JP2000216087A - 半導体薄膜製造方法及びレ―ザ照射装置 - Google Patents

半導体薄膜製造方法及びレ―ザ照射装置

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JP2000216087A
JP2000216087A JP11012498A JP1249899A JP2000216087A JP 2000216087 A JP2000216087 A JP 2000216087A JP 11012498 A JP11012498 A JP 11012498A JP 1249899 A JP1249899 A JP 1249899A JP 2000216087 A JP2000216087 A JP 2000216087A
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semiconductor thin
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sectional area
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Masumitsu Ino
益充 猪野
Takenobu Urazono
丈展 浦園
Masato Takatoku
真人 高徳
Yukiyasu Sugano
幸保 菅野
Masahiro Fujino
昌宏 藤野
Michio Mano
三千雄 眞野
Akihiko Asano
明彦 浅野
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ光を用いた半導体薄膜の結晶化方法を
改善して、高品質の多結晶の薄膜を得る。 【解決手段】 基板0の表面に非単結晶の半導体薄膜4
を形成する成膜工程を行なった後、レーザ光を照射して
非単結晶の半導体薄膜4を多結晶に転換するアニール工
程を行なう。アニール工程は、立ち上がりから立ち下が
りまで50ns以上の発光時間幅を有し且つ一定の断面
積を有するするレーザ光のパルスを少なくとも一回照射
して、該断面積に対応する照射領域に含まれる半導体薄
膜4を一括で多結晶に転換する。その際、立ち上がりか
ら立ち下がりまでの間レーザ光のエネルギー強度を制御
して所望の変化を付与する。これにより、多結晶の大粒
径化又は均一化が可能になる。場合によっては、レーザ
光を照射する際、基板0を非酸化雰囲気下に置き、更に
加熱又は冷却しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体薄膜製造方
法及びレーザ照射装置に関する。レーザ照射装置は半導
体薄膜製造方法において、エキシマレーザ光を用いて半
導体薄膜を結晶化する為に使われる。
【0002】
【従来の技術】半導体薄膜は例えば薄膜トランジスタの
活性層に用いられる。透明絶縁基板に作成する薄膜トラ
ンジスタの活性層には、例えば多結晶シリコンからなる
半導体薄膜が用いられる。多結晶シリコンは単結晶シリ
コンに比べ、シリコン原子の未結合手が高密度に存在し
ているので、それら未結合手が薄膜トランジスタのスイ
ッチングオフ時において、リーク電流の発生原因になっ
ている。その結果、スイッチオン時の動作速度を低下さ
せる原因にもなっている。従って、薄膜トランジスタ
(TFT)の特性を向上させるには、結晶欠陥が少ない
均一性に優れた多結晶シリコン薄膜を形成することが必
要である。その様な多結晶シリコン薄膜の形成方法とし
ては、化学的気相成長法や固相成長法などが提案されて
いる。又、リーク電流などの原因になる未結合手を減少
させる手段としては、多結晶シリコン薄膜中に水素をド
ーピングすることによって、未結合手を終端化させる水
素化技術が行なわれている。しかしながら、化学的気相
成長法によって大きな粒径の結晶を成長させて、多結晶
シリコン薄膜を形成すると、その膜厚は不均一になる。
この為、多結晶シリコン薄膜を用いて素子特性の均一な
トランジスタを形成することは困難である。
【0003】未結合手による粒界トラップ密度を低減化
する為に、エキシマレーザ光を用いたアニール処理を行
なう方法も提案されている。エキシマレーザ光は紫外波
長である為シリコンの吸収係数が大きく、シリコン表面
付近のみを局部的に加熱できるという利点がある。局部
的に加熱されたシリコンは冷却過程で結晶化することに
なる。エキシマレーザ光を用いたアニール処理は下地
(ガラス基板、下層LSIの接合部など)に悪影響を与
えることがない。レーザアニールの方法としては、第一
に非晶質シリコン薄膜に直接エキシマレーザ光を照射し
て多結晶に転換する場合と、第二に固相成長後の多結晶
シリコン薄膜に対して膜全体が溶融しないエネルギー強
度でエキシマレーザ光を照射してアニールする場合があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】第一の非晶質シリコン
薄膜への直接アニール法は、第二の方法と比較してプロ
セスが簡単で、将来のLSIの量産化に有利である。
又、一回のエキシマレーザ光照射で大面積を一度にアニ
ール処理できれば、更に量産化に有利である。しかしな
がら、非晶質シリコン薄膜への直接アニールに従来のレ
ーザ照射装置を用いた場合、粒界トラップ密度が少なく
結晶性の良い多結晶シリコン薄膜を得るのに十分な、シ
ングルショットで大面積且つエネルギーの断面分布が均
一なエキシマレーザ光を得ることは困難であった。この
点を補う為、近年シングルショットで大面積を一括アニ
ール処理することが可能な大出力エネルギーを持ったエ
キシマレーザ照射装置が開発されている。又、エキシマ
レーザ光を用いたアニールの効果を高める為、基板を予
め数百度に加熱して非晶質シリコンへの直接アニールを
施す手法が提案されている。しかし、この大出力エネル
ギーのエキシマレーザ照射装置でも、粒界トラップ密度
が少なく且つ結晶性の良い多結晶シリコン薄膜を得る為
のプロセス条件が確立されていない。しかも従来の非晶
質シリコンへの直接アニール法では、得られる多結晶シ
リコンの結晶粒径は平均で50nm以下であり、更なる
結晶粒の大型化が望まれている。そこで、本発明は、結
晶性を従来以上に向上させた多結晶シリコン薄膜の形成
方法、及びその多結晶シリコン薄膜を活性層に用いるこ
とで、電気的特性に優れた薄膜トランジスタのチャネル
形成方法を提供することを目的とする。
【0005】前述した様に、多結晶シリコン薄膜トラン
ジスタを作成する方法として、レーザアニールによる結
晶化が用いられている。特に、発光時間が50nsを超
える大出力のレーザ照射装置を用いたレーザアニールに
おいては、従来大気中で結晶化処理を行なっている。し
かしながら、これでは大気中の酸素とシリコンが結合す
ることにより、結晶欠陥となってしまう為、多結晶シリ
コンの粒径(グレインサイズ)から期待される程度にま
で薄膜トランジスタの移動度が改善されていない。そこ
で、本発明は多結晶シリコン薄膜を活性層とする薄膜ト
ランジスタの移動度を改善することを目的とする。
【0006】従来の低出力レーザ照射装置は、トータル
のレーザエネルギーが小さい為(0.5J程度)、大き
な基板で結晶化を行なう場合には、例えば200mm×
0.6mm程度のライン状ビームにレーザ光を整形する
ことにより、そのエネルギー密度(エネルギー強度)を
300mJ/cm2 程度とし、このライン状ビームを短
軸方向に例えば95%程度の重なりでオーバーラップ走
査することにより、基板全面の結晶化を行なっていた。
しかし、この方法ではレーザ光の出力安定性が悪い為
(現状では±10%程度)、突発的にレーザ光が強くな
った部分や弱くなった部分で結晶の不均一性が生じる。
不均一な部分に回路などが形成されると、動作不良の原
因となっていた。そこで、近年では、前述した様に高出
力のレーザ照射装置を用いて、ある程度の領域(例えば
3cm×5cm程度)を一度に一括して結晶化する方法
が注目されており、例えば特開平7−235490号公
報に開示されている。非常に高出力(5乃至10J以
上)のレーザ照射装置があれば、基板の全面を一括で結
晶化することが望ましい。しかし、現実的にはトータル
の出力エネルギーが10Jを超えるレーザ照射装置の開
発は困難である。よって、大型基板(例えば30cm×
30cm以上)の全面を一括一度に結晶化することは事
実上不可能であった。この為、ある程度の領域(3cm
×5cm程度)に分けて結晶化を行なう。この方法を用
いると、レーザ照射領域のつなぎ部分で不均一性が発生
しやすくなる。又、照射レーザのショット間のエネルギ
ーのばらつきによって、トランジスタ特性の不均一性が
生じる。この結果、薄膜トランジスタを集積形成してア
クティブマトリクス表示装置を形成した場合、画素アレ
イ部では不均一な表示になったり、周辺の駆動回路部分
では動作マージンの減少などが生じる。又、一括照射に
よる結晶化に用いる大出力のレーザ照射装置は発振周波
数が1Hz以下で、発振周波数が数百Hzに達する低出
力のレーザアニール照射装置に比べて生産性があまり良
くない傾向がある。そこで本発明は、大出力のレーザ照
射装置を改善して結晶の均一性に優れた半導体薄膜を作
成することを目的とする。
【0007】多結晶シリコンなどの多結晶半導体薄膜を
得る為には、上述した様に、レーザ光を照射して半導体
薄膜を非晶質から多結晶に転換している。レーザ光の照
射を行なう際には半導体薄膜を成膜した基板は室温状態
に保持するかあるいは加熱する。しかし、この方法だと
結晶粒は大きくなるが、多結晶半導体薄膜を活性層に用
いたTFTの閾電圧やオン電流などの特性は大きくばら
ついてしまう。そこで、本発明は特性変動やばらつきの
少ない多結晶半導体薄膜を製造することを目的とする。
