JP2000217315A - 巻線装置 - Google Patents

巻線装置

Info

Publication number
JP2000217315A
JP2000217315A JP11013051A JP1305199A JP2000217315A JP 2000217315 A JP2000217315 A JP 2000217315A JP 11013051 A JP11013051 A JP 11013051A JP 1305199 A JP1305199 A JP 1305199A JP 2000217315 A JP2000217315 A JP 2000217315A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
row
wire
winding
wound
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11013051A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Miyazaki
寛 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP11013051A priority Critical patent/JP2000217315A/ja
Publication of JP2000217315A publication Critical patent/JP2000217315A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coil Winding Methods And Apparatuses (AREA)
  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 整列コイルの素線の整列状態を良好にする。 【解決手段】 巻枠28の被巻線部に素線12を整列し
て巻き付けて、被巻線部に対応する形状のコイルをつく
る。列替成形手段としての列替プレス装置22は、被巻
線部に巻かれたときに列から列へ移る列替え位置となる
素線12上の部位に、段違上の列替部を形成する。成行
任せに素線を列替えさせるのではなく、素線を成形して
段違状の列替部をつくっているので、巻付けテンション
力などの影響が減り、素線がきれいに整列する。素線が
巻かれる前に列替部を形成することも、素線が巻かれる
ときに形成することも好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は素線を被巻線部に巻
き付けてコイルをつくる巻線装置に関し、特に、巻き付
けられる素線の整列性の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】モータ用コイルの一つとして周知の集中
巻コイルは、モータの1つのティースに素線(コイル
線)が巻き回されるコイルであり、すなわち、隣り合う
2つのスロットに跨って配設されるコイルであって、例
えば、特開平9−308142号公報に開示されてい
る。
【0003】モータ性能向上の要求に応えるためには、
整列タイプの集中巻コイルが有効である。素線が整列す
るように平行に巻き回され、1つの巻層が形成される。
巻層の終わりでは素線が次の層に移り、反対方向に列が
進むように素線が巻き回される。整列巻が繰り返され、
複数列・複数層のコイルが形成される。そして、素線と
しては平角線を用いることが好ましい。平角線は略四角
形の断面形状を有しており、平角線を隙間なく整列させ
ることでモータ占積率を向上できる。占積率とは、スロ
ット断面積に対する素線占有面積の比であり、占積率の
増大によりモータ性能の向上が図れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の比較的単純なあ
るいは細い線を使ったタイプのコイルでは、素線が列か
ら列へ移り、層から層へ移る部分の形状に特に配慮せず
とも支障はなく、従って素線の巻き付けは成行き任せで
行われていた。ところが、同様の手法で太い平角線を使
った整列タイプの集中巻コイルを製造すると、素線が良
好に整列しないことがある。
【0005】素線の整列性の向上のために、(i)素線の
トラバース送りをNC制御することや、(ii)特開平7−
183152号公報に開示されるように巻付後の線ずれ
をローラで規制することが考えられる。しかし、電気自
動車やハイブリッド自動車のモータに使われるような集
中巻コイルをつくる場合には十分な整列能力を得ること
は困難である。
【0006】図34の従来例を参照すると、巻枠201
は両端にフランジ202を有する。一方のフランジ20
2に素線203のリード部204をひっかけ、巻枠20
1を回転する。巻枠201が1回転するたびに1回、素
線を導くトラバースガイド205がトラバース方向に1
ピッチ(=素線幅)移動する。トラバース方向とは、素
線の列が進む方向であり、すなわち巻枠の回転軸方向で
ある。ガイド205は、1回転に1度、図示の列替位置
への巻き付けが行われるときに短時間で移動する。以上
の動作が繰り返され、整列コイルの第1層がつくられ
る。そして、コイルの端部で素線が2重に巻かれ、第2
層以降も同様に形成される。
【0007】しかし、図34に示されるように、従来技
術では、列替位置で素線203同士の乗り上げが生じた
り、素線203とフランジ202の間に図示のスリップ
隙間が生じる。同様のスリップ隙間は、2列目以降でも
素線間に生じ得る。スリップ隙間が累積し、巻層の反対
側で最終列の素線203を巻き付けられない(乗り上
げ)、といった事態が生じ得る。
【0008】上記の図34の例では、コイル巻テンショ
ンと素線トラバースフィードによって起こる素線同士の
競り合いの成行き任せの結果としてコイルが形成され
る。そのため、(i)強いテンション力により既に巻かれ
た素線が引っ張られ、ずれてしまい、(ii)また、巻終り
でテンション力を抜いたときに、スプリングバック作用
でコイルの変形、崩れが比較的大きく、(iii)さらには
素線のずれにより、エナメル等の絶縁被膜の損傷という
弊害も生じ得る。
【0009】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、素線を適切に整列させられる巻線装
置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、素線を被巻線部に整列して巻き付けて、
前記被巻線部に対応する形状のコイルをつくる巻線装置
において、前記被巻線部に巻かれたときに列から列へ移
る列替え位置となる素線上の部位に段違状の列替部を形
成する列替形成手段を含むことを特徴とする。
【0011】本発明によれば、強いテンションでもって
成行任せに素線を列替えさせるのではなく、列替形成手
段が積極的に素線を変形して段違状の列替部をつくって
やるので、テンション力などの影響を低減し、素線の整
列性を向上することができる。
【0012】好ましくは、列替形成手段は、素線が前記
被巻線部に巻かれる前に前記列替部を形成する。また好
ましくは、列替形成手段は、素線が前記被巻線部に巻か
れるときに前記列替部を形成する。前者は、被巻線部に
到達するよりも前に列替部の形成を終えておくので、被
巻線部に対する素線の巻き付けが容易である。一方、後
者は、被巻線部において列替部の形成を行うので、列替
部の位置が正確になり、従って整列性のさらなる向上が
図れる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
(実施形態)の集中巻コイルおよび巻線製造装置につい
て図面を参照して説明する。
【0014】「実施形態1」まず、図1を参照し、本実
施形態の巻線装置が製造するコイルの構成を説明する。
コイル1は、モータのステータに組み付けるためのもの
である。コイル1は、全体としては長方形の形状を有し
ており、その長辺に相当するスロット装着部3a、3b
がモータのステータスロットに挿入され、長方形の短辺
に相当するコイルエンド部5a、5bはステータの両端
から突出する。コイル1は、所定の回数だけ巻かれた1
本の素線からなり、素線はエナメル絶縁皮膜で覆われて
いる。素線は、リード部7から始まり、列状に第1層を
作る。第1層の最終列の上に、第2層の第1列が乗り上
げ、第2層が始まる。このようにして、コイル軸X方向
にコイル線が往復し、複数列・複数層のコイルが形成さ
れている。例えば、好適なコイルの一例においては、平
角素線の寸法(幅×厚さ)が約2mm×約1.6mm、
列数が7、層数(段数)が10である。
【0015】モータ占積率を大きくするため、素線は全
周において螺旋状には巻かれていない。スロット装着部
3a、3bおよび一方のコイルエンド部5bでは、素線
がコイル軸Xと直角方向に延び、互いに平行に並んでい
る。そして、もう一方のコイルエンド部5a(リード部
7がある方)にて、素線の列替えおよび層替えが行われ
る(図1(a)参照)。すなわち、コイルエンド部5a
に設定されたクロスオーバー部において、素線は、ちょ
うど自動車がレーンチェンジするように一の列から隣の
列に移り、また、コイルの両側面、即ち、リード部7お
よび9のある面ではこのクロスオーバー部においてコイ
ル線が下側の層から上側の層に移る。
【0016】図2には、本実施形態の巻線装置の全体構
成が示されている。ワイヤボビン10は回転可能に設け
られており、丸断面を有する素線12が巻き付けられて
いる。
【0017】ワイヤボビン10から引き出された素線1
2は圧延装置14に達する。圧延装置14には、素線1
2の通り道を挟んで一対の幅圧延ローラ16が設けられ
ている。幅圧延ローラ16と直角方向に、やはり素線1
2の通り道を挟んで一対の厚み圧延ローラ18が設けら
れている。丸断面を有する素線12は4つのローラ1
6,18が形成する四角い隙間を通り抜ける。素線12
がローラにより押しつぶされ、その結果、ローラの隙間
に応じた幅および厚さをもつ平角線が形成される。
【0018】平角成形後の素線12は、回転可能に設け
られたガイドローラ20へ導かれる。ガイドローラ20
は、軸方向に移動可能で、両端の一対のガイドフランジ
20aを用いて適切な方向に素線12を導く。
【0019】ガイドローラ20の先には、列替プレス装
置22が設けられており、これは、本実施形態の特徴的
構成たる列替成形手段の一態様である。同装置の詳細に
ついては後述する。
【0020】列替プレス装置22の後段には、第1主軸
24および第2主軸26を同一軸線上に向き合って有す
る両頭スピンドル装置が設けられている。一方の主軸が
巻枠28をつかんで回転することにより、素線12が巻
枠28に巻き付けられ、コイルが形成される。このと
き、他方の主軸は、整列ツールの一形態としての整列カ
ップ(30または32)をつかんだ状態で同期回転す
る。
【0021】第1主軸24および第2主軸26は、それ
ぞれ相手主軸と対向する側に、素線巻付けの基準になる
基準面24a、26aを有する。基準面24a、26a
は主軸の回転軸に垂直である。そして各基準面の中央部
に雌型のチャック機構24b、26bが設けられてい
て、チャック機構が巻枠または成形カップを把持する。
【0022】次に、図3を参照し、巻枠28の構成を説
明する。巻枠28の被巻線部34(巻型)は、素線12
が巻き付けられる部分であり、回転軸方向からみると略
