JP2000221430A - 投影表示装置 - Google Patents

投影表示装置

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JP2000221430A
JP2000221430A JP11023158A JP2315899A JP2000221430A JP 2000221430 A JP2000221430 A JP 2000221430A JP 11023158 A JP11023158 A JP 11023158A JP 2315899 A JP2315899 A JP 2315899A JP 2000221430 A JP2000221430 A JP 2000221430A
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JP
Japan
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scanning
light
screen
projection display
laser beam
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JP11023158A
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English (en)
Inventor
Koji Ito
孝治 伊藤
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周囲が明るい状況でも、背景を暗くして高い
コントラストで画像を表示できる投影表示装置を提供す
ること。 【解決手段】 投影表示装置1は、レーザスキャナ部1
0と、制御部40と、画像入力部47と、散乱板駆動回
路45と、マイクロシャッターアレイ30及び光吸収体
52を備えたスクリーン50とから構成される。レーザ
スキャナ部10は、画像データに基づいて変調されたレ
ーザブームLBをスクリーン50に走査投影する。この
とき、レーザビームLBの当たった部分のシャッター3
7のみを反射位置にして、それ以外のシャッター37は
透過位置にする。投影されるシャッター37以外のシャ
ッターを透過位置にすることで、外部からの入射光は、
光吸収体52に吸収されて黒レベルの低い締まった背景
でレーザビームLBのみの画像を鮮やかに表示できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光線により走査す
ることによりスクリーンに画像を表示する投影表示装置
に関し、詳しくは画面のコントラストを高める技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光等による投影表示装置では、表
示用にスクリーンを必要とする。この表示用のスクリー
ンは、視野角の広い明るい映像を見ることができるよう
に、投射された光線を効率よく反射する無指向性の白色
散乱板等のスクリーン等を用いていた。このようなスク
リーンを用いることで投影表示装置から投射した光線を
無駄なく且つ広い角度に反射させ、明るく視野角の広い
画面を形成することができた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、周囲が
明るい場合、周囲の光もスクリーンの散乱板に差込んで
反射するため、反射した光によりスクリーンが白く光っ
てしまい、画像を表示する背景が白くなってしまう。そ
のためいくらレーザ光線のようなパワー密度の高い強い
光線で画像を投射しても、背景が白っぽくなってしまう
ためコントラストを上げることができず、視認性や色彩
の再現性が悪くなるという問題があった。
【0004】この発明は上記課題を解決するものであ
り、周囲が明るい状況でも、背景を暗くして高いコント
ラストで画像を表示できる投影表示装置を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に係る発明の投影表示装置では、走査用の
光線を発光させる発光手段と、前記発光手段により発光
される光量を画像データに基づき制御して変調する発光
制御手段と、前記発光手段で発光した光線を走査して投
射する走査手段と、その表面に走査光を反射させる反射
面を有し、走査光を透過させる透過位置と走査光を反射
させる反射位置とに走査に同期して変位可能な可動部材
と、複数の前記可動部材により構成され前記走査手段に
より投射された光線を受けて画像を表示するスクリーン
と、スクリーンを透過した光線を吸収する光吸収体とを
備えたことを特徴とする。
【0006】この構成に係る投影表示装置では、スクリ
ーンが走査光により走査される場合のみ、可動部材を反
射位置にして走査光を反射させ、走査光を受けていない
部分は可動部材を透過位置にしておくことができる。そ
のため、走査光を受けていない部分に差し込んだ光をス
クリーン背面に配置された光吸収体にスクリーンを透過
させて光を吸収させ、走査光が当たっている部分以外で
はスクリーンに差し込んだ周囲からの光を反射させない
ようにすることができる。従って、走査光が当たってい
る部分以外の背景部分の黒レベルを低くでき、走査光の
当たっている部分に表示される画像のみが認識されるた
め、周囲が明るい状態でも、背景となる黒レベルが低く
きわめてコントラストの高い画像を表示することがで
き、視認性、色再現のよい画像を表示できる。
【0007】また、請求項2に係る発明の投影表示装置
では、請求項1に記載の投影表示装置の構成に加え、前
記スクリーンは、前記可動部材が、画素に対応して配設
された、静電駆動の機械的マイクロシャッターアレイか
ら構成されていることを特徴とする。
【0008】この構成に係る投影表示装置では、走査光
を反射させるための可動部材をマイクロシャッターアレ
イのシャッターで構成したことで、走査光を反射する部
分を極めて小さな面積とし、走査光の当たらない部分の
可動部材を透過位置にすることで、不要な光の反射を少
なくすることができる。従って、差し込んだ周囲の光の
反射を少なくすることでよりコントラストを高め、より
視認性、色再現のよい画像を表示できる。
【0009】また、可動部材の質量を小さなものとする
ことができるため、省エネルギー・低騒音・低振動とす
ることができる。また、駆動速度も比較的容易に高める
ことができるため、ちらつきのない動画の表示も可能で
ある。
【0010】請求項3に係る発明の投影表示装置では、
請求項1に記載の投影表示装置の構成に加え、前記スク
リーンは、前記可動部材が、画素に対応して配設され
た、電磁駆動の揺動式の機械的シャッターから構成され
ていることを特徴とする。
【0011】この構成に係る投影表示装置では、簡易で
低コストの装置で、可動部材を駆動させることができ
る。
【0012】請求項4に係る発明の投影表示装置では、
請求項1に記載の投影表示装置の構成に加え、前記スク
