JP2000225171A - 針治療用皮内針 - Google Patents

針治療用皮内針

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JP2000225171A
JP2000225171A JP11030645A JP3064599A JP2000225171A JP 2000225171 A JP2000225171 A JP 2000225171A JP 11030645 A JP11030645 A JP 11030645A JP 3064599 A JP3064599 A JP 3064599A JP 2000225171 A JP2000225171 A JP 2000225171A
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needle
adhesive
acupuncture
plate
intradermal
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Tsutomu Otake
竹 務 大
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐腐食性を有する金属材料で薄板状に形成さ
れた板状体を用いることにより、その製造工程における
加工を容易に行うことができると共に、その製造コスト
を低減することができる針治療用皮内針を提供するこ
と。 【解決手段】 治療セット1では、皮内針2がステンレ
ス鋼材などの耐腐食性を有する薄板状の金属材料で形成
されている。この皮内針2は、薄板状の金属材料を複数
枚積層し重ね合わせ、ワイヤカッタなどの切断加工機で
切断加工することにより原形体が形成される。原形体の
形成後、その原形体における3つの頂角部3c〜3eに
一体成形される3つの針状体4,4,4をプレス加工に
より折り曲げ形成することにより容易に製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、患部の皮膚面に
刺し込まれて針治療に使用される針治療用皮内針に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】 針治療では、針治療用針である皮内針
を患部の皮膚面に刺し込むことにより患部に刺激を与
え、かかる刺激により体内に免疫体または抗体を生じさ
せて治療を行っている。また、この種の治療では、患部
に皮内針を長時間刺し込み続けることにより治療効果を
増進されることが知られており、粘着テープなどにより
皮内針を患部に固定する治療法、例えば、図7に示す皮
内針100を患部に固定する治療法が提案されている。
【0003】図7に示すように、皮内針100は、ステ
ンレス鋼材などの耐腐食性を有する細線材を弦巻状に丸
めて形成された基部101を備えており、その基部10
1の下端側から細線材を下方へ略直角に折り曲げること
により針状体102が形成されている。この針状体10
2は、その先端(図7の下側端)が尖状に形成されてお
り、基部101の下端から略1〜2mm程度突出されて
いる。一方、基部101の上端面には、皮内針100を
患部に固定する粘着テープなどの絆創膏103が貼着
(取着)される。この絆創膏103は、その一面、即
ち、皮内針100の上端面との対向面に粘着材104が
層状に塗布されており、かかる粘着材104により皮内
針100の上端面が絆創膏103の下面に貼着される。
【0004】この皮内針100によれば、その皮内針1
00が絆創膏103ごと患部に貼付される。具体的に
は、術者が指先やピンセットで絆創膏103を摘み、そ
の絆創膏103に貼着された皮内針100の針状体10
2が患部の皮膚面に刺し込まれる。針状体102の先端
を約1〜2mm程度刺し込むと、基部101の下端面が
皮膚面に当たり、針状体102の更なる差し込みが防止
される。針状体102の差し込み後、絆創膏103の粘
着材104を皮膚面に貼り付けることにより、絆創膏1
03によって、皮内針100が患部皮膚面に固定される
のである。
【0005】このように、図7に示す皮内針100で
は、術者が滅菌処理された針状体102に触れることな
く、針状体102を患部に刺し込めるので衛生的である
とともに、基部101下端側に針状体102が突設され
るので、皮膚の動きにより皮内針100が皮膚に対して
相対的に動くことが防止され、患者が患部に痛みを感ず
ることが防止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上述
した皮内針100では、ステンレス鋼材などの耐腐食性
を有する細線材を弦巻状に丸めて基部101を形成する
とともに、その基部101下端側から細線材を下方へ略
直角に折り曲げることにより針状体102を形成する必
要があるので、これを製造する際の加工が難しく、皮内
針100全体としての製造コストが高くなるという問題
点があった。しかも、かかる皮内針100の製造コスト
が高いために、この皮内針100を使用する針治療にか
かる治療費が高くなってしまうという問題点があった。
【0007】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、耐腐食性を有する金属材料で薄
板状に形成された板状体を用いることにより、その製造
工程における加工を容易に行うことができると共に、そ
の製造コストを低減することができる針治療用皮内針を
提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するた
めに請求項1記載の針治療用皮内針は、患部の皮膚面に
刺し込まれ針治療に使用されるものであり、耐腐食性を
有する金属材料で薄板状に形成された板状体と、その板
状体の端部に尖状に形成され、その板状体に対して略直
角に折り曲げ形成された針状体とを備えている。
【0009】この請求項1記載の針治療用皮内針によれ
ば、板状体が指先やピンセットで摘まれ、その板状体に
