JPH0876142A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH0876142A
JPH0876142A JP20844994A JP20844994A JPH0876142A JP H0876142 A JPH0876142 A JP H0876142A JP 20844994 A JP20844994 A JP 20844994A JP 20844994 A JP20844994 A JP 20844994A JP H0876142 A JPH0876142 A JP H0876142A
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JP
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silicon film
tft
region
film
amorphous silicon
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JP20844994A
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Inventor
Takamasa Kouzai
孝真 香西
Naoki Makita
直樹 牧田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動回路を構成するドライバーTFTの動作
速度を高めるとともに、画像表示部を構成する画素スイ
ッチング用TFTのオフ電流を低減することができ、し
かもドライバーTFT及び画素スイッチング用TFTを
同一基板上に低温プロセスにより、安定にかつ歩留まり
よく製造することができるLCDを得ること。 【構成】 画像部分2のスイッチングトランジスタを、
活性領域が非晶質珪素膜からなるTFTで構成し、周辺
回路部分3を構成するドライバートランジスタを、活性
領域が結晶性珪素膜からなるTFTで構成し、しかも該
ドライバーTFTの活性領域となる結晶性珪素膜を、非
晶質珪素膜の低温結晶化を助長する触媒元素を含む構造
とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクティブマトリック
ス型の液晶表示装置に関し、特に、周辺駆動回路部も同
一基板上に形成したドライバーモノリシック型の液晶表
示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このアクティブマトリックス型液晶表示
装置は、ガラス等の絶縁基板上にマトリックス状に配列
された薄膜トランジスタ(以下、TFTと略記する。)
を表示画素のスイッチング素子として用いるもので、近
年この液晶表示装置(以下、LCDと略記する。)は、
テレビを始め情報機器端末や計測器のディスプレイとし
て広く活用されている。
【0003】上記TFTの活性層には、薄膜状の珪素半
導体を用いるのが一般的である。薄膜状の珪素半導体と
しては非晶質珪素半導体(アモルファスシリコン)から
なるものと、結晶性を有する珪素半導体からなるものの
2つに大別される。非晶質珪素半導体は作製温度が低
く、気相法で比較的容易に作製することが可能で量産性
に富むため、最も一般的に用いられている。一方、結晶
性を有する珪素半導体からなるTFTは電流駆動能力が
大きく高速動作が可能で、この結晶性珪素半導体を用い
ると、LCDの周辺駆動回路も画像表示部分と一体形成
できるため現在注目を集めている。
【0004】さて、アクティブマトリックス型LCDに
利用されている結晶性を有する珪素半導体としては、多
結晶珪素、微結晶珪素を含む非晶質珪素、結晶性と非晶
質性の中間の状態を有するセミアモルファス珪素等が知
られている。またこれらの結晶性を有する薄膜状の珪素
半導体を得る方法としては、(1)半導体膜の成膜を、
該半導体膜に結晶性を持たせつつ行う、(2)非晶質の
半導体膜を成膜し、その後レーザー光のエネルギーによ
り、該半導体膜を結晶性を有するものにする、(3)非
晶質の半導体膜を成膜し、その後熱エネルギーを加える
ことにより、該半導体膜を結晶性を有するものとする、
と言った方法が知られている。
【0005】しかしながら、(1)の方法では、成膜工
程と同時に結晶化が進行するので、結晶サイズが大粒径
の結晶性珪素膜を得るには珪素膜の厚膜化が不可欠であ
り、良好な半導体物性を有する膜を基板上に全面に渡っ
て均一に成膜することが技術上困難である。また、この
方法では成膜温度が600℃以上と高いので、安価なガ
ラス基板が使用できないというコスト面での問題があ
る。
【0006】(2)の方法では、溶融固化過程の結晶化
現象を利用するため、結晶粒サイズが小粒径にもかかわ
らず、結晶粒界および結晶粒内が良好に処理され、高品
質な結晶性珪素膜が得られるが、現在最もよく使用され
ているエキシマレーザーを例にとると、レーザー光の照
射面積が小さいために、スループットが低いという問題
がまずあり、また、大面積基板の全面を均一に処理する
にはレーザーの安定性が充分ではなく、次世代の技術と
いう感が強い。
【0007】(3)の方法は、(1)、(2)の方法と
比較すると大面積に対応できるという利点はあるが、固
相結晶化現象を利用するため、結晶粒は基板面に平行に
広がりながら成長し数μmの粒径を持つものさえ現れる
が、成長の際、結晶粒同士が成長の際に互いにぶつかり
あって結晶粒界が形成されるため、その粒界において、
キャリヤに対するトラップ準位が形成され、TFTの移
動度を低下させる大きな原因となっている。
【0008】そこで、上記のような様々な問題点をすべ
て解決するため、上記(3)の方法において、固相結晶