四角形であって、成形目標のコイルに対応している。被
巻線部34の両側端面には、主軸のチャック機構に把持
される円錐テーパ形状のチャック部36a、38aが突
設されている。さらに、被巻線部34の両側端面から
は、巻枠28と主軸の位置決めを行うための位置決めピ
ン36b、38bが突出している。位置決めピン36
b、38bは、それぞれ第1主軸24および第2主軸2
6の位置決め穴に係合する。
【0023】さらに、被巻線部34の第1主軸側の端部
は、フランジ40により囲まれている。フランジ40と
被巻線部34の段差の高さは、平角素線12の1本の厚
さにほぼ等しい。フランジ40は整列基準面40aを有
し、基準面40aは、第1巻層の整列成形の基準面とし
て用いられる。
【0024】その他、フランジ40の一部分が外側へ突
出し、この突出部42にリード保持溝42aが設けられ
ている。リード保持溝42aには、コイル巻の開始の際
にコイルリード部がひっかけられる。
【0025】次に、図4を参照し、整列ツールとしての
整列カップ30、32(以下、単にカップという)の構
成を説明する。本実施形態では、各巻層毎にすべて異な
るカップが用いられるが、カップは大きく分けて奇数層
用のカップ32と偶数層用のカップ30に分けられる。
【0026】奇数層の巻き付け工程では、第1主軸24
が巻枠28を把持する一方で、第2主軸26が奇数層用
のカップ32を把持する。カップ32は、図4(c)に
示されており、断面が長方形のカップ型形状を有し、十
分な肉厚と剛性をもった部材である。第1層用のカップ
32は、巻枠28の被巻線部34と隙間なく嵌まり合う
形状を有する。第3層、第5層用のカップ32は、それ
ぞれ、第2層、第4層巻き付け終了後のコイルと隙間な
く嵌まり合う形状を有する(以下同様)。言い換えれ
ば、第3層、第5層カップは、それぞれ第1層、第3層
カップよりも素線2本分だけ外側に大きい。カップ底部
には、巻枠28と同様に、第2主軸26のチャック機構
26bに把持されるときに用いられるチャック部32a
および位置決めピン32bが設けられている。また、カ
ップ32は、その口部に、カップ32の回転軸に対して
垂直な整列面44を有する。
【0027】次に、偶数層用のカップ30の構成を説明
する。図4(a)に示すように、偶数層用のカップ30
も、基本的には奇数層用カップ32と同様の構成を有す
る。第2層用のカップは、第1層の巻き付けが終了した
コイルに隙間なく嵌まり合う形状を有する。第4層、第
6層のカップは、それぞれ第3層、第5層の巻き付け終
了後のコイルに嵌まり合う形状を有する。カップ底部に
は、第1主軸24のチャック機構24aに把持されると
きに用いられるチャック部30aおよび位置決めピン3
0bを有する。また、偶数層用のカップ30の口部に
も、奇数層用のカップと同様に、カップ回転軸に垂直な
整列面46が設けられている。
【0028】その他、偶数層用のカップ30には、奇数
層用のカップ32と異なり、巻枠28の突出部42を避
けるための逃げ溝48が設けられている。
【0029】次に、図5を参照してカップ30、32の
機能を説明する。第1層の巻付け準備段階(図5
(a))では、第1主軸24が巻枠28を把持し、第2
主軸26が第1層用のカップ32を把持する。
【0030】図5(b)に示すように、素線の先端リー
ド部が巻枠28にひっかけられ、両主軸24、26が同
期回転し、コイル巻きが開始する。主軸の1回転に一
度、カップ32は第2主軸26によってトラバース方向
に1ピッチ(=素線幅)だけ移動される。トラバース方
向は、素線の列が巻進められる方向であり、すなわち巻
枠の回転軸方向である。このカップ32の動きにより、
順次巻き付けられる素線にカップ32の整列面44が継
続的に当接し、素線は、隙間無くきれいに整列する。
【0031】より詳細には、被巻線部34の列替を行う
べき面に対する素線の巻き付けの際、カップ32とガイ
ドローラがトラバース方向に短時間で1ピッチ移動す
る。被巻線部34の残りの部分(残りの3面)への巻き
付け途中は、カップ32およびガイドローラはトラバー
ス方向には静止している。これにより、毎周同じ位置で
列替わりする図1のコイルが形成される。
【0032】第1層の巻き付けが終わると、第2主軸2
6が所定の待避位置まで待避する(図5(c))。カッ
プ32が第2主軸26から取り外される。
【0033】次に、第2層の巻付け準備段階(図5
(d))に移り、第2主軸26が前進して巻枠28を把
持する。第1主軸24は、巻枠28を離して後退し、そ
れから第2層用のカップ30を把持する。これにより第
2層の巻付け準備が完了する。
【0034】第2層の巻付け工程(図5(e))は、基
本的に第1層の巻付け工程と同様である。第1主軸24
および第2主軸26は同期回転する。巻付け途中のコイ
ルは、第2主軸26の端面(基準面)により右側から支
えられている。第1主軸24が前進すると、既に巻き付
けられた第1層のコイルが、第2層用のカップ30に嵌
まり込む。カップ30の整列面46が第2層の素線に当
接して、素線をきれいに整列させる。第3層以降の巻き
付けは、それぞれ該当するカップを用いて上記と同様の
手順で行われる。所定の層数の巻き付けが終わると、素
線が所定の位置で切断され、集中巻コイルが完成する。
【0035】「本発明の列替部形成」次に、図2に戻
り、本実施形態の特徴である列替プレス装置22につい
て説明する。前述したように、列替プレス装置22は、
両頭スピンドル装置の前段の所定位置に配置されてい
る。列替プレス装置22は、巻き付け前の素線に対し、
前もって列替部の段違形状(図1参照)を形成するため
の装置である。列替プレス装置22は、ガイドローラ2
0とともに横方向に移動可能である。
【0036】列替プレス装置22は、図6に示す1対の
プレス型50、52を有する。プレス型50、52は、
所望の列替部の形状に対応するプレス面50a、52a
を対向して有する。プレス面50a、52aは、互いに
平行な平面からなる第1領域54xおよび第2領域54
yと、両領域54x、54yに挟まれた第3領域54z
を有する。第1領域54xおよび第2領域54yは、素
線1本の幅だけずれている。第3領域54zは、曲率半
径r1、r2の2つの曲面を含み、両曲面がそれぞれ両
側の平坦領域に連続している。そしてこれらの領域によ
り列替部のS字カーブ形状がつくられる。
【0037】なお、列替プレス装置22は、上記のプレ
ス型50、52を2セット備えている。そして、両プレ
ス型セットは、互いに対称な形状を有する。すなわち、
図6に示したプレス型と鏡像関係にあるもう一つのプレ
ス型が備えられている。これは、コイルの奇数層と偶数
層で列替方向が反対になるからである。層が変わる度
に、使用するプレス型セットも取り替えられる。
【0038】図7は、列替部の形成が行われるべき素線
上の部位(列替部位P)を示している。列替部位Pは、
素線が被巻線部に巻かれたときに列替え位置となる素線
上の部位に形成されるべきである。本実施形態では、長
方形の被巻線部における短辺の中央部で列替えが行われ
る。例えば図7(b)の状態においては、巻枠から短辺
の1/2だけ離れた場所に列替部位Pの中心がくるべき
である。
【0039】列替プレス装置22は、プレス型50、5
2を素線の両側の待機位置に配置している。そして、上
記の列替部位Pがきたときに、プレス型50、52を用
いて素線を挟み込み、プレス成形を行う。好ましくは、
制御装置が回転センサを用いて巻枠の回転角度を検出す
る。そして、巻枠の累積回転数と位相に基づいて、各層
の各列に対応する列替部位Pがプレス位置に到来したか
否かを判定し、適切なタイミングでプレス成形を行う。
このようにしてプレス面に対応する列替形状が与えられ
た列替部位Pは、その後、巻枠に達して被巻線部に巻き
付けられ、このときに素線の列替えが行われる。
【0040】以上に説明したように、本実施形態によれ
ば、列替プレス装置が積極的に素線を変形して段違状の
列替部を事前につくっておくので、巻枠での列替えのと
きの素線の着座が容易になる。そして、整列乱れの緩和
または解消を図ることができ、また素線の擦れ合いによ
る被膜損傷が低減する。さらに、巻枠上での素線の着座
が容易なので、整列巻のスピードを上げることも可能と
なる。
【0041】なお、本実施形態では列替部が予めプレス
成形された。これに対し、さらに、層替り部も巻付け前
に予め同様の構成によりプレス成形することも好適であ
り、整列性のさらなる向上が図れる。
【0042】「実施形態2」本実施形態の巻線装置は、
全体としては上記の実施形態1と同様の構成を有する
が、本発明の列替成形手段に関しては異なる構成を有し
ており、以下、この相違部分を説明する。
【0043】図8を参照すると、本実施形態では、列替
成形手段の一態様として、列替プレス装置の代わりに列
替ツイスト装置60が設けられている。この列替ツイス
ト装置60は、巻線を行う両頭スピンドル装置の前段の
所定位置に配置されており、1対のツイストローラ6
2、64を有する。ツイストローラ62、64は、所望
の列替S字形状の内周側半径と等しい半径をもつ。すな
わち、図6のプレス面上の曲面の半径に等しい半径がロ
ーラに与えられている。ツイストローラ62、64は、
互いに素線1本分の幅に等しい隙間を開けて配置され、
ローラ支持棒66に回転可能に軸支されている。ローラ
駆動装置68はローラ支持棒66に回転力を与える。ロ
ーラ支持棒66の回転中心は両ローラ62、64いずれ
かの中心または両者の中央等を選択できるが、図8では
ローラ62の中心に設定した場合を示してある。
【0044】素線12は、両ツイストローラ62、64
の隙間を通って、両頭スピンドル装置に保持された巻枠
へと導かれている。列替成形を行わないときは、ツイス
トローラ64は図8(a)に2点鎖線で示す位置に待機
している。ローラ62、64が回転するので、素線12
は抵抗なく巻枠へ進む。
【0045】そして、列替部の形成が行われるべき素線
上の部位(列替部位P)がくると、ローラ駆動装置68
がローラ支持棒66を所定角度(例えば45度)回転さ
せる。好ましくは、実施形態1と同様、制御装置が回転
センサを用いて巻枠の回転角度を検出し、そして、巻枠
の累積回転数と位相に基づいて列替部位Pがローラ隙間
に到来したか否かを判定する。
【0046】ローラ支持棒66が回転すると、素線12
はローラ間隙間に挟まれ、両ローラに拘束された状態で
ひねられる(捻られる)。その結果、列替部の段違形状
が素線に形成される。なお、列替部の前後で1本分の幅
だけ素線がずれるように、支持棒66の回転角度が決め
られている。ローラ半径に対応する列替形状が与えられ
た列替部位Pは、その後、巻枠に達して被巻線部に巻き
付けられ、このときに素線の列替えが行われる。
【0047】本実施形態によっても、上述の実施形態1
と同様の効果が得られ、すなわち、素線の整列乱れを低
減することができ、巻枠への素線の巻き付けも容易であ
る。実施形態1では、奇数層内と偶数層内の列替部を形
成するプレス型が個別に必要であった。これに対し、本
実施形態では、ツイストローラのひねり方向を逆にすれ
ば、列替えの方向も反対にできる。従って、1対のツイ
ストローラを用いて、奇数層用と偶数層用の両方の列替
成形ができるという利点がある。
【0048】「実施形態3」次に、本発明の第3の実施
形態を説明する。この実施形態3は、基本的には前の実
施形態1、2と同様の巻線装置であるが、本発明の列替
成形手段に関しては異なる構成を有している。すなわ