おける針状体の折り曲げ側面が患部の皮膚面へ向けられ
て、針状体が患部の皮膚面へ刺し込まれる。かかる針状
体の刺し込み後、針治療用皮内針は、絆創膏などの被覆
材によって板状体が覆われつつ患部に貼付されたり、ま
たは、両面に粘着材が塗布された両面テープによって板
状体が皮膚面に貼付されたりすることにより患部の皮膚
面に固定される。
【0010】ところで、針治療用皮内針は、その板状体
が耐腐食性を有する金属材料で薄板状に形成されてい
る。このため、かかる針治療皮内針を製造する場合に
は、例えば、薄板状の金属材料をワイヤカッタなどの工
作機械により切断加工することによって、板状体が成形
されると共に、その板状体の端部に尖状の針状体が一緒
に成形される。この板状体および針状体の成形後、プレ
ス加工などにより針状体を板状体に対して略直角に折り
曲げ形成することにより、針治療用皮内針が製造される
のである。
【0011】請求項2記載の針治療用皮内針は、請求項
1記載の針治療用皮内針において、前記板状体は上面視
長板状に形成されており、その板状体における長手方向
両端部には前記針状体が略同一方向へそれぞれ折り曲げ
形成されている。
【0012】この請求項2記載の針治療用皮内針によれ
ば、請求項1記載の針治療用皮内針と同様に作用する
上、患部の皮膚面に刺し込まれる針状体は、板状体の長
手方向両端部にそれぞれ折り曲げ形成されるので、かか
る両針状体により患部の皮膚面における2箇所が一度に
刺激される。
【0013】請求項3記載の針治療用皮内針は、請求項
1記載の針治療用皮内針において、前記板状体は上面視
略三角形状に形成されており、その板状体の3つの頂角
部には前記針状体がそれぞれ略同一方向へ折り曲げ形成
されている。
【0014】この請求項3記載の針治療用皮内針によれ
ば、請求項1記載の針治療用皮内針と同様に作用する
上、患部の皮膚面に刺し込まれる針状体は、上面視略三
角形状に形成された板状体の3つの頂角部にそれぞれ折
り曲げ形成されるので、かかる3つの針状体により患部
の皮膚面における3箇所が一度に刺激される。
【0015】請求項4記載の針治療用皮内針は、請求項
1から3のいずれかに記載の針治療用皮内針において、
前記板状体における前記針状体の折り曲げ側面との反対
側面を覆いつつ患部に貼付される粘着面を有する被覆材
を備えており、その被覆材における前記粘着面との反対
側面には粘着材から剥離可能に形成された剥離材が設け
られている。
【0016】この請求項4記載の針治療用皮内針によれ
ば、請求項1から3のいずれかに記載の針治療用皮内針
と同様に作用する上、患部に貼付される粘着面を有する
被覆材は、その粘着面が板状体における針状体の折り曲
げ側面との反対側面を覆いつつ患部に貼付されて、板状
体を患部の皮膚面に固定させる。また、この板状体の固
定後、例えば、被覆材における粘着面との反対側面を覆
うようにして消炎鎮痛添付剤が貼付されると、かかる針
治療用皮内針と消炎鎮痛添付剤との相乗効果により患部
の治療効果が増進される。
【0017】この消炎鎮痛添付剤は、その一面に消炎鎮
痛の効用を有する薬剤が含浸された粘着材が塗布された
ものであるが、被覆材は、その粘着面との反対側面に粘
着材から剥離可能に形成された剥離材が設けられるの
で、針治療用皮内針より効用持続時間が短い消炎鎮痛添
付剤を貼り替える際に、その消炎鎮痛添付剤の粘着面に
被覆材が貼り付き消炎鎮痛添付剤とともに剥がれること
が防止され、針治療用皮内針が患部の皮膚面から外れる
ことが防止される。
【0018】請求項5記載の針治療用皮内針は、請求項
1から3のいずれかに記載の針治療用皮内針において、
前記板状体は、前記針状体の折り曲げ側面との反対側面
に粘着材から剥離可能に形成された剥離材が設けられて
いる。
【0019】この請求項5記載の針治療用皮内針によれ
ば、請求項1から3のいずれかに記載の針治療用皮内針
と同様に作用する上、例えば、針状体を患部に刺し込ん
だ後、板状体における針状体の折り曲げ側面との反対側
面を覆うようにして消炎鎮痛添付剤が患部に貼付される
と、かかる針治療用皮内針と消炎鎮痛添付剤との相乗効
果により患部の治療効果が増進される。
【0020】この消炎鎮痛添付剤は、その一面に消炎鎮
痛の効用を有する薬剤が含浸された粘着材が塗布された
ものであるが、板状体における針状体の折り曲げ側面と
の反対側面には、粘着材から剥離可能に形成された剥離
材が設けられるので、針治療用皮内針より効用持続時間
が短い消炎鎮痛添付剤を貼り替える際に、その粘着面に
被覆材が貼り付き、消炎鎮痛添付剤とともに針治療用皮
内針が患部の皮膚面から外れることが防止される。
【0021】請求項6記載の針治療用皮内針は、請求項
4または5に記載の針治療用皮内針において、前記剥離
材は複数枚の紙材を剥離可能に積層して形成されてい
る。よって、例えば、剥離材の上側面から消炎鎮痛添付
剤などが貼付されると、剥離材を形成する複数枚の最も
上側の紙材上面に消炎鎮痛添付剤の粘着面が貼り付く。
かかる患部に貼付された消炎鎮痛添付剤を別の消炎鎮痛
添付剤に貼り替える場合に、患部から消炎鎮痛添付剤が
剥がされると、その粘着面に貼付された紙材が一緒に剥
がれ、針治療用皮内針が患部の皮膚面から外れることな
く、消炎鎮痛添付剤が患部から剥がされる。
【0022】消炎鎮痛添付剤が患部から剥がされると、
消炎鎮痛添付剤と共に剥がされた紙材の下側に積層され
た次の紙材が剥離材の最も上側に現れるので、かかる紙
材の上側面から新たに別の消炎鎮痛添付剤が被せられる
と、その紙材上面に消炎鎮痛添付剤の粘着面が貼り付き
つつ、消炎鎮痛添付剤が患部に貼付される。このよう
に、針治療用皮内針と消炎鎮痛添付剤の粘着面との間に
複数枚の紙材を剥離可能に積層した剥離材を設けること
により、消炎鎮痛添付剤を貼り替える度に剥離材の紙材
が消炎鎮痛添付剤と共に剥がれるので、消炎鎮痛添付剤
の粘着面に針治療用皮内針が貼り付くことが防止され
る。
【0023】請求項7記載の針治療用皮内針は、請求項
