JP2000221465A - 回折光学素子の製造方法 - Google Patents

回折光学素子の製造方法

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JP2000221465A
JP2000221465A JP2757399A JP2757399A JP2000221465A JP 2000221465 A JP2000221465 A JP 2000221465A JP 2757399 A JP2757399 A JP 2757399A JP 2757399 A JP2757399 A JP 2757399A JP 2000221465 A JP2000221465 A JP 2000221465A
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diffractive optical
liquid crystal
polymer
light
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JP2757399A
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Akifumi Ogiwara
昭文 荻原
Yasunori Kuratomi
靖規 藏富
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶と高分子を含む光学媒体を液晶のN−I
点に対応した特定の温度範囲に制御してレーザ露光を行
うことで、液晶が微細な周期構造に対し一様な方向に配
向する構造を有する回折光学素子の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 ガラス基板101間に封入された液晶と
高分子からなる光学媒体に対し2光束レーザの干渉によ
る光強度分布を照射する。この時、光強度の明部に対応
する領域の高分子が初期に硬化し高分子の柱を形成する
工程とこの高分子の柱に対して液晶が一様に配向する工
程が生ずる。この回折光学素子の製造方法において、レ
ーザ露光中のガラス基板101の温度を液晶のN−I点
に対応する特定の温度範囲に保持することで液晶分子の
配向方向を一様に制御して、偏光分離機能を有する回折
光学素子を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投写型プロジェク
ター等の画像表示装置及び光記録または読みとりを行う
光情報処理装置に用いられる回折光学素子の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶素子を用いた画像表示装置は、薄
く、軽量であるためノートパソコンのモニターや携帯情
報端末用のモニターとして幅広く用いられている。また、
1インチ程度の小型の液晶ライトバルブの映像を拡大投
写系によって大きなスクリーンに表示する投写型プロジ
ェクタ-も、近年解像度や輝度の向上によって大きな市場
が期待されている。
【0003】これらの液晶素子の画像表示は一般に光の
偏光方向を変調することで行われる。このため、偏光子
や偏光ビームスプリッタ等により偏光方向を揃える必要
性があるため、通常の白色光源のすべての光を利用する
ことは一般にはできない。
【0004】プロジェクターの使用において、室内をあ
まり暗くしなくても認識できる明るい投写画像への要求
が高いため、液晶ライトバルブの光利用効率を向上させ
ることが重要である。照明領域の均一性を高める光学系
として、特開平3−11180号公報または特開平5−
346557号公報等には2枚のレンズ板を用いたイン
テグレータ光学系が開示されている。これは原理的には
露光機に使用されているものと同じで、光源からの平行
光束を複数の矩形レンズによって分割し、各矩形レンズ
の像を各矩形レンズに1対1で対応するリレーレンズで
液晶ライトバルブに重畳結像させるものである。
【0005】特開平7−294906号公報にはレンズ
板とプリズムを組み合わせた偏光変換素子が報告されて
いる。この概略を図8に示す。これは、アレイ状のレン
ズが形成されたレンズ板801に入射した光波は光束が
絞られて、プリズム802に入射する。ここでP波80
5はそのまま通過し、S波804はプリズムで反射され
て隣のプリズムに入射し、再び反射され90°角度を変
化する。そして、光路中に置かれた位相板803を通過
して偏光方向を90°回転してP波として出射する。以
上のようにレンズ板801とプリズム802との組み合
わせによって、これを出射した光波は偏光方向が揃った
光束となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】プリズムを用いた偏光
分離素子では、一端レンズ板により光束を絞り1列置き
にプリズムアレイに入射する。そして、プリズムは偏光
ビームスプリッタの機能を有するため、例えばP波を透
過しS波は直角に反射され、更に隣のプリズムで直角に
反射され光の伝搬方向が先のP波と等しくなる。この後
光路中に置かれた1/2波長板等の位相板によって90
°偏光方向が回転されP波となって出射する。
【0007】以上のような作用が各プリズム毎に行われ