ち、本実施形態では、被巻線部の前で列替部の成形を行
う構成(列替プレス装置または列替ツイスト装置)は設
けられていない。代わりに、素線を被巻線部に巻き付け
るときに積極的に列替部を形成する手段が設けられてい
る。特に、本実施形態では、列替形成手段は、整形ツー
ルとしての整形カップに設けられている。
【0049】図9(a)は、実施形態3の整形カップ7
0(以下、単にカップという)を、開口側から示してい
る。図9(a)は奇数層用のカップを示しており、偶数
層用のカップは奇数層用カップと鏡像関係にある。
【0050】カップ70の口部の整列面72は、巻枠に
巻き付けられる素線に当接する面である。そして、整列
面72は、一般部ではカップ70の回転軸に対して垂直
な平面である。しかし、本実施形態の特徴として、整列
面72は、素線の列替えが行われるべき位置に、列替部
の段違形状に対応する形状の列替成形面74を含んでい
る。この列替成形面74は、カップ70の口部から軸方
向に突出する突出部76に設けられている。
【0051】ここで、コイルリード部に対応するカップ
口部上の位置を起点C0とし、巻型4隅の角を、巻方向
に順に第1コーナーC1〜第4コーナーC4とする。起
点C0は列替え位置と一致している。
【0052】第1コーナーC1〜第4コーナーC4まで
の一般部では、整列面72は平坦であり、素線幅だけ逃
げている。第4コーナーC4で、整列面72に素線幅t
の段差が設けられ、突出部76が開始する。突出部76
において第4コーナーC4の直後には平坦な土手部が残
されており、この土手部により列替り時に素線が押さえ
られる。突出部76は、土手部が終わると、起点C0
(=列替位置)の前後で所望の列替S字カーブを描いて
元の一般部の高さに達し、そこで突出部76が終わる。
【0053】なお、図9(a)では整列面72を最大限
に設けた例を示したが、実用上はコイル諸元からくる整
列のしやすさに従って不要な部分を逃す(削除)ことが
出来る。図9(b)はその端的な例としてコーナーC
4,C1のみを残した例である。
【0054】次に、図10を参照し、本実施形態の巻線
装置の動作を説明する。図10には、第1層目の第1列
および第2列の巻付け工程が示されているが、以降の巻
付け工程も同様に繰り返し行われる。
【0055】図10は、第1主軸24と、第1主軸24
に把持された巻枠28と、第2主軸(図示せず)により
把持された第1層用の整列カップ70(以下、カップ)
を部分的に示している。巻枠28の近傍には、トラバー
スガイド78が配置されており、トラバースガイド78
のガイド通路78aに素線12が通され、これにより素
線12のトラバース方向(=巻枠回転軸方向、以下単に
軸方向という)の動きが規定されている。トラバースガ
イド78は、図示しないアクチュエータに駆動されて軸
方向に移動して、素線12をこの方向にガイドする(素
線の軸方向供給位置が案内される)。カップ70は、前
述のように突出部76を有している。カップ70の軸方
向の出入ストロークと、トラバースガイド78の動きと
が、以下のように巻枠28の回転位相に応じて制御され
る。
【0056】図10(a)を参照すると、素線12の巻
はじめリード部が巻枠に保持されている。第2主軸がカ
ップ70を前進させ、カップ70は、その突出部76が
第1主軸24の基準面24aに突き当たる位置に配置さ
れている。整列面72により素線12の巻き付け位置が
規定されている。この状態から巻枠28が回転を開始す
る。ただし、以下の図10(b)〜(f)では、分かり
やすいように、巻枠28を固定して示す。
【0057】図10(b)に示すように、巻枠がほぼ3
/4周するまでは、カップおよびトラバースガイドは静
止している(軸方向に移動しないことを意味する、以下
同じ)。そして図10(c)に示すように、3/4周直
前でカップが軸方向に素線幅だけ逃げる(後退)。
【0058】それから図10(d)に示すように、巻枠
が1周する直前までは、カップおよびトラバースガイド
は静止し、カップの突出部が素線巻付け位置を規定す
る。このままでは、第2列の素線が第1列の上に乗り上
げる。
【0059】そこで、図10(e)に示すように、巻枠
が1周する直前で、カップ70が素線と干渉しない位置
まで後退し、同時に、トラバースガイドも同方向に移動
する(ジャンプ送り)。ジャンプ送りで、第2列素線
は、第1列の上に重ならない十分な角度まで傾く。この
傾き角度が得られるように、トラバースガイドの移動距
離が規定され、それに応じて、素線と干渉しないように
カップ移動距離が決められている。
【0060】図10(e)の動きで、第2列の素線が、
第1列に乗り上げた状態から、第1列の隣に降り、列替
えが行われる。次に、図10(f)に示すように、1列
前の巻上済み素線(第1列素線)にカップ突出部が到達
するまで、カップが前進する。このとき同時に、トラバ
ースガイドは、第2列に対応する位置まで移動する(ジ
ャンプ戻し)。これにより、カップの成形面が素線に押
し付けられ、成形面に対応する適切な列替部形状が素線
に与えられる。素線の硬さや巻付張力などのために列替
部付近で素線がすべり、ずれていたとしても、このプレ
ス動作で強制的に形状が修正される。素線の種類、コイ
ル寸法等に拘わらず高い形状精度が得られる。
【0061】その後、巻枠が回転して第2列の巻き付け
が行われる。毎周、上記の如くカップとトラバースガイ
ドが動作して、同様の列替成形が行われる。なお、2層
目では、前述したようにカップの持ち替えが行われ、第
2主軸が巻枠を把持し、第1主軸がカップを把持する。
偶数層用のカップも突出部を有しており、巻付け工程は
同様に行われる。もちろん、第3層以降も同様である。
【0062】以上に説明したように、本実施形態でも、
素線列替を成行きに任せるのではなく、積極的に列替部
の成形を行うことで、素線の整列性を向上できる。特
に、本実施形態によれば、整列ツール(カップ)に、素
線整列機能に加えて列替成形機能をもたせているので、
少ない工程で列替成形を実現できる巻線装置が提供され
る。また、該当部の素線の巻付けのときに列替成形を行
うので、正確な位置に列替部をつくることができ、高い
整列性が得られる。
【0063】なお、実施形態1、2では、素線が被巻線
部に巻かれる前に列替部を形成しておくので、被巻線部
に対する素線の巻き付けが容易であるという利点がある
のに対し、実施形態3では、被巻線部において列替部の
形成を行うので整列性が高いという利点がある。
【0064】「実施形態4」次に、本発明の第4の実施
形態を説明する。この実施形態4は、上記の実施形態3
の変形であり、ここでは実施形態3との相違点を説明す
る。
【0065】図11は、実施形態4の整形カップ80
(以下、単にカップという)を、口側から示している。
整列面82は、実施形態3と同様に、素線の列替えが行
われるべき位置に列替成形面84を有している。さら
に、実施形態4の特徴として、列替成形面84に対して
素線巻付方向の隣に切欠部86が設けられている。この
切欠部86は、後に詳細に述べるように、列替のときに
前列の素線(列替前素線)と重ならない位置まで軸方向
に素線(列替後素線)が移動したときに、その素線を受
け入れられる大きさをもっている。
【0066】ここでも、巻型の4隅の角を第1〜第4コ
ーナー(C1〜C4)とする。第1コーナーC1〜第4
コーナーC4までの一般部では、整列面82は平坦であ
る。第4コーナーC4で、整列面82に素線幅tの段差
が設けられ、突出部88が開始する。突出部88は、所
定距離の平坦な土手部を有する。土手部の終わりから直
線状の斜面が始まり、この斜面が成形整列面84として
機能する。斜面は、起点C0の少し手前(素線幅の約1
/2だけ手前)で整列面一般部の基準高さに達するよう
に延び、ここで突出部88が終わる。さらに斜面は上記
基準高さを越えて続き、ここから切欠部86が始まる。
そして斜面は、第1コーナーC1までそのまま直線状に
続いており、この領域で切欠部86の底面を形成する。
このように、本実施形態では、突出部88の成形整列面
84と、隣接する切欠部86の底面とが連続している。
【0067】次に、図12を参照し、本実施形態の巻線
装置の動作を説明する。図12(a)〜図12(d)ま
で、カップ80とトラバースガイド78は、実施形態3
(図10)と同様に動作する。
【0068】図12(e)では、巻枠が1周する直前
で、トラバースガイドが大きく軸方向に移動する(ジャ
ンプ送り)。ジャンプ送りで、第2列素線(列替後素
線)は、第1列素線(列替前素線)の上に重ならない十
分な角度まで傾けられる。この傾き角度が得られるよう
に、トラバースガイドの移動距離が規定されている。
【0069】このとき、実施形態3ではカップもジャン
プ送りされたのと異なり、本実施形態ではカップは静止
している。前述したように、カップの切欠部が、列替前
素線と重ならない位置まで軸方向に移動した列替後素線
を受け入れられる大きさ(深さ、範囲など)をもってい
る。すなわち、図12(e)の状態においてカップが移
動しないでも素線とカップが干渉しないように、素線が
入り込める形状が切欠部に設定されている。
【0070】図12(e)のジャンプ送りにより、第2
列の素線が、第1列に乗り上げた状態から、第1列の隣
に降り、列替えが行われる。次に、図12(f)に示す
ように、トラバースガイドが第2列に対応する位置まで
移動する(ジャンプ戻し)。素線には、成形面に対応す
る適切な列替部形状が与えられる。
【0071】以上に説明したように、本実施形態では、
列替のときに、すなわち図12(e)および図12
(f)において、整列ツールが静止していてもよいの
で、整列ツールが素線に当接し続けることができる。こ
れにより、素線が軸方向にスリップしないように整列ツ
ールで押さえつけておくことができ、素線のずれを防
ぎ、さらなる整列性の向上が図れる。
【0072】「実施形態5」次に、本発明の第5の実施
形態を説明する。この実施形態5は、上記の実施形態4
の変形であり、ここでは実施形態4との相違点を説明す
る。
【0073】図13は、実施形態5の整列カップ90
(以下、単にカップという)を、口側から示している。
本実施形態では、カップ90が可動部92を有し、可動
部92は、軸方向に移動して、実施形態4で説明したカ
ップ切欠部を埋めることができるように構成されてい
る。
【0074】図13に示すように、カップの口部には、
素線が列替えすべき場所に突出部94が設けられてい
る。突出部94と整列面96の段差は素線幅tに等し
く、突出部94に成形整列面98が設けられている。そ
して、突出部94の終わりから可動部92が始まってい
る。言い換えれば、カップの1つの側面が、口部付近に
おいて、突出部を含む固定部分と、残りの可動片とに分
割されている。
【0075】可動部92は、図示しないアクチュエータ
により軸方向に移動される。図13の状態では、可動部
92がカップの切欠部を埋めている。可動部92の先端
は、整列面96と同じ高さにある。可動部92が軸方向
に引っ込むと切欠部が現れる。本実施形態では切欠部
が、実施形態4の三角形の切欠部を包含する四角形の形
状をもつ。
【0076】次に、図14を参照し、本実施形態の巻線
装置の動作を説明する。図14(a)〜図14(d)ま
では、カップ90とトラバースガイド78は、実施形態
3(図10)と同様に動作する。この間、可動部92
は、切欠部を埋めた基準位置に配置されている。
【0077】図14(e)では、巻枠が1周する直前
