JP2001346880A - 高頻度人工呼吸器及びその動作制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
高頻度人工呼吸器及びその動作制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体Info
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Abstract
を課題とする。 【解決手段】吸気供給用の吸気導入部62と、吸気を患
者へ案内する患者側経路60と、吸気に振動空気圧を付
勢する振動空気圧付勢部50と、呼気の排出経路604
と、平均気道内圧を調節する内圧調節部607と、吸気
圧力検出用の圧力センサ93と、圧力センサ93の出力
に基づいて内圧調節部607の動作制御を行うコントロ
ーラ40とを備え、このコントローラ40は、圧力セン
サ93の出力から順次検出圧力を抽出するサンプリング
部80と、抽出検出圧力P(1),P(2),P(3)を記憶し順次更
新するメモリと、P(1),P(2),P(3)の変化パターンに応じ
た平均気道内圧Phを算出する演算部83と、算出平均気
道内圧PhをP(3)としてメモリ81に書き込む更新部82
とを有している。
Description
及びその動作制御プログラムを記録したコンピュータ読
み取り可能な記録媒体に関する。
示す。この高頻度人工呼吸器200は、患者Xへの酸素
を含んだ吸気を供給する吸気導入部62と、この吸気導
入部62から吸気を患者Xへ案内する患者側経路60
と、この患者側経路60を流れる吸気に患者Xの呼吸周
期よりも短い周期の振動空気圧を付勢する振動空気圧付
勢部50と、患者Xから出された二酸化炭素を含んだ呼
気を大気中に排出する排出経路(排出管604)と、患
者側経路60から排出管604にかけての平均気道内圧
を調節する内圧調節部としての流量調節バルブ607
と、人工呼吸器200の各部の動作制御を行うコントロ
ーラ201を備えている。
理を説明する。まず、患者Xに供給される吸気に高頻度
振動空気圧が付勢されると、当該吸気の圧力振幅によ
り、患者Xの肺中の二酸化炭素を含んだ吸気(以下、呼
気とする)に対して小容量の換気(対流的なガス交換)
が起る。即ち、吸気の振動による拡散運動の効果で、肺
内に吸気が侵入すると共に肺内の呼気が肺の外(患者口
元)まで導き出される。後続の吸気は、上述の換気を行
うと共に肺から導き出された呼気を排気口側に送り出す
作用をも有している。これにより、患者の肺内を常に一
定の酸素濃度に維持することを可能としている。
は、医者が患者(人工呼吸が行われる対象者)の様態に
合わせて任意に選んだ高頻度振動空気圧の振動周波数
(一般に3〜15[Hz]、以下、この振動周波数を換気周波
数と記載する)に設定し、平均気道内圧を5〜15[cmH2O]
(490〜1470[Pa])の範囲に設定して、人工呼吸を行
う。
重に応じて決定する。即ち、患者Xの体と吸気の振動を
共振させて吸気の拡散効果を高め、肺内の換気を効率良
く行い得る周波数に設定される。一般には、人工呼吸の
対象が新生児の場合には換気周波数は13〜15[Hz]程度に
設定され、小人から成人は3〜10[Hz]程度に設定され
る。
数で吸気を振動させつつ吸気の平均気道内圧を医者が希
望した圧力に維持しなければならない。ここで、従来の
平均気道内圧の検出方法を説明する。
近に設けられた圧力センサ93から、振動波形からなる
検出信号の1波形分を所定の時間間隔でサンプリングし
さらに各サンプリングデータを平均化してその1波形分
の平均圧力を算出する。具体的には、まず一周期にあた
る1波形分の検出信号をn等分する時間間隔でサンプリ
ングし、最初のサンプリングデータからn番目のサンプ
リングデータまでの値を加算しnで除算することにより
一波形分の平均圧力Paを算出する。
Paを算出すると、m個分の平均圧力Paからさらにその平
均値を算出する。そして、その後も圧力センサ93から
は絶えず検出信号が入力されるので、順次一周期分の平
均圧力Paが算出され、そのたびに当該最新のPaを加える
と共に最古のPaを切り捨ててm個の平均圧力Paから移動
平均の手法により平均気道内圧Pcaを絶えず算出する
(次式(2))。
続けるこの平均気道内圧Pcaを所定の圧力に維持する動
作制御を行っている。この平均気道内圧Pcaは、排出管
604の末端部に設けられた流量調節バルブ607のバ
ルブ開度を調節することで自在に変化させることができ
る。
気道内圧Pcaと医者が希望する目標平均気道内圧Pgとを
比較して、Pg>Pcaであれば流量調節バルブ607の開
度を小さくして管内圧力を高め、Pg<Pcaであれば流量
調節バルブ607の開度を大きくして管内圧力を低める
動作制御が行われる。
生児に多く用いられ、新生児の高頻度換気法による治療
は、15[Hz]付近が多く使われていた。15[Hz]の振動波形
の特性情報を求めるためには、6[msec]毎に圧力をサン
プリングすれば、1波形当たり11個のサンプリングデー
タが得られる。図18は、換気周波数15[Hz]における吸
気の平均気道内圧Pcaを求めるための概念図である。ま
ず、6[msec]のサンプリング間隔で求まる平均圧力Paを
次式(3)に示す。
求め、それらから移動平均圧力Pcaを算出することで、
流量調節バルブ607の動作制御(平均気道内圧調節)
が行われる。このように、換気周波数15[Hz]にほぼ固定
して行われる新生児の高頻度人工呼吸については、従来
から平均気道内圧Pcaを目標の値に設定することが可能
であった。
対して高頻度人工呼吸を行う場合には、新生児に用いら
れる13〜15[Hz]より波長の長い3〜10[Hz]の低周波を用
いる。例えば、換気周波数を5[Hz]に設定した場合、1波
形の平均圧力Pa算出のために200[msec]ものサンプリン
グのための待機時間が必要となる。この待機時間は、前
述した15[Hz]の場合の3波形分の時間に相当する。
動平均を採るとすると、最初の移動平均を求める間、20
0×10=2000[msec]=2[sec]必要となる。この2[sec]は
データサンプリング及び平均気道内圧Pcaの算出に要す
る時間であり、かかる間はデータ処理がされないため、
流量調節バルブ607の動作制御は、全くしていないこ
とになる。
新の波形データがサンプリングされる200[msec]後であ
り、前の平均気道内圧Pcaに対して、直ちに流量調節バ
ルブ607の制御をしても、その結果、患者回路内の平
