気圧力または呼気圧力を維持するように調
節される。

【０００４】新鮮なガス（fresh gas）は、通常、可変
−容量ガス容器よりも下流で導入される。普通この新鮮
なガス流は一定かつ継続的である。新鮮なガス流は、当
然、可変−容量ガス容器からのガス流に影響を及ぼす。
容量−制御モードにおいて、新鮮なガスの容積は補償さ
れるべきである。

【０００５】ガスは圧縮できるので、麻酔装置中のガス
容量は最小化されることが望ましい。さらに、麻酔薬は
一般的に高価なので、麻酔装置でのガスの消費を最小限
にとどめることも望ましい。

【０００６】公知の市販のシステムではこれらの利点を
有さない。

【０００７】本発明の課題のひとつは、実質的な制限な
しに麻酔および集中治療の両方に適用でき、公知の全て
の換気モード、特に圧力−制御モードで作動できる、前
記の麻酔装置の開発である。

【０００８】本発明の別の課題は、前記のガス消費に関
する問題点を克服した麻酔装置の開発である。

【０００９】前記麻酔装置を、請求項１の特徴部分に明
記されるように実施した場合、これらの課題は本発明に
より達成できる。

【００１０】有利な実施様態は、請求項１の従属請求項
から明らかである。

【００１１】本発明により利点の大多数が達成できる。
その他、患者のガス欠または呼吸形態へ何らかの障害を
生じる危険性を伴うことなく、ガス容器内の体積をより
小さく保持して意図通りに作動できる。吸気第一相中に
可変−容量ガス容器からのガス流が停止すると、コント
ロールユニットが作動して吸気第２相へ操作を移行させ
る。吸気第２相は、新鮮なガスシステムのガスによって
のみ維持される。

【００１２】可変−容量ガス容器からの流れは、主に２
つの原因で停止する。ひとつは、可変−容量容器中のガ
スが消失（最小化システム）したため、または新鮮なガ
ス流が吸気を持続させるのに十分であるため、可変−容
量ガス容器からの流れがコントロールユニットによって
停止されるからである。

【００１３】前者は、麻酔装置のコントロールユニット
が可変−容量容器および新鮮なガス源の両方からの流れ
を制御しているシステムでより頻発する。

【００１４】後者は、新鮮なガスの継続流の設定を外科
医が手動で行うシステムでより頻発する。故にコントロ
ールユニットは、設定した吸気特性を維持するために、
麻酔システムの他の部分におけるガス流を制御してい
る。

【００１５】ガス容器を満たすのに過剰の呼吸ガスを使
用できる。このとき患者は、次の呼吸サイクルでより大
きい割合の呼吸ガスを受け取る。

【００１６】吸気完了前の第２相中にガス容器が完全に
一杯になると、第３相で過剰分は放出される。

【００１７】患者へ送るガスが吸気第２相または第３相
で増加したために、吸気の持続に必要な新鮮なガス流が
十分でなくなると、麻酔装置は第１相へ戻り、ガス容器
からガスを供給する。

【００１８】第２相および第３相の効果を獲得するため
に、麻酔装置は様々な方法で制御できる。

【００１９】一つの方法は、新鮮なガス流が十分になる
ように（吸気の維持に十分量であり、かつ特定の体積ま
でガス容器を充満することさえ可能な量）、このガス流
の正の制御を行うコントロールユニットを考案すること
である。

【００２０】別の方法は、ひとつかそれ以上のバルブを
麻酔装置の要所、有利にガス容器、に設置し、それらを
制御することによって吸気を維持することである。

【００２１】こうして、新鮮なガス流は一定かつ（おそ
らく）継続性を保つことができる。

【００２２】本発明の麻酔装置は特に圧力−制御モード
で使用するのが好適であり、ここで圧力ゲージは、患者
の圧力を測定するために患者へ直接または患者に近接さ
せて使用する。