るため、レンズ板に入射した光波は光束の幅を大きく変
えることなく偏光方向が揃った光束を得ることができ
る。
【0008】プリズムは誘電体多層膜と屈折率マッチン
グをとるための液体または固体で回りを満たしたキュー
ブ形状で構成される。偏光分離度を高めるためには誘電
体多層膜を何重にも成膜する必要があり、製造コストは
高価になる。また、分離膜は光の伝搬方向を90°曲げ
るため45°に配置している。このため、1つのプリズ
ムを構成する分離膜の大きさによって厚さ方向の分離素
子の大きさが固定され、素子を薄く小型にできないとい
う課題が生じる。
【0009】また照明光の均一性をさらに向上するため
には先のインテグレータを構成するレンズ板のレンズ数
を増加することが必要となる。この時、プリズムもレン
ズ数の増加に対応して微細化されなければならない。し
かしながら、mm単位で図8に示すような複数のプリズ
ム構造を均一性よく形成することは難しく、製造コスト
の増加を招くことにもなる。
【0010】本発明は、前記従来技術の課題を解決し、
画像表示装置や光情報処理装置に使用される偏光分離機
能を有する回折光学素子の安価で安定した製造方法を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る回折光学素子の製造方法は、透明絶縁性
基板で挟まれた領域に液晶と高分子を含む光学媒体が封
入された構造を有する回折光学素子において、前記光学
媒体上にレーザ光の2光束干渉により形成された周期的
な強度分布に対応する明部と暗部からなる干渉縞を光照
射することで、干渉縞の明部に属する領域の高分子が初
期に硬化し始め、偏波成分に依存しない周期構造を形成
する工程と前記硬化した高分子層から分離された液晶分
子が一様に配向する工程を含む回折光学素子の製造方法
において、前記光照射中の絶縁性基板温度を光学媒体に
含まれる液晶のネマティックからアイソトロピックへの
転移温度(以下N-I点温度と略記する)の概ね1/2からN-I
点より概ね10℃低い温度範囲に保持することで前記液
晶の配向方向が高分子層に対し概ね一様に傾斜して配向
する機能を有することを特徴とする。
【0012】また本発明に係る回折光学素子の製造方法
は、ラビングによる配向処理が施された高分子からなる
薄膜を形成した透明絶縁性基板で挟まれた領域に液晶と
高分子を含む光学媒体が封入された構造を有する回折光
学素子において、前記光学媒体上にレーザ光の2光束干渉
により形成された周期的な強度分布に対応する明部と暗
部からなる干渉縞を光照射することで、干渉縞の明部に
属する領域の高分子が初期に硬化し始め、偏波成分に依
存しない周期構造を形成する工程と前記硬化した高分子
層から分離された液晶分子が一様に配向する工程を含む
回折光学素子の製造方法において、前記液晶分子の配向
方向が前記高分子薄膜に施されたラビング処理方向と概
ね一致することを特徴とする。
【0013】また本発明に係る回折光学素子の製造方法
は、透明絶縁性基板で挟まれた領域に液晶と高分子を含
む光学媒体が封入された構造を有する回折光学素子にお
いて、前記光学媒体上に概ね1mm〜数十mmの荒い周期構造
を有する光パターンと概ね1μm〜10μmの微細な周期構
造を有する光パターンを順次照射することで前記光学媒
体中に光硬化作用を生ぜしめ、前記2つのパターンに対応
する周期構造を形成することを特徴とする。
【0014】また本発明に係る回折光学素子の製造方法
は、透明絶縁性基板で挟まれた領域に液晶と高分子を含
む光学媒体が封入された構造を有する回折光学素子にお
いて、前記光学媒体上にレーザ光の2光束干渉により形成
された周期的な強度分布に対応する明部と暗部からなる
干渉縞を光照射することで、干渉縞の明部に属する領域
の高分子が初期に硬化し始め、偏波成分に依存しない周
期構造を形成する工程と前記硬化した高分子層から分離
された液晶分子が一様に配向する工程を含む回折光学素
子の製造方法において、光照射側と反対側の絶縁性基板
上に光の偏波面を回転する機能を有する位相板を周期的
に形成していることを特徴とする。
【0015】また上記構成において、前記位相板の周期
長が概ね数十mm以下であることが望ましい。
【0016】また上記構成において、前記回折光学素子
は屈折率異方性を有する液晶を用いて周期構造が形成さ
れており、入射光の1方向の偏波成分(P波もしくはS波)に
対し前記周期構造に対応した屈折率分布を生じ、この屈
折率差により光の回折を生じ且つ前記入射光に対し概ね
直交する成分(S波もしくはP波)に対しては優先的に直進
する機能を有していることが望ましい。
【0017】また上記構成において、前記回折光学素子
の周期構造が屈折率異方性を有する液晶の光軸の傾斜に
より形成されていることが望ましい。
【0018】また上記構成において、前記光学媒体は光
重合開始剤及びレーザ光の波長を吸収するための色素を
含むことが望ましい。
【0019】また上記構成において、前記回折光学素子
が一様に配列された液晶を含んで構成され、且つ光重合
性モノマーまたは光架橋可能液晶ポリマーが添加され、
紫外領域の光照射に対し、液晶の分子軸の方向が固定化
されることが望ましい。
【0020】また本発明に係る回折光学素子の製造方法
は、請求項1〜4までのいずれかの工程を2つ以上組み合わ