均気道内圧Pcaがどの程度変化したかがわかるのは、次
の200[msec]後となってしまう。特に空気の場合、圧縮
性流体であるうえ、空気慣性などもあり、平均気道内圧
Pcaを基準に流量調節バルブ607を制御した結果とし
て、患者回路の圧力上昇や低下の実現象が、すぐ次の圧
力波形に現れるとは限らず、次の次の圧力波形やさらに
その次の圧力波形に現れることもあった。
合には、制御対象の空気に圧縮性流体であることや空気
慣性の影響があっても、1波形ごとの短い周期(66[mse
c])で平均気道内圧Pcaが求まり、制御間隔の短いフィ
ードバック制御であったため、小刻みに流量調節バルブ
607の制御が可能であり、制御対象である空気圧変化
の時定数の影響を受けることなく、目標となる平均気道
内圧に安定的に制御させることが可能であった。
の周期が200[msec]と長い場合、移動平均をもとにした
フィードバック制御の間隔が長くなる。検出圧力から移
動平均化した平均気道内圧Pcaを算出し、その値により
目標の平均気道内圧になるように流量調節バルブ607
を制御しても、1波形の圧力データを取る時間が200[ms
ec]を要するので、小刻みな流量調節バルブ607の制
御ができない。このように長い周期でしか流量調節バル
ブ607の開閉制御ができないため、平均気道内圧Pca
を安定的に保つことができなかった。
を改善し、換気周波数が小さい場合であっても、平均気
道内圧を良好に制御し得る高頻度人工呼吸器及びその動
作制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能
な記録媒体を提供することを、その目的とする。
酸素を含んだ吸気を供給する吸気導入部と、吸気を患者
へ案内する患者側経路と、患者への吸気に高頻度の振動
空気圧を付勢する振動空気圧付勢部と、患者から吐出さ
れた呼気を大気中に排出する排出経路と、患者へ供給す
る吸気の平均気道内圧を調節する内圧調節部と、患者付
近の吸気の圧力を検出する圧力センサと、圧力センサの
出力基づいて内圧調節部の動作制御を行うコントローラ
とを備えた高頻度人工呼吸器を示すものである。
の出力から所定のサンプリング間隔で順次検出圧力を抽
出するサンプリング部と、抽出された順番に三つの検出
圧力P(1),P(2),P(3)を記憶すると共に新たに検出圧力が
抽出される度に検出圧力P(1),P(2),P(3)を更新するメモ
リと、三つの検出圧力P(1),P(2),P(3)の圧力変化のパタ
ーンに応じた平均気道内圧Phを算出する演算部と、この
平均気道内圧Phが算出されると当該Phを検出圧力P(3)と
してメモリに書き込む更新部とを有している。本発明
は、かかる構成により、上記課題の解決を図ろうとする
ものである。
圧を付勢されて供給される吸気の一周期当たりの平均的
な圧力をいう。
は、平均気道内圧Phが目標値となるように内圧調節部の
動作制御を行う内圧制御部を新たな構成として加えてい
る。いる。
ラは、サンプリング部から所定個数の検出圧力が抽出さ
れる度にそれらを平均化すると共にその値を検出圧力と
して前記メモリに出力する平均処理部を新たな構成とし
て加え、演算部は、平均化された検出圧力に基づいて平
均気道内圧を算出するという構成を採っている。
演算部が、aを所定の圧力差,K,L,M,N,Oを所
定の係数とすると、圧力変化のパターンが、P(1)≦P(2)
<P(3) 且つ P(1)−P(2)+a≧P(3)−P(2)の場合に
は、修正圧力Psを式Ps=P(2)+K・(P(3)−P(2))から
算出する。また、圧力変化のパターンが、P(1)>P(2)>
P(3)の場合には、修正圧力Psを式Ps=P(2)−{P(1)−P
(2)+L・(P(2)−P(3))}から算出する。また、圧力変
化のパターンが、P(1)<P(2) 且つ P(2)>P(3)の場合
には、修正圧力Psを式Ps=P(2)−M・(P(2)−P(1))−
N・(P(2)−P(3))から算出する。また、圧力変化のパ
ターンが、P(1)>P(2) 且つ P(2)<P(3)の場合には、
修正圧力Psを式Ps=O・(P(1)−P(2))+P(2)から算出
する。そして、上述したいずれかの圧力変化のパターン
に該当する場合には、算出されたいずれかの修正圧力Ps
を含む式Ph=(P(2)+Ps)/2に基づいて平均気道内圧P
hを算出する。また、演算部では、圧力変化のパターン
が上記いずれの場合にも該当しないときには検出圧力P
(3)をそのまま平均気道内圧Phとして出力する。
の演算により求められた平均気道内圧Phが目標値となる
ように、内圧調節部の動作制御を行う。
ーンが、P(1)≦P(2)<P(3) 且つP(1)−P(2)+a≧P(3)
−P(2)の場合に限り、修正圧力Psを式Ps=P(2)+Q・H・
(P(3)−P(2))から算出し、このPsから平均気道内圧Ph
を算出する。ここで、上記Qは所定の係数,Hは振動空
気圧付勢部の一周期の換気量の関数を示す。なお、ここ
でいう振動空気圧付勢部の一周期の換気量の関数とは、
振動空気圧の一周期当たりの換気量そのものであっても
良く、また当該換気量を決定する他のパラメータ(例え
ば、振動空気圧付勢部の駆動源の出力)であっても良
い。これらの値は、高頻度人工呼吸器の操作時において
設定入力される数値をそのまま演算に使用する場合が考
えられる。
当する場合には請求項3記載の発明と同様である。
工呼吸器のコントローラの有する各構成及び機能をコン
ピュータにて実現させる動作制御プログラムを記録した
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を示すものであ
る。
記圧力センサの出力から所定のサンプリング間隔で順次
検出圧力を抽出するサンプリング部、抽出された順番に
三つの検出圧力P(1),P(2),P(3)を記憶すると共に新たに
検出圧力が抽出される度に検出圧力P(1),P(2),P(3)を更
新するメモリ、順番に抽出された三つの検出圧力P(1),P
(2),P(3)の圧力変化のパターンからこれに応じた平均気
道内圧Phを算出する演算部、及び、この平均気道内圧Ph
が算出されると当該Phを検出圧力P(3)としてメモリに書
き込む更新部からなる各構成をコンピュータにて機能さ
せる。
体に記録された動作制御プログラムが、この算出された
平均気道内圧Phと予め設定された目標値とを比較判定す
る判定する判定部、この判定部の判定結果が平均気道内
圧を高いとする場合に内圧調節部への平均気道内圧低減
