JP2000220099A - 古紙を原料とするボード及びその製造方法 - Google Patents

古紙を原料とするボード及びその製造方法

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JP2000220099A
JP2000220099A JP11051284A JP5128499A JP2000220099A JP 2000220099 A JP2000220099 A JP 2000220099A JP 11051284 A JP11051284 A JP 11051284A JP 5128499 A JP5128499 A JP 5128499A JP 2000220099 A JP2000220099 A JP 2000220099A
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board
fiber
water
waste paper
mesh
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Koji Iwasaki
廣司 岩崎
Masanori Murakami
政徳 村上
Shunsuke Shioi
俊介 塩井
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Oji Packaging Systems Co Ltd
Original Assignee
Oji Packaging Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 古紙を原料にして効率良く生産出来るボード
と、その製造方法を提供する。 【解決手段】 撥水化、耐水化、硬化のいずれかの処理
の少なくとも一つを施した古紙繊維を含有するスラリー
を、メッシュ上に湿潤状態の堆積層を形成させ、その後
乾燥処理して得るボード及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、古紙を原料に効率
良く生産出来るボード及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】古紙利用は省資源、省エネルギー、地球
環境保全の観点から社会的に強く求められている。特に
近年は余剰問題が起こるほどの状況にあり、古紙の出口
を確保する必然性に迫られている。現在、製紙以外の分
野の古紙利用製品として、パルプモールド、紙製パレッ
ト、断熱用途のセルローズファイバー、農業用マルチ、
固形燃料、熱圧成型材、家畜用敷料等が知られている
が、数量的には不十分で古紙の余剰問題を解決できるま
でには至っていない。このような状況の中で最近コンク
リート型枠、床材、壁材等の下地材、各種木質系ボード
代替等の用途に使える古紙リサイクルボードの開発が行
われ資源循環型社会の構築に貢献するものとして期待さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、古紙リ
サイクルボードを湿式法で製造する場合、製紙に比べて
比較にならないほどの高い坪量のウェットシートを抄造
する工程で、通常の古紙繊維を原料に用いるとメッシュ
金網上への古紙繊維の堆積が進むにつれて繊維同士の密
着が進んで水抜けが悪くなり生産効率が劣るという問題
を有していた。本発明の目的は、古紙を原料に効率良く
生産出来るボードを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる現
状に鑑み、古紙を原料に効率良く生産出来るボードにつ
いて鋭意検討した結果、特定の原料を選択することによ
って、それが成しうることを見出し、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、撥水化、耐水化、硬化
のいずれかの処理の少なくとも一つを施した古紙繊維を
含有するスラリーを、メッシュ上に流し込んでメッシュ
の小孔から媒体を除去することによって、該メッシュ上
