JP2000219831A - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法

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JP2000219831A
JP2000219831A JP2331599A JP2331599A JP2000219831A JP 2000219831 A JP2000219831 A JP 2000219831A JP 2331599 A JP2331599 A JP 2331599A JP 2331599 A JP2331599 A JP 2331599A JP 2000219831 A JP2000219831 A JP 2000219831A
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Yoshiyuki Koike
佳之 小池
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Seiko Epson Corp
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印字の乾燥性に優れ、混色にじみが少なく、
部材侵食性を抑え、記録紙上の低濃度領域の粒状性を抑
え、普通紙においても鮮明な画質を得ることができる記
録方法を提供する。 【解決手段】 水、染料、親水性高沸点低揮発性溶媒、
トリエチレングリコールモノブチルエーテルを1〜10
wt%および式1の界面活性剤を含み、普通紙におけ
る、ベタ印字の反射光学濃度が1.0〜1.2である複
数のインク色からなるインクセットを用いて、同一ノズ
ルより複数のドット重量を打ち分けることのできる記録
ヘッドにより印字を行う。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録に用いるカラーインクと記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、微細なノズルか
らインクを小滴として吐出して、文字や図形を記録紙等
に記録する方法である。インクジェット記録方式として
はピエゾ素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、
記録ヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して記録
紙等に文字や記号を記録する方法、記録ヘッド部分に貯
えたインクを吐出部分に極近い一部を急速に加熱して泡
を発生させて、その泡による体積膨張で断続的に吐出し
て、記録紙等に文字や記号を記録する方法などが実用化
されている。
【0003】初期の頃のインクジェット記録方法は、イ
ンク滴を吐出するかしないか、つまりドットのオンオフ
制御を行うに過ぎず、吐出されるインク滴のインク重量
を連続的かつ自由に制御することは極めて困難であり、
そのままでは中間階調を記録することはできなかった。
【0004】そこで、従来より、中間階調を表現するた
めに、面積階調やディザ法、誤差拡散法といった手法が
提案されている。面積階調による中間階調の記録を例に
とると、一つの画素を4×4、8×8等の複数のドット
で表現することによって中間階調の記録を実現してい
る。4×4のドットマトリックスで一つの画素を表現す
れば、16階調の記録(全白を含めると17階調)で濃
淡を表すことができる。画素の分解能を上げれば、より
細やかに階調表現を行うことが出来る。しかし、記録ド
ット径を変えずに階調を上げると実質的な解像度は低下
する。また、記録紙上の記録ドット径が大きいと、低濃
度領域の粒状性が目立つようになる。従って、インク滴
の重量を少なくして記録するドット径を小さくする必要
がある。
【0005】ドット径が小さくなれば、低濃度領域での
粒状性が目立たず記録品質を高めることができるが、記
録速度が大幅に低下する。例えば、通常の記録ドット径
の約半分にした小径のドットのみを用いる場合は、通常
の記録ドット径を用いた場合の4倍の記録時間を要す
る。記録速度の低下を防止するためには、インク滴を吐
出する駆動周波数を4倍に高めるか、あるいはノズル数
を4倍に増やせばよいが、いずれも容易ではない。
【0006】そこで、同一のノズルから異なる重量のイ
ンク滴を吐出させ階調記録を可能とする技術が提案され
ている(例えば、米国特許第5,285,215号明細
書)。かかる技術では、一つの記録周期内において同一
パルス信号を複数個発生することによって微小なインク
滴を複数発生させ、記録紙上に着弾する前に、これら大
きさがほぼ同一の複数の微小なインク滴を合体させて大
きなインク滴を生成しようとしている。また、一つの記
録周期内において異なるパルス信号を複数発生すること
によって異なる大きさの微小なインク滴を複数発生さ
せ、より詳細な階調記録を可能とした記録装置も実用化
されている。
【0007】インクジェット記録に用いられるインクに
は、印字の乾燥性がよいことや印字のにじみ(混色にじ
み)が少ないことなどの特性が要求されている。
【0008】これらの要求を満たすために従来のインク
ジェット記録用インクでは、インクを記録紙等にすばや
く浸透させる工夫がなされている。米国特許第5,15
6,675号明細書のようにジエチレングリコールモノ
ブチルエーテルを添加したり、米国特許第5,183,
502号明細書や特開昭56−5871号公報のように
アセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノー
ル465(エアプロダクツ(株)製)を添加したり、あ
るいは米国特許第5,196,056号明細書のように
ジエチレングリコールモノブチルエーテルを1.5〜5
wt%とサーフィノール465を1〜3wt%添加する
ことなどが検討されている。ジエチレングリコールモノ
−n−ブチルエーテルはブチルカルビトールと呼ばれ、
例えば米国特許第3,291,580号明細書に記載さ
れている。あるいは米国特許第2,083,372号明
細書ではジエチレングリコールのエーテル類をインクに