化に必要な温度の低温化と加熱処理時間の短縮を両立
し、さらに、結晶粒界の影響を最小限に抑えた結晶性珪
素膜の作製方法が提案されており、特願平5−2181
56号に係る発明としてすでに出願されている。
【0009】この方法では、結晶成長の核としてニッケ
ル等の結晶化を助長する不純物元素(以下、この結晶化
を助長する元素を触媒元素という。)を非晶質珪素膜に
導入するようにしている。これにより、結晶化初期の核
生成速度とその後の核成長速度が飛躍的に向上され、そ
れ以前の技術では考えられなかったような600℃以下
の温度において、4時間程度の熱処理で十分な結晶性珪
素膜が形成される。
【0010】この結晶化のメカニズムは現状では明らか
ではないが、ニッケル等の触媒元素を核とした結晶核発
生が加熱処理の早期に起こり、その後ニッケル等の元素
が触媒となって結晶成長が急激に進行するものと推測し
ている。
【0011】さらに、この方法では基板上の非晶質珪素
膜の一部に選択的に触媒元素を導入することにより、特
公平2−61032号公報において提案されているレー
ザー結晶化のように、同一基板内に選択的に結晶性珪素
膜と非晶質珪素膜を形成することが可能となる。さらに
非晶質珪素膜に選択的に触媒元素を導入した後、熱処理
を継続させると、触媒元素が導入され結晶化している部
分から、その周辺部の非晶質部分へと横方向(基板面に
対して平行な方向)に結晶成長部分が延び、結晶化領域
が拡張する現象が生ずる。以下、この横方向へ延びた結
晶成長部をラテラル成長部と呼ぶことにする。
【0012】このラテラル成長部は基板面に対して平行
に針状あるいは柱状の結晶が成長方向に沿って延びてお
り、その成長方向においては結晶粒界が存在しない。そ
れ故に、このラテラル成長部を利用してTFTのチャネ
ル部を形成することにより、高移動度、高性能のTFT
の作製が可能となる。
【0013】例を挙げると、図6に示すような要領でT
FTのチャネル部を形成するわけである。図6はラテラ
ル成長部を利用して作製されたTFTを示す平面図で、
基板上面から見たものである。このTFTは以下のよう
にして作製される。
【0014】即ち、基板全面に形成された非晶質珪素膜
上に二酸化珪素膜などからなるマスク膜を堆積し、該マ
スク膜に形成したニッケル等の触媒元素添加用のマスク
開口を通して、上記非晶質珪素膜に選択的に触媒元素を
導入する。
【0015】次に、600℃以下の温度、例えば約55
0℃の温度で4時間程度の熱処理を行うと、上記マスク
開口に対応する触媒元素添加領域300が結晶化し、そ
れ以外の領域が非晶質珪素膜のままで残る。さらに、8
時間程度熱処理を継続すると、触媒元素添加領域300
を中心として、横方向(基板表面と平行な方向)であっ
て矢印301で示す成長方向に結晶成長が拡がり、ラテ
ラル成長部302が形成される。
【0016】その後、このラテラル成長部302を利用
して従来の方法に従ってTFTを作製する。その際、ラ
テラル成長部302に対しソース領域303、チャネル
領域304、ドレイン領域305を図6のような配置で
設けることにより、キャリアが移動する方向と結晶成長
方向301が同一方向となり、キャリアの移動方向に結
晶粒界が存在しない高移動度のTFTが実現できる。
【0017】以上述べたように特願平5−218156
号に係る技術を用いると、アニール温度の低温化および
アニール時間の短縮だけではなく、高性能のTFTが実
現できる。さらに、この高移動度かつ高性能のTFTを
アクティブマトリックス基板の周辺回路等の駆動素子と
して利用することにより、周辺駆動回路に要求される高
周波動作を実現することができる。
【0018】また、上記出願に係る技術では、絶縁基板
上に非晶質珪素膜を主構成部材とするアクティブマトリ
ックス回路(画像表示部)を形成し、しかも同一基板上
にこのアクティブマトリックス回路を囲む形で、TFT
等の素子からなる周辺駆動回路を配置している。ここ
で、該周辺駆動回路のTFTは上記ラテラル成長部を利
用して形成したものである。この技術は、このような周
辺駆動回路が配置される領域を、基板上の非晶質珪素膜
内に選択的にニッケル等の触媒元素を導入することによ
り作製し、これによってTFTの高移動度化、高性能化
を促すというものである。
【0019】さらに、上記特願平5−218156号に
係る技術によると、アクティブマトリックス型LCDの
作製プロセスにおいて、ガラス等の絶縁基板上の非晶質
珪素膜に選択的にニッケル等の触媒元素を微量添加し、
続いて加熱処理を行うことにより、上記非晶質珪素膜
の、触媒元素が選択的に導入された領域の周辺領域にお
いて、基板面に対して概略平行な方向に結晶成長を行う
ことが可能である。さらに、前述の基板に平行な方向に
結晶成長した結晶性珪素膜を用いることにより、アクテ
ィブマトリックス型LCDの周辺駆動回路のTFTと、
画素部の画素スイッチング素子として用いるTFTとを
別々の構造とできる。つまり、周辺駆動回路のTFTは
そのソース,ドレインが結晶成長方向と平行な方向に並
ぶよう形成し、画素スイッチング素子としてのTFTは
結晶成長方向と垂直な方向にソース,ドレインが並ぶよ
う形成して、両者を作り分けることが可能である。
【0020】このように周辺駆動回路のTFTと画素部
の画素スイッチング素子として用いるTFTを作り分け
る根拠として、特願平5−218156号には以下のよ
うな記載がある。
【0021】周辺駆動回路に用いるTFTは、キャリア
がソース,ドレイン間を移動する際に結晶粒界の影響を
極力受けない構成とし、これによって高移動度のTFT
を得ることができる。一方、画素部の画素スイッチング
素子として用いるTFTは、キャリアがソース,ドレイ
ン間を移動する際に結晶粒界を横切るような構造として