で、トラバースガイドが大きく軸方向に移動する(ジャ
ンプ送り)。このとき、カップ自体は静止しているが、
カップの可動部が軸方向に移動し、切欠部99が現れ
る。第1列素線と重ならない位置まで第2列素線が傾い
ても素線と干渉しない場所まで可動部が引っ込む。
【0078】図14(e)のジャンプ送りにより列替え
が行われる。次に、図14(f)に示すように、トラバ
ースガイドが第2列に対応する位置まで移動する(ジャ
ンプ戻し)。このとき可動部も元の位置に戻る。素線に
は、成形面に対応する適切な列替部形状が与えられる。
【0079】以上に説明したように、本実施形態でも、
実施形態4と同様に、列替のときに整列ツールが静止し
ていてもよい。実施形態4では切欠部を設けたことによ
り、列替部後半で素線を押さえられなくなっている。こ
れに対し、実施形態5では、可動部を設けたことによ
り、切欠部を埋めることができ、列替部全域で素線を押
さえられ、整列性のさらなる向上が図れる。
【0080】「実施形態6」次に、本発明の第6の実施
形態を説明する。この実施形態6は、上記の実施形態3
の変形であり、ここでは実施形態3との相違点を説明す
る。ただし、実施形態6は、上記の実施形態4または実
施形態5と組み合わせることもできる。
【0081】本実施形態の巻線装置は、図15に示すよ
うな台形コイル(ピラミッド型コイル)を製造する。台
形コイルの製造に実施形態3をそのまま適用すると、台
形斜面側で素線が支えられず、そのために形崩れの可能
性がある。
【0082】そこで、図16に示すように、本実施形態
では、巻線装置に台形成形ツール100を備える。台形
成形ツール100は、台形斜面において整列カップの反
対から素線に当接し、当接面は、列替部の段違形状に応
じた形状を有する。巻付けの際は、後述するように、こ
の台形成形ツール100と整列ツール(カップ)の間に
素線を挟み込む。これにより、コイル型崩れが防止さ
れ、かつ、列替成形が適切に行われる。
【0083】図16を参照して、台形成形ツール100
の構成をさらに詳細に説明する。図16は、第2層の最
終列が終わり、第3層の第1列が始まるときの状態を示
している。素線は、第3層の第1列へ向けて、層上がり
しながら、同時に列替わりする。このとき、第2層と第
3層の素線が交差している(クロスオーバー部)。図示
の台形成形ツール100は、第3層の巻付け開始から、
巻付け終了まで用いられる。
【0084】成形ツール100は1対のクロスオーバー
部押込み成形板102、104(以下、単に成形板)を
含む。ツール100が2枚の板に分かれているのは、図
示のようにコイルリード部を避けるためである。成形板
102、104は、第1主軸24、すなわち台形斜辺に
面する方の主軸に着脱可能である。
【0085】第1成形板102は、列替え位置よりも前
側で、第2層最終列の素線を支持する。第1成形板10
2の取付面102aが第1主軸24に接触し、係止部1
02bが主軸側の係合溝に係合し、これにより成形板1
02が主軸24に取り付けられる。取付面102aの反
対側には、第2層最終列の素線に接触し、案内する当接
案内面102cが設けられている。当接案内面102c
は、所望の適切な列替段違形状に対応する形状を持って
いる。これを実現するため、成形板102は、素線1本
にほぼ等しい幅t(=主軸と第2層最終列の隙間)をも
ち、そして列替部で板幅が増加して、列替成形用の斜面
がつくられている。その他、成形板102の端部は軸方
向に突出し、突出部分の板幅2tは素線2本分である。
【0086】一方、第2成形板104は、列替え位置よ
りも後側で、第3層第1列の素線を支持する。第2成形
板104も、取付面104aで第1主軸24に接触し、
係止部104bが主軸側の係合溝に係合し、これにより
主軸24に取り付けられる。取付面104aの反対側
は、第3層第1列の素線に接触し、案内する当接案内面
104cである。成形板104は、素線2本分の幅2t
をもっており、すなわち主軸と第3層の隙間に等しい幅
をもっており、これにより案内面104cが第3層素線
に接触する。
【0087】なお、図16の第1成形板102は、第3
層第1列の素線を支持していないが、好ましくは、この
第3層第1列の素線をも支持できるように、第1成形板
102を段付き形状にする。同様に、図16では、第2
成形板104が第2層最終列の素線を支持していない
が、好ましくは、第2層最終列の素線をも支持できるよ
うに第2成形板104を段付き形状にする。これらの構
成により、成形途中のコイルをさらに確実に支持でき
る。
【0088】次に、図17および図18を参照し、上記
の台形成形ツールを用いた台形コイル製造方法を説明す
る。
【0089】図17(a)は、2層目巻終わりの状態で
ある。ここまでの巻き付けは、実施形態3に示した手順
で行われる。ただし、台形斜辺をつくるため、第2層の
巻付けは、長方形コイルよりも1列早く終わる。この状
態では、第2主軸が巻枠を把持しており、第1主軸が、
第2層用の整列カップ(以下、単にカップという)を把
持している。カップの先端は突出部を有し、この突出部
が最終列の素線と接触している。また、偶数層用のカッ
プは、図示のように、コイルリード部を避ける逃げ溝を
有している。
【0090】図17(b)では、巻枠から第2層カップ
が完全に外れるまで第1主軸が後退する。そして、図1
7(c)に示すように、第1主軸からカップが取り外さ
れ、代わりに2枚の成形板が第1主軸に取り付けられ
る。
【0091】図18(a)に移り、第1主軸は前進して
巻枠を把持する。このとき、第1成形板が第2層最終列
に当接し、第2成形板が第3層第1列に当接する。第2
成形板104が素線を押し込んで1ピッチ分ずらす。両
成形板に押し込まれて、素線に列替形状が形成される。
【0092】次に、図18(b)に示すように、第2主
軸が巻枠を離して後退し、そして第3層用のカップが第
2主軸に取り付けられる。図18(c)に移り、第2主
軸が前進すると、巻付け済みの第2層の外側にカップが
嵌まる。カップが素線に当たるまで、第2主軸は前進す
る。
【0093】第3層用のカップも先端部に列替成形面を
有している。この列替成形面を使って、実施形態3で説
明したように、列替成形を行いながら第3層の巻き付け
が行われる。このとき、第1主軸側からは成形板が素線
を支持しており、成形板が巻付け基準面になる。また、
図示されていないが、素線を軸方向に案内するトラバー
スガイドも、実施形態3と同様の動作をする。なお、第
3層から第4層に移るときは、第1主軸は、成形板の取
り外し後に、第4層用のカップを把持する。
【0094】また、第5層以降の奇数層についても同様
の構成の台形成形ツールが用意されている。ただし、層
の位置や幅(列数)に応じて各層のツールは異なる形状
を有している。そして各層の巻付けで該当するツールが
用いられる。
【0095】また、台形の斜辺で層上がりのときに素線
2本以上の段差が作られる場合も、同様の構成の成形ツ
ールを用いることができる。この場合には、段差の高さ
に応じて幅を広げた成形ツールを用意する。
【0096】また、変形例として、台形成形ツールは、
主軸に取り付けられなくてもよい。例えば、台形成形ツ
ールは、巻付途中のコイルと主軸の間に外から差し込ま
れてもよい。この場合、2枚に分割された成形板ではな
く、1体に繋がった成形板(例えば凹字型)を用いるこ
とが好適と考えられる。
【0097】以上に説明したように、本実施形態では、
台形コイルを製造するために台形成形ツールが設けられ
た。台形斜辺の素線は主軸には支持されないが、本実施
形態では、この斜辺部分の素線が台形成形ツールにより
支持されるので、列替成形を好適に行える。台形コイル
を製造するときでも、形崩れを防止でき、かつ、列替成
形を行うことができ、高い整列性が得られる。
【0098】「実施形態7」図19は、実施形態7の巻
線装置の全体構成を示している。これまでの実施形態
は、2つの主軸が交互に巻枠を持ち替えていた。これに
対し、本実施形態では、1つの主軸(巻き線スピンド
ル)110が、常に巻枠112を保持している。巻線装
置には、2つの装置ベース114、116が向き合って
配置されている。主軸110は、第2ベース116に設
けられ、両ベースに挟まれた場所に配置されている。
【0099】図19には示されないが、これまでの実施
形態と同様に、ワイヤボビンに丸断面の素線が巻かれて
おり、この素線が2対の圧延ローラにより平角形状に成
形され、ガイドローラに導かれて、給線方向から巻枠1
12に達する。巻枠112の近傍では、トラバースガイ
ドが素線を導く。そして、回転する巻枠112に素線が
巻付き、巻枠の被巻線部に対応する形状のコイルがつく
られる。
【0100】図20には、巻線装置が製造するコイルが
示されている。ここでは、コイルの完成直前の状態が巻
枠とともに示されている。識別のため、奇数層の素線に
は模様が付けられている(以下同じ)。
【0101】本実施形態では、前の実施形態と同様に、
台形コイルを製造する。この例では、コイルの一方の端
部にのみ台形の斜辺が設けられている。第1層および第
2層の列数は同じであるが、第3層から第7層にかけて
列数が1ずつ減り、これにより台形斜辺が形成される。
第7層の列数は2である。
【0102】図19に戻り、本実施形態では、巻枠11
2の両側の装置ベース114、116に、それぞれ、列
替成形ユニット118、120が設けられている。
【0103】両ユニット118、120は、それぞれ、
ユニット水平位置決めモータ118a、120aによっ
て、装置ベース上のガイドレールに沿って水平方向に移
動され、位置決めされる。また、両ユニット118、1
20は、それぞれ、ユニット上下位置決めモータ118
b、120bによって上下方向に移動され、位置決めさ
れる。これらのモータにより各ユニットは2次元方向に
自由に移動できる。さらに、両ユニット118、120
は、成形爪開閉位置決めモータ118c、120cによ
って、成形爪を開閉する。
【0104】このような構成により、両ユニット11
8、120は巻枠に向かって移動可能であり、成形爪を
使って巻枠の列替え位置で素線に列替部(S字列替形
状)をプレス形成する。後述するように、左ユニット1
18が奇数層の列替を担当し、右ユニット120が偶数
層の列替を担当する。
【0105】図21は左側の列替成形ユニット118を
示しており、図22は、ユニット118を用いて第1層
の巻き付けを行う工程を示している。両図を参照してユ
ニット118の構成と機能を説明する。
【0106】図21に示すように、列替成形ユニット1
18はユニットフレーム122aを有し、このフレーム
122aが2次元方向に移動される。ユニットフレーム
122aには、爪移動軸124aが回転可能に支持され
ている。前述の成形爪開閉位置決めモータ118cは、
ウォームギア126aを介して爪移動軸124aを回転
させる。
【0107】ユニットフレーム122aには、巻枠回転
軸方向(以下、軸方向という)に延びるように板状の固
定成形爪128aが固定されている。固定成形爪128
aには、ユニットフレーム122aを巻枠フランジに付
き当てるためのストッパ壁が設けられている。巻層毎に
異なる位置にストッパが必要なので、ストッパ壁は階段
状に並んでいる。ただし、ユニット自体をNC位置決め
すれば、このメカストッパは不要である。
【0108】また、ユニットフレーム122aの爪ガイ
ドには、板状の可動成形爪130aが軸方向にスライド
