JP2000224991A - 酸化還元酵素をコードする遺伝子 - Google Patents

酸化還元酵素をコードする遺伝子

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JP2000224991A
JP2000224991A JP11028969A JP2896999A JP2000224991A JP 2000224991 A JP2000224991 A JP 2000224991A JP 11028969 A JP11028969 A JP 11028969A JP 2896999 A JP2896999 A JP 2896999A JP 2000224991 A JP2000224991 A JP 2000224991A
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desulfurization
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Yoshitaka Ishii
義孝 石井
Hitoshi Konishi
仁 小西
Masanori Suzuki
正則 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 微生物を利用するチオフェン系化合物を
分解する機能を有する酵素と共役して、NADHを酸化しFM
Nを還元する機能を有する酵素及びそれをコードする遺
伝子。 【効果】 石油等の化石燃料中に含まれるチオフェン系
化合物中の硫黄を効率的に遊離させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物を利用する
チオフェン系化合物、すなわちベンゾチオフェン、ジベ
ンゾチオフェン(以下「DBT 」という)およびこれらの
置換体、又はそれらの誘導体を分解する機能を有する酵
素と共役して、NADHを酸化しFMNを還元する機能を有す
る酵素及びそれをコードする遺伝子に関するものであ
る。本発明の酵素及び遺伝子を利用することにより、石
油等の化石燃料中に含まれるベンゾチオフェンやDBT お
よびこれらの置換体、又はそれらの誘導体中の硫黄を効
率的に遊離させることができるので、石油・石炭等の化
石燃料の燃焼により空気中に拡散する硫黄を、化石燃料
中から容易に除去することができるようになる。
【0002】
【従来の技術】石油のような炭化水素燃料から硫黄を除
去する脱硫のための方法としては、アルカリ洗浄や溶剤
脱硫などの方法も知られているが、現在では水素化脱硫
が主流となっている。水素化脱硫は、石油留分中の硫黄
化合物を触媒の存在下で水素と反応させ、硫化水素とし
て除去して製品の低硫黄化を図る方法である。触媒とし
ては、アルミナを担体としてコバルト、モリブデン、ニ
ッケル、タングステン、などの金属触媒が使用される。
モリブデン担持アルミナ触媒の場合には、触媒性能を向
上させるために、通常コバルトやニッケルが助触媒とし
て加えられる。金属触媒を用いた水素化脱硫は、現在世
界中で広く使用されているきわめて完成度の高いプロセ
スであることは疑いのないことである。しかし、より厳
しい環境規制に対応した石油製品を作るためのプロセス
という観点からは、いくつかの問題点がある。以下にそ
の例を簡単に記載する。
【0003】金属触媒は、一般にその基質特異性が低
く、このため多様な種類の硫黄化合物を分解し、化石燃
料全体の硫黄含量を低下させる目的には適しているが、
特定のグループの硫黄化合物、すなわちベンゾチオフェ
ンやDBT のような複素環硫黄化合物類およびそれらのア
ルキル誘導体類に対してはその脱硫効果が不十分となる
ことがあると考えられる。たとえば、脱硫後の軽油中に
はなおも種々の複素環式有機硫黄化合物が残存してい
る。このように金属触媒による脱硫効果が不十分となる
原因の一つは、これらの有機硫黄化合物中の硫黄原子の
周囲に存在する置換基による立体障害が考えられる。こ
れらの置換基のうち、メチル置換基の存在が水素化脱硫
における金属触媒の反応性に及ぼす影響は、チオフェ
ン、ベンゾチオフェン、DBT などについて検討されてい
る。それらの結果によると、一般的には置換基の数が増
すほど脱硫反応は減少するが、置換基の位置が反応性に
及ぼす影響もきわめて大きいことが明らかである。メチ
ルDBT 類の脱硫反応性を比較し、置換基による立体障害
が金属触媒の反応性に及ぼす影響が非常に大きいことを
示した報告は、たとえば、Houalla, M., Broderick, D.
H., Sapre, A.V., Nag, N.K., de Beer, V.H., Gates,
B.C., Kwart, H.J., Catalt., 61, 523-527(1980)に見
られる。実際、これらのでDBT の種々のアルキル化誘導
体が軽油中にかなりの量存在することが知られている
(たとえば、Kabe, T., Ishihara, A. and Tajima, H.
lnd. Eng. Chem. Res., 31, 1577-1580(1992))。
【0004】上記のように水素化脱硫に抵抗性を示す有
機硫黄化合物を脱硫するためには、現在用いられている
よりも高い反応温度や圧力が必要とされ、また、添加す
る水素の量も非常に増大すると考えられている。このよ
うな水素化脱硫プロセスの改良は、ばく大な設備投資と
運転コストを必要とすることが予想される。このような
水素化脱硫に抵抗性を示す有機硫黄化合物を主たる硫黄
化合物種として含むものとしては、たとえば、軽油があ
り、軽油のより高度な脱硫(超深度脱硫)を行う場合に
は上記のような水素化脱硫プロセスの大幅な改良が要求
される。
【0005】一方、生物が行う酵素反応は比較的穏和な
条件下で進行し、しかも酵素反応の速度自体は、化学触
媒を用いた反応の速度と遜色のないという特徴を有して
いる。さらに、生体内で起こる多種多様の生物反応に適
切に対応する必要があるため、非常に多くの種類の酵素
が存在し、それらの酵素は一般的に非常に高い基質特異
性を示すことが知られている。このような特徴は、微生
物を用いて化石燃料中に含まれる硫黄化合物中の硫黄の
除去を行ういわゆるバイオ脱硫反応においても活かされ
るものと期待されている(Monticello, D.J., Hydrocar
bon Processing39-45(1994)) 。
【0006】一方、細菌を用いて石油の成分である複素
環硫黄化合物から硫黄を除去する方法については、多数
の報告があるが、それらは環分解(C-C 結合切断)型反
応とC-S 結合切断型反応とに大別される。C-C 結合攻撃
型脱硫活性を有する細菌としては、例えば、Pseudomona
s sp., Pseudomonas aeruginosa, Beijerinckia sp.,Ps
eudomonas alcaligenes, Pseudomonas stutzeri, Pseud
omonas putida, Brevibacterium sp.などが知られてい
る。これらの細菌は、DBT で代表される複素環式硫黄化
合物中のC-C 結合の切断を行い、ベンゼン環を分解し、
その後の酸化反応カスケードにより、硫黄塩を放出する
というタイプの代謝を行うものである。これらの炭素骨
格攻撃型経路の反応機構は芳香環の水酸化(DBT →→1,
