JP2000224934A - 水耕栽培用マット - Google Patents

水耕栽培用マット

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JP2000224934A
JP2000224934A JP11063753A JP6375399A JP2000224934A JP 2000224934 A JP2000224934 A JP 2000224934A JP 11063753 A JP11063753 A JP 11063753A JP 6375399 A JP6375399 A JP 6375399A JP 2000224934 A JP2000224934 A JP 2000224934A
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water
slurry
fibers
fiber
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Koji Iwasaki
廣司 岩崎
Masanori Murakami
政徳 村上
Shunsuke Shioi
俊介 塩井
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Oji Packaging Systems Co Ltd
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Oji Packaging Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロース繊維を原料とする、安価で高性能
の水耕栽培用マットに関する。 【解決手段】 セルロース繊維を主成分とするカナダ標
準フリーネス(CSF)が550ml以上の組成物から
なるスラリーを、メッシュを用いて脱水した後乾燥して
得られ、かつ密度が0.02〜0.30g/cmであ
る水耕栽培用マット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース繊維を
原料とする、安価で高性能の水耕栽培用マットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】穀物、野菜、花卉等の育苗・栽培に用い
られる水耕栽培用マットは、該マット上或いはマット中
に播種し植物を発芽・成育させるものであり、家庭や
食品を扱う商店において、土壌に含まれる殺菌や虫など
を室内に持ち込まず清潔に栽培や取扱ができる、栽培
環境の管理が容易、栽培の生産性、作業性が良い、等
のメリットを有するために用いられることが多くなって
きている。かかるマットには、吸水性、保水性、通気性
を有する基材が使われ、具体的には、ポリウレタンフォ
ーム、ポリエステル繊維等の合成樹脂系マットやロック
ウール、ガラス繊維、綿不織布等が使われてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の合成樹
脂系マットやロックウール、ガラス繊維の場合、分解性
が無いために廃棄上問題であり、一方、綿不織布の場合
は高価であるという問題を有し、まだ性能、環境上優れ
しかも低廉な素材は見出せていない。本発明の目的は、
セルロース繊維を原料とする、安価で高性能の水耕栽培
用マットを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる現
状に鑑み、生分解性の安価なセルロース繊維を原料に、
吸水性、通気性に優れ植物の生育に適した水耕栽培用マ
ットについて鋭意検討した結果、特定のセルロース繊維
をスラリー原料として使うことによって、それを成しう
ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、セルロース繊維を主成分とするカナダ標
準フリーネス(CSF)が550ml以上の組成物から
なるスラリーを、メッシュを用いて脱水した後乾燥して
得られ、かつ密度が0.02〜0.30g/cmであ
ることを特徴とする水耕栽培用マットである。中でも、
該セルロース繊維のカナダ標準フリーネス(CSF)が
550ml以上であることが好ましい。また、該セルロ
ース繊維が、撥水化、耐水化、硬化のいずれかの処理の
少なくとも一つを施されたセルロース繊維であることが
好ましい。中でも、該セルロース繊維に、更にカール処
理を施したものが好ましい。カール処理の施された繊維
が、0.4以上のカールファクターを有するものである
