JP2000219685A - クロメン化合物 - Google Patents
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Abstract
く、さらに良好なフォトクロミック性の耐久性を有する
フォトクロミック化合物。 【解決手段】 基本構造としてナフトピラン環の5位に
結合する基が分岐状のアルキル基である例えば下記式で
示されるような新規なクロメン化合物。 【化1】
Description
銀灯の光のような紫外線を含む光の照射で赤紫色〜青色
系の色調に着色した形態に変化し、その変化が可逆的で
優れた退色速度を示し、さらに劣化時の着色が少なくフ
ォトクロミック性の耐久性が優れた新規なクロメン化合
物に関する。
されてきた現象であって、ある化合物に太陽光あるいは
水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射すると速やか
に色が変わり、光の照射をやめて暗所におくと元の色に
戻る可逆作用のことである。この性質を有する化合物は
フォトクロミック化合物と呼ばれ、従来から色々な化合
物が合成されてきたが、その構造には特別な共通性は認
められない。
には、下記式(A)で示されるクロメン化合物が開示さ
れている。
れているものの依然遅く、さらに劣化したときの着色が
大きい。
/04937には、下記式(B)なる化合物が開示され
ている。
/42663には、下記式(C)なる化合物が開示され
ている。
色速度は改良されているものの、まだ十分とは言えな
い。
/42695には、下記式(D)なる化合物が開示され
ている。
の退色速度であって、まだ十分とは言えない。
の点で、今ひとつ満足のいくものではなかった。
は、上記した化合物に比べフォトクロミック特性をさら
に向上させ、退色速度が速く且つ劣化時の着色が少な
く、さらにフォトクロミック性の耐久性に優れたクロメ
ン化合物を提供することにある。
成するために提案されたもので、本発明の新規なクロメ
ン化合物の退色速度が速く且つ劣化時の着色が少なく、
さらにフォトクロミック性の耐久性に優れるという本発
明者らによって得られた知見に基づいて完成されたもの
である。
岐状のアルキル基であり、R2は、アルキル基、アルコ
キシ基、アラルコキシ基、アラルキル基、置換アミノ
基、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とナフ
トピラン環とが結合している置換もしくは非置換の複素
環基又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族
複素環が縮合した縮合複素環基、シアノ基、置換もしく
は非置換のアリール基またはハロゲン原子であり、aは
0〜3の整数であり、R3、R4は、お互いが異なってい
てもよい、置換もしくは非置換のアリール基であり、R
3、R4の少なくとも一つは置換アミノ基、窒素原子をヘ
テロ原子として有し該窒素原子とアリール基とが結合し
ている置換もしくは非置換の複素環基又は該複素環基に
芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合
複素環基を置換基として有するアリール基である。〕で
示されるクロメン化合物。
クロメン化合物よりなるフォトクロミック材である。
は炭素数1〜10の分岐状のアルキル基である。中でも
炭素数3〜5の分岐状アルキル基が退色速度の観点から
好ましい。好適な分岐状のアルキル基としては、イソプ
ロピル基、t-ブチル基、イソブチル基、1,1−ジメチ
ルペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができ
る。中でも合成の容易さから、イソプロピル基、t−ブ
チル基、ネオペンチル基が特に好ましい。
キル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、アラルキル
基、置換アミノ基、窒素原子をヘテロ原子として有し該
窒素原子とナフトピラン環とが結合している置換もしく
は非置換の複素環基又は該複素環基に芳香族炭化水素環
もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基、シアノ
基、置換または非置換のアリール基またはハロゲン原子
である。アルキル基としては、特に制限はされないが、
一般的には炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。好適
なアルキル基を例示すると、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−
ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。アル
コキシ基は特に制限されないが、一般的には炭素数1〜
5のアルコキシ基が好ましい。好適なアルコキシ基を具
体的に例示すると、メトキシ基、エトキシ基、n−プロ
ポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、 se
c−ブトキシ基、t−ブトキシ基等を挙げることができ
る。アラルコキシ基としては、特に限定されないが、炭
素数6〜10のアラルコキシ基が好ましい。好適なアラ
ルコキシ基を具体的に例示すると、フェノキシ基、ナフ
トキシ基等を挙げることができる。アラルキル基は特に
制限されないが、一般的には炭素数7〜11のアラルキ
ル基が好ましい。好適なアラルキル基を例示すると、ベ
ンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フ
ェニルブチル基等を挙げることができる。置換アミノ基
としては、特に限定されないが、アルキルアミノ基、ジ
アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミ
ノ基が好ましい。好適な置換アミノ基を具体的に例示す
ると、メチルアミノ基、エチルアミノ基、フェニルアミ
ノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニ
ルアミノ基、等を挙げることができる。窒素原子をヘテ
ロ原子として有し該窒素原子とナフトピラン環とが結合
している置換もしくは非置換の複素環基又は該複素環基
に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮
合複素環基としては、特に制限されないが、該複素環基
を構成する炭素原子の数は一般的には2〜10、好まし
くは2〜6である。環内にはナフトピラン環と結合して
いる窒素原子の他に更にヘテロ原子が存在していてもよ
く、該ヘテロ原子は特に限定されないが、酸素原子、硫
黄原子、窒素原子等が好適である。好適な窒素原子をヘ
テロ原子として有し該窒素原子とナフトピラン環とが結
合している置換もしくは非置換の複素環基又は該複素環
基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した
縮合複素環基を具体的に例示すると、モルホリノ基、ピ
ペリジノ基、ピロリジニル基、ピペラジノ基、N−メチ
ルピペラジノ基、インドリニル基等を挙げることができ
る。上記のアリール基は特に制限されないが、一般的に
は炭素数6〜10のアリール基が好ましい。好適なアリ
ール基を例示すると、フェニル基、ナフチル基等を挙げ
ることができる。またアリール基の置換基としては、R
2として説明したのと同様のアルキル基、アルコキシ
基、アリール基、アラルキル基、置換アミノ基、窒素原
子をヘテロ原子として有し該窒素原子とナフトピラン環
とが結合している置換もしくは非置換の複素環基又は該
複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮
合した縮合複素環基等を挙げることができる。上記のハ
ロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又
はヨウ素原子を挙げることができる。上述のR2の置換
数を示すaは0〜3の整数である。これらの置換基が結
合する位置はナフトピラン環の7位、8位、9位又は1
0位であれば特に制限されず、その総数も特に限定され
ないが、これらの位置に存在する置換基の総数は、好ま
しくは2以下である。
お互いが異なっていてもよい、置換もしくは非置換のア
リール基である。アリール基としては特に限定されない
が、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。好適なア
リール基を具体的に例示すると、フェニル基、ナフチル
基等を挙げることができる。アリール基の置換基として
は、上述のR2として説明した基と同義の基が適用され
る。好ましい置換基としては、置換アミノ基、窒素原子
をヘテロ原子として有し該窒素原子とアリール基とが結
合している置換もしくは非置換の複素環基又は該複素環
基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した
縮合複素環基、アルコキシ基、アルキル基を挙げること
ができる。置換基が結合する位置は特に限定されず、そ
の総数も特に限定されないが、アリール基がフェニル基
である場合は4位に結合するのが好ましい。
置換アミノ基、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素
原子とアリール基とが結合している置換もしくは非置換
の複素環基又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは
芳香族複素環が縮合した縮合複素環基を置換基として有
するアリール基である。該アリール基としては特に制限
されないが、一般的には炭素数6〜10のアリール基が
好ましい。好適なアリール基を例示すると、フェニル
基、ナフチル基等を挙げることができ、特にフェニル基
が好適である。該置換基が置換する位置は特に限定され