に湿潤状態の堆積層を形成させ、その後乾燥処理して得
られたことを特徴とするボード及びその製造方法であ
る。本発明では、該スラリー組成物が、550ml以上
のカナダ標準フリーネス(CSF)を有することが好ま
しい。本発明では、該スラリー組成物が、該古紙繊維の
他に結合強化ファクターが0.15以上の繊維を含有す
ることが好ましい。本発明では、湿潤状態の堆積層のメ
ッシュ非接触面の表層部分を薄くスライスして、堆積層
の面を整えるのが好ましい。本発明では、湿潤状態の堆
積層を加熱エアーが流量1リッター/cm・分以上で
通過するような条件で該乾燥処理を施すのが好ましい。
本発明では、乾燥処理後に更に常温或いは高温下で加圧
処理を施し、密度を高めるのが好ましい。
【0005】本発明の成功の第一の原因は、撥水化、耐
水化、硬化のいずれかの処理の少なくとも一つを施した
古紙繊維をスラリーの原料として使うことによって、脱
水工程と乾燥工程が極めて速くなることを見出した点に
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる撥水化、耐水
化、硬化のいずれかの処理の少なくとも一つを施した古
紙繊維は、解繊中或いは解繊後の古紙繊維を撥水化剤、
耐水化剤、硬化剤で処理する、或いは解繊前の古紙を該
変性剤で処理した後に解繊を行うことによって得ること
ができる。古紙としては、家庭または工場・事業場等か
ら排出される新聞古紙、段ボール古紙、雑誌古紙等当業
界公知のものを挙げることができる。具体的には、使用
済みの新聞、書籍、雑誌、電話帳、カタログ類、上質
紙、包装用箱、段ボール箱、パルプモールド、紙製緩衝
材、或いは抄紙、印刷、製本、製箱、段ボール製造など
の工場・事業場から排出される裁落、損紙等が挙げられ
る。古紙の解繊は湿式或いは乾式で行うことができる。
解繊に用いられる機械としては、例えば、ポケットグラ
インダー、チェーングラインダー、リンググラインダー
等のグラインダー類、シングルディスクリファイナー、
ダブルディスクリファイナー、コニカル型リファイナー
等のリファイナー類、ビーター等のその他の叩解機類、
ブレンダー、デフレーカー等の撹拌機類、デファイブレ
ーター、デファイブライザー等の木材チップ解繊機、ハ
ンマーミル、ピンミル、その他フラッファー等のフラッ
シュ乾燥パルプ製造設備、或いは上記のものを組み合わ
せた機械、等当業界公知のものが挙げられる。中でも、
工程で発生する排水の処理、上記変性剤の処理効率等を
考慮すると、古紙に対して0〜100重量%の範囲の水
しか使わない乾式或いは半乾式解繊が好ましい。
【0007】撥水化、耐水化、硬化の処理に使われるも
のとしては、一般にセルロース繊維加工に使用されてい
る、繊維素反応型試薬、撥水加工試薬、耐水加工試薬、
防水加工試薬等を挙げることができる。中でも、本発明
の効果の点で繊維素反応型試薬が最も好ましい。
【0008】繊維素反応型の試薬としては、米国特許
2,971,815号に記載されているような繊維架橋
剤等を挙げることができ、より具体的に示すならば、
アルデヒド(ホルムアルデヒド及び、グリオキザール、
グルタルアルデヒド等のジアルデヒド等)、N−ヒド
ロキシメチル化合物(ホルムアルデヒドと、尿素、環状
尿素、トリアジン、アミド、アクリルアミド、カルバメ
ート等との反応生成物、例えばジメチロール尿素、ジメ
チロールエチレン尿素、トリメチロールメラミン、N−
メチロールアミド、N−メチロールアクリルアミド、エ
チレン−bis−N−メチロールカルバメート等)、
グリオキザールとジメチル尿素の反応生成物、ジビニ
ル化合物(ジビニルスルホン等)、ハロゲン化合物
(ジクロロアセトン、1,2−ジクロロプロパノール、
2−クロロムコン酸、塩化シアヌル、ジクロロ酢酸
等)、エポキシ化合物(エピクロルヒドリン等のハロ
ヒドリン、ブタジエンジエポキシド、ポリグリシジルエ
ーテル等のポリエポキシド等)、アジリジニル化合物
(Tris−(アジリジニル)ホスフィンオキシド、T
ris−(アジリジニル)ホスフィンスルフィド、カル