ことが好ましい。セルロース繊維の原料が古紙であるこ
とが好ましい。該スラリーが、層間強度増強材を含有す
ることが好ましい。該層間強度増強材が保水度150%
以上のセルロース微細繊維であることが好ましい。該湿
潤マットの乾燥が、通気乾燥であることが好ましい。該
通気乾燥の通気量が、2リッター/cm・分以上であ
ることが好ましい。
【0005】本発明の成功の第一の原因は、セルロース
系繊維をスラリー原料として使うに当たって、組成物の
カナダ標準フリーネス(CSF)が550ml以上とな
るように選択・配合した場合、スラリーを吸引・脱水し
ても繊維間の密着が抑えられて、得られる成形物が予想
以上に低密度で、吸水性、保水性、通気性の優れたもの
が得られることを見出した点にある。また、第二の原因
は、該処理によって繊維間の密着が抑えられて水抜けが
改善され、スラリーの吸引・脱水成形法でも十分な厚み
のものが効率良く得られることを見出した点にある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるセルロース繊
維としては、例えば、針葉樹、広葉樹をクラフトパルプ
化、サルファイトパルプ化、アルカリパルプ化等して得
られる未晒又は晒化学パルプ、或いはGP、RMP、T
MP、CTMP等の機械パルプ、液体アンモニア処理パ
ルプ、マーセル化パルプ、撥水化、耐水化、硬化の何れ
かの処理の少なくとも一つを施したセルロース繊維、コ
ットンパルプ、リンターパルプ、麻や竹や稲藁や椰子殻
等の非木質材を機械的に粉砕して得られる繊維、等が挙
げられ、中でも得られるマットの通気性等の性能上好ま
しいものとしてカナダ標準フリーネス(CSF)が55
0ml以上のものが挙げられる。中でも、木材を機械的
に粉砕して得られファイバーボードの原料として使われ
る機械パルプ、及び非木質材を機械的に粉砕して得られ
たセルロース繊維、及び撥水化、耐水化、硬化のいずれ
かの処理の少なくとも一つが施されたセルロース繊維
は、得られるマットが通気性、吸水性等の性能面で極め
て優れており好ましい。中でも、撥水化、耐水化、硬化
のいずれかの処理の少なくとも一つが施されそれによっ
てスラリーを吸引・脱水する際の繊維間の密着現象が大
幅に抑制されたセルロース繊維は特に好ましい。中で
も、撥水化、耐水化、硬化のいずれかの処理の少なくと
も一つが施されるセルロース繊維が古紙繊維の場合、在
庫過剰気味の原料である古紙の用途拡大につながるので
特に好ましい。
【0007】以下、セルロース繊維として好ましいもの
である撥水化、耐水化、硬化のいずれかの処理の少なく
とも一つが施されたセルロース繊維を例に具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0008】セルロース繊維の撥水化、耐水化、硬化の
処理に使われるものとしては、一般にセルロース繊維加
工に使用されている、繊維素反応型試薬、或いは撥水加
工薬品、耐水加工薬品、或いは防水加工薬品等を挙げる
ことができる。
【0009】繊維素反応型の薬品としては、米国特許
2,971,815号に記載されているような繊維架橋
剤等を挙げることができ、より具体的に示すならば、
アルデヒド(ホルムアルデヒド及び、グリオキサール、
グルタルアルデヒド等のジアルデヒド等)、N−ヒド
ロキシメチル化合物(ホルムアルデヒドと、尿素、環状
尿素、トリアジン、アミド、アクリルアミド、カルバメ
ート等との反応生成物、例えばジメチロール尿素、ジメ
チロールエチレン尿素、トリメチロールメラミン、N−
メチロールアミド、N−メチロールアクリルアミド、エ
チレン−bis−(N−メチロールカルバメート)
等)、グリオキザールとジメチル尿素の反応生成物、
ジビニル化合物(ジビニルスルホン等)、ハロゲン
化合物(ジクロロアセトン、1,3−ジクロロプロパノ
ール−2、クロロムコン酸、塩化シアヌル、ジクロロ酢
酸等)、エポキシ化合物(エピクロルヒドリン等のハ
ロヒドリン、ブタジエンジエポキシド、ポリグリシジル
エーテル等のポリエポキシド等)、アジリジニル化合
物(Tris−(アジリジニル)ホスフィンオキシド、
Tris−(アジリジニル)ホスフィンスルフィド、カ
ルボニル−bis−アジリジン等)、多価カルボン酸
(マレイン酸、クエン酸、トリカルバリル酸、メリット
酸、シクロペンタンテトラカルボン酸等)、酸無水物
(無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸等)、
▲10▼多価イソシアネート(ヘキサメチレンジイソシ
アネート、2,4−トリレンジイソシアネート等)、▲
