JP2000216996A - 記録時における濃度調整が可能な2値画像の記録用コ―ドの作成方法 - Google Patents

記録時における濃度調整が可能な2値画像の記録用コ―ドの作成方法

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JP2000216996A
JP2000216996A JP11016949A JP1694999A JP2000216996A JP 2000216996 A JP2000216996 A JP 2000216996A JP 11016949 A JP11016949 A JP 11016949A JP 1694999 A JP1694999 A JP 1694999A JP 2000216996 A JP2000216996 A JP 2000216996A
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Taku Sakamoto
卓 坂本
Hiromi Chatani
博美 茶谷
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2値画像の記録時に画像濃度を調整する。 【解決手段】 記録用コードで表される各画素の記録状
態として、次の複数の記録状態を規定し、これらの複数
の記録状態を、多階調画像信号と閾値信号との関係に対
応付ける。(i)2値画像の記録時における濃度調整状
態に係わらずに画素がオン状態に設定される第1の記録
状態。(ii)2値画像の記録時における濃度調整状態
に係わらずに画素がオフ状態に設定される第2の記録状
態。(iii)2値画像の記録時における濃度調整に応
じて画素がオン状態とオフ状態のいずれかに設定される
少なくとも1つの調整可能状態。そして、画像内の各画
素における多階調画像信号と閾値信号との関係に応じ
て、各画素が複数の記録状態のいずれに該当するかを決
定する。次に、各画素の記録状態を識別するための状態
識別情報を含む記録用コードを作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多階調画像信号
から、より少ないビット数の記録用コードを生成する技
術、および、この記録用コードを印刷や複写などの画像
記録に用いる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】通常のオフセット印刷や凸版印刷では、
YMCKの4つの異なるインクでそれぞれの色分解画像
を順次刷り重ねることによって、カラー印刷物が作成さ
れる。各インクの濃度は一定なので、各インクの刷版上
に形成される画像の濃度は、インクを塗布する画素の数
を増減することによって調整される。従って、刷版用の
画像は2値画像である。また、印刷されたカラー画像
は、各インクの2値画像が刷り重ねられたものである。
【0003】伝統的な印刷技術では、刷版は、いわゆる
写真製版によって作成されていた。しかし、近年では、
コンピュータの支援の下に、デジタルの画像情報から刷
版用の記録用画像信号が作成され、この記録用画像信号
に従って刷版の画像が記録される場合が多い。刷版の画
像は2値画像なので、刷版の画像を記録するための記録
用画像信号は1ビットの2値信号である。
【0004】このような1ビットの記録用画像信号を作
成するために、RIP(ラスタイメージプロセッサ)と
呼ばれる装置が使用されている。RIPは、自然画やコ
ンピュータグラフィックスなどの絵柄画像と、文字や罫
線などの線画とを含むような統合画像のデジタル画像情
報から、1ビットの記録用画像信号を生成することがで
きる。
【0005】このような1ビットの記録用画像信号を利
用すると、いわゆる網フィルム(刷版用の2値画像をフ
ィルム上に記録したもの)を作成することができる。ま
た、同じ記録用画像信号から、DDCP(デジタル・ダ
イレクト・カラー・プルーフ)と呼ばれる装置を用いて
校正用カラー画像を出力したり、CTP(コンピュータ
・トウ・プレート:刷版直接描画)と呼ばれる装置を用
いて各色の刷版を直接作成したりすることも可能であ
る。さらに、近年の高速通信技術の進展につれて、遠隔
地に記録用画像信号を転送してフィルムや刷版上に2値
画像を記録することも行われはじめている。
【0006】なお、通常の意味では「2値画像」は白黒
画像を意味しているが、本明細書では、各画素位置に小
ドットが記録されるか否かによって画像の濃度階調を表
現している画像を「2値画像」と呼んでいる。従って、
DDCPを用いて作成される校正用カラー画像は、各色
についての「2値画像」が重ねられたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、同じ記録用
画像信号を用いても、画像出力装置(画像記録装置)の
特性によっては、得られる画像の濃度が多少異なる場合
がある。このような記録画像の濃度の差異は、例えば画
像出力装置が用いているレーザビームの結像状態や光
量、感光材の特性、あるいは現像条件の違い等に起因し
ている。
【0008】また、同じ記録用画像信号を、DDCPに
よる校正用カラー画像の作成やCTPによる刷版の作成
に利用する場合には、校正用カラー画像用の色材の特性
と、印刷用インクの特性との違いなどから、校正用カラ
ー画像とカラー印刷物が同じに見えないことがある。
【0009】このように、画像出力装置の特性によって
は、同じ記録用画像信号を用いても、得られる画像の濃
度が異なってしまう場合があった。そこで、従来から、
画像の記録時に、記録される画像の濃度を調整したいと
いう要望があった。
【0010】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、2値画像の記録
時に画像濃度を調整することのできる技術を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明で
は、まず、記録用コードで表される各画素の記録状態と
して、次の複数の記録状態を規定し、これらの複数の記
録状態を、多階調画像信号と閾値信号との関係に対応付
ける。 (i)2値画像の記録時における濃度調整状態に係わら
ずに画素がオン状態に設定される第1の記録状態。 (ii)2値画像の記録時における濃度調整状態に係わ
らずに画素がオフ状態に設定される第2の記録状態。 (iii)2値画像の記録時における濃度調整に応じて
画素がオン状態とオフ状態のいずれかに設定される少な
くとも1つの調整可能状態。
【0012】そして、画像内の各画素における多階調画
像信号と閾値信号との関係に応じて、各画素が複数の記
録状態のいずれに該当するかを決定する。次に、各画素
の記録状態を識別するための状態識別情報を含む記録用
コードを作成する。
【0013】いくつかの画素は、2値画像の記録時にオ
ン状態とオフ状態のいずれかに設定可能な調整可能状態
に割り当てられるので、どの画素をオン状態とし、ま
た、どの画素をオフ状態とするかを、2値画像の記録時
に調整することができる。従って、2値画像の記録時に
画像濃度を調整することが可能である。
【0014】なお、少なくとも1つの調整可能状態は、
互いに識別可能な複数の調整可能状態を含むようにして
もよい。
【0015】こうすれば、画像の濃度を複数の段階で調
整することが可能である。
【0016】なお、複数の記録状態が、多階調画像信号
と閾値信号との差の複数の値を複数の境界値として用い
て区分されているときに、複数の境界値のうちの少なく
とも1つは、多階調画像信号と閾値信号とのうちの一方
の大きさに応じて変化するように設定されているように
してもよい。
【0017】こうすれば、多階調画像信号または閾値信
号の大きさに応じて、各画素の記録状態の区分を変更で
きるので、記録時の画像濃度の調整の融通性が向上し、
より望ましい画像を記録できる可能性がある。
【0018】なお、前記記録用コードは、特定の濃度調
整状態において各画素がオン状態とオフ状態のいずれか
に設定されることを示す2値の主データと、主データに
よって表されるオン/オフ状態を変更し得る画素を示す
添付データと、を含むようにしてもよい。
【0019】こうすれば、特定の濃度調整状態で画像を
記録する場合には、主データのみを用いればよく、いく
つかの画素を追加的にオン状態やオフ状態にする場合に
のみ添付データを用いればよい。従って、画像記録時の
処理や記録用コードの伝送処理を、より効率良く行うこ
とができる可能性がある。
【0020】前記添付データは、前記主データによって
表されるオン/オフ状態を変更し得る画素に関しては、
前記多階調画像信号の値を示す情報を含むようにするこ
とも可能である。
【0021】こうすれば、多階調画像信号の値毎に、追
加的にオン状態やオフ状態にする画素を調整できるの
で、画像記録時の融通性がさらに向上し、より望ましい
画像を記録できる可能性がある。
【0022】本発明の他の態様においては、各画素の多
階調画像信号と閾値信号の関係に従って、1画素当たり
1ビットの第1のコードを作成する。また、少なくとも
1つの一定値を用いて、各画素の多階調画像信号と閾値
信号とのうちの一方の信号にその一定値を加算して得ら
れた修正信号と、他方の信号との関係に従って、1画素
当たり1ビットの第2のコードを少なくとも1組作成す
る。そして、第1のコードと少なくとも1組の第2のコ