ボニル−bis−アジリジン等)、多価カルボン酸
(マレイン酸、クエン酸、トリカルバリル酸、メリット
酸、シクロペンタンテトラカルボン酸等)、酸無水物
(無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸等)、
▲10▼多価イソシアネート(ヘキサメチレンジイソシ
アネート、2,4−トリレンジイソシアネート等)、▲
11▼第4級アンモニウム塩(Bis−クロロメチルエ
ーテルの第四級アンモニウム誘導体等)、等が挙げられ
る。
【0009】撥水加工、耐水加工、防水加工に使われる
試薬としては、例えば化学結合タイプ、接着タイプを挙
げることができ、化学結合タイプとしては、例えば酸ク
ロライド型撥水剤、イソシアネート型撥水剤、ケテンダ
イマー型撥水剤、ピリジン縮合型撥水剤、エチレン尿素
型撥水剤、メチロール化合物型撥水剤、エチレンオキサ
イド型撥水剤、珪素化合物型撥水剤、クロム錯化合物型
撥水剤、チタン含有化合物型撥水剤、ジルコニウム含有
化合物型撥水剤等を挙げることができる。接着タイプと
しては、例えばフッ素化合物型撥水剤、珪素化合物型撥
水剤、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、天然ゴム、合成
ゴム、炭化水素系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル樹
脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド系樹脂、油脂(植物
油、動物油、植物脂、動物脂)、高級脂肪族化合物(飽
和或いは不飽和の酸、アルコール、エステル、アミン、
アミド、塩類)、ワックス(植物系ワックス、動物系ワ
ックス、鉱物系ワックス、石油系ワックス、変性ワック
ス)等を挙げることができる。
【0010】上記撥水化剤、耐水化剤、硬化剤(以下、
これらの処理剤を変性剤と称する)は、単独で或いは適
宜2種類以上を組み合わせて、必要に応じて溶融、媒体
への溶解、混和、乳化、分散等して用いられる。変性剤
の配合量は特に限定されるものではないが、通常乾燥古
紙或いは古紙繊維100部に対して0.2〜50部(固
形分)の範囲で添加される。
【0011】撥水化、耐水化、硬化の処理は、乾紙或い
は湿紙状態の古紙或いは古紙解繊繊維を上記の如き変性
剤と接触させて反応させる或いは表面に付着せしめる、
更に必要によっては乾燥処理或いは反応促進処理を施す
ことによって行われる。古紙或いは古紙解繊繊維を処理
剤と接触させる方法としては、例えば含浸、塗工、噴
霧、混合等を用いることができる。その際、撥水化、耐
水化、硬化の処理工程の中で、古紙或いは古紙解繊繊維
が固形分濃度90%以上の乾燥状態に少なくとも一度は
なるようにして得られたものは、繊維と変性剤の反応状
態或いは付着状態が良好であり、処理の効果が特に顕著
になるので好ましい。尚、変性剤と接触させた古紙の解
繊は、変性剤と接触させた後のどの段階で行っても良
い。
【0012】本発明では、撥水化、耐水化、硬化の処理
の施された古紙繊維のみをスラリー組成物としてもよい
が、必要に応じて他の素材が適宜配合される。例えば、
ボードの強度を向上させたい場合には、結合強化ファク
ターが0.15以上の繊維、強度補強用サイズ剤の添加
が有効である。また、ボードの耐水性向上には耐水性付
与サイズ剤が有効である。ボードの強度を向上させるも
のの中でも、結合強化ファクターが0.15以上の繊維
はボード製造時に発生する排水のBODを上昇させ難い
ものであり特に好ましい。
【0013】因みに、結合強化ファクター(BF)は、
(E2−E1)/E1で計算される値で、E1は、広葉
樹晒クラフトパルプ50重量%と針葉樹晒クラフトパル
プ50重量%とを混合して水性スラリーとし、カナダ標
準フリーネス(CSF)500mlまで叩解し、手抄マ
シンにて脱水・風乾し、その後130℃で1分間熱処理
して坪量60g/mのシートを作製し、20℃、65
%RHに調湿した後に測定した超音波弾性率である。一
