JP2000221354A - 空気クラッド光ファイバの製造方法 - Google Patents

空気クラッド光ファイバの製造方法

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JP2000221354A
JP2000221354A JP11020374A JP2037499A JP2000221354A JP 2000221354 A JP2000221354 A JP 2000221354A JP 11020374 A JP11020374 A JP 11020374A JP 2037499 A JP2037499 A JP 2037499A JP 2000221354 A JP2000221354 A JP 2000221354A
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tube
optical fiber
air
clad optical
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JP11020374A
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Kenji Tsubaki
健治 椿
Masaru Yokoyama
勝 横山
Mikio Sei
三喜男 清
Hiroshi Yokogawa
弘 横川
Kenji Sonoda
健二 園田
Nobuaki Yabunouchi
伸晃 薮ノ内
Tadashi Murakami
忠史 村上
Ryoji Yokoya
良二 横谷
Hiroyuki Sekii
広行 関井
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受光角が大きくより多くの光を伝送すること
ができる空気クラッド光ファイバを、コア材に傷が付い
て光伝送効率が低下するようなことなく製造することが
できるようにする。 【解決手段】 コア材1と、コア材1の外周を覆うチュ
ーブ2と、コア材1とチューブ2の間の空気層3からな
る空気クラッド光ファイバを製造する方法に関する。コ
ア材1を直線状にする工程と、直線状にしたコア材1を
チューブ2内に挿入する工程と、コア材1とチューブ2
を両端部で一体化させる工程から空気クラッド光ファイ
バを製造する。チューブ2内にコア材1を挿入するにあ
たって、直線状にしたコア材1はチューブ2と擦れ合う
ことがなくなり、コア材1の外周面に傷が付くようなこ
とがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気をクラッド材
とする光ファイバの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的な光ファイバのコア材とし
ては、石英系ガラスや多成分系ガラス等のガラス類、メ
チルメタクリレート等のアクリル系やスチロール系のプ
ラスチック類、あるいはテトラクロールエチレン等の透
明な液体類が用いられている。また、クラッド材として
は、コア材よりも屈折率の低いドープドガラス、ポリシ
ロキサンやシリコーンゴム等のケイ素樹脂、フッ化エチ
レンプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有樹脂
などが用いられている。
【0003】ここで、クラッド材の屈折率はコア材の屈
折率よりも低くなるように構成されているが、両者の屈
折率の差の大小によってコア材とクラッド材の境界面に
おける光の全反射角が規定され、光ファイバの開口数や
受光角が決まる。例えば、ガラス系光ファイバにおい
て、コア材にフリント系のF2ガラス(屈折率1.6
2)、クラッド材にソーダライム系ガラス(屈折率1.
52)を用いた場合、開口数は0.56、受光角θは3
4°となる。また、プラスチック光ファイバにおいて
も、コア材にメタクリル樹脂(屈折率1.49)、クラ
ッド材にフッ素樹脂(屈折率1.39)を用いた場合に
は、開口数は0.54、受光角θは32°となる。この
ように、従来のコア材及びクラッド材を用いて光ファイ
バを製造した場合には、受光角θは30〜50°程度で
あり、多くの光を集光して伝送することは困難であっ
た。
【0004】一方、世の中に存在する最も低屈折率で透
明な素材は空気である。従って空気をクラッド材とした
光ファイバが実現できれば、受光角θは90°になり、
理論上、光ファイバに対する端面入射角には制限がなく
なることから、光源の有する光の量を最大限に利用する
ことが可能になる。そこで、空気をクラッド材にした光
ファイバの試みが種々なされているが、実現には困難が
あり、以下のような種々の問題を有するものであった。
【0005】例えば米国特許第3712705号公報で
提供されているものは、断面が円形のチューブ内に断面
が多角形のコア材を配設することによって、チューブと