せて回折光学素子を形成することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0022】(実施の形態1)本発明の回折光学素子の
製造方法について図1を用いて説明する。まず、干渉縞
を露光するための光源としては、例えば、Arレーザか
らの515nm前後の波長の出射光が利用できる。これ
をビームエキスパンダ等によって直径30mm〜100
mm程度のビームに広げた後、ビームスプリッタ等によ
り2方向に分割し、ミラー等を組み合わせて構成するこ
とで回折光学素子上に照射する干渉縞を形成する。
【0023】次に回折光学素子の作製プロセスについて
説明する。ガラス基板をダストを除去するために洗浄し
た後、このガラス基板上に液晶と高分子を混合した光学
媒体をスパチュラ等で滴下し、この上にもう1枚のガラ
ス基板を上方から張り合わせ2枚のガラス基板の間隙に
光学媒体が封入されたセルを作製した。
【0024】光学媒体としてはネマティック液晶、高分
子材料としてはモノマーやオリゴマーの混合物である。
具体的には、Phenylglycidil ether acrylate hexameth
ylene diisocyanate urethane prepolymer,2-Hydroxyet
hyl Methacrylate,Dimethylol tricyclodecane diacryl
ate等が利用できる。今回使用した液晶は正の誘電異方
性を有するものであるが、負の誘電異方性を有するもの
を使用することも可能である。光重合開始剤としてN-Ph
enylglycine、また515nm付近のレーザ波長の光を吸収す
るための色素としてDibromofluoresceine等を添加して
もよい。また、セルのギャップの均一性を保つため数μ
m径程度のビーズを添加してもよい。
【0025】以上のようにして作製した液晶サンプルを
ペルチェ素子からなる温度制御装置により基板温度をあ
る一定温度に保持して、先に述べたArレーザを用いて
干渉縞の露光を行った。まず光学系の作製位置に回折光
学素子102をセッティングした。また、シャッタによ
り露光時間を調節した。ミラーを調整することで、サン
プル位置には、1μmピッチ程度の干渉縞が形成される
ように調整した。
【0026】ここでサンプル位置に形成される干渉縞の
ピッチとミラーによるレーザ2光束の交角及びレーザの
波長との関係は以下の式で表すことができる。
【0027】 (式1) ヒ゜ッチ:P=λ/2sinθ ;λ レーサ゛波長、θ 交角 サンプル上に形成される干渉縞のピッチは2光束の交角
が大きいほどまたレーザ波長が短いほど小さくなる。こ
の時のArレーザの照射強度は50mW〜100mW程
度であった。
【0028】次に液晶サンプルに対してレーザにより干
渉縞を形成するプロセスについて詳しく説明する。ま
ず、シャッタを閉じて光照射が無い状態で、温度制御装
置に固定された液晶サンプルをセッティングする。そし
て、シャッタを所定の時間、ここでは5分間程度開放し
た後閉じる。図1に示すように、この過程により初期段
階として液晶サンプルにはレーザの2光束の干渉により
形成されている干渉縞の強度の高い明部に属する領域に
おいて高分子材料の硬化が開始する。この過程で周期的
な高分子の柱が形成されることになる。また、同時に液
晶材料はレーザ露光により硬化反応が生じないので硬化
された高分子の領域から押し出され、レーザの強度の弱
い暗部の領域に集まるようになる。つまり高分子と液晶
の周期的な密度分布が生じる相分離の現象が起こる。こ
れが第1の工程である。
【0029】次に第2の工程としては暗部に集まった液
晶分子が最初に硬化した高分子の柱に対して図1の
(b)で示すように巨視的に一様に配向する過程であ
る。従って液晶分子が並んだ層と高分子密度の多い層が
交互に周期的に形成される。
【0030】つまり、第1の工程は図1で示すように高
分子が硬化し柱が形成され液晶と高分子の密度分布が生
じる過程である。この過程では、高分子と液晶との密度
分布が形成されるため、液晶の密度が多い部分では平均
的に高分子層に比べ平均値が高くなり周期的な屈折率分
布が生じ回折の現象が生じることになる。この段階では
液晶の配向は形成されていないため、入射する偏波方向
に対する依存性は生じないと考えられる。
【0031】次に第2の工程では、硬化した高分子の柱
に対して液晶の密度が高い領域で液晶が並ぶ現象を生じ
る。これは素子内において、高分子の柱が微少領域で周
期的に形成され、また液晶は未硬化のまま存在するた
め、素子全体において高分子層と液晶層との間で応力分
布がある程度急峻な時間内に生じる。このような物理的
な要因により、液晶の配向状態が規定されるためではな
いかと考えられる。この工程により素子内に屈折率異方
性が形成され、後に述べるように入射する光の偏波成分
により回折作用が異なることになる。図1の(b)のよ
うに液晶分子が並んだ場合は、入射するP波に対して強
い回折特性を有することになる。
【0032】上記の2つの過程は露光時のレーザ光強度
を変化させたり、添加する光重合開始剤や色素の量を変
化させても変わらずに生じた。
【0033】このようにして形成された回折光学素子の
構造モデルを図2に示す。高分子の屈折率は一般に1.