【0008】
【課題を解決する為の手段】上述した従来の技術の課題
を解決し本発明の目的を達成する為に以下の手段を講じ
た。即ち、本発明の第一側面は、基板の表面に非単結晶
の半導体薄膜を形成する成膜工程と、レーザ光を照射し
て非単結晶の該半導体薄膜を多結晶に転換するアニール
工程とを行なう半導体薄膜製造方法であって、前記アニ
ール工程は、立ち上がりから立ち下がりまで50ns以
上の発光時間幅を有し且つ一定の断面積を有するレーザ
光のパルスを少なくとも一回照射して、該断面積に対応
する照射領域に含まれる該半導体薄膜を一括で多結晶に
転換し、立ち上がりから立ち下がりまでの間該レーザ光
のエネルギー強度を制御して所望の変化を付与する事を
特徴とする。好ましくは、前記アニール工程は、立ち上
がり時のエネルギー強度よりも立ち下がり時のエネルギ
ー強度が小さくなるように傾斜的な変化を付ける事を特
徴とする。或いは、前記アニール工程は、立ち上がり時
のエネルギー強度よりも立ち下がり時のエネルギー強度
が大きくなるように傾斜的な変化を付ける事を特徴とす
る。好ましくは、前記アニール工程は、該レーザ光のエ
ネルギー強度を制御して所望の変化を付与する際、その
変化幅を300mJ/cm以下に収める。好ましく
は、前記アニール工程は、100cm以上の断面積を
有するするレーザ光のパルスを照射する。更に本発明の
第一側面は、基板の上に形成された非晶質又は比較的粒
径の小さな多結晶の半導体薄膜に、レーザ光を照射して
比較的粒径の大きな多結晶に転換するレーザ照射装置で
あって、立ち上がりから立ち下がりまで50ns以上の
発光時間幅を有するレーザ光のパルスを発するレーザ光
源と、該レーザ光の断面積を一定に整形する整形手段
と、整形された該レーザ光のパルスを少なくとも一回照
射して、該断面積に対応する照射領域に含まれる該半導
体薄膜を一括で多結晶に転換する照射手段と、立ち上が
りから立ち下がりまでの間該レーザ光のエネルギー強度
を制御して所望の変化を付与する制御手段とを有する事
を特徴とする。好ましくは、前記制御手段は、立ち上が
り時のエネルギー強度よりも立ち下がり時のエネルギー
強度が小さくなるように傾斜的な変化を付ける事を特徴
とする。或いは、前記制御手段は、立ち上がり時のエネ
ルギー強度よりも立ち下がり時のエネルギー強度が大き
くなるように傾斜的な変化を付ける事を特徴とする。好
ましくは、前記制御手段は、該レーザ光のエネルギー強
度を制御して所望の変化を付与する際、その変化幅を3
00mJ/cm以下に収める。好ましくは、前記整形
手段は、該レーザ光の断面積が100cm 以上の矩形
に整形する事を特徴とする。
【0009】本発明の第二側面は、基板の表面に非単結
晶の半導体薄膜を形成する成膜工程と、レーザ光を照射
して非単結晶の該半導体薄膜を多結晶に転換するアニー
ル工程とを行なう半導体薄膜製造方法であって、前記ア
ニール工程は、該基板を非酸化雰囲気に保持した状態
で、50ns以上の発光時間幅を有し且つ一定の断面積
を有するするレーザ光のパルスを少なくとも一回該基板
に照射して、該断面積に対応する照射領域に含まれる該
半導体薄膜を一括で多結晶に転換する事を特徴とする。
好ましくは、前記アニール工程は、該基板を真空からな
る非酸化雰囲気に保持した状態でレーザ光を照射する事
を特徴とする。或いは、前記アニール工程は、該基板を
不活性ガスで満たされた非酸化雰囲気に保持した状態で
レーザ光を照射する事を特徴とする。この場合、前記ア
ニール工程は、該基板を大気圧下の不活性ガス又は加圧
された不活性ガスで満たされた非酸化雰囲気に保持した
状態でレーザ光を照射する。好ましくは、前記アニール
工程は、5cm以上の断面積を有するするレーザ光の
パルスを照射する。好ましくは、前記アニール工程は、
該レーザ光のエネルギー強度を400mJ/cmから
600mJ/cmまでの範囲に制御して該基板に照射
する。更に本発明の第二側面は、基板の上に形成された
非晶質又は比較的粒径の小さな多結晶の半導体薄膜に、
レーザ光を照射して比較的粒径の大きな多結晶に転換す
るレーザ照射装置であって、50ns以上の発光時間幅
を有するレーザ光のパルスを発するレーザ光源と、該レ
ーザ光の断面積を一定に整形する整形手段と、予め半導
体薄膜が形成された基板を非酸化雰囲気に保持する保持
手段と、整形された該レーザ光のパルスを非酸化雰囲気
に保持された該基板に少なくとも一回照射して、該断面
積に対応する照射領域に含まれる該半導体薄膜を一括で
多結晶に転換する照射手段とを有する事を特徴とする。
好ましくは、前記保持手段は、該基板を真空からなる非
酸化雰囲気に保持する。好ましくは、前記保持手段は、
該基板を不活性ガスで満たされた非酸化雰囲気に保持す
る。好ましくは、前記保持手段は、該基板を大気圧下の
不活性ガス又は加圧された不活性ガスで満たされた非酸
化雰囲気に保持する。好ましくは、前記整形手段は、レ
ーザ光のパルスを5cm以上の断面積を有する矩形に
整形する。好ましくは、前記照射手段は、該レーザ光の
エネルギー強度を400mJ/cmから600mJ/
cmまでの範囲に制御して該基板に照射する。
【0010】本発明の第三側面は、基板の表面に非単結
晶の半導体薄膜を形成する成膜工程と、レーザ光を照射
して非単結晶の該半導体薄膜を多結晶に転換するアニー
ル工程とを行なう半導体薄膜製造方法であって、前記ア
ニール工程は、該基板を均一に加熱した状態で、50n
s以上の発光時間幅を有し且つ一定の断面積を有するす
るレーザ光のパルスを少なくとも一回該基板に照射し
て、該断面積に対応する照射領域に含まれる該半導体薄
膜を一括で多結晶に転換する事を特徴とする。好ましく
は、前記アニール工程は、該基板を真空雰囲気に保持し
つつ加熱した状態でレーザ光を照射する。或いは、前記
アニール工程は、該基板を不活性ガス雰囲気に保持しつ
つ加熱した状態でレーザ光を照射する。更に本発明の第
三側面は、基板の上に形成された非晶質又は比較的粒径
の小さな多結晶の半導体薄膜に、レーザ光を照射して比
較的粒径の大きな多結晶に転換するレーザ照射装置であ
って、50ns以上の発光時間幅を有するレーザ光のパ
ルスを発するレーザ光源と、該レーザ光の断面積を一定
に整形する整形手段と、予め半導体薄膜が形成された基
板を均一に加熱する加熱手段と、整形された該レーザ光
のパルスを該加熱された基板に少なくとも一回照射し
て、該断面積に対応する照射領域に含まれる該半導体薄
膜を一括で多結晶に転換する照射手段とを有する事を特
徴とする。好ましくは、前記加熱手段は、ガラスからな
る該基板を300℃乃至450℃の範囲で均一に加熱す
る。好ましくは、前記加熱手段は、該基板を載置するス
テージに内蔵した熱源からなる。好ましくは、前記加熱
手段は、該基板を真空雰囲気に保持した状態で加熱す
る。或いは、前記加熱手段は、該基板を不活性ガス雰囲
気に保持した状態で加熱する。
【0011】本発明の第四側面は、基板の表面に非単結
晶の半導体薄膜を形成する成膜工程と、レーザ光を照射
して非単結晶の該半導体薄膜を多結晶に転換するアニー
ル工程とを行なう半導体薄膜製造方法であって、前記ア
ニール工程は、該基板を室温以下に冷却した状態で、5
0ns以上の発光時間幅を有し且つ一定の断面積を有す
るするレーザ光のパルスを少なくとも一回該基板に照射
して、該断面積に対応する照射領域に含まれる該半導体
薄膜を一括で多結晶に転換する事を特徴とする。好まし
くは、前記アニール工程は、レーザ光の照射を受けて上
昇した基板温度より50℃以上低い温度で冷却を行な
う。より好ましくは、前記アニール工程は、レーザ光の
照射を受けて上昇した基板温度より100℃以上低い温
度で冷却を行なう。好ましくは、前記アニール工程は、
10cm乃至100cmの断面積を有するレーザ光
のパルスを照射する。更に本発明の第四側面は、基板の
上に形成された非晶質又は比較的粒径の小さな多結晶の
半導体薄膜に、レーザ光を照射して比較的粒径の大きな
多結晶に転換するレーザ照射装置であって、50ns以
上の発光時間幅を有するレーザ光のパルスを発するレー
ザ光源と、該レーザ光の断面積を一定に整形する整形手
段と、予め半導体薄膜が形成された基板を室温以下に冷
却する冷却手段と、整形された該レーザ光のパルスを該
冷却された基板に少なくとも一回照射して、該断面積に
対応する照射領域に含まれる該半導体薄膜を一括で多結
晶に転換する照射手段とを有する事を特徴とする。好ま
しくは、前冷却手段は、レーザ光の照射を受けて上昇し
た基板温度より50℃以上低い温度で冷却を行なう。よ
り好ましくは、前記冷却手段は、レーザ光の照射を受け
て上昇した基板温度より100℃以上低い温度で冷却を
行なう。
【0012】本発明の第一側面によれば、透明ガラスな
どからなる絶縁基板に多結晶シリコンなどからなる多結
晶半導体薄膜を作成するレーザ照射装置において、レー
ザ光の照射開始から照射終了までの時間に、エネルギー
強度を変化させることにより、多結晶半導体薄膜の改質
を図っている。又、本発明の第二側面によれば、薄膜ト
ランジスタの活性層となる多結晶シリコンなどからなる
半導体薄膜の結晶化工程において、真空雰囲気下もしく
は不活性ガス雰囲気中でレーザ光を照射している。この
際、発光時間が50ns以上で照射面積が例えば5cm
2 以上の大出力エキシマレーザ光を用いて、同一箇所に
少なくとも一回照射することにより、多結晶シリコン薄
膜の結晶成長を行なう。酸素を遮断した非酸化雰囲気で
大出力レーザ光の一括照射を行ない、結晶欠陥の発生を
未然に防いでいる。本発明の第三側面によれば、一定以
上の照射領域を一括で結晶化可能なレーザ照射装置にお
いて、特性の均一性を改善し且つ生産性を改善する目的
の為に、基板加熱機構を付加している。更に、この基板
加熱機構を真空中もしくは不活性ガス中に保持する。大