用いることなどが検討されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテルは、記録ヘッド部材
やインク供給・廃液部材等への侵食性(以下部材侵食性
と称する)が強いため、部材の膨潤・溶解、インク中で
の異物発生等があり、使用可能な材質が制限されてしま
う等の問題がある。また、サーフィノール465を1w
t%を超えて添加した場合、インクの表面張力が低くな
りすぎてノズルからのインク垂れが発生しやすくなり、
また、メニスカスの回復が遅れ高速応答性が悪くなり、
吐出不良を起こしやすくなる。また、記録紙等への浸透
性を向上させることで、特に普通紙においてカラーの発
色性が悪くなり全体に白っぽい画質になる。普通紙にお
ける発色性を向上させる手段の一つとして、浸透性を落
とす方法が挙げられるが、浸透性を落とすほど混色にじ
みが悪化することから、現状では瞬時に紙に浸透するタ
イプのインク(超浸透インク)が主流となっている。
【0010】こうした超浸透インクにおける普通紙上の
発色性を補うために染料等の色材を多量に添加する方法
が考えられるが、記録紙上の低濃度領域の粒状性が目立
つようになり、また、記録ヘッドのノズルにおいて目詰
まりを起こしやすくなる等の弊害が出てくる。粒状性を
抑える手段としては、染料などの色材濃度の異なるイン
クを複数装着して、記録紙上の低濃度領域では、淡イン
クを用いて記録し、高濃度領域では濃インクを用いて記
録する方法がある。しかしながら、この方法では使用す
るインク数が多くなるため、記録ヘッドおよびインク供
給システムの大型化およびコストアップ等が課題とな
る。
【0011】そこで、本発明はこのような課題を解決す
るものであり、その目的とするところは、印字の乾燥性
に優れ、混色にじみが少なく、部材侵食性を抑え、記録
ヘッドやインク供給システムの大型化や、記録速度の低
下を招くことなく記録紙上の低濃度領域の粒状性を抑
え、普通紙においても鮮明な画質を得ることができるイ
ンクジェット記録用カラーインクセットおよび記録方法
を提供するところにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に用いるインクジ
ェット記録用カラーインクセットは、少なくとも水、染
料、親水性高沸点低揮発性溶媒、トリエチレングリコー
ルモノブチルエーテルおよび下記の式1のアセチレング
リコール系界面活性剤を含み、前記トリエチレングリコ
ールモノブチルエーテルを7〜10wt%含み、かつ下
記の式1のアセチレングリコール系界面活性剤を0.5
〜1wt%含み、普通紙において、イエロー、マゼンタ
およびシアンそれぞれの反射光学濃度(ODy、OD
m、ODc)が1.0〜1.2となるように、染料添加
量を調整することを特徴とし、前記インクジェット記録
用カラーインクセットを同一ノズルより複数のドット重
量を打ち分けることの出来る記録ヘッドにより印字を行
うことを特徴とする。
【0013】
【化2】
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録カラ
ーインクセットは、印字の乾燥性に優れ、印字にじみ
(混色にじみ)が少なく、普通紙においても鮮明な画質
を得ることができ、かつ部材侵食性が緩やかであるなど
の特性が要求されていることに注目して、鋭意検討した
結果によるものである。
【0015】従来からインク溶媒としては、低粘度であ
ること、安全性に優れること、取扱が容易であること、
コストが安いこと、臭気がないこと等の理由により主に
水が用いられる。インクに使用するものとしては、イオ
ン交換、蒸留等の精製工程を経た超純水が好ましい。
【0016】本発明に使用される染料として、直接染
料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分
散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、油
性染料が挙げられ、いずれも使用できるが、中でも水溶
性染料は、インクの性能上好ましく用いられ、特に好ま
しいものは、 C.I.ダイレクトイエロー8、9、11、12、2
7、28、29、33、35、39、41、44、5
0、53、58、59、68、86、87、93、9
5、96、98、100、106、108、109、1
10、130、132、142、144、161、16
3、 C.I.ダイレクトレッド2、4、9、23、26、3
1、39、62、63、72、75、76、79、8
0、81、83、84、89、92、95、111、1
73、184、207、211、212、214、21
8、221、223、224、225、226、22
7、232、233、240、241、242、24
3、247、 C.I.ダイレクトバイオレット7、9、47、48、
51、66、90、93、94、95、98、100、
101、 C.I.ダイレクトブルー1、10、15、22、2
5、55、67、68、71、76、77、78、8
0、84、86、87、90、98、106、108、
109、151、156、158、159、160、1
68、189、192、193、194、199、20
0、201、202、203、207、211、21
3、214、218、225、229、236、23
7、244、248、249、251、252、26
4、270、280、288、289、291、 C.I.アシッドイエロー17、19、23、25、3
9、40、42、44、49、50、61、64、7
6、79、110、127、135、143、151、
159、169、174、190、195、196、1
97、199、218、219、222、227、 C.I.アシッドレッド35、42、52、57、6
2、80、82、111、114、118、119、1
27、128、131、143、151、154、15
8、249、254、257、261、263、26
6、289、299、301、305、336、33
7、361、396、397、 C.I.アシッドバイオレット5、34、43、47、
48、90、103、126、 C.I.アシッドブルー9、25、40、41、62、