指令を出力し,平均気道内圧が低いとする場合に内圧調
節部への平均気道内圧増加指令を出力する駆動指令出力
部、を新たにコンピュータに機能させる。
体に記録された動作制御プログラムが、サンプリング部
から所定個数の検出圧力が抽出される度にそれらを平均
化すると共にその値を検出圧力として順次演算部に出力
する平均処理部、を新たにコンピュータに機能させると
共に、前述した演算部が、平均化された検出圧力に基づ
いて平均気道内圧を算出するように、コンピュータを機
能させる。
K,L,M,N,Oを所定の係数とすると、上述の演算
部が以下の演算を行うようにコンピュータに機能させ
る。まず、圧力変化のパターンが、P(1)≦P(2)<P(3)
且つ P(1)−P(2)+a≧P(3)−P(2)の場合に、修正圧力
Psを式Ps=P(2)+K・(P(3)−P(2))から算出する。ま
た、圧力変化のパターンが、P(1)>P(2)>P(3)の場合
に、修正圧力Psを式Ps=P(2)−{P(1)−P(2)+L・(P(2)
−P(3))}から算出する。また、圧力変化のパターン
が、P(1)<P(2) 且つ P(2)>P(3)の場合に、修正圧力
Psを式Ps=P(2)−M・(P(2)−P(1))−N・(P(2)−P
(3))から算出する。また、圧力変化のパターンが、P
(1)>P(2) 且つ P(2)<P(3)の場合に、修正圧力Psを
式Ps=O・(P(1)−P(2))+P(2)から算出する。そし
て、算出されたいずれかの修正圧力Psを含む式Ph=(P
(2)+Ps)/2に基づいて平均気道内圧Phを算出する。さ
らに、圧力変化のパターンがいずれの場合にも該当しな
いときには検出圧力P(3)をそのまま平均気道内圧Phとし
て出力する。
所定の圧力差,L,M,N,O,Qを所定の係数,振動
空気圧付勢部の駆動出力をHとすると、上述の演算部が
以下の演算を行うようにコンピュータに機能させる。
<P(3) 且つ P(1)−P(2)+a≧P(3)−P(2)の場合に、
修正圧力Psを式Ps=P(2)+Q・H・(P(3)−P(2))から算
出し、これに基づいて平均気道内圧Phを算出する。な
お、ここでいう振動空気圧付勢部の一周期の換気量の関
数とは、振動空気圧の一周期当たりの換気量そのもので
あっても良く、また当該換気量を決定する他のパラメー
タ(例えば、振動空気圧付勢部の駆動源の出力)であっ
ても良い。これらの値は、高頻度人工呼吸器の操作時に
おいて設定入力される数値をそのまま演算に使用する場
合が考えられる。そして、その他の機能は請求項7記載
の発明と同様である。
の実施形態を図1乃至図12に基づいて説明する。図1
は、本実施形態たる高頻度人工呼吸器12の構成を示す
ブロック図である。
酸素を含んだ吸気を供給する吸気導入部62と、この吸
気導入部62から吸気を患者Xへ案内する患者側経路6
0と、この患者側経路60を流れる吸気に患者Xの呼吸
周期よりも短い周期の振動空気圧を付勢する振動空気圧
付勢部50と、患者Xから出された二酸化炭素を含んだ
呼気を大気中に排出する排出経路(排出管604)と、
患者側経路60及び排出経路としての排出管604の平
均気道内圧を調節する内圧調節部としての流量調節バル
ブ607と、患者側経路60の内部圧力を検出する圧力
センサ93と、人工呼吸器12の各部の動作制御を行う
コントローラ40とを備えている。
素及び空気の供給源621a,621bと接続され、こ
れらを混合する第一の調節手段としてのブレンダ621
と、ブレンダ621から送り出される空気を加湿する加
湿器622とから構成されている。
は、それらをそれぞれ封入したボンベや病院施設に備え
付けられたこれらの供給バルブから構成される。これら
の供給源621a,621bは、常に一定圧力でブレン
ダ側に酸素及び空気を供給している。
21bとの接続部に図示しない流量調節自在の弁を有
し、これらを調節して吸気の酸素濃度を自在に設定する
ことができる。また、ブレンダ621は、吸気を加湿器
622側に流す図示しない流量調節自在の出力バルブを
備えている。なお、上記吸気の酸素濃度設定や流量設定
は、コントローラ40からの動作信号を受けて自在に行
われるようになっている。
Xへ供給する吸気管623が接続されている。吸気管6
23は、その途中で分岐して一端側が後述するダイヤフ
ラム機構56の被加圧室563に連通されるとともに、
その他端側が後述する三方分岐管170に接続されてい
る。
0は、陽圧及び陰圧の両方の空気圧を同時に発生する振
幅調節部としてのブロワ52と、ブロワ52で発生した
陽圧又は陰圧を交互に選択して所定の振動空気圧に変換
する周波数調節部としてのロータリバルブ機構54と、
ロータリバルブ機構54からの振動空気圧に付勢されて
作動し,吸気導入部62から患者Xに供給される吸気に
振動空気圧を付勢するダイヤフラム機構56とを含む構
成を採っている。
り込みまたその空気を送り出すことにより陽圧と陰圧と
を同時に発生させる。ブロワ52の空気取り込み口は、
後述するロータリーバルブ機構54の陰圧ポート542
に接続され、空気の送り出し口は陽圧ポート541に接
続されている。
動させるモータとを有している。このモータはインバー
タを備え、その出力をコントローラ40にて制御するこ
とにより空気の送出量及び振動空気圧Apnの大きさ(圧
力振幅)を設定している。
ら陽圧が入力される陽圧ポート541と、ブロワ52か
ら陰圧が付勢される陰圧ポート542と、振動空気圧を
出力する出力ポート543と、自らの回転により出力ポ
ート543を陽圧ポート541と陰圧ポート542とに
交互に接続するロータリバルブ544と、ロータリバル
ブ544を回転させる駆動部545とから構成されてい
る。
速機からなり、ロータリバルブ544をコントローラ4
0にて指定された回転数で回転させる。ロータリバルブ
544は、一回転するごとに、ポート541とポート5
43とのみを一回連通させ、続いてポート542とポー
ト543とのみを一回連通させる。従って、供給される
吸気に対して駆動部545の回転数に比例した振動周波
数の振動空気圧Apnを付勢する。コントローラ40は、
かかる駆動部545の回転数の制御を行うことにより振
動空気圧Apnの振動周波数(換気周波数)の制御を行っ
ている。
に、ブロワ52の空気の送出量の制御も行っており、上
記振動周波数に応じて当該空気の送出量を設定すること
により振動空気圧付勢部における一回換気量(振動空気
圧Apnの一振動周期当たりの振幅量)の設定を自在とし
ている。