出力のレーザ光を照射する際、基板加熱を行なうこと
で、結晶の均一性が改善されるとともに、生産性も向上
する。本発明の第四側面によれば、多結晶半導体薄膜を
作成する際、大出力のレーザ光を一度に例えば10cm
2 乃至100cm2 の照射領域で結晶化する際、基板の
温度を10℃以下に冷却している。この様に基板の温度
を制御することで、結晶粒径は大型化しないものの、ば
らつきが抑制された均一な多結晶半導体薄膜を得ること
ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る半導体薄
膜製造方法の第一実施形態を示す模式図である。本半導
体薄膜製造方法は、基本的に基板の表面に非晶質シリコ
ン又は比較的粒径の小さな多結晶シリコンなどからなる
非単結晶の半導体薄膜を形成する成膜工程と、レーザ光
を照射して非単結晶の半導体薄膜を多結晶に転換するア
ニール工程とからなる。(A)に示す様に、アニール工
程は、立ち上がりから立ち下がりまで50ns以上の発
光時間幅を有し且つ一定の断面積を有するレーザ光のパ
ルスを少なくとも一回照射して、レーザ光の断面積に対
応する照射領域に含まれる半導体薄膜を一括で多結晶に
転換する。この際、立ち上がりから立ち下がりまでの間
レーザ光のエネルギー強度を制御して所望の変化を付与
することを特徴とする。本例では、(A)に示す様に、
立ち上がり時のエネルギー強度(例えば450mJ/c
2 )よりも立ち下がり時のエネルギー強度(150m
J/cm2 )が小さくなる様に傾斜的な変化をつけてい
る。このアニール工程では、例えば100cm2 以上の
断面積を有するレーザ光のパルスを照射することができ
る。
【0014】(B)は、レーザ光のパルスの立ち上がり
完了時点における半導体薄膜の状態を模式的に表わすも
のである。ガラスなどからなる絶縁基板0の上には例え
ば非晶質シリコンからなる半導体薄膜4が予め形成され
ている。非晶質シリコン半導体薄膜4は結晶化の種とな
る微小な核Kを含んでいる。レーザ光パルスの立ち上が
り完了時点では、半導体薄膜4はほぼ溶融しているが、
核Kはそのまま残存している。続いて(C)はレーザ光
パルスの立ち下がった後の状態を模式的に表わしてい
る。レーザ光パルスの立ち下がりとともに絶縁基板0は
冷却過程に入るので、溶融したシリコンは結晶化され、
非晶質半導体薄膜4が多結晶半導体薄膜5に転換され
る。この際、多結晶半導体薄膜5に含まれる結晶粒Tは
核Kを種として成長したものである。本実施形態では、
レーザ光の照射開始時点におけるエネルギー強度を終了
時点に比べて高く設定している。これにより、基板温度
は最初上昇し、その後下降する。この様に、エネルギー
強度に下り勾配を付けることで、一旦溶融したシリコン
が核Kを中心として徐々に結晶の配向性を維持しながら
結晶成長を行なうことが可能になる。結晶化に重要な冷
却過程を穏やかにできるので、結晶化が十分に行なわ
れ、隣り合う結晶粒の間に非結晶領域が残ることがな
い。
【0015】図2は半導体薄膜製造方法の参考例を示す
模式図であり、(A)はそのアニール工程に用いたレー
ザ光パルスの時間変化を模式的に表わしたものである。
この参考例では、レーザ光パルスの立ち上がりと立ち下
がりの間のレーザ光強度を一定に保っている。この場合
(B)に示す様に、レーザ光パルスの立ち上がり完了時
点で、非晶質シリコンからなる半導体薄膜4は溶融し、
且つ結晶成長の種となる核Kをある割合で含んでいる。
この後(C)に示す様に、一定の強度に保たれたレーザ
光パルスが立ち下がった時点で、急激に冷却過程に入
り、非晶質半導体薄膜4は多結晶半導体薄膜5に転換さ
れる。しかし、冷却過程が急激である為、多結晶半導体
薄膜5に含まれる各結晶粒Tの間には、結晶化し切れな
かった非結晶領域Hが残されてしまう。
【0016】図3は、本発明の第一実施形態に係る半導
体薄膜製造方法の他の例を示す模式図であり、図1に示
した先の例と対応する部分には対応する参照番号を付し
て理解を容易にしている。本実施例では、立ち上がり時
のエネルギー強度(150mJ/cm2 )よりも立ち下
がり時のエネルギー強度(450mJ/cm2 )が大き
くなる様に上り勾配の変化を付けたレーザ光パルスを照
射している。この場合、レーザ光のエネルギー強度を制
御して所望の変化を付与する際、その変化幅を300m
J/cm2 以下に収めている。(B)はレーザ光パルス
の立ち下がり直前における半導体薄膜4の状態を模式的
に表わしている。絶縁基板0に予め成膜された非晶質半
導体薄膜4はレーザ光パルスの照射を受けて溶融する。
この際、パルスのエネルギー強度に上り勾配が付けられ
ている為、半導体薄膜4は徐々に加熱され、この影響で
核Kの残存数が少なくなる。この後(C)に示す様に、
核kの残存数が少なくなった状態で冷却過程に入る為、
得られた多結晶半導体薄膜5に含まれる結晶粒Tの数が
少なくなり、その分個々の結晶粒Tの寸法は50nm以
上の大粒径になる。この様に、レーザ光強度を徐々に上
昇させることにより、基板に発生する結晶核の数は軽減
する。結晶成長はこの結晶核の数により決定される為、
結晶核の間隔の大きい方が、大きな結晶が得られること
になる。尚、一般に、レーザ光パルスの立ち上がり時点
のレーザ光強度と立ち下がり時点のレーザ光強度の差
は、300mJ/cm2 以下であることが必要である。
これは、シリコンの固相状態の転移つまり、シリコン原
子とシリコン原子の結合手が切断され、液相状態からの
転移が発生する為に、少なくとも150mJ/cm2
エネルギー強度が必要であり、且つ450mJ/cm2
を超えてエネルギー密度が高くなると、逆に結晶成長が
阻害され微結晶状態になるからである。尚、本実施形態
で用いるレーザ光パルスの発光時間幅(デュレーション
タイム)は50nsを超えて大出力となっており、好ま
しくは100ns以上のレーザ光パルスを用いる。場合
によっては、同一箇所に一回ではなく二回以上重ねて照
射することにより、結晶化を行なう。
【0017】図4は、本発明に従って製造された半導体
薄膜を活性層とする薄膜トランジスタの具体的な構成を
表わしている。この薄膜トランジスタTFTはボトムゲ
ート構造を有し、絶縁基板0にパタニング形成されたゲ
ート電極1と、これを被覆するゲート絶縁膜3と、その
上に成膜された半導体薄膜5とを備えている。この半導
体薄膜5は本発明に従って結晶化した多結晶シリコンか
らなる。この半導体薄膜5にはチャネル領域Ch及びド
レインD/ソースSとなる高濃度不純物領域16が形成
されている。本例ではこの薄膜トランジスタTFTはn
チャネル型であり、高濃度不純物領域16はN+となっ
ている。チャネル領域Chはイオンドーピングの際のマ
スクを兼ねた保護膜6により被覆されている。更に、薄
膜トランジスタTFTの全体が層間絶縁膜7により被覆
されている。この層間絶縁膜7の上には金属配線9がパ
タニング形成されており、コンタクトホールを介してド
レインD及びソースSに電気接続している。なお、薄膜
トランジスタTFTはドレインD側の高濃度不純物領域
16とチャネル領域Ch5との間に低濃度不純物領域1
7が設けられている。又、ソースS側の高濃度不純物領
域16とチャネル領域Chとの間にも低濃度不純物領域
17が設けられている。この低濃度不純物領域17はド
レイン端の電界集中を緩和するとともに、リーク電流を
抑制する為に設けられている。
【0018】図5は、同じく本発明の第一実施形態に従
って製造された半導体薄膜を活性層とする薄膜トランジ
スタの他の例を表わしている。図4に示した先の実施例
と対応する部分には対応する参照番号を付して理解を容
易にしている。本薄膜トランジスタTFTはトップゲー
ト構造を有している。ガラスなどからなる透明な絶縁基
板0の上には本発明に従って結晶化した多結晶シリコン
などからなる半導体薄膜5が成膜されている。薄膜トラ
ンジスタTFTはこの半導体薄膜5を活性層として集積
形成されている。薄膜トランジスタTFTはゲート絶縁
膜3を介して半導体薄膜5の上にパタニング形成された
ゲート電極1を備えている。ゲート電極1の両側に位置
する半導体薄膜5の部分にはn型の不純物が高濃度で注
入されており、薄膜トランジスタTFTのソース領域S
及びドレイン領域Dを形成している。これにより、Nチ
ャネル型の薄膜トランジスタが得られる。なお、Pチャ
ネル型の薄膜トランジスタを形成する場合には、p型の
不純物を半導体薄膜5に注入すればよい。係る構成を有
する薄膜トランジスタTFTはPSGなどからなる層間
絶縁膜7により被覆されている。この層間絶縁膜7の上
には金属配線9がパタニング形成されている。金属配線
9はアルミニウムをスパッタリングにより成膜した後所
定の形状にパタニングして得られる。アルミニウムに代
えてシリコンを1%程度含有したアルミニウム/シリコ
ン合金を用いてもよい。あるいは、アルミニウムに代え
て、モリブデン、チタン、金、銀、パラジウム、タンタ
ル、タングステン、ニッケル、クロムなどの金属材料を
用いることができる。更には、純粋な金属に代えて、シ
リコンとこれら金属元素の化合物であるシリサイドを用
いてもよい。なお、層間絶縁膜7にはあらかじめコンタ
クトホールが開口しており、これを介して金属配線9は
薄膜トランジスタTFTのソース領域S及びドレイン領
域Dに電気接続する。
【0019】図6は、図4又は図5に示した薄膜トラン
ジスタを用いて作成されたアクティブマトリクス型表示
装置の一例を示す模式的な斜視図である。図示する様
に、表示装置は一対の絶縁基板101及び透明基板10
2と両者の間に保持された電気光学物質103とを備え
たフラットパネル構造を有する。電気光学物質103と
しては、例えば液晶材料を用いる。下側の絶縁基板10