72、76、78、80、82、92、106、11
2、113、120、127、129、138、14
3、175、181、205、207、220、22
1、230、232、247、258、260、26
4、271、277、278、279、280、28
8、290、326、 C.I.リアクティブイエロー2、3、13、14、1
5、17、18、23、24、25、26、27、2
9、35、37、41、42、 C.I.リアクティブレッド3、13、17、19、2
1、22、23、24、29、35、37、40、4
1、43、5、49、55、180 C.I.リアクティブバイオレット1、3、4、5、
6、7、8、9、16、17、22、23、24、2
6、27、33、34、 C.I.リアクティブブルー2、3、5、8、10、1
3、14、15、17、18、19、21、25、2
6、27、28、29、38、 C.I.ベーシックイエロー1、2、4、11、13、
14、15、19、21、23、24、25、28、2
9、32、36、39、40、 C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、1
8、22、23、24、25、27、29、35、3
6、38、39、45、46、 C.I.ベーシックバイオレット1、2、3、7、1
0、15、16、20、21、25、27、28、3
5、37、39、40、48、 C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、22、
26、41、45、46、47、54、57、60、6
2、65、66、69、71、等が挙げられる。
【0017】これら染料の添加量は、染料の種類、溶媒
成分の種類や添加量などにより影響を受けるが、普通紙
に対し、インク滴で記録面を埋めた場合、例えば、縦7
20DPI(dot per inch)×横720DP
Iの解像度で記録を行う場合には普通紙上のドット径が
約50μmとなるインク吐出量で記録面を埋め尽くした
場合(以下ベタ印字と称する)に、イエローインクは、
反射光学濃度ODy値が、1.0〜1.2、同様にマゼ
ンタインクは、ODm値が1.0〜1.2、シアンイン
クは、ODc値が1.0〜1.2になるように調整する
のが好ましい。また、OD値が1.0〜1.2の範囲
で、各色のOD値を合わせることで、色補正テーブルな
どによる画像処理を行いやすくするというメリットもあ
る。
【0018】普通紙にベタ印字を行った場合の各色のO
D値が1.0未満の場合は、紙上に形成され得る色再現
範囲が不十分となり、高濃度領域において十分な色濃度
が得られないため、全体に白っぽい印象の画質になる。
また、それぞれのOD値が1.2を超える場合には、紙
上のドットが目立ちやすくなるため、低濃度領域におけ
るに粒状性が増し、全体にざらついた印象の画質にな
る。但し、インク吐出量を絞り込んでいけば粒状性は低
くなっていくが、記録ヘッドからの吐出を制御すること
が極めて困難となる。また、染料の種類により非常に目
詰まりしやすくなり、吐出不良の原因にもなる。
【0019】本発明に用いるトリエチレングリコールモ
ノブチルエーテルは、記録紙に対してジエチレングリコ
ールモノブチルエーテルと同等の浸透性・濡れ性を有
し、かつ部材侵食性はより小さい。また、水に対する溶
解安定性の低い下記の式1のアセチレングリコール系界
面活性剤を安定に溶解させ、曇点を大幅に引き上げる効
果を有する。但し、添加量が10wt%を超えても記録
紙への浸透性はほとんど変わらず、かつ、長期間の接触
により部材を侵食しやすくなる可能性が出てくる。ま
た、添加量が7wt%未満では、下記の式1のアセチレ
ングリコール系界面活性剤の溶解性が低下し、吐出が不
安定になりやすく、また、記録紙への浸透効果も小さく
なるため、混色にじみが出やすくなる。従って、トリエ
チレングリコールモノブチルエーテルの添加量は、7〜
10wt%であることが好ましい。
【0020】
【化3】
【0021】本発明に用いられる親水性高沸点低揮発性
溶媒としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレング
リコール、分子量2000以下のポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、1、4−ブタンジオー
ル、1、3−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオー
ル、1、6−ヘキサンジオール、メソエリスリトール、
ペンタエリスリトールなど等の高沸点低揮発性の多価ア
ルコール類が用いられ、その他N−メチル−2−ピロリ
ドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、等の含窒素有機溶剤等の水溶性有機溶剤を印字のに
じみが生じない範囲で添加することが出来る。中でもジ
エチレングリコール、グリセリン等が好ましい。
【0022】これらの親水性高沸点低揮発性溶媒は、目
詰まり防止等のために保湿剤として添加されることは周
知であるが、本発明の必須成分としての最大の効果は、
部材侵食性の緩和にある。特にインクジェット記録装置
の故障等による異常事態発生により記録ヘッド内やイン
ク供給路等において水などの揮発成分が蒸発した場合
に、トリエチレングリコールモノブチルエーテルの部材
浸食性を緩和する。親水性高沸点低揮発性溶媒の添加量
は、トリエチレングリコールモノブチルエーテルに対し
て50wt%以上であることが好ましい。
【0023】上記の式1のアセチレングリコール系界面
活性剤を1wt%を越えて添加した場合、インクの表面
張力が下がりすぎて、インク垂れが発生しやすくなり、
また、メニスカスの回復が遅れ高速応答性が悪くなり、
吐出不良を起こしやすくなる。また、添加量が0.5w
t%未満の場合には、インク供給路内での濡れ性が不足
するため、インク充填不良やインクキャビティ内に気泡
が発生または混入した場合の気泡排出性が低下し、吐出
安定性の低下の原因の一つとなる。従って、上記の式1
のアセチレングリコール系界面活性剤の添加量は、0.