4または5に記載の針治療用皮内針において、前記剥離
材は油分が含浸された油紙などの油性紙材で形成されて
いる。よって、例えば、剥離材を覆うようにして消炎鎮
痛添付剤などが貼付されると、油紙などの油性紙材で形
成された剥離材の油分により消炎鎮痛添付剤の粘着面に
針治療用皮内針が貼り付くことが防止される。
【0024】請求項8記載の針治療用皮内針は、請求項
4または5に記載の針治療用皮内針において、前記剥離
材の表面は滑面状に形成されている。よって、例えば、
剥離材を覆うようにして消炎鎮痛添付剤などが貼付され
る場合には、滑面状に形成された表面により剥離材に消
炎鎮痛添付剤の粘着面が貼り付くことが防止される。
【0025】請求項9記載の針治療用皮内針は、請求項
1から8のいずれかに記載の針治療用皮内針において、
消炎鎮痛の効用を有する薬剤が含浸された粘着面を有す
る薬用被覆材を備えており、その薬用被覆材の粘着面に
は前記板状体における前記針状体の折り曲げ側面との反
対面側が粘着される。
【0026】この請求項9記載の針治療用皮内針によれ
ば、請求項1から8のいずれかに記載の針治療用皮内針
と同様に作用する上、患部に貼付される粘着面を有する
薬用被覆材は、その粘着面が板状体における針状体の折
り曲げ側面との反対面側を覆いつつ患部に貼付されて、
板状体を患部の皮膚面に固定させる。しかも、薬用被覆
材における粘着面には、消炎鎮痛の効用を有する薬剤が
含浸されているので、かかる薬剤によっても患部の治療
が行われる。
【0027】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例
について、添付図面を参照して説明する。図1(a)
は、本発明の針治療用皮内針の一実施例である皮内針2
が使用される針治療セット1の分解斜視図であり、図1
(b)は、針治療セット1を患部皮膚面Sに固定した状
態における部分的な側断面図であり、図1(a)では、
図1(b)で図示する消炎鎮痛シート9を省略してい
る。図1(a)に示すように、針治療セット1は、患部
皮膚面S(図1(b)参照)に刺し込まれる(打たれ
る)皮内針2と、その皮内針2を患部皮膚面Sに固定す
る被覆材5とを備えている。
【0028】皮内針2は、患者の患部皮膚面Sに打たれ
て針治療を行うものであり、その患部皮膚面Sに載置さ
れる板状体3と、その板状体3が患部皮膚面Sに載置さ
れることにより患部皮膚面Sへ刺し込まれる3つの針状
体4,4,4とを備えている。この板状体3は、ステン
レス鋼材などの耐腐食性を有する薄板状の金属材料で上
面視正三角形状に形成されており、例えば、その板厚が
略0.2mmにされている。この板状体3によれば、そ
の上面3aに後述する被覆材5が貼付(粘着)される一
方、その下面3bが患部皮膚面Sと面接触(当接)して
載置される。
【0029】板状体3における3つの頂角部3c〜3e
には、その先端部が尖状に形成された針状体4,4,4
がそれぞれ一体成形されている。これらの針状体4,
4,4は、患部皮膚面Sへ刺し込まれるものであり、板
状体3の下面3b側へ向けて略直角にそれぞれ折り曲げ
形成され、板状体3の下面3bから略1〜2mm程度そ
れぞれ突出するように形成されている。
【0030】被覆材5は、皮内針2を患部皮膚面Sに貼
付するためのものであり、上面視略正方形のシート状に
形成されている。この被覆材5は、主に、上述した皮内
針2を患部皮膚面Sに固定する粘着テープ6と、その粘
着テープ6と後述する消炎鎮痛シート9(図1(b)参
照)との貼り付きを防止する油紙シート7と、その油紙
シート7と粘着テープ6とを接合する接合材8とを備え
ている。
【0031】粘着テープ6は、布などの可撓性を有する
高分子樹脂材料で上面視略正方形のシート状に形成され
たシート材6aを備えており、このシート材6aは上述
した皮内針2における板状体3の上面3a全体を被覆す
るために、その一辺が板状体3の一辺より大きく形成さ
れ、その面積が板状体3の上面3aの面積より大きく形
成されている。また、この粘着テープ6におけるシート
材6aの下面全体には粘着材6bが層状に塗布されてい
る。
【0032】粘着材6bは、皮内針2の板状体3におけ
る上面3aに粘着しつつ患部皮膚面Sに粘着することに
より、皮内針2を患部皮膚面Sに固定するものである。
一方、粘着テープ6の上面側には、その粘着テープ6と
上面視同形状、即ち、上面視略正方形のシート状に形成
された油紙シート7が積層されており、その油紙シート
7は、粘着剤や接着剤などが層状に塗布された接合材8
により粘着テープ6に接合されている。
【0033】油紙シート7は、桐油などの油分を含浸さ
せた油紙などの油性紙材で構成されており、かかる油分
によって、被覆材5の上面側に後述する消炎鎮痛シート
9が被覆される際に、その粘着層9bが被覆材5に貼り
付くこと防止して、その被覆材5が消炎鎮痛シート9の
粘着材9bから剥離するように形成されている。
【0034】図1(b)に示すように、患部皮膚面Sに
固定された針治療セット1を覆うように、患部皮膚面S
に消炎鎮痛シート9を貼付することにより治療効果を増
進させることができる。この消炎鎮痛シート9は、例え
ば、シート状に構成された湿布剤(公知)であり、主
に、不織布などで構成されたシート材9aと、そのシー
ト材9aの一面(図1(b)の下面)に層状に形成され
た粘着材9bとを備えている。この粘着材9bは、消炎
鎮痛シート9を患部皮膚面Sに貼付するためのものであ
り、消炎鎮痛の効用を有する薬剤である消炎鎮痛剤が配
合(含浸)されている。
【0035】次に、図2を参照して、皮内針2の製造方
法について説明する。図2は、皮内針2の原形体10の
平面図(上面図)である。この原形体10は、皮内針2
における3つの針状体4,4,4が折り曲げ形成される
以前の形態のものであり、図2に示すように、上述した
板状体3における3つの頂角部3c〜3eから3つの針
状体4,4,4が外方へ向けてそれぞれ延出された形状
に形成されている。
【0036】皮内針2を製造する場合には、まず、ワイ