11▼第四級アンモニウム塩(Bis−クロロメチルエ
ーテルの第四級アンモニウム誘導体等)、等が挙げられ
る。
【0010】繊維の撥水加工、耐水加工、或いは防水加
工に使われる薬品としては、例えば化学結合タイプ、接
着タイプを挙げることができ、化学結合タイプとして
は、例えば酸クロライド型撥水剤、イソシアネート型撥
水剤、ケテンダイマー型撥水剤、ピリジン縮合型撥水
剤、エチレン尿素型撥水剤、メチロール化合物型撥水
剤、エチレンオキサイド型撥水剤、珪素化合物型撥水
剤、クロム錯化合物型撥水剤、チタン含有化合物型撥水
剤、ジルコニウム含有化合物型撥水剤等を挙げることが
できる。接着タイプとしては、例えばフッ素化合物型撥
水剤、ケイ素化合物型撥水剤、ロジン系樹脂、テルペン
系樹脂、天然ゴム、合成ゴム、炭化水素系樹脂、アクリ
ル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、油脂(植物油、動物油、植物脂、動物脂)、
高級脂肪族化合物(飽和或いは不飽和の酸、アルコー
ル、エステル、アミン、アミド、塩類)、ワックス(植
物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、石油
系ワックス、変性ワックス)等を挙げることができる。
【0011】上記撥水化剤、耐水化剤、硬化剤(以下、
これらの処理剤を纏めて変性剤と称する)は、単独で或
いは適宜2種類以上を組み合わせて用いることができ
る。また、これらは、そのまま或いは溶融して、或いは
媒体に溶解、混和、乳化、分散した形で用いることがで
きる。また、薬品によっては更に変性して使用すること
ができる。変性剤の配合量は特に限定されるものではな
いが、通常セルロース繊維100部(固形分)に対して
0.2〜50部(固形分)の範囲で添加される。上記変
性剤の中でも、効果の点で繊維架橋剤が特に好ましい。
【0012】変性処理に用いられるセルロース繊維とし
ては、針葉樹、広葉樹をクラフトパルプ化、サルファイ
トパルプ化、アルカリパルプ化等して得られる未晒又は
晒化学パルプ、或いはGP、RMP、TMP、CTMP
等の機械パルプ、或いはコットンパルプ、リンターパル
プ、古紙パルプ等が挙げられる。古紙パルプとしては、
新聞、書籍、雑誌、電話帳、カタログ類、上質紙、包装
用箱、段ボール箱、パルプモールド、紙製緩衝材、或い
は抄紙、印刷、製本、製箱、段ボール製造などの工場・
事業場から排出される裁落、損紙等を乾式或いは湿式解
繊したものが挙げられる。
【0013】シート等の形状物として入手した場合のパ
ルプの解繊に用いられる機械としては、例えば、ポケッ
トグラインダー、チェーングラインダー、リンググライ
ンダー等のグラインダー類、シングルディスクリファイ
ナー、ダブルディスクリファイナー、コニカル型リファ
イナー等のリファイナー類、ビーター等のその他の叩解
機類、ブレンダー、デフレーカー等の攪拌機類、デファ
イブレーター、デファイブライザー等の木材チップ解繊
機、ハンマーミル、ピンミル、その他フラッファー等の
フラッシュ乾燥パルプ製造設備、等が挙げられる。中で
も、撥水化、耐水化、硬化の処理或いは排水処理が容易
な点で、全く水を使わない或いはセルロース繊維(乾燥
重量)に対して等量以下の水しか使わない乾式・半乾式
解繊が好ましい。乾式・半乾式解繊に用いられる解繊機
の中でも、ハンマーミル、ピンミル、ディスクリファイ
ナーが好ましい。具体的には、住倉工業・西日本技術開
発製のファイバライザ、ダルトン製のインパクトミル、
奈良機械製作所の自由粉砕機、ハンマーミル、ケージミ
ル、増幸産業製のMKハンマーミル等が挙げられる。
【0014】撥水化、耐水化、硬化の処理は、乾式或い
は湿式状態のバージンパルプ或いは古紙パルプの繊維或
いはシート等の形状物を上記変性剤と接触させ反応させ
る或いは表面に付着せしめる、更に必要によっては乾燥
処理或いは反応促進処理を施すことによって行われる。
繊維或いはシート等の形状物を変性剤と接触させる方法
としては、例えば含浸、塗工、噴霧、混合等を用いるこ
とができる。その際、撥水化、耐水化、硬化の処理工程
の中で、セルロース繊維が固形分濃度90%以上の乾燥
状態に少なくとも一度はなるようにして得られたもの
は、繊維と変性剤の反応状態或いは付着状態が良好であ
り、処理の効果が特に顕著となるので好ましい。尚、変
性剤と接触させたシート等の形状物の解繊は、変性剤と
接触させた後のどの段階で行っても良い。撥水化、耐水
化、硬化の処理の施された解繊繊維の中でも、本発明の