2-ジヒドロキシDBT)、環の解裂、水溶性産物への酸化
(1,2-ジヒドロキシDBT →→トランス-4[2-(3-ヒドロ
キシ)チアンナフテニル]-2- オキソ- ブテノイン酸、
3-ヒドロキシ-2- ホルミルベンゾチオフェン)といった
ものであり、Kodama経路と呼ばれている。このタイプの
反応により、DBT のベンゼン環中のC-C 結合が攻撃を受
け、油から抽出可能な種々の水溶性物質を生じる。しか
し、この反応により、油中の他の芳香族分子が攻撃を受
け、その結果かなりの量の炭化水素が液相に移動するこ
とになる(Hartdegen, F.J., Coburn, J.M. and Robert
s, R.L. Chem.Eng. Progress, 80, 63-67(1984)) 。こ
のようなことは石油の総熱量単位の低下を招くことにな
り、工業的には非効率的な反応である。また、このタイ
プのDBT酸化分解菌は、児玉らが報告しているように酸
化産物として水溶性のチオフェン化合物(主として3-ヒ
ドロキシ-2- ホルミルベンゾチオフェン)を与えるが、
これは液相から除去するのが困難な物質でもある。更
に、DBT の炭素環の攻撃は、しばしばアルキル置換基や
アリル置換基を持つDBT の 2位及び 3位の位置で起こる
ため、これらの位置で置換されたDBT はKodama経路の基
質とはならない。
【0007】原油や石炭のみならず硫黄を含んだモデル
化合物を分解し、ヘテロ原子である硫黄を選択的に除去
して、硫酸塩や水酸化化合物を産生する微生物類が報告
されている。このタイプの反応は、その代謝産物の構造
から考えて、硫黄化合物中のC-S 結合を特異的に切断し
て、その結果硫黄を硫酸塩の形で遊離する反応であると
考えられる。現在までに、表1 に示すような硫黄攻撃型
のバイオ脱硫反応系の報告がある。
【0008】
【表1】
【0009】以上記載したバイオ脱硫はすべて、30℃近
辺の温度条件下で進行する微生物代謝反応を利用するも
のである。一方、化学反応の速度は一般に温度に依存し
て増大することが知られている。また、石油精製プロセ
ス中の脱硫工程では、高温・高圧条件下で分別蒸留や脱
硫反応が行われる。従って、石油精製プロセス中にバイ
オ脱硫工程を組み込むとすると、常温近くにまで石油留
分を冷却することなしに、冷却途中のより高い温度でバ
イオ脱硫反応ができる方が望ましいと考えられる。高温
バイオ脱硫に関する報告には以下のようなものがある。
【0010】微生物を用いて高温で脱硫反応を行わせる
試みのほとんどは、石炭脱硫において見ることができ
る。石炭中には種々の硫黄化合物が含まれている。主要
な無機硫黄化合物は黄鉄鉱であるが、有機硫黄化合物に
関しては多種多様のものが混在しており、多くがチオー
ル、スルフィド、ジスルフィド、チオフェン基を含んで
いることが知られている。用いられた微生物は、Sulfol
obus属の細菌で、これらはすべて好熱性細菌である。鉱
物スルフィドからの金属のリーチング(BrierleyC.L. &
Murr, L.E., Science 179, 448-490(1973)) や石炭か
らの黄鉄鉱の硫黄除去などに種々の異なったSulfolobus
株を用いた例が報告されている(Kargi, F. & Robinso
n, J.M., Biotechnol. Bioeng, 24, 2115-2121(1982);
Kargi, F. &Robinson, J.M., Appl. Environ. Microbio
l., 44, 878-883(1982); Kargi, F.& Cervoni, T.D., B
iotechnol. Letters 5, 33-38(1983); Kargi, F. and R
obinson, J.M., Biotechnol. Bioeng., 26, 687-690(19
84); Kargi, F. & Robinson, J.M., Biotechnol. Bioen
g. 27, 41-49(1985); Kargi, F., Biotechnol. Lett.,
9, 478-482(1987))。Kargi とRobinson (Kargi, F and
Robinson, J.M., Appl. Environ. Microbiol., 44, 878
-883(1982))によれば、米国のイエローストーン国立公
園の酸性温泉から分離されたSulfolobus acidocaldariu
sのある株は、45〜70℃で生育するが、至適pH2 で元素
状硫黄を酸化する。また、別の 2種のSulfolobus acido
caldarius株による黄鉄鉱の酸化も報告されている(Tob
ita, M.,Yokozeki, M., Nishikawa, N. & Kawakami,
Y., Biosci. Biotech. Biochem. 58, 771-772(1994))。
【0011】化石燃料中に含まれる有機硫黄化合物のう
ち、DBT およびその置換体又はそれらの誘導体は通常の
石油精製プロセスにおいて水素化脱硫を受けにくいこと
が知られている。そのDBT のSulfolobus acidocaldariu
s(以下、「S.acidocaldarius」という)による高温分
解も報告されている(Kargi, & Robinson, J.M., Biote
chnol. Bioeng, 26, 687-690(1984); Kargi, F., Biote
chnol. Letters 9, 478-482(1987))。
【0012】これらの報告によれば、チアントレン、チ
オキサンテン、DBT などのモデル芳香族複素環硫黄化合
物を高温でこの微生物と反応させると、これらの硫黄化
合物は酸化されて、分解する。S. acidocaldarius によ
るこれらの芳香族複素環硫黄化合物の酸化は、70℃で観
察されており、反応産物として硫酸イオンを生じる。し
かし、この反応は硫黄化合物の他には炭素源を含まない
培地中での反応であり、硫黄化合物を炭素源としても利
用している。すなわち硫黄化合物中のC-C 結合を分解し
ていることは明瞭である。さらに、このS. acidocaldar
iusは酸性の培地でのみ増殖でき、DBT の酸化分解反応
は、きびしい酸性条件下(pH2.5)での進行を要求する。
このようなきびしい条件は石油製品の劣化を引き起こす
と同時に脱硫に関わる工程に耐酸性材料を必要とするた
めプロセス上望ましくないと考えられる。S. acidocald
ariusを、独立栄養条件下で増殖させると、必要なエネ
ルギーを還元された鉄・硫黄化合物から獲得し、炭素源
として二酸化炭素を利用する。しかし、S. acidocaldar
iusは、従属栄養条件下に増殖させると、炭素源および
エネルギー源として種々の有機化合物を利用することが
できる。すなわち、化石燃料が存在すると炭素源として
資化されるものと考えられる。
【0013】Finnertyらは、Pseudomonas stutzeri、Ps
eudomonas alcaligenes、Pseudomonas putidaに属する
株がDBT 、ベンゾチオフェン、チオキサンテン、チアン
トレンを分解して、水溶性の物質に変換することを報告
している(Finnerty, W.R.,Shockiey, K., Attaway, H.