ードとに基づいて、1画素当たり複数ビットで構成され
る状態識別情報を含む記録用コードを作成する。
【0023】このようにしても、どの画素を実際のオン
状態とし、また、どの画素を実際のオフ状態とするか
を、画像の記録時に調整することができる。従って、画
像の記録時に、記録される画像の濃度を調整することが
可能である。
【0024】なお、複数ビット記録用コードは、第1の
コードで構成される主データと、少なくとも1組の第2
のコードで表される情報を実質的に示す添付データと、
を含むようにすることが可能である。
【0025】こうすれば、主データのみを用いて画像記
録を行う際に、画像記録や記録用コードの伝送処理をよ
り効率良く行うことができる可能性がある。
【0026】なお、各画素の前記状態識別情報を画素の
配列順に配列して圧縮符号化するようにしてもよい。
【0027】こうすれば、記録用コードのデータ量を減
少させることができる。
【0028】なお、複数の記録状態が、多階調画像信号
と閾値信号との差に対応付けられているときに、多階調
画像信号と閾値信号との差の絶対値が所定の値よりも大
きな画素に対しては、状態識別情報として、すべてのビ
ットが0のみ、または、1のみで構成される値が割り当
てられるようにしてもよい。
【0029】こうすれば、圧縮符号化するときに、デー
タの圧縮率をより高めることが可能である。
【0030】なお、本発明は、例えば以下のような種々
の態様で実現することが可能である。 (1)記録用コードの作成方法。 (2)記録用コードから2値画像を記録するための2値
記録信号を作成する方法。 (3)記録用コードを用いた画像の記録方法。 (4)上記方法(1)ないし(3)のいずれかの機能を
実現する装置。 (5)上記方法(1)ないし(3)のいずれかの機能を
コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラ
ムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 (6)記録用コードを記録した記録媒体。 (7)記録用コードを作成してネットワークを介して送
信する送信装置(記録用コード作成装置)と、記録用コ
ードを受信して画像の記録を行う受信装置(画像記録装
置)とを備えたコンピュータシステム。
【0031】
【発明の実施の形態】A.第1実施例:以下、本発明の
実施の形態を実施例に基づいて説明する。図1は、本発
明の一実施例に使用されるコンピュータネットワークシ
ステムを示す概念図である。このコンピュータネットワ
ークは、ネットワーク回線100に、発信装置200と
受信装置300とを含む複数のコンピュータが接続され
たものである。
【0032】図2は、発信装置200の構成を示すブロ
ック図である。この発信装置200は、CPU220
と、ROMおよびRAMを含むメインメモリ222と、
フレームメモリ226と、キーボード230と、マウス
232と、表示装置234と、ハードディスク236
と、モデム238と、これらの各要素を接続するバス2
40と、を備えるコンピュータである。なお、図1では
各種のインターフェイス回路は省略されている。モデム
238は、図1のネットワーク回線100に接続されて
いる。コンピュータネットワーク内の図示しないサーバ
は、通信回線を介してコンピュータプログラムを発信装
置200や受信装置300に供給するプログラム供給装
置としての機能を有する。
【0033】メインメモリ222には、多階調画像デー
タを記憶する多階調画像メモリ領域242と、閾値デー
タを記憶するスクリーンパターンメモリ領域(SPM)
244とが設けられている。なお、本明細書では、「デ
ータ」と「信号」とはほぼ同義語として使用されてい
る。メインメモリ222には、さらに、記録用コード生
成部246と、記録用コード送信部248との機能をそ
れぞれ実現するためのコンピュータプログラムが格納さ
れている。
【0034】これらの各部246,248の機能を実現
するコンピュータプログラムは、フレキシブルディスク
やCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録
媒体に記録された形態で提供される。コンピュータは、
その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って
内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるい
は、通信経路を介してコンピュータにコンピュータプロ
グラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプロ
グラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納さ
れたコンピュータプログラムがコンピュータのマイクロ
プロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録
されたコンピュータプログラムをコンピュータが読み取
って直接実行するようにしてもよい。
【0035】この明細書において、コンピュータとは、
ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概
念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作す
るハードウェア装置を意味している。また、オペレーシ
ョンシステムが不要でアプリケーションプログラム単独
でハードウェア装置を動作させるような場合には、その
ハードウェア装置自体がコンピュータに相当する。ハー
ドウェア装置は、CPU等のマイクロプロセッサと、記
録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取る
ための手段とを少なくとも備えている。コンピュータプ
ログラムは、このようなコンピュータに、上述の各手段
の機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。な
お、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラム
でなく、オペレーションシステムによって実現されてい
ても良い。
【0036】なお、この発明における「記録媒体」とし
ては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気デ
ィスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカー
ド、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピ
ュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)
および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な
種々の媒体を利用できる。
【0037】図3は、発信装置200内の記録用コード
の作成に関連する構成の等価回路を示すブロック図であ
る。記録用コード生成部246は、ウィンドウコンパレ
ータ252と、記録用コードバッファ254とを備えて
いる。ウィンドウコンパレータ252は、多階調画像メ
モリ242から読み出された多階調画像信号Iと、SP
M244から読み出された閾値信号Sとを画素毎に比較
し、これらの信号I,Sの差の値に応じて、各画素が取
り得る複数の記録状態を識別するための状態識別コード
SCを出力する。
【0038】図4は、SPM244に記憶されている閾
値パターン(「スクリーンパターン」とも呼ぶ)を示す
説明図である。この閾値パターンは、4×4画素の大き
さを有しており、その中の16個の画素に、0〜14の
閾値Sが割当てられている。閾値Sの最大値が14に設
定されている理由は後述する。この閾値パターンは、多
階調画像信号と閾値信号Sとを比較して後述する記録用
コードを作成する際に、画像平面上において、タイル状
に繰り返し適用される。
【0039】図5(A)は、多階調画像信号Iが6で一
定である場合に、図4の閾値パターンを用いて得られる
従来の1ビット記録用コードを示している。従来の1ビ
ット記録用コードの値は、以下のような判断基準で決定
される。 (0−1):I−S≦0のとき、オフ「0」; (0−2):I−S>0のとき、オン「1」。 ここで、Iは多階調画像信号、Sは閾値である。
【0040】図4において、閾値Sの最大値が14に設
定されているのは、多階調画像信号Sの値がダイナミッ
クレンジの最大値(15)を取るときに、すべての画素
がオン状態になるようにするためである。
【0041】なお、この明細書において、「画素がオフ
状態にある」ということは、2値画像の記録に用いられ
る1ビットの2値画像信号の値が「0」であることを意
味する。一方、「画素がオン状態にある」ということ
は、2値画像信号の値が「1」であることを意味する。
【0042】第1実施例のウィンドウコンパレータ25
2は、以下のように、多階調画像信号Iと閾値信号Sと
の関係に応じて4つの記録状態を区別し、各画素の記録
状態を識別する2ビットの状態識別コードSCを各画素
に割り当てる。
