JP2000219997A - タ―ビン燃焼部用部材 - Google Patents

タ―ビン燃焼部用部材

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JP2000219997A
JP2000219997A JP32136199A JP32136199A JP2000219997A JP 2000219997 A JP2000219997 A JP 2000219997A JP 32136199 A JP32136199 A JP 32136199A JP 32136199 A JP32136199 A JP 32136199A JP 2000219997 A JP2000219997 A JP 2000219997A
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Japan
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plating
nickel
electroless
fine particles
plating solution
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JP32136199A
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English (en)
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Hiroaki Matsuyoshi
弘明 松好
Shinichi Kawasaki
真一 川崎
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温腐食劣化、熱劣化等が生じ難いタービン燃
焼部用部材であって、簡便な方法で低コストで製造する
ことができ、しかも複雑な形状部分にも適用できる材料
を提供する。 【解決手段】無機微粒子を含有する複合メッキ皮膜を金
属基体上に有するタービン燃焼部用部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タービン燃焼部用
部材、及び該部材を備えたタービンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コージェネレーション等で用いら
れているタービン等においては、エネルギー変換効率向
上のために、高温での運転や稼働時間の長期化が行われ
ている。この様な過酷な運転条件下では、タービンの燃
焼部等の様に、特に高温ガスが流通する部分の金属部材
については、主に酸素による高温腐食劣化、熱劣化など
が発生して、実用上の大きな問題となっている。
【0003】これら金属部材の高温腐食劣化、熱劣化等
を抑制するために、部材の構成材料として、ニッケル系
合金等の耐熱性金属を用いることが提案されている。し
かしながら、ニッケル系合金には、高価であり、加工性
に劣るという欠点がある。
【0004】更に、金属部材に代えて、セラミックス部
材を用いたタービンの開発も進められているが、セラミ
ックス部材には、金属部材に比べて耐熱性に優れている
ものの、脆いという欠点がある。
【0005】さらにまた、金属材料とセラミック材料の
それぞれおの利点を有効に利用すべく、セラミックコー
ティングした金属部材の使用も試みられている。金属部
材にセラミックスをコーティングする方法としては、一
般に溶射法が広く採用されている。しかしながら、溶射
法は、大がかりな装置を必要とし、しかも複雑な形状の
部材には適用できないという制約がある。更に、溶射に
よって形成されるセラミックコーティング皮膜と金属部
材とは、熱膨張率が大きく異なるために、熱履歴によっ
てセラミックコーティング皮膜の剥離、損傷等が生じ易
いという大きな問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
高温腐食劣化、熱劣化等が生じ難いタービン燃焼部用部
材であって、簡便な方法で低コストで製造することがで
き、しかも複雑な形状部分にも適用できる材料を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した如
き課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、無機微粒子を含
有する複合メッキ皮膜を金属基体上に耐熱コーティング
皮膜として形成した材料は、上記目的を達成し得るもの
であることを見出し、ここに本発明を完成するに至っ
た。
【0008】即ち、本発明は、下記のタービン燃焼部用
部材、及びタービンを提供するものである。 (1)無機微粒子を含有する複合メッキ皮膜を金属基体
上に有するタービン燃焼部用部材。 (2)無機微粒子が、Al23、Cr23、Fe23
ZrO2、安定化ZrO2、SiO2、TiO2、Th
2、Y23、CeO2、BeO2、HfO2、MgO、C