in Microbial Enhanced Oil Recovery, Zajic, J.E. e
t al.(eds.) Penwell. Tuisa, Okia, 83-91(1983)。こ
の場合、酸化反応は55℃でも進むとしている。しかし、
これらのPseudomonas菌株によるDBT の分解産物は、Kod
amaらが報告している3-ヒドロキシ-2- ホルミルベンゾ
チオフェンである(Monticello, D.J., Bakker, D., Fi
nnerty, W.R. Appl. Environ. Microbiol., 49, 756-76
0(1985))。これらのPseudomonas 菌株によるDBT の酸化
活性は、硫黄を含まない芳香族炭化水素であるナフタレ
ンやサリチル酸により誘導を受け、クロラムフェニコー
ルにより阻止される。このことから、これらのPseudomo
nas菌株によるDBT の分解反応は、芳香環中のC-C 結合
を切断することによる分解を基礎としていることが分か
る。また、硫黄化合物以外にも石油留分中に含まれる貴
重な芳香族炭化水素を同時に分解するおそれもあり、こ
れは、燃料の価値や石油留分の品質を低下させることに
なる。
【0014】このように、今までに発見されている高温
でDBT を分解できる菌は、DBT 分子中のC-C 結合を切断
し、炭素源として利用する反応を触媒するものである。
C-S結合を特異的に切断するが、C-C 結合は切断しない
でそのまま残すタイプの有機硫黄化合物の分解反応が実
際の石油の脱硫方法として望ましいことは上述の通りで
ある。すなわち、高温でDBT およびそのアルキル置換
体、又はそれらの誘導体分子中のC-S 結合を切断する活
性を示し、水溶性の物質の形で、脱硫産物を生じる微生
物を利用するのがバイオ脱硫プロセスとして最も望まし
い。
【0015】前述のように、C-S 結合切断型のDBT 分解
反応を行う微生物は、いくつかの属の細菌で知られてい
る。しかし、これらのすべての菌について、少なくとも
42℃以上の高温条件下においてDBT を分解する活性を示
したということを記載した例は見あたらない。たとえ
ば、Rhodococcus sp.のATCC53968 はよく調べられたDBT
分解菌株であり、DBT の硫黄原子に酸素原子を付加し、
DBT スルホキシド(以下「DBTO」という)からDBT スル
ホン(以下「DBTO2 」という)を生成し、ついで2-(2'-
ヒドロキシフェニル) ベンゼンスルフィン酸塩を経て2-
ヒドロキシビフェニル(以下「2-HBP 」という)を生成
する反応を行う。しかし、この菌も通常の培養温度であ
る30℃よりも少し高い37℃および43℃でさえ、48時間培
養すると非常に生育が遅れるか、生育しなくなることが
報告されている(特開平6-54695号公報) 。このことか
ら、高温脱硫反応を行わせるためには、高温で生育で
き、しかも高温で有機硫黄化合物、特にDBT およびその
置換体、又はそれらの誘導体化合物を含む複素環式硫黄
化合物類をC-S 結合特異的に切断できる微生物を用いる
のが最適であると考えられた。本発明者らは広範なスク
リーニングを行い、60℃近い高温条件下で増殖し、DBT
類を分解・脱硫できる高温脱硫菌株 Paenibacillus sp.
株をすでに 2株世界で初めて単離している(特開平10-0
36859 号公報)。この菌株の有する高温脱硫活性に関与
する遺伝子を単離すれば、組換えDNA 技術のような遺伝
子操作技術を利用して、他の生物にその遺伝子を導入し
発現させることにより、広範囲の生物に高温脱硫能を賦
与することができることになる。
【0016】C-S 結合切断型の脱硫反応を起こすことが
知らされている細菌で、そのDBT 分解反応に関与する酵
素活性をコードする遺伝子が同定され、その塩基配列が
決定されているのは、本発明者らの知る限りでは、Rhod
ococcus sp. IGTS8株のdsz遺伝子のみである(Denome,
S., Oldfleld., C., Nash, L.J. and Young, K.D. J.Ba
cteriol., 176:6707-6716, 1994; Piddington, C.S., K
ovacevich, B.R. andRambosek, J. Appl. Environ. Mic
robiol., 61:468-475, 1995) 。IGTS8 株によるDBT 分
解反応は、DBT からDBTOを経てDBTO2 への変換を触媒す
るDszC、DBTO2から2-(2'-ヒドロキシフェニル)ベンゼ
ンスルフィン酸への変換を触媒するDszAおよび2-(2'-ヒ
ドロキシフェニル)ベンゼンスルフィン酸から2-HBP へ
の変換を触媒するDszBの3つの酵素により触媒される
(Denome, S., Oldfield., C., Nash, L.J. and Young,
K.D. J.Bacteriol., 176:6707-6716, 1994; Gray, K.
A., Pogrebinshy, O.S., Mrachko, G.T., Xi, L. Monti
cello, D.J. and Squires, C.H. Nat Biotechnol., 14:
1705-1709, 1996; Oldfield, C., Pogrebinsky, O., Si
mmonds, J., Olson, E.S. and Kulpa, C.F., Microbiol
ogy, 143:2961-2973, 1997)。それぞれ対応する遺伝子
はdszA, dszB, dszCと呼ばれている。DszCとDszAはモノ
オキシゲナーゼで、両者ともその酸素添加反応にはNAD
H:FMNオキシドレダクターゼ活性の共存を必要とするこ
とが知られている(Gray, K.A., Pogrebinsky, O.S., M
rachko, G.T., Xi, L. Monticello, D.J. and Squires,
C.H. Nat Biotechnol., 14:1705-1709, 1996; Xi, L.
Squires, C.H., Monticello, D.J. and Chids, J.D. Bi
ochem. Biophys. Res Commun., 230:73-76, 1997) 。こ
のNADH-FMNオキシドレダクターゼ活性を有する酵素はDs
zDと呼ばれ、その遺伝子配列がGray, K.A.らにより報告
されている(US Pat. No.5,804,433)。これらのdsz 遺
伝子を大腸菌で温度シフトにより誘導発現させた場合、
菌体培養によるDszA活性は39℃で最大となり、42℃では
顕著に低下することが報告されている(Denome,S., Old
field., D., Nash, L.J. and Young, K.D. J. Bacterio
l., 176:6707-6716, 1994) 。この結果は、IGTS8 株の
有する脱硫酵素活性は常温付近で最大になり、より高温
では活性は低下し、50℃以上ではまったく脱硫活性は見
られなくなるという休止菌体反応系の実験結果(Konish
i, J., Ishii, Y., Onaka, T., Okumura, K. and Suzuk
i, M. Appl. Environ. Microbiol., 63:3164-3169, 199
7)と一致する。
【0017】DszA以外の酵素、即ち、DszB、DszC、DszD
については、温度安定性に関する報告はないが、IGTS8
株の有する脱硫酵素活性が常温付近にあることを考慮す
ると、これらの酵素もDszA同様高温では失活してしまう
可能性が高い。従って、より効率的なバイオ脱硫技術の
開発のためにはIGTS8 株の有する一連の酵素と同様の機
能を有し、かつより熱安定性の高い酵素をコードする遺
伝子の単離が望まれる。特にNADH-FMNオキシドレダクタ
ーゼ活性を有する酵素は、脱硫以外にも様々な酸化還元
反応に利用することができるため、その遺伝子に対する
社会的な要望も強い。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ベン
ゾチオフェン、DBT 系化合物に作用し、それらを高温で