そのソース,ドレイン間の領域を高抵抗とし、これによ
って、オフ電流(ゲートに逆バイアスを印加したときに
ソース,ドレイン間を流れるリーク電流)を下げること
ができる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】前述のように微量のニ
ッケル等の触媒元素を含む結晶性珪素膜を用いてTFT
が作製されている場合、TFTのソース,ドレイン間の
結晶成長領域では、該触媒元素が結晶粒界に偏在するこ
とによって、キャリアに対するトラップ準位が形成され
る。特に、ソースとドレイン近傍でのトラップ準位に起
因するリーク電流はかなり大きく、無視できないのが事
実である。
【0023】図7は、チャネル部を従来の非晶質珪素膜
によって作製したTFTについて、ドレイン電流のゲー
ト電圧依存性をグラフで示している。実線のグラフはチ
ャネル部が従来の非晶質珪素膜からなるTFT、破線の
グラフはチャネル部が、ニッケルを添加した結晶性珪素
膜からなり、ソース,ドレインが結晶成長方向と垂直に
並ぶように形成されたTFTに対応している。グラフか
らもわかるように、後者のTFTのオフ電流値は前者の
TFTのオフ電流値よりも2桁以上高くなっている。
【0024】また、特公平5−9794号公報には、周
辺駆動回路部分をレーザーアニールしてキャリアの移動
度を上げることが記載されているが、レーザーアニール
法については前述のように均一性、大面積化に関する問
題がある。つまり、ガラス基板等の絶縁基板の大型化に
伴うスループットの問題に如何に対応するか、また如何
に基板全面にわたって高性能で安定した特性の半導体素
子を作製するのかという問題が挙げられる。
【0025】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、周辺駆動回路を構成するドライバ
ーTFTの動作速度を高めるとともに、画像表示部を構
成する画素スイッチング用TFTのオフ電流を低減する
ことができ、しかもドライバーTFT及び画素スイッチ
ング用TFTを同一基板上に低温プロセスにより、安定
にかつ歩留まりよく製造することができる液晶表示装置
を得ることが本発明の目的である。
【0026】
【課題を解決するための手段】そこで本件発明者等は、
上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、ニッケル等の
触媒元素を添加していない領域は550℃以下でアニー
ルを行っても全く結晶核の発生がなく、その後、600
℃程度の温度でアニールすることにより核の発生が起こ
り、はじめて結晶化されることを見い出した。即ち、リ
ーク電流は大きくなってしまうけれども高移動度のTF
Tを形成できる、ニッケル等の触媒元素を含む結晶性を
有する珪素膜と、移動度は低いが低リーク電流のTFT
を形成できる、触媒元素を含まない非晶質珪素膜とを同
一基板上に形成できることを見いだした。
【0027】詳述すれば、非晶質珪素からなる薄膜にニ
ッケル等の触媒元素を添加することによって、非晶質珪
素膜の、駆動回路等の周辺回路を配置する領域を550
℃以下の温度で選択的に結晶化して、結晶成長方向が完
全に揃った一様な結晶性珪素膜とすることが可能とな
る。それゆえに、基板全面にわたって高性能で、かつ安
定した特性のTFT等の半導体素子を実現することがで
きる。具体的には、同一基板上にアクティブマトリック
ス基板の周辺回路等の駆動用TFTおよびアクティブマ
トリックス型LCDの画素スイッチング用TFTを形成
し、ドライバーモノリシック型のアクティブマトリック
ス型LCDを実現することができる。
【0028】以下、同一基板上に結晶性珪素領域と非晶
質珪素領域を作り分ける本質的な理由を述べる。アクテ
ィブマトリックス型LCDにおいては、周辺回路等の駆
動素子としてのTFTと、画素部分に設けられる画素ス
イッチング素子としてのTFTとでは、それぞれ必要と
されるTFT特性が異なるからである。即ち、周辺駆動
回路用TFTは、高周波動作を実現するために高移動度
が要求され大きなオン電流を流すことのできる特性が必
要とされ、一方、画素用TFTは、電荷保持率を高める
ためオフ電流が極めて小さいことが要求される。
【0029】結局、ニッケル等の触媒元素を使用するこ
とによって、従来の固相成長法では実現できなかった5
50℃以下の温度で、高品質な結晶性珪素を基板上の任
意の領域に作製することができ、周辺駆動回路用TFT
と画素用TFTそれぞれに要求される異なるTFT特性
を同時に満足させることができるわけである。
【0030】本発明は、この点に着目してなされたもの
である。
【0031】(1)本発明に係る液晶表示装置は、対向
する一対の基板間に挟持された液晶、該一方の基板上に
マトリックス状に配列された複数の画素電極、及び該各
画素電極毎に設けられ、該画素電極への信号の供給を制
御するスイッチングトランジスタを有する画像表示部
と、該一方の基板の、画像表示部の外周部分に配設さ
れ、該スイッチングトランジスタを駆動する周辺駆動回
路とを備えている。該画像表示部のスイッチングトラン
ジスタは、活性領域が非晶質珪素膜からなる薄膜トラン
ジスタであり、該周辺駆動回路を構成するドライバート
ランジスタは、活性領域が結晶性珪素膜からなる薄膜ト
ランジスタであり、該結晶性珪素膜には、非晶質珪素膜
の結晶化を助長する触媒元素が含まれている。そのこと
により上記目的が達成される。
【0032】(2)本発明に係る液晶表示装置は、対向
する一対の基板間に挟持された液晶、該一方の基板上に
マトリックス状に配列された複数の画素電極、及び該各
画素電極毎に設けられ、該画素電極への信号の供給を制
御するスイッチングトランジスタを有する画像表示部