5〜1wt%であることが好ましい。
【0024】また、本発明においてはノズル前面でイン
クが乾燥して詰まることを抑制するために、多くの種類
の糖類を用いることもできる。単糖類および多糖類があ
り、グルコース、マンノース、フルクトース、リボー
ス、キシロース、アラビノース、ラクトース、ガラクト
ース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビ
オース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース
等の他にアルギン酸およびその塩、シクロデキストリン
類、セルロース類を用いることができる。そしてその添
加量は0.05%以上で20%以下がよい。0.05%
未満ではインクがヘッドの先端で乾燥して詰まる目詰ま
り現象を回復させる効果は少なく、20%を超えるとイ
ンクの粘度が上昇して適切な印字ができなくなる。
【0025】一般的な糖類である単糖類および多糖類の
グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キ
シロース、アラビノース、ラクトース、ガラクトース、
アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオー
ス、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の
より好ましい添加量は3〜10%である。アルギン酸お
よびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類はイ
ンクにしたときの粘度が高くなり過ぎない程度の添加量
にする必要がある。
【0026】また、その成分として、防腐剤、酸化防止
剤、導電率調整剤、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力
調整剤、酸素吸収剤、ノズルの目詰まり防止剤等の添加
剤は適宜用いることができる。
【0027】例えば防腐剤・防かび剤として安息香酸ナ
トリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピ
リジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン
酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベ
ンジソチアゾリン−3−オン(ZENECA(株)製の
プロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGX
L、プロキセルXL−2、プロキセルTN)などを添加
してもよい。
【0028】本発明に用いるインクジェット記録方式と
してはピエゾ素子を用いて電気信号を機械信号に変換し
て、記録ヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して
記録紙等に文字や記号を記録する方法、記録ヘッド部分
に貯えたインクを吐出部分に極近い一部を急速に加熱し
て泡を発生させて、その泡による体積膨張で断続的に吐
出して、記録紙等に文字や記号を記録する方法などがあ
る。
【0029】ピエゾ素子を用いた記録ヘッドにおいて、
同一ノズルより複数のドット重量を打ち分ける方法の一
例を説明する。
【0030】前記記録ヘッドの駆動装置は、第1のイン
ク滴を吐出させるための第1の駆動パルスと、第1のイ
ンク滴より大きな第2のインク滴を吐出させるための第
2の駆動パルスとを含んでなる駆動信号発生手段と、記
録画素に対応した一記録周期内で前記各駆動パルスのう
ち少なくとも一つの駆動パルスを選択する駆動パルス選
択手段と、該選択された駆動パルスを含む前記駆動信号
により前記ピエゾ素子を駆動する素子駆動手段とを備え
ている。
【0031】そして、一記録周期内で、大きさの異なる
第1、第2のインク滴に対応した各駆動パルスの内の少
なくとも一つの駆動パルスを選択し、この駆動パルスを
含む駆動信号によりピエゾ素子を駆動する。従って、第
1の駆動パルスに対応して形成される第1のインク滴に
よるドットと、第2の駆動パルスに対応して形成される
第2のインク滴によるドットと、第1および第2のイン
ク滴によるドットとが形成可能であり、少なくともこの
うち二つのドットを使用することで、ドットを形成しな
い、小ドットを形成する、これより大きなドットを形成
するという3値以上の多値化を行うことができる。
【0032】同様に、記録ヘッド部分に貯えたインクを
ノズルに極近い一部を急速に加熱して泡を発生させて、
その泡による体積膨張で吐出を行う記録ヘッドにおい
て、同一ノズルより複数のドット重量を打ち分ける方法
の一例を説明する。
【0033】前記記録ヘッドは、ノズルに極近いインク
流路内に、発熱量の異なる電気−熱変換素子が二つ配置
される。前記記録ヘッドの駆動装置は、第1のインク滴
を吐出させるための第1素子駆動パルスと、第1のイン
ク滴より大きな第2のインク滴を吐出させるための第2
素子駆動パルスを発生させる駆動信号発生手段と、記録
画素に対応して前記素子のうち少なくとも一つを選択す
る駆動素子選択手段を備えている。
【0034】そして、大きさの異なる第1、第2のイン
ク滴に対応した各素子の内の少なくとも一つの素子を選
択し、この素子に対応した駆動パルスにより電気−熱変
換素子がインクを加熱発泡し、その泡による体積膨張で
インクを吐出する。従って、第1素子により形成される
第1のインク滴によるドットと、第2素子により形成さ