分解する酵素と共役する酸化還元酵素をコードする遺伝
子を単離することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、高温脱硫細菌Pa
enibacillus sp.から脱硫反応に関与する遺伝子群の単
離に成功し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明
の第一は、脱硫酵素と共役し脱硫反応に関与する酵素を
コードする遺伝子に関する。
【0020】本発明の第二は、上記遺伝子を含むベクタ
ーに関する。本発明の第三は、上記ベクターを含有する
形質転換体に関する。本発明の第四は、脱硫酵素と共役
し脱硫反応に関与する酵素に関する。本発明の第五は、
上記酵素の熱処理による高活性化方法に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (1)脱硫酵素と共役し脱硫反応に関与する酵素をコー
ドする遺伝子 本発明の遺伝子には、以下の遺伝子が含まれる。この遺
伝子は、(a) 配列番号2記載のアミノ酸配列により表さ
れるタンパク質、又は(b) 配列番号2記載のアミノ酸配
列において1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換若
しくは付加されたアミノ酸配列により表され、NADHを酸
化しFMNを還元する機能を有するタンパク質をコードす
るものである。(a)及び(b)のタンパク質はDBTO2 を2-
(2'-ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルフィン酸に変換
する酵素及びDBT をDBTOを経てDBTO2 に変換する酵素と
共役する。
【0022】上記の遺伝子は、Nitroreductaseをコード
する遺伝子にある程度の相同性を示すが、これらのNitr
oreductaseにおいて本発明と同様の性質を有するものは
報告されていない。本発明の遺伝子のうち、配列番号2
記載のアミノ酸配列をコードする遺伝子については、本
明細書の実施例に記載された方法により得ることができ
る。また、これらの遺伝子の塩基配列は、配列番号1に
示すように、既に決定されているので、これらの配列を
基に適当なプライマーを合成し、たとえば、Paenibacil
lussp. A11-2(FERM P-15752)株から調製されたDNA を鋳
型としてPCR を行うことによっても得ることができる。
【0023】配列番号2記載のアミノ酸配列において1
若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加さ
れたアミノ酸配列をコードする遺伝子は、本願の出願時
において常用される技術、例えば、部位特異的変異誘発
法(Zoller et al., NucleicAcids Res. 10 6487-6500,
1982)により配列番号2記載のアミノ酸配列をコード
する遺伝子を改変することにより得ることができる。本
発明の遺伝子は、DBT の分解に関与する酵素をコードす
るので、石油の脱硫に利用することができる。
【0024】(2)脱硫酵素と共役し脱硫反応に関与す
る酵素をコードする遺伝子を含むベクター 本発明のベクターは、上記の遺伝子を含む。このような
ベクターは、本発明の遺伝子を含むDNA 断片を、公知の
ベクターに挿入することにより作製することができる。
DNA 断片を挿入するベクターは、形質転換する宿主に応
じて決めればよく、宿主として大腸菌を使用するのであ
れば、以下のようなベクターを使用するのが好ましい。
強力なプロモーターとして、例えば、lac、lacUV5、tr
p、tac、trc、λpL、T7、rrnB、などを含むpUR 系、pGE
X系、pUC 系、pET 系、pT7 系、pBluescript 系、pKK
系、pBS 系、pBC 系、pCAL系などのベクターを使用する
のが好ましい。
【0025】(3)脱硫酵素と共役し脱硫反応に関与す
る酵素をコードする遺伝子を含むベクターを含有する形
質転換体 本発明の形質転換体は、上記ベクターを含有する。形質
転換体の宿主とする細胞は、植物細胞や動物細胞などで
あってもよいが、大腸菌などの微生物が好ましい。代表
的な菌株としては、Sambrook等の成書Molecular Clonin
g Laboratory Mannual 2nd ed.に記載されている、71/1
8 、BB4 、BHB2668 、BHB2690 、BL21(DE3) 、BNNl02(C
600hflA)、C-1a、C600(BNN93) 、CES200、CES201、CJ23
6 、CSH18 、DH1 、DH5 、DH5 α、DP50supF、ED8654、
ED8767、HB101 、HMS174、JM101、JM105 、JM107 、JM1
09 、JM110 、K802、KK2186、LE392 、LG90、M5219 、M
BM7014.5 、MC1061、MM294 、MV1184、MV1193、MZ-1、N
M531 、NM538 、NM539 、Q358、Q359、R594、RB791 、R
R1 、SMR10 、TAP90 、TG1 、TG2 、XL1-Blue、XS101
、XS127 、Y1089 、Y1090hsdR 、YK537 などが挙げら
れる。
【0026】(4)脱硫酵素と共役し脱硫反応に関与す
る酵素 本発明の脱硫酵素と共役し脱硫反応に関与する酵素に
は、以下のタンパク質が含まれる。このタンパク質は、
配列番号2記載のアミノ酸配列により表されるタンパク
質と配列番号2記載のアミノ酸配列において1若しくは
複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミ
ノ酸配列からなり、かつNADHを酸化しFMNを還元する機
能を有するタンパク質とを包含する。
【0027】上記のタンパク質は、Rhodococcus sp.IGT
S8株由来の脱硫酵素と共役して、NADHを酸化しFMNを還
元する機能を有する酵素DszDとはほとんど相同性はな
く、また、酵素としての作用は同一であるが、以下の点
で明確に相違する。DszDは、常温領域で脱硫活性を示す
が、本発明のタンパク質は高温領域でより高い脱硫活性
を示す。本発明の脱硫酵素と共役し脱硫反応に関与する
酵素は、上述の本発明の脱硫酵素と共役し脱硫反応に関
与する酵素をコードする遺伝子を利用して製造すること
ができる。また、配列番号2に記載のアミノ酸配列によ
り表される脱硫酵素と共役し脱硫反応に関与する酵素
は、Paenibacillus sp. A11-2(FERM P-15752)株から常
法に従って調製することも可能である。
【0028】(5)脱硫酵素と共役する酸化還元酵素の
高活性化方法 本発明の高活性化方法は、以下のような処理により行わ
れる。上記酵素を含有する液、例えば、上記形質転換体
の無細胞抽出液を、遺伝子源とした脱硫菌の生育温度付
近で数分間処理する。たとえば、本酵素の場合、生育適
正温度の50℃で30分間熱処理を行うことにより酵素活性
の向上が確認される。処理温度や時間はこの限りではな
く、生育温度付近で数分間から数時間処理しても同様の
効果が得られる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。実施例中の遺伝子操作に関連した実験は、主にMani
atisらの成書(Sambrook,J., Fritsch, E., F. and Man
iatis, T. 1989. Molecular Cloning. A Laboratory Ma
nual. 2nd. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Co
ld Spring Harbor,NY.) に詳述されている方法に従って
行った。
【0030】〔実施例1〕脱硫関連酵素をコードする遺
伝子断片のクローニング Paenibacillus sp. A11-2株から精製された FMN:NADH酸
化還元活性を有する蛋白質(以下「蛋白質A」という)
のアミノ末端のアミノ酸配列を決定した。それらの配列
を以下に示す。 蛋白質A NH2-TSQTAEQSIAPIVAQYRHPEQPISXLFVNR-------COOH (アミノ酸は一文字記号により示してある。Xは未同