5程度であり、通常よく用いられるネマティック液晶の
常光屈折率Noと概ね等しい。このため、入射光の常光
線に対しては液晶の屈折率はNoであり高分子部分の屈
折率もNo程度となる。
【0034】このため、このとき回折光学素子は等方媒
体と見なされるため入射した光はそのまま通過する。図
2のS偏光が入射した場合に相当する。
【0035】一方、異常光線に対しては液晶の屈折率は
液晶分子が高分子層に対して垂直の方向に並んでいるた
め屈折率がNeとなり、高分子層は屈折率異方性を有し
ないのでNoのままである。したがって、液晶層と高分
子層で屈折率が異なる周期構造を生じることになる。こ
れは、図2で説明したP偏光が入射した場合と同様であ
るため、異常光線はこの屈折率分布に対応して図に示す
ように特定方向に回折される。このモデル図では周期ピ
ッチが1μm、厚さが10μm場合を一例として説明し
ている。
【0036】このように厚さ方向に周期構造を有するよ
うに構成することで、ブラッグの回折条件が適用される
ことになる。これは、ある波長を有する光が周期構造を
形成する各層に入射した場合、各層で散乱された光はそ
の波長と入射角度及び層間のピッチに対応する特定方向
に散乱成分が強め合う現象を生じる。これが、ブラッグ
の回折条件と呼ばれるものであり、このような条件は従
来の2次元的な回折光学素子に対し、3次元的な構成と
なり、ブレーズ化(1つの方向に光を収束する)の作用
を有することになる。
【0037】従って、従来の回折光学素子に対し、回折
効率を飛躍的に向上することができ理論的には100%
の効率が可能である。
【0038】このような理論的な回折効率の計算結果は
H.Kogelnik、(BellSyst. Tec
h. J.,48,1969,P.2909−294
7)の解析に開示されている。
【0039】干渉縞を露光した液晶サンプルに対し、水
銀ランプの概ね均一な光を5分程度照射しサンプル全体
において未硬化部分が安定に硬化されるようにしてサン
プルは完成した。また液晶サンプルのレーザ露光中にお
ける基板保持温度をいくつか変化させてサンプルの作製
を試みた。
【0040】図3はここで作製したしたサンプルのレー
ザ露光中の基板保持温度と回折効率の評価結果である。
波長544nmの緑色のレーサ゛光を用い偏光子により入射光の
偏波方向を変化させて回折効率を調べた。図3において
P1次はP波を入射したとき、素子をそのまま通過せず
特定方向に回折された光強度割合を示す。また、S1次
はS波を入射したときの同様の割合である。
【0041】P1次とS1次の効率の比が大きいほど
(一方が100%に近く、他方が0に近い)、入射光に
対する偏光分離度が高くなり、本発明に用いる回折光学
素子として優れた特性となる。図3をみると作製温度に
対してP1次、S1次の効率は大きく変化しており、室
温付近(25℃)〜40℃程度までの低い温度ではS波
の回折効率が高い。一方これより温度が上昇するとP波
の回折効率が高くなり(a)、(b)ともある特定温度
付近でヒ゜ークを有している。効率としてはP1次のヒ゜ーク効
率がS1次に比べ高く80%程度の値となっている。
【0042】S波の回折特性が大きいということは、液
晶分子が図1の(b)の方向と異なり高分子の柱に対し
て平行に倒れる方向と考えられる。このように作製温度
に対して液晶の配向方向が変化するのは温度に対して液
晶の粘性が変化し、先に述べた高分子の硬化による周期
構造形成過程時の応力分布に対するの液晶分子の移動割
合が異なってくるためではないかと思われる。
【0043】つまり、温度が高くなるにつれ液晶の粘性
が下がり移動しやすくなるこのため、図1の(b)に示
すように液晶が高分子の柱に対して概ね垂直方向に立つ
ような向きにまで大きく変化するようになるのではない
かと予想される。また、温度に対して効率がピークを持
つのは応力と液晶の粘性による物理的な力がバランスす
るような状態の存在によるものまたは、温度が高いと液
晶分子が動きやすくなりすぎるため一様な方向に安定さ
せることが困難になるため効率が減少する等の理由が考
えられる。
【0044】さらに、この図から液晶のN−I点に対応
してP1次のピークを有する温度が(a)は65℃程
度、(b)が85℃程度であることがわかる。(a)は
液晶のN−I点が80℃であり、(b)はN−I点11
3℃である。これより液晶のN−I点に対応して回折光
学素子の効率がピークとなる作製温度も上昇しており、
液晶のN−I点に対応して作製温度を制御することが重
要であることがわかる。
【0045】次に作製した回折光学素子を画像表示用照
明光学系の偏光変換素子として応用した例について図4
を用いて説明する。光源405からのP波とS波を含む
光波は第1レンズ群と第2レンズ群より構成されるイン
テグレータ401に入射する。この光波は回折光学素子
402近傍に配置された第2レンズ群の各レンズで集光
された後、回折光学素子402と403に入射し偏光方
向が揃った光に変換される。ここで使用した回折光学素
子402と403は等しい回折特性を有するものでS波
をそのまま透過し、P波を回折する。
【0046】まず、インテグレータ401の第2レンズ