dO、SiC、TiC、WC、VC、ZrC、TaC、
Cr32、B4C、BN、TiN、Si34、AlN、
ZrB2、WSi2、CaF2、La23、Pr23、P
23、Nd23、Sc23、Sm23、Eu23、炭
素材料及び黒鉛から選ばれた少なくとも一種である上記
項1に記載のタービン燃焼部用部材。 (3)複合メッキ皮膜のマトリックス金属が、ニッケル
金属、ニッケル合金、コバルト金属又はコバルト合金で
ある上記項1又は2に記載のタービン燃焼部用部材。 (4)無機微粒子の平均粒子径が2μm以下である上記
項1〜3のいずれかに記載のタービン燃焼部用部材。 (5)燃焼器、動翼、静翼、シュラウド又はタービンケ
ーシング用の部材である上記項1〜4のいずれかに記載
のタービン燃焼部用部材。 (6)上記項1〜5のいずれかの部材を備えたタービ
ン。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のタービン燃焼部用部材
は、無機微粒子を含有する複合メッキ皮膜を金属基体上
に形成したものである。
【0010】本発明の部材の基体となる金属の種類とし
ては、通常、タービン燃焼部を形成する金属であれば良
く、例えば、鉄、鉄合金(炭素鋼、特殊鋼、耐熱鋼、ス
テンレス鋼など)、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合
金、コバルト、コバルト合金等が挙げられる。
【0011】この様な金属基体上に無機微粒子を含有す
る複合メッキ層を形成する方法としては、無機微粒子を
含有する電解メッキ液又は無電解メッキ液を用いて、常
法に従ってメッキ処理を行えばよい。
【0012】無機微粒子としては、例えば、Al23
Cr23、Fe23、ZrO2、安定化ZrO2、SiO
2、TiO2、ThO2、Y23、CeO2、BeO2、H
fO 2、MgO、CdO、SiC、TiC、WC、V
C、ZrC、TaC、Cr32、B4C、BN、Ti
N、Si34、AlN、ZrB2、WSi2、CaF2
La 23、Pr23、Pm23、Nd23、Sc23
Sm23、Eu23、炭素材料、黒鉛等を挙げることが
できる。これらの無機微粒子は、一種単独又は二種以上
混合して用いることができる。これらの内で、特に、断
熱性、強度、耐熱性等を向上させる作用が大きい点か
ら、Al23、ZrO2、安定化ZrO2、SiO 2、T
iO2、Y23、CeO2、SiC、Si34等が好適で
ある。尚、ZrO2については、単独では、室温で単斜
晶、1000〜1200℃で正方晶、約2000℃以上
で立方晶となり、相変態に伴う寸法変化を生じることか
ら、使用雰囲気温度が900℃程度以下の場合には、そ
のまま使用することができるが、900℃を上回るよう
な高温雰囲気で使用する場合には、Y23、CaO、M
gO、CeO2、Nd23、Sc23等を添加して立方
晶として安定化した安定化ZrO2を用いることが好ま
しい。
【0013】無機微粒子の粒子径については、特に限定
的ではないが、複合メッキ液中及び複合メッキ皮膜中で
の分散の均一性を確保する点から、平均粒子径2μm程
度以下が好ましい。
【0014】複合メッキ皮膜のマトリックス金属として
は、特に限定はなく、上記した無機微粒子を分散析出し
得る金属であれば良いが、強度、耐熱性、熱伝導性等の
面からは、ニッケル金属、ニッケル合金、コバルト金
属、コバルト合金等が好ましい。ニッケル合金及びコバ
ルト合金については、いずれも特に限定はなく、公知の
メッキ液を用いて形成し得る合金であれば良く、タービ
ン燃焼部の使用雰囲気において耐熱性を有する合金を適
宜選択して用いればよい。この様なニッケル合金として
は、ニッケル−リン、ニッケル−ホウ素、ニッケル−コ
バルト、ニッケル−マンガン、ニッケル−鉄、ニッケル
−コバルト−リン等を例示でき、コバルト合金として
は、コバルト−リン、コバルト−ホウ素、コバルト−ニ
ッケル、コバルト−ニッケル−リン等を例示できる。
【0015】複合メッキ皮膜の厚さについては、部材の
材質及び形状、該部材を使用する環境、マトリックス金
属の種類などにより異なるが、通常、1〜1000μm
程度とすればよい。
【0016】また、複合メッキ皮膜中に含有される無機
微粒子の量については、特に限定的ではないが、複合メ
ッキ皮膜全体を基準として、体積分率で10〜60%程
度とすることが好ましい。
【0017】複合メッキ皮膜を形成する方法については
特に限定はなく、無機微粒子を分散させた電解メッキ液
又は無電解メッキ液を用いて、常法によりメッキ皮膜を
形成すればよい。
【0018】電解メッキ液及び無電解メッキ液の種類に
ついても特に限定はなく、公知の各種組成の電解メッキ
液又は無電解メッキ液中に、上記無機微粒子を分散させ
たメッキ液を用いればよい。メッキ液中には、無機微粒
子を安定に分散させるために、必要に応じて、界面活性
剤等を添加することができる。
【0019】メッキ液中での無機微粒子の分散量につい
ても特に限定はなく、上記した範囲の無機微粒子が析出
する量とすればよいが、通常、1〜500g/l程度と