定。) 上記のアミノ酸配列をもとに以下に示すようなPCR用プ
ライマーを作製した。
【0031】 センスプライマー 5'- CAR ACN GCN GAR CA -3' アンチセンスプライマー 5'- ATN GGY TGY TCN GG -3' これらのセンスプライマーとアンチセンスプライマーを
用いて、Paenibacillus sp. A11-2株から抽出したDNA
を鋳型としてPCR を行った。Paenibacillus sp.A11-2株
からのDNAの調製は以下のように行った。
【0032】DBT を含むA培地(組成は下表に示す通
り)で50℃で24時間培養したPaenibacillus sp. A11-2
株を、新鮮なDBT を含むA培地で50℃で24時間培養し
て、菌体を回収した。得られた菌体を1mlのB1緩衝液
(50mM EDTA, 50mM Tris-HCl, 0.5%Triton X-100, 0.2m
g/ml RNaseA, pH 8.0)に懸濁させた。この懸濁液に、1
00mg/mlのリゾチーム溶液を20μl と20mg/ml のProtein
ase K溶液を45μl 添加して、37℃で10分間反応させ
た。反応液に0.35mlのB2緩衝液(800mM GuHCl, 20% Twe
en-20, pH 5.5 )を添加、攪拌混合して、50℃で30分間
反応させ、5秒間ミキサーで攪拌して、菌体反応液を調
製した。陰イオン交換樹脂が充填されたQIAGEN GENOMIC
-TIP20/G(QIAGEN社製)カラムを2mlのQBT緩衝液(750
mM NaCl, 50mM MOPS, 15% ethanol, 0.15% Triton X-10
0, pH7.0 )で平衡化して、菌体反応液をカラムに注入
した。カラムを3mlのQC緩衝液(1.0M NaCl, 50mM MOP
S, 15% ethanol, pH7.0)で洗浄したのち、2mlのQF緩
衝液(1.25M NaCl, 50mM Tris-HCl, 15% ethanol, pH
8.5)でゲノムDNA 溶液を溶出した。ゲノムDNA 溶液に
1.4ml のイソプロパノールを添加してDNA を沈殿させた
のち、ガラス棒で巻きとり回収した。回収したDNA を50
μl のTE緩衝液(10mM Tris-HCl, 1mM EDTA, pH8.0)に
溶解してゲノムDNA 溶液を調製した。
【0033】
【表2】A培地の組成 Glucose 5.0g KH2PO4 0.5g K2HPO4 4.0g NH4Cl 1.0g MgCl2・6H2O 0.1g NaCl 0.01g CaCl2 0.02g 金属溶液 10ml ビタミン混合物 1ml 蒸留水を加えて1Lとする pH 7.5 金属溶液 FeCl2・4H2O 0.5g ZnCl2 0.5g MnCl2・4H2O 0.5g CuCl2 0.05g Na2MoO4 ・2H2O 0.1g Na2WO4・2H2O 0.05g Conc.HCl 10ml 蒸留水を加えて1Lとする ビタミン混合物ハ゜ントテンサン カルシウム 400mgイノシトール 200mgナイアシン 400mg p-アミノヘ゛ンソ゛エート 200mgヒ゜リト゛キシン -HCl 400mgヒ゛タミン B12 0.5mg 蒸留水を加えて1Lとする
【0034】調製したPaenibacillus sp. A11-2株DNA
を鋳型として用いて行ったPCR の条件は以下の通りであ
る。 アニーリング温度:44℃から66℃までの間で 2℃間隔で
温度を変えてPCR を行った。 PCR サイクル:95℃ 1min 1回 95℃ 1min ↓ 44-58℃ 1min この間を30回繰り返し 72℃ 5min ↑ 72℃ 7min 1回 DNA 増幅機:RobocyclerTMGRADIENT96 温度サイクラー(STRATAGENE社製)
【0035】上記の条件でPCR を行った結果、アニーリ
ング温度が52〜56℃の時、約60bpの増幅フラグメントを
与えることが確認された。この60bpのPCR 産物を、pCR-
Script SK(+)ベクターを用いて大腸菌XL1-Blue MRF-Kan
r株にクローン化した。クローン化DNA フラグメントを
シークエンシングした結果、この60bpのDNA フラグメン
トの塩基配列及び予想されるアミノ酸配列を以下に示
す。 5'-CAG ACC GCT GAA CAA TCC ATC GCT CCG ATT GTA GCC CAA TAT CGT CAT CCG G AA CAG CC-3' Q T A E Q S I A P I V A Q Y R H P E Q
【0036】この配列から予想されるアミノ酸配列(上
記配列下段)は、Paenibacillus sp. A11-2株より精製
したNADH:FMN酸化還元酵素のアミノ末端配列と完全に一
致した。従って、この塩基配列をNADH:FMN酸化還元酵素
のアミノ末端配列と考え、以下の配列のDIG標識オリゴ
ヌクレオチドプローブを作製した。 <NADH:FMN酸化還元酵素検索用DIG標識オリゴヌクレオ
チドプローブ(ADDP-DIG)> 5'-DIG-ATC GCT CCG ATT GTA GCC CAA TAT CGT CAT CCG
GAA CA-3'
【0037】〔実施例2〕逆PCR法による脱硫関連酵素
をコードする遺伝子断片のクローニング 次に、同定されたNADH:FMN酸化還元酵素のアミノ末端配
列の塩基配列を基に、以下のプライマーを作製して、逆
PCR法より本配列の前後の断片のクローニングを行っ
た。 <逆PCR用プライマー> センスプライマー 5'- GTA GCC CAA TAT CGT CA -3' アンチセンスプライマー 5'- AAT CGG AGC GAT GGA TT -3'
【0038】Paenibacillus sp. A11-2株のゲノムDNAを
BamHI、Eco RI、HindIII、PstI、SalI、XhoIで消化した
断片に対して、逆PCRを行った結果、HindIII、PstI、Xh
oIの断片で、それぞれ約2.2kb、0.6kb、1.5kbの断片が
増幅された。各々のPCR断片について、pCR-Scriptベク
ターにクローニングを行い、シーケンスを決定した。得
られたシーケンスについて、ホモロジー検索をした結
果、Thermus thermophilusHB8のNADH Dehydrogenase、V
ibrio fischeriのMajor NAD(P)H-Flavin oxidoreductas
e(FraseI)及びE. coliのNAD(P)H Nitroreductase(Nfn
B)などと相同性が高かった。これらの酵素は全て、Nitr
oreductaseファミリーに属していた。従って、本実験で
得られたPCR増幅断片に含まれる遺伝子がReductase様ポ
リペプチドをコードしていることが示唆された。
【0039】〔実施例3〕全DNA ライブラリーの作製 Paenibacillus sp. A11-2株の全DNA ライブラリーは以
下のようにして作製した。Paenibacillus sp. A11-2株
の全DNA 標品約 2μg を調製した。DNAの調製方法は、P
CR の鋳型として用いたDNA の調製方法と同じである。
この全DNAを0.1ユニットのSau3AIで各々20分、30分、40
分消化した後、消化物をフェノール−クロロホルムで抽
出しエタノール沈殿により回収した後、遠心後得られた
DNA 断片を8ユニットの子ウシ小腸由来のアルカリ性ホ
スファターゼで、37℃60分間処理することにより脱リン
酸化を行った。アルカリ性ホスファターゼ処理後フェノ
ール−クロロホルム処理によりDNA を抽出し、エタノー
ル沈殿によりこれを回収した。得られたDNA 断片約 0.2
μg をλDASH II/BamHIアーム約2μg と2ユニットのT
4DNA リガーゼ存在下に4℃18時間反応させた。反応混
合物をGigapack IIXL packaging Extractと反応させる
ことによりin vitroパッケージングを行い、ファージラ
イブラリーを作製した。パッケージング後のファージ液
の力価は 2×106 pfuであった。