コア材との間に空気のクラッドを実現しようとしたもの
であるが、多角形のコア材はその角部がチューブの内周
に接触しており、接触面積は小さいものの、接触部分の
密着性が高く、コア材の角部での光の界面透過による外
部への漏光を避けることができず、伝送効率をさほど高
くすることはできないものであった。
【0006】また、米国特許第3901674号公報
や、本発明者らによる特開平9−258053号公報で
は、コア材とチューブとの間に接触面積が極小になるよ
うな支持材を設けることによって、コア材とチューブと
の間に空気層を保持し、空気によるクラッドを実現する
ようにしている。これらのものは優れた光伝送性能を示
すものの、コア材の表面に接触面の小さい支持材が接し
てることから、取り扱いや施工に伴う振動や衝撃によっ
て、支持材との摩擦でコア材表面に傷が発生することが
あり、この場合には傷の部分から伝送光が漏光するおそ
れがあって、経時的に光伝送効率が低下することがある
ものであった。
【0007】そこで、本発明者等は、内径がコア材の外
径よりも大きなチューブを用い、このチューブにコア材
を挿入すると共にチューブとコア材の両端部をかしめ固
定することによって、チューブの内径とコア材の外径の
差によってチューブとコア材との間に空気層が形成され
るようにした空気クラッド光ファイバを開発するに至っ
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、チューブにコ
ア材を挿入して空気クラッド光ファイバを製造するにあ
たって、例えばコア材としてロール状に巻いた状態で提
供されているものを用いる場合、コア材には巻き癖が付
いている。このために、チューブにコア材を挿入する際
に、巻き癖が付いて曲がっているコア材がチューブの内
周に擦れ易く、この擦れ合いでコア材の外周面に傷が付
くおそれがある。そしてこのようにコア材の外周面に傷
が付くと、コア材内を伝送される光がコア材の表面のこ
の傷の部分で拡散され、光が漏れて光伝送効率が低下す
るおそれがあるという問題を有するものであった。
【0009】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、受光角が大きくより多くの光を伝送することがで
きる空気クラッド光ファイバを、コア材に傷が付いて光
伝送効率が低下するようなことなく製造することができ
るようにすることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
空気クラッド光ファイバの製造方法は、コア材1と、コ
ア材1の外周を覆うチューブ2と、コア材1とチューブ
2の間の空気層3からなる空気クラッド光ファイバを製
造するにあたって、コア材1を直線状にする工程と、直
線状にしたコア材1をチューブ2内に挿入する工程と、
コア材1とチューブ2を両端部で一体化させる工程から
なることを特徴とするものである。
【0011】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、上記コア材1を直線状にする工程が、コア材1を加
熱して軟化させる工程と、軟化させたコア材1を直線状
に矯正する工程と、直線状に矯正したコア材1を冷却す
る工程からなることを特徴とするものである。
【0012】また請求項3の発明は、請求項1におい
て、上記コア材1を直線状にする工程が、コア材1を直
線状に押し出し成形することからなることを特徴とする
ものである。
【0013】また請求項4の発明は、請求項1乃至3に
おいて、上記コア材1をチューブ2内に挿入する工程
が、外周に保護材4を設けたコア材1をチューブ2に挿
入する工程と、チューブ2に挿入したコア材1の外周か
ら保護材4を取り除く工程からなることを特徴とするも
のである。
【0014】また請求項5の発明は、請求項4におい
て、上記保護材4がシートであることを特徴とするもの
である。
【0015】また請求項6の発明は、請求項4におい
て、上記保護材4が粉体又は液体であることを特徴とす
るものである。
【0016】また請求項7の発明は、請求項1乃至6に
おいて、上記コア材1をチューブ2内に挿入する工程
が、チューブ2を筒状にサイジングして押し出し成形し
ながらチューブ2にコア材1を被挿することからなるこ
とを特徴とするものである。
【0017】また請求項8の発明は、請求項1乃至7に
おいて、上記コア材1とチューブ2を両端部で一体化さ
せる工程が、チューブ2の外周にスリーブ5をはめ込む
と共にスリーブ5をかしめることによってコア材1にチ
ューブ2を圧締することからなることを特徴とするもの
である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0019】コア材1としては、可撓性を有する透明の
ポリマー、例えばメタクリル樹脂やアクリル樹脂によっ
て長尺に作製したものを用いることができる。この樹脂