リーンは、前記可動部材が、画素に対応して配設された
モータにより駆動される回転式シャッターからなる可動
部材から構成されていることを特徴とする。
【0013】この構成に係る投影表示装置では、可動部
材を回転運動により駆動させるため騒音が少なく簡易で
低コストの装置で、可動部材を駆動させることができ
る。
【0014】請求項5に係る発明の投影表示装置では、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の投影表示装置
の構成に加え、前記可動部材は、その大きさが1画素に
対応した大きさであるをこと特徴とする。
【0015】この構成に係る投影表示装置では、可動部
材が必要最小限の面積である1画素に対応しているた
め、走査光の当たる画素以外の可動部材を透過位置にで
き、透過位置にできる可動部材の面積を最大限に大きく
できるので、不要な光の反射を少なくすることができ
る。従って、差し込んだ周囲の光の反射を少なくするこ
とでよりコントラストを高め、より視認性、色再現のよ
い画像を表示できる。
【0016】請求項6に係る発明の投影表示装置では、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の投影表示装置
の構成に加え、前記可動部材は、その大きさが1又は複
数回の主走査により表示される画面の画素に対応した大
きさであることを特徴とする。
【0017】この構成に係る投影表示装置では、可動部
材を1回の主走査あるいは複数回の主走査分の画素に対
応した大きさで可動部材が形成されているため、画素ご
とに可動部材を駆動する場合等に比べて、可動部材を動
かす回数が少なくなり、低騒音・低振動のスクリーンと
することができる。
【0018】請求項7に係る発明の投影表示装置では、
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の投影表示装置
の構成に加え、前記発光手段は、レーザ発振器を備えた
ことを特徴とする。
【0019】この構成に係る投影表示装置では、発光手
段にレーザ発振器を用いることで、パワー密度の高い光
線で画像を表示できるため、可動部材により背景の黒レ
ベルが低くなったのと相俟って、コントラストを高め、
より視認性、色再現のよい画像を表示できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る投影表示装置
を好ましい1の実施の形態により、添付図面を参照して
説明する。ここで図1は、本発明に係る第1の実施の形
態である投影表示装置1の主要構成を図示した模式図で
ある。まず、図1を参照しながら投影表示装置1の構成
の概略について説明する。
【0021】投影表示装置1は、本体2とスクリーン5
0Aとから構成される。本体2は、レーザスキャナー部
10と、制御部40と、画像入力部47と、散乱板駆動
回路45とを備えて構成される。また、スクリーン50
Aは、マイクロシャッターアレイ30と、光吸収体52
と、これを支持する支持体56からなり、マイクロシャ
ッターアレイ30が本発明のスクリーンに相当する。
【0022】ここで、図2は、投影表示装置1の本体2
の構成を示した模式図である。以下、図2に沿って本体
2を説明する。
【0023】図2に示すように、制御部40は、CPU
41とROM42とRAM43とインタフェイス44と
がバスにより接続されて構成される周知のコンピュータ
から構成されている。CPU41はプログラムに基づい
て各種の演算や命令を行い、ROM42は、読み出し専
用の不揮発性メモリからなり、投影表示装置1全体を制
御する為のプログラムが格納されており、このプログラ
ムは、入力処理・データ展開を行ってデータ展開された
データによりレーザ発振器13(図3参照)に変調信号
を送って画像データに基づいて変調しながら投射させ、
散乱板駆動回路45によりスクリーン50Aのマイクロ
シャッターアレイ30を駆動しながらスクリーン50A
の画面を2次元走査してスクリーン50A上に画像を表
示する一連の処理の他、図示しない電源部や他のハード
ウエアの制御を行うプログラムである。RAM43は、
読み書き自由な揮発性メモリからなり各種の一時的なバ
ッファ、カウンタ、フラグ他のレジスタ情報等を記憶す
る記憶手段である。
【0024】画像入力部47は、インタフェイス48と
画像処理部49から構成される。入力データとしては、
一般のRGBビデオ信号がインタフェイス48を介して
入力される。尚、入力信号はこれに限らず各種の方式の
信号を入力するものが考えられる。また、画像処理部4
9は、入力された画像データをそのまま、あるいは必要
に応じて投影すべき画像データに変換して記憶しておく
バッファを備えた処理部であり、これを展開する展開場
所でもある記憶手段を有するが、制御部40のRAM4
3で記憶されてもよい。
【0025】レーザスキャナ部10は、走査手段に相当
し、スキャナ11及びスキャナ制御部12から構成され
る。スキャナ制御部12は、発光制御手段であるレーザ
発振器制御部15と、ポリゴンミラー制御部16とから
構成されている。レーザ発振器制御部15は、制御部4
0から送出された微弱な信号に基づいて、駆動信号を発
生させてレーザ発振器13(図3参照)に送出する駆動
回路である。また、ポリゴンミラー制御部16は、制御
部40からの微弱な制御信号に基づいて駆動信号を発生
させて、主走査ポリゴンミラー17及び副走査のポリゴ
ンミラー18を回転させるモータに送出する駆動回路で
ある。
【0026】ここで、図3は投影表示装置1のレーザビ
ームLBを走査する構成を表した模式図である。以下、
図3によりレーザスキャナ部10他によりレーザビーム
LBを走査する構成と、その作用を説明する。
【0027】まず、レーザ発振器13は、加法混色の3
原色である赤色レーザ発振器13R、緑色レーザ発振器
13G、青色レーザ発振器13Bから構成され、赤色光
を発光する赤色レーザ発振器13Rには、He−Neレ
ーザが、緑色光を発光する緑色レーザ発振器13Gに
は、Arレーザが、青色光を発光する青色レーザ発振器
13Bには、He−Cdレーザが好適に用いられる。ま
た、これらの3つのレーザ発振器13からそれぞれ発光
されるレーザビームLBR,LBG,LBBは第1レー
ザビーム合成器14A及び第2レーザビーム合成器14
B(以下レーザビーム合成器14という)により1つの
光軸をもつレーザビームLBに合成される。まず赤色レ
ーザ発振器13Rと緑色レーザ発振器13Gが第1レー
ザビーム合成器14Aにより合成される。第1レーザビ
ーム合成器14Aは、特定の波長の光線を選択的に反射
又は透過させるダイクロイックミラー(半透明反射板)
から構成されており、赤色レーザ発振器13Rから照射
されたレーザビームLBRは透過させるが、緑色レーザ
発振器13Gから照射された緑色レーザビームLBGは
出力光の波長の違いにより反射させる材質から構成され
る。そのため第1レーザビーム合成器14Aに、直交し
て配設された赤色レーザ発振器13Rと緑色レーザ発振