1には画素アレイ部104と駆動回路部とが集積形成さ
れている。駆動回路部は垂直駆動回路105と水平駆動
回路106とに分かれている。絶縁基板101の周辺部
上端には外部接続用の端子部107が形成されている。
端子部107は配線108を介して垂直駆動回路105
及び水平駆動回路106に接続している。画素アレイ部
104には行状のゲート配線109と列状の信号配線1
10が形成されている。両配線の交差部には画素電極1
11とこれを駆動する薄膜トランジスタ112が形成さ
れている。薄膜トランジスタ112のゲート電極は対応
するゲート配線109に接続され、ドレイン領域は対応
する画素電極111に接続され、ソース領域は対応する
信号配線110に接続している。ゲート配線109は垂
直駆動回路105に接続する一方、信号配線110は水
平駆動回路106に接続している。垂直駆動回路105
と水平駆動回路106も薄膜トランジスタで構成されて
いる。これらの薄膜トランジスタは本発明に従って作成
されたものであり、その活性層となる半導体薄膜は、基
板101の上に非単結晶シリコンを形成した後、立ち上
がりから立ち下がりまで50ns以上の発光時間幅を有
し且つ一定の断面積を有するレーザ光のパルスを少なく
とも一回照射して、レーザ光の断面積に対応する照射領
域に含まれる非単結晶シリコンを一括で多結晶シリコン
に転換したものであり、この多結晶シリコンは、パルス
の立ち上がりから立ち下がりまでの間レーザ光のエネル
ギー強度に所望の変化を付与して改質されている。
【0020】図7は、図1に示した本発明の第一実施形
態に係る半導体薄膜製造方法に用いられるレーザ照射装
置を示す模式的なブロック図である。本レーザ照射装置
は、絶縁基板0の上に形成された非晶質又は比較的粒径
の小さな多結晶の半導体薄膜4に、レーザ光50を照射
して比較的粒径の大きな多結晶に転換するものであり、
立ち上がりから立ち下がりまで50ns以上の発光時間
幅を有するレーザ光のパルスを発するレーザ発振器51
(レーザ光源)と、レーザ光50の断面積を一定に成形
するホモジナイザーなど光学系53(整形手段)と、整
形されたレーザ光50のパルスを少なくとも一回照射し
て、レーザ光50の断面積に対応する照射領域に含まれ
る半導体薄膜4を一括で多結晶に転換する照射手段(チ
ャンバ54とステージ55)と、立ち上がりから立ち下
がりまでの間レーザ光のエネルギー強度を制御して所望
の変化を付与する制御手段とを有する。この制御手段
は、例えばレーザ発振器51を構成する発振回路のRC
時定数を制御することで、レーザ光50のエネルギー強
度に所望の変化を付与している。
【0021】図8は本発明の第二実施形態に係る半導体
薄膜製造方法の要部を示す模式図である。本半導体薄膜
製造方法は、基本的に、絶縁基板0の表面に非単結晶の
半導体薄膜4を形成する成膜工程と、レーザ光50を照
射して非単結晶の半導体薄膜4を多結晶に転換するアニ
ール工程とを行なう。図8は、特にアニール工程に用い
られるレーザ照射装置のチャンバ構成を模式的に表わし
ている。アニール工程では、このチャンバ54を用い
て、基板0を非酸化雰囲気に保持した状態で、50ns
以上の発光時間幅を有し且つ一定の断面積を有するレー
ザ光50のパルスを少なくとも一回基板0に照射して、
レーザ光50の断面積に対応する照射領域に含まれる半
導体薄膜4を一括で多結晶に転換する。このアニール工
程に用いるチャンバ54は、予め絶縁基板0を形成した
半導体薄膜4を格納可能であり、天井部にはエキシマレ
ーザ光50を透過可能な石英窓541が設けられてお
り、側壁には不活性ガスの導入口543が設けられてお
り、底壁には真空ポンプ(図示せず)に接続した排気口
542が設けられている。この様な構成を有するチャン
バ54を用いてアニール工程を行なうことで、基板0を
真空からなる非酸化雰囲気に保持した状態でレーザ光5
0を照射することができる。あるいは、基板0をHe,
2 ,Arなどの不活性ガスで満たされた非酸化雰囲気
に保持した状態でレーザ光50を照射することもでき
る。この場合、基板0を大気圧下の不活性ガス又は加圧
された不活性ガスで満たされた非酸化雰囲気に保持した
状態でレーザ光50を照射することができる。いずれに
しても、非酸化雰囲気でレーザ光50を照射することに
より、大気中に含まれる酸素とシリコンの結合を防い
で、結晶欠陥中心の発生を抑制する。尚、このアニール
工程では、少なくとも5cm2 以上の断面積を有するレ
ーザ光50のパルスを照射する。又、レーザ光50のエ
ネルギー強度を400mJ/cm2 から600mJ/c
2 までの範囲に制御して絶縁基板0に照射している。
【0022】上述した第二実施形態に係る半導体薄膜製
造方法に用いるレーザ照射装置は、図8に示したチャン
バ54を備えており、全体的な構成は図7に示した通り
である。即ち、第二実施形態に係るレーザ照射装置は、
50ns以上の発光時間幅を有するレーザ光のパルスを
発するレーザ発振器51と、レーザ光50の断面積を一
定に整形するホモジナイザー等光学系53と、予め半導
体薄膜4が形成された基板0を非酸化雰囲気に保持する
チャンバ54と、整形されたレーザ光50のパルスを非
酸化雰囲気に保持された基板0に少なくとも一回照射し
て、レーザ光50の断面積に対応する照射領域に含まれ
る半導体薄膜4を一括で多結晶に転換する光学系を備え
ている。
【0023】図9は、本発明の第三実施形態に係る半導
体薄膜製造方法に用いるレーザ照射装置の具体例を示す
模式的なブロック図である。図示する様に、本レーザ照
射装置は、レーザ発振器51を備えており、所定の断面
積STC1を有するレーザ光50をパルス状に発射す
る。レーザ光50はホモジナイザー部53を通って、断
面積がSTC2に整形されるとともに、断面積内の均一
性が向上される。この後、レーザ光50は反射鏡56で
反射され、XYステージ55に搭載された基板0に照射
される。尚、基板0の表面には予め非晶質シリコンもし
くは粒径の小さな多結晶シリコンからなる半導体薄膜が
成膜されている。XYステージ55はレーザ光50のシ
ョット毎に均一な結晶性が得られる様に、適当なオーバ
ーラップ量で基板0をステップ移動する。この時、レー
ザ光50のパルスのショット間でのエネルギー値のばら
つきは、レーザ発振器51の精度で決まり、現実にはパ
ルス間で5%乃至10%程度のばらつきが発生し、この
ままでは薄膜トランジスタの動作特性にばらつきを生じ
させる。そこで、本発明では、ステージ55の内部にヒ
ータ57からなる基板加熱機構を埋設している。これに
より、基板0全面の温度分布が20℃以下に制御された
状態で均一に加熱を行なう。ヒータ57の配置は一系統
でもよく、複数系統でもよい。それぞれ、単独に温度制
御することが可能で、基板0の全面の温度分布を最小限
に制御可能である機構となっている。尚、加熱手段はヒ
ータ57ではなく、磁気損失で加熱する機構、ランプな
どの外部輻射熱機構を用いてもよい。又、基板0の加熱
機構は、可動型のステージ55に埋設する構造に限定さ
れる必要はなく、例えば光学系が可動なレーザ照射装置
である場合、固定型のステージ内に基板加熱機構を埋設
してもよい。
【0024】図9に示したレーザ照射装置を用いて、第
三実施形態に係る半導体薄膜製造方法を実施することが
できる。即ち、本半導体薄膜製造方法は、基本的に、基
板0の表面に非単結晶の半導体薄膜を形成する成膜工程
と、レーザ光50を照射して非単結晶の半導体薄膜を多
結晶に転換するアニール工程とを行なう。このアニール
工程は、基板0を均一に加熱した状態で、50ns以上
の発光時間幅を有し且つ一定の断面積STC2を有する
レーザ光50のパルスを少なくとも一回基板0に照射し
て、レーザ光50の断面積SCT2に対応する照射領域
RGNに含まれる半導体薄膜を一括で多結晶に転換す
る。この場合、基板0を真空雰囲気に保持しつつ加熱し
た状態でレーザ光50を照射することが好ましい。ある
いは、基板0を不活性ガス雰囲気に保持しつつ加熱した
状態でレーザ光50を照射してもよい。更に、基板0が
ガラスなどからなる場合、ヒータ57を用いて基板0を
300℃乃至450℃の範囲で均一に加熱することが好
ましい。300℃以下では加熱の効果が顕著でなくな
り、450℃を超えると基板0の急激な収縮変形が生じ
る。
【0025】図10は、基板加熱による結晶性のばらつ
きを調べた結果を示すグラフである。グラフ中横軸はレ
ーザ光のエネルギー密度を表わし、縦軸は結晶性を相対
値で表わしている。尚、結晶性は半導体薄膜の表面を光
学的に測定した結果を数値化したもので、結晶化の度合
いを定量的に表わしている。加熱なしの場合、結晶性の
ばらつきの幅が大きいが、加熱ありではばらつきの幅が
1/2以下に改善されている。レーザアニールによる結
晶化プロセスで、結晶性を決定する要因として、レーザ
アニールによって溶融したシリコンが冷えて再結晶化す
る際、その冷却過程がゆっくり進行すると、大粒径の結
晶粒が得られることが分かっているが、基板加熱機構を
付加することでその冷却時間が延長される為、結果的に
結晶性が改善される。しかも、結晶性の最大値を示すレ
ーザエネルギー密度が加熱なしに比べ加熱ありでは10
0mJ/cm2 程低い方にシフトしており、より低いレ
ーザエネルギーで良好な結晶性が得られる。レーザ発振
器のエネルギーが同一の場合、基板加熱をすることでよ
り大面積の一括照射領域が得られることを意味してお
り、結果的にタクトタイムの減少による高生産性を備え
たレーザ照射装置を提供できることになる。又、レーザ
照射装置における基板加熱機構を真空チャンバ内に入れ
る構造とすることで、加熱中に生じるシリコンの酸化及
び大気中の微粒子などによる汚染を防ぐことができる。
あるいは、レーザ照射装置に組み込まれる基板加熱機構