することが好ましい。
【0020】メッキ方法としては、常法に従って、脱
脂、酸洗等の前処理を行った後、電解メッキ又は無電解
メッキを行えばよい。電解メッキ又は無電解メッキは、
通常、無機微粒子を均一に分散させるために、適当な方
法でメッキ液を攪拌しつつ行うことが好ましい。また、
基体に対する複合メッキ皮膜の密着性を向上させるため
に、必要に応じて、公知の方法によりストライクメッキ
を行った後、複合メッキ皮膜を形成しても良い。更に、
無機微粒子を含まない通常の電解メッキ皮膜又は無電解
メッキ皮膜を形成した後、複合メッキ皮膜を形成しても
良い。無電解メッキに対する触媒活性のない基体上に直
接無電解メッキを行う場合には、常法に従って、触媒を
付与した後、無電解メッキを行えばよい。
【0021】この様な電解メッキ法又は無電解メッキ法
によれば、簡単な方法でしかも低コストでタービン燃焼
部用部材を得ることができる。そして、複合メッキ皮膜
が形成されたタービン燃焼部用部材は、高温腐食劣化、
熱劣化等が生じ難いものとなる。
【0022】特に、無電解メッキ法によれば、複雑な形
状の部材についても、簡単に均一な複合メッキ皮膜を形
成できる。また、電解メッキ方法による場合にも、適当
な補助電極を用いることによって、複雑な形状の部材に
ついても均一なメッキ皮膜を形成することができる。
【0023】電解メッキ法によって複合メッキ皮膜を形
成する方法の一例として、スルファミン酸ニッケルメッ
キ液を用いた場合の浴組成及びメッキ条件の一例を以下
に記載する。 *スルファミン酸ニッケルメッキ液 スルファミン酸ニッケル 250〜500g/l 塩化ニッケル 0〜50 g/l ホウ酸 30〜40 g/l 無機微粒子 1〜500g/l pH 3.5〜4.5 温度 25〜70℃ 陰極電流密度 0.5〜15A/dm2 また、無電解メッキ法によって複合メッキ皮膜を形成す
る場合には、公知の組成の無電解メッキ液に無機微粒子
を分散させて、通常の無電解メッキ条件と同様にして複
合メッキ皮膜を形成すればよい。本発明での使用に適す
る無電解メッキ液としては、無電解ニッケル−ホウ素メ
ッキ液、無電解コバルト−ホウ素メッキ液、無電解ニッ
ケル−リンメッキ液、無電解コバルト−リンメッキ液等
を例示できる。これらの内で、特に、無電解ニッケル−
ホウ素メッキ液と無電解コバルト−ホウ素メッキ液につ
いては、耐熱性に優れた皮膜を形成し易い点で有利であ
る。
【0024】上記した各種の方法で金属基体上に複合メ
ッキ皮膜を形成することによって、本発明のタービン燃
焼部用部材を得ることができる。
【0025】本発明の部材を適用するタービン燃焼部と
しては、例えば、タービンの燃焼器、動翼、静翼、シュ
ラウド、タービンケーシング等を挙げることができる。
本発明の部材は、これらの燃焼部の材料として、有効に
用いることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明のタービン燃焼部用部材は、高温
腐食劣化、熱劣化等が生じ難いものであり、簡便な方法
で低コストで製造することができる。
【0027】また、本発明で採用するメッキ法によれ
ば、複雑な形状部分の部材であっても、簡単に製造する
ことができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0029】
【実施例1】下記のように、電解メッキを行った。1)ニッケルストライクメッキ液の調製 以下のような組成を有するメッキ液を調製した。
【0030】 塩化ニッケル 245g/l 塩酸 120g/l2)電解ニッケル−SiO2複合メッキ液の調製 SiO2微粒子(平均粒子径1μm、株式会社アドマテ
ックス製)を電解ニッケルメッキ液(組成:スルファミ
ン酸ニッケル360g/l、塩化ニッケル45g/l、
ホウ酸30g/l)1リットルに対して100g添加
し、更に界面活性剤としてドデシルトリメチルアンモニ
ウムクロライド(東京化成株式会社製、試薬特級)をS
iO2微粒子1gに対して5mgの割合で添加して電解複
合メッキ液を調製した。3)メッキ法 以下のものを被メッキ材料として用いた。 ・タービン動翼 材質:Ni耐熱合金MAR−M247(Co:10重量
%、Cr:9重量%、Mo:0.8重量%、W:10重
量%、Al:5.5重量%、Ti:1.2重量%、C:
0.1重量%含有) 寸法:高さ52mm、幅15mm、奥行き40mm ・タービン静翼 材質:Co耐熱合金MAR−M509(Ni:10重量
%、Cr:24重量%、W:7重量%、Ti:0.2重
量%含有) 寸法:高さ25mm、幅15mm、奥行き45mm ・試験片(材質SUS430、50mm×50mm、厚
さ0.5mm) 上記の動翼、静翼及び試験片をアルカリ脱脂液で脱脂し
た後、負極として用いて、以下の方法でメッキを行っ
た。
【0031】まず、上記1)の組成のニッケルストライ
クメッキ液を含むニッケルストライクメッキ槽を用い
て、液温25℃、電流密度10A/dm2の条件下で2
分間のニッケルストライクメッキ処理を行った。