ず、その総数も特に限定されないが、置換位置はアリー
ル基がフェニル基であるときは3位または4位に置換さ
れることが好ましく、その数は1であることが好まし
い。置換アミノ基、窒素原子をヘテロ原子として有し該
窒素原子とアリール基とが結合している置換もしくは非
置換の複素環基又は該複素環基に芳香族炭化水素環もし
くは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基を置換基とし
て有するアリール基において好適なものを具体的に例示
すると、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル基、
4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル基、4−
(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル基、4−モルホ
リノフェニル基、4−ピペリジノフェニル基、3−
(N,Nジメチルアミノ)フェニル基等をあげることが
できる。
下記式(2)
状のアルキル基であり、R6は、アルキル基、アルコキ
シ基、アラルコキシ基、アラルキル基、置換アミノ基、
窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とナフトピ
ラン環とが結合している置換もしくは非置換の複素環基
又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素
環が縮合した縮合複素環基、シアノ基、置換もしくは非
置換のアリール基またはハロゲン原子であり、R7は、
置換もしくは非置換のアリール基であり、R8は、置換
アミノ基、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子
とフェニル基とが結合している置換もしくは非置換の複
素環基又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香
族複素環が縮合した縮合複素環基であり、フェニル基の
3位または4位で置換されている。〕で示されるクロメ
ン化合物であり、具体的に例示すれば、次のような化合
物を挙げることができる。
ホリノフェニル)−2−フェニル−2H−ベンゾ(h)
クロメン 2)5−イソプロピル−2−(4’−N,N−ジメチル
アミノフェニル)−2−フェニル−2H−ベンゾ(h)
クロメン 3)5−イソプロピル−2−ユーロリジノ−2−フェニ
ル−2H−ベンゾ(h)クロメン 4)5−イソプロピル−2,2−ビス(4’−N,N−
ジメチルアミノフェニル)−2H−ベンゾ(h)クロメ
ン 5)5−イソプロピル−2−(4’−N,N−ジメチル
アミノフェニル)−2−(4”−モルホリノフェニル)
−2H−ベンゾ(h)クロメン 6)5−イソプロピル−2−ユーロリジノ−2−(4’
−モルホリノフェニル)−2H−ベンゾ(h)クロメン 7)5−イソプロピル−9−メトキシ−2−(4’−
N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−フェニル−2
H−ベンゾ(h)クロメン 8)5−イソプロピル−7−メトキシ−2−(4’−
N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−フェニル−2
H−ベンゾ(h)クロメン 9)5−イソプロピル−9−メトキシ−2−(4’−
N,N−ジメチルアミノフェニル)−2(4’−モルホ
リノフェニル)−2H−ベンゾ(h)クロメン 10)5−イソプロピル−9−モルホリノ−2−(4’
−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−フェニル−
2H−ベンゾ(h)クロメン 11)5−イソプロピル−9−メトキシ−2、2−ビス
(4’−N,N−ジフェニルアミノフェニル)−2H−
ベンゾ(h)クロメン 12)5−イソプロピル−2−(3’−N,N−ジメチ
ルアミノフェニル)−2−フェニル−2H−ベンゾ
(h)クロメン本発明の前記一般式(1)で示される化
合物は、一般に常温常圧で無色、あるいは淡黄色の固体
または粘稠な液体として存在し、次の(イ)〜(ハ)の
ような手段で確認できる。
H−NMR)を測定することにより、δ5.9〜9.0
ppm付近にアロマティックなプロトン及びアルケンの
プロトンに基づくピーク、δ1.0〜4.0ppm付近
にアルキル基及びアルキレン基のプロトンに基づくピー
クが現れる。また、それぞれのスペクトル強度を相対的
に比較することにより、それぞれの結合基のプロトンの
個数を知ることができる。
組成を決定することができる。
−NMR)を測定することにより、δ110〜160p
pm付近に芳香族炭化水素基の炭素に基づくピーク、δ
80〜140ppm付近にアルケンの炭素に基づくピー
ク、δ20〜80付近にアルキル基及びアルキレン基の
炭素に基づくピークが現われる。
化合物の製造方法は、特に限定されず如何なる合成法に