を不活性ガス雰囲気下に入れる構造とすることで、加熱
中に生じるシリコンの酸化及び大気中に含まれる微粒子
による汚染などを防止できるとともに、生産性の改善に
なる。
【0026】図11は、本発明の第三実施形態に係る半
導体薄膜製造方法により作成された半導体薄膜を活性層
にした薄膜トランジスタの製造方法を示す工程図であ
る。特に、トップゲート構造の薄膜トランジスタに本半
導体薄膜製造方法を適用することで、所望の効果が得ら
れる。即ち、トップゲート構造の場合ボトムゲート構造
と異なり、半導体薄膜の下にゲート電極が存在しないの
で、レーザ光照射の際熱分布が基板全面に亘って均一に
なる為、半導体薄膜を均一に結晶化できる。まず(a)
に示す様に、絶縁基板0の上にバッファ層となる二層の
下地膜6a,6b(下部絶縁層)を触媒CVD法により
連続成膜する。場合によってはプラズマCVD法を用い
ても良い。一層目の下地膜6aはSiNx からなり、そ
の膜厚は100乃至200nmである。又、二層目の下
地膜6bはSiO2 からなり、その膜厚は同じく100
nm乃至200nmである。このSiO2 からなる下地
膜6bの上に非晶質シリコンからなる半導体薄膜4を約
30乃至80nmの厚みでプラズマCVD法もしくはL
PCVD法により成膜する。非晶質シリコンからなる半
導体薄膜4の成膜にプラズマCVD法を用いた場合に
は、膜中の水素を脱離させる為に、窒素雰囲気中で40
0℃乃至450℃1時間程度のアニールを行なう。ここ
で非晶質半導体薄膜4をエキシマレーザアニールで結晶
化する。このアニール工程では、基板0の上に非単結晶
シリコンを形成した後、基板0を均一に加熱した状態
で、50ns以上の発光時間幅を有し且つ一定の断面積
を有するレーザ光のパルスを少なくとも一回照射して、
レーザ光の断面積に対応する照射領域に含まれる非単結
晶シリコンを一括で多結晶シリコンに転換する。
【0027】続いて(b)に示す様に、得られた多結晶
半導体薄膜5をエッチングでアイランド状にパタニング
する。この上にCVD法でゲート酸化膜3を10ないし
400nmの厚みで成長させる。ここで必要ならば、V
thイオンインプランテーションを行ない、B+イオン
を例えばドーズ量0.5×1012乃至4×1012/cm
2 程度で半導体薄膜5に注入する。この場合の加速電圧
は80KeV程度である。なお、このVthイオンイン
プランテーションはゲート絶縁膜3の成膜前に行なって
もよい。Vthイオンインプランテーションでは620
mm幅に整形されたラインビームを用いた。次いでゲー
ト絶縁膜3の上にAl,Ti,Mo,W,Ta,ドープ
ト多結晶シリコンなど、あるいはこれらの合金を200
乃至800nmの厚みで成膜し、所定の形状にパタニン
グしてゲート電極1に加工する。次いでP+イオンを質
量分離を用いたイオン注入法で半導体薄膜5に注入し、
LDD領域を設ける。このイオン注入はゲート電極1を
マスクとして絶縁基板0の全面に対して行なう。ドーズ
量は6×1012乃至5×1013/cm2 である。なお、
ゲート電極1の直下に位置するチャネル領域Chは保護
されており、Vthイオンインプランテーションで予め
注入されたB+イオンがそのまま保持されている。LD
D領域に対するイオン注入後、ゲート電極1とその周囲
を被覆する様にレジストパタンを形成し、P+イオンを
質量非分離型のイオンシャワードーピング法で高濃度に
注入し、ソース領域S及びドレイン領域Dを形成する。
この場合のドーズ量は例えば1×1015/cm2 程度で
ある。ドーピングガスには水素希釈の20%PH3 ガス
を用いた。CMOS回路を形成する場合には、pチャネ
ル薄膜トランジスタ用のレジストパタンを形成後、ドー
ピングガスを5%乃至20%のB2 6 /H2 ガス系に
切り換え、ドーズ量1×1015乃至3×1015/cm2
程度でイオン注入すればよい。なお、ソース領域S及び
ドレイン領域Dの形成は質量分離型のイオン注入装置を
用いてもよい。この後、半導体薄膜5に注入されたドー
パントの活性化処理となる。
【0028】最後に(c)に示す様に、ゲート電極1を
被覆する様にPSGなどからなる層間絶縁膜7を成膜す
る。この層間絶縁膜7の成膜後、SiNx をプラズマC
VD法で約200乃至400nm堆積しパシベーション
膜(キャップ膜)8とする。この段階で窒素ガス中35
0℃の温度下1時間程度アニールし、層間絶縁膜7に含
有された水素を半導体薄膜5中に拡散させる。この後コ
ンタクトホールを開口する。更にパシベーション膜8の
上にAl−Siなどをスパッタリングで成膜した後所定
の形状にパタニングして配線電極9に加工する。更にア
クリル樹脂などからなる平坦化層10を約1μmの厚み
で塗工後、これにコンタクトホールを開口する。平坦化
層10の上にITOやIXOなどからなる透明導電膜を
スパッタリングし、所定の形状にパタニングして画素電
極11に加工する。
【0029】図12は、本発明の第四実施形態に係る半
導体薄膜製造方法を利用した薄膜トランジスタの製造方
法を示す工程図である。先ず(a)に示す様に、絶縁基
板0の上にMo,Ta,W,Crなどをスパッタにて成
膜し、所定の形状にパタニングしてゲート電極1に加工
する。絶縁基板0としては、液晶表示素子を作成する
為、ガラス、石英ガラス、石英などの透明材料を用い
る。但し、本発明はこれに限られるものではなく高抵抗
のシリコン基板を用いることも可能である。又、本実施
形態ではnチャネル型の薄膜トランジスタのみを作成し
ているが、当然pチャネル型の薄膜トランジスタも同様
に作成できる。又、本実施形態ではボトムゲート構造の
薄膜トランジスタを形成している。上述したように、M
o,Ta,W,Crなどをスパッタにて成膜した後、フ
ォトリソグラフィにてレジストをゲート形状にパタニン
グし、これをマスクとして上記金属膜をゲート電極1の
形状にエッチングする。
【0030】次に(b)に示す様に、ゲート電極1の上
にゲート窒化膜2及びゲート酸化膜3を例えばプラズマ
CVD法で連続成膜する。ここでは、ゲート窒化膜2
(SiNx )を100nmの厚みで堆積し、ゲート酸化
膜3(SiO2 )を同じく100nmの厚みで堆積し
た。更に、薄膜トランジスタの活性層となる非晶質半導
体薄膜4をCVDにて成膜した。ここでは非晶質シリコ
ンを5nmないし95nmの厚みでプラズマCVDによ
り堆積した。ここでエキシマレーザ光などの光エネルギ
ーを照射して非晶質半導体薄膜4を一旦溶融し、冷却過
程で多結晶半導体薄膜5に転換する。このアニール工程
では、冷却手段58を用いて基板0を室温以下(例えば
10℃程度)に冷却した状態で、50ns以上の発光時
間幅を有し且つ一定の断面積を有するレーザ光のパルス
を少なくとも一回基板0に照射して、パルスの断面積に
対応する照射領域に含まれる半導体薄膜4を一括で多結
晶に転換する。アニール工程では、レーザ光の照射を受
けて上昇した基板温度より50℃以上低い温度で冷却を
行なう。更に好ましくは、レーザ光の照射を受けて上昇
した基板の温度より100℃以上低い温度で冷却を行な
う。アニール工程では、10cm2 乃至100cm2
断面積を有するレーザ光のパルスを照射している。結晶
化の際に基板0を冷却すると、レーザ光照射が終わった
段階で半導体薄膜は急冷されることになり、結晶核の発
生確率が高くなる。この結果、結晶粒の個数を増加させ
ることになり、結晶粒径の揃った多結晶半導体薄膜5が
得られる。この膜を活性層とすることにより、薄膜トラ
ンジスタ特性を均一にすることができる。
【0031】工程(c)に進み、多結晶半導体薄膜5の
上にSiO2 を成膜し、チャネル領域の部分のみフォト
レジストでマスクしてSiO2 をエッチングすることに
より、ストッパー膜6を形成し、チャネル領域を保護す
る。この後、多結晶半導体薄膜5のソース領域及びドレ
イン領域となる部分にP,Asなどの不純物を注入す
る。ここで、注入した不純物を活性化する為再びレーザ
光を照射する。この時のエネルギー密度は半導体薄膜の
結晶化に使用した値より小さくする。不純物の活性化に
はレーザアニールの他に紫外線ランプなどを用いたRT
Aを採用することもできる。
【0032】最後に工程(d)に進み、半導体薄膜5及
びストッパー膜6を同時にパタニングして個々の薄膜ト
ランジスタに分離する。更に活性層のパシベーションの
為にSiO2 を300nmの厚みで成膜し層間絶縁膜7
とする。この層間絶縁膜7にコンタクトホールを開口
し、Al,Mo,W,Tiなどの金属を成膜して信号線
形状にパタニングし、配線電極9に加工する。この配線
電極9の上にSiNx を200nmの厚みで成膜しパシ
ベーション膜8とする。この様にして作成されたボトム
ゲート構造の薄膜トランジスタは、例えばアクティブマ
トリクス型表示装置の周辺駆動回路部に採用できる。
【0033】図13は、図12に示した薄膜トランジス
タの製造方法の変形例を示す模式図である。この例で
は、ストッパー膜としてSiO2 を用いず、直接チャネ
ル領域の上にフォトリソグラフィでレジスト6rをマス
クしている。又、ゲート酸化膜3の上に例えば触媒を用
いたCVD法で直接多結晶半導体薄膜5を成膜してい
る。成膜条件を制御することで、非晶質半導体薄膜では
なく多結晶半導体薄膜5を形成することは可能である。
この後、レーザアニールで多結晶半導体薄膜5を処理
し、再結晶化若しくは大粒径化を行なう。
【0034】図14は、薄膜トランジスタの製造方法の
他の例を示す工程図である。基本的には、図12に示し
た工程(a)ないし(c)を経た後、図14の工程
(d)に至り、所謂ダブルゲート(両面ゲート)の薄膜
トランジスタを作成する。図14の(d)に示す様に、
多結晶半導体薄膜5及びストッパー膜6を同時にパタニ
ングして各薄膜トランジスタに分離する。この後活性層