ヤカッタなどの切断加工機によって、ステンレス鋼材な
どの耐腐食性を有する薄板状の金属材料を複数枚積層し
重ね合わせて切断することにより、複数個の原形体10
が一度に製造される。その後、プレス加工によって、原
形体10における各針状体4,4,4を各頂角部3c〜
3eでそれぞれ同一方向(図2の紙面に対する垂直方向
奥側)へ板状体3に対して略直角に折り曲げることによ
り、図1(a)に示す皮内針2が製造されるのである。
【0037】次に、図1を参照して、上述した針治療セ
ット1の使用方法について説明する。まず、皮内針2の
下面3aを患部皮膚面Sに対向させ、皮内針2の針状体
4,4,4が患部皮膚面Sへ向けられて、これらの針状
体4,4,4が患部皮膚面Sへ刺し込まれる(図1
(b)参照)。各針状体4,4,4が患部皮膚面Sへ刺
し込まれると、板状体3の下面3aが患部皮膚面Sと面
接触され、皮内針2が患部皮膚面Sに載置される。皮内
針2の載置後、被覆材5は、その下面、即ち、粘着材6
b側面が皮内針2の上面3aと対向されつつ患部皮膚面
Sの上方に配置され、皮内針2の上面3a全体を覆いつ
つ粘着材6b側面が患部皮膚面Sに当接される。
【0038】被覆材5の粘着材6b側面が患部皮膚面S
に当接されると、その粘着材6bによって、被覆材5が
皮内針2の上面3aと患部皮膚面Sとに貼付される。そ
の後、消炎鎮痛シート9は、その下面、即ち、粘着材9
b側面が被覆材5の上面と対向されつつ患部皮膚面Sの
上方に配置され、被覆材5の上面全体を覆いつつ粘着材
9b側面が患部皮膚面Sに当接される。
【0039】この消炎鎮痛シート9の粘着材9b側面が
患部皮膚面Sに当接されると、その粘着材9bにより消
炎鎮痛シート9が患部皮膚面Sに貼付されるとともに、
粘着材9bが被覆材5の油紙シート7上面に当接され
る。このように、針治療セット1と消炎鎮痛シート9と
を併用することにより、患部皮膚面Sの治療効果を増進
することができるのである。一方、消炎鎮痛シート9
は、その粘着材9bに含浸される消炎鎮痛剤の効用持続
時間が数時間(例えば、8時間)である一方、皮内針2
は、その効用持続時間が数日(例えば、4〜5日)であ
るので、その効用が低下する頃に患者自身が新しい別の
消炎鎮痛シート9に貼り替える必要がある。
【0040】ところで、被覆材5には、その粘着テープ
6の上側であって、消炎鎮痛シート9の粘着材9bとの
当接面に油紙シート7が接合されており、その油紙シー
ト7に含まれる油分により消炎鎮痛シート9の粘着材9
bが被覆材5に粘着することが防止されている。このた
め、消炎鎮痛シート9を貼り替える場合には、油紙シー
ト7によって、被覆材5から消炎鎮痛シート9が容易に
剥離される。よって、消炎鎮痛シート9の貼り替えの際
に、その粘着材9bに被覆材5が貼り付いて患部皮膚面
Sから剥がされることが防止されるので、皮内針2が患
部皮膚面Sから外れることが防止される。このようにし
て、消炎鎮痛シート9のみが患部皮膚面Sから剥がされ
た後、新たに別の消炎鎮痛シート9が患部皮膚面Sに貼
付されて、消炎鎮痛シート9の貼り替えが行われるので
ある。
【0041】以上に説明したように、本実施例の治療セ
ット1によれば、皮内針2は、ステンレス鋼材などの耐
腐食性を有する薄板状の金属材料で形成されている。よ
って、かかる皮内針2は、薄板状の金属材料を複数枚積
層し重ね合わせ、ワイヤカッタなどの切断加工機で切断
加工することにより原形体10(図2参照)を形成し、
その原形体10における3つの頂角部3c〜3eに一体
成形される3つの針状体4,4,4をプレス加工により
折り曲げ形成することにより容易に製造することができ
る。
【0042】従って、本実施例の皮内針2は、細線材を
円筒状に丸めて形成される従来の皮内針100(図7参
照)に比べて、その製造が容易であるので、その分、製
造コストを低減することができるのである。しかも、か
かる皮内針2の製造コストが低減されることにより、針
治療セット1を使用した針治療に掛かる治療コスト(治
療費)を低減することができる。しかも、皮内針2は、
その板状体3が薄板状に形成され、かつ、その下面3b
が患部皮膚面Sに面接触されるので、皮膚面に不快な刺
激を与えることを低減することができる。
【0043】また、皮内針2によれば、患部皮膚面Sの
皮膚面に刺し込まれる針状体4,4,4が上面視正三角
形状に形成された板状体3の3つの頂角部3c〜3eに
それぞれ折り曲げ形成されるので、かかる3つの針状体
4,4,4により患部皮膚面Sにおける3箇所を一度に
刺激することができる。よって、かかる3箇所を一度に
刺激することにより、皮内針2が打たれる位置が若干ズ
レても、皮内針2の効用を得ることができるのである。
しかも、この3つの針状体4,4,4によれば、これら
のいずれかが患部皮膚面Sから浮き上がることが防止さ
れるので、かかる浮き上がりにより患部皮膚面Sへ伝え
られる不快な痛覚を防止することができる。
【0044】更に、被覆材5には、その粘着テープ6上
側であって、消炎鎮痛シート9の粘着材9bとの当接面
に油紙シート7が接合されており、その油紙シート7に
含まれる油分により消炎鎮痛シート9の粘着材9bが被
覆材5に粘着することが防止されている。このため、消
炎鎮痛シート9を貼り替える場合には、油紙シート7に
よって、被覆材5から消炎鎮痛シート9を容易に剥離さ
せることができる。
【0045】よって、消炎鎮痛シート9の貼り替えの際
に、その粘着材9bに被覆材5が貼り付いて患部皮膚面
Sから剥がされることが防止されるので、皮内針2が患
部皮膚面Sから外れることを防止することができる。従
って、消炎鎮痛シート9の貼り替えの際に、患部皮膚面
Sから外れた皮内針2及び被覆材5を消炎鎮痛シート9
の貼り替え毎に廃棄する必要がなく、かつ、消炎鎮痛シ
ート9の貼り替えに伴う皮内針2及び被覆材5の不要な
交換が防止されるので、針治療セット1の使用コストを
低減することができるのである。
【0046】次に、図3を参照して、第2実施例の針治