群により絞られたそれぞれの光波は回折光学素子402
に入射し、S波は光路を変えずに次の並列に置かれた回
折光学素子403に入射する。一方、P波は回折光学素
子402により前述した原理に基づき回折され光路を変
化して回折光学素子403に入射する。この回折光学素
子403は402と等しい回折特性を示すため、P波は
再び回折され、進行方向が先の回折光学素子402に入
射するときと等しくなって出射する。
【0047】但し、P波の回折光学素子403への入射
位置は直進したS波に対して回折光学素子402と40
3の間隔分だけずれることになる。S波とP波の領域は
回折光学素子403上で重複しないように回折角と間隔
により調節され、これがインテグレータの各レンズ毎に
行われる。また、インテグレータ401の第2レンズ群
により光波が一端1/2程度に絞られて回折光学素子4
02に入射する。このため、回折光学素子403上でS
波とP波により占める領域が倍程度に広がっても光波全
体の面積は元の場合と概ね変わらない。回折光学素子4
03上のP波が入射する位置に位相板404としてλ/
2波長板を配置することで、ここに入射したP波が変調
されてS波となって出射する。以上の作用により回折光
学素子403を出射した後の光波は、光源405から出
射した時と概ね変わらない面積のまま偏光方向が揃った
光波として利用できることになる。
【0048】本発明による回折光学素子は、μmオーダ
ーの周期構造が形成されており入射する光波は素子のど
の位置に入射してもよい。このため、構成としては回折
光学素子403上にインテグレータのピッチに対応して
位相板404を形成することと、回折光学素子402と
403の奥行き方向の位置を合わせるだけの簡便なもの
となる。
【0049】さらに光源405からの光波の均一性を向
上するためにはインテグレータのレンズ群のレンズサイ
ズを小さくし且つ数を増やすことが必要になる。このよ
うな場合に対しても図4で示す構成では回折光学素子4
02、403は上述したようにμmオーダーの微細構造
から形成されているため、インテグレータ401を構成
するレンズ群の数やサイズが変化しても、回折光学素子
403上に形成する位相板の位置を変化するだけで、対
応することが可能となる。従ってコストについても大き
な増加なく対処することができる。
【0050】白色光が回折光学素子に入射した場合は波
長により回折角が変わることなどが予想されるが、図4
に示ように微少な間隔で回折光学素子を2枚組み合わせ
ることでそれぞれの素子で回折角度が補償され、最終的
に出射する光波の方向は揃うことになる。このため、色
ズレ等についても大きな問題は生じないと思われる。波
長に対する効率変化の問題は液晶のΔn等を選択するこ
とで可視波長領域のある程度広い範囲にわたって効率を
高く維持することで対応することも可能と考えられる。
【0051】図5に本発明の回折光学素子を用いた偏光
変換素子の別の応用例を示す。光源405から出射した
P波とS波を含む光波が回折光学素子501と502に
入射する。回折光学素子501と502は同様の偏光分
離機能を有し、S波を透過しP波を回折する。回折方向
が回折光学素子501は紙面上方に回折光学素子502
は紙面下方と中心線に対し対称方向である。
【0052】回折光学素子501と502で回折された
光波は続いてそれぞれ回折光学素子503と504に入
射する。回折光学素子503と504はそれぞれ501
と502と等しい回折特性を有している。このため、こ
れらに入射したP波は回折作用により進行方向が光源4
05からの出射方向と等しくなる。さらに回折光学素子
503と504の出射位置には位相板505と506と
してλ/2波長板が配置されている。従って、これらの
位相板を出射した後、光波はS波となって出射する。
【0053】以上のように図5に示す構成によって光源
405からの出射光は全てS波となり偏光方向が揃った
光波として出射される。この構成では照射面積は光源4
05に対し倍程度と大きくなるが光源に直接組み合わせ
て利用できるため、後の構成の自由度が向上し広い応用
が期待できる。また、回折光学素子501〜504を用
いて構成することで光波の回折方向を任意に設定するこ
とができる。このため、回折角度を大きくすれば奥行き
方向の配置を薄くする構成も可能である。
【0054】(実施の形態2)図1に示す回折光学素子
の製造方法においてガラス基板上に高分子からなる配向
膜を塗布しこれをラブング処理した後、レーザ照射によ
る周期構造の形成を試みた。このプロセスについて以下
に詳しく述べる。
【0055】まずガラス基板を用意し、この基板をダス
トを除去するために洗浄した後、高分子からなる配向
膜、例えばポリイミドをスピンコート法等により塗布
し、加熱処理を行うことなどで配向膜を基板上に形成し
た。この後、ローラ等により特定方向にラビング処理を
施した。このラビング処理としては図1に示す1組のガ
ラス基板に対してアンチパラレルラビング(ラビング方
向は等しく、ラビングの向きが互いに逆方向)とした。
【0056】上記のような処理を施したガラス基板10
1を用いて、実施の形態1と同様液晶と高分子からなる