のパシベーションの為にSiO2 を300nmの厚みで
成膜し、層間絶縁膜7とする。この層間絶縁膜7にソー
ス領域及びドレイン領域に連通するコンタクトホールを
開口し、Al,Mo,W,Tiなどの金属膜を成膜して
信号線形状にパタニングし、配線電極9とする。この時
同時にトップ側のゲート電極1bが作成される。最後
に、(e)に示す様に、このトップ側のゲート電極1b
と配線電極9を保護する為SiNx を200nmの厚み
で成膜しパシベーション膜8とする。
【0035】図15は、更に薄膜トランジスタの製造方
法の別の例を示す工程図である。まず(a)に示すよう
に、基板0からの不純物拡散を阻止する為、ガラスなど
からなる絶縁基板0の上にSiNx 膜6a及びSiOx
膜6bをプラズマCVD、常圧CVD、低圧CVD、触
媒CVD、スパッタリングなどの方法を用いて10nm
乃至1000nmの厚みで成膜する。ここでは、SiN
x 膜6a及びSiOx膜6bを各々50nmの厚みでプ
ラズマCVDにより成膜した。続いて、活性層となる非
単結晶シリコンの半導体薄膜4をプラズマCVD、常圧
CVD、低圧CVD、触媒CVD、スパッタなどの方法
により成膜する。プラズマCVDを用いて成膜した場合
は、膜内の水素量を10at%以下にする為、300℃
以上で、10分乃至360分アニールする。非単結晶シ
リコンからなる半導体薄膜の膜厚は5乃至95nmであ
る。非単結晶シリコンの結晶粒径を増大させる為、ここ
でレーザ光を照射する。レーザ光源にはKrF,XeC
lなどのエキシマレーザ光源を用い、一度に10cm2
以上で100cm2 以下の領域に照射する。この時のエ
ネルギー密度は150乃至900mJ/cm2 とする。
この際、冷却手段58を用いて、基板0を10℃以下に
冷却する。冷却手段58は、絶縁基板0を搭載するステ
ージ55に埋設された冷却管60と、冷却管60に接続
された冷却器59とポンプMとからなる。冷却管60に
はH2 O,CO2 ,N2 などの冷却媒体が流れている。
【0036】続いて(b)に示す様に、結晶化された半
導体薄膜5を素子領域の形状に合わせてアイランド状に
分離エッチングする。次に、ゲート絶縁膜3として、S
iN x ,SiOx ,SiO2 などをプラズマCVD、常
圧CVD、低圧CVD、触媒CVD、スパッタなどの方
法を用いて成膜する。成膜は、先に挙げた種類の膜を単
層あるいは複層とする。ここでは、SiNx を100n
m、SiOx を100nm成膜した。次に、ゲート電極
1として、Mo,MoTa,W,Crなどをスパッタや
蒸着で成膜し、ゲート形状にパタニングする。そして、
ソース及びドレインの部分にP,Asなどの不純物をセ
ルフアライメントで注入する。薄膜トランジスタにLD
D領域を作り込む場合には、ゲート電極1をマスクとし
て不純物を低濃度で注入した後、ゲート電極1の外側に
フォトレジストを形成し、不純物を高濃度で再び注入し
て、ソース領域及びドレイン領域を作る。注入した不純
物を活性化する為、再びレーザ光を照射する。この時の
エネルギー密度は前工程の結晶化に用いたレーザ光より
も低い値に設定する。不純物の活性化には、レーザ光の
他に紫外線ランプや赤外線ランプを用いたRTAや高温
オーブンを用いてもよい。
【0037】(c)に示す様に、パシベーションの為
に、SiO2 膜7を300nmの厚みで成膜し、ソース
領域及びドレイン領域に対応した所定部分に、それぞれ
コンタクトホールを開口する。続いて、信号線9として
Al,Mo,W,Ti,Nd,Cuなどの単体もしくは
これらの化合物を単層もしくは複層にて成膜し、所定の
形状にパタニングする。更に、信号線9を被覆する様
に、SiO2 膜8a,SiNx 膜8b,有機膜10を例
えば各々200nmの厚みで成膜する。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第一側面
によれば、半導体薄膜の結晶化の為のアニール工程にお
いて、立ち上がりから立ち下がりまで50ns以上の発
光時間幅を有し且つ一定の断面積を有するレーザ光のパ
ルスを少なくとも一回照射して、レーザ光の断面積に対
応する照射領域に含まれる半導体薄膜を一括で多結晶に
転換し、立ち上がりから立ち下がりまでの間レーザ光の
エネルギー強度を制御して所望の変化を付与している。
これにより、基板上に結晶粒径の大きい多結晶半導体薄
膜が形成される。これを活性層とすることにより移動度
の大きい薄膜トランジスタが形成可能となる。レーザ光
の照射が一括で実施できる為、大型基板上に形成された
半導体薄膜のレーザ再結晶化が迅速に行なえる。レーザ
光自体のエネルギー強度が平均化される為、均一な結晶
粒径が得られる。又、本発明の第二側面によれば、アニ
ール工程では、基板を非酸化雰囲気に保持した状態で、
50ns以上の発光時間幅を有し且つ一定の断面積を有
するレーザ光のパルスを少なくとも一回基板に照射し
て、レーザ光の断面積に対応する照射領域に含まれる半
導体薄膜を一括で多結晶に転換する。非酸素雰囲気下で
レーザ光を照射する為、基板上に結晶欠陥の少ない多結
晶半導体薄膜を作成でき、これを活性層とする高移動度
の薄膜トランジスタが得られる。特に、周辺回路をパネ
ル内に内蔵した付加価値の大きいアクティブマトリクス
型表示装置などが製造可能になる。本発明の第三側面に
よれば、アニール工程では、基板を均一に加熱した状態
で、50ns以上の発光時間幅を有し且つ一定の断面積
を有するレーザ光のパルスを少なくとも一回基板に照射
して、レーザ光の断面積に対応する照射領域に含まれる
半導体薄膜を一括で多結晶に転換する。パルス間のエネ
ルギーのばらつきが大きなレーザ照射装置でも、基板加
熱機構を用いることにより、結晶性の均一化が図れるこ
とになり、素子特性のばらつきを著しく低減可能であ
る。特に、真空中もしくは不活性ガス雰囲気中で基板加
熱を行なうことにより、レーザ光の照射による結晶化
時、大気からの汚染や酸化を防止でき、半導体薄膜が安
定化し、均一で良好な素子特性を得ることが可能であ
る。加熱機構を設けることで、レーザアニールに必要な
エネルギー密度が低くなり、この分照射面積の拡大が可
能となり、結果的にタクトタイムの短縮による生産性の
向上が図れる。本発明の第四側面によれば、アニール工
程で、基板を室温以下に冷却した状態で、50ns以上
の発光時間幅を有し且つ一定の断面積を有するレーザ光
のパルスを少なくとも一回基板に照射して、レーザ光の
断面積に対応する照射領域に含まれる半導体薄膜を一括
で多結晶に転換している。結晶化の際に急冷することに
より、結晶核の発生確率を上昇可能である。このことに
より半導体薄膜内に含まれる結晶粒の個数を増加でき、
結晶粒径の揃った多結晶半導体薄膜が得られ、この膜を
活性層とすることにより薄膜トランジスタの特性を均一
化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体薄膜製造方法の第一実施形
態を示す模式図である。
【図2】半導体薄膜製造方法の参考例を示す模式図であ
る。
【図3】本発明の第一実施形態に係る半導体薄膜製造方
法の他の例を示す模式図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る半導体薄膜製造方
法を用いて作成された薄膜トランジスタの一例を示す断
面図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る半導体薄膜製造方
法を用いて作成された薄膜トランジスタの他の例を示す
断面図である。
【図6】本発明に従って製造された薄膜トランジスタを
用いたアクティブマトリクス型表示装置を示す模式的な
斜視図である。
【図7】本発明の第一実施形態に係る半導体薄膜製造方
法の実施に用いるレーザ照射装置を示すブロック図であ
る。
【図8】本発明の第二実施形態に係る半導体薄膜製造方
法の要部を示す模式図である。
【図9】本発明の第三実施形態に係る半導体薄膜製造方
法の実施に用いるレーザ照射装置を示すブロック図であ
る。
【図10】エネルギー密度と結晶性との関係を示すグラ
フである。
【図11】本発明の第三実施形態に係る半導体薄膜製造
方法を応用した薄膜トランジスタの製造方法を示す工程
図である。
【図12】本発明の第四実施形態に係る半導体薄膜製造
方法を応用した薄膜トランジスタの製造方法を示す工程
図である。
【図13】本発明の第四実施形態に係る半導体薄膜製造
方法を応用した薄膜トランジスタ製造方法の他の例を示
す工程図である。
【図14】本発明の第四実施形態に係る半導体薄膜製造
方法を応用した薄膜トランジスタ製造方法の別の例を示
す工程図である。
【図15】本発明の第四実施形態に係る半導体薄膜製造
方法を応用した薄膜トランジスタ製造方法の更に別の例
を示す工程図である。
【符号の説明】
0・・・絶縁基板、1・・・ゲート電極、3・・・ゲー
ト絶縁膜、4・・・非晶質半導体薄膜、5・・・多結晶
半導体薄膜、50・・・レーザ光、51・・・レーザ発
振器、54・・・チャンバ、55・・・ステージ、57
・・・ヒータ、58・・・冷却手段
フロントページの続き (72)発明者 高徳 真人 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 菅野 幸保 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社社内 (72)発明者 藤野 昌宏 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 眞野 三千雄 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 浅野 明彦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に非単結晶の半導体薄膜を形