れる第2のインク滴によるドットと、第1および第2素
子を同時に駆動することによるドットとが形成可能であ
り、少なくともこのうち二つのドットを使用すること
で、ドットを形成しない、小ドットを形成する、これよ
り大きなドットを形成するという3値以上の多値化を行
うことができる。
【0035】これまで述べた同一ノズルより複数のドッ
ト重量を打ち分ける記録ヘッドによる記録方法によれ
ば、記録ヘッドやインク供給システムの大型化や記録速
度の低下を招くことなく記録紙上の低濃度領域の粒状性
を抑えることが可能となる。しかし、普通紙上の高濃度
領域における発色性はインクに大きく左右される特性で
あるため、記録ヘッドのみで解決できるものではなく、
本発明のインクジェット記録用カラーインクセットを用
いることで、普通紙においても鮮明な画質を得ることが
でき、印字の乾燥性・混色にじみ・部材侵食性等に対し
て優れた特性を得ることができる。
【0036】以下に図面を参照して具体的な実施例を説
明する。
【0037】図1は、本発明の実施に用いるインクジェ
ット記録装置の概略構成を示すものである。記録ヘッド
28は、ピエゾ素子によりインク吐出を行うものを用い
た。インクジェット記録装置22は、紙送りモーター2
3によって記録紙Pを搬送する機構と、キャリッジモー
ター24によってキャリッジ31をプラテン26の軸方
向(主走査方向)に往復させる機構と、キャリッジ31
に搭載された記録ヘッド28を駆動してインクの吐出お
よびドット形成を行う機構と、これらの紙送りモーター
23、キャリッジモーター24、記録ヘッド28、およ
び操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路4
0と、この制御回路40からの信号を受けてピエゾ素子
を駆動する駆動信号を生成するピエゾ素子駆動回路50
とから構成されている。
【0038】キャリッジ31をプラテン26の軸方向に
往復運動させる機構は、プラテン26の軸と並行に架設
されキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34
と、キャリッジモーター24との間に無端の駆動ベルト
36を張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位
置を検出する位置検出センサー39等から構成されてい
る。
【0039】このキャリッジ31には、ブラック(K)
インク用カートリッジ71と、イエロー(Y)、マゼン
タ(M)、シアン(C)の3色のインクを収納したカラ
ーインク用カートリッジ72が搭載可能である。キャリ
ッジ31の下部の記録ヘッド28には、計4色のインク
を吐出するためのノズルが形成されており、キャリッジ
31の底部には、この各色のインクを導く導入管が立設
されている。キャリッジ31に黒インク用カートリッジ
71およびカラーインク用カートリッジ72を上方から
装着すると、各カートリッジに設けられた接続孔に導入
管が挿入され、各インクカートリッジから記録ヘッド2
8へのインクの供給が可能となる。
【0040】図2は、記録ヘッド28におけるノズル
(Nz)の配列を示す説明図である。これらのノズル配
列は、各色ごとにインクを吐出する4組のノズルアレイ
から成っており、64個のノズルNzが一定のノズルピ
ッチkで千鳥足状に配置されている。各ノズルアレイの
主走査方向に直交する方向(副走査方向)の位置は互い
に一致している。なお、各ノズルアレイに含まれる64
個のノズルNzは、千鳥足状に配列されている必要はな
く、一直線上に配置されてもよい。但し、図2に示すよ
うに千鳥足状に配置すれば、製造上、ノズルピッチkを
小さく設定しやすいという利点がある。ノズルNzから
のインクの吐出は、制御回路40およびピエゾ素子駆動
回路50により制御されている。
【0041】図3は、第1と第2の駆動パルスを連続し
て選択した場合に、吐出された大小二つのインク滴が記
録紙P上に着弾する状態を示す模式図である。図示する
ように、第1の駆動パルスに対応した小さなインク滴I
Psと第2の駆動パルスに対応した大きなインク滴IP
mとが、記録紙P上のほぼ同一位置に着弾することによ
り、最も大きなドットが形成される。第1と第2の駆動
パルスを用いて2種類のインク滴を形成する場合、より
大きなインク滴を吐出する第2の駆動パルスの方がピエ
ゾ素子の変化量も大きくなるため、インク滴IPmがよ
り勢いよく吐出されることになり、飛翔速度も小さいイ
ンク滴IPsより大きい。このようにインク滴の飛翔速
度に差が存在することから、キャリッジ31を主走査方
向に移動しながら、最初に小さなインク滴を吐出し次に
大きなインク滴を吐出した場合、キャリッジの走査速度
と両インク滴の吐出タイミングとを、キャリッジと記録
紙Pとの間の距離に応じて調整すれば、両インク滴をほ
ぼ同じタイミングで記録紙Pに着弾させることができ
る。
【0042】表1は、本発明の実施におけるドット重量
と駆動パルスの関係の一例を表したものである。第1の
駆動パルスに対応したドット重量は3ng(ナノグラ
ム)、第2の駆動パルスに対応したドット重量は11n
g、第1と第2のパルスを連続してインク滴を形成した
場合のドット重量の総和は20ngに成るように調整し
た。第1と第2のパルスを連続してインク滴を形成した
場合のドット重量の総和が、第1および第2の駆動パル
スをそれぞれ単独で吐出させたドット重量の和(3+1
1=14ng)より6ng大きくなることが判る。
【0043】このドット重量の増加は、小さなインク滴