【0043】 (1−1):I−S<0のとき、SC=00; (1−2):I−S=0のとき、SC=01; (1−3):I−S=1のとき、SC=10; (1−4):I−S>1のとき、SC=11。
【0044】図5(B)は、第1実施例において作成さ
れる2ビットの状態識別コードSCの一例を示してい
る。ここでは多階調画像信号Iが6であると仮定してい
るので、閾値信号Sが7以上である9つの画素位置では
状態識別コードSCが「00」となり、閾値信号Sが6
である1つの画素位置では状態識別コードSCは「0
1」に、閾値信号Sが5である1つの画素位置では状態
識別コードSCは「10」に、閾値信号Sが4以下であ
る5つの画素位置では状態識別コードSCは「11」に
なる。
【0045】状態識別コードSCが「00」である画素
は、画像濃度の調整の有無に係わらず、常にオフ状態
(非点灯状態)として記録される。また、状態識別コー
ドSCが「11」である画素は、画像濃度の調整の有無
に係わらず、常にオン状態(点灯状態)として記録され
る。一方、状態識別コードSCが「01」または「1
0」である画素は、画像濃度の調整に応じて、オン状態
またはオフ状態に変更される。このように、画像濃度の
調整に応じてオン/オフ状態が変更され得る記録状態
を、「調整可能状態」と呼ぶ。なお、この例では、互い
に識別可能な調整可能状態が2つ存在することになる。
【0046】図5(A)に示す従来の記録用コードにお
いてオフ「0」と判断されるのは、第1実施例において
状態識別コードSCが「00」または「01」となる場
合である。また、従来の記録用コードでオン「1」と判
断されるのは、第1実施例において状態識別コードSC
が「10」または「11」となる場合である。換言すれ
ば、第1実施例の状態識別コードSCの上位ビットは従
来の記録用コードと同じ値を有しており、下位ビットが
付加的な情報として追加されているものと考えることが
できる。
【0047】通常の画像記録時には、SC=01の画素
はオフ状態に設定されるが、画像濃度を調整するため
に、必要に応じて追加的にオン状態(点灯状態)に変更
される。この意味で、SC=01の画素を「追加点灯候
補」と呼ぶ。一方、SC=10の画素は通常はオン状態
に設定されるが、画像濃度を調整するために、必要に応
じて追加的にオフ状態(非点灯状態)に変更される。こ
の意味で、SC=10の画素を「追加非点灯候補」と呼
ぶ。
【0048】なお、図5(A),(B)では、説明のた
めに極く簡単な例を示しているが、実際には、多階調画
像信号Sは一定ではなく変化しているのが普通である。
また、閾値パターンももっと大きなサイズを有している
ことが多い。
【0049】記録用コードバッファ254(図3)は、
各画素に対して割り当てられた状態識別コードSCを、
画像内の画素の配列の順番に従って並べた形式で記憶す
る。このように画素順に配列された状態識別コードSC
は、2ビットの記録用コードRCとして記録用コード送
信部248によって読み出されてランレングス圧縮され
た後に、ネットワーク回線100(図1)を介して受信
装置300に転送される。
【0050】図5(B)を見れば理解できるように、ほ
とんどの画素では状態識別コードSCの値として「0
0」または「11」を取り、しかも連続する傾向が強
い。一方、「01」や「10」を取る画素はわずかであ
る。従って、このような状態識別コードSCを画像内の
画素の配列順に従って順番に並べ、ランレングス圧縮す
れば、かなり高い圧縮率が得られるものと期待できる。
【0051】図6は、第1実施例における記録用コード
の他の構成を示す説明図である。図6(A−1),(A
−2)は、図5(B)に示す2ビットの状態識別コード
SCで示される情報を、主データCDmと添付データC
Daとに分けて表現した例を示している。図6(A−
1)の主データCDmは、図5(A)に示した従来の1
ビット記録用コードと同じものである。すなわち、主デ
ータCDmの値は、上述した判断基準(0−1),(0
−2)に従って「0」または「1」となる。図6(A−
2)の添付データCDaの値は、上述の判断基準(1−
1)〜(1−4)の代わりに以下の判断基準(1−
1’)〜(1−4’)を用いて決定されたものである。
【0052】 (1−1’):I−S<0のとき、CDa=00; (1−2’):I−S=0のとき、CDa=01; (1−3’):I−S=1のとき、CDa=10; (1−4’):I−S>1のとき、CDa=00。
【0053】すなわち、上記判断基準(1−1’)〜
(1−4’)において2ビットの状態識別コードSCの
値が「11」または「00」となるときには添付データ
CDaの値は「00」となり、他の場合には2ビットの
状態識別コードSCの値と添付データCDaの値とは同
じである。
【0054】主データCDmの値が「1」である画素を
オン状態に設定し、主データCDmの値が「0」である
画素をオフ状態に設定したときに得られる2値画像を、
「標準濃度状態の2値画像」、または、「特定の濃度調
整状態で得られる画像」と呼ぶ。この標準濃度状態の2
値画像において、添付データCDaの値が「01」であ
る画素(追加点灯候補)をオフ状態からオン状態に変更
すれば、オン状態となる画素の数が1つ増加する。ま
た、添付データCDaの値が「10」である画素(追加
非点灯候補)をオン状態からオフ状態に変更すれば、オ
ン状態の画素の数が1つ減少する。このように、主デー
タCDmは、標準濃度状態の2値画像において、各画素
がオン状態とオフ状態のいずれに設定されるかを示して
いる。一方、添付データCDaは、主データCDmによ
って表される状態を変更し得る画素を示している。露光
ビームを使用する画像出力装置においては、添付データ
CDaは、画素の追加的な点灯/非点灯の順位を示して
いるものと考えることも可能である。以下では「追加的
な点灯/非点灯の順位」を単に「点灯順位」と呼ぶ。
【0055】記録用コードバッファ254(図3)内に
は、主データCDmと添付データCDaとが別々に格納
される。これらの主データCDmと添付データCDaと
は、記録用コード送信部248においてそれぞれ別個に
ランレングス圧縮されて送信される。添付データCDa
の値はほとんどの画素で「00」なので、ランレングス
圧縮を行ったときにデータ量が極めて少なくなる。従っ
て、主データCDmと添付データCDaの全体を圧縮し
た後のデータ量も、図5(B)に示した2ビットの状態
識別コードSCを圧縮した場合とほとんど変わらないと
考えられる。
【0056】なお、記録用コードの送信時には、まず主
データCDmのみを発信装置200から受信装置300
に転送し、受信装置300から要求があった後に添付デ
ータCDaを送信するようにしてもよい。こうすれば、
要求されたときにのみ添付データCDaを送信すればよ
いので、送信時間や、受信装置300におけるデコード
処理の時間を短縮できるという利点がある。
【0057】図6(B−1),(B−2)は、第1実施
例における主データCDmと添付データCDaの他の構
成例を示している。図6(B−1)の主データCDm
は、図6(A−1)に示した主データCDmと同じであ
る。図6(B−2)の添付データCDaの値は、上述の
判断基準(1−1’)〜(1−4’)の代わりに、以下
の判断基準(1−1”)〜(1−4”)に従って判断さ
れたものである。
【0058】 (1−1”):I−S<0のとき、CDa=0; (1−2”):I−S=0のとき、CDa=101; (1−3”):I−S=1のとき、CDa=110; (1−4”):I−S>1のとき、CDa=0。
【0059】なお、図6(B−2)に示す添付データC
Daは、以下の構成を有している。
【0060】[データ有無識別ビット(1ビット)]+
[点灯順位データ(2ビット)]
【0061】但し、データ有無識別ビットが「0」のと
きには点灯順位データは付加されておらず、データ有無
識別ビットが「1」のときにのみ2ビットの点灯順位デ
ータがその直後に付加されている。これは、後述する他
の可変長の添付データにおいても同じである。なお、2
ビットの点灯順位データの値は、図6(A−2)に示す
2ビットの添付データの値と同じである。
【0062】図6(A−2)の添付データCDaは2ビ
ットの固定長であるのに対して、図6(B−2)の添付
データCDaは可変長である。また、図6(B−2)の
添付データCDaの値は、ほとんどの画素において
「0」であり、わずかな数の画素において「101」ま
たは「110」となる。従って、図6(B−2)の添付
データCDaの方が、図6(A−2)の添付データCD
aよりもランレングス圧縮後のデータ量が少なくて済む
可能性がある。
【0063】なお、添付データCDaの構成としては、
上述したもの以外の種々のものを採用することができ
る。例えば、図5(B)の状態識別コードSCの下位の
1ビットをそのまま添付データCDaとして採用するよ
うにしてもよい。一般には、添付データCDaは、主デ
ータCDmで示される画素のオン/オフ状態に対して追
加的にオン状態またはオフ状態となるべき画素を(すな
わち、画素の点灯順位を)示しているデータであれば良
い。
【0064】図7は、受信装置300の構成を示すブロ
ック図である。この受信装置300は、CPU320
と、ROMおよびRAMを含むメインメモリ322と、
フレームメモリ326と、キーボード330と、マウス
332と、表示装置334と、ハードディスク336