【００２３】この麻酔装置について、図面を参照しなが
ら以下に詳細を記載する。

【００２４】図１は、本発明の麻酔装置の第１の実施態
様を示す図である。

【００２５】図２は、第２の実施様態における麻酔装置
の一部分を示す図である。

【００２６】本発明の麻酔装置の第一の実施様態を図１
に示し、２と表示する。麻酔装置２は、患者を麻酔する
目的で患者４へと接続される。

【００２７】麻酔装置２は可変−容量ガス容器６を有
し、可変−容量ガス容器６は吸気用ライン８および呼気
用ライン１０とともに、麻酔装置２中にガスフローシス
テムを構築する。

【００２８】ガス容器はベローズ、ピストンまたはその
他の可変−容量容器から成る。これらは麻酔技術におい
て公知であり、明細書中でさらに詳細を記載する必要は
ない。

【００２９】第一チェックバルブ１２は吸気用ライン８
中に設置され、第２チェックバルブ１４は呼気用ライン
１０中に設置される。チェックバルブ１２、１４の働き
は、ガスフローシステムにおけるガス流の方向を制御す
ることである。ガス流の方向の制御に、チェックバルブ
（１２、１４）に代えてファンを使用することもでき
る。

【００３０】第一の調整バルブ１６は、ガス容器６と吸
気用ライン８および呼気用ライン１０との間を連結する
ように設置される。この第一バルブ１６の機能について
以下により詳細を示す。ガス容器６の容量は容量レギュ
レーター１８によって制御される。ピストンを使用する
場合には、容量レギュレーター１８はピストンの位置制
御用モーターから成る。ガス容器６がベローズから成る
場合、レギュレーター１８は、ベローズ内部のガスとの
圧力相互作用のための駆動ガス用のシステムまたはベロ
ーズの位置を変化させるためのメカニカルシステムから
成る。

【００３１】ガスは、排気ライン２０を通ってガスフロ
ーシステムから排出可能である。第２バルブ２２は排気
ライン２０中に設置され、そのより詳細を以下に記載す
る。

【００３２】新鮮なガスは、新鮮なガスライン２６を介
して新鮮なガス用のシステム２４からガスフローシステ
ムへと添加できる。原則的に、新鮮なガスは、たとえば
継続的に、断続的に、可変的になど様々な方法で添加で
きる。

【００３３】麻酔装置２は、全ての制御可能なユニット
に接続したコントロールユニット２８によって制御させ
る。麻酔装置２は、担当外科医および麻酔装置２中で測
定されるパラメーターによって選択されたプログラム呼
吸モードにより制御される。そのようなパラメーターの
一つは圧力である。圧力は圧力ゲージ３０で測定でき
る。この実施態様において圧力ゲージ３０は、患者の圧
力を測定するために患者４に近接して設置される。麻酔
装置２を管理または制御するのに公知の方法で使用され
るフローメーター、温度計またはその他のゲージと同様
に、別の圧力ゲージも麻酔装置２の別の位置に設置でき
る。

【００３４】本発明の麻酔装置２の特別な機能を以下に
記す。この記載が容易に理解できるように、新鮮なガス
用のシステム２４は継続的で一定の新鮮なガス流を搬送
し、かつ圧力−制御モードが適用されるものと仮定す
る。

【００３５】吸気の開始時に、ガス容器６は、患者４に
対してプレ−セットした特定のガス圧力を生じるガス流
を、新鮮なガス流と共に供給する。ガス容器６は、この
圧力を維持するように制御される。これが、吸気第１相
である。

【００３６】患者４へのガス流が減弱すると、プレ−セ
ットしたガス圧力の維持には新鮮なガスで本質的に十分
になり、容器６からのガス流は完全に停止する。これ
が、吸気第２相である。

【００３７】新鮮なガスが一定であり、過剰ガスが増加
するので、圧力が上昇しないよう、これを回避すべきで
ある。

【００３８】本発明では、ガス容器６が制御されて過剰
な新鮮なガスはそこへ搬送される。従って、吸気が継続
する間、ガス容器６は新鮮なガスで充満するが、前もっ
ては不可能である。第一バルブ１６および容量レギュレ
ーター１８が制御されることで圧力が維持でき、それに
より容器６へのガスの流入が誘起されるため、患者４に
対する圧力維持が可能となる。