方、E2は、上記混合叩解パルプ繊維の50重量%を該
繊維で置き換えて水性スラリーを調製し、E1の場合と
同様にしてシート作製と測定を行った超音波弾性率であ
る。
【0014】結合強化ファクターが0.15以上の繊維
と成りうる素材としては、天然高分子繊維、合成高分子
繊維等が挙げられ、結合強化ファクターが0.15未満
の場合には、適宜機械的処理や化学的処理を施す等して
該数値を0.15以上に高めて用いられる。天然高分子
繊維としては、例えば、針葉樹、広葉樹をクラフトパル
プ化、サルファイトパルプ化、アルカリパルプ化等して
得られる未晒又は晒化学パルプ、或いはGP、TMP
(サーモメカニカルパルプ)等の機械パルプ、或いはコ
ットンパルプ、リンターパルプ、古紙パルプ、バクテリ
アセルロース等のセルロース系繊維、さらに、ウールや
絹糸やコラーゲン繊維等の蛋白系繊維、キチン・キトサ
ン繊維やアルギン酸繊維等の複合糖鎖系繊維等が挙げら
れる。合成高分子繊維としては、例えば、ポリL乳酸繊
維、ポリブチレンサクシネート繊維、ポリカプロラクト
ン繊維等の脂肪族ポリエステル繊維、ポレエチレン繊
維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン−ポリプロピレ
ン鞘芯繊維、ポリビニルアルコール繊維等が挙げられ
る。
【0015】これらの繊維の中でも、天然高分子繊維、
脂肪族ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維等
のように生分解性や水溶性を有するものは、得られたボ
ードの廃棄が容易であり好ましい。中でも、セルロース
系繊維を、媒体撹拌ミル、振動ミル、コロイドミル、叩
解機等を用いて湿式で機械的処理して得られる保水度1
50%以上の微細繊維は、ボードの強度向上の効果が大
きくしかも安価であり特に好ましい。
【0016】結合強化ファクターが0.15以上の繊維
の組成物への配合量は、通常全固形分当り3〜30重量
%である。
【0017】強度補強用サイズ剤としては、例えば、水
溶性フェノール樹脂、アミノ系樹脂、澱粉、ラテック
ス、アクリルアマイド、カゼイン、乾性油、リグニン廃
液等が挙げられる。また、耐水性付与サイズ剤として
は、例えば、パラフィン(ワックス)、ロジン、トール
油、乾性油、アスファルト、合成樹脂等が挙げられる。
また、これらのザイズ剤を繊維の表面に沈着させる沈着
剤としては、例えば、硫酸バンド、ミョウバン、硫酸第
一鉄、硫酸等が用いられ、PH調整剤にはアンモニアが
用いられる。強度補強用サイズ剤及び耐水性付与サイズ
剤の組成物への配合量は、通常全固形分当り1〜30重
量%である。
【0018】また、スラリー組成物として他に、木材や
非木質材のバガス、藁、竹等の繊維質原料を、砕木パル
プ法(GP)或いはリファイナによる解繊法(RGP)
等の機械的繊維化法、熱的機械的繊維化法、化学的機械
的パルプ化法、爆砕パルプ化法等のファイバーボード原
料用パルプ及び古紙繊維を配合することが出来る。組成
物への配合量はこの範囲に限定されるものではないが、
通常全固形分当り5〜50重量%である。
【0019】スラリー組成物には、必要に応じて他に適
宜、難燃剤、染料、顔料、歩留向上剤、填料、スライム
コントロール剤、増粘剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、殺
鼠剤、防虫剤、保湿剤、界面活性剤、帯電防止剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、芳香剤、消臭剤等を選択し配合
することができる。これらは複数種併用することも出来
る。配合量は、通常組成物の全固形分当たり0.1〜3
0%である。
【0020】スラリー形成に用いられる媒体としては通
常水が使用される。スラリーの濃度は、通常乾燥固形分
量が0.05〜10重量%の範囲に調製されるが、分散
状態の点で0.05〜5重量%の範囲のものが好まし
い。本発明では、該スラリー組成物のカナダ標準フリー