と、該一方の基板の、画像表示部の外周部分に配設さ
れ、該スイッチングトランジスタを駆動する周辺駆動回
路とを備えている。該画像表示部のスイッチングトラン
ジスタは、活性領域が非晶質珪素膜からなる薄膜トラン
ジスタであり、該周辺駆動回路を構成するドライバート
ランジスタは、活性領域が結晶性珪素膜からなる薄膜ト
ランジスタである。該結晶性珪素膜は、その近傍の結晶
化領域から基板表面に対して概略平行な方向に結晶成長
が進んで形成された横方向結晶成長領域の一部であり、
該結晶化領域は、非晶質珪素膜の加熱による結晶化を助
長する触媒元素を導入した領域である。そのことにより
上記目的が達成される。
【0033】(3)本発明は、上記液晶表示装置におい
て、該周辺駆動回路を構成するドライバートランジスタ
が、その活性領域中でのキャリアの移動方向が該結晶性
珪素膜の結晶成長方向と概略平行となるよう、該結晶性
珪素膜内に形成されていることが好ましい。
【0034】(4)本発明は、上記液晶表示装置におい
て、前記触媒元素として、ニッケル(Ni),鉄(F
e),コバルト(Co),パラジウム(Pd),白金
(Pt),錫(Sn),インジウム(In),アルミニ
ウム(Al),金(Au),銀(Ag),アンチモン
(Sb),銅(Cu),砒素(As),燐(P)の中か
ら選ばれた少なくとも一つの材料を用いていることが好
ましい。
【0035】(5)本発明は、上記液晶表示装置におい
て、前記結晶性珪素膜は、触媒元素を選択的に導入した
非晶質珪素膜に熱処理を施して形成したものであり、該
選択的に導入する触媒元素の面密度は、5.0×1013
atoms/cm2以下であることが好ましい。
【0036】
【作用】本発明においては、画像表示部のスイッチング
トランジスタを、活性領域が非晶質珪素膜からなるTF
Tで構成したので、該スイッチング用TFTの活性領域
の抵抗増大によりオフ電流を低減することができ、画素
での電荷保持率を高めることができる。また周辺駆動回
路を構成するドライバートランジスタを、活性領域が結
晶性珪素膜からなるTFTで構成したので、ドライバT
FTの活性領域でのキャリアの移動度が増大することと
なり、周辺駆動回路の高周波動作を実現することができ
る。
【0037】さらに、該ドライバーTFTの活性領域と
なる結晶性珪素膜には、非晶質珪素膜の結晶化を助長す
る触媒元素が含まれているので、これを低温での固相結
晶化処理により非晶質珪素膜から形成することができ、
このため、ドライバーTFTを、活性領域が非晶質珪素
膜からなる画素スイッチング用TFTとともに同一基板
上に低温プロセスにより、安定にかつ歩留まりよく形成
することができる。
【0038】また、本発明においては、ドライバートラ
ンジスタの活性領域となる結晶性珪素膜を、その近傍
の、上記触媒元素を含む結晶化領域から基板表面に対し
て概略平行な方向に結晶成長が進んで形成された横方向
結晶成長領域の一部から構成し、上記ドライバートラン
ジスタを、その活性領域中でのキャリアの移動方向が該
結晶性珪素膜の横方向結晶成長方向と概略平行となるよ
う、該結晶性珪素膜内に配置したので、ドライバートラ
ンジスタのキャリアの移動方向には結晶粒界が存在しな
いようになり、周辺駆動回路の高周波動作性能をさらに
高めることができる。
【0039】本発明においては、非晶質珪素膜に選択的
に導入する触媒元素の面密度を、5.0×1013ato
ms/cm2以下にしているため、触媒元素によるトラ
ップ準位に起因したリーク電流が必要以上に増大するの
を回避することができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の基本原理について説明する。
【0041】本発明は、ドライバーモノリシック型のア
クティブマトリックス型LCDにおいて、周辺駆動回路
部のTFTのチャネル部として、ニッケル等の触媒元素
を添加し固相成長を行って結晶化させた結晶性珪素膜を
用いることによりTFTの高移動度化を図り、周辺駆動
回路用TFTに要求される性能を満足させることができ
るものである。
【0042】先ず始めに、周辺駆動回路用TFTを配置
すべき全領域にニッケル等の触媒元素を、選択添加のた
めの窓(図6に示す領域300に対応する)を使わずに
添加した場合の、結晶化された触媒元素を含む珪素膜の
結晶構造、およびその構造によるTFT特性について述
べることにする。
【0043】この場合の結晶性珪素膜は約100nmの
幅の複数の柱状結晶が織り込まれた結晶粒から構成され
ており、結晶粒全体としては10度前後の角度分布を持
っている。したがって、個々の柱状結晶の結晶性が比較
的良好でも、粒全体としてはかなり高密度の結晶欠陥
(転位)を含んでいる。
【0044】また、結晶粒径は30〜40μmと通常の
ニッケル添加を伴わない固相成長ポリシリコンと比べて
大きく、このサイズだと、例えばL(チャネル長)/W
(チャネル幅)=10/10μmのTFTの場合、チャ
ネル内がおおよそ一つの結晶方位であるため比較的高い
移動度が得られる。しかし、欠陥密度が高いためしきい
値や、リーク電流は下がりにくいということになる。
【0045】これに対し、選択添加用の窓を用いてニッ
ケルを添加することにより、従来の固相成長法では得る
ことのできない非常に高品質な結晶状態、つまり結晶成
長方向が一方向(基板面に対して概略平行な向き)に完
全にそろった、結晶欠陥(転位)密度が極めて低い結晶
状態を有する結晶性珪素膜を得ることができる。
【0046】一方、画素部分のTFTについては、ニッ
ケル等の触媒元素を添加せずに、非晶質状態の珪素膜中
にTFTを形成することにより、TFTのオフ電流を極
力低くすることができる。
【0047】したがって、上記TFTを結晶性珪素膜中