移動可能に設けられている。爪ガイドは回り止めとして
も機能する。可動成形爪130aは、固定成形爪128
aと向き合って設けられている。そして、可動成形爪1
30aには雌ねじがきられており、この雌ねじが、爪移
動軸124aの爪開閉ねじと係合している。従って、モ
ータ118cが回転することによって、成形爪が開閉す
る。
【0109】図22を参照して、第1層の成形シーケン
スを説明する。巻付け開始の際は、コイルリード部が巻
枠のリード保持部に引っかけられ、巻枠が回転を開始す
る。このとき、列替成形ユニットは巻枠から離れた場所
に待避している。
【0110】巻枠は1回転して、図22(a)の位相の
状態で停止する。このとき、巻線は、列替を行うべき巻
枠上の面とほぼ平行になっている。図示しないトラバー
スガイドが素線を1ピッチ(=素線幅)だけ軸方向に進
める。これにより、第1列の上に乗り上がった第2列開
始部が、第1列の隣に降りる。
【0111】次に、列替成形ユニットが巻枠に近づいて
列替成形を行う。固定成形爪は、図示のように、巻枠フ
ランジの外に配置される。可動成形爪は、爪隙間を狭め
る方向に移動される。可動成形爪は、所望のS字列替形
状に対応する成形面(プレス面)を有している。この成
形面が、列替え位置で素線に当接し、素線を押しつけ
る。これにより、段違状の適切な列替部が形成される。
このとき、コイルリードの曲げ部も、列替の成形型の役
を果たしている。
【0112】この後、列替成形ユニットは、一旦、巻枠
から待避する。そして、1回転に1度、同じ位相で巻枠
が停止する。このときにユニットが巻枠に近づいて、成
形爪を閉じて列替成形を行う。
【0113】図22(b)に示すように、上記の動作
が、第1層の最終列まで繰り返され、きれいに整列した
第1層コイルが形成される。1列進むたびに、可動成形
爪の送りストロークが1ピッチずつ小さくなる。なお、
最終列付近の巻き付けのため、巻枠フランジには、成形
爪を逃げる逃げ溝が設けられている。
【0114】第1層の最終列の素線を巻き付けた後、さ
らにもう一度、同位置での巻付けが行われる。これによ
り最終列の上に素線が乗り上げ、第2層第1列が始まる
(図22(c))。
【0115】図23は、図22(b)の状態の列替成形
ユニットの正面図である。図21と比較すると、可動成
形爪の位置が異なっており、両成形爪の隙間が広がって
おり、この隙間に第1層コイルが形成されていることが
分かる。
【0116】次に、偶数層の列替に用いられる右側の列
替成形ユニット120の構成と機能を説明する。図24
は列替成形ユニット120を示す正面図であり、図25
は、ユニット120を用いて第2層の巻き付けを行う工
程を示している。
【0117】図24に示すように、右側の列替成形ユニ
ット120は、左側のユニット118と対称である。後
述する成形爪の形状を除き、基本的に両ユニットは同一
の構成を有している。そこで、図24の右側ユニット1
20の各部構成要素に、図21の左側ユニット118と
類似の参照符号(添え字a、bが異なる)を付けること
により、同等部分の説明は省略し、以下、成形爪の相違
を中心に説明する。
【0118】まず、左ユニットの固定成形爪128a
は、台形斜辺に対応する階段状のストッパ壁を有してい
るが、右ユニットの固定成形爪128bは、そのような
構造を有さない。これは、コイルの右側端部には台形斜
辺がないからである。
【0119】また、図22および図25を比較すると、
左ユニットでは、固定成形爪128aに、コイルリード
部を避ける逃げ溝が設けられている(逃げ溝は成形爪を
板厚方向に貫通し、爪は2又形状になっている)。これ
に対し、右ユニットでは、可動成形爪130bに同様の
逃げ溝が設けられている。
【0120】また、左ユニットの可動成形爪はS字型の
成形面を有している。一方、右ユニットは、リード逃げ
溝の両側の爪片が段違いになっているだけである。これ
は、成形面の一部が逃げ溝で切り取られているからであ
る。両ユニットの可動成形爪の先端面は、成形面という
意味では同様の機能をもつ。
【0121】さらに、左ユニットでは固定成形爪の成形
面は平坦であった。しかし、右ユニットでは固定成形爪
にもS字型の成形面が設けられている。これは、以下に
説明するように、偶数層の最初の列替成形を行うときに
使われる。
【0122】次に、図25を参照して、第2層の成形シ
ーケンスを説明する。図25(a)では、第2層の第1
列の巻き付けが終わった状態で巻枠が静止している。第
2層の第1列の上(3層目の高さ)にさらに素線が乗り
上げている。本来、この部分は、第2列の開始部分にな
るべきである。
【0123】そこで、まず図25(a)に示すように、
右ユニットの成形爪が近づき、両成形爪は第3層の高さ
に位置決めされる。固定成形爪の突出部分が素線に接触
する位置にユニットフレーム(図示せず)が移動し、そ
して、可動成形爪が素線に接触する位置まで移動する。
【0124】次に、図25(b)に示すように、両成形
爪で素線が挟み込まれる。固定成形爪がユニットごと1
ピッチ移動する。同時に、可動成形爪が、固定成形爪に
対して相対的に1ピッチ移動する。この動きにより、第
2層の第1列から第2列への列替部が、両側の爪の成形
面に従った形につくられる。そして、この列替成形を行
ったことにより、第2列の開始部分が、第3層の高さか
ら、正規の第2層の高さに落ち、第2層第1列の隣に行
く。
【0125】図25(c)に進み、両成形爪は一旦開か
れ、そして、両成形爪も第3層の高さから第2層の高さ
に戻される。図示の如く、右側の固定爪がコイルの右端
に来るようにユニットがNC位置決めされる。可動爪が
移動して爪が閉じることで、第2層第1列から第2列へ
の列替部のプレス成形が重ねて行われる。
【0126】以降は、第1層と同様のシーケンスで巻付
けが行われる。1回転に1度、成形ユニットは巻枠に近
づき、両成形爪を第2層の高さに配置する。そして、固
定成形爪は第2層第1列の素線に当接し、これを支持す
る。一方、可動成形爪は、爪を閉じるように動き、素線
をプレスして列替部をつくる。1列進むたびに、可動成
形爪の送りストロークが1ピッチずつ小さくなる。図2
5(d)に示すように、この動作が最終列まで繰り返さ
れる。そして、成形爪は、ユニットフレームとともに装
置ベース上まで逃がされる。
【0127】図26は、図24(d)の状態の列替成形
ユニットの正面図である。図24と比較すると、両成形
爪の隙間が広がっており、この隙間に第2層コイルが形
成されている。
【0128】次に、第3層の成形シーケンスを説明す
る。第3層では、台形斜辺(ピラミッド)の始まり部分
の成形が行われる。第3層では、再び左側列替成形ユニ
ットが列替を行う。
【0129】図27は、第3層第1列の列替えを行うと
きの成形ユニットの正面図であり、図28は、第3層の
巻き付けを行う工程を示しており、さらに図29は、第
3層最終列の列替えを行うときの成形ユニットの正面図
である。
【0130】図27に示すように、第3層の巻付け工程
では、成形爪は第3層の高さに配置される。ユニットフ
レームに固定された固定成形爪は、リード部両側の溝を
通って、巻枠フランジの内側に進入する。固定成形爪
は、ストッパ壁がフランジに突き当たるまで進み、ここ
で位置決めされる。
【0131】図28(a)を参照すると、第2層の巻付
けが終わったとき、右側ユニットの成形爪が逃がされ、
それから巻枠がさらにもう1回転される。第3層第1列
の開始部分は、一旦、第2層最終列の上に位置する。
【0132】次に、図28(b)に示すように、列替成
形ユニットが列替え位置に近づく。固定成形爪が巻枠フ
ランジを通り抜けて進む。図28(b)の状態で、固定
成形爪のストッパ壁が巻枠フランジに当たり、固定成形
爪が位置決めされる。このとき、固定成形爪の一方片
は、第2層最終列の素線の上を通過する。そして、固定
成形爪の他方の片は、第3層第1列の素線を1ピッチ分
だけ押し込む。また、図示しないトラバースガイドも軸
方向に1ピッチ移動する。
【0133】さらに、可動成形爪が移動し、爪が閉じ
る。可動成形爪の成形面は、その半部で固定成形爪の一
方の爪片に突き当たり、残り半部で第3層第1列の素線
をプレスする。このようにして、第3層第1列の列替え
成形が行われる。素線は、適切なカーブを描いて、第2
層から第3層へ層上がりしながら、列替わりも同時に行
う。
【0134】以降は、第1層と同様のシーケンスで巻付
けが行われる。1回転に1度、成形ユニットは巻枠に近
づく。そして、固定成形爪が基準となり、可動成形爪が
素線をプレスして列替部をつくる。1列進むたびに、可
動成形爪の送りストロークが1ピッチずつ小さくなる。
図28(c)に示すように、この動作が最終列まで繰り
返される。図28(d)に示すように、最終列の巻付け
の後、成形爪が装置ベース上まで逃がされる。それから
巻枠がさらに1回転され、第4層の第1列が始まる。
【0135】図29は、図28(c)の状態の列替成形
ユニットの正面図である。図27と比較すると、両成形
爪の隙間が広がっており、この隙間に第3層コイルが形
成されている。
【0136】第4層、第6の巻付けは、第2層と同様に
して行われる。また、第5層、第7層の巻付けは、第3
層と同様にして行われる。その結果、図20に示した7
層の台形コイルが完成する。
【0137】以上に本発明の第7の実施形態を説明し
た。本実施形態によれば、他の実施形態と同様に、素線
列替を成行きに任せるのではなく、積極的に列替部の成
形を行うことで、素線の整列性を向上できる。巻枠の手
前で列替成形を行うのではなく、該当部の素線の巻付け
のときに列替成形を行うので、正確な位置に列替部をつ
くることができ、より高い整列性が得られる。
【0138】ここで、従来は、上記のような積極的な列
替成形は行われていなかった。素線に作用するテンショ
ンと素線の軸方向移動によって、素線同士が喧嘩し、そ
の成行き任せの結果として列替えが行われていた。そし
て、素線のテンション力に頼っているために、線ずれな
どが生じやすかった。
【0139】一方、本発明によれば、成形爪で列替部を
つくっているので、巻線テンションのみに頼らないでも
列替えができる。コイル巻途中およびコイル完成後に巻
線に残るストレス(スプリング力)が低減する。従っ
て、コイル巻途中およびコイル完成後に巻テンションを
抜いたときのスプリングバックによる形崩れも防止でき
る。そして、上記のように台形コイルの自動巻装置が実
現される。
【0140】また、本発明によれば、素線の整列性が高
く、乱れが少ないので、素線同士の擦れ合いが少なく、
エナメル被膜の破れを防止できるという利点も得られ
る。
【0141】特に、本実施形態のように、巻線装置内で
丸断面の線から平角線をつくっている場合、高い生産性
が得られる反面、圧延により素線表面が硬化している。
このように素線が硬いときでも、本発明によれば被膜損
傷を回避できる。従って、素線の圧延と巻付けをダイレ
クトに行う巻線装置の利点を活かし、このような巻線装
置の信頼性を高められる。
【0142】「実施形態8」次に、本発明の第8の実施
形態を説明する。この実施形態8は、上記の実施形態7
の変形であり、ここでは主として実施形態7との相違点
を説明する。
【0143】図30を参照すると、本実施形態の巻線装
置は、基本的には実施形態7(図19)と同様の構成を
有するが、左右の列替成形ユニット140、142が、
巻枠回転軸Xを中心として揺動可能に設けられている点
で異なる。
【0144】左右の装置ベース144a、144bに