の原料となるモノマーの分子構造については特に限定さ
れないが、コア材1を形成する樹脂は曲げ弾性率が10
0kg/mm2以下であることが好ましい。コア材1の
曲げ弾性率が100kg/mm2を超えるものである
と、太さが直径1mm程度以下のコア材1で光ファイバ
を形成する場合には容易に曲げることができるが、明か
りとしての光伝送において用いられる直径数mm以上の
コア材1を用いた光ファイバの場合には容易に曲げるこ
とができなくなり、無理に曲げようとすると折れてしま
うおそれがある。曲げ弾性率の下限は特に設定されない
が、コア材1の曲げ弾性率が0.5kg/mm2未満に
なると、自重による変形が無視することができなくな
り、後述のようにチューブ2内にコア材1を挿着して光
ファイバを作製するにあたって、チューブ2内に非接触
状態でコア材1を保持することが困難になるので、これ
が実用上の下限である。
【0020】またコア材1は断面形状が多角形のように
角部を有する形状に形成するのではなく、滑らかな曲面
の外周面を有するように断面円形(真円)あるいは断面
楕円形に形成するのが好ましい。コア材1の断面形状に
角部があると、そのエッジで漏光が生じ、光伝送効率が
低下するものである。またコア材1の外周形状による漏
光をより抑制するために、コア材1の外周表面の平均粗
さRaが0.05μm以下であることが好ましい。コア
材1の外周の表面平均粗さRaが0.05μmを超える
と、コア材1の外周界面で乱反射が起こって漏光し、光
伝送効率の低下に微妙に影響を及ぼすおそれがある。コ
ア材1の外周の表面平均粗さRaは勿論小さい程好まし
く、理想的には表面平均粗さRaは0がよい。
【0021】一方、チューブ2としては、コア1の曲げ
可能な範囲において、極端な皺や折れが発生することな
くコア1に追随して曲がる程度の弾性を有した樹脂で作
製したものが用いられるものであり、コア1よりも光の
屈折率が小さいものを用いるのが好ましい。この樹脂と
して具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、シリコ
ーンゴム、フッ素系樹脂などを挙げることができるが、
なかでも、屈折率がより低いこと、取り扱いにおける応
力による変形が少ないこと、さらに内周表面の平滑性を
実現する加工が容易なことなどの点で、フッ素系樹脂が
好ましい。このチューブ2は内径がコア1の外径よりも
0.4mm以上,4.0mm以下の範囲で大きく形成す
るのが好ましく、チューブ2の内周断面形状はコア1の
外周断面形状と同形状に形成するのが好ましい。
【0022】上記のコア材1の製造方法については特に
制限されるものではないが、所望の内面形状、内面平滑
度を有するフッ素樹脂系成形用チューブ8内にモノマー
を注型し、加熱あるいは紫外線照射などで重合させて高
分子化することによって製造する方法が一般的である。
このように、コア材1は成形用チューブ8内に成形し
て、成形用チューブ8付きの状態で入手することができ
る。
【0023】そして上記のような成形用チューブ8付き
のコア材1を用いて空気クラッド光ファイバを製造する
にあたって、成形用チューブ8付きのコア材1はロール
状に巻いた状態で供給されており、コア材1には巻き癖
が付いて曲線状になっている。この巻き癖が付いて曲線
状になっているコア材1をチューブ2に挿入する場合、
コア材1のうねりがチューブ2の内径より大きいとチュ
ーブ2の内周にコア材1が接触して擦れ合い、コア材1
の表面に傷が付くおそれがある。
【0024】そこで本発明では、まずコア材1を直線状
にする工程で、コア材1を直線状に矯正する。図1はそ
の実施の形態の一例を示すものであり、コア材1を直線
状にする工程は、コア材1を加熱して軟化させる工程
と、軟化させたコア材1を直線状に矯正する工程と、直
線状に矯正したコア材1を冷却する工程からなるもので
ある。すなわち、成形用チューブ8付きのコア材1をそ
の軸方向に送って加熱装置9に通してコア材1及び成形
用チューブ8を加熱し、コア材1及び成形用チューブ8
を軟化させる。次にこの軟化させた成形用チューブ8付
きのコア材1をさらに軸方向に送って、ローラーや、成
形用チューブ8の外径と内径がほぼ等しい直管のパイプ
などで形成される矯正装置10に通し、コア材1及び成
形用チューブ8を直線状に矯正する。このようにコア材
1を直線状に矯正するにあたって、コア材1の外周は成
形用チューブ8が被覆されているので、コア材1が矯正
の際に傷つくことはない。次にコア材1をさらに軸方向
に送って冷却装置7に通し、コア材1を冷やして直線状
に矯正した状態に形状を保持させる。この後、はぎ取り
装置11に通し、直線状に矯正したコア材1の外周から
成形用チューブ8をはぎ取る。成形用チューブ8のはぎ
取りは、成形用チューブ8にその肉厚の1/2以上の深
さにカッター等の刃物で切れ目を軸方向に沿って2カ所
以上入れ、コア材1の表面から成形用チューブ8を剥離
させるようにして行なうことができる。成形用チューブ