器Gからそれぞれ射出された赤色レーザビームLBR及
び緑色レーザビームLBGは、赤色レーザビームLBR
がダイクロイックミラーを透過して直進し、緑色レーザ
ビームLBGがダイクロイックミラーにより反射してそ
の光軸が直角に偏向されるため、両者の光軸は同一方向
に揃えられ、同一の光軸をもつように調整される。同様
に、赤色レーザビームLBRと緑色レーザビームLBG
が合成されたものに第2のレーザビーム合成器により、
さらに青色レーザ発振器13Bにより発光された青色レ
ーザビームLBBが合成され、本来の入力された色彩を
再現できる。尚、これら3本のレーザビームLBR,L
BG,LBBの合成は波長による屈折率の差を利用して
プリズムにより光束を合成するような構成のものであっ
ても良く、3つの光束を1つにまとめられるものであれ
ばよい。
【0028】レーザ発振器13により射出され、レーザ
ビーム合成器14により1つの光束にまとめられたレー
ザビームLBは、高速で回転する主走査ポリゴンミラー
(回転多面鏡)17に投射される。主走査ポリゴンミラ
ー17は、図3に示すように底面に対して高さの低い正
六角柱形状で、側面に6つの平面鏡を備える。回転軸が
水平且つ、レーザビームLBに対して垂直な線を上方に
平行移動した位置に配置されているため、レーザビーム
LBは、この回転軸を中心に回転する6つの平面鏡によ
り下方に反射され、その光軸の向きは主走査ポリゴンミ
ラー17の回転により反射前のレーザビームLBの光軸
との内角を大きくするように変化する。
【0029】このとき、主走査ポリゴンミラー17に反
射されたレーザビームLBは、所定角度の範囲外には投
射されないように、図2の示すスキャナ制御部12に備
えられたレーザ発振器制御部15とポリゴンミラー制御
部16により制御される。又、このレーザ発振器制御部
15とポリゴンミラー制御部16による制御を調和させ
るため、主走査ポリゴンミラー17により反射されたレ
ーザビームLBの光軸が、主走査開始の位置のレーザビ
ームLBの光束が通過する位置の近傍に、主走査ビーム
センサ19を設けて、レーザビームLBの実際の位置を
検出し、主走査ポリゴンミラー17の回転にレーザ発振
器13の発光のタイミングを合わせている。ここで、主
走査ビームセンサ19が受光した光は、信号として制御
部40に送られるが、この信号を以下主走査SOS(S
tart Of Scanning)信号と呼ぶ。この
主走査SOS信号を検知した制御部40は、この信号に
基づいて、主走査ポリゴンミラー17の回転速度に基づ
いて演算された走査開始位置に基づいてレーザ発振器制
御部15に、画像データに基づいて変調されたレーザ発
光の為の制御信号を送出する。このようにして一行分の
画像データに基づいて変調された信号が、レーザ発振器
13の駆動回路であるレーザ発振器制御部15によりレ
ーザ発振器13に駆動信号が送出され、レーザ発振器1
3により発光されたレーザビームLBは、主走査ポリゴ
ンミラー17で反射され、副走査ポリゴンミラー18に
反射されてスクリーン50Aの図3のX方向に走査さ
れ、スクリーン上に一行分の画像が投影される。
【0030】主走査ポリゴンミラー17に反射されて偏
向したレーザビームLBは、上述のように図3において
その下方に位置する副走査ポリゴンミラー18に向かっ
て反射される。この副走査ポリゴンミラー18は6枚の
平面鏡を側面に有し、底面に対して高さの大きい細長の
正六角柱の形状で、その回転軸は水平で、スクリーン5
0Aと平行に、且つ主走査ポリゴンミラー17よりスク
リーン50Aに対して反対方向に若干変位された位置に
配置され、主走査ポリゴンミラー17により偏向される
方向と同じ方向に平面鏡の長手方向が配置される。そし
て、この副走査ポリゴンミラー18は上端がスクリーン
50Aに近づく方向に回転する。そのため主走査ポリゴ
ンミラー17から反射されてきたレーザビームLBは、
さらにスクリーン50Aの方向に偏向されて、時間の経
過とともに、偏向される内角が大きくなるように、即ち
スクリーン50Aの上方から下方にレーザビームLBが
移動する方向に方向が変化する。
【0031】以上のように、水平の主走査を行いながら
垂直方向に副走査を行う。これはCRTの水平走査及び
垂直走査と同様の走査である。このようにしてX方向に
640画素、Y方向に480画素がマトリクス状配置さ
れた画面を走査を行うと1画面が表示されるが、副走査
ポリゴンミラー18は一定の速度で回転するので、主走
査においては制御部40で適当な間隔をおいて制御信号
を送出する。そうすれば、回転する副走査ポリゴンミラ
ー18の次の鏡面で次の画面の副走査を行うことができ
る。この副走査は電流により角度を制御するガルバノメ
ータ(揺動一面鏡)を用いても可能であるが、ガルバノ
メータを用いた場合より、ポリゴンミラーを用いた方が
角速度に変化がないためポリゴンミラーを用いることが
好ましい。
【0032】なお、さらに厳密にいえば、主走査ポリゴ
ンミラー17により主走査の1ライン分を走査する間に
副走査ポリゴンミラー18が回転するので、これを補正
するように本実施の形態では副走査ポリゴンミラー18
の主走査方向側がやや下がった方向に傾けてセットされ
ている。
【0033】ここで、本実施の形態の投影表示装置1で
は、本体2に対して、スクリーン50Aの相対的な位置
が固定されておらず、本体2の投影するレーザビームL
Bと、スクリーン50A上のマイクロシャッターアレイ
30の位置を合わせなければ、マイクロシャッターアレ
イ30の動きと、レーザビームLBの投影される位置と
同期させることができない。そのため、鉛直方向及び水
平方向の走査の開始位置Sを検出するために、本来のス
クリーン上での走査開始位置Sの僅かに上方よりレーザ
発振器13を点灯し、無変調でレーザビームLBを射出
して主走査及び副走査を開始する。そして、スクリーン
50A上の(X,Y)=(1,1)の座標の走査開始位
置Sの近傍に配置された副走査ビームセンサ20にレー
ザビームLBが入射されると、副走査ビームセンサ20
から副走査SOS信号が制御部40に送出され、制御部
40では、予め位置が分かっている副走査ビームセンサ
20に位置を基準として、この信号から実際の走査開始
位置Sである座標(X,Y)=(1,1)までの時間を
演算し、演算により算出された所定時間後にレーザスキ
ャナ部10のスキャナ制御部12に画像情報に基づいた
制御信号が送出され、スキャナ制御部12はレーザ発振
器13に変調された駆動信号を送出して、画像を表示す
るための主走査及び副走査が開始される。
【0034】なお、この副走査SOS信号を受信した制
御部40は、レーザビームLBが座標(X,Y)=
(1,1)の点Sから走査を始めるタイミングと同期さ
せて、同時に、散乱板駆動回路45に制御信号を送っ
て、マイクロシャッターアレイ30の座標(X,Y)=
(1,1)の点Sに対応する散乱板であるシャッター3
7をレーザビームLBの光軸と略垂直になる位置である