療セット20を説明する。図3は、第2実施例における
針治療セット20の分解斜視図である。図3に示すよう
に、第2実施例の針治療セット20は、前記した第1実
施例の針治療セット1に対して、皮内針を変更したもの
である。以下、前記した第1実施例の針治療セット1と
同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略
し、異なる部分のみを説明する。
【0047】図3に示すように、第2実施例の針治療セ
ット20では、第1実施例の皮内針2に代えて、皮内針
21を使用している。この皮内針21は、患者の患部皮
膚面Sに打たれて針治療を行うものであり、患部皮膚面
Sに載置される板状体22と、その板状体22が患部皮
膚面Sに載置されることにより患部皮膚面Sへ刺し込ま
れる一対の針状体23,23とを備えている。板状体2
2は、ステンレス鋼材などの耐腐食性を有する薄板状の
金属材料で上面視略小判状に形成されており、例えば、
その板厚が略0.2mmにされている。この板状体22
によれば、その上面22aに上述した被覆材5が貼付さ
れる一方、その下面22bが患部皮膚面Sと面接触(当
接)して載置される。
【0048】板状体22は、その長手方向における両端
部22c,22dに、先端部が尖状に形成された一対の
針状体23,23がそれぞれ一体成形されている。これ
らの針状体23,23は、板状体22が患部皮膚面Sに
載置される場合に、その皮内へ刺し込まれるものであ
り、板状体22の下面22b側へ向けてそれぞれ略直角
に折り曲げ形成され、板状体22の下面22bから略1
〜2mm程度それぞれ突出するように形成されている。
【0049】このように構成された針治療セット20に
よれば、その皮内針21は、患部皮膚面Sに刺し込まれ
る一対の針状体23,23が板状体22の長手方向両端
部22c,22dにそれぞれ折り曲げ形成されるので、
かかる一対の針状体23,23により患部皮膚面Sの皮
膚面における2箇所を一度に刺激することができる。よ
って、皮内針21により患部皮膚面Sの2箇所を一度に
刺激することによって、皮内針22が打たれる位置が若
干ズレても、針治療セット20による治療効果を得るこ
とができるのである。しかも、この一対の針状体23,
23によれば、これらのいずれかが患部皮膚面Sから浮
き上がることが防止されるので、かかる浮き上がりによ
り患部皮膚面Sへ伝えられる不快な痛覚を防止すること
ができるのである。
【0050】次に、図4を参照して、第3実施例の針治
療セット30を説明する。図4は、第3実施例における
針治療セット30の分解斜視図である。図4に示すよう
に、第3実施例の針治療セット30は、前記した第1実
施例の針治療セット1に対して、被覆材を変更したもの
である。以下、前記した第1実施例の針治療セット1と
同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略
し、異なる部分のみを説明する。
【0051】図4に示すように、第3実施例の針治療セ
ット30では、第1実施例の被覆材5に代えて、被覆材
として消炎鎮痛シート9を直接使用している。即ち、針
治療セット30では、消炎鎮痛シート9の粘着材9bに
皮内針2における板状体3の上面3aが直接粘着されて
おり、この皮内針2が粘着された消炎鎮痛シート9が患
部皮膚面Sに貼り付けられる。
【0052】このように、第3実施例の針治療セット3
0によれば、消炎鎮痛シート9を患部皮膚面Sに貼付す
ることにより、その粘着材9bを介して皮内針2を患部
皮膚面Sに固定することができる一方、粘着材9bには
消炎鎮痛の効用を有する薬剤である消炎鎮痛剤が含浸さ
れているので、かかる消炎鎮痛剤により患部皮膚面Sの
治療を行うことができる。よって、針状体による患部皮
膚面Sの皮膚面の刺激と薬剤による消炎鎮痛の効用との
相乗効果により患部皮膚面Sの治療効果を増進すること
ができるのである。しかも、皮内針2を患部皮膚面Sに
固定し消炎鎮痛シート9を患部皮膚面Sに貼付する場合
に、皮内針2を固定する被覆材を別途用意する必要がな
く、その分、針治療セット30の部品点数が減少して、
皮内針2及び消炎鎮痛シート9を使用した治療コストを
低減することができる。
【0053】次に、図5を参照して、第4実施例の針治
療セット40を説明する。図5は、第4実施例における
針治療セット40を患部皮膚面Sに固定した状態におけ
る部分的な側断面図である。図5に示すように、第4実
施例の針治療セット40は、前記した第1実施例の針治
療セット1に対して、被覆材を変更したものである。以
下、前記した第1実施例の針治療セット1と同一の部分
には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部
分のみを説明する。
【0054】図5に示すように、第4実施例の針治療セ
ット40では、第1実施例の被覆材5に代えて、被覆材
41を使用している。この被覆材41は、粘着テープ6
のシート材6aの上面側に粘着テープ6と上面視同形
状、即ち、上面視略正方形のシート状に形成された積層
紙シート42が積層されている。この積層紙シート42
は、複数枚の紙材42aを積層して重ね合わせることに
より構成されており、各紙材42aは、その間部分に層
状に塗布された粘着剤や接着剤などの接合材42bによ
り接合されるとともに、かかる接合材42bにより積層
紙シート42における最下層側の紙材42a下面が粘着
テープ6のシート材6a上面に接合されている。
【0055】尚、積層紙シート42は、その紙材42a
の枚数と等しい回数分の消炎鎮痛シート9の交換が可能
に構成されており、例えば、消炎鎮痛シート9に含浸さ
れる消炎鎮痛剤の効用持続時間が略8時間であり、皮内
針2の効用持続時間が略4日である際に消炎鎮痛シート
9の交換が11回行われるとするれば、紙材42aが1
2枚積層されている。
【0056】この積層紙シート42は、各紙材42aを
接合する接合材42bの接合力が消炎鎮痛シート9の粘
着材9bの粘着力より小さくされており、消炎鎮痛シー