【0040】〔実施例4〕全DNA ライブラリーのスクリ
ーニング NADH:FMN酸化還元酵素をコードする遺伝子を取得するた
めのファージライブラリーのスクリーニングに用いるDN
Aプローブとしては、化学合成したジゴキシゲニン(DI
G)標識オリゴヌクレオチドプローブ(ADDP-DIG)及
び、逆PCRにより得られた約0.6kbのPstI断片を鋳型とし
て用いてランダムプライム法(マルチプライム法)によ
り作製したDIG標識プローブ(invPst-DIG)を使用し
た。ランダムプライム法によるDIG 標識プローブの調製
法は、Boehringer Mannheim 社のプロトコールに従っ
た。DIG 標識プローブの調製方法を以下に示す。
【0041】得られたPCR 産物1μg (5μl )を沸騰
した熱湯中で10分間熱変性させ、塩を含んだ氷上で冷却
した。得られた変性DNA 溶液に、10μl のヘキサヌクレ
オチド混合液(0.5M Tris-HCl, 0.1M MgCl2, 1mM Dithi
oerythriol, 2mg/ml BSA, 3.143mg/ml Random Primer,
pH7.2)、10μl のdNTP標識混合液(1mM dATP, 1mM dCT
P, 1mM dGTP, 0.65mM dTTP, 0.35mM DIG-dUTP, pH7.5
)、70μl の滅菌蒸留水及び5μl のKlenow酵素(10u
nits )を添加して、37℃で18時間反応させた。反応液
に、5μl の0.5M EDTA 溶液を添加して反応を停止させ
た。次に5μl の8M LiCl4と275 μl 冷エタノール(−
20℃)を添加して、−80℃で30分間放置したのち、15,0
00rpm で30分間遠心を行い、DNA を沈殿させた。沈殿し
たDNA を冷70%(w/v) エタノールで洗浄後、吸引乾燥し
たのち、50μl のTE緩衝液に溶解して、DIG 標識プロー
ブを調製した。
【0042】蛋白質A 遺伝子のスクリーニングは上述の
方法で調製したDIG 標識プローブADDP-DIG及びinvPst-D
IGを使用して、Hybond N+ メンブレンに転写されたプラ
ークに対するプラークハイブリダイゼーションにより行
った。ハイブリダイズするクローンの検出にはDIG-ELIS
A (Boehringer Mannheim)を用いた。2種のプローブに
ついて、ゲノムライブラリーよりそれぞれ約1000個のフ
ァージプラークについてスクリーニングを行った結果、
それぞれにプローブについて、2プラーずつ計4プラー
クの陽性プラークが得られた。それぞれをpD1-1、pD1-2
(以上2つがADDP-DIGより取得)、pD1-3、pD1-4(以上
2つがinvPst-DIGより取得)と命名した。これら4つの
プラークを純化して、再度プラークハイブリダイゼーシ
ョンを行い、またファージDNAを用いて、EcoRI、HindII
I及びNotIにより制限酵素解析及びサザンハイブリダイ
ゼーション解析を行った。この結果、2個の陽性プラー
ク(pD1-1及びpD1-3)が確認された。pD1-1について、
図1に示すEcoRI、HindIII及びNotIにより制限酵素地図
を作成した。次に、pD1-1より得た約3.5kbのNotI断片の
サブクローンを使用して、NADH:FMN酸化還元活性を測定
検討した。
【0043】NADH:FMN酸化還元活性の測定は、以下のよ
うに行った。まず、30℃で終夜培養したpD1-1の約3.5kb
のNotI断片を含むサブクローンを、100mlの新鮮なLB培
地に接種して、37℃で3時間培養(OD660=0.6前後)を
行った後、IPTGによる誘導を1時間(OD660=1.0前後)
行った。得られた菌体を遠心分離により集菌、リン酸緩
衝液により洗菌を行った後、トリス(pH7.0)-グリセリ
ン(10%)緩衝液にOD6 60=約25になるように懸濁した。
菌体懸濁液を超音波破砕(10min)して、10000rpm、60m
inの遠心処理により菌体残査を除去して、得られた上清
を無細胞抽出液とした。トリス(pH7.0)緩衝液に無細胞
抽出液(総蛋白質量50μg)及び10μMのFMNを含む反応
液(1ml)を50℃において5分間保持して等温平衡化を
行ったのち、100μMのNADHを添加して、50℃にて2分間
反応を行い、100μlのアセトニトリルで反応を停止し
た。反応停止後の反応液を、340nmで吸光度を測定し、
比活性を決定した。対照として本酵素遺伝子を含まない
ベクターのみの総蛋白質量50μgの無細胞抽出液を使用
した活性測定も行った。その結果を表3に示す。本酵素
はNADHを酸化し、FMNの添加によりその活性は約6倍に
上昇した。このことから本酵素はFMNを電子受容体とし
て利用してNADHを酸化することが確認された。また、ベ
クターのみの無細胞抽出液の活性がないことから、宿主
である大腸菌由来のNADH:FMN酸化還元酵素の50℃におけ
る活性はないものと思われる。
【0044】
【表3】 表3 NADH:FMN酸化還元活性 電子受容体活性(nmol/min/mg-protein) FMNあり 727 FMNなし 118 ベクターのみ 0
【0045】次に、クローン化されたPaenibacillus s
p. A11-2株由来のNADH: FMN酸化還元酵素の塩基配列を
決定するために、欠失DNA のシリーズを作製した。pD1-
1から調製したDNA約0.2μgをNotIを用いて消化して得ら
れた消化物と、pBluescript II KS(+)をNotIで処理して
得られた消化物を脱リン酸化したものとを連結させ、得
られたハイブリッドDNA を用いて大腸菌JM109株を形質
転換した。得られたサブクローンについて、挿入DNA断
片の方向を検討して、挿入方向の異なるサブクローンpD
1N22とpD1N29を取得した。pD1N22及びpD1N29の挿入断片
のシークエンシング用の欠失プラスミドの作製にはApaI
-XbaIの二重消化の組み合わせを利用して、欠失はエキ
ソヌクレアーゼIII、Mung bean nuclease、Klenowフラ
グメントを作用させて行った。より具体的には、+鎖の
シークェンシングのためにはpD1N22をApaIとXbaI で切
断して得られたDNA 断片に対し、また−鎖のシークェン
シングのためにはpD1N29をApaIとXbaI でそれぞれ切断
して得られたDNA 断片に対してエキソヌクレアーゼIII
処理を行った後、Mung Bean NucleaseおよびDNA ポリメ
ラーゼIのKlenowフラグメントで処理することにより欠
失DNA シリーズを作製した。また、以下の制限酵素の組
み合わせを利用しても、欠失DNAを作製した。pD1N22に
ついては、SmaI、SalI、PstI、SfiIとXbaIの二重消化、
pD1N29については、Sma I、BalIとEcoRIの二重消化、Sp
hIとEcoRIの二重消化の組み合わせで欠失DNAを作製し
た。二重消化の組み合わせでの欠失DNA作製の際は、制
限酵素消化後、2unitのT4 DNA polymeraseにより末端
修復を行った後にライゲーションを行い、欠失DNAを作
製した。欠失DNAクローンのシークェンシング反応はThe
rmoSequenase (Amersham)を用いて行い、ALFred (Phar
macia) により塩基配列を決定した。得られた塩基配列
データは、GENETYX-MAC/ATSQ v3.0 およびGENETYX-MAC
v9.0を用いて解析した。
【0046】決定された配列中のORFを探索した結果、6
00bpのORFが見つかった。このORFは200個のアミノ酸を
コードし推定分子量は22kDaであった。このORFを含む塩
基配列を配列番号1に、その塩基配列から推定されるア
ミノ酸配列を配列番号2に示す。相同性検索の結果、こ
のORFの塩基配列は、常温脱硫菌Rhodococcus sp. IGTS8
のNADH:FMN酸化還元酵素DszDとは全域で5.5%、局所的に
みても17.7%(62aa)の非常に低い相同性しか確認され
なかった。また、数種のNitroreductaseと全域で10%前
後、局所的には36%前後の低い相同性が確認された。こ
の場合、全体に似ているのではなく、N末端から25〜70