【００３９】ガス容器が充満すると、吸気は第３相へ移
行し、ここで過剰ガスは第２バルブ２２を介し排気ライ
ン２０を通って、ガス排気ユニットへと搬送される。第
３相の頻発は、新鮮なガス流の過剰を意味する。この効
果の情報は、次いで、ガス流の減少を推奨する表示とな
って表れる。言い換えれば、新鮮なガス流が自動的に減
少する。

【００４０】患者４への流入が第２相または第３相にお
いて突如新鮮なガス流を上回ると、麻酔装置２は第１相
へ逆戻りし、ガス容器６から必要なガスを供給する。

【００４１】ガスフローシステムにおいてガスの総消費
量が低くかつ最少圧縮体積を有するシステムは、適当な
様式のプレ−セットパラメーターを採用することで獲得
できる。

【００４２】実施例において、新鮮なガス用のシステム
２４は継続的かつ一定のガス流を供給することのみを意
図しており、新鮮なガス用のシステム２４はコントロー
ルユニット２８による制御を必要としない。すなわち、
新鮮なガス用のシステム２４は完全に手動である。

【００４３】前記の記載は、容量−制御モードおよびそ
の他の作動モードにも当てはまる。

【００４４】図２は、本発明の麻酔装置の第２の実施態
様の一部であり、ベローズの形をしたガス容器３２は気
密性の閉鎖容器３４の内部に設置される。ベローズ３２
の内部は第１バルブ３８を介してガスライン３６に接続
している。ガスライン３６は吸気用ラインまたは呼気用
ラインから成る。

【００４５】容量レギュレーター４０はベローズ３２の
内部のガス圧力に作用できるように、閉鎖容器３４に接
続される。容量レギュレーター４０はたとえば調整可能
なガス源の形であってよい。

【００４６】排気システム４２は第２バルブ４４を介し
て容器３４に接続しており、ガスライン３６は第３バル
ブ４６を介して排気システム４２へ接続している。

【００４７】吸気第１相において、前記のように、ベロ
ーズ３２を圧縮するために特定の圧力でガスを密閉容器
３４中へ供給する。第１バルブ３８が開口し、それによ
ってガス流はガスライン３６へ送られる。

【００４８】第２相において、容量レギュレーター４０
で供給していたガスを停止する。第１バルブ３８の閉口
と同時に第２バルブ４４が開口することにより、ガスが
容器３４から排気システム４２へ移動できる。次に、第
２バルブ４４は、容器３４中の圧力が過剰に低下しない
ように制御する。これにより、ベローズ３２からのガス
の速やかな再−搬送が可能になる。

【００４９】ガスライン３６が過剰の新鮮なガスを含有
する場合、第１バルブ３８が働いて過剰分をベローズ３
２へと供給する。ベローズ３２は、その外部圧力（密閉
容器３４の内部）が減少すると拡張する。すなわち、第
１バルブ３８が過剰分をベローズ３２への供給を確保す
ると同時に第２バルブ４４を制御できる。

【００５０】第３相が必要な場合、第１バルブ３８が閉
口し、第３バルブ４６が開口して、過剰ガスは、直接排
気システム４２へ通過する。

【００５１】本発明の麻酔装置は２つの限定された実施
様態しか記載していない。しかし、本発明の基本理念
は、新鮮なガス単独で吸気を維持するのに必要な変更を
行えば、すべての公知の麻酔装置に実際に適用可能であ
る。

【００５２】ガス容器が空の時、またはガスフローシス
テム内の流れが、新鮮なガス流である時に、新鮮なガス
単独で吸気が維持される。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の麻酔装置の第１の実施態様を
示す図である。