と、モデム338と、画像記録装置339と、これらの
各要素を接続するバス340と、を備えるコンピュータ
である。なお、図7では各種のインターフェイス回路は
省略されている。モデム338は、図1のネットワーク
回線100に接続されている。
【0065】メインメモリ322には、発信装置200
から転送された記録用コードを記憶する記録用コードメ
モリ領域342が設けられている。メインメモリ322
には、さらに、記録信号生成部344と、記録信号転送
部346との機能をそれぞれ実現するためのコンピュー
タプログラムが格納されている。
【0066】図8は、受信装置300内において複数ビ
ットの記録用コードRCから1ビットの2値記録信号R
Sを作成する処理に関連する構成の等価回路を示すブロ
ック図である。記録信号生成部344は、比較演算部3
52と、変化幅レジスタ354と、記録信号バッファ3
56とを備えている。変化幅レジスタ354には、画像
の濃度調整のための設定値である変化幅データVDが設
定されている。図5(B)に示した2ビットが状態識別
コードSCが記録用コードRCとして転送されてきた場
合には、変化幅データVDは、「00」以外の3つの値
「11」,「10」,「01」のいずれかに設定され
る。
【0067】図9(A)〜(C)は、変化幅データが
「11」,「10」,「01」のときの各画素のオン/
オフ状態をそれぞれ示している。図9(A)に示すよう
に、変化幅データVDが「11」のときには、記録用コ
ードが「11」の画素のみがオン(点灯状態)となり、
その他の画素はオフ(非点灯状態)となる。この結果、
従来の1ビット記録コードを用いた場合(図5(A))
よりも、オフ状態の画素が1画素多くなる。
【0068】図9(B)に示すように、変化幅データが
「10」のときには、記録用コードが「10」または
「11」である画素がオンとなり、その他の画素はオフ
となる。この場合には、従来の1ビット記録コードを用
いた場合と同じオン状態が得られる。
【0069】図9(C)に示すように、変化幅データが
「01」のときには、記録用コードが「01」、「1
0」または「11」である画素がオンとなり、その他の
画素(すなわち記録用コードが「00」の画素)はオフ
となる。この結果、従来の1ビット記録コードを用いた
場合よりも、オン状態の画素が1画素多くなる。
【0070】以上の説明から理解できるように、状態識
別コードSCの値が変化幅データの値以上である画素が
オンとなり、その他の画素はオフとなる。本実施例で
は、変化幅データの値は、「01」,「10」,「1
1」のいずれかなので、状態識別コードSCが「11」
である画素は、画像の濃度調整の有無に係わらず、常に
オン状態に設定される。一方、状態識別コードSCが
「00」である画素は、画像の濃度調整の有無に係わら
ず、常にオフ状態に設定される。また、状態識別コード
SCが「10」または「01」である画素は、画像の濃
度調整の程度に応じてオン状態またはオフ状態に設定さ
れる。
【0071】比較演算部352は、変化幅レジスタ35
4に設定されている変化幅データVDの値に従って、図
9(A)〜(C)のいずれかの2値記録信号RSを生成
して記録信号バッファ356に書き込む。この1ビット
の2値記録信号RSは、記録信号転送部346によって
画像記録装置339に転送され、この2値記録信号RS
に従って2値画像の記録(2値画像の出力)が実行され
る。なお、画像記録装置339としては、網フィルムを
作成するための記録スキャナや、刷版を直接作成するた
めのCTP(コンピュータ・トウ・プレート:刷版直接
描画)装置などを利用することができる。
【0072】このように、第1実施例の複数ビット記録
用コードは、従来の1ビットの記録用コードに、画素の
点灯順位を示す情報が付加されている構成を有している
ので、画像の記録時に変化幅データの設定を変更するだ
けで、画像の濃度を調整することが可能である。
【0073】なお、いわゆる網点を用いて画像の濃度を
表現する場合には、第1実施例のように画素のオン/オ
フ状態を変更したときに、各網点の全体的な形状はあま
り変化せずに、網点の大きさが多少変化するだけであ
る。従って、画像濃度の調整を行っても、網点形状が変
形して画像内にムラが発生する、という心配が無い。
【0074】B.第2実施例:図10は、第2実施例に
おいて使用される閾値パターンを示す説明図である。こ
の閾値パターンは、8×8画素の大きさを有しており、
その中の64個の画素に、0〜62の閾値Sが割当てら
れている。なお、発信装置200や受信装置300の構
成は、図2,図3,図7,図8に示したものとほぼ同じ
である。
【0075】第2実施例において、ウィンドウコンパレ
ータ252(図3)は、以下のように、多階調画像信号
Iと閾値信号Sとの関係に応じて8つの記録状態を区別
し、各画素の記録状態を識別する3ビットの状態識別コ
ードSCを各画素に割り当てる。
【0076】 (2−1):I−S<−2のとき、SC=000; (2−2):I−S=−2のとき、SC=001; (2−3):I−S=−1のとき、SC=010; (2−4):I−S= 0のとき、SC=011; (2−5):I−S= 1のとき、SC=100; (2−6):I−S= 2のとき、SC=101; (2−7):I−S= 3のとき、SC=110; (2−8):I−S> 3のとき、SC=111。
【0077】図11(A)は、多階調画像信号Iが24
で一定である場合の従来の1ビット記録用コードを示し
ており、図11(B)は、第2実施例で生成される3ビ
ットの状態識別コードSCを示している。第2実施例の
状態識別コードSCは、最上位ビットが従来の1ビット
記録用コードと同じ値を有しており、また、下位の2ビ
ットが、画素の点灯順位を示す付加的な情報として機能
している。
【0078】なお、第2実施例においても、ほとんどの
画素においては状態識別コードSCの値が「000」ま
たは「111」であり、「0」と「1」が混在するコー
ド値を取る画素は少ない。従って、このような状態識別
コードSCを、画像内の画素の配列順に従って順番に並
べてランレングス圧縮すれば、かなり高い圧縮率が得ら
れるものと期待できる。
【0079】図12(A),(B)は、第2実施例にお
ける記録用コードで示される情報を、1ビットの主デー
タCDmと、3ビットの固定長の添付データCDaとに
分けて表現した例を示している。図12(A)の主デー
タCDmは、図11(A)に示した従来の1ビット記録
用コードと同じである。図12(B)の添付データCD
aの値は、上述の判断基準(2−1)〜(2−8)の代
わりに以下の判断基準(2−1’)〜(2−8’)を用
いて決定されたものである。
【0080】 (2−1’):I−S<−2のとき、CDa=000; (2−2’):I−S=−2のとき、CDa=001; (2−3’):I−S=−1のとき、CDa=010; (2−4’):I−S= 0のとき、CDa=011; (2−5’):I−S= 1のとき、CDa=100; (2−6’):I−S= 2のとき、CDa=101; (2−7’):I−S= 3のとき、CDa=110; (2−8’):I−S> 3のとき、CDa=000。
【0081】すなわち、上記判断基準(2−1)〜(2
−8)において3ビットの状態識別コードSCの値が
「111」または「000」となるときに、添付データ
CDaの値が「000」となり、他の場合には3ビット
の状態識別コードSCと添付データCDaの値は同じで
ある。このような添付データCDaも、画素の追加的な
点灯/非点灯の順位を示しているものと考えることが可
能である。
【0082】図13(A),(B)は、第2実施例にお
ける状態識別コードSCを、1ビットの主データCDm
と、可変長の添付データCDaとに分けた構成例を示し
ている。図13(A)の主データCDmは、図12
(A)に示した主データCDmと同じである。図13
(B)の添付データCDaの値は、上述の判断基準(2
−1’)〜(2−8’)の代わりに、以下の判断基準
(2−1”)〜(2−8”)を用いて決定されたもので
ある。
【0083】 (2−1”):I−S<−2のとき、CDa=0; (2−2”):I−S=−2のとき、CDa=1001; (2−3”):I−S=−1のとき、CDa=1010; (2−4”):I−S= 0のとき、CDa=1011; (2−5”):I−S= 1のとき、CDa=1100; (2−6”):I−S= 2のとき、CDa=1101; (2−7”):I−S= 3のとき、CDa=1110; (2−8”):I−S> 3のとき、CDa=0。
【0084】なお、図13(B)に示す添付データCD
aは、以下の構成を有している。
【0085】[データ有無識別ビット(1ビット)]+
[点灯順位データ(3ビット)]
【0086】この3ビットの点灯順位データの値は、図
12(B)に示す3ビットの添付データの値と同じであ
る。
【0087】図14ないし図17は、第2実施例におい
て、受信装置300(図8)の変化幅レジスタ354に
登録される変化幅データの値に応じて決定される各画素
のオン/オフ状態を示している。これらの図を見れば解
るように、第2実施例において第1実施例と同様に、状
態識別コードSCの値が変化幅データの値以上である画
素がオンとなり、その他の画素はオフとなる。従って、
変化幅データの値を変更することによって、オン状態の