アミノ酸付近でのみ相同性が比較的高かった。それ以降
の中央部分、C末端側では有意な相同性は確認されなか
った。
【0047】〔実施例5〕組換えDNA 中のORF によりコ
ードされるタンパク質による脱硫関連活性の証明 実施例4で作製した無細胞抽出液を使用して、高温脱硫
酵素との共役反応活性の検討を行った。pD1N22サブクロ
ーンの無細胞抽出液の調製は実施例4と同様の方法で行
った。高温脱硫酵素を含む無細胞抽出液の調製は以下の
ように行った。50mg/ml のアンピシリンを含むLB培地
(LB-Amp培地)100ml に同培地を用いて作製した 1mlの
高温脱硫遺伝子を保有する大腸菌の終夜培養液を接種し
て、37℃で3時間培養後、終濃度で0.1mMのIPTGを添加
して、さらに18時間培養した。培養菌体を集菌・洗浄し
た後、OD660が25となるようにトリス緩衝液(50mM Tris
-HCl, 1mM PMSF, 10%グリセロール, pH7.0)に懸濁し
た。菌体懸濁液を超音波破砕機で10分間2回処理し、得
られた菌体破砕液を11,000rpm 、60分遠心分離し、無細
胞抽出液を調製した。調製した無細胞抽出液0.7ml にpD
1N22サブクローンの無細胞抽出液0.3ml 、3mM NADH、10
μM FMN、DBT (約50ppm)を添加して、50℃で 18時間往
復振盪を行うことにより反応を行った。対照実験とし
て、脱硫活性を示さないPaenibacillus sp. A11-2株の
変異株M18 株をLB培地で終夜培養した菌体を用いて同様
に調製した無細胞抽出液及びNADH:FMN酸化還元酵素を添
加しない系も行った。これらの条件を表4にまとめた。
【0048】
【表4】試料1:高温脱硫蛋白質無細胞抽出液、pD1N22
無細胞抽出液、3mM NADH、10μMFMN、50ppm DBT 試料2:高温脱硫蛋白質無細胞抽出液、M18株無細胞抽
出液、3mM NADH、10μM FMN、50ppm DBT 試料3:高温脱硫蛋白質無細胞抽出液、3mM NADH、10μ
M FMN、50ppm DBT
【0049】高温脱硫蛋白質無細胞抽出液は各試料とも
総蛋白質量で3.3mgを使用した。pD1N22を保有する大腸
菌の無細胞抽出液の総蛋白質量は113μg、M18株無細胞
抽出液の総蛋白質量は1.8mgであった。得られた反応液
を定法に従って抽出し、ガスクロマトグラフィーにより
DBT およびDBT 代謝物の分析を行った。結果を図2に示
す。結果に示すとおり、pD1N22を保有する大腸菌の無細
胞抽出液を使用した場合は、DBTから2-HBPが生成してお
り試料内に中間体は確認されなかった。M18株無細胞抽
出液を使用した場合、DBTから2-HBPが生成しているが、
試料内に中間体であるDBT-5,5'-dioxideが確認された。
これに対し、NADH:FMN酸化還元酵素を含む無細胞抽出液
を添加しなかった試料3では、DBTは分解されなかっ
た。以上から本酵素は高温脱硫酵素と共役することによ
り脱硫活性を発揮することが確認された。
【0050】〔実施例6〕組換えDNA 中のORF によりコ
ードされるタンパク質によるNADH:FMN酸化還元活性の温
度特異性 実施例4で作製したpD1N22サブクローンの無細胞抽出液
を使用して、NADH:FMN酸化還元活性の温度特異性の検討
を行った。無細胞抽出液の調製及び活性測定法は実施例
4と同様の方法で行った。活性測定には総蛋白質量50μ
gの無細胞抽出液を使用して、温度は30℃から65℃の範
囲で行った。結果を図3に示す。図3に示すように、30
℃から60℃でNADH:FMN酸化還元活性を有しており、明ら
かに、好熱性のNADH:FMN酸化還元酵素であることが確認
された。
【0051】〔実施例7〕組換えDNA 中のORF によりコ
ードされるタンパク質によるNADH:FMN酸化還元活性の熱
処理による高活性化 実施例4で作製したpD1N22サブクローンの無細胞抽出液
を使用して、NADH:FMN酸化還元活性の熱処理による高活
性化の検討を行った。無細胞抽出液の調製及び活性測定
法は実施例4と同様の方法で行った。活性測定には50μ
lの無細胞抽出液を使用して、温度は50℃で行った。熱
処理の効果は、無細胞抽出液を50℃で10、20、30、60分
間保持した後、活性測定を行うことにより検討した。結
果を図4に示す。図4に示すように、50℃、20分間の熱処
理により高活性化の影響が確認され、30分間以上で定常
状態に達した。以上より、50℃、30分間の熱処理がNAD
H:FMN酸化還元活性の活性化に効果があることが確認さ
れた。
【0052】
【発明の効果】本発明は、脱硫酵素と共役する新規な好
熱性酸化還元酵素及びそれをコードする遺伝子を提供す
る。これらの酵素及び遺伝子を利用することにより、化
石燃料中の硫黄を効率的に遊離させることができるよう
になる。
【0053】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> PETEOLEUM ENERGY CENTER <120> SANKAKANGEN KOUSO WO KOHDOSURU IDENSHI <130> P98-0712 <160> 2 <170>PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 1401 <212> DNA <213> Paenibacillus sp. <220> <221> CDS <222> (272)..(871) <400> 1 ggctggccgc tttccccgtc caacggttca taaccgtcct ctcccttata cctagaaagt 60 aagcgctggt ttcaagtact gtccgtacat gctataattg taagttgcaa cctatgtttc 120 tttccatttt acagaatgca tgttcgcgtt gcaattccct ttttccggca cacccgtcat 180 atcggcgcgc aatctgtcgc atcgtgcgct ttcccgggaa aagcggcaaa accgcaaaac 240 aatcaagatt ttgaatgaaa ggtggacatc c atg agc cag acc gct gaa caa 292 Met Ser Gln Thr Ala Glu Gln 1 5 tcc atc gct ccg att gta gcc caa tat cgt cat ccg gaa cag ccc atc 340 Ser Ile Ala Pro Ile Val Ala Gln Tyr Arg His Pro Glu Gln Pro Ile 10 15 20 agc ccg ctt ttc gtc aat cgc tgg tcg tcc cgc gcg ttc gac agc cgt 388 Ser Pro Leu Phe Val Asn Arg Trp Ser Ser Arg Ala Phe Asp Ser Arg 25 30 35 ccg gtc gac cgc gaa gac ctg ctg gcc gtg ctc gag gcg gcc cgc tgg 436 Pro Val Asp Arg Glu Asp Leu Leu Ala Val Leu Glu Ala Ala Arg Trp 40 45 50 55 gct cct tcc agc ttg aac gat cag ccg tgg aga ttt tta atc gcg gag 484 Ala Pro Ser Ser Leu Asn Asp Gln Pro Trp Arg Phe Leu Ile Ala Glu 60 65 70 acg aaa gag cag ctg gag aaa ttc tac tcg ttt atc gcg ccg ggc aac 532 Thr Lys Glu Gln Leu Glu Lys Phe Tyr Ser Phe Ile Ala Pro Gly Asn 75 80 85 ctg acc tgg tgc acg aag gcg ccg gtg ctg ttg ctc gtt atg tcc aag 580 Leu Thr Trp Cys Thr Lys Ala Pro Val Leu Leu Leu Val Met