8に切れ目をいれるときにコア材1に傷が入らないよう
に注意する必要がある。
【0025】次に、直線状にしたコア材1をチューブ2
内に挿入する工程に進む。図1の右端がこの工程であ
り、チューブ2は直線状にして配置してあり、直線状に
矯正したコア材1の先端にリーディングワイヤー12を
取り付けておき、このリーディングワイヤー12をチュ
ーブ2内に通してコア材1の進行方向に引くことによっ
て、コア材1が撓まない程度のテンションを掛けなが
ら、チューブ2内にコア材1を挿入するようにしてあ
る。このように直線状にしたコア材1をチューブ2内に
挿入することによって、チューブ2の内周にコア材1が
接触して擦れ合うことを防ぐことができ、コア材1の表
面に傷が付くことなくコア材1をチューブ2内に挿入す
ることができるものであり、コア材1の外径とチューブ
2の内径の差によってコア材1とチューブ2の間に空気
層3を形成することができるものである。
【0026】図2はコア材1を直線状にする工程につい
ての他の実施の形態の一例を示すものであり、コア材1
を押出成形装置13で押し出すようにしたものである。
押し出し成形ではコア材1を直線状に押し出して成形を
行なうことができるものであり、この場合には直線状に
押し出し成形したコア材1をそのままチューブ2内に挿
入することが可能である。
【0027】上記の図1や図2のように直線状にしたコ
ア材1をチューブ2内に挿入するにあたって、製造する
光ファイバの長さが長くなると、チューブ2の内周にコ
ア材1が接触し易くなり、また接触抵抗によってチュー
ブ2にコア材1を挿入することが困難になる。そこでこ
の場合にはコア材1とチューブ2の接触を避け、抵抗を
小さくするために、コア材1の外周に保護材4を設けた
状態でチューブ2にコア材1を挿入した後に、チューブ
2内のコア材1から保護材4を除去するようにしてあ
る。
【0028】この保護材4としては、シート、粉末、液
体等を用いることができる。保護材4としてシートを用
いる場合、シート4aをコア材1の外周に巻き付けなが
ら図3(a)のようにチューブ2にコア材1を挿入し、
このようにチューブ2にコア材1を挿入した後に、図3
(b)のようにチューブ2内のコア材1からシート4a
を引き抜くことによって、図3(c)のようなコア材1
とチューブ2の間に空気層3を形成した空気クラッド光
ファイバを得ることができるものである。ここでシート
4aの形状は特に限定されないが、コア材1とチューブ
2の間の隙間の厚みより薄いものであることが必要であ
る。また材質も特に限定されないが、コア材1と化学的
に反応せず、且つコア材1やチューブ2に対して粘着性
がなく、コア材1に傷を付けないものが好ましい。具体
的には、軟質ポリエチレンシート、エアーパックシー
ト、フッ素ゴムスポンジシートなどを用いることができ
る。
【0029】一方、保護材4として粉末(あるいは液
体)4bを用いる場合、粉末(あるいは液体)4bをコ
ア材1の外周に付着させながら図4(a)のようにチュ
ーブ2にコア材1を挿入し、このようにして図4(b)
のようにチューブ2にコア材1を挿入した後に、チュー
ブ2内のコア材1から粉末(あるいは液体)4bを取り
除くことによって、図4(c)のようなコア材1とチュ
ーブ2の間に空気層3を形成した空気クラッド光ファイ
バを得ることができるものである。チューブ2内のコア
材1から粉末(あるいは液体)4bを取り除く方法とし
ては、粉末の場合は、例えばコア材1とチューブ2の間
に一方の端部にエアーガン等で加圧空気を吹き付け、他
方の端部から粉末を吹き飛ばすようにして行なう方法が
ある。液体の場合は、例えば加熱して蒸発させることに
よって行なう方法がある。この粉末や液体としては、特
に限定されないが、コア材1と化学的に反応せず、且つ
コア材1やチューブ2に対して粘着性がなく、コア材1
に傷を付けないものが好ましい。具体的には、粉末とし
てエアロゲルやフッ素樹脂粉末等を挙げることができ、
液体として水を挙げることができる。
【0030】図5はコア材1をチューブ2内に挿入する
工程についての他の実施を示すものであり、押出成形機
14でチューブ2を筒状に押し出し成形するにあたっ
て、押し出し成形品をサイジング金型15に通し、冷却
しながらその内径や厚み、外径を所定サイズに一定化す
るサイジングを行なうようにしてある。そしてこのよう
にチューブ2を筒状にサイジングして直線状に押し出し
成形しながらチューブ2内にコア材1を被挿することに
よって、コア材1とチューブ2が接触することなく、チ
ューブ2内にコア材1を挿入することができるものであ
る。ここで、コア材1はチューブ2と同時に押出成形機
14から押し出し成形することによって、チューブ2内
に挿入されるようにしてもく、また既述のように直線状
に矯正したコア材1を押し出し成形機14の前方に配置
しておいて、このコア材1を囲むようにチューブ2を押
し出し成形するようにしても、いずれでもよい。