    成する成膜工程と、レーザ光を照射して非単結晶の該半
    導体薄膜を多結晶に転換するアニール工程とを行なう半
    導体薄膜製造方法であって、 前記アニール工程は、立ち上がりから立ち下がりまで5
    0ns以上の発光時間幅を有し且つ一定の断面積を有す
    るするレーザ光のパルスを少なくとも一回照射して、該
    断面積に対応する照射領域に含まれる該半導体薄膜を一
    括で多結晶に転換し、 立ち上がりから立ち下がりまでの間該レーザ光のエネル
    ギー強度を制御して所望の変化を付与する事を特徴とす
    る半導体薄膜製造方法。
  2. 【請求項2】 前記アニール工程は、立ち上がり時のエ
    ネルギー強度よりも立ち下がり時のエネルギー強度が小
    さくなるように傾斜的な変化を付ける事を特徴とする請
    求項1記載の半導体薄膜製造方法。
  3. 【請求項3】 前記アニール工程は、立ち上がり時のエ
    ネルギー強度よりも立ち下がり時のエネルギー強度が大
    きくなるように傾斜的な変化を付ける事を特徴とする請
    求項1記載の半導体薄膜製造方法。
  4. 【請求項4】 前記アニール工程は、該レーザ光のエネ
    ルギー強度を制御して所望の変化を付与する際、その変
    化幅を300mJ/cm以下に収める事を特徴とする
    請求項1記載の半導体薄膜製造方法。
  5. 【請求項5】 前記アニール工程は、100cm以上
    の断面積を有するするレーザ光のパルスを照射する事を
    特徴とする請求項1記載の半導体薄膜製造方法。
  6. 【請求項6】 基板の上に形成された非晶質又は比較的
    粒径の小さな多結晶の半導体薄膜に、レーザ光を照射し
    て比較的粒径の大きな多結晶に転換するレーザ照射装置
    であって、 立ち上がりから立ち下がりまで50ns以上の発光時間
    幅を有するレーザ光のパルスを発するレーザ光源と、 該レーザ光の断面積を一定に整形する整形手段と、 整形された該レーザ光のパルスを少なくとも一回照射し
    て、該断面積に対応する照射領域に含まれる該半導体薄
    膜を一括で多結晶に転換する照射手段と、 立ち上がりから立ち下がりまでの間該レーザ光のエネル
    ギー強度を制御して所望の変化を付与する制御手段とを
    有する事を特徴とするレーザ照射装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、立ち上がり時のエネル
    ギー強度よりも立ち下がり時のエネルギー強度が小さく
    なるように傾斜的な変化を付ける事を特徴とする請求項
    6記載のレーザ照射装置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、立ち上がり時のエネル
    ギー強度よりも立ち下がり時のエネルギー強度が大きく
    なるように傾斜的な変化を付ける事を特徴とする請求項
    6記載のレーザ照射装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、該レーザ光のエネルギ
    ー強度を制御して所望の変化を付与する際、その変化幅
    を300mJ/cm以下に収める事を特徴とする請求
    項6記載のレーザ照射装置。
  10. 【請求項10】 前記整形手段は、該レーザ光の断面積
    が100cm以上の矩形に整形する事を特徴とする請
    求項6記載のレーザ照射装置。
  11. 【請求項11】 半導体薄膜と、その一面に重ねられた
    ゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜を介して該半導体薄膜に
    重ねられたゲート電極とを含む積層構成を有する薄膜ト
    ランジスタであって、 前記半導体薄膜は、基板の上に非単結晶シリコンを形成
    した後、立ち上がりから立ち下がりまで50ns以上の
    発光時間幅を有し且つ一定の断面積を有するレーザ光の
    パルスを少なくとも一回照射して、該断面積に対応する
    照射領域に含まれる該非単結晶シリコンを一括で多結晶
    シリコンに転換したものであり、 前記多結晶シリコンは、パルスの立ち上がりから立ち下
    がりまでの間該レーザ光のエネルギー強度に所望の変化
    を付与して改質されている事を特徴とする薄膜トランジ
    スタ。
  12. 【請求項12】 所定の間隙を介して互いに接合した一
    対の基板と、該間隙に保持された電気光学物質とを有
    し、一方の基板には対向電極を形成し、他方の基板には
    画素電極及びこれを駆動する薄膜トランジスタを形成
    し、該薄膜トランジスタを、半導体薄膜とその一面にゲ
    ート絶縁膜を介して重ねられたゲート電極とで形成した
    表示装置であって、 前記半導体薄膜は、該他方の基板の上に非単結晶シリコ
    ンを形成した後、立ち上がりから立ち下がりまで50n
    s以上の発光時間幅を有し且つ一定の断面積を有するレ
    ーザ光のパルスを少なくとも一回照射して、該断面積に
    対応する照射領域に含まれる該非単結晶シリコンを一括
    で多結晶シリコンに転換したものであり、 前記多結晶シリコンは、パルスの立ち上がりから立ち下
    がりまでの間該レーザ光のエネルギー強度に所望の変化
    を付与して改質されている事を特徴とする表示装置。
  13. 【請求項13】 基板の表面に非単結晶の半導体薄膜を
    形成する成膜工程と、レーザ光を照射して非単結晶の該
    半導体薄膜を多結晶に転換するアニール工程とを行なう
    半導体薄膜製造方法であって、 前記アニール工程は、該基板を非酸化雰囲気に保持した
    状態で、50ns以上の発光時間幅を有し且つ一定の断
    面積を有するするレーザ光のパルスを少なくとも一回該
    基板に照射して、該断面積に対応する照射領域に含まれ
    る該半導体薄膜を一括で多結晶に転換する事を特徴とす
    る半導体薄膜製造方法。
  14. 【請求項14】 前記アニール工程は、該基板を真空か
    らなる非酸化雰囲気に保持した状態でレーザ光を照射す
    る事を特徴とする請求項13記載の半導体薄膜製造方
    法。
  15. 【請求項15】 前記アニール工程は、該基板を不活性
    ガスで満たされた非酸化雰囲気に保持した状態でレーザ
    光を照射する事を特徴とする請求項13記載の半導体薄
    膜製造方法。
  16. 【請求項16】 前記アニール工程は、該基板を大気圧
    下の不活性ガス又は加圧された不活性ガスで満たされた
    非酸化雰囲気に保持した状態でレーザ光を照射する事を
    特徴とする請求項15記載の半導体薄膜製造方法。
  17. 【請求項17】 前記アニール工程は、5cm以上の
    断面積を有するするレーザ光のパルスを照射する事を特
    徴とする請求項13記載の半導体薄膜製造方法。
  18. 【請求項18】 前記アニール工程は、該レーザ光のエ
    ネルギー強度を400mJ/cmから600mJ/c
    までの範囲に制御して該基板に照射する事を特徴と
    する請求項13記載の半導体薄膜製造方法。
  19. 【請求項19】 基板の上に形成された非晶質又は比較
    的粒径の小さな多結晶の半導体薄膜に、レーザ光を照射
    して比較的粒径の大きな多結晶に転換するレーザ照射装
    置であって、 50ns以上の発光時間幅を有するレーザ光のパルスを
    発するレーザ光源と、 該レーザ光の断面積を一定に整形する整形手段と、 予め半導体薄膜が形成された基板を非酸化雰囲気に保持
    する保持手段と、 整形された該レーザ光のパルスを非酸化雰囲気に保持さ
    れた該基板に少なくとも一回照射して、該断面積に対応
    する照射領域に含まれる該半導体薄膜を一括で多結晶に
    転換する照射手段とを有する事を特徴とするレーザ照射
    装置。
  20. 【請求項20】 前記保持手段は、該基板を真空からな
    る非酸化雰囲気に保持する事を特徴とする請求項19記
    載のレーザ照射装置。
  21. 【請求項21】 前記保持手段は、該基板を不活性ガス
    で満たされた非酸化雰囲気に保持する事を特徴とする請
    求項19記載のレーザ照射装置。
  22. 【請求項22】 前記保持手段は、該基板を大気圧下の
    不活性ガス又は加圧された不活性ガスで満たされた非酸
    化雰囲気に保持する事を特徴とする請求項21記載のレ
    ーザ照射装置。
  23. 【請求項23】 前記整形手段は、レーザ光のパルスを
    5cm以上の断面積を有する矩形に整形する事を特徴
    とする請求項19記載のレーザ照射装置。
  24. 【請求項24】 前記照射手段は、該レーザ光のエネル
    ギー強度を400mJ/cmから600mJ/cm
    までの範囲に制御して該基板に照射する事を特徴とする
    請求項19記載のレーザ照射装置。
  25. 【請求項25】 半導体薄膜と、その一面に重ねられた
    ゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜を介して該半導体薄膜に
    重ねられたゲート電極とを含む積層構成を有する薄膜ト
    ランジスタであって、 前記半導体薄膜は、基板の上に非単結晶シリコンを形成
    した後、該基板を非酸化雰囲気に保持した状態で、50
    ns以上の発光時間幅を有し且つ一定の断面積を有する
    レーザ光のパルスを少なくとも一回照射して、該断面積