反射位置に変位させてレーザビームLBを反射させ、レ
ーザビームLBが次の座標(X,Y)=(2,1)を走
査するときは、同じ座標のシャッター37を反射位置に
変位させる。このようにして、レーザビームLBで走査
する座標のシャッター37を反射位置に変位させる。
【0035】さらに、図3に示すように、画面の右下の
座標(X,Y)=(640,480)の点Eの近傍に配
置された補助副走査ビームセンサ21によりレーザビー
ムLBを受光し、補助副走査ビームセンサ21は、補助
副走査SOS信号を制御部40に送出する。そして、制
御部40は、この補助副走査SOS信号と先に受信した
副走査SOS信号とに基づいて、画面の走査の始点と終
点を認識し、投影すべき画面の拡大率を演算する。そし
て、デフォルト値あるいは任意に設定している投影拡大
率等の画面の設定値を、この点Sを始点にし、点Eを終
点にするように演算して、再設定する。このような操作
によりレーザビームLBの走査位置とマイクロシャッタ
ーアレイ30に配列されたシャッター37との位置関係
を一致させることができる。なお、さらに望ましくは、
図示しない第3あるいは第4の副走査ビームセンサによ
り、レーザビームLBをさらに受光してその結果を加え
て演算し、その位置や拡大率を補正すれば、画面の傾き
等を補正した精度の高い補正をしてレーザビームLBの
走査位置とシャッター37の位置合わせをすることがで
きる。
【0036】ここで、スクリーン50Aについて詳説す
る。図1に示すように、本体2のレーザスキャナ部10
から射出されたレーザビームLBは、スクリーン50A
に投射される。スクリーン50Aは、マイクロシャッタ
ーアレイ30と、光吸収体52を備えて構成される。マ
イクロシャッターアレイ30は、上述のように、レーザ
ビームLBの走査位置に合わせて、本発明の可動部材に
相当する散乱板であるシャッター37を閉じて、レーザ
ビームLBを反射させて画像を表示する。
【0037】まず、このスクリーン50Aに用いられて
いるマイクロシャッターアレイ30の説明をする。ここ
で、図4は、投影表示装置1のマイクロシャッターアレ
イ30の動作原理を示す模式断面図である。また図5
は、投影表示装置1のマイクロシャッターアレイ30の
一部を斜視した模式図である。
【0038】本願においてマイクロシャッターとは、任
意に開閉自由な微細な機械式シャッターをアレイ状に複
数配列したものをいう。例えば、微小機械式シャッター
アレイの技術として、特表昭61−503056号公報
に記載の「静電作動2進シャタ装置のアレイ」が知られ
ている。この発明は、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)薄膜が、静電駆動により基板に垂直に立ち上がる
ことにより光の透過が可能になるという機械式シャッタ
ーである。以下、この従来例の構造を図4及び図5を参
照して説明する。
【0039】図5に示すように、上下のガラス基板31
には、XYのお互いに直交する方向に導電性の透明X方
向の電極34,35とY方向の電極32とが内側の表面
上に設けられている。図4には、上側のガラス30にY
方向の電極32が設けられており、他方、下側のガラス
31には、Y電極32に直交するX方向に電極33,3
4,35が設けられている構造が示されている。ここで
PET膜36は、X電極33,34,35の上に配置さ
れている。今、Y電極32とX電極の1つ34との間に
静電界が印加されたとき、PET膜36の誘電率が周囲
の空気よりも大きいために、静電界の向きに配向しよう
とする力がPET膜36に働く。この結果、PET膜3
6は、図4に示すようにガラス基板31に垂直な方向に
立ち上がることになる。上側のガラス基板31の上面よ
り照射する光があるとき、PET膜36が立ち上がった
領域だけが透過孔38が形成され光を透過するため、
(X,Y)の特定の位置に光が透過する領域と透過しな
い領域の2つの状態を設定することができる。この性質
は、表示デバイスとして役立つものである。
【0040】投影表示装置1においては、このマイクロ
シャッターを、シャッターとしてではなく、微細な投影
用の散乱板として用いている。すなわち、図4、図5に
示すようにシャッター37を閉じた部分にレーザビーム
LBを当てる。このシャッター37は、不透明な白色に
着色されたPET等の樹脂により製作され、表面を化学
エッチングを施した微細な凹凸を形成されることによ
り、微細な反射型の散乱板として機能する。従って、シ
ャッター37が閉じた状態では、照射されたレーザビー
ムLBを拡散して反射し、無指向性の反射板としてスク
リーン50Aにおいて観察者に対して画像として認識さ
せる。
【0041】一方、シャッター37を開放した状態で
は、透過孔38から周囲から差し込む光を透過させ、図
1に示すようにマイクロシャッターアレイ30の背面に
配設された光吸収体52にこの光を当てる。この光吸収
体52は、反射率がきわめて低い、例えば表面に植毛し
た黒色の繊維などにより形成され、光吸収体52に当た
った光は、この光吸収体52に吸収されるため、観察者
は、スクリーン50Aにおいて画像とは認識されず、黒
い背景の一部としてしか認識されない。なお、光吸収体
52は、反射率の低い材質でさえあればよく、繊維の層
に限らず、単に塗装することにより形成されたようなも
のであってもよい。
【0042】このようにして、形成されたマイクロシャ
ッターアレイ30を備えたスクリーン50Aは、図1に
示すように、レーザビームLBの当たるシャッター37
のみを閉じた状態にし、画像を形成するレーザビームL
Bの光は反射させる。それ以外のシャッター37は開放
して、レーザビームLB以外の周囲から差し込む光を光
吸収体52に吸収させる。このように、シャッター37
を開閉するように制御することで、画像を形成するレー
ザビームLBの反射光のみが観察者に認識され、それ以
外の光は光吸収体52に吸収されるため、観察者は、引
き締まった黒い背景にレーザビームLBにより投射され
た鮮やかな画像観察することになる。
【0043】そして、このレーザビームLBを、図3の
走査開始位置Sから、X方向に主走査するとともに、Y
方向に副走査する。ここでは、投影して表示する画面
は、画素は1行640画素で、480行から構成され
る。尚、これらの画素は、図3のX方向、Y方向をX
軸、Y軸とした座標系を取り、(X,Y)の座標で位置
を示す。前述のマイクロシャッターアレイ30は、横に
640枚、縦に480列のシャッターを備え、この画素
の配列に対応している。従って走査終了位置Eは、座標
が(X,Y)=(640,480)と表される。
【0044】このように画素が配列されたスクリーン5
0Aのマイクロシャッターアレイ30に対してスキャナ
11によりレーザビームLBが走査されると、レーザビ
ームLBが走査する画素に対応したスクリーン50Aの
シャッター37のみが順番に閉じてレーザビームLBを
反射させて画像を表示する。
【0045】なお、以上のようにして、レーザビームL