試料をガラス基板に滴下しセルの組立を行った。この
時、セル厚を調整するためのビーズの径を3μm〜10
μm程度のものからいくつか選択して用いた。
【0057】また、レーザ露光により形成される周期構
造の向きを配向膜に施したラビング方向と平行方向と垂
直方向の2つの種類を作製した。
【0058】作製したサンプルに対し、実施の形態1と
同様にP波、S波のレーザ光を照射して効率の評価を行
った。この結果、サンプルのセル厚が10μm程度のも
のはP波の回折効率が高く、S波はほとんど透過しガラ
ス基板に施したラビング処理方向との依存性はほとんど
生じなかった。
【0059】サンプルのセル厚が5μm程度のものは、
P波とS波の回折効率がラビング処理の方向により変化
が生じた。
【0060】ラビング処理の方向が図2に示す液晶分子
が配向している方向に対して垂直(紙面の鉛直方向)の
場合、P波は透過率が回折効率よりも大きく、S波は回
折効率が透過率よりも大きく生じた。また、図2の液晶
配向と同じ方向にラビング処理を行った場合はS波は9
5%以上透過し、P波の回折効率が90%を越える良好
な光学特性が得られたものがあった。
【0061】サンプルのセル厚を3μm程度とした場
合、ラビング処理方向とP波、S波に対する回折効率の
依存性は5μmビーズを用いた場合より大きく生じた。
しかし、回折効率については60%程度が最大であり、
これ以外の方向への回折光が増加した。
【0062】以上のようにラビング処理はサンプルのセ
ル厚が小さくなるほど効果が大きいことがわかる。これ
は、ラビングは基板表面に対する配向規制力のためセル
厚が厚い場合は中心部に存在する液晶分子に対する影響
は小さいからと考えられる。
【0063】一方、セル厚が小さくなれば基板表面の配
向規制力が支配的になり、実施の形態1で述べた周期構
造形成過程での応力等による物理的な要因よりも上回る
ことになるためではないかと思われる。この時、セル厚
が周期構造ピッチと等価程度まで小さくなると実施の形
態1で説明したようなブラッグ回折の効果が低下するた
め、回折効率が低下する。これらのことを考慮に入れて
回折光学素子の設計を行うことが重要と思われる。ここ
での作成例では周期ピッチ1μmに対し、セル厚5μm
程度では回折効率を比較的高く保ったままラビングによ
る制御がある程度可能と思われる。
【0064】このような方法は周期構造パターンが単純
な格子構造ではなく特定形状を有するパターンを形成
し、液晶分子の配向方向と格子形状を独立に制御したい
場合や、入射光波の偏波面依存性を任意に定めたい場合
に有効と考えられる。
【0065】(実施の形態3)図6を用いて周期の荒い
パターンをフォトマスクを用いて形成した後、レーザ2
光束干渉によりμmオーダーの微細な周期構造を形成す
る回折光学素子の形成方法を説明する。 図6のガラス
基板101で挟まれた領域には実施の形態1と同様の試
料が含まれている。
【0066】このガラス基板に対しフォトマスク601
を用いて部分的に光照射を行う。図6に置いて説明の便
宜上フォトマスク601とガラス基板101間に隙間が
存在しているように見えるが、フォトマスクを601を
直接ガラス基板に接するようにするか、レンズ係でガラ
ス基板上にパターンが結像されるようにしてもよいこと
は言うまでもない。
【0067】ファトマスク601を用いて光照射を行う
過程について次に説明する。図6に示すフォトマスク6
01はガラス基板の周辺のみにマスクが形成されておら
ず、この部分のみ光を通過する。今、この部分に515
nm程度以下の概ね均一なレーザ光または水銀ランプ等
からの光が照射されると光が通過する領域に対応するガ
ラス基板下の高分子が硬化し始め、図の点線で示すよう
な柱を両端に形成する。
【0068】この後、フォトマスク601を取り外し、
実施の形態1と同様にレーザ光の2光束の干渉からなる
干渉縞に対応する強度分布を照射し、μmオーダーの周
期構造を形成するものとする。
【0069】以上のような工程において先にフォトマス
ク601により光照射を行いガラス基板の周辺を硬化さ
せると、周辺部分のみが優先的に高分子層でシールされ
ることになる。これは、作製したサンプルの周辺にUV
硬化樹脂等を新たに塗布してUV光で硬化する工程をす
ることとプロセス的には等価である。従って、素子の密
封性が保たれ高湿放置等に対する耐信頼性が向上するこ
とになる。
【0070】さらに周辺に高分子の柱をあらかじめ形成
することでサンプル全体におけるセル厚の均一性を保た
せることにもなる。これより後に続く微細な周期構造作
製時にセル厚が基板全体に渡って均一に保たれる。この
ため周期構造が中央だけでなく周辺においても均一に形
成され、回折効率が素子全体で向上する。
【0071】また、図6で示すようなフォトマスク60
1の形状が分割されたものを用いて露光を行うことを考
える。フォトマスク601を用いて露光を行った後、微
細な周期構造を形成し、実施の形態1と同様にサンプル
を完成させる。この完成した回折光学素子のサンプルを
フォトマスク601により周辺がシールされた部分でカ
ットを行う。すると、同じ特性を有する微少な回折光学