【0031】上記のようにしてコア材1とチューブ2の
間に空気層3を形成するようにチューブ2にコア材1を
挿入した後、コア材1とチューブ2の両端部をかしめ固
定して、コア材1とチューブ2を一体化させる。図6は
このかしめ固定の一例を示すものであり、筒状のスリー
ブ5を用い、チューブ2の両端部の外周に図6(a)の
ようにそれぞれスリーブ5をはめ込む。そしてクリンパ
ー等のかしめ用工具を用いて、スリーブ5の一部を全周
に亘って内方へかしめ変形させると、このかしめ変形に
よって内方へ突出する突部17によってチューブ2の一
部が全周に亘って内方へ突出するように変形し、この内
方へ突出するチューブ2の突部18がコア材1の外周の
全周に圧接されることによって、コア材1とチューブ2
の両端部を固定することができるものである。これによ
って、コア材1がチューブ2内で移動することを防ぐこ
とができるものであり、またコア材1とチューブ2の間
の空気層3の端部の開口を塞ぐことにもなるので、水な
どの異物が空気層3に浸入して光伝送効率が低下するこ
とを防ぐことができるものである。
【0032】スリーブ5の材質は、コア材1及びチュー
ブ2を外部から圧締することができるものであれば何で
もよいが、アルミニウム、銅、ステンレス鋼などの金属
製品あるいは樹脂製品などを用いることができる。また
スリーブ5によるかしめの部位ではコア材1が押圧され
て変形し、コア材1のこの変形部分で光の伝送ロスが生
じやすくなるので、この光伝送ロスを小さくするため
に、スリーブ5によるかしめの面積をなるべく小さくす
るのが好ましく、かしめの幅は2mm以下にすることが
好ましい。
【0033】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0034】(実施例1)フルオロエチレンプロピレン
樹脂(FEP)で作製される厚みが0.5mmの成形用
チューブ8内に、透明の軟質メタクリル樹脂で直径12
mm、長さ5mのコア材1が一体成形した成形用チュー
ブ8付きコア材1(株式会社ブリジストン製)を用い
た。
【0035】そしてまずコア材1を60℃に加熱して軟
化させ、これを内径14mm、厚み2mm、長さ1mの
ステンレス製パイプに通し、直線状になるように矯正し
た後、10℃に冷却した。冷却後、成形用チューブ8に
カッター刃で0.4mm深さの切れ込みを入れ、成形用
チューブ8をはぎ取ることによって、直線状のコア材1
を得た。
【0036】次に、コア材1の端部に直径1mmのリー
ディングワイヤー12を取り付け、直線状に配置した内
径14mm、外径16mmのFEP製のチューブ2(日
星電気株式会社製)にリーディングワイヤー12を引っ
張りながらコア材1を挿入した。
【0037】この後に、内径16mm、厚み0.5m
m、長さ15mmのアルミニウム製スリーブ5をチュー
ブ2の両端部の外周にはめ込み、クリンパーでかしめて
コア材1とチューブ2の両端部を固定することによっ
て、空気クラッド光ファイバを得た。
【0038】(実施例2)実施例1と同様にして得た直
線状のコア材1の外周に、厚み0.3mm、幅4cmの
軟質ポリエチレンシートからなる保護材4を縦添えで巻
き付けながら、実施例1と同様にして、直線状に配置し
た内径14mm、外径16mmのFEP製のチューブ2
(日星電気株式会社製)にリーディングワイヤー12を
引っ張りながらコア材1を挿入した。
【0039】この後、保護材4を引き抜き、後は実施例
1と同様にしてスリーブ5でかしめを行なうことによっ
て、空気クラッド光ファイバを得た。
【0040】(比較例1)FEPで作製される厚みが
0.5mmの成形用チューブ8内に、透明の軟質メタク
リル樹脂で直径12mm、長さ5mのコア材1が一体成
形した成形用チューブ8付きコア材1(株式会社ブリジ
ストン製)を用い、まず成形用チューブ8にカッター刃
で0.4mm深さの切れ込みを入れ、成形用チューブ8
をはぎ取ることによって、コア材1を取り出した。
【0041】そして実施例1と同様にして、直線状に配
置した内径14mm、外径16mmのFEP製のチュー
ブ2(日星電気株式会社製)にリーディングワイヤー1
2を引っ張りながらこのコア材1を挿入した。後は実施
例1と同様にしてスリーブ5でかしめを行なうことによ
って、空気クラッド光ファイバを得た。
【0042】(比較例2)コア材として実施例1と同じ
直径12mm、長さ5mの軟質メタクリル樹脂製のもの
を用い、その外周に透明フッ素樹脂(屈折率1.4)を
厚み0.6mmで被覆してクラッドを形成することによ
って、光ファイバを作製した。
【0043】上記のようにして得た実施例1,2及び各
比較例1,2の光ファイバについて光伝送光量を測定し
た。ここで、光伝送光量の測定は、メタルハライド照明
装置(株式会社住田光学ガラス製「LS−M160」)
からの光を光源用積分球(Lab Sphere社製
「US−060−SF」)を通して得た、12mm直径