は、揺動サドル146a、146bが、揺動軸受148
a、148bにより回転可能に載置されている。揺動サ
ドル146a、146bの上に、前述した構成を有する
列替成形ユニット140、142が搭載されており、各
ユニットは、2つのモータにより図示の2方向(上下お
よび水平)に移動可能である。
【0145】装置ベース144a、144bに取り付け
られた揺動駆動装置150a、150bは、揺動駆動ギ
ア152a、152bを介して揺動サドル146a、1
46bに回転力を伝え、サドルを回動させる。サドル回
転中心は、主軸の回転軸Xと一致している。これによ
り、列替成形ユニット140、142は、それぞれ、巻
枠回転軸の回りを揺動することができる。
【0146】主軸154は、揺動サドル146bを貫通
して、装置ベース144bに直接に保持されている。従
って、ユニット140、142と主軸154は、独立し
て回動することができる。
【0147】次に、本実施形態の巻線装置の動作を説明
する。初期状態では、図30に示すように、両ユニット
140、142が直立した状態で、サドル146a、1
46bが保持されている。素線が巻枠156に引っかけ
られ、主軸154の回転が開始する。巻枠156が1回
転して停止すると、左側のユニット140が巻枠156
に近づき、実施形態7と同様に列替成形を行う(以下、
列替成形ユニットの動き自体は、実施形態7と全く同様
である)。
【0148】ここで、前述の実施形態7では、成形爪を
用いた列替成形が終わると、列替成形ユニット140が
待避していた。しかし、本実施形態では、列替成形が終
わった後も、ユニット140が、巻枠上の列替部をクラ
ンプした状態を維持する。そして、巻枠156が回転を
再開すると、ユニット140も同速度で同期回転を開始
する。このとき、揺動駆動装置150aが揺動サドル1
46aを回転させている。
【0149】図31には、列替部をつまんだユニット1
40の回転範囲が示されている。角度θ0においては、
ユニット140が直立しており、巻枠の列替が行われる
面が水平である。この角度θ0にて、列替えのS字成形
が行われる。その後、ユニット140は、角度θ0〜θ
1の間で、巻枠156とともに同期回転する。
【0150】図31に示す角度θ2は、ユニット140
が、給線(巻枠に供給される素線)の通り道に干渉しな
い限界の回転角度である。ユニットが同期回転する範囲
は、上記のθ0〜θ1には限定されない。θ0〜θ2の
間に収まり、かつ本発明の効果が得られる回動範囲が適
当に設定されればよい。
【0151】角度θ1でユニット140は素線(列替
部)を離し、一旦待避する。そして、ユニット140
は、サドル146aとともに逆方向に回転し、直立状態
(角度θ0)に戻る。巻枠156が1回転して再び停止
すると、ユニット140が列替成形と、その後の同期回
転を再び行う。以上の動作、すなわち揺動範囲θ0〜θ
1の揺動が、第1層の終了まで繰り返される。
【0152】第2層では、左側の列替成形ユニット14
0は初期状態に戻り、右側の列替成形ユニット142が
上記の動作を行う。ここでも、ユニット142による列
替成形の動作は、実施形態7と同様である。そして、列
替成形の後、所定の角度範囲(θ0〜θ1)で、ユニッ
ト142がクランプ状態を維持しながら巻枠156と同
期回転する。回転方向は主軸154と同じであり、従っ
て左側のユニット140とは反対である。そして、角度
θ1でクランプ状態を解除すると、ユニット142は元
の位置に戻る。巻枠156が1回転して列替部が再来す
ると、再び同様の操作が行われる。第3層以降について
も同様であり、ユニット140または142が、実施形
態7の列替成形に加えて、巻枠回転軸Xの回りを揺動す
る。
【0153】以上に説明したように、本実施形態によれ
ば、列替成形の後も、列替成形ユニットが列替部を保持
しつづけるので、巻線途中のコイルの形崩れを確実に防
止することができる。
【0154】本実施形態の応用例としては、列替成形ユ
ニットが、巻枠の回転中に列替成形を行うことも好適で
ある。列替成形ユニットは、所定の位置、好ましくは図
31の角度θ0の位置にて、巻枠の列替位置がくるのを
待つ。列替位置が真上を向くと、列替成形ユニットは巻
枠との同期回転を開始する。そして、同期回転の途中
で、所定角度回転する間に、実施形態7と同様の方法で
成形爪を使って素線に列替部をつくる。クランプ状態
は、列替成形後も維持され、角度θ1で解除される。列
替成形ユニットは元の位置(角度θ0)まで戻り、再び
列替位置が来るのをまつ。
【0155】この態様によれば、列替成形の度に巻枠が
停止しなくてもよいので、巻付けに要する時間を短縮で
き、生産性を向上できる。
【0156】「実施形態9」次に、本発明の第9の実施
形態を説明する。この実施形態9も、上記の実施形態7
の変形であり、ここでは主として実施形態7との相違点
を説明する。
【0157】図32に示すように、本実施形態では、実
施形態7に対して、形崩れ防止ローラ160が追加され
ている。形崩れ防止ローラ160は、成形目標の台形コ
イルと相補関係の総形ローラであり、すなわち、台形コ
イル全体と係合できるように段付テーパ面を有する。形
崩れ防止ローラ160は、巻枠156の下方(列替成形
を行う場所と反対側)の近傍に配置されており、そし
て、ローラ回転軸に対して直角な平面内で自由に移動可
能に設けられている。
【0158】次に、本装置の動作を説明する。形崩れ防
止ローラ160が巻枠156に向かって外側から差し込
まれる。そして、成形目標のコイルと同形状の隙間をロ
ーラと巻枠が作るように、ローラが配置される。巻枠の
外周面とローラの位置関係を維持するように、巻枠の回
転角度に応じてローラがアクチュエータ(図示せず)に
動かされる。巻枠を軸方向から見ると四角形なので、ロ
ーラは巻枠中心に向かって往復移動する。これにより、
ローラと巻枠の間に、コイル完成形状に一致する隙間が
維持される。順次巻き付けられる素線は、ローラと巻枠
の隙間に入る。台形の段の左側面(各層の斜辺側端部)
がローラにより支持され、この部分がフリーになるのを
防止できる。
【0159】以上のように、本実施形態では、巻付け途
中のコイルを総形段付ローラで支持することにより、比
較的簡単な装置で確実かつ容易にコイル形崩れを防止す
ることができる。
【0160】「実施形態10」次に、本発明の第10の
実施形態を説明する。この実施形態10も、上記の実施
形態7の変形であり、ここでは主として実施形態7との
相違点を説明する。ただし、実施形態10は、上記の実
施形態8または実施形態9と組み合わせることもでき
る。
【0161】図33は本実施形態の巻線装置を示してお
り、特に、本実施形態の特徴部分である右側列替成形ユ
ニットの成形爪部分を示している。右側ユニットは、前
述のように偶数層の巻付け工程で用いられる。図33
(a)は第2層第1列、第2列の巻き付け時の状態を、
図33(b)は第2層最終列の巻付け時の状態を示して
いる。
【0162】図33に示されるように、本実施形態で
は、2種類の可動成形爪、すなわち第1可動爪171お
よび第2可動爪172が備えられており、両者は、それ
ぞれ本発明の先閉成形爪および2又開放成形爪に相当す
る。
【0163】第2可動爪172は、実施形態7と同様の
構成を有している。すなわち、第2可動爪172の中央
部には、コイルリード173を避けるための逃げ溝17
2c(板厚方向に貫通)が設けられている。この逃げ溝
が爪先端まで続いていて、爪先が開放端になっている。
従って、可動爪172は、2本に割られた二股形状(フ
ォーク形状)を有している。両爪片172a、172b
には、素線幅に等しい段差が設けられている。両爪片1
72a、172bの先端面が列替成形面として機能す
る。
【0164】一方、第1可動爪171も同様のリード逃
げ溝171cを有するが、この逃げ溝171cは爪の途
中で終わり、爪先端までは達しない。逃げ溝の両側の爪
片171a、171bは先端部で連結されており、この
部分にS字型の列替成形面が設けられている。
【0165】上記の第1可動爪171と第2可動爪17
2は、連結板174により連結され、この連結板174
がユニットフレーム(図示せず)に支持されている。連
結板174は、図33の上下方向にスライド可能に支持
されている。そして、図示しない割出し装置が、連結板
174を動かして、固定爪176と向き合う位置に可動
爪171、172を割り出す。固定爪176は実施形態
7と同様である。
【0166】次に、本実施形態の巻線装置の動作を説明
する。前述のように、図33(a)は、第2層第1列、
第2列の巻付け時の状態を示している。この部分の巻付
けの際は、先端が閉じた第1可動爪171が、固定可動
爪176と向き合う位置に割り出され、この第1可動爪
171が列替成形を行う。
【0167】コイルリード部173は、巻枠フランジか
ら突出するリード保持部に保持されていて、保持部の両
側には溝がある。このフランジ溝に可動爪171の両爪
片171a、171bが嵌まる。このとき、リード保持
部は可動爪171のリード逃げ溝171cに嵌まる。従
って、可動爪171は、コイルリード173と干渉せず
にリード部の突出方向に移動できる。そして、可動爪1
71の先端のS字成形面を用いてプレス成形が行われ
る。成形面が真中で途切れずに連続しているので、列替
部を確実に成形することができる。
【0168】なお、実施形態7で説明したように、偶数
層の第1列は、1層上の位置(ここでは第3層の高さ)
で行われる。従って可動爪もこの高さに配置されるが、
第2列以降では正規の高さに戻る。
【0169】第2列目以降も、コイルリード部173と
干渉しない範囲で、第1可動爪171が用いられる。す
なわち、逃げ溝170cの端面Aが、リード保持部(巻
枠フランジの壁面Bと同位置)に達する直前まで、第1
可動爪171が用いられる。
【0170】コイルリード部に干渉する直前まで第1可
動爪171が後退すると、爪交換が行われる。今度は、
第2可動爪172が、固定可動爪176に向き合う位置
に割り出される。そして、第2層の残りの列についての
列替成形は、第2可動爪172によって行われる。第2
可動爪172の先端が開いているので、図33(b)に
示すように、最終列まで爪先端が後退したときでも可動
爪172はコイルリード173と干渉しない。
【0171】以上、第2層の巻付け工程について説明し
たが、残りの偶数層の巻付けも同様に行われる。なお、
上方の層において、最終列の列替まで第1可動爪171
とコイルリード部が干渉しない場合には、可動爪171
のみが用いられればよい。また、奇数層の巻付け動作
は、実施形態7と同様であるので、ここでの説明は省略
する。
【0172】ここで、前述の実施形態7では、第2可動
爪と同じ2又の可動爪だけが設けられていた。これは、
1つの可動爪で全列替を行うことを前提とし、可動爪が
どこにいるときでもコイルリード部と干渉しないように
するためである。しかし、可動爪が2又に分かれている
ので、隙間の部分で素線が逃げてしまい、列替形状がだ
れてしまうことがある。
【0173】一方、本実施形態では、最初の列替成形に
は、先端が閉じた第1可動爪が使われる。第1可動爪
は、列替部全体をカバーする連続したS字成形面を持っ
ている。従って、第2可動爪を使うときよりも正確に列
替形状をつくることができ、列替部のだれ(段違部が所
望の形状よりなだらかに形成されること)の発生を防止
できる。
【0174】最初の列替成形、特に第1列から第2列へ