をダイヤフラム機構56へ伝達する振動空気圧管546
が接続されている。
び被加圧室563と、加圧室562と被加圧室563と
の間を仕切るとともに伸縮自在の膜状部材で形成された
ダイヤフラム561とを備えている。加圧室562は振
動空気圧管546に接続されている。加圧室562はロ
ータリーバルブ54の出力ポート543に接続されてお
り、被加圧室563は吸気管623に接続されている。
かかる構造によりロータリーバルブ54で形成された振
動空気圧はダイヤフラム561を介して吸気管623内
を流動する吸気に付勢される。このダイヤフラム機構5
6により、振動空気圧付勢部50と患者Xとの間での気
体の流通を遮断し、相互の汚染を防止している。
12は、吸気管623の下流側に三方分岐管170を備
え、当該三方分岐管170がさらに下流側を患者X側と
排出経路側とに分岐させている。この三方分岐管170
は、患者側管路171,酸素供給源側管路172及び呼
気排出側管路173の三つの管路を備えており、これら
の管路は全て内部で連通している。上記酸素供給源側管
路172は吸気管623と接続されている。そして、患
者側管路171は、その患者側端部に、患者Xの肺内に
至る気管内挿入管81が自在に装着される被装着部17
1aが形成されている。
と気管内挿入管81とが患者側経路60を構成してい
る。また、患者側管路171には平均気道内圧を検出す
る患者側圧力センサ93が設けられており、検出圧力は
コントローラ40に出力される。
装着部171aに装着され、先端部が患者Xの口から気
管内に挿入される。かかる先端部は、だいたい気管が左
右の気管支に分岐する分岐点(第一分枝)まで挿入され
る。従って、気管内挿入管81は、患者Xの口から第一
分枝まで充分に届く長さに設定されており、また当然の
ことながら気管内に挿入可能な外径のものが使用され
る。
枝まで22〜26[cm]程度であり、これに三方分岐管170
の患者側管路171から口元までの長さが+3〜5[cm]あ
るので、気管内挿入管81は合計して25〜31[cm]程の長
さであれば良く、本実施形態では30[cm]に設定される。
また、気管内挿入管81は、内側の直径が3[mm],5[mm],
6[mm],8[mm]の四種が用意されており、患者の気管の内
径に応じたものが選択されて使用される。一般に通常の
成人を対象とした場合、気管内挿入管81の内径は8[m
m]程度のものが使用される。
あり、被装着部171aに対して着脱自在となってい
る。従って、人工呼吸に使用された後には取り外して廃
棄又は除菌洗浄されて再利用される。
呼気排出側管路173は、排出経路としての排出管60
4の一端部と接続され、この排出管604の他端部には
内圧調節部としての流量調節バルブ607が接続されて
いる。これら排出管604と流量調節バルブ607と
は、患者Xの肺から出された二酸化炭素を含んだ呼気の
通り道となっている。
部切り欠いて示した拡大図である。この図に示すよう
に、流量調節バルブ607は、筺体607aと排気ポー
ト607bと流量制御用の移動弁(制御用シリコンシー
ト)607cと、この移動弁607cを一定方向に沿っ
て前後進移動させる往復付勢機構としてのソレノイド6
07dとを備えている。
0からの制御信号に応じた移動量で移動弁607cを移
動させ、これにより、流量調節バルブ607の呼気排出
量の調節が自在に行われる。患者側経路60は排気管6
04と連通しているので、かかる呼気排出量の調節によ
り、排気管604のみならず患者側経路60の内部圧力
をも調節することを可能としている。
について図1及び図3を参照して説明する。図3は高頻
度人工呼吸器12の制御系を示すブロック図である。こ
のコントローラ40は、CPU,ROM,A/D変換器
を含む演算装置で構成され、後述する高頻度人工呼吸器
12の動作制御を実行するプログラムが入力されてい
る。
工呼吸器12のオペレータ)が高頻度人工呼吸器12の
各部の操作条件を入力するための操作盤43と入力操作
条件を表示する表示部44とが併設されている。
2のオペレータたる医者が、患者Xの肺に対する一回換
気量,振動空気圧の振動周波数(以下、「換気周波数と
する」),吸気の供給量,患者側経路内の平均気道内
圧,選択した気管内挿入管81の径及び吸気の酸素濃度
を入力する例えばキーボードからなる入力手段である。
なる表示部であり、動作制御部49の制御により受付部
41に入力された上記操作条件は全てこの表示部44に
て表示される。
43から操作条件の設定入力を受け付ける受付部41
と、この受付部41に入力された各入力値に基づいて振
動空気圧付勢部50のブロワ52及びロータリーバルブ
54と吸気導入部62とに対する動作制御を行う動作制
御部49とを備えている。
件は全て、受付部41にて記憶される。この受付部41
は一時的に記憶を行うメモリであり、上記各々の操作条
件が新たに入力されると、それまで記憶されていた操作
条件を上書きして更新する。
た吸気の酸素濃度を参照し、吸気導入部62のブレンダ
621の各供給源621a,621b側のバルブを所定
の割合の開度で開く動作制御を行う。また同時に、受付
部41の吸気供給量を参照し、吸気導入部62のブレン
ダ621の出力バルブを所定の開度で開く動作制御を行
う。
記憶された換気周波数を参照し、振動空気圧付勢部50
のロータリーバルブ54の駆動部545が記憶された換
気周波数となるように回転数を調節する動作制御を行
う。また、受付部41に記憶された患者の肺に対する一
回換気量から振動空気圧付勢部50の一周期当たりの一
回換気量を決定するブロワ52の駆動モータの出力(駆
動出力)を決定し、その動作制御を行う。
して入力される患者側圧力センサ93の出力から予め決
められたサンプリング間隔で順次検出圧力を抽出するサ
ンプリング部80と、サンプリングされた各検出圧力の
データを一時的に記憶するメモリ81と、サンプリング
部80から抽出された検出圧力のデータが10個蓄積され
る度にそれらを平均化し順次メモリ81に出力する平均
処理部82と、順番に平均化された三つの検出圧力P
(1),P(2),P(3)の圧力変化のパターンからこれに固有の
平均気道内圧Phを算出する演算部83と、この平均気道
内圧Phが目標値となるように流量調節バルブ607の動
作制御を行う内圧制御部84とを有している。
80は、患者側圧力センサ93からのアナログ出力を1
[msec]のサンプリング間隔のデジタル出力に変換するA/
D変換機能を備えている。
少なくとも10[msec]分(実際はより大きく設定されてい