    に対応する照射領域に含まれる該非単結晶シリコンを一
    括で多結晶シリコンに転換したものである事を特徴とす
    る薄膜トランジスタ。
  26. 【請求項26】 所定の間隙を介して互いに接合した一
    対の基板と、該間隙に保持された電気光学物質とを有
    し、一方の基板には対向電極を形成し、他方の基板には
    画素電極及びこれを駆動する薄膜トランジスタを形成
    し、該薄膜トランジスタを、半導体薄膜とその一面にゲ
    ート絶縁膜を介して重ねられたゲート電極とで形成した
    表示装置であって、 前記半導体薄膜は、該他方の基板の上に非単結晶シリコ
    ンを形成した後、該他方の基板を非酸化雰囲気に保持し
    た状態で、50ns以上の発光時間幅を有し且つ一定の
    断面積を有するレーザ光のパルスを少なくとも一回照射
    して、該断面積に対応する照射領域に含まれる該非単結
    晶シリコンを一括で多結晶シリコンに転換したものであ
    る事を特徴とする表示装置。
  27. 【請求項27】 基板の表面に非単結晶の半導体薄膜を
    形成する成膜工程と、レーザ光を照射して非単結晶の該
    半導体薄膜を多結晶に転換するアニール工程とを行なう
    半導体薄膜製造方法であって、 前記アニール工程は、該基板を均一に加熱した状態で、
    50ns以上の発光時間幅を有し且つ一定の断面積を有
    するするレーザ光のパルスを少なくとも一回該基板に照
    射して、該断面積に対応する照射領域に含まれる該半導
    体薄膜を一括で多結晶に転換する事を特徴とする半導体
    薄膜製造方法。
  28. 【請求項28】 前記アニール工程は、該基板を真空雰
    囲気に保持しつつ加熱した状態でレーザ光を照射する事
    を特徴とする請求項27記載の半導体薄膜製造方法。
  29. 【請求項29】 前記アニール工程は、該基板を不活性
    ガス雰囲気に保持しつつ加熱した状態でレーザ光を照射
    する事を特徴とする請求項27記載の半導体薄膜製造方
    法。
  30. 【請求項30】 基板の上に形成された非晶質又は比較
    的粒径の小さな多結晶の半導体薄膜に、レーザ光を照射
    して比較的粒径の大きな多結晶に転換するレーザ照射装
    置であって、 50ns以上の発光時間幅を有するレーザ光のパルスを
    発するレーザ光源と、 該レーザ光の断面積を一定に整形する整形手段と、 予め半導体薄膜が形成された基板を均一に加熱する加熱
    手段と、 整形された該レーザ光のパルスを該加熱された基板に少
    なくとも一回照射して、該断面積に対応する照射領域に
    含まれる該半導体薄膜を一括で多結晶に転換する照射手
    段とを有する事を特徴とするレーザ照射装置。
  31. 【請求項31】 前記加熱手段は、ガラスからなる該基
    板を300℃乃至450℃の範囲で均一に加熱する事を
    特徴とする請求項30記載のレーザ照射装置。
  32. 【請求項32】 前記加熱手段は、該基板を載置するス
    テージに内蔵した熱源からなる事を特徴とする請求項3
    0記載のレーザ照射装置。
  33. 【請求項33】 前記加熱手段は、該基板を真空雰囲気
    に保持した状態で加熱する事を特徴とする請求項30記
    載のレーザ照射装置。
  34. 【請求項34】 前記加熱手段は、該基板を不活性ガス
    雰囲気に保持した状態で加熱する事を特徴とする請求項
    30記載のレーザ照射装置。
  35. 【請求項35】 半導体薄膜と、その一面に重ねられた
    ゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜を介して該半導体薄膜に
    重ねられたゲート電極とを含む積層構成を有する薄膜ト
    ランジスタであって、 前記半導体薄膜は、基板の上に非単結晶シリコンを形成
    した後、該基板を均一に加熱した状態で、50ns以上
    の発光時間幅を有し且つ一定の断面積を有するレーザ光
    のパルスを少なくとも一回照射して、該断面積に対応す
    る照射領域に含まれる該非単結晶シリコンを一括で多結
    晶シリコンに転換したものである事を特徴とする薄膜ト
    ランジスタ。
  36. 【請求項36】 半導体薄膜と、その上面に重ねられた
    ゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜を介して該半導体薄膜の
    上に重ねられたゲート電極とを含む積層構成を有する請
    求項35記載の薄膜トランジスタ。
  37. 【請求項37】 所定の間隙を介して互いに接合した一
    対の基板と、該間隙に保持された電気光学物質とを有
    し、一方の基板には対向電極を形成し、他方の基板には
    画素電極及びこれを駆動する薄膜トランジスタを形成
    し、該薄膜トランジスタを、半導体薄膜とその一面にゲ
    ート絶縁膜を介して重ねられたゲート電極とで形成した
    表示装置であって、 前記半導体薄膜は、該他方の基板の上に非単結晶シリコ
    ンを形成した後、該他方の基板を均一に加熱した状態
    で、50ns以上の発光時間幅を有し且つ一定の断面積
    を有するレーザ光のパルスを少なくとも一回照射して、
    該断面積に対応する照射領域に含まれる該非単結晶シリ
    コンを一括で多結晶シリコンに転換したものである事を
    特徴とする表示装置。
  38. 【請求項38】 基板の表面に非単結晶の半導体薄膜を
    形成する成膜工程と、レーザ光を照射して非単結晶の該
    半導体薄膜を多結晶に転換するアニール工程とを行なう
    半導体薄膜製造方法であって、 前記アニール工程は、該基板を室温以下に冷却した状態
    で、50ns以上の発光時間幅を有し且つ一定の断面積
    を有するするレーザ光のパルスを少なくとも一回該基板
    に照射して、該断面積に対応する照射領域に含まれる該
    半導体薄膜を一括で多結晶に転換する事を特徴とする半
    導体薄膜製造方法。
  39. 【請求項39】 前記アニール工程は、レーザ光の照射
    を受けて上昇した基板温度より50℃以上低い温度で冷
    却を行なう事を特徴とする請求項38記載の半導体薄膜
    製造方法。
  40. 【請求項40】 前記アニール工程は、レーザ光の照射
    を受けて上昇した基板温度より100℃以上低い温度で
    冷却を行なう事を特徴とする請求項38記載の半導体薄
    膜製造方法。
  41. 【請求項41】 前記アニール工程は、10cm乃至
    100cmの断面積を有するするレーザ光のパルスを
    照射する事を特徴とする請求項38記載の半導体薄膜製
    造方法。
  42. 【請求項42】 基板の上に形成された非晶質又は比較
    的粒径の小さな多結晶の半導体薄膜に、レーザ光を照射
    して比較的粒径の大きな多結晶に転換するレーザ照射装
    置であって、 50ns以上の発光時間幅を有するレーザ光のパルスを
    発するレーザ光源と、 該レーザ光の断面積を一定に整形する整形手段と、 予め半導体薄膜が形成された基板を室温以下に冷却する
    冷却手段と、 整形された該レーザ光のパルスを該冷却された基板に少
    なくとも一回照射して、該断面積に対応する照射領域に
    含まれる該半導体薄膜を一括で多結晶に転換する照射手
    段とを有する事を特徴とするレーザ照射装置。
  43. 【請求項43】 前冷却手段は、レーザ光の照射を受け
    て上昇した基板温度より50℃以上低い温度で冷却を行
    なう事を特徴とする請求項42記載のレーザ照射装置。
  44. 【請求項44】 前冷却手段は、レーザ光の照射を受け
    て上昇した基板温度より50℃以上低い温度で冷却を行
    なう事を特徴とする請求項42記載のレーザ照射装置。
  45. 【請求項45】 半導体薄膜と、その一面に重ねられた
    ゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜を介して該半導体薄膜に
    重ねられたゲート電極とを含む積層構成を有する薄膜ト
    ランジスタであって、 前記半導体薄膜は、基板の上に非単結晶シリコンを形成
    した後、該基板を室温以下に冷却した状態で、50ns
    以上の発光時間幅を有し且つ一定の断面積を有するレー
    ザ光のパルスを少なくとも一回照射して、該断面積に対
    応する照射領域に含まれる該非単結晶シリコンを一括で
    多結晶シリコンに転換したものである事を特徴とする薄
    膜トランジスタ。
  46. 【請求項46】 所定の間隙を介して互いに接合した一
    対の基板と、該間隙に保持された電気光学物質とを有
    し、一方の基板には対向電極を形成し、他方の基板には
    画素電極及びこれを駆動する薄膜トランジスタを形成
    し、該薄膜トランジスタを、半導体薄膜とその一面にゲ
    ート絶縁膜を介して重ねられたゲート電極とで形成した
    表示装置であって、 前記半導体薄膜は、該他方の基板の上に非単結晶シリコ
    ンを形成した後、該他方の基板を室温以下に冷却した状
    態で、50ns以上の発光時間幅を有し且つ一定の断面
    積を有するレーザ光のパルスを少なくとも一回照射し
    て、該断面積に対応する照射領域に含まれる該非単結晶
    シリコンを一括で多結晶シリコンに転換したものである
    事を特徴とする表示装置。
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