ト9が患部皮膚面Sから剥がされる際に最上層側の紙材
42aのみが消炎鎮痛シート9の粘着材9bに貼り付き
つつ剥がされるように(剥離可能に)構成されている。
よって、消炎鎮痛シート9を貼り替える場合には、消炎
鎮痛シート9が患部皮膚面Sから剥がされると、その粘
着材9bに積層紙シート42における最上層側の紙材4
2aが貼り付いて消炎鎮痛シート9が積層紙シート42
から剥離されので、皮内針2及び粘着テープ6が消炎鎮
痛シート9に粘着して患部皮膚面Sから剥がれ外れるこ
とを防止することができる。
【0057】従って、消炎鎮痛シート9の貼り替えの際
に、皮内針2及び粘着テープ6が患部皮膚面Sから外れ
ることが防止されるので、消炎鎮痛シート9の貼り替え
毎に皮内針2及び被覆材41を廃棄する必要がなく、消
炎鎮痛シート9の貼り替えに伴う皮内針2及び被覆材4
1の不要な交換を防止して、針治療セット40を使用し
た治療コストを低減することができるのである。
【0058】次に、図6を参照して、第5実施例の針治
療セット50を説明する。図6は、第5実施例における
針治療セット50を患部皮膚面Sに固定した状態におけ
る部分的な側断面図である。図6に示すように、第5実
施例の針治療セット50は、前記した第1実施例の針治
療セット1に対して、皮内針2の固定方法および油紙シ
ート7の接合位置を変更したものである。以下、前記し
た第1実施例の針治療セット1と同一の部分には同一の
符号を付して、その説明を省略し異なる部分のみを説明
する。
【0059】図6に示すように、第5実施例の針治療セ
ット50では、第1実施例の被覆材5における粘着テー
プ6に代えて、粘着テープ51を使用している。この粘
着テープ51は、その上下両面(図6の上下面)にそれ
ぞれ粘着材51a,51aが層状に塗布されており、い
わゆる両面テープで構成されている。この粘着テープ5
1上側面の粘着材51aは皮内針2の板状体3における
下面3bに貼り付け螺れており、粘着テープ51下側面
の粘着材51aは患部皮膚面Sに貼り付けられている。
【0060】また、皮内針2における板状体3の上面3
aには、かかる板状体3と上面視同形状、即ち、上面視
正三角形のシート状に形成された油紙シート7が積層さ
れ、その油紙シート7が粘着剤や接着剤などが層状に塗
布された接合材8により接合されている。よって、皮内
針2の上面3aに上述した消炎鎮痛シート9が被覆され
る場合には、かかる油紙シート7の油分により皮内針2
が消炎鎮痛シート9の粘着層9bに貼り付くこと防止し
て、皮内針2が患部皮膚面Sから外れることを防止する
ことができる。
【0061】従って、消炎鎮痛シート9の貼り替えの際
に、皮内針2が患部皮膚面Sから外れることが防止され
るので、消炎鎮痛シート9の貼り替え毎に皮内針2を廃
棄する必要がなく、消炎鎮痛シート9の貼り替えに伴う
皮内針2の不要な交換を防止して、針治療セット50を
使用した治療コストを低減することができる。
【0062】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察できるものである。
【0063】例えば、第1実施例では、原形体10を切
断加工により製造する場合にはワイヤカッタなどの切断
加工機を使用したが、原形体10の製造方法は、必ずし
もこれに限られるものではなく、例えば、プレス機によ
るプレス加工により金属材料を打ち抜いて原形体10を
製造しても良いし、レーザ切断機により金属材料を切断
して原形体10を製造しても良い。
【0064】また、第3実施例から第5実施例では、針
治療セット30〜50に皮内針2を使用したが、これら
の針治療セット30〜50に使用される皮内針は必ずし
もこれに限られるものではなく、例えば、第2実施例に
おける針治療セット20に使用された皮内針21を使用
しても良い。
【0065】更に、第5実施例では、皮内針2と消炎鎮
痛シート9との剥離を容易にするために油紙シート7を
使用したが、この油紙シート7に代えて、第4実施例に
おける積層紙シート42を皮内針2の板状体3における
上面3aに接合材42aを介して接合しても良い。
【0066】第1、第2及び第5実施例では、皮内針2
と消炎鎮痛シート9との剥離を容易にするために油紙シ
ート7を使用したが、この油紙シート7に代えて、表面
が滑面状に形成されたシート材を皮内針2の上面3aや
皮内針21の上面22aに接合しても良い。かかるシー
ト材を皮内針2の上面3aや皮内針21の上面22aに
接合すれば、そのシート材における滑面状の表面により
シート材が消炎鎮痛シート9の粘着層9bに貼り付くこ
とが防止され、皮内針2,21が消炎鎮痛シート9の粘
着層9bに貼り付くことが防止される。よって、消炎鎮
痛シート9の貼り替えに伴って、皮内針2,21が患部
皮膚面Sから外れることを防止することができる。
【0067】また、第5実施例では、油紙シート7が皮
内針2の上面3aに接合材8により接合されたが、この
油性シート7および接合材8に代えて、皮内針2におけ
る板状体3の上面(剥離材)3aを滑面状に形成しても
良い。このように、皮内針2の上面3aを滑面状に形成
することにより、皮内針2が消炎鎮痛シート9の粘着層
9bに貼り付くことが防止される。よって、消炎鎮痛シ
ート9の貼り替えに伴って、皮内針2が患部皮膚面Sか
ら外れることを防止することができる。
【0068】
【発明の効果】 請求項1記載の針治療用皮内針によれ
ば、その板状体は耐腐食性を有する金属材料で薄板状に
形成され、かつ、針状体は板状体の端部に折り曲げ形成
されるので、例えば、ワイヤカッタなどの工作機械によ
り薄板状の金属材料を切断加工することによって板状体
および針状体を一緒に成形して、その針状体を板状体に
対して略直角に折り曲げ形成することにより容易に製造
することができる。よって、このように容易な製造工程
により針治療用皮内針は製造されるので、従来の細線材
を弦巻状に丸めて形成される皮内針に比べて製造コスト
を低減することができるという効果がある。このため、