画素とオフ状態の画素の数を増減させることが可能であ
り、この結果、画像濃度を複数の段階で調整することが
できる。
【0088】C.第3実施例:第3実施例では、ウィン
ドウコンパレータ252(図3)が、以下のように、多
階調画像信号Iと閾値信号Sとの関係に応じて8つの記
録状態を区別し、各画素の記録状態を識別する3ビット
の状態識別コードSCを各画素に割り当てる。
【0089】 (3−1): I−S<−5のとき、SC=000; (3−2):−5≦I−S<−3のとき、SC=001; (3−3):−3≦I−S<−1のとき、SC=010; (3−4):−1≦I−S< 1のとき、SC=011; (3−5): 1≦I−S< 3のとき、SC=100; (3−6): 3≦I−S< 5のとき、SC=101; (3−7): 5≦I−S< 7のとき、SC=110; (3−8): 7≦I−S のとき、SC=111。
【0090】これらの判断基準(3−1)〜(3−8)
は、第2実施例における判断基準(2−1)〜(2−
8)とは、多階調画像信号Iと閾値Sとの差分(I−
S)を区別するための境界値が違うだけである。すなわ
ち、前述した第2実施例では、隣接する境界値同士の差
が1であったのに対して、第3実施例では隣接する境界
値同士の差が2である。
【0091】図18は、第3実施例で生成される3ビッ
トの状態識別コードSCを示している。第3実施例で
は、1つの閾値パターンに相当する画像領域内におい
て、状態識別コードSCの「110」〜「001」の各
値が、それぞれ2画素ずつに割り当てられている。従っ
て、変化幅データの設定を変更することによって、2画
素単位でオン状態とオフ状態の画素数を調整することが
可能である。
【0092】なお、多階調画像信号Iと閾値Sとの差分
(I−S)を区別するための複数の境界値の値は、任意
に設定可能である。例えば、7つの境界値T1〜T7を
使用する場合には、状態識別コードSCを生成するため
の判断基準は、例えば以下の通りとなる。
【0093】 (3−1’): I−S<T1のとき、SC=000; (3−2’):T1≦I−S<T2のとき、SC=001; (3−3’):T2≦I−S<T3のとき、SC=010; (3−4’):T3≦I−S<T4のとき、SC=011; (3−5’):T4≦I−S<T5のとき、SC=100; (3−6’):T5≦I−S<T6のとき、SC=101; (3−7’):T6≦I−S<T7のとき、SC=110; (3−8’):T7≦I−S のとき、SC=111。
【0094】図19(A),(B)は、境界値Ti(i
=1〜7)と多階調画像信号Iの関係、および、記録時
の画像濃度の調整幅を示す説明図である。図19(A)
の例では、境界値Tiは多階調画像信号Iのレベルに依
存しない一定値である。図19(B)に示すように、2
値画像の記録時には、変化幅データを境界値T1〜T7
のいずれの値に設定するかによって、画像濃度が調整さ
れる。すなわち、変化幅データを最も小さな境界値T1
に設定すれば、より多くの画素がオン状態となるので、
画像濃度は比較的高くなる。一方、変化幅データを、最
も大きな境界値T7に設定すれば、より少ない画素がオ
ン状態になるので、画像濃度は比較的低くなる。なお、
図19(B)の例では、4番目の境界値T4が1に等し
いものと仮定しており、この場合には、従来の1ビット
記録コードを用いて記録された画像と同じ、標準濃度状
態の画像が得られる。また、変化幅データの値を変えた
場合にも、元の多階調画像信号のレベルと記録時の画像
濃度との関係は直線的な関係に保たれており、この直線
が並行移動するだけである。なお、網点を用いて画像を
再現する場合には、画像濃度は網点面積率に相当する。
【0095】図20は、境界値Tiが元の多階調画像信
号Iに依存する場合の境界値Tiと多階調画像信号Iの
関係、および、記録時の画像濃度の調整幅を示す説明図
である。図20(A)に示す境界値Tiは、多階調画像
信号Iが比較的低い領域と比較的高い領域においては境
界値Ti同士の差分が小さくなり、多階調画像信号Iが
中間的な値を有する領域においては境界値Ti同士の差
分が大きくなるように設定されている。図19(B)に
示すように、画像の記録時に、変化幅データを境界値T
1〜T7のいずれかの値に設定すると、元の多階調画像
信号Iのレベルと記録時の画像濃度との関係も、境界値
Tiの多階調画像信号Iに対する依存性(図20(A)
のグラフ形状)に応じた変化を示す。このように、記録
時の画像濃度の調整幅を、元の多階調画像信号Iのレベ
ルに依存して変化させたい場合には、状態識別コードS
Cを決定する際の複数の境界値Tiの少なくとも1つ
を、多階調画像信号Iのレベルに依存するように設定す
ればよい。
【0096】なお、多階調画像信号Iのレベルに依存す
るように境界値Tiを設定する代わりに、閾値Sのレベ
ルに依存するように境界値Tiを設定してもよい。この
場合にも、図20とほぼ同じ効果を得ることができる。
換言すれば、境界値Tiは、多階調画像信号と閾値との
うちの一方の大きさに応じて変化するように設定するこ
とが可能である。こうすることにより、多階調画像信号
または閾値の大きさに応じて、各画素の記録状態の区分
を変更できるので、記録時の画像濃度の調整の融通性が
向上し、より望ましい画像を記録できる可能性がある。
【0097】D.第4実施例:図21は、第4実施例に
おいて作成される主データCDmと添付データCDaと
を示す説明図である。図21(A)の主データCDm
は、図13(A)に示した第2実施例のものと同じであ
る。また、図21(B)の添付データCDaは、図13
(B)に示した可変長の添付データの後ろに、元の多階
調画像信号Iのレベルを表す6ビットの値を付加したも
のである。すなわち、図21(B)の添付データCDa
は以下のような構成を有している。
【0098】[データ有無識別ビット(1ビット)]+
[点灯順位データ(3ビット)]+[画像信号レベルデ
ータ(6ビット)]
【0099】なお、データ有無識別ビットが0のときに
は、点灯順位データと画像信号レベルデータとは付加さ
れない。
【0100】第4実施例では、第2実施例で用いられて
いた判断基準(2−1”)〜(2ー8”)がそのまま使
用されている。すなわち、画像信号と閾値の差分を区分
する複数の境界値は、画像信号や閾値のレベルに依存せ
ず、それぞれ一定値である。
【0101】図21(B)の添付データCDaにおいて
は、多階調画像信号Iのレベルが24(十進表示)で一
定であると仮定しているので、画像信号レベルデータは
「011000」(2進表示)で一定である。但し、一
般には、画像信号のレベルは画素毎に変化しているの
で、各画素毎に画像信号レベルデータが異なる値を取り
得る。
【0102】図22は、第4実施例にける記録信号の作
成処理に関連する構成の等価回路を示すブロック図であ
る。第4実施例における記録用コードメモリ342a
は、主データバッファ360と、添付データバッファ3
61とを備えている。また、記録信号生成部344a
は、情報ビット識別部370と、比較演算部372と、
変化幅設定テーブル374と、加算器376と、記録信
号バッファ378とを備えている。
【0103】主データバッファ360と添付データバッ
ファ362には、図21(A),(B)に示すデータが
それぞれ格納される。情報ビット識別部370は、添付
データバッファ362の各画素の先頭ビット(データ有
無識別ビット)が1であるか否かを判断し、1である場
合には、比較演算部372に添付データCDaを送信し
て比較演算処理を実行させる。
【0104】図23は、変化幅設定テーブル374の内
容と比較演算部372の処理内容とを示す説明図であ
る。図23の表の上から1番目と2番目の行には、画像
信号Iのレベルが十進数と2進数とで示されている。ま
た、上から3番目と4番目の行には、変化幅の設定値
と、この設定値に対する変化幅設定情報VIとが示され
ている。ここで、「変化幅」とは、1つの網点パターン
と同じ大きさを有する画像領域内において、追加的にオ
ン状態またはオフ状態になる画素の個数を示している。
図23の例では、画像信号レベルが23であった画素に
ついては2個の画素を追加的にオン状態にし、また、画
像信号レベルが24であった画素については1個の画素
を追加的にオン状態にする。また、画像信号レベルが2
5であった画素については、1個の画素を追加的にオフ
状態にする。
【0105】変化幅設定情報VIは、以下に示すよう
に、図21(B)に示す添付データCDaの点灯順位デ
ータを、点灯順位変更データに置き換えた構成を有して
いる。
【0106】[データ有無識別ビット(1ビット)]+
[点灯順位変更データ(3ビット)]+[画像信号レベ
ルデータ(6ビット)]
【0107】3ビットの点灯順位変更データは、値「1
00」から変化幅設定値を減算した値である。従って、
変化幅が+1の時には点灯順位変更データは「011」
となり、変化幅が+2の時には点灯順位変更データは
「010」となる。また、変化幅がー1の時には点灯順
位変更データは「101」となる。
【0108】なお、変化幅設定情報VIの形式として
は、以下のような可変長の形式を採用することも可能で
ある。
【0109】[データ有無識別ビット(1ビット)]+
[情報長(固定長)]+[点灯順位変更データ(可変
長)]+[画像信号レベルデータ(固定長)]