効果の点でカナダ標準フリーネス(CSF)が550m
l以上のものが特に好ましい。
【0015】また、撥水化、耐水化、硬化の処理の施さ
れた解繊繊維の中でも、該繊維にカール処理を施したも
の(例えば、特公平5−71702号、特開平3−20
6174号、特開平3−206175号、特開平3−2
06176号に記載のパルプ、具体的には、米国ウェア
ハウザー社製、商品名:HBA−FF,NHB405,
NHB416等)は、取り分け通気性に優れており特に
好ましい。該カール処理の方法としては、セルロース繊
維に上記変性剤を添加しながら或いは添加した後に、繊
維を変形させる機械的攪拌を施し、次いでフラッフ化と
加熱処理を行い、その変形を固定する方法を挙げること
ができる。カール処理に使われる機械としては、繊維に
形状的な変形を加えることができる機械であれば如何な
るものでも使用可能であり、例えば、ニーダー、リファ
イナー、フラッファー等の機械を挙げることが出来る。
【0016】カール状繊維の中でも、カールファクター
が0.4以上のものは、通気性が特に優れているので好
ましい。因みに、カールファクターとは、乾燥状態での
繊維の変形の程度を示す指標で、カール状古紙繊維の実
際の長さ(LA)と繊維の最大投影長さ(繊維を囲む長
方形の最長辺の長さ、LB)を顕微鏡を用いて測定し、
〔(LA/LB)−1〕で算出される値で、直線的な元
の繊維の長さからどれだけ曲線化しているかを数値化し
たものである。
【0017】セルロース繊維は単独使用或いは複数種併
用され、通常スラリー組成物に対して乾燥重量で30〜
100%の範囲で配合される。
【0018】スラリー組成物としては、カナダ標準フリ
ーネスが550ml以上で、所期の性能のマットが得ら
れるならば上記のセルロース繊維単独でもよいが、性能
向上や機能付与が必要な場合には他の素材を配合するこ
とができる。その際、組成物全体のカナダ標準フリーネ
スが550ml以上になるように選択される。因みに、
カナダ標準フリーネスはJIS−P−8121に規定さ
れており、通常はパルプの濾水性を示す値である。本発
明では同測定法に準じて組成物の濾水性を判定し、その
値もカナダ標準フリーネスと称する。
【0019】スラリー組成物中への層間強度増強材の配
合は、マットの層間強度を改善し取り扱い中に破損する
危険性の少ないマットが得られるのでより好ましい。層
間強度増強材としては、セルロース微細繊維、熱融着性
合成繊維(合成パルプ等)、製紙業界公知の紙力増強剤
が挙げられる。セルロース微細繊維としては、針葉樹、
広葉樹をクラフトパルプ化、サルファイトパルプ化、ア
ルカリパルプ化等して得られる未晒又は晒化学パルプ、
或いはGP、RMP、TMP、CTMP等の機械パル
プ、或いはコットンパルプ、リンターパルプ、古紙パル
プ等の天然パルプ繊維を、更に媒体攪拌ミル、振動ミ
ル、高圧均質化装置、コロイドミル、叩解機等で湿式機
械的処理して得られる保水度150%以上のものが挙げ
られる。熱融着性合成繊維としては、例えば、ポリエチ
レン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン−ポリプ
ロピレン鞘芯繊維、ポリスチレン繊維、ポリ乳酸繊維、
芳香族ポリエステル繊維、脂肪族ポリエステル繊維、ア
セチルセルロース系繊維等が挙げられる。紙力増強剤と
しては、例えば、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン
ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂、ケトン樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン樹
脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、グ
リセロールポリグリシジルエーテル樹脂、ポリエチレン
イミン樹脂等の樹脂、澱粉、加工澱粉、植物ガム、PV
A、CMC等の水溶性バインダー、酢酸ビニル、アクリ
ル酸エステル、エチレン−酢酸ビニル共重合物、スチレ
ン−ブタジエン共重合物等のエマルジョンなどが挙げら
れる。
【0020】層間強度増強材の中でも、セルロース微細
繊維は環境に優しい素材である上に、層間強度向上に対
する効果が大きく特に好ましい。層間強度増強材の組成
物への配合量は、特に限定されないが、通常組成物に対
して乾燥重量で1〜40%の範囲で配合される。
【0021】スラリー組成物に配合される他の素材とし
ては、上記層間強度増強材の他に、鋸屑、籾殻、大豆