を吐出した後にメニスカスの動きを考慮した所定のタイ
ミングで第2のインク滴を形成していることにより得ら
れている。結果的に最小インク滴のドット重量(3n
g)に対する最大インク滴のドット重量(20ng)の
比率が広がり、実質的に記録ドット径の可変範囲を更に
広くすることが出来ている。記録ドット径の可変範囲が
広くなれば、最大ドットに対して、最小ドットをより小
さくすることができるため、記録紙上の低濃度領域にお
ける粒状性を更に抑えることができる。
【0044】
【表1】
【0045】本発明に用いるインクジェット記録用カラ
ーインクの実施例について以下に説明する。組成比の数
値の単位は、wt%である。
【0046】 <インクセット実施例1> (ブラックインクK) <組成比> ・C.I.ダイレクトブラック154 5 ・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10 ・サーフィノール465(エアプロダクツ(株)製) 1 ・ジエチレングリコール 5 ・グリセリン 10 ・トリエタノールアミン 0.5 ・プロキセルXL−2:防腐剤(ZENECA(株)製) 0.3 ・ベンゾトリアゾール:腐食防止剤(関東化学(株)製) 0.01 ・超純水 68.19 計 100 (イエローインクY) <組成比> ・C.I.ダイレクトイエロー132 3.6 ・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10 ・サーフィノール465(エアプロダクツ(株)製) 1 ・ジエチレングリコール 10 ・グリセリン 10 ・トリエタノールアミン 0.5 ・プロキセルXL−2:防腐剤(ZENECA(株)製) 0.3 ・ベンゾトリアゾール:腐食防止剤(関東化学(株)製) 0.01 ・超純水 64.59 計 100 (マゼンタインクM) <組成比> ・C.I.リアクティブレッド180 3.4 ・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10 ・サーフィノール465(エアプロダクツ(株)製) 1 ・ジエチレングリコール 10 ・グリセリン 10 ・トリエタノールアミン 0.5 ・プロキセルXL−2:防腐剤(ZENECA(株)製) 0.3 ・ベンゾトリアゾール:腐食防止剤(関東化学(株)製) 0.01 ・超純水 64.79 計 100 (シアンインクC) <組成比> ・C.I.ダイレクトブルー199 3.5 ・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10 ・サーフィノール465(エアプロダクツ(株)製) 1 ・ジエチレングリコール 10 ・グリセリン 10 ・トリエタノールアミン 0.5 ・プロキセルXL−2:防腐剤(ZENECA(株)製) 0.3 ・ベンゾトリアゾール:腐食防止剤(関東化学(株)製) 0.01 ・超純水 64.69 計 100 上記組成によれば、後述する評価条件において、Y、
M、Cそれぞれを単色でベタ印字した時の反射光学濃度
(ODy、ODmおよびODc)が1.0〜1.2の範
囲となる。
【0047】<インクセット実施例2>インクセット実
施例1を基にトリエチレングリコールモノブチルエーテ
ルの添加量を7wt%とし、その分を超純水で調整し
た。
【0048】<インクセット実施例3>インクセット実
施例1を基にサーフィノール465(アセチレングリコ
ール系界面活性剤)の添加量を0.5wt%とし、、そ
の分を超純水で調整した。
【0049】<インクセット実施例4>インクセット実
施例2を基にサーフィノール465(アセチレングリコ
ール系界面活性剤)の添加量を0.5wt%とし、、そ
の分を超純水で調整した。
【0050】次に本発明の比較例となるインクジェット
記録用カラーインクの説明をする。
【0051】<インクセット比較例1>インクセット実
施例1を基にトリエテレングリコールモノブチルエーテ
ルの添加量を15wt%とし、、その分を超純水で調整
した。
【0052】<インクセット比較例2>インクセット実
施例1を基にサーフィノール465の添加量を2wt%
とし、、その分を超純水で調整した。
【0053】<インクセット比較例3>インクセット実
施例1を基にトリエテレングリコールモノブチルエーテ
ルの添加量を5wt%とし、、その分を超純水で調整し
た。
【0054】<インクセット比較例4>インクセット比
較例1を基にサーフィノール465の添加量を0.2w
t%とし、、その分を超純水で調整した。
【0055】<インクセット比較例5>インクセット比
較例1を基にグリセリンおよびジエチレングリコールを
それぞれ2wt%とし、、その分を超純水で調整した。
従って、トリエチレングリコールモノブチルエーテルに
対する親水性高沸点低揮発性溶媒の添加量は、50wt
%以下となる。
【0056】<インクセット比較例6>インクセット実
施例1を基に、後述する記録条件によって普通紙にベタ
印字を行い、イエローインク、マゼンタインク、シアン
インクの各色の反射光学濃度(ODy、ODm、OD
c)が、いずれも0.8±0.05となるようにカラー
インクの各染料濃度を調整し、その添加量の変更分を超
純水で調整した。
【0057】<インクセット比較例7>インクセット実
施例1を基に、後述する記録条件によって普通紙にベタ
印字を行い、イエローインクの反射光学濃度(ODy)
が、0.8±0.05となるようにイエローの染料濃度
のみ調整し、その添加量の変更分を超純水で調整した。