【0032】次いで、上記2)の組成の電解ニッケル−
SiO2複合メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温5
0℃、pH4.2、電流密度1A/dm2の条件下にス
クリュー攪拌しつつ、膜厚が30μmとなるまで電解メ
ッキを行って、電解ニッケル−SiO2複合メッキ皮膜
を形成させた。メッキ終了後、水洗して乾燥させた。
【0033】試験片を使用して、SiO2の共析率(容
量%)を求めたところ、12容量%であった。
【0034】上記メッキを行った動翼と静翼を2000
Kwガスタービンのタービン第一段(雰囲気温度115
0℃)に設置して、1000時間運転を行った。
【0035】1000時間運転後のメッキした動翼と静
翼を切断し、断面を金属顕微鏡で分析したところ、メッ
キ皮膜によりNi合金基材及びCo合金基材が保護さ
れ、酸化スケール層はなく、Ni合金基材及びCo合金
基材の酸化劣化はなかった。
【0036】
【実施例2】下記のように、電解メッキを行った。1)電解ニッケル−Al23複合メッキ液の調製 Al23微粒子(平均粒子径0.9μm、株式会社アド
マテックス製)を電解ニッケルメッキ液(組成:スルフ
ァミン酸ニッケル360g/l、塩化ニッケル45g/
l、ホウ酸30g/l)1リットルに対して100g添
加し、更に界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム
(和光純薬株式会社製、試薬特級)をAl 23微粒子1
gに対して10mgの割合で添加して電解複合メッキ液
を調製した。2)メッキ法 実施例1と同様の動翼、静翼及び試験片を実施例1と同
様にアルカリ脱脂液で脱脂した後、負極として用いて、
ニッケルストライクメッキ処理を行った。
【0037】次いで、上記1)の組成の電解ニッケル−
Al23複合メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温5
0℃、pH4.2、電流密度1A/dm2の条件下にス
クリュー攪拌しつつ、膜厚が30μmとなるまで電解メ
ッキを行って、電解ニッケル−Al23複合メッキ皮膜
を形成させた。メッキ終了後、水洗して乾燥させた。
【0038】試験片を使用して、Al23の共析率(容
量%)を求めたところ、22容量%であった。
【0039】上記メッキを行った動翼と静翼を2000
Kwガスタービンのタービン第一段(雰囲気温度115
0℃)に設置して、1000時間運転を行った。
【0040】1000時間運転後のメッキした動翼と静
翼を切断し、断面を金属顕微鏡で分析したところ、メッ
キ皮膜によりNi合金基材及びCo合金基材が保護さ
れ、酸化スケール層はなく、Ni合金基材及びCo合金
基材の酸化劣化はなかった。
【0041】
【実施例3】下記のように、電解メッキを行った。1)電解ニッケル−Y23安定化ZrO2複合メッキ液
の調製23安定化ZrO2微粒子(Y238重量%含有、平
均粒子径1.0μm、株式会社高純度化学製)を電解ニ
ッケルメッキ液(組成:スルファミン酸ニッケル360
g/l、塩化ニッケル45g/l、ホウ酸30g/l)
1リットルに対して100g添加し、更に界面活性剤と
して第4級パーフルオロアンモニウム塩(商標メガファ
ックF150、大日本インキ株式会社製)をY23安定
化ZrO 2微粒子1gに対して30mgの割合で添加し
て電解複合メッキ液を調製した。2)メッキ法 実施例1と同様の動翼、静翼及び試験片を、実施例1と
同様にアルカリ脱脂液で脱脂した後、負極として用い
て、ニッケルストライクメッキ処理を行った。
【0042】次いで、上記1)の組成の電解ニッケル−
23安定化ZrO2複合メッキ液を含むメッキ槽を用
いて、液温50℃、pH4.2、電流密度2A/dm2
の条件下にスクリュー攪拌しつつ、膜厚が30μmとな
るまで電解メッキを行って、電解ニッケル−Y23安定
化ZrO2複合メッキ皮膜を形成させた。メッキ終了
後、水洗して乾燥させた。
【0043】試験片を使用して、Y23安定化ZrO2
の共析率(容量%)を求めたところ、20容量%であっ
た。
【0044】上記メッキを行った動翼と静翼を2000
Kwガスタービンのタービン第一段(雰囲気温度115
0℃)に設置して、1000時間運転を行った。
【0045】1000時間運転後のメッキした動翼と静
翼を切断し、断面を金属顕微鏡で分析したところ、メッ
キ皮膜によりNi合金基材及びCo合金基材が保護さ
れ、酸化スケール層はなく、Ni合金基材及びCo合金
基材の酸化劣化はなかった。
【0046】
【実施例4】1)電解ニッケル−SiC複合メッキ液の
調製 SiC微粒子(平均粒子径1.0μm、株式会社高純度
化学製)を電解ニッケルメッキ液(組成:スルファミン
酸ニッケル360g/l、塩化ニッケル45g/l、ホ
ウ酸30g/l)1リットルに対して100g添加し、
更に界面活性剤として第4級パーフルオロアンモニウム
塩(商標メガファックF150、大日本インキ株式会社
製)をSiC微粒子1gに対して30mgの割合で添加