【図２】図２は、第２の実施様態における麻酔装置の一
部分を示す図である。

【符号の説明】

２ 麻酔装置 ４ 患者 ６；３２,３４ 可変−容量ガス容器 ８ 吸気ライン １０ 呼気ライン ６,８,１０ ガスフローシステム １２ 第１チェックバルブ １４ 第２チェックバルブ １６ 第１調整バルブ ２０ 排気ライン ２２ 第２バルブ ２４ 新鮮なガス用のシステム ２６ 新鮮なガスライン ２４,２６ 新鮮なガス用のシステム ２８ コントロールユニット ３０ 圧力ゲージ ３２ ベローズ ３４ 気密性の閉鎖容器 ３６ ガスライン ３８ 第１バルブ ４０ 容量レギュレーター ４２ 排気システム ４４ 第２バルブ ４６ 第３バルブ

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 呼吸ガス用可変−容量ガス容器（６；３
   ２、３４）有するガスフローシステム（６、８、１
   ０）、新鮮なガスをガスフローシステム（６、８、１
   ０）へ供給するための新鮮なガス用のシステム（２４、
   ２６）および、コントロールユニット（２８）から成
   り、このコントロールユニット（２８）が、吸気第１相
   において可変−容量ガス容器（６；３２、３４）を制御
   し、呼吸ガス流を減少させるとともに新鮮なガス用のシ
   ステム（２４、２６）から供給される新鮮なガス流と混
   合させる麻酔装置（２）において、吸気の完了前に可変
   −容量ガス容器（６；３２、３４）からの呼吸ガス流が
   停止した場合、コントロールユニット（２８）が作動し
   て、吸気第２相が始動し、該第２相においてコントロー
   ルユニット（２８）が麻酔装置（２）を制御して新鮮な
   ガス用のシステム（２４、２６）からの新鮮なガス流に
   より吸気を維持する麻酔装置（２）。
2. 【請求項２】 コントロールユニット（２８）が、第２
   相において可変−容量ガス容器（６；３２、３４）を制
   御し、新鮮なガス用のシステム（２４、２６）からの過
   剰な新鮮なガス流を可変−容量ガス容器（６；３２、３
   ４）へ搬送する、請求項１記載の麻酔装置。
3. 【請求項３】 吸気の完了前に可変−容量ガス容器
   （６；３２、３４）が充満した場合に、コントロールシ
   ステム（２８）が吸気第３相を起動し、該３相において
   コントロールユニット（２８）が麻酔装置（２）を制御
   して、新鮮なガス用のシステム（２４、２６）からの過
   剰な新鮮なガス流を排気システム（４２）へ搬送し、ガ
   スフローシステム（６、８、１０）から過剰ガスを除去
   する、請求項２記載の麻酔装置。
4. 【請求項４】 新鮮なガス用のシステム（２４、２６）
   からの新鮮なガス流が不十分になると、コントロールユ
   ニット（２８）が麻酔装置（２）を制御して第１相へ逆
   戻りさせる、請求項２または３記載の麻酔装置。
5. 【請求項５】 新鮮なガス用のシステム（２４、２６）
   が継続的および、有利に、一定の新鮮なガス流をガスフ
   ローシステム（６、８、１０）へ供給し、第１バルブ
   （１６；３８）が可変−容量容器（６；３２、３４）に
   設置されてガス容器（６；３２、３４）へのガス流の流
   出入を制御し、第２バルブ（２２；４４、４６）が排気
   システム（４２）に設置されて排気システム（４２）へ
   のガス流を制御する、請求項１から４までのいずれか１
   項記載の麻酔装置。
6. 【請求項６】 新鮮なガス用のシステム（２４、２６）
   が、新鮮なガスをガスフローシステム（６、８、１０）
   へ搬送するのを、コントロールユニット（２８）が制御
   する、請求項１から４までのいずれか１項記載の麻酔装
   置。
7. 【請求項７】 測定システムが、ガスフローシステム
   （６、８、１０）中の圧力を測定する少なくともひとつ
   の圧力ゲージ（３０）を含み、コントロールユニット
   （２８）が吸気中に麻酔装置（２）を制御することによ
   り、ガスフローシステム（６、８、１０）のプレ−セッ
   ト圧力を維持する、請求項１から６までのいずれか１項
   記載の麻酔装置。