かかる針治療用皮内針を使用した針治療にかかる治療費
を低減することができるのである。
【0069】請求項2記載の針治療用皮内針によれば、
請求項1記載の針治療用皮内針の奏する効果に加え、患
部の皮膚面に刺し込まれる針状体は、板状体の長手方向
両端部にそれぞれ折り曲げ形成されるので、かかる両針
状体により患部の皮膚面における2箇所を一度に刺激す
ることができる。よって、かかる患部の2箇所が一度に
刺激されることにより、針治療用皮内針が打たれる位置
が若干ズレても、針治療用皮内針の治療効果を得ること
ができるという効果がある。このため、素人、特に高齢
者などの身体の不自由な者が自ら患部に針治療用皮内針
を打つような場合に、針治療用皮内針が正確な患部から
若干ズレた位置に打たれたとしても、その治療効果を得
ることができるのである。
【0070】しかも、患部の皮膚面に刺し込まれる針状
体は、板状体の長手方向両端部にそれぞれ形成されるの
で、例えば、両針状体のいずれかが皮膚面から浮き上が
ることを防止して、かかる針状体の浮き上がりにより皮
膚面へ伝えられる不快な痛覚を防止することができると
いう効果がある。
【0071】請求項3記載の針治療用皮内針によれば、
請求項1記載の針治療用皮内針の奏する効果に加え、患
部の皮膚面に刺し込まれる針状体は、上面視略三角形状
に形成された板状体の3つの頂角部にそれぞれ折り曲げ
形成されるので、かかる3つの針状体により患部の皮膚
面における3箇所を一度に刺激することができる。よっ
て、患部の3箇所が一度に刺激されることにより、針治
療用皮内針が打たれる位置が若干ズレても、針治療用皮
内針の治療効果を得ることができるという効果がある。
このため、素人、特に高齢者などの身体の不自由な者が
自ら患部に針治療用皮内針を打つような場合に、針治療
用皮内針が正確な患部から若干ズレた位置に打たれたと
しても、その治療効果を得ることができるのである。
【0072】しかも、患部の皮膚面に刺し込まれる針状
体は、上面視略三角形状に形成された板状体の3つの頂
角部にそれぞれ形成されるので、例えば、3つの針状体
のいずれかが皮膚面から浮き上がることを防止して、か
かる針状体の浮き上がりにより皮膚面へ伝えられる不快
な痛覚を防止することができるという効果がある。
【0073】請求項4記載の針治療用皮内針によれば、
請求項1から3のいずれかに記載の針治療用皮内針の奏
する効果に加え、患部に貼付される粘着面を有する被覆
材は、その粘着面が板状体における針状体の折り曲げ側
面との反対側面を覆いつつ患部に貼付されることによ
り、板状体を患部の皮膚面に固定することができる。ま
た、この被覆材により患部に固定される針治療用皮内針
は、例えば、その被覆材における粘着面との反対側面を
覆うようにして消炎鎮痛添付剤を患部に貼付することに
よって、針治療用皮内針と消炎鎮痛添付剤との相乗効果
により患部の治療効果を増進することができるのであ
る。
【0074】ところで、消炎鎮痛添付剤は、その効用の
持続時間が数時間であるのに対し、針治療用皮内針は、
その効用の持続時間が数日であるので、消炎鎮痛添付剤
の効用が低下する頃に患者は自身で新しい消炎鎮痛添付
剤に貼り替える必要がある。かかる場合に、被覆材は、
その粘着面との反対側面に粘着材から剥離可能に形成さ
れた剥離材が設けられるので、消炎鎮痛添付剤の粘着面
を形成する粘着材に被覆材が貼り付くことを防止して、
消炎鎮痛添付剤とともに針治療用皮内針が患部の皮膚面
から外れることを防止することができる。
【0075】よって、消炎鎮痛添付剤の貼り替えの際
に、針治療用皮内針が患部の皮膚面から外れることが防
止されるので、従来の針治療用皮内針のように、消炎鎮
痛添付剤とともに針治療用皮内針が剥がれることがな
い。このため、消炎鎮痛添付剤の貼り替えに伴う不要な
針治療用皮内針の廃棄や交換が防止されるので、針治療
用皮内針の使用コストを低減することができるという効
果がある。
【0076】請求項5記載の針治療用皮内針によれば、
請求項1から3のいずれかに記載の針治療用皮内針の奏
する効果に加え、例えば、針状体を患部に刺し込むと共
に、板状体における針状体の折り曲げ側面との反対側面
を覆うようにして消炎鎮痛添付剤を患部に貼付するこに
よって、針治療用皮内針と消炎鎮痛添付剤との相乗効果
により患部の治療効果を増進することができる。
【0077】ところで、消炎鎮痛添付剤は、その効用の
持続時間が数時間であるのに対し、針治療用皮内針は、
その効用の持続時間が数日であるので、消炎鎮痛添付剤
の効用が低下する頃に患者は自身で新しい消炎鎮痛添付
剤に貼り替える必要がある。かかる場合に、板状体にお
ける針状体の折り曲げ側面との反対側面には粘着材から
剥離可能に形成された剥離材が設けられるので、消炎鎮
痛添付剤の粘着面を形成する粘着材に板状体が貼り付く
ことを防止して、消炎鎮痛添付剤とともに針治療用皮内
針が患部の皮膚面から外れることを防止することができ
る。
【0078】よって、消炎鎮痛添付剤の貼り替えの際
に、針治療用皮内針が患部の皮膚面から外れることが防
止されるので、従来の針治療用皮内針のように、消炎鎮
痛添付剤とともに針治療用皮内針が剥がれることがな
い。このため、消炎鎮痛添付剤の貼り替えに伴う不要な
針治療用皮内針の廃棄や交換が防止されるので、針治療
用皮内針の使用コストを低減することができるという効
果がある。
【0079】請求項6記載の針治療用皮内針によれば、
請求項4または5に記載の針治療用皮内針の奏する効果
に加え、例えば、針治療用皮内針を覆うように消炎鎮痛
添付剤が患部に貼付される場合に、その針治療用皮内針
と消炎鎮痛添付剤の粘着面との間には、複数枚の紙材が
剥離可能に積層された剥離材が設けられるので、これら
の紙材が消炎鎮痛添付剤を貼り替える度に粘着面に貼り
付いて、かかる粘着面に針治療用皮内針が貼り付くこと
を防止することができる。よって、消炎鎮痛添付剤の貼
り替えに伴って針治療用皮内針が患部の皮膚面から外れ
ることを防止することができるという効果がある。