して電解複合メッキ液を調製した。2)メッキ法 実施例1と同様の動翼、静翼及び試験片を、実施例1と
同様にアルカリ脱脂液で脱脂した後、負極として用い
て、ニッケルストライクメッキ処理を行った。
【0047】次いで、上記1)の組成の電解ニッケル−
SiC複合メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温50
℃、pH4.2、電流密度2A/dm2の条件下にスク
リュー攪拌しつつ、膜厚が30μmとなるまで電解メッ
キを行って、電解ニッケル−SiC複合メッキ皮膜を形
成させた。メッキ終了後、水洗して乾燥させた。
【0048】試験片を使用して、SiCの共析率(容量
%)を求めたところ、18容量%であった。
【0049】上記メッキを行った動翼と静翼を2000
Kwガスタービンのタービン第一段(雰囲気温度115
0℃)に設置して、1000時間運転を行った。
【0050】1000時間運転後のメッキした動翼と静
翼を切断し、断面を金属顕微鏡で分析したところ、メッ
キ皮膜によりNi合金基材及びCo合金基材が保護さ
れ、酸化スケール層はなく、Ni合金基材及びCo合金
基材の酸化劣化はなかった。
【0051】
【実施例5】1)電解ニッケル−Si34複合メッキ液
の調製 Si34微粒子(平均粒子径1.0μm、電気化学工業
株式会社製)を電解ニッケルメッキ液(組成:スルファ
ミン酸ニッケル360g/l、塩化ニッケル45g/
l、ホウ酸30g/l)1リットルに対して100g添
加し、更に界面活性剤としてドデシルトリメチルアンモ
ニウムクロライド(東京化成株式会社製、試薬特級)を
Si34微粒子1gに対して5mgの割合で添加して電
解複合メッキ液を調製した。2)メッキ法 実施例1と同様の動翼、静翼及び試験片を、実施例1と
同様にアルカリ脱脂液で脱脂した後、負極として用い
て、ニッケルストライクメッキ処理を行った。
【0052】次いで、上記1)の組成の電解ニッケル−
Si34複合メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温5
0℃、pH4.2、電流密度2A/dm2の条件下にス
クリュー攪拌しつつ、膜厚が30μmとなるまで電解メ
ッキを行って、電解ニッケル−Si34複合メッキ皮膜
を形成させた。メッキ終了後、水洗して乾燥させた。
【0053】試験片を使用して、Si34の共析率(容
量%)を求めたところ、15容量%であった。
【0054】上記メッキを行った動翼と静翼を2000
Kwガスタービンのタービン第一段(雰囲気温度115
0℃)に設置して、1000時間運転を行った。
【0055】1000時間運転後のメッキした動翼と静
翼を切断し、断面を金属顕微鏡で分析したところ、メッ
キ皮膜によりNi合金基材及びCo合金基材が保護さ
れ、酸化スケール層はなく、Ni合金基材及びCo合金
基材の酸化劣化はなかった。
【0056】
【実施例6】1)電解ニッケル−黒鉛複合メッキ液の調
人造黒鉛微粒子(平均粒子径1.0μm、株式会社エス
イーシー製)を電解ニッケルメッキ液(組成:スルファ
ミン酸ニッケル360g/l、塩化ニッケル45g/
l、ホウ酸30g/l)1リットルに対して50g添加
し、更に界面活性剤として第4級パーフルオロアンモニ
ウム塩(商標メガファックF150、大日本インキ株式
会社製)を人造黒鉛微粒子1gに対して30mgの割合
で添加して電解複合メッキ液を調製した。2)メッキ法 実施例1と同様の動翼、静翼及び試験片を、実施例1と
同様にアルカリ脱脂液で脱脂した後、負極として用い
て、ニッケルストライクメッキ処理を行った。
【0057】次いで、上記1)の組成の電解ニッケル−
黒鉛複合メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温50
℃、pH4.2、電流密度2A/dm2の条件下にスク
リュー攪拌しつつ、膜厚が30μmとなるまで電解メッ
キを行って、電解ニッケル−黒鉛複合メッキ皮膜を形成
させた。メッキ終了後、水洗して乾燥させた。
【0058】試験片を使用して、黒鉛の共析率(容量
%)を求めたところ、15容量%であった。
【0059】上記メッキを行った動翼と静翼を2000
Kwガスタービンのタービン第一段(雰囲気温度115
0℃)に設置して、1000時間運転を行った。
【0060】1000時間運転後のメッキした動翼と静
翼を切断し、断面を金属顕微鏡で分析したところ、メッ
キ皮膜によりNi合金基材及びCo合金基材が保護さ
れ、酸化スケール層はなく、Ni合金基材及びCo合金
基材の酸化劣化はなかった。
【0061】
【実施例7】下記のように無電解メッキを行った。1)ニッケルストライクメッキ液の調製 以下のような組成を有するメッキ液を調製した。
【0062】 塩化ニッケル 245g/l 塩酸 120g/l2)無電解ニッケル−ホウ素メッキ液の調製 以下のような組成を有するメッキ液を調製した。
【0063】 硫酸ニッケル 27g/l コハク酸ナトリウム 55g/l 塩化アンモニウム 30g/l ホウ酸 30g/l ジメチルアミンボラン 3g/l3)無電解ニッケル−ホウ素−SiO2複合メッキ液の