マゼンタインクおよびシアンインクは、インクセット実
施例1と同じである。
【0058】<インクセット比較例8>インクセット実
施例1を基に、後述する記録条件によって普通紙にベタ
印字を行い、マゼンタインクの反射光学濃度(ODm)
が、0.8±0.05となるようにマゼンタの染料濃度
のみ調整し、その添加量の変更分を超純水で調整した。
イエローインクおよびシアンインクは、インクセット実
施例1と同じである。
【0059】<インクセット比較例9>インクセット実
施例1を基に、後述する記録条件によって普通紙にベタ
印字を行い、シアンインクの反射光学濃度(ODc)
が、0.8±0.05となるようにシアンの染料濃度の
み調整し、その添加量の変更分を超純水で調整した。マ
イエローインクおよびマゼンタインクは、インクセット
実施例1と同じである。
【0060】<インクセット比較例10>インクセット
実施例1を基に、後述する記録条件によって普通紙にベ
タ印字を行い、イエローインク、マゼンタインク、シア
ンインクの各色の反射光学濃度(ODy、ODm、OD
c)が、いずれも1.3±0.05となるように各染料
濃度を調整し、その添加量の変更分を超純水で調整し
た。
【0061】<インクセット比較例11>インクセット
実施例1を基にトリエテレングリコールモノブチルエー
テルをジエチレングリコールモノブチルエーテルに変更
した。
【0062】<インクセット比較例12>インクセット
実施例1を基にトリエテレングリコールモノブチルエー
テルおよびサーフィノール465を抜き、その分をジエ
チレングリコールで調整した。
【0063】次に本発明の実施における記録方法につい
て説明する。実施例においては、同一ノズルより複数の
ドット重量を打ち分ける記録ヘッドを用いており、表1
に示すように一記録画素に対して4階調の記録が可能な
記録方法により行った。
【0064】以下に共通条件を示す。
【0065】・環境条件:室温25±1℃、湿度50±
5%RH ・記録紙(普通紙):Xerox 4024 DP 20lb(Reorder No.
3R721) ・画像解像度:縦720dpi×横720dpi ・最大ドット重量(インク滴IPsとIPmの総和)の
調整:前記記録紙に対して、表1における第1の駆動パ
ルスおよび第2の駆動パルスともにONとした時の最大
ドット重量(総和)のインク滴によって、平均ドット径
が60±5μmとなるように調整した。計算上ではドッ
ト径が50μmであれば前記解像度で記録紙上を埋める
ことができるが、実際には、使用するインクによって同
じドット重量でも記録紙上でのドット径が異なること、
普通紙の場合にはドット径の大きさが均一に成らずかな
りバラツキがあること、および記録装置の紙送り精度等
の問題があり、記録紙上がきれいに埋まらず白すじが目
立つようになるため、平均ドット径が60±5μmとな
るように最大ドット重量を調整した ・大ドット重量(インク滴IPm)の調整:前記普通紙
に対して、表1における第2の駆動パルスのみONとし
た時のインク滴IPmのドット重量は、画質の滑らかさ
を考慮して、前記最大ドット重量(総和)に対して約5
0wt%となるように調整した。
【0066】・反射光学濃度の測定:前記最大ドット重
量によりベタ印字を行い、サンプルを30±1℃、10
±2%RHで1日乾燥させた後、グレタグ分光光度計
(GRETAG SPM50:GRETAG社製)にて測定した。
【0067】次に、本発明の記録方法の具体的な実施例
および比較例を説明する。
【0068】<記録方法実施例1>表1における駆動パ
ルスとインク重量の関係を基に、各インクに合わせて小
インク滴IPsのドット重量を6ngとし、大インク滴
IPmおよび最大ドット(総和)重量を共通条件におい
て説明したように調整した。
【0069】<記録方法実施例2>表1における駆動パ
ルスとインク重量の関係を基に、各インクに合わせて小
インク滴IPsのドット重量を1ngとし、大インク滴
IPmおよび最大ドット(総和)重量を共通条件におい
て説明したように調整した。
【0070】<記録方法比較例1>表1における駆動パ
ルスとインク重量の関係を基に、各インクに合わせて小
インク滴IPsのドット重量を8ngとし、大インク滴
IPmおよび最大ドット(総和)重量を共通条件におい
て説明したように調整した。
【0071】<記録方法比較例2>表1における駆動パ
ルスとインク重量の関係を基に、各インクに合わせて小
インク滴IPsのドット重量を0.5ngとし、大イン
ク滴IPmおよび最大ドット(総和)重量を共通条件に
おいて説明したように調整した。
【0072】<記録方法比較例3>各インクに合わせて
インク滴IPmのドット重量を前記記録紙に対して、平
均ドット径が60±5μmとなるように調整した。そし
て、このインク滴IPmのみにて画像形成を行った。
【0073】<記録方法比較例4>各インクに合わせて
インク滴IPsのドット重量を6ngとし、このインク
滴IPsのみにて画像形成を行った。
【0074】続いて、評価項目について説明する。各評
価結果の分類は、ベストのものを10ポイント、ワース
トのものを1ポイントとし、10段階評価を行った。
【0075】<混色にじみ>記録ヘッドの主走査方向に
対して、任意の色が隣接する形でベタ印字を行い、色境
界のにじみを目視で観察した。表2に各インクセットと
記録方法の組み合わせによる評価ポイントを示す。この
評価結果から判断して、インクセット比較例12は評価
に値しないと判断し、その他の評価は省略した。
【0076】
【表2】
【0077】<速乾性>ベタ印字を行い、印字終了後す