る)の出力の記憶領域と平均処理部82で算出する平均
圧力を少なくとも三つ記憶する記憶領域とを有してい
る。
出力がメモリ81に10個蓄積される度にその値の平均値
を算出し、その値を新たにメモリ81に書き込む。算出
された検出圧力は、その検出された順番にP(1),P(2),P
(3)の番号が付されてメモリ81に記憶される。そし
て、新たな平均値が算出されるごとに、当該新たな平均
値をP(3)に、もとのP(3)をP(2)に、もとのP(2)をP(1)
に、それぞれ更新し、もとのP(1)をメモリ81から消去
する。
る度に、当該検出圧力P(1),P(2),P(3)の圧力変化のパタ
ーンに応じて個別に設定されたP(1),P(2),P(3)を変数と
する算出式から平均気道内圧Phを算出する。内圧制御部
84では、この算出された予測的な平均気道内圧Phを現
状の平均気道内圧と見なしてこれが目標となる平均気道
内圧に近づくように流量調節バルブ607の動作制御を
行う。
(2),P(3)の大小比較を行うを行う比較部85と、その比
較結果によって決定されるP(1),P(2),P(3)を関数とする
算出式を選択し平均気道内圧Phを算出する平均気道内圧
算出部86と、その算出結果に応じてメモリ81のP(3)
の値を更新する更新部87とから構成される。
(2),P(3)の圧力変化のパターンを[A]:P(1)≦P(2)<P
(3) 且つ P(1)−P(2)+a≧P(3)−P(2)の場合,
[B]:P(1)>P(2)>P(3)の場合,[C]:P(1)<P(2)且
つP(2)>P(3)の場合,[D]:P(1)>P(2)且つP(2)<P
(3)の場合,[E]:上記いずれにも該当しない場合の5
パターンに分類する。
理を行う原理を図4及び図5に基づいてさらに詳説す
る。図4は、順次算出される検出圧力の平均値の圧力変
化を示す線図であり、図4(A)は[A]のパターンを
示し、図4(B)は[B]のパターンを示し、図5
(C)は[C]のパターンを示し、図5(D)は[D]
のパターンを示す。図4,5の各図における点線γは、
その一周期における真の平均値を示している。また、符
号αはP(1)とP(2)との圧力差を示し(α>0)、符号βは
P(2)とP(3)との圧力差を示す(β>0)。
力は、吸気が振動空気圧付勢部50により予め設定され
た換気周波数の振動空気圧が付勢されるため、おおむね
sinカーブを描くこととなる。
(2)+a≧P(3)−P(2)のパターンに該当するのは、図4
(A)に示すように、sin波の上昇時にある場合と考え
られる。従って、真の平均値γに近づくように、修正圧
力Psの算出式を次式(4)に、平均気道内圧Phを次式
(5)に設定した。
(98[Pa]),係数K=0.03〜0.33に設定している。
当するのは、図4(B)に示すように、sin波の下降時
にある場合と考えられる。従って、真の平均値γに近づ
くように、修正圧力Psの算出式を次式(6)に、平均気
道内圧Phを次式(7)に設定した。
1に設定している。
ンに該当するのは、図5(A)に示すように、一度上昇
しその後下がった傾向を示しているとき、即ち、sin波
の途中の何らかの要因で、突発的なその場限りの急落を
生じたときと考えられる。従って、真の平均値γに近づ
くように、修正圧力Psの算出式を次式(8)に、平均気
道内圧Phを次式(9)に設定した。
7,係数N=0.2〜0.3に設定している。
ンに該当するのは、図5(B)に示すように、一度下降
しその後上がった傾向を示しているとき、即ち、sin波
の途中の何らかの要因で、突発的なその場限りの上昇を
生じたときと考えられる。従って、真の平均値γに近づ
くように、修正圧力Psの算出式を次式(10)に、平均
気道内圧Phを次式(11)に設定した。
に設定している。
即ち、[A]〜[D]のいずれにも該当しない場合に
は、検出圧力P(3)をそのまま平均気道内圧Phとして出力
する。いずれにせよ、平均気道内圧Phが算出されると平
均気道内圧算出部86は更新部87と内圧制御部84と
に出力する。
L,M,N,Oは、使用条件(換気周波数、一回換気
量、吸気供給量等)や高頻度人工呼吸器の各部の寸法
(気管内挿入管81や各部の配管径等)によって変動す
るので、予めシミュレーションや試験により求めること
が望ましい。
出部86から平均気道内圧Phが算出されるとメモリ81
の検出圧力P(3)の値を算出平均気道内圧Phの値に更新す
る。かかる更新は、平均処理部82で新たに検出圧力の
平均値が算出されてメモリ81のP(1),P(2),P(3)の値が
更新される前のタイミングに合わせて行われる。従っ
て、平均処理部82において新たに検出圧力の平均値が
算出されると、メモリ81に記憶されたP(1),P(2),P(3)
の値は圧力検出開始当初を除いてP(1)=前回算出された
Ph、P(2)=今回算出されたPh、P(3)=新たに算出された
平均値となり、これらの値に基づいて平均気道内圧算出
部86はまた新たな平均気道内圧Phを算出することとな
る。
出部86で算出された平均気道内圧Phが予め設定された
目標値よりも高いかを判定する判定部88と、この判定
部88の判定結果が高いとする場合に流量調節バルブ6
07への平均気道内圧低減指令を出力し,判定結果が低
いとする場合に内圧調節部への平均気道内圧増加指令を
出力する駆動指令出力部89とを備えている。
内圧算出部86で算出された平均気道内圧Phと受付部4
2に入力された医者が希望する目標平均気道内圧Pgとを
比較して、その結果を駆動指令出力部89に出力する。
そして、判定部88における比較結果がPg>Phであれ
ば、駆動指令出力部89では流量調節バルブ607に対
して、開度を小さくして管内圧力を高める動作指令を出
力し、Pg<Phであれば流量調節バルブ607の開度を大
きくして管内圧力を低める動作指令を出力する。
なる高頻度人工呼吸器12の動作を図1乃至7に基づい
て説明する。図6,7は高頻度人工呼吸器12の動作を
示すフローチャートである。
患者Xの肺に対する一回換気量,振動空気圧の振動周波
数,吸気の供給量,患者側経路内の平均気道内圧,選択
した気管内挿入管81の径及び吸気の酸素濃度の入力が
行われ、高頻度人工呼吸器が駆動を開始した状態から説
明を開始する。
プリング部80にて1[msec]間隔でサンプリングし、順
次メモり81に記憶する(ステップS1)。このサンプ
リングされた検出圧力が10[msec]分蓄積されると、平均
処理部82にてその平均値が算出される(ステップS
2)。