調製 SiO2微粒子(平均粒子径1μm、株式会社アドマテ
ックス製)を、上記組成を有する無電解ニッケル−ホウ
素メッキ液1リットルに対して20g添加し、更に界面
活性剤としてドデシルトリメチルアンモニウムクロライ
ド(東京化成株式会社製、試薬特級)をSiO2微粒子
1gに対して5mgの割合で添加して無電解複合メッキ液
を調製した。4)メッキ法 実施例1と同様の動翼、静翼及び試験片を、実施例1と
同様にアルカリ脱脂液で脱脂した後、負極として用い
て、ニッケルストライクメッキ処理を行った。
【0064】次いで、上記2)の組成を有する無電解ニ
ッケル−ホウ素メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温
65℃、pH6.5の条件下に、スクリュー攪拌しつ
つ、膜厚が10μmとなるまで無電解メッキを行って、
無電解下地ニッケル−ホウ素メッキ皮膜を形成させた。
【0065】さらに、上記3)の組成を有する無電解ニ
ッケル−ホウ素−SiO2複合メッキ液を含むメッキ槽
を用いて、液温65℃、pH6.5の条件下に、スクリ
ュー攪拌をしつつ、膜厚が20μmとなるまで無電解メ
ッキを行って、無電解ニッケル−ホウ素−SiO2複合
メッキ皮膜を形成させた。メッキ終了後、水洗して乾燥
させた。
【0066】試験片を使用して、SiO2の共析率(容
量%)を求めたところ、10容量%であった。
【0067】上記メッキを行った動翼と静翼を2000
Kwガスタービンのタービン第一段(雰囲気温度115
0℃)に設置して、1000時間運転を行った。
【0068】1000時間運転後のメッキした動翼と静
翼を切断し、断面を金属顕微鏡で分析したところ、メッ
キ皮膜によりNi合金基材及びCo合金基材が保護さ
れ、酸化スケール層はなく、Ni合金基材及びCo合金
基材の酸化劣化はなかった。
【0069】
【実施例8】以下のように、無電解メッキを行った。1)無電解ニッケル−ホウ素−Al23複合メッキ液の
調製 Al23微粒子(平均粒子径0.9μm、株式会社アド
マテックス製)を実施例7と同様の無電解ニッケル−ホ
ウ素メッキ液1リットルに対して20g添加し、更に界
面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(和光純薬株式
会社製、試薬特級)をAl23微粒子1gに対して10
mgの割合で添加して無電解複合メッキ液を調製した。2)メッキ法 実施例1と同様の動翼、静翼及び試験片を、実施例1と
同様にアルカリ脱脂液で脱脂した後、負極として用い
て、ニッケルストライクメッキ処理を行った。次いで、
実施例7と同様に無電解下地ニッケル−ホウ素メッキ皮
膜を形成させた。
【0070】さらに、上記1)の組成を有する無電解ニ
ッケル−ホウ素−Al23複合メッキ液を含むメッキ槽
を用いて、液温65℃、pH6.5の条件下に、スクリ
ュー攪拌をしつつ、膜厚が20μmとなるまで無電解メ
ッキを行って、無電解ニッケル−ホウ素−Al23複合
メッキ皮膜を形成させた。メッキ終了後、水洗して乾燥
させた。
【0071】試験片を使用して、Al23の共析率(容
量%)を求めたところ、20容量%であった。
【0072】上記メッキを行った動翼と静翼を2000
Kwガスタービンのタービン第一段(雰囲気温度115
0℃)に設置して、1000時間運転を行った。
【0073】1000時間運転後のメッキした動翼と静
翼を切断し、断面を金属顕微鏡で分析したところ、メッ
キ皮膜によりNi合金基材及びCo合金基材が保護さ
れ、酸化スケール層はなく、Ni合金基材及びCo合金
基材の酸化劣化はなかった。
【0074】
【実施例9】以下のように、無電解メッキを行った。1)無電解ニッケル−ホウ素−Y23安定化ZrO2
合メッキ液の調製23安定化ZrO2微粒子(Y238重量%含有、平
均粒子径1.0μm、株式会社高純度化学製)を実施例
7と同様の無電解ニッケル−ホウ素メッキ液1リットル
に対して20g添加し、更に界面活性剤として第4級パ
ーフルオロアンモニウム塩(商標メガファックF15
0、大日本インキ株式会社製)をY23安定化ZrO2
微粒子1gに対して30mgの割合で添加して無電解複
合メッキ液を調製した。2)メッキ法 実施例1と同様の動翼、静翼及び試験片を、実施例1と
同様にアルカリ脱脂液で脱脂した後、負極として用い
て、ニッケルストライクメッキ処理を行った。次いで、
実施例7と同様に無電解下地ニッケル−ホウ素メッキ皮
膜を形成させた。
【0075】さらに、上記1)の組成を有する無電解ニ
ッケル−ホウ素−Y23安定化ZrO2複合メッキ液を
含むメッキ槽を用いて、液温65℃、pH6.5の条件
下に、スクリュー攪拌しつつ、膜厚が20μmとなるま
で無電解メッキを行って、無電解ニッケル−ホウ素−Y
23安定化ZrO2複合メッキ皮膜を形成させた。メッ
キ終了後、水洗して乾燥させた。
【0076】試験片を使用して、Y23安定化ZrO2
の共析率(容量%)を求めたところ、19容量%であっ