ネス(CSF)が低いと発明の効果が出にくいので、ス
ラリー組成物のフリーネスとしては550ml以上が好
ましい。中でも600ml以上、取り分け650ml以
上が好ましい。
【0021】因みに、カナダ標準フリーネスは、JIS
−P−8121に規定されている通常はパルプの濾水性
を示す値であるが、本発明では同測定法でスラリー組成
物の濾水性を判定した。
【0022】ボードは通常3mm〜数cmの厚みのもの
で、抄造装置としては、例えばデッケルボックス式抄造
機、円網式抄造機(単胴式吸引式抄造機、双胴式抄造
機)、長網式抄造機、傾斜ワイヤー抄紙機等の厚物が抄
けるボード業界、製紙業界公知の機械、水平型ベルトフ
ィルターHFB型(株式会社石垣製)、凹型の金型を有
するパルプモールド成形機、等を用いることができる。
本発明において乾燥速度を高めるためには、堆積層のパ
ルプ間の空隙を出来るだけ残し水分の抜けやすい状況を
つくり出すことが肝要であり、その為抄造機のウェット
プレスパートのプレス圧を全く掛けずに行うか低く抑え
る必要がある。プレス圧を下げることは、ボードの平滑
性を低下させることに繋がる可能性があるが、その改善
には、湿潤状態の堆積層のメッシュ非接触面の表層部分
をウオーターカーテン等を用いて薄くスライスして堆積
層の面を整える手段は有効である。また、ウエットプレ
スパートのプレス圧を低く抑えた状態で脱水を効率的に
行うには、吸引脱水をできるだけ強力に行う、或いは加
圧気味に強制通気させることができる装置を取付けて脱
水を強力に行う等の工夫が必要である。乾燥工程には、
当業界公知の熱風乾燥、マイクロウェーブ乾燥等の方法
を取ることができるが、中でも、加熱エアー(或いは水
蒸気等)を湿潤状態のボードに加圧注入する、或いはボ
ードの反対側から加熱エアーを(必要なら加圧気味に)
入れながら吸引する、等の方式で、繊維間空隙のエアー
の流れを良くした通気乾燥は、乾燥が速くてボードの生
産効率が極めて良く特に好ましい。その際の加熱エアー
は通常80〜350℃の温度範囲のものが使われる。通
気乾燥のボードに対する通気量としては、乾燥初期で2
リッター/cm・分以上が乾燥効率の点で好ましく、
5リッター/cm・分以上が特に好ましい。取り分け
10リッター/cm・分以上が好ましい。
【0023】乾燥効率を上げる手段として他には、湿潤
状態のボードにパターン状に径が1〜10mm程度の突
起状の孔を設けてエアーの流れを良くする方法が有効で
ある。孔は貫通孔或いは非貫通孔の何れでもよいが、熱
風加圧注入を用いる乾燥の場合には非貫通孔が好まし
い。小孔を有する突起を該孔に挿入して加圧熱風を注入
する方式は、乾燥効率が極めて良く好ましい。非貫通孔
の深さは特に限定されるものではないが、厚みに対して
2〜9割が好ましい。孔を開ける手段としては、押型
加圧機、針、ドリル、ウォータージェット等を用いて、
湿潤ボードに孔開けの後加工する方法、ワイヤー面に
突起を設けてボード形成と同時に孔を形成させる方法、
が挙げられる。尚、孔としては、ボードの抜けが容易な
先細り構造が好ましい。
【0024】かくして得られたボードは、通常0.02
〜0.25g/cmの密度であるが、更に乾燥後にた
だちに加圧或いは熱圧して高強度で密度の高いボードに
することも出来る。通常熱圧処理の温度は150〜30
0℃、圧締圧力は10〜200kg/cmで、数回息
抜きを行いながら20〜400秒の時間処理される。こ
の処理で通常密度0.30〜1.1g/cmのボード
を得ることができる。
【0025】乾燥後のボードには、必要に応じて更に前
記サイズ剤、難燃剤、染料、顔料、防腐剤、防黴剤、抗
菌剤、殺鼠剤、防虫剤、界面活性剤、帯電防止剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、芳香剤、消臭剤等をスプレー、
含浸、塗工等の手段を用いて含有せしめることができ
る。また、ボードは熱処理を施すことによって強度、耐
水性の向上が期待出来る。
【0026】得られたボードは、単独或いは他の素材と
組み合わせる形で、ファイバーボードが用いられている