上記平均値がメモり81中に検出圧力P(1),P(2),P(3)と
して三個分まで求まると(ステップS3)、比較部85
にてP(1)とP(2)、P(2)とP(3)の各々について大小比較を
行う(ステップS4)。
86では、比較結果に応じて、前述した式(4)〜(1
1)を選択して平均気道内圧Phを算出し、或いは検出圧
力P(3)を平均気道内圧Phとして出力する(ステップS
5)。
にて、操作盤43から入力され受付部に記憶された目標
値とその大小が比較される(ステップS6)。そして、
算出された平均気道内圧Phが方が高い場合には流量調節
バルブ607に対してその開度を大きくする動作指令が
出力され、また、平均気道内圧Phの方が低い場合には流
量調節バルブ607に対してその開度を小さくする動作
指令が出力される(ステップS7,8)。
れた検出圧力P(3)が算出された平均気道内圧Phの値に更
新される(ステップS9)。
された検出圧力が算出されると(ステップS10)、メ
モリ81において、当該新たな検出圧力がP(3)に、もと
のP(3)(ステップS9においてP(3)に更新された平均気
道内圧Ph)がP(2)に、もとのP(2)がP(1)にそれぞれ更新
される(ステップS11)。
同様の動作が繰り返し行われる。
高頻度人工呼吸器12と従来の高頻度人工呼吸器200
との比較試験データを図8乃至図10に示す。図9は図
8におけるA部の拡大図を示し、図10は図8における
B部の拡大図を示す。図9及び図10において、勾配が
激しく変化している曲線L1は従来の高頻度人工呼吸器
200による10[msec]ごとの患者側圧力センサ93の検
出圧力を示し、曲線L2は高頻度人工呼吸器12による
10[msec]ごとの患者側圧力センサ93の検出圧力をもと
に算出した平均気道内圧Phを示している。なお、曲線L
2は曲線L1と重ならないように若干下方にずらして図
示している。
形態により、検出圧力の急激な変化が緩和され、これに
基づいて流量調節バルブ607の制御を行うと、低周波
から安定した高頻度人工呼吸器の制御が可能となる。
おける患者側圧力センサ93の検出圧力(曲線L3)と
これに基づいて従来のコントローラ201で算出した平
均気道内圧(曲線L4)を図11に示す。また、同時
に、高頻度人工呼吸器12における患者側圧力センサ9
3の検出圧力(曲線L5)とこれに基づいてコントロー
ラ40で算出した平均気道内圧(曲線L6)を図12に
示す。いずれの場合も、グラフの左から右に進行するに
従って、算出した平均気道内圧に従って目標設定値に近
づける動作制御が行われている。
の影響によって流量調節バルブ607の動作結果による
圧力変化と、流量調節バルブ607の動きが時間的に一
致しないため、目標の圧力値に対して上昇し過ぎたり、
下降し過ぎたりして、空気振動の圧力平均値を一定に保
つことができない。
呼吸器12では、図12のように空気振動を目標値に向
けて圧力制御でき、目標値に到達後は安定した平均気道
内圧の状態で保つことができる。
のサンプリングの10ポイント分の平均値である。これ
は、10msec毎に新しいデ‐タを監視しながら、平均気道
内圧算出部86に従って算出した平均気道内圧Phを基に
流量調節バルブ607を制御している。
は、コントローラ40が、予め設定されたサンプリング
間隔で検出される圧力を一定期間で平均化し、かかる平
均値が三つ求められた時点で、それらの勾配変化から平
均気道内圧の算出を行っている。従って、当該平均気道
内圧の算出所要時間が、従来のように換気周波数の周期
によって決定されることがなく、換気周波数が長い場合
(低周波)であっても、より微細な時間間隔で安定した
高頻度人工呼吸器の制御が可能となる。
は、コントローラ40が平均処理部82を備えている
が、これを省略する構成も考えられる。その場合、サン
プリング部80で抽出される検出圧力がメモリ81を介
してそのまま演算部83で処理されることとなる。
ラ40については、図13に示す構成で実現しても良
い。かかる構成では、コントローラ40の備える各部に
対応する動作をさせる指令を備えるプログラムが記録さ
れたCD−ROM等の記憶媒体Dを駆動するディスクド
ライブ91と、このディスクドライブ91を介して読み
出されたプログラムを記憶するハードディスク等の補助
記憶装置92と、この補助記憶装置92に格納されたプ
ログラムに従って演算処理を行うCPU等の中央処理部
93と、この中央処理部93の主記憶となるRAM等の
主記憶部94とを備えている。なお、ここで「動作をさ
せ得る指令」というときには、このCPUのみで所定の
指令を実現する場合と、補助記憶装置に格納されたオペ
レーションシステムやプログラムによるサービスに依存
して所定の処理を実現する場合の双方を含むものとす
る。
の実施形態について図14乃至図16に基づいて説明す
る。なお、本実施形態で示す各構成の内、前述した高頻
度人工呼吸器12で示した構成と同一のものについては
同符号を付して重複する説明は省略するものとする。
気道内圧算出部86において、検出圧力P(1),P(2),P(3)
の変化パターンが[A]の場合即ち、P(1)≦P(2)<P(3)
且つ P(1)−P(2)+a≧P(3)−P(2)のパターンに該当
するときには、Ps=P(2)+K・β=P(2)+K・(P(3)−P
(2))から修正圧力Psを求め、さらにPh=(P(2)+Ps)/
2から平均気道内圧Phを求めていた。
のため、高頻度の振動空気圧の振幅量の大きさ(一回換
気量)を患者に合わせて変更した場合に、平均気道内圧
Phの算出値の精度に低下を生じ、流量調節バルブ607
の制御の安定性が若干低下する恐れがあった。
人工呼吸器12Aは、検出圧力P(1),P(2),P(3)の変化パ
ターンが[A]:P(1)≦P(2)<P(3) 且つ P(1)−P(2)
+a≧P(3)−P(2)の場合には、次式(12)を用いて修
正圧力Psを算出し、次式(14)を用いて平均気道内圧
Phを算出する平均気道内圧算出部86Aを備える構成を
採っている。
ーションや試験により求められる係数(Q>0)であり、
符号Hは、振動空気圧付勢部50の一回換気量の一次関
数であり、例えばブロワ52の駆動出力を使用する。か
かる駆動出力Hは、一回換気量に比例して変化する。な
お、この駆動出力Hは操作盤43から予め受付部41に
設定入力される数値を平均気道内圧算出部86が参照し
て演算を行う。
における患者側圧力センサ93の検出圧力(曲線L7)
とこれに基づいてコントローラ40Aで算出した平均気