の面積当たり5.7ルーメンの均一拡散出射光を光ファ
イバの一端面に当て、光ファイバの他端面からの出射光
量をフォトメータ(Lab Sphere社製「FIM
S−400B」)にて計測することによって行なった。
結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1の結果、実施例1,2のものは、比較
例1,2のものに比べて、受光角が大きく、より多くの
光を伝送できることが確認される。
【0046】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る空
気クラッド光ファイバの製造方法は、コア材と、コア材
の外周を覆うチューブと、コア材とチューブの間の空気
層からなる空気クラッド光ファイバを製造するにあたっ
て、コア材を直線状にする工程と、直線状にしたコア材
をチューブ内に挿入する工程と、コア材とチューブを両
端部で一体化させる工程から空気クラッド光ファイバを
製造するようにしたので、空気層がクラッド材となって
受光角が大きくより多くの光を伝送することができる空
気クラッド光ファイバを得ることができるものであり、
しかもチューブ内にコア材を挿入するにあたって、直線
状にしたコア材はチューブと擦れ合うことがなくなり、
コア材の外周面に傷が付くようなことを防ぐことがで
き、コア材に傷が付いて光伝送効率が低下するようなこ
となく空気クラッド光ファイバを製造することができる
ものである。
【0047】また請求項2の発明は、上記コア材を直線
状にする工程が、コア材を加熱して軟化させる工程と、
軟化させたコア材を直線状に矯正する工程と、直線状に
矯正したコア材を冷却する工程からなることを特徴とす
るので、巻き癖がついているコア材を容易に直線状に矯
正することができるものである。
【0048】また請求項3の発明は、上記コア材を直線
状にする工程が、コア材を直線状に押し出し成形するこ
とからなるので、押し出し成形によって直線状のコア材
を容易に得ることができるものである。
【0049】また請求項4の発明は、上記コア材をチュ
ーブ内に挿入する工程が、外周に保護材を設けたコア材
をチューブに挿入する工程と、チューブに挿入したコア
材の外周から保護材を取り除く工程からなるので、保護
材によってコア材とチューブが接触することなくチュー
ブにコア材を挿入することができるものである。
【0050】また請求項5の発明は、上記保護材がシー
トであるので、コア材をチューブに挿入した後に、シー
トをコア材から剥がして容易に取り除くことができるも
のである。
【0051】また請求項6の発明は、上記保護材が粉体
又は液体であるので、コア材をチューブに挿入した後
に、粉体の場合は吹き飛ばすことによって、液体の場合
は蒸発させることによって、容易に取り除くことができ
るものである。
【0052】また請求項7の発明は、上記コア材をチュ
ーブ内に挿入する工程が、チューブを筒状にサイジング
して押し出し成形しながらチューブにコア材を被挿する
ことからなるので、チューブを直線状に押し出してチュ
ーブとコア材とが接触することなくチューブ内にコア材
を挿入することができるものである。
【0053】また請求項8の発明は、上記コア材とチュ
ーブを両端部で一体化させる工程が、チューブの外周に
スリーブをはめ込むと共にスリーブをかしめることによ
ってコア材にチューブを圧締することからなるので、ス
リーブを用いてコア材とチューブを固定することがで
き、コア材がチューブ内で移動することを防ぐことがで
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略断面図で
ある。
【図2】本発明の実施の形態の他の一例を示す概略断面
図である。
【図3】本発明の実施の形態の他の一例を示すものであ
り、(a),(b),(c)はそれぞれ概略断面図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態の他の一例を示すものであ
り、(a),(b),(c)はそれぞれ概略断面図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態の他の一例を示す概略断面
図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、
(a),(b)はそれぞれ正面断面図、(c)は側面断
面図である。
【符号の説明】