と非晶質珪素膜中に作り分けることにより、同一基板上
に周辺駆動回路用TFTに要求される高移動度を有する
TFTと、画素用TFTに要求される低リーク電流のT
FTとを実現することができる。特に、TFTを構成す
る結晶性珪素膜の結晶成長の方向と、TFTのキャリア
の移動する方向と一致させることにより、著しくTFT
の移動度向上が図れ非常に有効である。
【0048】なお、添加するニッケル量を5.0×10
13atoms/cm2以下にすることによって、ニッケ
ルが不純物として周辺回路用TFTに与える影響を極力
押さえることができる。なぜなら、図8に示すラテラル
成長距離のNi面密度依存性のグラフからわかるよう
に、5.0×1013atoms/cm2以上のニッケル
を添加してもラテラル成長距離が90μm以上にならな
いからである。
【0049】(実施例1)以下、本発明の一実施例につ
いて説明する。
【0050】図1は本発明の一実施例によるアクティブ
マトリクス型LCDの構成の概略を示す平面図であり、
図において、1は本実施例のLCDで、絶縁基板上にマ
トリックス状に配置された、複数の画素及び画素用スイ
ッチTFTを有する画素部分2と、上記絶縁基板の、該
画素部分2の周囲に配置された周辺回路部分3とを備え
ている。またここでは図示していないが、上記絶縁基板
の、周辺回路部分3の外側には、電気光学システムを構
成する中央演算処理装置、メモリー、電気信号入出力ポ
ート等の薄膜集積回路が配設されており、この電気光学
システムと上記液晶表示装置とから1つの電子装置が構
成されている。
【0051】図2(a)〜図2(d)は画素部分のスイ
ッチング素子を構成するN型TFTの断面構造をその製
造工程順に示した図である。
【0052】図において、10は、上記画素部分2に各
画素ごとに設けられ、画素への信号の供給を制御するN
型TFTで、該TFT10は、ガラス基板(絶縁基板)
101上に二酸化珪素膜等の絶縁性下地膜102を介し
て形成されている。該絶縁性下地膜102上には、上記
TFTを構成する島状の非晶質珪素膜104cが形成さ
れている。この非晶質珪素膜104cの中央部分は、チ
ャネル領域125となっており、その両側部分は、ソー
ス,ドレイン領域124,126となっている。上記チ
ャネル領域104c上には、ゲート絶縁膜106を介し
てアルミニウムゲート電極128が設けられている。こ
のゲート電極128の表面は酸化物層127により被覆
されており、さらに電極配線214は層間絶縁膜211
上の画素電極212に接続されている。
【0053】上記TFT10はその全面が層間絶縁膜2
11により覆われており、該層間絶縁膜211の、ソー
ス,ドレイン領域124,126に対応する部分には、
コンタクトホール211aが形成されている。上記ソー
ス,ドレイン領域124,126はこのコンタクトホー
ル211aを介して電極配線213,214に接続され
ている。
【0054】また図3は、上記画素部分のスイッチング
トランジスタを駆動する周辺回路のTFTの断面構造を
工程順に示した図である。
【0055】図において、20は、上記周辺回路を構成
するCMOS回路で、P型TFT11とN型TFT12
とをこれらが相補的な動作を行うよう接続したものであ
る。
【0056】該P型TFT11とN型TFT12とはそ
れぞれ上記ガラス基板101上に二酸化珪素膜等の絶縁
性下地膜102を介して形成されている。該絶縁性下地
膜102上には、上記各TFT11,12を構成する島
状の結晶性珪素膜104p,104nが隣接して形成さ
れている。この結晶性珪素膜104p,104nの中央
部分は、それぞれPチャネル領域112,Nチャネル領
域115となっている。上記結晶性珪素膜104pの両
側部分はP型TFTのP型ソース,ドレイン領域11
1,113、上記結晶性珪素膜104nの両側部分はN
型TFTのN型ソース,ドレイン領域114,116と
なっている。
【0057】上記Pチャネル領域112及びNチャネル
領域115上には、ゲート絶縁膜106を介してアルミ
ニウムゲート電極107及び109が配設されている。
また上記TFT11及び12は全面が層間絶縁膜118
により覆われており、該層間絶縁膜118の、P型TF
T11のソース,ドレイン領域111,113に対応す
る部分にはコンタクトホール116pが、また該層間絶
縁膜116の、N型TFT12のソース,ドレイン領域
114,116に対応する部分には、コンタクトホール
116nが形成されている。そして上記P型TFT11
のソース,ドレイン領域111,113はこのコンタク
トホール116pを介して電極配線117,119に接
続されている。また上記N型TFT12のソース,ドレ
イン領域114,116は上記コンタクトホール116
nを介して電極配線120,121に接続されている。
【0058】そして本実施例では、上記結晶性珪素膜1
04p,104nは、その近傍の結晶化珪素領域104
aから基板表面に対して平行な方向105に結晶成長が
進んで形成された横方向結晶領域105a,105b
(図4参照)の一部である。該結晶化珪素領域104a
及び横方向結晶領域105a,105bは、非晶質珪素
膜の加熱処理による結晶化を助長する触媒元素を含み、
この膜中の結晶粒がほぼ単結晶状態の針状結晶あるいは
柱状結晶からなっているものである。
【0059】次に製造方法について説明する。
【0060】本実施例のプロセスの主要点は、TFTを
構成する半導体膜として、先ず、基板全面に非晶質珪素
を成膜し、画素部分2を構成する領域をフォトレジスト
で覆い、駆動素子等の周辺回路部分3を配置する領域の
み選択的にニッケル等の触媒元素を添加して、その領域
のみ600℃以下の温度かつ24時間以内の加熱によっ