分野や緩衝材等に使うことが出来る。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げてより具体的に説明する
が、勿論本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例および比較例において「部」および「%」と
あるのは特に断らない限り「重量部」および「重量%」
を示す。
【0028】<実施例1>非ホルマリン系架橋剤(商品
名:スミテックスNF−500K、住友化学工業社製)
とその架橋助剤(商品名:スミテックスACCELER
ATER MX、住友化学工業社製)をそれぞれ固形分
換算で5部、2部含有する水溶液60部を調製した。次
に、新聞古紙を西日本技術開発製解繊機ファイバライザ
の粗粉砕機部を使って約1cm角の大きさに粗粉砕した
後、セメント用ミキサーに100部入れ、攪拌しながら
上記架橋剤溶液全量を噴霧して均一に古紙を湿潤させ
た。続いて、この湿潤古紙を同ファイバライザの微粉砕
機部で繊維状に解繊した後に、開放容器に入れて、15
0℃の送風乾燥器中で60分間加熱して反応を完結させ
て架橋古紙繊維を得た。この架橋古紙繊維のカナダ標準
フリーネス(以下、フリーネスと略す)を測定したとこ
ろ702mlであった。以上のようにして得られた架橋
古紙繊維に水を加えて固形分濃度2%に調整し、十分に
攪拌して原料スラリーを得た。次に、この原料スラリー
をパルプモールド成形機のタンクに投入した後、幅50
0mm×長さ800mm×深さ20mmのボード成型用
の雌型金型を該スラリー中に浸漬して5秒間真空吸引
し、パルプが型からやや飛び出すレベルまで金型内に堆
積させた後、金型をスラリーから引き上げ、次に90度
回転させた。続いて、ウオーターカーテンを使って金型
から飛び出しているパルプ堆積物を切除し、堆積層の厚
みが21mmの湿潤成形物を得た。その後金型を90度
回転させて開放面を上に向け、更に吸引を続けて成形物
の水分を低減させながら、同時にその上から小孔を有す
る平板を軽く押し当てて圧縮し、該小孔から150℃の
熱風が5リッター/cm・分の流量で層内を流れるよ
うに注入して乾燥し、幅500mm×長さ800mm×
厚み20mmの低密度ボードが得られた。密度は0.1
2g/cmであった。完全に乾燥するまでに要した時
間は250秒間であった。
【0029】<実施例2>固形分濃度1%の広葉樹晒ク
ラフトパルプの水スラリーを、平均粒径2mmφのガラ
スビーズを80%充填した1.5リットル容のダイノミ
ル(型式:KDL−PILOT型、シンマル・エンター
プライゼス社製)装置に350ml/分で導入、通過さ
せることにより数平均繊維長0.27mm、結合強化フ
ァクター0.52の微細繊維を得た。この微細繊維の保
水度を測定したところ、280%であった。上記微細繊
維10部(乾燥重量)、実施例1と同様にして得られた
架橋古紙繊維90部(乾燥重量)、及び水を加えて固形
分濃度2%に調整し、十分に撹拌して原料スラリーを得
た。この組成物のフリーネスは660mlであった。こ
の原料スラリーを使用した以外、実施例1と全く同様に
して幅500mm×長さ800mm×厚み20mmの低
密度ボードを得た。密度は0.14g/cmであっ
た。完全に乾燥するまでに要した時間は300秒間であ
った。強度は、実施例1のボードよりかなり優れてい
た。
【0030】<実施例3>新聞古紙を西日本技術開発製
解繊機ファイバライザの粗粉砕機部を使って約1cm角
の大きさに粗粉砕した粉砕物100部を、非ホルマリン
系架橋剤(商品名:スミテックスNF−500K、住友
化学工業社製)とその架橋助剤(商品名:スミテックス
ACCELERATER MX、住友化学工業社製)を
それぞれ固形分換算で5部、2部含有する水溶液100
部中に浸漬させた。次に、この湿潤状態の古紙をワーブ
ルグブレンダーに入れ、繊維状に解繊させた。次いで、
この繊維を取り出し、150℃の送風乾燥器中で60分
間加熱して架橋反応を完結させた。架橋剤処理したこの