Ser Lys 90 95 100 acg acg aga gcg gat ggc cag ccg aac cgc gcc cac gtc ttc gac acg 628 Thr Thr Arg Ala Asp Gly Gln Pro Asn Arg Ala His Val Phe Asp Thr 105 110 115 ggc gca gcc tgg ggt tac cta gcg ctg gag gcg gcg cgc aga ggg ctt 676 Gly Ala Ala Trp Gly Tyr Leu Ala Leu Glu Ala Ala Arg Arg Gly Leu 120 125 130 135 att acc cgt gca atg ggc ggc ttc gat gcc gcc aaa gcg cgc gaa acg 724 Ile Thr Arg Ala Met Gly Gly Phe Asp Ala Ala Lys Ala Arg Glu Thr 140 145 150 ctc ggc ttg ccg gac gat ctg gag ccg cgg atc gtg gtc gcg ctc ggc 772 Leu Gly Leu Pro Asp Asp Leu Glu Pro Arg Ile Val Val Ala Leu Gly 155 160 165 cac aaa ggc aat ccg gcc gac ctg ccc gaa caa ctg cag gaa cgc gag 820 His Lys Gly Asn Pro Ala Asp Leu Pro Glu Gln Leu Gln Glu Arg Glu 170 175 180 aaa ccg act tcg cgc ctc act gtg gac gaa ctg atc tgg tct gcg gct 868 Lys Pro Thr Ser Arg Leu Thr Val Asp Glu Leu Ile Trp Ser Ala Ala 185 190 195 cct tgacgccttc cgtataatcg ggttatcacg gcagcatcct aatgcgggga 921 Pro 200 actgccgtcc ggctgccgcc ggcggcggcc cgaaaacgcg acggacagga ggatgctgaa 981 aatgacgccg aaacctgaca atcgggagga caacgtcgag cgcttgcagc aggcggtcca 1041 aaataccgag gaaaatttgc acgaagcgga agactacttg aacgagtttg cggacgaaat 1101 atcttccgga gagcgcgacg cgatacaagc gaaaaacgaa cgacgcaaaa acagcatgca 1161 gagcatgaaa aacgaaattc gcgacgaagc gaacgattga tttctcaagc cgaacgccaa 1221 gttcagcaac gacaatcgag cctgaaggcc ggattaccgg aagcttcagg ctcgattgtt 1281 gttgctagcg tccatttcga atcattcgga tcggaacgga atatcgatcg ccttcagatc 1341 gcaggctgct accgtttcgg gaaacacctt tcgcgcctcg ttttcgagag acgccagatc 1401 <210> 2 <211> 200 <212> PRT <213> Paenibacillus sp. <400> 2 Met Ser Gln Thr Ala Glu Gln Ser Ile Ala Pro Ile Val Ala Gln Tyr 1 5 10 15 Arg His Pro Glu Gln Pro Ile Ser Pro Leu Phe Val Asn Arg Trp Ser 20 25 30 Ser Arg Ala Phe Asp Ser Arg Pro Val Asp Arg Glu Asp Leu Leu Ala 35 40 45 Val Leu Glu Ala Ala Arg Trp Ala Pro Ser Ser Leu Asn Asp Gln Pro 50 55 60 Trp Arg Phe Leu Ile Ala Glu Thr Lys Glu Gln Leu Glu Lys Phe Tyr 65 70 75 80 Ser Phe Ile Ala Pro Gly Asn Leu Thr Trp Cys Thr Lys Ala Pro Val 85 90 95 Leu Leu Leu Val Met Ser Lys Thr Thr Arg Ala Asp Gly Gln Pro Asn 100 105 110 Arg Ala His Val Phe Asp Thr Gly Ala Ala Trp Gly Tyr Leu Ala Leu 115 120 125 Glu Ala Ala Arg Arg Gly Leu Ile Thr Arg Ala Met Gly Gly Phe Asp 130 135 140 Ala Ala Lys Ala Arg Glu Thr Leu Gly Leu Pro Asp Asp Leu Glu Pro 145 150 155 160 Arg Ile Val Val Ala Leu Gly His Lys Gly Asn Pro Ala Asp Leu Pro 165 170 175 Glu Gln Leu Gln Glu Arg Glu Lys Pro Thr Ser Arg Leu Thr Val Asp 180 185 190 Glu Leu Ile Trp Ser Ala Ala Pro 195 200
【図面の簡単な説明】
【図1】ADDP-DIGプローブ陽性クローンpD1-1の挿入DNA
の制限酵素地図を示す。
【図2】高温脱硫酵素との共役反応によるDBT分解反応
の結果を示す。
【図3】NADH:FMN酸化還元活性の温度特異性の結果を示
す。
【図4】NADH:FMN酸化還元活性の熱処理効果の結果を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 正則 静岡県清水市西久保136−1 西久保アパ ート1−134号 Fターム(参考) 4B024 AA03 BA07 CA03 DA06 EA04 GA11 GA19 HA01 HA14 4B050 CC03 DD02 LL10 4B065 AA01Y AA26X AB01 AC02 BA02 BD01 BD15 CA28 CA60

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a) 又は(b) のタンパク質をコー
    ドする遺伝子。 (a) 配列番号2記載のアミノ酸配列により表されるタン
    パク質 (b) 配列番号2記載のアミノ酸配列において1若しくは
    複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミ
    ノ酸配列により表され、かつNADHを酸化しFMNを還元す
    る機能を有するタンパク質
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の遺伝子を含むベクタ
    ー。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のベクターを含有する形質
    転換体。
  4. 【請求項4】 以下の(a) 又は(b) に示すタンパク質。 (a) 配列番号2記載のアミノ酸配列により表されるタン
    パク質 (b) 配列番号2記載のアミノ酸配列において1若しくは
    複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミ
    ノ酸配列により表され、かつNADHを酸化しFMNを還元す
    る機能を有するタンパク質
  5. 【請求項5】 請求項4記載のタンパク質を熱処理する
    ことを特徴とする請求項4記載のタンパク質の高活性化
    方法。
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