て結晶成長を行う点にある。これにより駆動素子等の周
辺回路を配置すべき領域を結晶化し、その領域以外の領
域、即ち、画素スイッチング素子を配置すべき領域を非
晶質珪素膜のまま残すことができる。
【0061】以下図2,及び図3を用いて具体的に説明
する。
【0062】なお、上記画素部分のTFTと、周辺回路
部分のTFTとは、同一基板上において形成されるもの
であり、共通する処理は同時に行われる。
【0063】図2(a)〜図2(d)に示す工程と、図
3(a)〜図3(d)に示す工程とは、それぞれ対応す
るものであり、図2(a)と図3(a)、図2(b)と
図3(b)、図2(c)と図3(c)、図2(d)と図
3(d)は、それぞれ製造プロセルにおける同一段階の
工程を示している。
【0064】先ず、ガラス基板等(例えばコーニング7
059)の絶縁基板101上にスパッタリング法によっ
て厚さ100〜3000オングストロームの二酸化珪素
の下地膜102を形成する。次に、メタル膜または二酸
化珪素膜等のパターニングによって、周辺回路部分のT
FTを形成すべき領域に所定のマスク開口103aを有
するマスク103を形成する(図2(a),図3
(a))。この状態では、このマスク開口103aに
は、スリット状に下地膜102が露呈され、下地膜10
2の他の部分はマスクされている。
【0065】続いて、スパッタリング法によって、厚さ
1〜200オングストローム、例えば20オングストロ
ームのニッケル膜(図示せず)を成膜する。この後、マ
スク103を取り除くことによって、上記下地膜102
の、マスク開口103aに対応する領域100に選択的
にニッケル膜が成膜されることになる。換言すれば、下
地膜102の領域100に微量のニッケルが選択的に添
加されたことになる。
【0066】次に、プラズマCVD法あるいは減圧CV
D法によって、厚さ300〜2000オングストロー
ム、例えば、1000オングストロームの真性半導体か
らなる非晶質珪素膜(アモルファスシリコン膜)104
を成膜する。そして、この基板に対して、水素還元雰囲
気下(好ましくは、水素の分圧が0.1〜1気圧)また
は不活性ガス雰囲気下(大気圧)、600℃以下の温度
で24時間以内のアニール処理、例えば550℃、16
時間のアニール処理を行う(図2(b),図3
(b))。このアニール温度は、450℃以上の温度で
可能であるが、高すぎると従来の方法と同じになってし
まう。したがって、450〜550℃が好ましいアニー
ル温度であると言える。この際、上記下地膜102の、
ニッケル膜が選択的に形成された領域100上では、ま
ず非晶質珪素膜104の結晶化が基板101に対して垂
直方向に進み、そして、この結晶化した領域104aの
周辺領域では、矢印105で示すように該領域104a
から横方向(基板と平行な方向)に結晶成長が行われる
(図3(b))。
【0067】この結果として結晶成長方向が完全に揃っ
た高品質の結晶性珪素膜104iが得られる。そして後
の工程で明らかになるように、図3に示す周辺回路部分
のTFTにおいては、ソース,ドレイン領域がこの結晶
成長方向105に沿って並ぶよう形成される。尚、上記
結晶成長に際し、矢印105で示される基板と平行な方
向の結晶成長距離は40〜90μm程度である。
【0068】なお、図2(a),図3(a)及び図2
(b),図3(b)で示すここまでの処理に代えて、図
5(a)及び図5(b)に示すような処理を行ってもよ
い。つまり、先ず、ガラス基板(例えばコーニング70
59)等の絶縁基板101上にスパッタリング法によっ
て厚さ200〜1000オングストロームの二酸化珪素
の下地膜102を形成する。次に、プラズマCVD法あ
るいは減圧CVD法によって、厚さ300〜2000オ
ングストローム、例えば、1000オングストロームの
真性半導体の非晶質珪素膜104を成膜する。続いて、
メタル膜または二酸化珪素膜等のパターニングによっ
て、上記マスク開口103aを有するマスク103を形
成する。このときこのマスク103の開口103aに
は、スリット状に非晶質珪素膜104が露呈され、該非
晶質珪素膜の他の部分はマスクされている。続いて、ス
パッタリング法によって、厚さ5〜200オングストロ
ーム、例えば20オングストロームのニッケル膜(図示
せず)を成膜する。そして、上記基板に対して例えば5
50℃での16時間のアニール処理を行う。この際、非
晶質珪素膜104の、ニッケル膜が選択的に形成された
領域100においては、基板101に対して垂直方向に
その結晶化が進み、そして、結晶化領域104aの周辺
領域では、矢印105で示すように該領域104aから
横方向(基板と平行な方向)に結晶成長が進む。この結
果として結晶成長方向が完全に揃った高品質の結晶性珪
素膜104iが得られる。
【0069】また、先の非晶質珪素膜104の結晶化の
際に、該非晶質珪素膜104の、マスク開口103aに
対応する領域100に選択的にニッケルを添加した後
に、即ち結晶化の前に、マスク103を取り除いたが、
このマスク103を取り除かない状態で結晶化を行って
も同様な結晶化を行うことができる。ただし、500℃
以上600℃以下の温度でかつ10時間以上のアニール
を行う場合には、マスク103の膜厚を500オングス
トローム以上にしたほうがよい。なぜならマスク103
の膜厚が500オングストローム以下のときに、例え
ば、550℃、16時間以上のアニールを行うと、マス
ク103上のニッケルがマスク103内に熱拡散され、
さらにマスク103から非晶質珪素膜104内にも拡散
してしまい、領域100以外の領域でニッケルによる非
晶質珪素膜104の結晶化が起こってしまうからであ
る。先にも述べたが、上述の550℃、16時間のアニ
ールによる結晶化では画素部用TFTを作製する領域は