【0080】請求項7記載の針治療用皮内針によれば、
請求項4または5に記載の針治療用皮内針の奏する効果
に加え、例えば、針治療用皮内針を覆うように消炎鎮痛
添付剤が患部に貼付される場合に、その針治療用皮内針
と消炎鎮痛添付剤の粘着面との間には、油分が含浸され
た油紙などの油性紙材で形成された剥離材が設けられる
ので、かかる剥離材の油分により消炎鎮痛添付剤の粘着
面に板状体が貼り付くことを防止して、消炎鎮痛添付剤
の貼り替えに伴って針治療用皮内針が患部の皮膚面から
外れることを防止することができるという効果がある。
【0081】請求項8記載の針治療用皮内針は、請求項
4または5に記載の針治療用皮内針の奏する効果に加
え、例えば、針治療用皮内針を覆うように消炎鎮痛添付
剤が患部に貼付される場合に、その針治療用皮内針と消
炎鎮痛添付剤の粘着面との間には剥離材が設けられ、か
つ、剥離材の表面は滑面状に形成されるので、かかる剥
離材の表面により針治療用皮内針が消炎鎮痛添付剤の粘
着面に貼り付くことを防止することができる。よって、
消炎鎮痛添付剤の貼り替えに伴って針治療用皮内針が患
部の皮膚面から外れることを防止することができるとい
う効果がある。
【0082】請求項9記載の針治療用皮内針によれば、
請求項1から8のいずれかに記載の針治療用皮内針の奏
する効果に加え、患部に貼付される粘着面を有する薬用
被覆材は、その粘着面により板状体における針状体の折
り曲げ側面との反対面側を覆いつつ患部に貼付して、板
状体を患部の皮膚面に固定することができる。しかも、
薬用被覆材における粘着面には、消炎鎮痛の効用を有す
る薬剤が含浸されているので、かかる薬剤により患部の
治療を行うことができる。よって、針状体による患部の
皮膚面の刺激と薬剤による消炎鎮痛の効用との相乗効果
により患部の治療効果を増進することができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の一実施例としての皮内針
が使用される針治療セットの分解斜視図であり、(b)
は、針治療セットを患部皮膚面に固定した状態における
部分的な側断面図である。
【図2】 皮内針の原形体の平面図である。
【図3】 第2実施例における針治療セットの分解斜視
図である。
【図4】 第3実施例における針治療セットの分解斜視
図である。
【図5】 第4実施例における針治療セットを患部皮膚
面に固定した状態における部分的な側断面図である。
【図6】 第5実施例における針治療セットを患部皮膚
面に固定した状態における部分的な側断面図である。
【図7】 従来技術における皮内針および絆創膏の分解
斜視図である。
【符号の説明】 1,20,30,40,50 針治療セット 2,21 皮内針(針治療用皮内
針) 2a,22a 上側面(針状体の折り
曲げ側面との反対側面) 2b,22b 下側面(針状体の折り
曲げ側面) 3,22 板状体 3c〜3e 頂角部(板状体の頂角
部、板状体の端部) 4,23 針状体 5,41 被覆材 6 粘着テープ 6b 粘着材(被覆材の粘着
面) 7 油紙シート(油性紙
材、剥離材) 9 消炎鎮痛シート(薬用
被覆材) 9b 粘着材(被覆材の粘着
面) 22c,22d 端部(板状体の長手方
向端部、板状体の端部) 42 積層紙シート(剥離
材) 42a 紙材(複数枚の紙材) S 皮膚面

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患部の皮膚面に刺し込まれ針治療に使用
    される針治療用皮内針において、 耐腐食性を有する金属材料で薄板状に形成された板状体
    と、 その板状体の端部に尖状に形成され、その板状体に対し
    て略直角に折り曲げ形成された針状体とを備えているこ
    とを特徴とする針治療用皮内針。
  2. 【請求項2】 前記板状体は上面視長板状に形成されて
    おり、その板状体における長手方向両端部には前記針状
    体が略同一方向へそれぞれ折り曲げ形成されていること
    を特徴とする請求項1記載の針治療用皮内針。
  3. 【請求項3】 前記板状体は上面視略三角形状に形成さ
    れており、その板状体の3つの頂角部には前記針状体が
    それぞれ略同一方向へ折り曲げ形成されていることを特
    徴とする請求項1記載の針治療用皮内針。
  4. 【請求項4】 前記板状体における前記針状体の折り曲
    げ側面との反対側面を覆いつつ患部に貼付される粘着面
    を有する被覆材を備えており、その被覆材における前記
    粘着面との反対側面には粘着材から剥離可能に形成され
    た剥離材が設けられていることを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれかに記載の針治療用皮内針。
  5. 【請求項5】 前記板状体は、前記針状体の折り曲げ側
    面と反対側面に粘着材から剥離可能に形成された剥離材
    が設けられていることを特徴とする請求項1から3のい
    ずれかに記載の針治療用皮内針。
  6. 【請求項6】 前記剥離材は複数枚の紙材を剥離可能に
    積層して形成されていることを特徴とする請求項4また
    は5に記載の針治療用皮内針。
  7. 【請求項7】 前記剥離材は油分が含浸された油紙など
    の油性紙材で形成されていることを特徴とする請求項4
    または5に記載の針治療用皮内針。
  8. 【請求項8】 前記剥離材の表面は滑面状に形成されて
    いることを特徴とする請求項4または5に記載の針治療
    用皮内針。
  9. 【請求項9】 消炎鎮痛の効用を有する薬剤が含浸され
    た粘着面を有する薬用被覆材を備えており、その薬用被
    覆材の粘着面には前記板状体における前記針状体の折り
    曲げ側面との反対面側が粘着されることを特徴とする請
    求項1から8のいずれかに記載の針治療用皮内針。
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