【0110】ここで、「情報長」とは、変化幅設定情報
VI全体のビット数を意味している。あるいは、変化幅
設定情報VIの所定の標準的なビット数からの差分を情
報長として設定するようにしてもよい。このような可変
長の変化幅設定情報VIを採用すれば、全体のビット数
を低減できる場合がある。
【0111】第4実施例において、変化幅がプラスであ
る場合には、変化幅で示された数の画素が追加的にオン
状態になる。追加的にオン状態になる画素は、以下の条
件(1a),(2a)を共に満たす画素である。
【0112】(1a)添付データCDaの画像信号レベ
ルデータが、変化幅設定情報VIの画像信号レベルデー
タと同じである。 (2a)添付データCDaの点灯順位データの値が、変
化幅設定情報VIの点灯順位変更データの値以上で、
「100」未満である。
【0113】図23の例では、画像信号レベルが23で
あった画素に対する変化幅は+2なので、添付データC
Daの点灯順位データの値が「010」または「01
1」である画素が追加的に点灯される。
【0114】変化幅がマイナスである場合には、変化幅
で示された数の画素が追加的にオフ状態になる。追加的
にオフ状態になる画素は、以下の条件(1b),(2
b)を共に満たす画素である。
【0115】(1b)添付データCDaの画像信号レベ
ルデータが、変化幅設定情報VIの画像信号レベルデー
タと同じである。 (2b)添付データCDaの点灯順位データの値が、変
化幅設定情報VIの点灯順位変更データの値以下で、
「100」を超える値である。
【0116】図23の下端の2つの行には、上記の条件
(1a)〜(2b)に従って追加的にオン状態またはオ
フ状態となる画素の添付データの値が記載されている。
【0117】比較演算部372は、このような変化幅設
定情報VIと、図21(B)に示す添付データCDaと
を比較し、追加的にオン状態とすべき画素に対してはそ
の出力を+1に設定し、一方、追加的にオフ状態とすべ
き画素に対してはその出力を−1に設定する。また、添
付データCDaのデータ有無識別ビットが0である画素
に対しては、比較演算部372は0を出力する。加算器
376は、この比較演算部372の出力を主データCD
mに加算することによって、オン/オフ状態が調整され
た1ビットの2値記録信号RSを生成し、記録信号バッ
ファ378に格納する。
【0118】図24は、図23の設定内容に従って図2
1(A),(B)に示された主データCDmおよび添付
データCDaから作成された2値記録信号RSのオン/
オフ状態を示す説明図である。図23においては、画像
信号Iのレベルが24に対する変化幅が+2に設定され
ていたので、1つの閾値パターンと同じ画像領域内にお
いて2個の画素が追加的にオン状態になっている。
【0119】図25は、第4実施例における画像濃度の
調整内容を示す概念図である。第4実施例では、元の画
像信号のレベル毎に変化幅が独立に設定可能なので、例
えば、画像濃度の調整結果を図25(A)の曲線G1の
ように下に凸に設定したり、曲線G6のように上に凸に
設定したりすることができる。なお、直線G3は、画像
濃度の調整を行わないとき(すなわち標準濃度状態)の
画像信号と画像濃度との関係を示している。また、図2
5(B)は、図25(A)の各曲線における画像濃度の
変化(すなわち直線G3からの差分)を示している。
【0120】なお、図25(C)に示すように、調整後
の画像濃度の変化が複雑な曲線になるようにすることも
可能である。この例では、画像信号Iのレベルが比較的
低い場合には、濃度が高くなるように(すなわち変化幅
がプラスに)設定されており、画像信号Iのレベルが比
較的高い場合には、濃度が低くなるように(すなわち変
化幅がマイナスに)設定されている。第4実施例のよう
に、画像信号のレベルに応じて変化幅を独立に設定でき
るときには、調整後の画像濃度の変化が任意の所望の曲
線を描くように、画像の濃度調整を行うことが可能であ
る。
【0121】以上のように、記録用コードの中に、各画
素の点灯順位(すなわち調整可能状態であることを示す
情報)に加えて、元の画像信号のレベルを示す情報を含
めるようにすれば、画像の記録時において、元の画像信
号レベル毎に濃度の調整幅(変化幅)を独立に設定する
ことが可能である。この結果、画像の記録時における画
像濃度の調整の融通性が高くなり、所望の画像を容易に
得ることができるという利点がある。
【0122】E.第5実施例:図26は、第5実施例に
おける記録用コードの作成処理に関連する構成の等価回
路を示すブロック図である。第5実施例の記録用コード
生成部246aは、加算器251と、2つのコンパレー
タ252a,252bと、記録用コードバッファ254
とを備えている。第1のコンパレータ252aは、多階
調画像メモリ242から読み出された多階調画像信号I
と、SPM244から読み出された閾値Sとを比較し、
以下の判断基準に従って第1の1ビット記録用コードC
D1の値を決定する。
【0123】 (5−1a):I−S≦0のとき、CD1=0; (5−2a):I−S>0のとき、CD1=1。
【0124】なお、これらの判断基準(5−1a),
(5−2a)は、従来の1ビット記録用コードの判断基
準(0−1),(0−2)と同じである。
【0125】加算器251は、多階調画像信号Iに所定
の一定値αを加算する。第2のコンパレータ252b
は、この加算結果(I+α)と閾値Sとを比較し、以下
の判断基準に従って第2の1ビット記録用コードCD2
の値を決定する。
【0126】 (5−1b):(I+α)−S≦0のとき、CD2=0; (5−2b):(I+α)−S>0のとき、CD2=1。
【0127】図27は、第5実施例で使用される閾値パ
ターンを示している。また、図28(A),(B)は、
第5実施例で作成される第1と第2の1ビット記録用コ
ードCD1,CD2を示している。ここでは、多階調画
像信号Iが24で一定であり、また、加算器251にお
ける加算値αが4であると仮定している。第2の1ビッ
ト記録用コードCD2では、第1の1ビット記録用コー
ドCD1に比べてオン状態の画素(追加点灯候補)が4
つ増加している。
【0128】図29は、第1と第2の1ビット記録用コ
ードCD1,CD2から作成された送信用の2ビット記
録コードRCの構成を示す説明図である。この2ビット
記録用コードRCの上位ビットは第1の1ビット記録用
コードCD1で構成されており、下位ビットは第2の1
ビット記録用コードCD2で構成されている。
【0129】図30は、第5実施例における2値記録信
号の作成処理に関連する構成の等価回路を示すブロック
図である。第5実施例の記録信号生成部344bは、記
録信号抽出部380と、画像選択レジスタ382と、記
録信号バッファ356とを備えている。画像選択レジス
タ382には、2ビット記録用コードRCに含まれてい
る2つの1ビット記録用コードCD1,CD2の一方を
選択的に抽出することを示す画像選択情報SELが格納
されている。記録信号抽出部382は、この画像選択情
報SELに応じて、2つの1ビット記録用コードCD
1,CD2のうちの一方を、2ビット記録用コードRC
から選択的に抽出する。この結果、受信装置300にお
いては、2つの1ビット記録用コードCD1,CD2の
うちの一方を任意に選択して、異なる画像濃度を有する
2つの2値画像のうちの一方を記録することが可能であ
る。
【0130】このように、異なる画像濃度を有する2つ
の2値画像を選択的に記録できるような記録用コード
は、出力特性の異なる2つの画像出力装置を用いて同じ
画像を出力したい場合に有用である。例えば、DDCP
(デジタル・ダイレクト・カラー・プルーフ)装置を用
いて校正用カラー画像を出力し、また、その画像の刷版
をCTP(コンピュータ・トウ・プレート)装置を用い
て作成したい場合がある。このような場合に、第5実施
例によれば、第1の記録用コードCD1(図29の記録
用コードの上位ビット)を用いてDDCP装置で校正用
カラー画像を出力し、また、第2の記録用コードCD2
(図29の記録用コードの下位ビット)を用いてCTP
装置で刷版を作成することが可能である。なお、この
際、校正用カラー画像の出力に用いられる各色材毎に2
ビットの記録用コードRCが作成され、各色材の2値画
像の記録に利用される。こうすれば、予め各画像出力装
置の特性に合わせた記録用コードRCを発信装置200
で作成し、受信装置300ではその記録用コードRCの
中に含まれている1ビットの2値記録信号を選択的に抽
出して画像出力を行うことができる。
【0131】なお、従来は、画像出力装置の出力特性に
応じたカラーマッチングを行う必要があり、そのカラー
マッチング処理に多大の時間を要していた。これに対し
て、第5実施例では、複数の画像出力装置の特性に応じ
た複数の2値記録信号を実質的に含む複数ビットの記録
用コードRCを発信装置200で作成できるので、受信
装置300において、各画像出力装置の特性に合わせた
カラーマッチングを行なわずに、色再現性の良い画像を
出力することが可能になるという利点がある。
【0132】図29に示した2ビット記録用コードRC
では、ほとんどの画素に「00」と「11」のいずれか
の値が割り当てられている。従って、この2ビット記録
用コードRCを画像内の画素の配列順に並べてランレン
グス圧縮すると、ランの数は1つの1ビット記録用コー