まだ非晶質珪素の状態である。
【0070】このような結晶化処理を行った後、不要な
部分の非晶質珪素104を除去して素子間分離を行い、
素子領域を形成する(図2(c),図3(c)参照)。
【0071】その後、スパッタリング法によって、厚さ
1000オングストロームの二酸化珪素膜106をゲー
ト絶縁膜として成膜する。スパッタリングにはターゲッ
トとして二酸化珪素を用い、スパッタリング時の基板温
度は200〜400℃(例えば350℃)、スパッタリ
ング雰囲気は酸素とアルゴンで、これらの比をアルゴン
/酸素=0〜0.5(例えば0.1)以下とする。
【0072】引き続いてスパッタリング法によって、厚
さ6000〜8000オングストローム,例えば600
0オングストロームのアルミニウム膜(0.1〜2%の
シリコンを含む)を成膜する。なお、上記酸化珪素膜1
06とアルミニウム膜の成膜工程は連続的に行うことが
望ましい。そして、アルミニウム膜をパターニングし
て、ゲート電極107、109及び128を形成する。
これらの工程は、画素部分2(図2(c)参照)と周辺
回路部分3(図3(c)参照)で同時に行われる。
【0073】さらに、このアルミニウム電極107,1
09及び128の表面を陽極酸化して、表面に酸化物層
108,110及び127を形成する。この陽極酸化
は、酒石酸が1〜5%含まれたエチレングリコール溶液
中で行う。得られた酸化物層108,110,127の
厚さは2000オングストロームである。なお、得られ
た酸化物層108,110,127とは、後のイオンド
ーピング工程において、オフセットゲート領域の厚さと
なるので、オフセットゲート領域の長さを上記陽極酸化
工程で決めることができる。
【0074】次に、イオンドーピング法によって、活性
層領域にゲート電極107とその周囲の酸化層108、
ゲート電極109とその周囲の酸化層110、ゲート電
極128とその周囲の酸化層127をマスクとして不純
物金属元素(燐およびホウ素)を注入する。ドーピング
ガスとして、フォスフィン(PH3)およびジボラン
(B26)を用い、前者の場合は加速電圧を60〜90
kV(例えば80kV)、後者の場合は40〜80kV
(例えば65kV)とし、ドーズ量は1×1015〜8
×1015ions/cm2(例えば、燐を2×1015
ions/cm2、ホウ素を5×1015ions/cm2
とする。)とする。
【0075】ドーピングの際、ドーピングが不要な領域
をフォトレジストで覆うことによって、それぞれの元素
を選択的にドーピングを行う。この結果、周辺回路部分
3では、N型の不純物領域114,116、P型の不純
物領域111,113が形成され、画素部分2ではN型
の不純物領域124,126が形成される。さらに、N
型の不純物領域114と116に挟まれた領域115、
P型の不純物領域111と113に挟まれた領域112
は、後に周辺回路部分3のTFTのチャネル領域とな
る。N型の不純物領域124と126に挟まれた領域1
25は、後に画素部分2のTFTのチャネル領域とな
る。
【0076】その結果、図3に示すように、活性領域が
結晶性珪素膜からなるPチャネル型TFT(PTFT)
11とNチャネル型TFT(NTFT)12とを周辺回
路部分3に形成することができる。また、同時に図2に
示すように活性領域が非晶質珪素膜からなるNチャネル
型TFT10を画素部分2に形成することができる。
【0077】その後、レーザー光の照射によってアニー
ルを行い、イオン注入した不純物の活性化を行う。レー
ザー光としては、KrFエキシマレーザー(波長248
nm、パルス幅20nsec)を用いるが、他のレーザ
ーであってもよい。レーザー光の照射条件はエネルギー
密度が200〜400mJ/cm2(例えば250mJ
/cm2)とし、一カ所につき2〜10ショット(例え
ば2ショット)とする。 なお、このレーザー光の照射
時に基板を200〜450℃程度に加熱しておくことは
有用である。また、このレーザーアニール工程におい
て、先に結晶化された領域にはニッケルが拡散している
ので、このレーザー光の照射によって再結晶化が容易に
進行し、P型を付与する不純物がドープされた不純物領
域111と113、さらにN型を付与する不純物がドー
プされた不純物領域114と116、124と126は
容易に活性化され得る。
【0078】続いて、周辺回路部分3においては、図3
に示すように、厚さ6000オングストロームの二酸化
珪素膜118を層間絶縁膜としてプラズマCVD法によ
って形成し、これにコンタクトホール116p,116
nを形成して、金属材料、例えば窒化チタンとアルミニ
ウムの多層膜によってTFTの電極配線117、11
9、120、121を形成する。
【0079】さらに、画素部分2では図2に示すよう
に、層間絶縁物211を二酸化珪素膜によって形成し、
コンタクトホール211aを形成した後、画素電極とな
るITO電極212を形成し、さらに金属配線213、
214を形成する。最後に、1気圧の水素雰囲気中で3
50℃、30分以上のアニールを行い、CMOS構成の
TFT回路20及びTFT10を完成させる(図2
(d)、図3(d)参照)。
【0080】図3に示す周辺回路部分3において、ニッ
ケルが選択的に導入された領域とTFTとの位置関係を
示すために、図4に、図3(c)の断面構造に対応する
平面構造を示す。図4において、領域100に選択的に
微量のニッケルが添加され、前述の熱アニールによっ
て、領域100から矢印105で示す横方向(紙面左右
方向)に結晶成長がなされる。そして、この横方向の結
晶成長が行われた領域105aにおいて、ソース,ドレ
イン領域111,113、チャネル形成領域112がP
TFTとして形成される。同様に横方向結晶成長が行わ