の列替成形を正確に行うことは、整列性を高めるうえで
は重要である。最初の列替部の形状が適切でないと、そ
の影響は後段の列替部にも残り、そして、形状の乱れが
累積され、整列性が低下するからである。第2、第3等
の列替部についても同様であり、各層の始めの方の列替
部の形状精度は、層全体の整列性に大きな影響を与え
る。本実施形態によれば、各層前半の重要部分におい
て、第1可動爪を使うことにより形状精度を上げること
ができ、コイル全体の整列性を高められる。
【0175】なお、本実施形態では、できるだけ広い範
囲で第1可動爪が使われているが、第1可動爪の使用範
囲は任意であり、より狭くてもよい。例えば、最初の第
1列から第2列への列替時のみに第1可動爪を使って
も、かなりの整列性向上効果が得られ、このような構成
も本発明の範囲に含まれる。
【0176】以上に説明したように、本実施形態によれ
ば、2又開放可動爪と先閉可動爪とが、列替位置とコイ
ルリード部の位置関係に応じて使い分けられる。そし
て、コイルリード部と可動爪の干渉を回避しつつ、コイ
ルの整列性に大きな影響を与える部分での列替形状精度
を高めることができ、コイル全体の形状精度を上げるこ
とができる。
【0177】
【発明の効果】本発明によれば、成行任せに素線を列替
えさせるのではなく、列替形成手段が積極的に素線を変
形して段違状の列替部をつくっているので、その結果、
テンション力などの影響を減らし、素線の整列性を向上
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の巻線装置でつくられる集中巻コイル
の一例を示す図である。
【図2】 本発明の実施形態1の巻線装置を示す図であ
る。
【図3】 図2の装置で用いられる巻枠の構成を示す図
である。
【図4】 図2の装置で用いられる整列ツールの構成を
示す図である。
【図5】 図2の装置の動作を示す図である。
【図6】 図2の装置の列替プレス装置のプレス型を示
す図である。
【図7】 図6のプレス型を用いた列替部の成形を行う
べき素線上の部位を示す図である。
【図8】 本発明の実施形態2で列替成形を行う列替ツ
イスト装置を示す図である。
【図9】 本発明の実施形態3で列替成形を行う整列カ
ップを示す図である。
【図10】 図9の整列カップを用いた巻線製造工程を
示す図である。
【図11】 本発明の実施形態4で列替成形を行う整列
カップを示す図である。
【図12】 図11の整列カップを用いた巻線製造工程
を示す図である。
【図13】 本発明の実施形態5で列替成形を行う整列
カップを示す図である。
【図14】 図13の整列カップを用いた巻線製造工程
を示す図である。
【図15】 本発明の実施形態6で製造される台形コイ
ル断面を示す図である。
【図16】 図15の台形コイルの成形に用いられる台
形成形ツールを示す図である。
【図17】 図16の台形成形ツールを用いた巻線製造
工程を示す図である。
【図18】 図16の台形成形ツールを用いた巻線製造
工程を示す図である。
【図19】 本発明の実施形態7の巻線装置を示す図で
ある。
【図20】 図19の巻線装置で製造するコイルを示す
図である。
【図21】 左側の列替成形ユニットを示す図である。
【図22】 図21の列替成形ユニットを用いて第1層
の素線巻付けを行う工程を示す図である。
【図23】 第1層の巻き付け終わりの状態を示す図で
ある。
【図24】 右側の列替成形ユニットを示す図である。
【図25】 図24の列替成形ユニットを用いて第2層
の素線巻付けを行う工程を示す図である。
【図26】 第2層の巻付け終わりの状態を示す図であ
る。
【図27】 第3層の巻付けの際の左側の列替成形ユニ
ットを示す図である。
【図28】 第3層の素線巻付けを行う工程を示す図で
ある。
【図29】 第3層の巻き付け終わりの状態を示す図で
ある。
【図30】 本発明の実施形態8の巻線装置を示す図で
ある。
【図31】 図30の巻線装置における列替成形ユニッ
トの揺動範囲を示す図である。
【図32】 本発明の実施形態9の巻線装置を示す図で
ある。
【図33】 本発明の実施形態10の巻線装置における
列替成形ユニットの可動爪部分の平面図である。
【図34】 平角線整列集中巻コイルの製造上の課題を
示す図である。
【符号の説明】
1 集中巻コイル、3a,3b スロット装着部、5
a,5b コイルエンド部、10 ワイヤボビン、12
素線、14 圧延装置、16 幅圧延ローラ、18
厚み圧延ローラ、20 素線トラバースガイドローラ、
22 列替プレス装置、24 第1主軸、26 第2主
軸、28 巻枠、30,32 整列カップ。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素線を被巻線部に整列して巻き付けて、
    前記被巻線部に対応する形状のコイルをつくる巻線装置
    において、 前記被巻線部に巻かれたときに列から列へ移る列替え位
    置となる素線上の部位に段違状の列替部を形成する列替
    形成手段を含むことを特徴とする巻線装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の巻線装置において、 前記列替形成手段は、素線が前記被巻線部に巻かれる前
    に前記列替部を形成することを特徴とする巻線装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の巻線装置において、 前記列替形成手段は、前記被巻線部の前段の素線通り道
    に配置された列替プレス装置を含み、前記列替プレス装
    置は、列替部の段違形状に応じたプレス面を有すること
    を特徴とする巻線装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の巻線装置において、 前記列替形成手段は、前記被巻線部の前段の素線通り道
    に配置された1対の列替ツイストローラを含み、前記1
    対の列替ツイストローラが、素線を挟んで捻り、列替部
    の段違形状を形成することを特徴とする巻線装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の巻線装置において、 前記列替形成手段は、素線が前記被巻線部に巻かれると
    きに前記列替部を形成することを特徴とする巻線装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の巻線装置において、 同軸上に対向して配置されて同期回転する1対の回転主
    軸と、 一方の主軸に把持される被巻線部と、 他方の主軸に把持され、前記被巻線部に順次巻き付けら
    れる素線に対して被巻線部の回転軸方向に当接する整列
    ツールと、 を含み、前記整列ツールの前記素線に当接する面が、前
    記列替部の段違形状に対応する形状の列替成形面を含む
    ことを特徴とする巻線装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の巻線装置において、 前記整列ツールは、前記列替成形面に対して素線巻付方
    向の隣に切欠部を有し、この切欠部は、列替のときに前
    列の素線と重ならない位置まで前記回転軸方向に移動し
    た素線を受け入れられる大きさをもっていることを特徴
    とする巻線装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の巻線装置において、 前記整列ツールは、前記回転軸方向に移動して前記切欠
    部を埋めることができる可動部を含むことを特徴とする
    巻線装置。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれかに記載の巻線装
    置において、 台形コイルを製造するときに用いられる台形成形ツール
    を含み、この台形成形ツールは、台形斜面において前記
    整列ツールの反対から素線に当接し、当接面は、前記列
    替部の段違形状に応じた形状を有することを特徴とする
    巻線装置。
  10. 【請求項10】 請求項5に記載の巻線装置において、 被巻線部を保持して回転する主軸と、 主軸に保持された被巻線部に向かって移動可能な列替成
    形ユニットと、 を含み、列替成形ユニットは成形爪を有し、成形爪を使
    って被巻線部の列替え位置で素線に列替部を形成するこ
    とを特徴とする巻線装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の巻線装置におい
    て、 前記列替成形ユニットは揺動可能に設けられ、前記被巻
    線部と同期して回動することを特徴とする巻線装置。
  12. 【請求項12】 請求項10または11に記載の巻線装
    置において、 素線の列替え位置が、コイルリード部に対してコイル周
    方向に同位置に並んでおり、 列替成形ユニットは、 コイルリード部を避けるリード逃げ溝が爪先端部まで続
    く2又開放成形爪と、リード逃げ溝が爪先端に達する前
    で終わる先閉成形爪と、 を有し、列替を行う位置とコイルリード部とのコイル軸
    方向距離に応じて2又開放成形爪と先閉成形爪を使い分
    けることを特徴とする巻線装置。
JP11013051A 1999-01-21 1999-01-21 巻線装置 Pending JP2000217315A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11013051A JP2000217315A (ja) 1999-01-21 1999-01-21 巻線装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11013051A JP2000217315A (ja) 1999-01-21 1999-01-21 巻線装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000217315A true JP2000217315A (ja) 2000-08-04

Family

ID=11822342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11013051A Pending JP2000217315A (ja) 1999-01-21 1999-01-21 巻線装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000217315A (ja)

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002158130A (ja) * 2000-11-17 2002-05-31 Nittoku Eng Co Ltd コイルの成型装置および成型方法
JP2005020875A (ja) * 2003-06-25 2005-01-20 Honda Motor Co Ltd ステータ及びその製造方法
JP2007080921A (ja) * 2005-09-12 2007-03-29 Nittoku Eng Co Ltd 線材のフォーミング方法、及びそれを用いた装置
JP2008021898A (ja) * 2006-07-14 2008-01-31 Nittoku Eng Co Ltd コイル巻線方法及び装置