た。
【0077】上記メッキを行った動翼と静翼を2000
Kwガスタービンのタービン第一段(雰囲気温度115
0℃)に設置して、1000時間運転を行った。
【0078】1000時間運転後のメッキした動翼と静
翼を切断し、断面を金属顕微鏡で分析したところ、メッ
キ皮膜によりNi合金基材及びCo合金基材が保護さ
れ、酸化スケール層はなく、Ni合金基材及びCo合金
基材の酸化劣化はなかった。
【0079】
【実施例10】1)無電解ニッケル−ホウ素−SiC複
合メッキ液の調製 SiC微粒子(平均粒子径1.0μm、株式会社高純度
化学製)を実施例7と同様の無電解ニッケル−ホウ素メ
ッキ液1リットルに対して20g添加し、更に界面活性
剤として第4級パーフルオロアンモニウム塩(商標メガ
ファックF150、大日本インキ株式会社製)をSiC
微粒子1gに対して30mgの割合で添加して無電解複
合メッキ液を調製した。2)メッキ法 実施例1と同様の動翼、静翼及び試験片を、実施例1と
同様にアルカリ脱脂液で脱脂した後、負極として用い
て、ニッケルストライクメッキ処理を行った。次いで、
実施例7と同様に無電解下地ニッケル−ホウ素メッキ皮
膜を形成させた。
【0080】さらに、上記1)の組成を有する無電解ニ
ッケル−ホウ素−SiC複合メッキ液を含むメッキ槽を
用いて、液温65℃、pH6.5の条件下に、スクリュ
ー攪拌をしつつ、膜厚が20μmとなるまで無電解メッ
キを行って、無電解ニッケル−ホウ素−SiC複合メッ
キ皮膜を形成させた。メッキ終了後、水洗して乾燥させ
た。
【0081】試験片を使用して、SiCの共析率(容量
%)を求めたところ、19容量%であった。
【0082】上記メッキを行った動翼と静翼を2000
Kwガスタービンのタービン第一段(雰囲気温度115
0℃)に設置して、1000時間運転を行った。
【0083】1000時間運転後のメッキした動翼と静
翼を切断し、断面を金属顕微鏡で分析したところ、メッ
キ皮膜によりNi合金基材及びCo合金基材が保護さ
れ、酸化スケール層はなく、Ni合金基材及びCo合金
基材の酸化劣化はなかった。
【0084】
【実施例11】1)無電解ニッケル−ホウ素−Si34
複合メッキ液の調製 Si34微粒子(平均粒子径1.0μm、電気化学工業
株式会社製)を実施例7と同様の無電解ニッケル−ホウ
素メッキ液1リットルに対して20g添加し、更に界面
活性剤としてドデシルトリメチルアンモニウムクロライ
ド(東京化成株式会社製、試薬特級)をSi34微粒子
1gに対して5mgの割合で添加して無電解複合メッキ
液を調製した。2)メッキ法 実施例1と同様の動翼、静翼及び試験片を、実施例1と
同様にアルカリ脱脂液で脱脂した後、負極として用い
て、ニッケルストライクメッキ処理を行った。次いで、
実施例7と同様に無電解下地ニッケル−ホウ素メッキ皮
膜を形成させた。
【0085】さらに、上記1)の組成を有する無電解ニ
ッケル−ホウ素−Si34複合メッキ液を含むメッキ槽
を用いて、液温65℃、pH6.5の条件下にスクリュ
ー攪拌をしつつ、膜厚が20μmとなるまで無電解メッ
キを行って、無電解ニッケル−ホウ素−Si34複合メ
ッキ皮膜を形成させた。メッキ終了後、水洗して乾燥さ
せた。
【0086】試験片を使用して、Si34の共析率(容
量%)を求めたところ、16容量%であった。
【0087】上記メッキを行った動翼と静翼を2000
Kwガスタービンのタービン第一段(雰囲気温度115
0℃)に設置して、1000時間運転を行った。
【0088】1000時間運転後のメッキした動翼と静
翼を切断し、断面を金属顕微鏡で分析したところ、メッ
キ皮膜によりNi合金基材及びCo合金基材が保護さ
れ、酸化スケール層はなく、Ni合金基材及びCo合金
基材の酸化劣化はなかった。
【0089】
【実施例12】1)無電解ニッケル−ホウ素−黒鉛複合
メッキ液の調製 人造黒鉛微粒子(平均粒子径1.0μm、株式会社エス
イーシー製)を実施例7と同様の無電解ニッケル−ホウ
素メッキ液1リットルに対して20g添加し、更に界面
活性剤として第4級パーフルオロアンモニウム塩(商標
メガファックF150、大日本インキ株式会社製)を人
造黒鉛微粒子1gに対して30mgの割合で添加して無
電解複合メッキ液を調製した。2)メッキ法 実施例1と同様の動翼、静翼及び試験片を、実施例1と
同様にアルカリ脱脂液で脱脂した後、負極として用い
て、ニッケルストライクメッキ処理を行った。次いで、
実施例7と同様に無電解下地ニッケル−ホウ素メッキ皮
膜を形成させた。
【0090】さらに、上記1)の組成を有する無電解ニ
ッケル−ホウ素−黒鉛複合メッキ液を含むメッキ槽を用
いて、液温65℃、pH6.5の条件下にスクリュー攪
拌しつつ、膜厚が20μmとなるまで無電解メッキを行
って、無電解ニッケル−ホウ素−黒鉛複合メッキ皮膜を
形成させた。メッキ終了後、水洗して乾燥させた。
【0091】試験片を使用して、黒鉛の共析率(容量
%)を求めたところ、15容量%であった。
【0092】上記メッキを行った動翼と静翼を2000