1 コア材 2 チューブ 3 空気層 4 保護材 5 スリーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清 三喜男 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 横川 弘 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 園田 健二 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 薮ノ内 伸晃 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 村上 忠史 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 横谷 良二 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 関井 広行 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 2H050 AA15 AB01Y AB43X AC03 AC62 AC86 BB04Q BB08Q BB09Q BB10Q

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア材と、コア材の外周を覆うチューブ
    と、コア材とチューブの間の空気層からなる空気クラッ
    ド光ファイバを製造するにあたって、コア材を直線状に
    する工程と、直線状にしたコア材をチューブ内に挿入す
    る工程と、コア材とチューブを両端部で一体化させる工
    程からなることを特徴とする空気クラッド光ファイバの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 上記コア材を直線状にする工程が、コア
    材を加熱して軟化させる工程と、軟化させたコア材を直
    線状に矯正する工程と、直線状に矯正したコア材を冷却
    する工程からなることを特徴とする請求項1に記載の空
    気クラッド光ファイバの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記コア材を直線状にする工程が、コア
    材を直線状に押し出し成形することからなることを特徴
    とする請求項1に記載の空気クラッド光ファイバの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 上記コア材をチューブ内に挿入する工程
    が、外周に保護材を設けたコア材をチューブに挿入する
    工程と、チューブに挿入したコア材の外周から保護材を
    取り除く工程からなることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載の空気クラッド光ファイバの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 上記保護材がシートであることを特徴と
    する請求項4に記載の空気クラッド光ファイバの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 上記保護材が粉体又は液体であることを
    特徴とする請求項4に記載の空気クラッド光ファイバの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 上記コア材をチューブ内に挿入する工程
    が、チューブを筒状にサイジングして押し出し成形しな
    がらチューブにコア材を被挿することからなることを特
    徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の空気クラッ
    ド光ファイバの製造方法。
  8. 【請求項8】 上記コア材とチューブを両端部で一体化
    させる工程が、チューブの外周にスリーブをはめ込むと
    共にスリーブをかしめることによってコア材にチューブ
    を圧締することからなることを特徴とする請求項1乃至
    7のいずれかに記載の空気クラッド光ファイバの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2550678A1 (en) * 2010-03-24 2013-01-30 University Of North Carolina At Charlotte Waveguide assisted solar energy harvesting

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2550678A1 (en) * 2010-03-24 2013-01-30 University Of North Carolina At Charlotte Waveguide assisted solar energy harvesting
EP2550678A4 (en) * 2010-03-24 2013-09-25 Univ North Carolina COLLECTING SOLAR ENERGY USING A WAVEGUIDE

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