JP2008312345A (ja) * 2007-06-14 2008-12-25 Asmo Co Ltd 巻線装置及び回転電機の製造方法
JP2009200387A (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 Totoku Electric Co Ltd エッジワイズコイル製造装置
JP2010110199A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Denso Corp 回転電機の固定子巻線の製造方法およびその製造装置
JP2013118282A (ja) * 2011-12-02 2013-06-13 Nittoku Eng Co Ltd 有芯コイルの巻線装置
JP2013118350A (ja) * 2012-07-23 2013-06-13 Nittoku Eng Co Ltd 有芯コイルの製造方法
CN103701275A (zh) * 2012-12-27 2014-04-02 厦门博镱自动化科技有限公司 单线或多线的绕线方法
WO2013092572A3 (de) * 2011-12-20 2014-07-17 Continental Automotive Gmbh Verfahren und vorrichtung zur herstellung von bewickelten und miteinander verschalteten polzähnen von statoren
JP2014135458A (ja) * 2013-01-12 2014-07-24 Citizen Holdings Co Ltd 有芯コイルの製造方法
CN103996526A (zh) * 2014-05-22 2014-08-20 南通科尔电器有限责任公司 一种电感的绞线绕头工艺
JP2018098407A (ja) * 2016-12-15 2018-06-21 東芝産業機器システム株式会社 巻線及びその製造装置、並びに巻線の製造方法
DE102017124859A1 (de) * 2017-10-24 2019-04-25 AMK Arnold Müller GmbH & Co. KG Verfahren zum Herstellen einer elektrischen Spule und Wickelvorrichtung
JPWO2020067556A1 (ja) * 2018-09-28 2021-03-18 三菱電機株式会社 巻線方法、巻線機、インシュレータ及び回転電機
CN113571286A (zh) * 2021-07-27 2021-10-29 浙江田中精机股份有限公司 一种nfc线圈坯料及其绕线装置
DE102021125495A1 (de) 2021-10-01 2023-04-06 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren zum Herstellen einer ein- oder mehrfachen Lagenspule, Lagenspule, elektrische Maschine sowie Vorrichtung

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002158130A (ja) * 2000-11-17 2002-05-31 Nittoku Eng Co Ltd コイルの成型装置および成型方法
JP4656718B2 (ja) * 2000-11-17 2011-03-23 日特エンジニアリング株式会社 コイルの成型装置および成型方法
JP2005020875A (ja) * 2003-06-25 2005-01-20 Honda Motor Co Ltd ステータ及びその製造方法
JP2007080921A (ja) * 2005-09-12 2007-03-29 Nittoku Eng Co Ltd 線材のフォーミング方法、及びそれを用いた装置
JP4729372B2 (ja) * 2005-09-12 2011-07-20 日特エンジニアリング株式会社 線材のフォーミング方法、及びそれを用いた装置
JP2008021898A (ja) * 2006-07-14 2008-01-31 Nittoku Eng Co Ltd コイル巻線方法及び装置
JP2008312345A (ja) * 2007-06-14 2008-12-25 Asmo Co Ltd 巻線装置及び回転電機の製造方法
JP2009200387A (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 Totoku Electric Co Ltd エッジワイズコイル製造装置
JP2010110199A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Denso Corp 回転電機の固定子巻線の製造方法およびその製造装置
JP2013118282A (ja) * 2011-12-02 2013-06-13 Nittoku Eng Co Ltd 有芯コイルの巻線装置
WO2013092572A3 (de) * 2011-12-20 2014-07-17 Continental Automotive Gmbh Verfahren und vorrichtung zur herstellung von bewickelten und miteinander verschalteten polzähnen von statoren
JP2015502133A (ja) * 2011-12-20 2015-01-19 コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングContinental Automotive GmbH ステータの、巻装されかつ互いに結線された磁極ティースを製造する方法および装置
US9502948B2 (en) 2011-12-20 2016-11-22 Continental Automotive Gmbh Method for producing stator pole teeth that are wound and connected to one another
JP2013118350A (ja) * 2012-07-23 2013-06-13 Nittoku Eng Co Ltd 有芯コイルの製造方法
CN103701275A (zh) * 2012-12-27 2014-04-02 厦门博镱自动化科技有限公司 单线或多线的绕线方法
JP2014135458A (ja) * 2013-01-12 2014-07-24 Citizen Holdings Co Ltd 有芯コイルの製造方法
CN103996526A (zh) * 2014-05-22 2014-08-20 南通科尔电器有限责任公司 一种电感的绞线绕头工艺
JP2018098407A (ja) * 2016-12-15 2018-06-21 東芝産業機器システム株式会社 巻線及びその製造装置、並びに巻線の製造方法
DE102017124859A1 (de) * 2017-10-24 2019-04-25 AMK Arnold Müller GmbH & Co. KG Verfahren zum Herstellen einer elektrischen Spule und Wickelvorrichtung
WO2019081516A1 (de) 2017-10-24 2019-05-02 AMK Arnold Müller GmbH & Co. KG Verfahren zum herstellen einer elektrischen spule und wickelvorrichtung
JPWO2020067556A1 (ja) * 2018-09-28 2021-03-18 三菱電機株式会社 巻線方法、巻線機、インシュレータ及び回転電機
JP7046216B2 (ja) 2018-09-28 2022-04-01 三菱電機株式会社 巻線方法、巻線機、インシュレータ及び回転電機
CN113571286A (zh) * 2021-07-27 2021-10-29 浙江田中精机股份有限公司 一种nfc线圈坯料及其绕线装置
DE102021125495A1 (de) 2021-10-01 2023-04-06 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren zum Herstellen einer ein- oder mehrfachen Lagenspule, Lagenspule, elektrische Maschine sowie Vorrichtung

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000217315A (ja) 巻線装置
US8225491B2 (en) Coil manufacturing method
US7311284B2 (en) Coil forming method and coil forming device
KR100974406B1 (ko) 권선 장치
US8193676B2 (en) Coil manufacturing method and coil manufacturing apparatus
JP4259322B2 (ja) モータの製造方法
US20140201979A1 (en) Manufacturing device and manufacturing method for stator of rotating electrical machine
US6499689B1 (en) Wire winding apparatus and method
JP4600580B2 (ja) 固定子コイルの製造方法
US9762108B2 (en) Method for winding edgewise coil and winding device
CN102853046B (zh) 凸轮机构、长条物输送方法以及线圈的绕线方法及装置
US20130000105A1 (en) Method for producing stator for rotary electric machine, and production device
JP3932084B2 (ja) 回転電機のコイル導体の製造方法
KR20030074248A (ko) 권선 방법 및 권선 장치
JP2000245092A (ja) 集中巻コイルおよび巻線製造装置
US20010015393A1 (en) Winding apparatus
US6782600B2 (en) Method for winding an armature coil
JP4259127B2 (ja) モータの製造方法
JP2000197294A (ja) 集中巻コイルおよび巻線製造装置
JP4297323B2 (ja) 多線コイルの巻線方法
TWI552177B (zh) 線圈、線圈的捲線方法及捲線裝置
JP2001093767A (ja) 巻線機
JP5054424B2 (ja) 巻線方法、巻線機及び多極電機子用ワーク
KR102310393B1 (ko) 모터 고정자용 동시권선장치 및 이를 이용한 권선방법
JPS61229433A (ja) 両端に独乙式フツクを備える引張りばねの連続自動成形方法及び装置