ぐに記録紙を印字面に重ね上から手で擦りつけて、イン
クが転写するかどうかを確認した。今回評価した各イン
クセットと記録方法の組み合わせにおいて、いずれの場
合もインク転写はなく問題ないレベルであった。従っ
て、いずれも10ポイントとした。
【0078】<部材侵食性>インクの接触する可能性の
あるヘッド部材、インク供給部材および廃液部材をイン
クに浸し、密閉状態のものと開放状態のものをそれぞれ
40℃1ヶ月放置した後、重量変化、外観観察およびイ
ンク中への異物発生の有無を評価した。表3に各インク
セットの評価ポイントを示す。
【0079】
【表3】
【0080】<低濃度領域の粒状性>高精細カラーデジ
タル標準画像データ(ISO/JIS−SCID JI
SX 9201準拠 JSA−00001)のサンプル
番号5(自転車)およびサンプル番号14(カラーチャ
ート)を印字し、低濃度領域における粒状性を目視で観
察した。表4に各インクセットと記録方法の組み合わせ
による評価ポイントを示す。
【0081】
【表4】
【0082】<高濃度領域の発色性>高精細カラーデジ
タル標準画像データ(ISO/JIS−SCID JI
SX 9201準拠 JSA−00001)のサンプル
番号3(果物かご)およびサンプル番号14(カラーチ
ャート)を印字し、高濃度領域における発色性(鮮明
さ)を目視で観察した。表5に各インクセットと記録方
法の組み合わせによる評価ポイントを示す。
【0083】
【表5】
【0084】<吐出安定性>高精細カラーデジタル標準
画像データ(ISO/JIS−SCID JISX 9
201準拠 JSA−00001)のサンプル番号14
(カラーチャート)を連続100ページ印字し、ドット
の乱れや抜けなどを観察した。表6に各インクセットと
記録方法の組み合わせによる評価ポイントを示す。
【0085】
【表6】
【0086】<印字速度>高精細カラーデジタル標準画
像データ(ISO/JIS−SCID JISX 92
01準拠 JSA−00001)のサンプル番号14
(カラーチャート)を連続10ページ印字し、所要時間
を測定した。表7に各インクセットと記録方法の組み合
わせによる評価ポイントを示す。
【0087】
【表7】
【0088】また、表8に各組み合わせにおける各評価
のトータルポイントを示す。
【0089】
【表8】
【0090】本発明によるインクジェット記録用カラー
インクセットと記録方法の組み合わせによれば、インク
ジェット記録に要求される様々な特性に対して優れた結
果が得られる。また、比較例との組み合わせにおいても
トータル的には、本発明によるインクジェット記録用カ
ラーインクセットと記録方法の組み合わせに近いポイン
トのものもあるが、いずれかの評価項目において低い結
果があり、バランスの崩れたものとなっている。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるイン
クジェット記録用カラーインクセットと記録方法の組み
合わせによれば、印字の乾燥性に優れ、混色にじみが少
なく、部材侵食性を抑え、記録ヘッドやインク供給シス
テムの大型化や記録速度の低下を招くことなく記録紙上
の低濃度領域の粒状性を抑え、普通紙においても鮮明な
画質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いるインクジェット記録装置
の概略構成図である。
【図2】本発明の実施に用いる記録ヘッドにおけるノズ
ルの並びを例示する説明図である。
【図3】本発明の実施において、吐出された大小二つの
インク滴が記録紙P上に着弾する状態を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
22 インクジェット記録装置 23 紙送りモーター 24 キャリッジモーター 26 プラテン 28 記録ヘッド 31 キャリッジ 32 操作パネル 34 摺動軸 36 駆動ベルト 38 プーリ 39 位置検出センサー 40 制御回路 50 ピエゾ素子駆動回路 71 ブラックインク用カートリッジ 72 カラーインク用カートリッジ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも水、染料、親水性高沸点低揮
    発性溶媒、トリエチレングリコールモノブチルエーテル
    7〜10wt%、および下記の式1のアセチレングリコ
    ール系界面活性剤を0.5〜1wt%含み、普通紙に単
    色でベタ印字した時の反射光学濃度(ODy、ODmお
    よびODc)が1.0〜1.2である、イエロー、マゼ
    ンタおよびシアンインクからなるインクセットを用い、 同一ノズルより複数のドット重量を打ち分けることので
    きる記録ヘッドにより印字を行うことを特徴とするイン
    クジェット記録方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 親水性高沸点低揮発性溶剤の添加量がト
    リエチレングリコールモノブチルエーテルに対して50
    wt%以上であることを特徴とする請求項1記載のイン
    クジェット記録方法。
  3. 【請求項3】 同一ノズルより複数のドット重量を打ち
    分けることのできる記録ヘッドにおいて、最小ドット重
    量が、1〜6ngであることを特徴とする請求項1また
    は2記載のインクジェット記録方法。
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