道内圧(曲線L8)を図15に示す。
と、算出平均気道内圧の振幅が高頻度人工呼吸器12A
の方が狭くなっていることが分かる。このように、高頻
度人工呼吸器12Aでは、一回換気量をパラメータとし
て平均気道内圧Ph算出の演算式に取り込んでいるので、
かかる一回換気量の設定変更にも有効に対応することが
でき、さらに、より効果的に空気振動を目標値に向けて
圧力制御でき、目標値に到達後は、より安定した平均気
道内圧の状態で保つことができる。
符号Hとしてブロワ52の駆動出力を使用したが、操作
盤から入力される一回換気量の数値そのものを使用して
も良い。この場合、係数Qをそれに応じた数値に変更す
る必要がある。
トローラ40Aの構成に、患者の肺に対する一回換気量
と振動空気圧の振動周波数と吸気の供給量と平均気道内
圧と選択された気管内挿入管の径とを、振動空気圧付勢
部の出力を特定するパラメータとする5次元マップを記
憶したマップメモリ95と、5次元マップと受付部41
で受け付けた各入力値とからブロワ52の出力を特定
し、これに基づいて当該振動空気圧付勢部の動作制御を
行う特定部96とを新たに加え、当該特定部96で特定
したブロワ52の出力を参照して平均気道内圧Phを算出
する構成としても良い。
1−362346号の願書に添付した明細書及び図面に
詳細が説明されている。
するブロワ52の出力に基づく一回換気量の関数に基づ
いて平均気道内圧Phの算出が行われるため、より有効に
一回換気量の設定変更への対応が図られ、より効果的に
空気振動を目標値に向けて圧力制御でき、目標値に到達
後は、より安定した平均気道内圧の状態で保つことがで
きる。
成についても、図13で示した構成、即ち、コントロー
ラ40Aの備える各部に対応する動作をさせる指令を備
えるプログラムが記録されたCD−ROM等の記憶媒体
Dを駆動するディスクドライブ91と、補助記憶装置9
2と、中央処理部93と、主記憶部94等から実現して
も良い。
れたサンプリング間隔で検出される圧力が三つ求められ
た時点で、それらの勾配変化から平均気道内圧の算出を
行っている。従って、当該平均気道内圧の算出所要時間
が、従来のように換気周波数の周期によって決定される
ことがなく、換気周波数が長い場合(低周波)であって
も、より微細な時間間隔で安定した高頻度人工呼吸器の
制御が可能となる。
安定を図りつつ高頻度人工呼吸器の換気周波数を低周波
域から高周波域まで設定することができ、新生児〜成人
まで幅広い患者に対して、安定的な高頻度人工呼吸(HF
O換気)ができる。
示すブロック図である。
面図である。
すブロック図である。
示す線図であり、図4(A)は[A]のパターンを示
し、図4(B)は[B]のパターンを示す。
示す線図であり、図5(C)は[C]のパターンを示
し、図5(D)は[D]のパターンを示す。
フローチャートである。
図6の続きのフローチャートである。
示す線図である。
センサの検出圧力とこれに基づいて算出した平均気道内
圧を示す線図である。
検出圧力とこれに基づいて算出した平均気道内圧を示す
線図である。
ラムが記録された記憶媒体を含む構成の例を示すブロッ
ク図である。
る。
検出圧力とこれに基づいて算出した平均気道内圧を示す
線図である。
すブロック図である。
ク図である。
圧を求めるための概念図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 酸素を含んだ吸気を供給する吸気導入部
と、前記吸気を前記患者へ案内する患者側経路と、前記
患者への吸気に高頻度の振動空気圧を付勢する振動空気
圧付勢部と、前記患者から吐出された呼気を大気中に排
出する排出経路と、前記患者へ供給する吸気の平均気道
内圧を調節する内圧調節部と、前記患者付近の吸気の圧
力を検出する圧力センサと、前記圧力センサの出力に基
づいて前記内圧調節部の動作制御を行うコントローラと
を備える高頻度人工呼吸器であって、 前記コントローラは、前記圧力センサの出力から所定の
サンプリング間隔で順次検出圧力を抽出するサンプリン
グ部と、抽出された順番に三つの検出圧力P(1),P(2),P
(3)を記憶すると共に新たに検出圧力が抽出される度に
前記検出圧力P(1),P(2),P(3)を更新するメモリと、三つ
の前記検出圧力P(1),P(2),P(3)の圧力変化のパターンに
応じた平均気道内圧Phを算出する演算部と、この平均気
道内圧Phが算出されると当該Phを前記検出圧力P(3)とし
て前記メモリに書き込む更新部とを有することを特徴と
する高頻度人工呼吸器。 - 【請求項2】 前記コントローラは、前記平均気道内圧
Phが目標値となるように前記内圧調節部の動作制御を行
う内圧制御部を有することを特徴とする請求項1記載の
高頻度人工呼吸器。 - 【請求項3】 前記コントローラは、前記サンプリング
部から所定個数の検出圧力が抽出される度にそれらを平
均化すると共にその値を前記検出圧力として前記メモリ
に出力する平均処理部を有し、 前記演算部は、前記平均化された検出圧力に基づいて前
記平均気道内圧を算出することを特徴とする請求項1又
は2記載の高頻度人工呼吸器。 - 【請求項4】 前記演算部は、 aを所定の圧力差,K,L,M,N,Oを所定の係数と
すると、 前記圧力変化のパターンが、P(1)≦P(2)<P(3) 且つ
P(1)−P(2)+a≧P(3)−P(2)の場合に、修正圧力Psを式
Ps=P(2)+K・(P(3)−P(2))から算出し、 前記圧力変化のパターンが、P(1)>P(2)>P(3)の場合
に、修正圧力Psを式Ps=P(2)−{P(1)−P(2)+L・(P(2)
−P(3))}から算出し、 前記圧力変化のパターンが、P(1)<P(2) 且つ P(2)>
P(3)の場合に、修正圧力Psを式Ps=P(2)−M・(P(2)−P
(1))−N・(P(2)−P(3))から算出し、 前記圧力変化のパターンが、P(1)>P(2) 且つ P(2)<
P(3)の場合に、修正圧力Psを式Ps=O・(P(1)−P(2))
+P(2)から算出し、 前記算出されたいずれかの修正圧力Psを含む式Ph=(P
(2)+Ps)/2に基づいて前記平均気道内圧Phを算出する
と共に、 前記圧力変化のパターンがいずれの場合にも該当しない
ときには前記検出圧力P(3)をそのまま平均気道内圧Phと
して出力することを特徴する請求項1,2又は3記載の
高頻度人工呼吸器。 - 【請求項5】 前記演算部は、 aを所定の圧力差,L,M,N,O,Qを所定の係数,
振動空気圧付勢部の一周期の換気量の関数をHとする