よって得ても良い。一般に好適に採用される代表的な方
法を以下に説明する。
における定義と同義である。)で示されるナフトール誘
導体と一般式(4)
定義と同義である。)で示されるプロパギルアルコール
誘導体を酸触媒存在下で反応させる方法である。
法は特に限定されない。上記一般式(3)で示されるナ
フトール誘導体は、例えば、o−ブロモアセトフェノン
とアルキン誘導体を10〜160℃で10分〜2時間反
応させた後、−78℃でポタジウムヘキサメチルジシラ
ジド(KHMDS)を添加し、75℃で30分〜2時間
加熱することにより合成できる。この時、o−ブロモア
セトフェノンの2位,3位,4位,5位に置換基を有す
るo−ブロモアセトフェノンを使用した場合にはそれぞ
れナフトピラン環の10位、9位、8位、7位に置換基
を有するクロメン化合物が合成可能である。また上記一
般式(4)で示されるプロパギルアルコール誘導体は、
例えば、上記一般式(4)に対応するケトン誘導体とリ
チウムアセチリド等の金属アセチレン化合物と反応させ
ることにより合成できる。
式(4)で示される化合物との反応で示される化合物と
の反応は、次のようにして行なわれる。すなわち、これ
らの2種の化合物の反応比率は、広い範囲から採用され
るが、一般には1:10〜10:1(モル比)の範囲か
ら選択される。また、酸触媒としては硫酸、ベンゼンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酸性アルミナ等が
用いられ、上記一般式(3)と(4)で表される反応基
質の総和に対して0.1〜10重量部の範囲で用いられ
る。反応温度は、通常0〜200℃が好ましく、溶媒と
しては、非プロトン性有機溶媒、例えば、N−メチルピ
ロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラ
ン、ベンゼン、トルエン等が使用される。
い。例えば、シリカゲルカラム精製を行い、さらに再結
晶により、生成物の精製を行こうことができる。
メン化合物は、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロ
フラン等の一般の有機溶媒によく溶ける。このような溶
媒に一般式(1)で示されるクロメン化合物を溶かした
とき、一般に溶液はほぼ無色透明であり、太陽光あるい
は紫外線を照射すると速やかに発色し、光を遮断すると
速やかに元の無色にもどる良好な可逆的なフォトクロミ
ック作用を呈する。
フォトクロミック作用は、高分子固体マトリックス中で
も同様な特性を示す。かかる対象となる高分子固体マト
リックスとしては、本発明の一般式(1)で示されるク
ロメン化合物が均一に分散するものであればよく、光学
的に好ましくは、例えばポリアクリル酸メチル、ポリア
クリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタク
リル酸エチル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、
ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリ(2
−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリジメチルシ
ロキサン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を挙げる
ことができる。
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリ
コールジメタクリレート、エチレングリコールビスグリ
シジルメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレ
ート、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロ
モー4ーメタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロ
パン等の多価アクリル酸及び多価メタクリル酸エステル
化合物;ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレー
ト、ジアリルイソフタレート、酒石酸ジアリル、エポキ
シこはく酸ジアリル、ジアリルフマレート、クロレンド
酸ジアリル、ヘキサフタル酸ジアリル、ジアリルカーボ
ネート、アリルジグリコールカーボネート、トリメチロ
ールプロパントリアリルカーボネート等の多価アリル化
合物;1,2−ビス(メタクリロイルチオ)エタン、ビ
ス(2−アクリロイルチオエチル)エーテル、1,4−
ビス(メタクリロイルチオメチル)ベンゼン等の多価チ
オアクリル酸及び多価チオメタクリル酸エステル化合
物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、β−メチルグリシジルメタクリレート、ビスフェノ