Bにより、スクリーン50A上に表示された画像は両側
部が糸巻き状の歪みを示したり、上下方向に走査線間の
間隔の不一致を生じる。そのため、制御部40におい
て、中央部の走査のための変調時間を延長するか、上
端、下端部の変調時間を短縮することで、ソフト制御的
に歪み補正をすることが好ましく、或いは、図2に示す
ようなfθレンズ51などを用いて光学的に歪みを補正
することが望ましい。
【0046】本実施の形態では、X方向への主走査線
(水平走査線)480本の主走査を1/30秒の副走査
(垂直走査)の間に行って一画面を表示しており、人間
の残像によりちらつきの少ないスムーズな画面が投影可
能となっている。
【0047】また、このように、画像を反射するシャッ
ター37のみを閉じ、他のシャッター37開放すること
により、観察者の目は、2/480×640=1/15
3600の時間だけ反射位置のシャッターを見ることに
なる。このとき、レーザビームLBの光はすべて反射し
ているので、レーザビームLBが反射される光は減衰す
ることがない。一方、周囲から射し込む光は、光が射し
込んだ時間の1/153600しか反射されないので、
その光量は著しく少なくなることが分かる。その結果、
レーザビームLBの光に対して、周囲から射し込む光の
量の割合が極端に小さくなり、S/N比が向上する。従
って、光の刺激としては、ほとんどレーザビームLBの
光の刺激しか届かず、この観察者に届いたレーザビーム
LBの光は残像として残り、一方シャッター37を開放
して光吸収体52に吸収された周囲から差し込んだ光
は、観察者の目には光の刺激としてはほとんど残らない
ため、観察者は、周囲が明るい状況で、スクリーン50
Aに周囲の光が射し込むようなことがあっても、画像の
ない黒レベルが低い引き締まった背景で、レーザビーム
LBにより表示された鮮やかな動画を観察することがで
きる。
【0048】以上のように構成された投影表示装置1
は、以下のような作用がある。ここで図9は、投影表示
装置1の処理の手順を説明するためのフローチャートで
ある。以下この図9に沿って、第1の実施の形態の投影
表示装置1の作用を説明する。
【0049】処理が開始されると(スタート)、まずシ
ャッター37を図4に示すようにすべて開、つまり開放
して透過位置にする(ステップ1(以下ステップをSと
略記してS1のように表記する。)。この段階では、ス
クリーン50Aは、光吸収体52が観察されるため黒く
見える。次に、主走査ポリゴンミラー17および副走査
ポリゴンミラー18の回転を開始してレーザ発振器13
を点灯してレーザビームLBを射出する(S3)。
【0050】ここで、投影表示のループが開始される
(S5〜S31)。前述のように、投影表示装置1の本
体とスクリーン50Aの相対的位置関係は、ずれる可能
性があるのでレーザビームLBとスクリーン50Aの位
置合わせをする必要がある。そこで副走査SOSを制御
部40が受け取るのを待ち(S7:NO→S7)、副走
査SOSを制御部40が受け取ったら(S7:YE
S)、次に補助副走査SOSを制御部40が受け取るの
を待ち(S9:NO→S9)、補助副走査SOSを制御
部40が受け取ったら(S9:YES)、投影位置及び
投影サイズを制御部40で演算し、レーザビームLBと
スクリーン50Aの位置合わせをするように、レーザ発
振器13の点灯・変調タイミングを変更する(S1
1)。
【0051】このようにレーザビームLBとスクリーン
50Aの位置合わせが終了すると、レーザビームLBに
よる画面の走査の手順のループが実行される(S13〜
S27)。ここでは図3のY方向に第1行目から第48
0行目まであるので、Y=1からY=480までYの増
分を1として処理を繰り返す。まず第1行目の主走査の
処理であるY=1のときの処理から始める(S13)。
前述のS11において修正された走査開始位置Sからレ
ーザビームLBの走査が始まるが、レーザビームLBが
主走査ビームセンサ19に入射するのを待ち(S15:
NO→S15)、レーザビームLBが主走査ビームセン
サ19に入射したら(S15:YES)、座標(X,
Y)=(1,1)から(X,Y)=(640,1)ま
で、X=1からX=640までXの増分を1として、画
素の位置をあわせるため図3のX方向に走査されるレー
ザビームLBの移動の合わせてシャッター37の開閉の
処理を開始する(S17)。まず第1列目の主走査の始
点である座標(X,Y)=(1,1)の散乱板であるシ
ャッター37を閉じて、反射位置にする(S19)。そ
して、次に前に閉じられたシャッター37を開放する
(S21)。但し、このステップにおいては、初回のみ
は(X,Y−1)=(1,−1)は存在しないシャッタ
ーであるので、この処理を行わないものとする。
【0052】このように座標(X,Y)=(1,1)の
閉ざされたシャッター37に、画像信号で変調されたレ
ーザビームLBが投影され、ここに投影されたレーザビ
ームLBを反射させて観察者に画像を表示する(S2
3)。座標(X,Y)=(1,1)へのレーザビームL
Bによる投影が終了したら次の画素の主走査の処理を行
う(S25→S17)。次の画素は、X=1をインクリ
メントしてX=2とし、座標(X,Y)=(2,1)の
シャッター37を閉じ(S19)、すでにレーザビーム
LBを投影した座標(X,Y)=(2,1)のシャッタ
ー37を再び開放する(S21)。そして、閉じた座標
(X,Y)=(2,1)のシャッター37に画像信号で
変調されたレーザビームLBを投影し(S23)、2画
素目の表示の処理を終了し(S25)、3画素目の処理
に移行する。(S17)。このようにして、X=640
になるまでS17からS25までの処理を繰り返し、X
=640になったら、第1行目の主走査の処理のループ
を終了する(S25)。
【0053】このようにY=1として第1行目の主走査
の処理のループが終了したら、(S27)、Y=1をY
=2に1インクリメントして、第2行目の主走査の処理
に移行する(S13)。ここで、2回目の主走査SOS
を待ち(S15:NO→S15)、主走査SOSを制御
部40で検知したら(S15:YES)、第2行目の主
走査の処理のループに移行する(S17〜S25)。こ
こでは上述の第1列目のと同様の処理が行われ(S17
〜S25)、第2行目の主走査が終了する(S27)。
そして、第3行目の主走査を行うため、Y=2を1イン
クリメントしてY=3とし(S13)、第3行目の主走
査の処理が行われる(S13〜S27)。このように主
走査を繰り返してY=480の480行目の主走査の処
理が終了したら、画面すべての走査が完了するので、走
査の手順のループ(S13〜S27)が終了するが、最
後にレーザビームLBを投影したシャッターである座標
(X,Y)=(640,480)のシャッターを閉じ
て、1画面の投影表示のループ(S5〜S31)を終了
する(S31)。この場合、終了スイッチが押されてな
ければ、2度目の投影表示のループの処理が行われる
(S31→S5)。なお、この際、次の画面を表示する