と、 前記圧力変化のパターンが、P(1)≦P(2)<P(3) 且つ
P(1)−P(2)+a≧P(3)−P(2)の場合に、修正圧力Psを式
Ps=P(2)+Q・H・(P(3)−P(2))から算出し、 前記圧力変化のパターンが、P(1)>P(2)>P(3)の場合
に、修正圧力Psを式Ps=P(2)−{P(1)−P(2)+L・(P(2)
−P(3))}から算出し、 前記圧力変化のパターンが、P(1)<P(2) 且つ P(2)>
P(3)の場合に、修正圧力Psを式Ps=P(2)−M・(P(2)−P
(1))−N・(P(2)−P(3))から算出し、 前記圧力変化のパターンが、P(1)>P(2) 且つ P(2)<
P(3)の場合に、修正圧力Psを式Ps=O・(P(1)−P(2))
+P(2)から算出し、 前記算出されたいずれかの修正圧力Psを含む式Ph=(P
(2)+Ps)/2に基づいて前記平均気道内圧Phを算出する
と共に、 前記圧力変化のパターンがいずれの場合にも該当しない
ときには前記検出圧力P(3)をそのまま平均気道内圧Phと
して出力することを特徴する請求項1,2又は3記載の
高頻度人工呼吸器。 - 【請求項6】 酸素を含んだ吸気を供給する吸気導入部
と、前記吸気を前記患者へ案内する患者側経路と、前記
患者への吸気に高頻度の振動空気圧を付勢する振動空気
圧付勢部と、前記患者から吐出された呼気を大気中に排
出する排出経路と、前記患者へ供給する吸気の平均気道
内圧を調節する内圧調節部と、前記患者付近の吸気の圧
力を検出する圧力センサとを備える高頻度人工呼吸器の
動作制御プログラムであって、 連続して入力される前記圧力センサの出力から所定のサ
ンプリング間隔で順次検出圧力を抽出するサンプリング
部、 抽出された順番に三つの検出圧力P(1),P(2),P(3)を記憶
すると共に新たに検出圧力が抽出される度に前記検出圧
力P(1),P(2),P(3)を更新するメモリ、 順番に抽出された三つの前記検出圧力P(1),P(2),P(3)の
圧力変化のパターンからこれに応じた平均気道内圧Phを
算出する演算部、 及び、この平均気道内圧Phが算出されると当該Phを前記
検出圧力P(3)として前記メモリに書き込む更新部として
コンピュータを機能させる指令を備えた高頻度人工呼吸
器の動作制御プログラムを記録したコンピュータ読み取
り可能な記録媒体。 - 【請求項7】 前記算出された平均気道内圧Phと予め設
定された目標値とを比較判定する判定部、及び、この判
定部の判定結果で前記平均気道内圧が高いとする場合に
前記内圧調節部への平均気道内圧低減指令を出力し,前
記平均気道内圧が低いとする場合に前記内圧調節部への
平均気道内圧増加指令を出力する駆動指令出力部、を新
たにコンピュータを機能させる指令を備えた請求項6記
載の高頻度人工呼吸器の動作制御プログラムを記録した
コンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 【請求項8】 前記サンプリング部から所定個数の検出
圧力が抽出される度にそれらを平均化すると共にその値
を前記検出圧力として順次前記演算部に出力する平均処
理部、を新たにコンピュータを機能させると共に、 前記演算部は、前記平均化された検出圧力に基づいて前
記平均気道内圧を算出するように、コンピュータを機能
させる指令を備えた請求項6又は7記載の高頻度人工呼
吸器の動作制御プログラムを記録したコンピュータ読み
取り可能な記録媒体。 - 【請求項9】 前記演算部は、 aを所定の圧力差,K,L,M,N,Oを所定の係数と
すると、 前記圧力変化のパターンが、P(1)≦P(2)<P(3) 且つ
P(1)−P(2)+a≧P(3)−P(2)の場合に、修正圧力Psを式
Ps=P(2)+K・(P(3)−P(2))から算出し、 前記圧力変化のパターンが、P(1)>P(2)>P(3)の場合
に、修正圧力Psを式Ps=P(2)−{P(1)−P(2)+L・(P(2)
−P(3))}から算出し、 前記圧力変化のパターンが、P(1)<P(2) 且つ P(2)>
P(3)の場合に、修正圧力Psを式Ps=P(2)−M・(P(2)−P
(1))−N・(P(2)−P(3))から算出し、 前記圧力変化のパターンが、P(1)>P(2) 且つ P(2)<
P(3)の場合に、修正圧力Psを式Ps=O・(P(1)−P(2))
+P(2)から算出し、 前記算出されたいずれかの修正圧力Psを含む式Ph=(P
(2)+Ps)/2に基づいて前記平均気道内圧Phを算出する
と共に、 前記圧力変化のパターンがいずれの場合にも該当しない
ときには前記検出圧力P(3)をそのまま平均気道内圧Phと
して出力するようにコンピュータを機能させる指令を備
えた請求項6,7又は8記載の高頻度人工呼吸器の動作
制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な
記録媒体。 - 【請求項10】 前記演算部は、 aを所定の圧力差,L,M,N,O,Qを所定の係数,
振動空気圧付勢部の一周期の換気量の関数をHとする
と、 前記圧力変化のパターンが、P(1)≦P(2)<P(3) 且つ
P(1)−P(2)+a≧P(3)−P(2)の場合に、修正圧力Psを式
Ps=P(2)+Q・H・(P(3)−P(2))から算出し、 前記圧力変化のパターンが、P(1)>P(2)>P(3)の場合
に、修正圧力Psを式Ps=P(2)−{P(1)−P(2)+L・(P(2)
−P(3))}から算出し、 前記圧力変化のパターンが、P(1)<P(2) 且つ P(2)>
P(3)の場合に、修正圧力Psを式Ps=P(2)−M・(P(2)−P
(1))−N・(P(2)−P(3))から算出し、 前記圧力変化のパターンが、P(1)>P(2) 且つ P(2)<
P(3)の場合に、修正圧力Psを式Ps=O・(P(1)−P(2))
+P(2)から算出し、 前記算出されたいずれかの修正圧力Psを含む式Ph=(P
(2)+Ps)/2に基づいて前記平均気道内圧Phを算出する
と共に、 前記圧力変化のパターンがいずれの場合にも該当しない
ときには前記検出圧力P(3)をそのまま平均気道内圧Phと
して出力するようにコンピュータを機能させる指令を備
えた請求項6,7又は8記載の高頻度人工呼吸器の動作
制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な
記録媒体。
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