ドからわずかに増加するだけであると期待される。従っ
て、データ量をあまり増加させずに、2種類の異なる濃
度を有するほぼ同一の画像を記録するための記録用コー
ドRCを作成することができる。
【0133】なお、図29に示した2ビット記録用コー
ドRCは、以下のような判断基準によって決定されたも
のと同じである。
【0134】 (5−1’): I−S<−3のとき、RC=00; (5−2’):−3≦I−S< 1のとき、RC=01; (5−3’): 1≦I−S のとき、RC=11。
【0135】従って、図29の2ビット記録用コードR
Cは、上述した第1ないし第4実施例と同様に、多階調
画像信号Iと閾値Sとの差分に関する複数の境界値を用
いて作成されたものと考えることも可能である。
【0136】なお、上記の判断基準(5−1’)〜(5
−3’)では、画像の濃度調整時にオン/オフ状態が変
更可能な画素の記録状態(すなわち調整可能状態)は、
RC=01で表現される1つの状態だけである。このこ
とから解るように、調整可能状態は少なくとも1つ設定
されていればよい。但し、上述した第1ないし第4実施
例のように、互いに識別可能な調整可能状態を2つ以上
設定しておけば、記録時に画像の濃度をより細かく調整
できるという利点がある。
【0137】図31は、図29に示す2ビット記録用コ
ードRCで表される情報を、主データCDmと添付デー
タCDaとに分けて表現した構成を示す説明図である。
主データCDmは、図28(A)に示した第1の1ビッ
ト記録用コードCD1と同じものである。添付データC
Daでは、追加点灯候補である4つの画素にのみ「1」
が割り当てられ、他の画素には「0」が割り当てられて
いる。図28(A)に示す第1の1ビット記録用コード
CD1に従って画像の記録を実行したい場合には、主デ
ータCDmがそのまま2値記録信号として用いられる。
また、図28(B)に示す第2の1ビット記録用コード
CD2に従って画像の記録を実行したい場合には、主デ
ータCDmと添付データCDaとを加算した信号が2値
記録信号として用いられる。このような主データCDm
と添付データCDaとを用いるときには、図30の記録
信号抽出部380が加算器に置き換えられる。
【0138】なお、上記第5実施例では、2組の1ビッ
ト記録用コードを組合せることによって、再現時の濃度
が異なる2つの2値画像を記録することが可能な2ビッ
トの記録用コードRCを作成していたが、3組以上の1
ビット記録用コードを組合せて複数ビットの記録用コー
ドRCを作成することも可能である。こうすれば、濃度
が互いに異なる3つ以上の2値画像を、記録時に任意に
選択して記録することが可能である。この場合には、図
26の記録用コード生成部246aに加算器とコンパレ
ータとを追加し、各加算器に入力される加算値αを互い
に異なる値に設定すればよい。なお、3組以上の1ビッ
ト記録用コードを組合せる場合には、主データCDmを
特定の1組の1ビット記録用コードで構成し、添付デー
タCDaが、残りの複数組の1ビット記録用コードで表
される情報を実質的に表すようにすればよい。
【0139】第5実施例では、多階調画像信号Iに一定
値αを加算していたが、閾値Sに(−α)を加算しても
同じ結果が得られる。一般には、少なくとも1つの一定
値αを用いて、各画素の多階調画像信号と閾値信号との
うちの一方の信号にその一定値を加算して得られた修正
信号と、他方の信号との関係に従って、1画素当たり1
ビットの記録用コードを作成することが可能である。
【0140】F.第6実施例:上記第1ないし第5実施
例で用いていた網点パターンは、規則的に配列された網
点を形成するための網点スクリーニング処理に用いられ
るものである。しかし、閾値パターンとしては、網点ス
クリーニング以外の任意のスクリーニング処理で用いら
れるものを使用することが可能である。ここで、「スク
リーニング処理」とは、多階調画像信号から2値記録信
号を作成する処理を意味する。網点スクリーニング以外
のスクリーニング処理としては、ベイヤ型閾値パターン
を用いる処理や、いわゆるFMスクリーニングと呼ばれ
る処理などがある。
【0141】図32は、第6実施例に用いられるベイヤ
型閾値パターンを示す説明図である。図4に示した閾値
パターンでは、網点領域の中心から周辺にいくほど閾値
が大きくなるように、閾値が配列されている。一方、図
32に示すベイヤー型閾値パターンでは、閾値が増加し
ていく際に、各閾値が割り当てられる画素位置が隔離し
た位置にジャンプするように、閾値が配列されている。
【0142】図33(A)は、多階調画像信号Iが6で
一定である場合に、図32のベイヤ型閾値パターンを用
いて得られる従来の1ビット記録用コードを示してい
る。図33(B)は、第6実施例で生成される2ビット
の状態識別コードSC(すなわち2ビット記録用コー
ド)の一例を示している。なお、第6実施例では、図3
に示した第1実施例と同じ装置が用いられる。また、情
報識別コードSCの判断基準も、第1実施例で用いられ
ていた判断基準(1−1)〜(1−4)がそのまま用い
られる。
【0143】第6実施例の情報識別コードSCを画像内
の画素の配列順に並べたときには、「1」や「0」のラ
ンが、図5(B)に示した第1実施例の場合よりも短く
なる。従って、ランレングス圧縮したときのデータ量の
点では、ベイヤ型閾値パターンを用いるよりも、閾値が
網点領域の中心から周辺にいくほど順次大きくなるよう
な閾値パターンを用いた方が好ましい。
【0144】図34は、第6実施例における記録用コー
ドの他の構成を示す説明図である。図34(A)に示す
主データCDmは、図33(A)に示した従来の1ビッ
ト記録用コードと同じである。図34(B)に示す固定
長の添付データCDaの値は、第1実施例の判断基準
(1−1’)〜(1−4’)を用いて決定されたもので
ある。また、図34(C)に示す可変長の添付データC
Daの値は、第1実施例の判断基準(1−1”)〜(1
−4”)を用いて決定されたものである。
【0145】なお、この発明は上記の実施例や実施形態
に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様において実施することが可能であり、
例えば次のような変形も可能である。
【0146】(1)上記実施例では、いわゆる有理正接
法(スクリーン角度の正接が有理数になるように閾値パ
ターンを設定する方法)による閾値パターンを使用して
いたが、無理正接法(スクリーン角度の正接が無理数に
なるように閾値パターンを設定する方法)による閾値パ
ターンを使用した場合にも、上記と同じ効果が得られ
る。有理正接法と無理正接法については、例えば本出願
人により開示された特許第2599068号に説明され
ているので、ここではその詳細は省略する。
【0147】(2)上記実施例では、多階調画像信号I
と閾値信号Sとの差に応じて、各画素が所定の複数の記
録状態のいずれに該当するかを決定していたが、多階調
画像信号Iと閾値信号Sとの和に応じて記録状態を決定
するようにしてもよい。すなわち、一般には、多階調画
像信号Iと閾値信号Sの関係に応じて、各画素の記録状
態を決定すればよい。この場合には、各画素の記録状態
を決定する前に、多階調画像信号Iと閾値信号Sの関係
を、各画素が取り得る3つ以上の複数の記録状態に予め
対応付けておけばよい。
【0148】(3)上記実施例では、各画素の記録状態
を識別するための情報識別コードSCをそのまま記録用
コードRCとして用いる場合(例えば図5(B))や、
情報識別コードSCを主データCDmと添付データCD
aに分けたものを記録用コードとして用いる場合(例え
ば図6)を説明したが、記録用コードRCの構成として
は、これ以外の種々の構成を取ることも可能である。一
般には、本発明の記録用コードは、各画素の記録状態を
識別するための状態識別情報を含むようなものであれば
よい。
【0149】(4)上記実施例では、記録用コードの圧
縮方法としてランレングス圧縮を用いることにしていた
が、ハフマン符号化やLZ符号化などの任意の圧縮符号
化を使用することができる。なお、圧縮符号化をせず
に、上記実施例で得られた情報識別コードSCや、主デ
ータCDmと添付データCDaを、そのまま記録用コー
ドRCとして用いるようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に使用されるコンピュータネ
ットワークシステムを示す概念図。
【図2】発信装置200の構成を示すブロック図。
【図3】第1実施例における記録用コードの作成処理に
関連する構成の等価回路を示すブロック図。
【図4】第1実施例の閾値パターンを示す説明図。
【図5】従来の1ビット記録用コードと第1実施例の状
態識別コードSCを比較して示す説明図。
【図6】第1実施例における記録用コードの他の構成を
示す説明図。
【図7】受信装置300の構成を示すブロック図。
【図8】第1実施例における2値記録信号の作成処理に
関連する構成の等価回路を示すブロック図。
【図9】変化幅データに応じた各画素のオン/オフ状態
を示す説明図。
【図10】第2実施例の閾値パターンを示す説明図。
【図11】従来の1ビット記録用コードと第2実施例の
状態識別コードSCを比較して示す説明図。
【図12】第2実施例における記録用コードの他の構成
を示す説明図。
【図13】第2実施例における主データCDmと添付デ