ようにするステップを付加すれば動画を投影表示するこ
とも可能である。このように、終了スイッチが押される
までは、S5〜S31までの処理が1/30秒ごとに繰
り返されて残像により静止画と認識される。終了スイッ
チを押せばすべての処理が終了する(S25→終了)。
【0054】本実施の形態では、以上述べたような構成
及び作用を備えるため、以下のような効果を有する。即
ち、この構成に係る投影表示装置1は、スクリーン50
AがレーザビームLBにより走査される場合のみ、シャ
ッター37を反射位置にして走査光を反射させ、走査光
を受けていない部分はシャッター37を透過位置にして
おくことができる。そのため、レーザビームLBを受け
ていない部分に差し込んだ光をスクリーン50A背面に
配置された光吸収体52に透過光38から透過させた光
を吸収させ、レーザビームLBが当たっている部分以外
ではスクリーン50Aに差し込んだ周囲からの光を反射
させないようにすることができる。従って、レーザビー
ムLBが当たっている部分以外の背景部分の黒レベルを
低くでき、レーザビームLBの当たっている部分に表示
される画像のみが認識されるため、周囲が明るい状態で
も、背景となる黒レベルが低くきわめてコントラストの
高い画像を表示することができ、視認性、色再現のよい
画像を表示できる。
【0055】特に、レーザビームLBを反射させる散乱
板を1画素に対応するように、マイクロシャッターアレ
イ30で構成したことで、レーザビームLBを反射する
部分を小さな面積とし、レーザビームLBの当たらない
部分のシャッター37を透過位置にすることで、不要な
光の反射を少なくすることができる。従って、差し込ん
だ周囲の光の反射を少なくすることでよりコントラスト
を高め、より視認性、色再現のよい画像を表示できる。
【0056】さらに、散乱板を構成する可動部分である
シャッター37の質量を小さなものとすることができる
ため、低騒音・低振動とすることができる。また、駆動
速度も比較的容易に高めることができるため、ちらつき
のない動画の表示も可能である。
【0057】次に、本発明の投影表示装置の第2の実施
の形態を説明する。ここで図6は、第2の実施の形態の
スクリーン50Bを表示面側から見た模式図である。
又、図7は、第2の実施の形態のスクリーン50Bの模
式断面図である。第2の実施の形態は、散乱板として揺
動式の散乱板53を用い、且つ揺動式の散乱板53を画
像を形成する画素1行分に対応させて、レーザビームL
Bが1回の主走査で走査する、1水平走査線に相当する
大きさで形成する。
【0058】図6に示すように、スクリーン50Bは、
X方向に連続した揺動式の散乱板53が配設され、この
揺動式の散乱板53の大きさは、レーザビームLBが1
回で主走査する画素に対応している。
【0059】また、図7に示すように、揺動式の散乱板
53は、スクリーン50B奥側(図7左方)に配置され
た指示軸55により揺動可能に支持され、この支持軸5
5を回転中心として上方に跳ね上がるように構成され
る。そして、図示しない駆動手段により跳ね上げられる
ことで、反射位置になりレーザビームLBを反射可能に
する。尚、この駆動手段は、周知の電磁駆動式のソレノ
イドとリンクしたアーム等により各散乱板が揺動される
ように構成される。これらの駆動手段は、制御部40の
散乱板駆動装置45により駆動・制御されることは第1
の実施の形態と同様である。
【0060】ここで、図10は、第2の実施形態である
投影表示装置の処理の手順を説明するためのフローチャ
ートである。以下、図6及び図7を適宜参照して、この
図10に沿って第2の実施の形態の説明する。
【0061】処理が開始されると(スタート)、まず散
乱板53をすべて開(開放位置)にして透過位置にする
(S101)。この段階では、スクリーン50Bは、光
吸収体52が観察されるため黒く見える。主走査ポリゴ
ンミラー17および副走査ポリゴンミラー18の回転を
開始してレーザ発振器13を点灯してレーザビームLB
を射出する(S103)。
【0062】ここで、投影表示のループが開始される
(S105〜S123)。副走査SOSを制御部40が
受け取るのを待ち(S107:NO→S107)、副走
査SOSを制御部40が受け取ったら(S107:YE
S)レーザビームLBによる画面の走査の手順のループ
が実行される(S109〜S119)。ここでは図6の
Y方向に第1番目から第525番目まで散乱板53があ
るので、N=1からN=525までNの増分を1として
処理を繰り返す。ここでは、まず第1番目の散乱板への
主走査の処理であるN=1のときの処理から始める(S
109)。走査開始位置SからレーザビームLBの走査
が始まるが、レーザビームLBが主走査ビームセンサ1
9(図3参照)に入射するのを待ち(S111:NO→
S111)、レーザビームLBが主走査ビームセンサ1
9に入射したら(S111:YES)、N番目、ここで
は1番目の散乱板を閉じて反射位置にする(S11
3)。次に、N−1番目の散乱板を開放して透過位置に
するが(S115)、ここでは該当する散乱板53がな
いのでここでの処理は無視される。そして、画像信号に
より変調されたレーザビームLBで1行分の走査を終え
たら(S117)、第1番目の散乱板53の主走査のル
ープを終了する(S119)。
【0063】このようにN=1として第1行目の主走査
の処理のループが終了したら、(S119)、N=1を
N=2に1インクリメントして、第2番目の散乱板53
に対する主走査の処理に移行する。ここで、2回目の主
走査SOSを待ち(S111:NO→S111)、主走
査SOSを制御部40で検知したら(S111:YE
S)、第2番目の散乱板53の主走査の処理のループに
移行する(S109〜S119)。ここでは上述の第1
番目の散乱板と同様の処理が行われ(S111〜S11
9)、第2番目の散乱板53の主走査が終了する(S1
19)。なお、2番目の散乱板の処理においては、S1
15において、第1番目の散乱板53の走査の時に開放
した散乱板53を閉じる処理をする。そして、第3番目
の散乱板に対する主走査を行うため、N=2を1インク
リメントしてN=3とし(S109)、第3番目の散乱
板への主走査の処理が行われる(S109〜S11
9)。このように主走査を繰り返してN=525の52
5番目の散乱板53に対する主走査の処理が終了した
ら、画面すべての走査が完了するので、走査の手順のル
ープ(S109〜S119)が終了するが、最後にレー
ザビームLBを投影した525番目の散乱板53は、閉
じたままであるので、この525番目の散乱板53を開
放して(S121)、1度目の投影表示のループ(S1
05〜S123)を終了する(S123)。この場合、
終了スイッチが押されてなければ、2度目の投影表示の
ループの処理が行われる(S123→S105)。この
ように、終了スイッチが押されるまでは、S105〜S
123までの処理が繰り返され、終了スイッチを押せば