素子サンプルを一度に複数作製することができる。周辺
があらかじめ高分子層で遮蔽されているため、ガラスカ
ットを行っても液晶が外部へ流出し素子性能が劣化する
心配がない。
【0072】このような方法は光ヘッドアップに用いら
れているような微細な回折光学素子を作製する場合に効
果的であり、作製コストの削減にも非常に有効であると
考えられる。
【0073】(実施の形態4)図7にガラス基板101
の光照射する側と反対側に位相板701の機能を有する
薄膜を周期的に形成し、このガラス基板を用いて回折光
学素子を形成する方法について示す。この位相板701
はあらかじめ必要とされる周期構造に対応するマスクを
用いてガラス基板上に形成する、または均一な位相フィ
ルムをガラス基板上に張り付けるか成膜により形成した
後、マスクに対応させてエッチングなどによりパターン
を形成する等で作製することができる。このような方法
により、微細な周期構造の位相板を精度良く作製するこ
とが可能である。
【0074】上記のような方法により作製した位相板を
形成したガラス基板を用いて実施の形態1と同様にして
回折光学素子を作製した。
【0075】作製した回折光学素子を用いて図4に示す
偏光変換素子を作製し、光の利用効率を測定したとこ
ろ、この素子を用いない場合に比べ、偏波面が揃った光
波の利用効率は1.2〜1.5程度向上し偏光照明装置
として有効であることが判明した。また、上記の方法で
位相板を周期的に形成することでインテグレータ401
が微細になった場合にも回折光学素子の製造方法及び偏
光変換素子の構成を大きく変えることなく使用すること
が可能であり、将来の技術向上に追随可能な有望な方法
と期待される。
【0076】(実施の形態5)実施の形態1〜4までの
回折光学素子の製造方法のうち、少なくともどれか2つ
または全てを組み合わせた方法で回折光学素子を作製す
ることで偏光分離機能または回折効率をさらに向上させ
ることも可能である。
【0077】以上のように本発明では屈折率異方性を有
する光学媒体を用いた回折光学素子の製造方法について
説明した。
【0078】屈折率異方性を有する光学媒体としては、
ニオブ酸リチウム、KD2PO4、β−BaB24、PL
ZT等の電気光学効果等を有する一軸性の結晶を用いる
ことも可能であり、また、KTiPO4等の二軸性の光
学結晶等も含め屈折率異方性を有する媒体を用いること
により効果を発揮することも可能である。
【0079】
【発明の効果】以上に示したように、本発明は画像表示
装置または光情報処理装置等に使用される屈折率異方性
を有する光学媒体を用いた回折光学素子の製造方法に関
するものである。屈折率異方性を有する光学媒体を用い
ることで特定の偏波成分に対しは透過し、これと直交す
る偏波成分に対しては回折といった偏光方向による偏光
分離機能を有しており、ここで説明した回折光学素子の
製造方法によりこの機能を制御することが可能である。
【0080】さらに信頼性が高く安価に回折光学素子を
提供可能な製造方法でもあり大きな価値を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回折光学素子の製造方法の作成過程の
一例を示す図
【図2】回折光学素子の内部構成の一例を示す図
【図3】本発明の回折光学素子の評価結果の一例を示す
【図4】本発明の回折光学素子を用いて構成した偏光変
換素子の一例の図
【図5】本発明の回折光学素子を用いて構成した他の偏
光変換素子の一例の図
【図6】本発明の回折光学素子の製造方法の作成過程の
一例を示す図
【図7】本発明の回折光学素子の製造方法の作成過程の
一例を示す図
【図8】偏光変換素子の従来例を示す図
【符号の説明】
101 ガラス基板 102 回折光学素子 401 インテグレータ 402,403 回折光学素子 404 位相板 405 光源 501〜504 回折光学素子 505,506 位相板 601 フォトマスク 701 位相板 801 レンズ板 802 プリズム 803 位相板 804 S波 805 P波
フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 AA02 AA25 AA34 AA43 BA05 BA07 BA42 BA45 BB03 BB42 BC22 2H088 EA47 MA20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明絶縁性基板で挟まれた領域に液晶と高
    分子を含む光学媒体が封入された構造を有する回折光学
    素子において、前記光学媒体上にレーザ光の2光束干渉
    により形成された周期的な強度分布に対応する明部と暗
    部からなる干渉縞を光照射することで、干渉縞の明部に
    属する領域の高分子が初期に硬化し始め、偏波成分に依
    存しない周期構造を形成する工程と前記硬化した高分子
    層から分離された液晶分子が一様に配向する工程を含む
    回折光学素子の製造方法において、前記光照射中の絶縁
    性基板温度を光学媒体に含まれる液晶のネマティックか
    らアイソトロピックへの転移温度(以下N-I点温度と略