ールA−モノグリシジルエーテル−メタクリレート、4
−グリシジルオキシメタクリレート、3−(グリシジル
−2−オキシエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピ
ルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3
−グリシジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)
−2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のアクリル酸
エステル化合物及びメタクリル酸エステル化合物;ジビ
ニルベンゼン等のラジカル重合性多官能単量体を重合し
てなる熱硬化性樹脂を挙げることができる。
タクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸;ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ベ
ンジル、メタクリル酸フェニル、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート等のアクリル酸及びメタクリル酸エステ
ル化合物;フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等の
フマル酸エステル化合物;メチルチオアクリレート、ベ
ンジルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート
等のチオアクリル酸及びチオメタクリル酸エステル化合
物;スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ビニ
ルナフタレン、α−メチルスチレンダイマー、ブロモス
チレン等のビニル化合物等のラジカル重合性単官能単量
体との共重合体が挙げられる。
化合物を上記高分子固体マトリックス中へ分散させる方
法としては特に制限はなく、一般的な手法を用いること
ができる。例えば、上記熱可塑性樹脂とクロメン化合物
を溶融状態にて混練し、樹脂中に分散させる方法、また
は上記重合性単量体にクロメン化合物を溶解させた後、
重合触媒を加え熱または光にて重合させ樹脂中に分散さ
せる方法、あるいは上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂
の表面にクロメン化合物を染色することにより樹脂中に
分散させる方法等を挙げることができる。
ク材として広範囲に利用でき、例えば、銀塩感光材に代
る各種の記憶材料、複写材料、印刷用感光体、陰極線管
用記憶材料、レーザー用感光材料、ホログラフィー用感
光材料などの種々の記憶材料として利用できる。その
他、本発明のクロメン化合物を用いたフォトクロミック
材は、フォトクロミックレンズ材料、光学フィルター材
料、ディスプレイ材料、光量計、装飾などの材料として
も利用できる。例えば、フォトクロミックレンズに使用
する場合には、均一な調光性能が得られる方法であれば
特に制限がなく、具体的に例示するならば、本発明のフ
ォトクロミック材を均一に分散してなるポリマーフィル
ムをレンズ中にサンドウイッチする方法、あるいは、本
発明のクロメン化合物を前記の重合性単量体中に分散さ
せ、所定の手法により重合する方法、あるいは、この化
合物を例えばシリコーンオイル中に溶解して150〜2
00℃で10〜60分かけてレンズ表面に含浸させ、さ
らにその表面を硬化性物質で被覆し、フォトクロミック
レンズにする方法などがある。さらに、上記ポリマーフ
ィルムをレンズ表面に塗布し、その表面を硬化性物質で
被覆し、フォトクロミックレンズにする方法などもあ
る。
は高分子固体マトリックス中で速い退色速度を示し且つ
劣化時の着色が少なくフォトクロミック性の耐久性がよ
い。例えば、本発明のクロメン化合物を用いたフォトク
ロミックレンズは、屋外から室内に戻った時にすばやく
元の色調に戻り、さらに長時間使用したときでも劣化に
伴う着色は少なく良好な耐久性を示す。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
プロパギルアルコール誘導体
ン50mlに溶解し、さらにp−トルエンスルホン酸を
0.05g加えて1時間還流した。反応後、溶媒を除去
し、シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製す
ることにより、淡黄色粉末状の生成物0.37gを得
た。収率は15%であった。
%、H6.79%、N3.01%、O6.91%であっ
て、C32H31NO2の計算値であるC83.26
%、H6.77%、N3.03%、O6.93%に極め
てよく一致した。
定したところ、図1に示すように、δ1.2ppm付近
にイソプロピル基のメチルプロトンに基づく6Hのピー
ク、δ3.3ppm付近にイソプロピル基のメチンプロ
トンに基づく1Hのピーク、δ3.0〜3.2、δ3.