すべての処理が終了する(S123→終了)。
【0064】本発明の第2の実施の形態の投影表示装置
では、上記のような構成及び作用を有するため、以下の
ような作用を有する。即ち、スクリーン50Bは、散乱
板53が、1回の主走査で走査できる画素に対応して配
設された電磁駆動の揺動式の機械的シャッターである揺
動式の散乱板53から構成されていることを特徴とする
ため、簡易で低コストの装置で、レーザビームLBを反
射させる散乱板を駆動させことができる。そのため、レ
ーザビームLBを受けていない部分に差し込んだ光をス
クリーン50Bの背面に配置された光吸収体52にスク
リーン50Bを透過させた光を吸収させ、レーザビーム
LBが当たっている部分以外ではスクリーン50Bに差
し込んだ周囲からの光を反射させないようにすることが
できる。従って、レーザビームLBが当たっている部分
以外の背景部分の黒レベルを低くでき、レーザビームL
Bの当たっている部分に表示される画像のみが認識され
るため、周囲が明るい状態でも、背景となる黒レベルが
低くきわめてコントラストの高い画像を表示することが
でき、視認性、色再現のよい画像を表示できる。
【0065】さらに本発明の第3の実施の形態として、
第2の実施の形態の投影表示装置のスクリーン50Bの
揺動式の散乱板53を回転式の散乱板54に変えたスク
リーン50Cに変えたような構成のものでも、本発明を
実施することができる。
【0066】ここで、図8は、第3の実施の形態のスク
リーン50Cの模式断面図である。図8に示すように、
散乱板54は、第2の実施の形態の散乱板53と同様の
大きさの散乱板54から構成されるが、この回転式の散
乱板54は、支持軸55が散乱板54の中央部に設けら
れ、この支持軸55を中心に回転可能に構成されてい
る。この支持軸55は、それぞれ図示しないモータを備
え、このモータにより、レーザスキャナ部10により走
査されるレーザビームLBに同期するように駆動されて
いる。また、1方向への回転のみならず、回動して反射
位置と透過位置に変位するようなものであってもよい。
また、モータは、各支持軸55毎に配設されているよう
なもののほか、1つのモータの駆動力を、カムやプー
リ、ギヤ、ベルト等の動力伝達手段で、各拡散板54に
伝え、順次変位させていくような構成のものであっても
よい。
【0067】上記のように構成された第3の実施の形態
の投影表示装置では、第2の実施の形態の作用と同様の
作用を備え、特に、スクリーン50Cが、散乱板54
が、モータにより駆動される回転式シャッターから構成
されることを特徴とする。
【0068】従って、第3の実施の形態の投影表示装置
では、散乱板54を回転運動により駆動させるため騒音
が少なく簡易で低コストの装置で、可動部材を駆動させ
ることができる。
【0069】以上、実施の形態に基づき本発明を説明し
たが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるもの
ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良
ができることは容易に推察できるものである。
【0070】例えば、光源は、カラーのレーザ発振器に
限定されるものではなく、モノクロームの光源や、他の
方式の光源であっても、走査により画像を形成できるよ
うなものであればよい。
【0071】又、本実施の形態では、1画素単位や1主
走査線の単位で散乱板37,53,54を駆動している
が、複数画素、例えばX方向に2画素、Y方向に2画素
ずつの計4画素を1枚の散乱板に投影したり、或いは複
数の散乱板を同時に駆動してもよく、又、複数主走査線
を1枚の散乱板に投影するように構成してもよい。さら
に、X方向やY方向に適宜マージン分の散乱板を反射位
置にしておき、レーザビームLBが本来の光軸を多少そ
れて投影された場合でも、画像を形成できるようにして
もよく、この場合に反射位置にする散乱板の範囲を、重
なりを持って移動させるように構成することもできる。
【0072】さらに、マイクロシャッターアレイも、本
実施の形態のマイクロシャッターアレイ30に限定され
るものではなく他の構成のものであってもよいことも言
うまでもなく、名称に拘わらず同様の機能を有するもの
であれば本発明の実施が可能である。
【0073】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、請求項1
に係る発明の投影表示装置によれば、走査用の光線を発
光させる発光手段と、発光手段により発光される光量を
画像データに基づき制御して変調する発光制御手段と、
発光手段で発光した光線を走査して投射する走査手段
と、その表面に走査光を反射させる反射面を有し、走査
光を透過させる透過位置と走査光を反射させる反射位置
とに走査に同期して変位可能な可動部材と、複数の可動
部材により構成され、走査手段により投射された光線を
受けて画像を表示するスクリーンと、スクリーンを透過
した光線を吸収する光吸収体とを備えたことを特徴とす
るため、スクリーンが走査光により走査される場合の
み、可動部材を反射位置にして走査光を反射させ、走査
光を受けていない部分は可動部材を透過位置にしておく
ことができるという効果がある。そのため、走査光を受
けていない部分に差し込んだ光をスクリーン背面に配置
された光吸収体にスクリーンを透過させて光を吸収さ
せ、走査光が当たっている部分以外ではスクリーンに差
し込んだ周囲からの光を反射させないようにすることが
できる。従って、走査光が当たっている部分以外の背景
部分の黒レベルを低くでき、走査光の当たっている部分
に表示される画像のみが認識されるため、周囲が明るい
状態でも、背景となる黒レベルが低くきわめてコントラ
ストの高い画像を表示することができ、視認性、色再現
のよい画像を表示できるという効果を奏する。
【0074】また、請求項2に係る発明の投影表示装置
では、請求項1に記載の投影表示装置の効果に加え、前
記スクリーンは、前記可動部材が、画素に対応して配設
された、静電駆動の機械的マイクロシャッターアレイか
ら構成されていることを特徴とするため、走査光を反射
させるための可動部材をマイクロシャッターアレイのシ
ャッターで構成したことで、走査光を反射する部分を極
めて小さな面積とし、走査光の当たらない部分の可動部
材を透過位置にすることで、不要な光の反射を少なくす
ることができるという効果がある。従って、差し込んだ
周囲の光の反射を少なくすることでよりコントラストを
高め、より視認性、色再現のよい画像を表示できるとい
う効果を奏する。
【0075】また、可動部材の質量を小さなものとする
ことができるため、省エネルギー・低騒音・低振動とす
ることができるという効果があり、また、駆動速度も比
較的容易に高めることができるため、ちらつきのない動
画の表示も可能であるという効果を奏する。
【0076】請求項3に係る発明の投影表示装置では、
請求項1に記載の投影表示装置の効果に加え、スクリー
ンの可動部材が、画素に対応して配設された、電磁駆動