    記する)の概ね1/2からN−I点より概ね10℃低い
    温度範囲に保持することで前記液晶の配向方向が高分子
    層に対し概ね一様に傾斜して配向する機能を有すること
    を特徴とする回折光学素子の製造方法。
  2. 【請求項2】ラビングによる配向処理が施された高分子
    からなる薄膜を形成した透明絶縁性基板で挟まれた領域
    に液晶と高分子を含む光学媒体が封入された構造を有す
    る回折光学素子において、前記光学媒体上にレーザ光の
    2光束干渉により形成された周期的な強度分布に対応す
    る明部と暗部からなる干渉縞を光照射することで、干渉
    縞の明部に属する領域の高分子が初期に硬化し始め、偏
    波成分に依存しない周期構造を形成する工程と前記硬化
    した高分子層から分離された液晶分子が一様に配向する
    工程を含む回折光学素子の製造方法において、前記液晶
    分子の配向方向が前記高分子薄膜に施されたラビング処
    理方向と概ね一致することを特徴とする回折光学素子の
    製造方法。
  3. 【請求項3】透明絶縁性基板で挟まれた領域に液晶と高
    分子を含む光学媒体が封入された構造を有する回折光学
    素子において、前記光学媒体上に概ね1mm〜数十mm
    の荒い周期構造を有する光パターンと概ね1μm〜10
    μmの微細な周期構造を有する光パターンを順次照射す
    ることで前記光学媒体中に光硬化作用を生ぜしめ、前記
    2つのパターンに対応する周期構造を形成することを特
    徴とする回折光学素子の製造方法。
  4. 【請求項4】透明絶縁性基板で挟まれた領域に液晶と高
    分子を含む光学媒体が封入された構造を有する回折光学
    素子において、前記光学媒体上にレーザ光の2光束干渉
    により形成された周期的な強度分布に対応する明部と暗
    部からなる干渉縞を光照射することで、干渉縞の明部に
    属する領域の高分子が初期に硬化し始め、偏波成分に依
    存しない周期構造を形成する工程と前記硬化した高分子
    層から分離された液晶分子が一様に配向する工程を含む
    回折光学素子の製造方法において、光照射側と反対側の
    絶縁性基板上に光の偏波面を回転する機能を有する位相
    板を周期的に形成していることを特徴とする回折光学素
    子の製造方法。
  5. 【請求項5】前記位相板の周期長が概ね数十mm以下で
    あることを特徴とする請求項4に記載の回折光学素子の
    製造方法。
  6. 【請求項6】前記回折光学素子は屈折率異方性を有する
    液晶を用いて周期構造が形成されており、入射光の1方
    向の偏波成分(P波もしくはS波)に対し前記周期構造
    に対応した屈折率分布を生じ、この屈折率差により光の
    回折を生じ且つ前記入射光に対し概ね直交する成分(S
    波もしくはP波)に対しては優先的に直進する機能を有
    していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の回折光学素子の製造方法。
  7. 【請求項7】前記回折光学素子の周期構造が屈折率異方
    性を有する液晶の光軸の傾斜により形成されていること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の回折光学
    素子の製造方法。
  8. 【請求項8】前記光学媒体は光重合開始剤及びレーザ光
    の波長を吸収するための色素を含むことを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の回折光学素子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】前記回折光学素子が一様に配列された液晶
    を含んで構成され、且つ光重合性モノマーまたは光架橋
    可能液晶ポリマーが添加され、紫外領域の光照射に対
    し、液晶の分子軸の方向が固定化されることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の回折光学素子の製造
    方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜4のいずれかの工程を2つ以
    上組み合わせて回折光学素子を形成することを特徴とす
    る回折光学素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005293815A (ja) * 2004-03-10 2005-10-20 Ricoh Co Ltd 光ピックアップ装置・回折光学素子および回折光学素子の作製方法
JP2006133603A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Ricoh Co Ltd 偏光分離素子及びその製造方法、並びに光ヘッド装置及び光ディスクドライブ装置

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