ータCDaの他の構成例を示す説明図。
【図14】第2実施例において変化幅データの値に応じ
て決定される各画素のオン/オフ状態を示す説明図。
【図15】第2実施例において変化幅データの値に応じ
て決定される各画素のオン/オフ状態を示す説明図。
【図16】第2実施例において変化幅データの値に応じ
て決定される各画素のオン/オフ状態を示す説明図。
【図17】第2実施例において変化幅データの値に応じ
て決定される各画素のオン/オフ状態を示す説明図。
【図18】第3実施例の状態識別コードSCを示す説明
図。
【図19】境界値Tiと画像信号の関係、および、記録
時の画像濃度の調整幅を示す説明図。
【図20】境界値Tiが画像信号に依存する場合の境界
値Tiと画像信号の関係、および、記録時の画像濃度の
調整幅を示す説明図。
【図21】第4実施例において作成される主データCD
mと添付データCDaとを示す説明図。
【図22】第4実施例における2値記録信号の作成処理
に関連する構成の等価回路を示すブロック図。
【図23】変化幅設定テーブル374の内容と比較演算
部372の処理内容との関係を示す説明図。
【図24】図23の変化幅設定テーブル374の内容に
従って得られた2値記録信号のオン/オフ状態を示す説
明図。
【図25】第4実施例における画像濃度の調整内容を示
す概念図。
【図26】第5実施例における2値記録信号の作成処理
に関連する構成の等価回路を示すブロック図。
【図27】第5実施例の閾値パターンを示す説明図。
【図28】第5実施例で作成される第1と第2の記録用
コードCD1,CD2を示す説明図。
【図29】第1と第2の記録用コードCD1,CD2か
ら作成された送信用の2ビット記録コードの構成を示す
説明図。
【図30】第5実施例における2値記録信号の作成処理
に関連する構成の等価回路を示すブロック図。
【図31】図29に示す2ビット記録用コードで表され
る情報を主データCDmと添付データCDaとに分けて
表現した構成を示す説明図。
【図32】第6実施例に用いられるベイヤ型閾値パター
ンを示す説明図。
【図33】従来の1ビット記録用コードと第6実施例の
状態識別コードSCを比較して示す説明図。
【図34】第6実施例における記録用コードの他の構成
を示す説明図。
【符号の説明】
100…ネットワーク回線 200…発信装置 220…CPU 222…メインメモリ 226…フレームメモリ 230…キーボード 232…マウス 234…表示装置 236…ハードディスク 238…モデム 240…バス 242…多階調画像メモリ 244…スクリーンパターンメモリ(SPM) 246…記録用コード生成部 248…記録用コード送信部 251…加算器 252…ウィンドウコンパレータ 252a,252b…コンパレータ 254…記録用コードバッファ 300…受信装置 320…CPU 322…メインメモリ 326…フレームメモリ 330…キーボード 332…マウス 334…表示装置 336…ハードディスク 338…モデム 339…画像記録装置 340…バス 342…記録用コードメモリ 344…記録信号生成部 346…記録信号転送部 352…比較演算部 354…レジスタ 356…記録信号バッファ 360…主データバッファ 361,362…添付データバッファ 370…情報ビット識別部 372…比較演算部 374…変化幅設定テーブル 376…加算器 378…記録信号バッファ 380…記録信号抽出部 382…画像選択レジスタ 382…記録信号抽出部
フロントページの続き (72)発明者 茶谷 博美 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 Fターム(参考) 5B057 AA11 BA30 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB07 CB12 CB16 CC02 CG04 CH08 DB02 DB06 DB09 DC22 DC36 5C077 LL12 MP08 NN04 PQ20 RR04 RR14 RR21

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2値画像の記録に用いられ、2値画像の
    記録時に画像濃度の調整が可能な記録用コードを作成す
    る方法であって、(a)記録用コードで表される各画素
    の記録状態として、 (i)2値画像の記録時における濃度調整状態に係わら
    ずに画素がオン状態に設定される第1の記録状態と、 (ii)2値画像の記録時における濃度調整状態に係わ
    らずに画素がオフ状態に設定される第2の記録状態と、 (iii)2値画像の記録時における濃度調整に応じて
    画素がオン状態とオフ状態のいずれかに設定される少な
    くとも1つの調整可能状態と、を含む複数の記録状態を
    規定するとともに、前記複数の記録状態を、多階調画像
    信号と閾値信号との関係に対応付ける工程と、(b)画
    像内の各画素における多階調画像信号と閾値信号との関
    係に応じて、各画素が前記複数の記録状態のいずれに該
    当するかを決定する工程と、(c)各画素の記録状態を
    識別するための状態識別情報を含む記録用コードを作成
    する工程と、を備えることを特徴とする記録用コード作
    成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の記録用コード作成方法で
    あって、 前記少なくとも1つの調整可能状態は、互いに識別可能
    な複数の調整可能状態を含む、記録用コード作成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の記録用コード作
    成方法であって、 前記複数の記録状態は、前記多階調画像信号と前記閾値
    信号との差の複数の値を複数の境界値として用いて区分
    されており、 前記複数の境界値のうちの少なくとも1つは、前記多階
    調画像信号と前記閾値信号とのうちの一方の大きさに応
    じて変化するように設定されている、記録用コード作成
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の記
    録用コード作成方法であって、 前記記録用コードは、 特定の濃度調整状態において各画素がオン状態とオフ状
    態のいずれかに設定されることを示す2値の主データ
    と、 前記主データによって表されるオン/オフ状態を変更し
    得る画素を示す添付データと、を含む、記録用コード作
    成方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の記録用コード作成方法で
    あって、 前記添付データは、前記主データによって表されるオン
    /オフ状態を変更し得る画素に関しては、前記多階調画
    像信号の値を示す情報を含む、記録用コード作成方法。
  6. 【請求項6】 2値画像の記録に用いられる記録用コー
    ドを作成する方法であって、 各画素の多階調画像信号と閾値信号の関係に従って、1
    画素当たり1ビットの第1のコードを作成する工程と、 少なくとも1つの一定値を用いて、各画素の前記多階調
    画像信号と前記閾値信号とのうちの一方の信号に前記一
    定値を加算して得られた修正信号と、他方の信号との関
    係に従って、1画素当たり1ビットの第2のコードを少
    なくとも1組作成する工程と、 前記第1のコードと前記少なくとも1組の第2のコード
    とに基づいて、1画素当たり複数ビットで構成される状
    態識別情報を含む記録用コードを作成する工程と、を備
    えることを特徴とする記録用コード作成方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の記録用コード作成方法で
    あって、 前記複数ビット記録用コードは、 前記第1のコードで構成される主データと、 前記少なくとも1組の第2のコードで表される情報を実
    質的に示す添付データと、を含む、記録用コード作成方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の記
    録用コード作成方法であって、さらに、 各画素の前記状態識別情報を画素の配列順に配列して圧
    縮符号化する工程、を備える、記録用コード作成方法
  9. 【請求項9】 請求項8記載の記録用コード作成方法で
    あって、 前記複数の記録状態は、前記多階調画像信号と前記閾値
    信号との差に対応付けられており、 前記多階調画像信号と前記閾値信号との差の絶対値が所
    定の値よりも大きな画素に対しては、前記状態識別情報
    として、すべてのビットが0のみ、または、1のみで構
    成される値が割り当てられる、記録用コード作成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002279363A (ja) * 2001-03-21 2002-09-27 Nippon Signal Co Ltd:The 表示機能付きカード処理装置およびそれを用いたシステム
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