Kwガスタービンのタービン第一段(雰囲気温度115
0℃)に設置して、1000時間運転を行った。
【0093】1000時間運転後のメッキした動翼と静
翼を切断し、断面を金属顕微鏡で分析したところ、メッ
キ皮膜によりNi合金基材及びCo合金基材が保護さ
れ、酸化スケール層はなく、Ni合金基材及びCo合金
基材の酸化劣化はなかった。
【0094】
【実施例13】下記のように無電解メッキを行った。1)ニッケルストライクメッキ液の調製 以下のような組成を有するメッキ液を調製した。
【0095】 塩化ニッケル 245g/l 塩酸 120g/l2)無電解コバルト−ホウ素メッキ液の調製 以下のような組成を有するメッキ液を調製した。
【0096】 硫酸コバルト 29g/l コハク酸ナトリウム 55g/l 塩化アンモニウム 30g/l ホウ酸 30g/l ジメチルアミンボラン 3g/l3)無電解コバルト−ホウ素−Al23複合メッキ液の
調製 Al23微粒子(平均粒子径0.9μm、株式会社アド
マテックス製)を、上記組成を有する無電解コバルト−
ホウ素メッキ液1リットルに対して20g添加し、更に
界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(和光純薬株
式会社製、試薬特級)をAl23微粒子1gに対して1
0mgの割合で添加して無電解複合メッキ液を調製し
た。4)メッキ法 実施例1と同様の動翼、静翼及び試験片を、実施例1と
同様にアルカリ脱脂液で脱脂した後、負極として用い
て、ニッケルストライクメッキ処理を行った。
【0097】次いで、上記2)の組成を有する無電解コ
バルト−ホウ素メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温
65℃、pH6.5の条件下に、スクリュー攪拌しつ
つ、膜厚が10μmとなるまで無電解メッキを行って、
無電解下地コバルト−ホウ素メッキ皮膜を形成させた。
【0098】さらに、上記3)の組成を有する無電解コ
バルト−ホウ素−Al23複合メッキ液を含むメッキ槽
を用いて、液温65℃、pH6.5の条件下に、スクリ
ュー攪拌をしつつ、膜厚が20μmとなるまで無電解メ
ッキを行って、無電解コバルト−ホウ素−Al23複合
メッキ皮膜を形成させた。メッキ終了後、水洗して乾燥
させた。
【0099】試験片を使用して、Al23の共析率(容
量%)を求めたところ、19容量%であった。
【0100】上記メッキを行った動翼と静翼を2000
Kwガスタービンのタービン第一段(雰囲気温度115
0℃)に設置して、1000時間運転を行った。
【0101】1000時間運転後のメッキした動翼と静
翼を切断し、断面を金属顕微鏡で分析したところ、メッ
キ皮膜によりNi合金基材及びCo合金基材が保護さ
れ、酸化スケール層はなく、Ni合金基材及びCo合金
基材の酸化劣化はなかった。
【0102】
【比較例1】実施例1と同様の動翼と静翼を、メッキを
行うことなく2000Kwガスタービンのタービン第一
段(雰囲気温度1150℃)に設置して、1000時間
運転を行った。1000時間運転後のメッキを行ってい
ない動翼及び静翼を切断し、断面を金属顕微鏡で分析し
たところ、いずれも約100ミクロンの酸化スケール層
がみられ、動翼のNi合金及び静翼のCo合金が酸化劣
化していた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機微粒子を含有する複合メッキ皮膜を金
    属基体上に有するタービン燃焼部用部材。
  2. 【請求項2】無機微粒子が、Al23、Cr23、Fe
    23、ZrO2、安定化ZrO2、SiO2、TiO2、T
    hO2、Y23、CeO2、BeO2、HfO2、MgO、
    CdO、SiC、TiC、WC、VC、ZrC、Ta
    C、Cr32、B4C、BN、TiN、Si34、Al
    N、ZrB2、WSi2、CaF2、La23、Pr
    23、Pm23、Nd23、Sc23、Sm23、Eu
    23、炭素材料及び黒鉛から選ばれた少なくとも一種で
    ある請求項1に記載のタービン燃焼部用部材。
  3. 【請求項3】複合メッキ皮膜のマトリックス金属が、ニ
    ッケル金属、ニッケル合金、コバルト金属又はコバルト
    合金である請求項1又は2に記載のタービン燃焼部用部
    材。
  4. 【請求項4】無機微粒子の平均粒子径が2μm以下であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載のタービン燃焼部用部
    材。
  5. 【請求項5】燃焼器、動翼、静翼、シュラウド又はター
    ビンケーシング用の部材である請求項1〜4のいずれか
    に記載のタービン燃焼部用部材。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかの部材を備えたタ
    ービン。
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