粕、ビール粕等の天然有機高分子粗粉、無機繊維、耐水
化剤、サイズ剤、PH調整剤、増粘剤、防腐剤、防黴
剤、抗菌剤、保湿剤、肥料等が挙げられる。
【0022】本発明に用いられるスラリーはフリーネス
が550ml以上になるように上記原料が配合される
が、中でもフリーネスが600ml以上、取り分け65
0ml以上の組成物は吸水性、通気性が極めて優れてい
る上に、生産性に優れ特に好ましい。スラリーは、通常
攪拌機を有する装置でバッチ式或いは連続的に調製され
る。スラリー形成に用いられる分散媒体としては通常水
が使用される。スラリーの濃度は、通常乾燥固形分量が
0.05〜10重量%の範囲に調製されるが、分散状態
の点で0.05〜5重量%の範囲のものが好ましい。
【0023】水耕栽培用マットは、通常数mm〜数cm
の厚みのもので、本発明のマットは例えば円網、長網、
傾斜ワイヤー、ツインワイヤー等の製紙業界公知の抄紙
機、ボード製造機、パルプモールド製造機等で製造する
ことができる。通気性の良いマットにするためには出来
るだけ低密度にする必要があるが、本発明のマットの密
度はスラリー組成物の原料や配合以外に、製造段階にマ
ットにかかる圧力に影響される。出来るだけ低密度にす
るためには、脱水をプレス圧に頼るのではなく、密度上
昇の影響が出にくい吸引脱水を出来るだけ強力に行う、
或いは加圧気味に強制通気させることが出来る装置を取
りつけて脱水を強力に行う等の工夫をして、脱水工程に
かかるプレス圧を出来るだけ低く抑えるべきである。脱
水後の湿潤マットのワイヤーと非接触側の面をスライス
或いは均して平滑な面にする工程を経て得られるマット
は、極めて弱いプレス圧で平滑性が出るので低密度にな
りやすく特に好ましい。その際のスライス或いは均しに
は、ウォータージェット、ウォーターカーテン等の水流
が有効である。乾燥工程には、熱風乾燥、赤外線乾燥、
マイクロウェーブ乾燥等の当業界公知の方法を取ること
ができるが、中でも、加熱エアー(ガス)を湿潤状態の
マットに注入する、或いは湿潤マットの反対側から加熱
エアーを入れながら吸引する、等の方法で、繊維間空隙
のエアーの流れを良くした熱風通気乾燥は、乾燥効率が
良く特に好ましい。熱風通気乾燥では通常80〜300
℃の温度範囲の熱風が使われる。熱風通気乾燥の通気量
としては、乾燥初期で2リッター/cm・分以上が乾
燥効率の点で好ましく、5リッター/cm・分以上が
特に好ましい。この熱風通気乾燥は厚さ10mm以上、
取り分け20mm以上のマットを乾燥する場合に特に有
効である。マットの乾燥速度を速めるには、更にマット
の表面に意識的に凹凸をつけて表面積を広げる、若しく
はマットに貫通或いは非貫通の孔を開けてエアーが繊維
間空隙に入り易くする工夫も有効である。マットに凹凸
或いは貫通或いは非貫通孔を設ける方法としては、スラ
リー濾過に用いられるメッシュに凹凸を設ける方法が有
効である。
【0024】本発明のマットは、抄紙機で製造する場合
は連続マット、ボード製造機やパルプモールド製造機で
製造する場合はある大きさのマットとして得られるが、
水耕栽培のやり方に応じてそのままの大きさ或いは適当
な大きさに切断されて、小片から長尺まで種々の大きさ
で用いられる。また、特開平7−75456号に記載の
如き種子を挿入する、通気や通水を良くする、肥料等を
挿入する、根の成長をコントロールして作物の収穫を容
易にする等の目的で、必要に応じてマットにスリット、
十字スリット、溝、孔等を設けることができる。かかる
スリット、十字スリット、溝、孔等を設ける方法として
は、マット形成後に種々の加工機を使って行うことがで
きるが、スラリー濾過に用いられるメッシュに凹凸を設
ける、或いはウォータージェットで加工する等のように
マット製造と同時にそれを行うことも出来る。
【0025】マットには、製造後に表面塗布の方法で、
必要に応じて層間強度増強材、耐水化剤、サイズ剤、P
H調整剤、増粘剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、保湿剤、
肥料、菌類等を含有させることができる。表面塗布に
は、含浸、刷毛塗り、スプレー等の手段が使える。ま
た、本発明のマットは、通気性、通水性を有する他の基
材と複合して用いることができる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げてより具体的に説明する
が、勿論本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例において「部」及び「%」とある