の揺動式の機械的シャッターから構成されていることを
特徴とするため、簡易で低コストの装置で、可動部材を
駆動させることができるという効果がある。
【0077】請求項4に係る発明の投影表示装置では、
請求項1に記載の投影表示装置の効果に加え、スクリー
ンの可動部材が、画素に対応して配設された、モータに
より駆動される回転式シャッターからなる可動部材から
構成されていることを特徴とするため、可動部材を回転
運動により駆動させるため騒音が少なく簡易で低コスト
の装置で、可動部材を駆動させることができるという効
果がある。
【0078】請求項5に係る発明の投影表示装置では、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の投影表示装置
の効果に加え、可動部材が必要最小限の面積である1画
素に対応しているため、走査光の当たる画素以外の可動
部材を透過位置にできるため、透過位置にできる可動部
材の面積を最大限に大きくできるので、不要な光の反射
を少なくすることができるという効果がある。従って、
差し込んだ周囲の光の反射を少なくすることでよりコン
トラストを高め、より視認性、色再現のよい画像を表示
できるという効果を奏する。
【0079】請求項6に係る発明の投影表示装置では、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の投影表示装置
の効果に加え、可動部材の大きさが1又は複数回の主走
査により表示される画面の画素に対応した大きさである
ことを特徴とするため、画素ごとに可動部材を駆動する
場合に比べて、可動部材を動かす回数が少なくなり、低
騒音・低振動のスクリーンとすることができるという効
果がある。
【0080】請求項7に係る発明の投影表示装置では、
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の投影表示装置
の効果に加え、発光手段が、レーザ発振器を備えたこと
を特徴とするため、発光手段にレーザ発振器を用いるこ
とで、パワー密度の高い光線で画像を表示でき、可動部
材により背景の黒レベルが低くなったのと相俟って、コ
ントラストを高め、より視認性、色再現のよい画像を表
示できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態である投影表示装置1
の主要構成を図示した模式図である。
【図2】投影表示装置1の本体2の構成を示した模式図
である。
【図3】投影表示装置1のレーザビームLBを走査する
構成を表した模式図である。
【図4】投影表示装置1のマイクロシャッターアレイ3
0の動作原理を示す模式断面図である。
【図5】投影表示装置1のマイクロシャッターアレイ3
0の一部を斜視した模式図である。
【図6】第2の実施の形態のスクリーン50Bを表示面
側から見た模式図である。
【図7】第2の実施の形態のスクリーン50Bの模式断
面図である。
【図8】第3の実施の形態のスクリーン50Cの模式断
面図である。
【図9】投影表示装置1の処理の手順を説明するための
フローチャートである。
【図10】第2の実施形態である投影表示装置の処理の
手順を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 投影表示装置 2 本体 10 レーザスキャナ部 11 スキャナ 12 スキャナ制御部 13R,13G,13B レーザ発振器 14A,14B レーザビーム合成器 15 レーザ発振器制御部(発光制御手段) 16 ポリゴンミラー制御部 17 主操作ポリゴンミラー 18 副走査ポリゴンミラー 19 主操作ビームセンサ 20 副走査ビームセンサ 21 補助副走査ビームセンサ 30 マイクロシャッターアレイ 31 ガラス基板 32 Y方向の電極 33、34,35 X方向の電極 36 PET膜 37 シャッター(散乱板) 38 透過孔 40 制御部 41 CPU 42 ROM 43 RAM 44 インタフェイス 45 散乱板駆動回路 50A,50B,50C スクリーン 51 fθレンズ 52 光吸収体 53、54 散乱板 55 支持軸 S 走査開始位置 E 走査終了位置 LB レーザビーム X 主走査方向 Y 副走査方向

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走査用の光線を発光させる発光手段と、 前記発光手段により発光される光量を画像データに基づ
    き制御して変調する発光制御手段と、 前記発光手段で発光した光線を走査して投射する走査手
    段と、 その表面に走査光を反射させる反射面を有し、走査光を
    透過させる透過位置と走査光を反射させる反射位置とに
    走査に同期して変位可能な可動部材と、 複数の前記可動部材により構成され、前記走査手段によ
    り投射された光線を受けて画像を表示するスクリーン
    と、 スクリーンを透過した光線を吸収する光吸収体とを備え
    たことを特徴とする投影表示装置。
  2. 【請求項2】 前記スクリーンは、 前記可動部材が、画素に対応して配設された、静電駆動
    の機械的マイクロシャッターアレイから構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の投影表示装置。
  3. 【請求項3】 前記スクリーンは、 前記可動部材が、画素に対応して配設された、電磁駆動
    の揺動式の機械的シャッターから構成されていることを
    特徴とする請求項1に記載の投影表示装置。
  4. 【請求項4】 前記スクリーンは、 前記可動部材が、画素に対応して配設された、モータに
    より駆動される回転式シャッターからなる可動部材から
    構成されていることを特徴とする請求項1に記載の投影
    表示装置。
  5. 【請求項5】 前記可動部材は、その大きさが1画素に
    対応した大きさであることを特徴とする請求項1乃至請
    求項4のいずれかに記載の投影表示装置。
  6. 【請求項6】 前記可動部材は、 その大きさが1又は複数回の主走査により表示される画
    面の画素に対応した大きさであることを特徴とする請求
    項1乃至請求項4のいずれかに記載の投影表示装置。
  7. 【請求項7】 前記発光手段は、レーザ発振器を備えた
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記
    載の投影表示装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7768595B2 (en) 2006-05-30 2010-08-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Display device

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