7〜3.8ppm付近にモルホリノ基のメチレンプロト
ンに基づくピーク、δ6.0〜8.4ppm付近にアロ
マティックなプロトン及びアルケンのプロトンに基づく
16Hのピークを示した。
したところ、δ110〜160ppm付近に芳香環の炭
素に基づくピーク、δ80〜140ppm付近にアルケ
ンの炭素に基づくピーク、δ20〜60ppmにアルキ
ルの炭素に基づくピークを示した。
(5)で示される化合物であることを確認した。
成した。得られた生成物について、実施例1と同様な構
造確認の手段を用いて構造解析した結果、表1に示す構
造式で示される化合物であることを確認した。また、表
2にこれらの化合物の元素分析値、各化合物の構造式か
ら求めた計算値及び1H−NMRスペクトルの特徴的な
スペクトルを示した。
エチレングリコールジメタクリレート70部、トリエチ
レングリコールジメタクリレート15部、グリシジルメ
タクリレート10部、2−ヒドロエチルメタクリレート
5部に添加し十分に混合した。この混合液をガラス板と
エチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケットで構
成された鋳型の中に注入し、注型重合を行った。重合は
空気炉を用い、30℃〜90℃まで18時間かけ徐々に
温度を上げていき、90℃で2時間保持した。重合終了
後、重合体を鋳型のガラス型から取り外した。
トニクス製のキセノンランプL−2480(300W)
SHL−100をエアロマスフィルター(コーニング社
製)を介して20℃±1℃、重合体表面でのビーム強度
365nm=2.4mW/cm2,245nm=24μ
W/cm2で120秒間照射して発色させ、フォトクロ
ミック特性を測定した。フォトクロミック特性は次のよ
うなもので表した。
電子工業製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォト
ディテクターMCPD1000)によりこの重合体の発
色後のλmaxを求めた。
長での未照射状態の重合体の吸光度。
(0) ・ε(120):最大吸収波長における、この重合体の
上記条件下での照射120秒間後の吸光度。
間照射後、この重合体の吸光度が〔ε(120)−ε
(0)〕の1/2まで低下するのに要する時間。
得られた重合体をスガ試験器(株)製キセノンウェザー
メーターX25により200時間促進劣化させた。劣化
前後のフォトクロミック性の評価方法としては、前受注
の発色濃度の評価を劣化の前後で行い、初期の発色濃度
(A0)および促進実験200時間後の発色濃度
(A2 00)を測定し、耐久性を下記のように表した。
(株)製の色差計(SM−4)で色差を測定し、劣化前
の着色度をYI(0)、劣化後の着色度をYI(20
0)で、そして劣化に伴う着色変化度を△YIで表し、
劣化時の着色とした。
以上の結果を表3に示した。
し24で得られた化合物を用いた以外は、上記と同様に
してフォトクロミック重合体を得、その特性を表3に示
した。
(B)、(C)、(D)及び(E)
てフォトクロミック重合体を得、その特性を表4に示し
た。
は退色速度が遅く、劣化時の着色も多い。また、比較例
2、3及び5のフォトクロミック重合体は劣化時の着色
は少ないが、退色速度が遅い。これに対し、本発明のク
ロメン化合物を用いた実施例25〜48では、フォトク
ロミック重合体は、退色速度が速く、且つ劣化時の着色
が少なく、さらにフォトクロミック性の耐久性がよい。
クトルである。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 〔式(1)中、R1は炭素数1〜10の分岐状のアルキ
ル基であり、R2は、アルキル基、アルコキシ基、アラ
ルコキシ基、アラルキル基、置換アミノ基、窒素原子を
ヘテロ原子として有し該窒素原子とナフトピラン環とが
結合している置換もしくは非置換の複素環基又は該複素
環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合し
た縮合複素環基、シアノ基、置換もしくは非置換のアリ
ール基またはハロゲン原子であり、aは0〜3の整数で
あり、R3、R4は、お互いが異なっていてもよい、置換
もしくは非置換のアリール基であり、R3、R4の少なく
とも一つは置換アミノ基、窒素原子をヘテロ原子として
有し該窒素原子とアリール基とが結合している置換もし
くは非置換の複素環基又は該複素環基に芳香族炭化水素
環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基を置換
基として有するアリール基である。〕で示されるクロメ
ン化合物。 - 【請求項2】 一般式(1)中のR3が置換アミノ基、
窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とフェニル
基とが結合している置換もしくは非置換の複素環基又は
該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が
縮合した縮合複素環基を置換基として有するフェニル基
である請求項1記載のクロメン化合物。 - 【請求項3】 請求項1記載のクロメン化合物からなる
フォトクロミック材。 - 【請求項4】 請求項1記載のクロメン化合物を含有し
てなるフォトクロミック光学材料。
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