繊維のフリーネスは685mlであった。以上のように
して得られた架橋古紙繊維に水を加えて固形分濃度2%
に調整し、十分に攪拌して得た原料スラリーを使用した
以外、実施例1と全く同様にして幅500mm×長さ8
00mm×厚み20mmの低密度ボードを得た。密度は
0.13g/cmであった。完全に乾燥するまでに要
した時間は230秒間であった。
【0031】<実施例4>実施例3と同様にして得られ
た架橋剤浸漬処理した粗粉砕古紙を双腕型ニーダーにい
れ、室温にて双腕をそれぞれ60rpmと100rpm
で回転させて40分間ニーディング処理を施した。次い
で、このニーディング処理済み湿潤粗粉砕古紙をワーブ
ルグブレンダーに入れ、繊維状に解繊した。次いで、こ
の繊維を取り出し、150℃の送風乾燥器中で60分間
加熱して架橋反応を完結させて、フリーネス730ml
のカール状繊維を得た。以上のようにして得られたカー
ル形状の架橋古紙繊維に水を加えて固形分濃度2%に調
整し、十分に攪拌して得た原料スラリーを使用した以
外、実施例1と全く同様にして幅500mm×長さ80
0mm×厚み20mmの低密度ボードを得た。密度は
0.10g/cmであった。完全に乾燥するまでに要
した時間は210秒間であった。
【0032】<実施例4>実施例2と同様にして得られ
た密度0.14g/cm、幅500mm×長さ800
mm×厚み20mmの低密度ボードを、200℃の温度
で熱圧処理して厚みが5mm、密度0.56g/cm
のボードを得た。
【0033】<比較例1>新聞古紙を湿式解繊して得ら
れたフリーネス490mlの繊維に水を加えて固形分濃
度2%に調整し、十分に攪拌して原料スラリーを得た。
次に、この原料スラリーをパルプモールド成形機のタン
クに投入した後、幅500mm×長さ800mm×深さ
20mmのボード成型用の雌型金型を該スラリー中に浸
漬して85秒間真空吸引し、パルプが型からやや飛び出
すレベルまで金型内に堆積させた後、金型をスラリーか
ら引き上げ、次に90度回転させた。続いて、ウォータ
ーカーテンを使って金型から飛び出しているパルプ堆積
物を切除し、堆積層の厚みが21mmの湿潤成形物を得
た。その後金型を90度回転させて開放面を上に向け、
更に吸引を続けて成形物の水分を低減させながら、同時
にその上から小孔を有する平板を軽く押し当てて圧縮
し、該小孔から150℃の熱風を加圧注入して実施例1
と同様の乾燥を試みたが20分間の処理でも乾燥しなか
った。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、古紙を
原料としたボードを効率良く製造し得る方法を提供する
という効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E075 BA82 BB02 GA07 4L055 AA11 AC09 AF09 AF44 AF46 AG34 AH50 BF02 EA05 EA16 FA16 FA22 GA24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撥水化、耐水化、硬化のいずれかの処理
    の少なくとも一つを施した古紙繊維を含有するスラリー
    を、メッシュ上に流し込んでメッシュの小孔から媒体を
    除去することによって、該メッシュ上に湿潤状態の堆積
    層を形成させ、その後乾燥処理して得られたことを特徴
    とするボード及びその製造方法。
  2. 【請求項2】 スラリー組成物が、550ml以上のカ
    ナダ標準フリーネス(CSF)を有する請求項1に記載
    のボード及びその製造方法。
  3. 【請求項3】 スラリー組成物が、該古紙繊維の他に結
    合強化ファクターが0.15以上の繊維を含有する請求
    項1に記載のボード及びその製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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