のは特に断らない限り「固形分重量部」及び「重量%」
を示す。
【0027】<実施例1>非ホルマリン系架橋剤(商品
名:スミテックスNF−500K、住友化学工業社製)
とその架橋助剤(商品名:スミテックスACCELER
ATER MX、住友化学工業社製)をそれぞれ固形分
換算で5部、2部含有する水溶液60部を調製した。次
に、新聞古紙を西日本技術開発製のファイバライザの粗
粉砕機部を使って約1cm角の大きさに粗粉砕した後、
セメント用ミキサーに100部入れ、攪拌しながら上記
架橋剤溶液全量を噴霧して均一に古紙を湿潤させた。続
いて、この湿潤古紙を同ファイバライザの微粉砕機部で
繊維状に解繊した後に、開放容器に入れて、150℃の
送風乾燥器中で60分間加熱して反応を完結させて架橋
古紙繊維を得た。この架橋古紙繊維のカナダ標準フリー
ネス(以下、フリーネスと略す)を測定したところ72
3mlであった。また、固形分濃度1%の広葉樹晒クラ
フトパルプの水スラリーを、平均粒径2mmΦのガラス
ビーズを80%充填した1.5リットル容のダイノミル
(型式:KDL−PILOT型、シンマル・エンタープ
ライゼス社製)装置に350ml/分で導入、通過させ
て数平均繊維長0.27mm、保水度280%の微細繊
維を得た。以上のようにして得られた架橋古紙繊維95
部(乾燥重量)と微細繊維5部(乾燥重量)、及び水を
加えて固形分濃度1%となるように原料スラリーを調整
した。尚、この二種類の混合繊維のフリーネスは668
mlであった。次に、この原料スラリーをパルプモール
ド成形機のタンクに投入した後、幅500mm×長さ8
00mm×深さ15mmのシート成型用の雌型金型を該
スラリー中に浸漬して真空吸引し、パルプが型からやや
飛び出すレベルまで金型内に堆積させた後、金型をスラ
リーから引き上げ、次に180度反転させた。続いて、
ウオーターカーテンを使って、金型から飛び出している
パルプ堆積物を切除し、堆積層の厚みが15mmの湿潤
成型物を得た。その後吸引を続けて成形物の水分量を低
減させながら、同時にその上から小孔を有する平板を押
し当て軽く圧縮し、該小孔から加圧気味に150℃の熱
風を注入して乾燥し、幅800mm×長さ1000mm
×厚み14mmの水耕栽培用マットを得た。密度は0.
13g/cmであった。次に、この水耕栽培用マット
にスリット加工し、そのスリットにかいわれ大根の種を
挿入し、水耕栽培したところポリウレタンフォームの場
合と同様の良好な発芽・成長が見られた。
【0028】<実施例2>カール処理の施された市販の
セルロース繊維(商品名:NHB405、米国ウェアー
ハウザー社製)95部(乾燥重量)と、実施例1と同様
にして得られた保水度280%の微細繊維5部(乾燥重
量)、及び水を加えて固形分濃度1%となるように原料
スラリーを調整した。尚、この二種類の混合繊維のフリ
ーネスは683mlであった。次に、この原料スラリー
を用いて実施例1と同様にして、幅800mm×長さ1
000mm×厚み14mmの水耕栽培用マットを得た。
密度は0.10g/cmであった。次に、この水耕栽
培用マットにスリット加工し、そのスリットにかいわれ
大根の種を挿入し、水耕栽培したところポリウレタンフ
ォームの場合と同様の良好な発芽・成長が見られた。
【0029】
【発明の効果】上記のように本発明は、セルロース繊維
を主成分とするカナダ標準フリーネス(CSF)が55
0ml以上の組成物からなるスラリーを、メッシュを用
いて脱水した後乾燥して得られる密度が0.02〜0.
30g/cmのマットであるので、安価で高性能の水
耕栽培用マットとなるという功を奏する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース繊維を主成分とするカナダ標
    準フリーネス(CSF)が550ml以上の組成物から
    なるスラリーを、メッシュを用いて脱水した後乾燥して
    得られ、かつ密度が0.02〜0.30g/cmであ
    ることを特徴とする水耕栽培用マット。
  2. 【請求項2】 セルロース繊維が、撥水化、耐水化、硬
    化のいずれかの処理の少なくとも一つを施されたセルロ
    ース繊維である請求項1に記載の水耕栽培用マット。
  3. 【請求項3】 該セルロース繊維に、更にカール処理を
    施した請求項2に記載の水耕栽培用マット。
  4. 【請求項4】 セルロース繊維の原料が、古紙である請
    求項1に記載の水耕栽培用マット。
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