れた領域105bにおいて、ソース,ドレイン領域11
4,116、チャネル形成領域115がNTFTとして
形成される。即ち、周辺回路部分3においては、ソー
ス,ドレイン間において、キャリアの移動する方向が、
結晶の成長方向105と同一の方向となっている。した
がって、キャリアが移動に際して結晶粒界を横切ること
がほとんどないので、特に、移動度を高することができ
る。
【0081】このように本実施例では、ニッケル等の触
媒元素を非晶質珪素膜に導入し、600℃以下の温度で
結晶化を行う技術を用いることによって、ドライバート
ランジスタのように高周波動作を必要とする、言い換え
るとキャリアの高移動度を必要とする周辺駆動回路3を
ガラス等の絶縁基板上に画素部分2と一体化させること
が可能となる。さらに、従来にはない高品質な、即ち結
晶成長方向が完全にそろった、結晶欠陥(転位)密度が
極めて低い結晶性珪素膜を作製できるので、この結晶性
珪素膜を用いて作られたTFTの移動度は非常に高い値
となる。
【0082】また、ニッケル等の触媒元素の添加領域と
非添加領域は二酸化珪素などのマスクを使用することに
より容易に作り分けることが可能である。さらに、この
マスクの開口パターンにより、例えば縦長のパターンあ
るいは横長のパターン等により、ニッケル添加領域から
結晶成長が進む方向および成長距離を任意に決定するこ
とができるので、周辺駆動回路として設けられるあらゆ
るTFT構造に容易に対応が可能となる。このようにニ
ッケル等の触媒元素を使用し、ガラス等の絶縁基板上に
それぞれ異なる電気特性を有する2種類のTFTを同時
に形成することが可能となる。それゆえに、同一基板上
に画像表示部分と周辺駆動回路を組み込んだ、ドライバ
ーモノリシック型のアクティブマトリックス型LCDの
実現が可能となる。
【0083】なお、本実施例において、先に詳しく述べ
たが、ニッケルを導入する方法として、非晶質珪素膜1
04下の下地膜102表面に選択的にニッケルを薄膜状
(極めて薄い膜なので、膜として観察することは困難で
ある。)に形成し、この部分から結晶成長を行う方法を
採用した。この方法とは別に、非晶質珪素膜104を形
成した後に、その上面に選択的に微量のニッケルを添加
する方法でもよい。即ち、結晶成長は非晶質珪素膜10
4の上面側から行ってもよいし、下面側から行ってもよ
い。
【0084】また、予め非晶質珪素膜104を成膜し、
さらにイオンドーピング法を用いて、ニッケルイオンを
非晶質珪素膜104に選択的に注入する方法を採用して
もよい。この場合には、ニッケル元素の濃度を制御する
ことができるという利点がある。
【0085】また、ニッケルの薄膜を成膜する代わりに
ニッケル電極を用いてプラズマ処理により、微量のニッ
ケルを添加してもよい。また、硝酸ニッケルや酢酸ニッ
ケルの水溶液またはアルコール溶液を基板表面に塗布す
る方法で微量のニッケルを添加してもよい。
【0086】さらに、結晶化を助長する触媒元素として
は、ニッケル以外に鉄(Fe),コバルト(Co),パ
ラジウム(Pd),白金(Pt),錫(Sn),インジ
ウム(In),アルミニウム(Al),金(Au),銀
(Ag),アンチモン(Sb),銅(Cu),砒素(A
s),燐(P)を用いても同様の効果が得られる。
【0087】以上、本発明に基づく実施例について具体
的に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるも
のではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が
可能である。
【0088】本発明の応用例としては、液晶表示用のア
クティブマトリックス型基板以外に、例えば、密着型イ
メージセンサー、ドライバー内蔵型のサーマルヘッド、
有機系EL(Electoroluminescence)素子等を発光素子
としたドライバー内蔵型の光書き込み素子や表示素子、
三次元IC等が考えられる。ここで、有機系EL素子
は、有機材料を発光素材とした電界発光素子である。そ
して本発明を用いることで、これらの素子の高速、高解
像度化等の高性能化が実現される。さらに、本発明は上
述の実施例で説明したMOS型トランジスタに限らず、
結晶性半導体を素子材としたバイポーラトランジスタや
静電誘導トランジスタをはじめとして幅広く半導体プロ
セス全般に応用することができる。
【0089】
【発明の効果】以上のように本発明に係るLCDによれ
ば、画像表示部のスイッチングトランジスタを、活性領
域が非晶質珪素膜からなるTFTで構成し、周辺駆動回
路を構成するドライバートランジスタを、活性領域が結
晶性珪素膜からなるTFTで構成したので、該スイッチ
ング用TFTのオフ電流の低減により、画素での電荷保
持率を高めることができ、またドライバーTFTの活性
領域でのキャリアの移動度の増大により、周辺駆動回路
の高周波動作を実現することができる。しかも該ドライ
バーTFTの活性領域となる結晶性珪素膜には、非晶質
珪素膜の結晶化を助長する触媒元素が含まれているの
で、これを低温での固相結晶化処理により非晶質珪素膜
から形成することができる。
【0090】この結果、周辺駆動回路を構成するドライ
バーTFTの動作速度を高めるとともに、画像表示部を
構成する画素スイッチング用TFTのオフ電流を低減す
ることができ、しかもドライバーTFT及び画素スイッ
チング用TFTを同一基板上に低温プロセスにより、安
定にかつ歩留まりよく製造することができる効果があ
る。
【0091】また、本発明によれば、ドライバートラン
ジスタの活性領域となる結晶性珪素膜を、その近傍の上
記触媒元素を含む結晶化領域から基板表面に対して概略
平行な方向に結晶成長が進んで形成された横方向結晶成
長領域の一部から構成し、上記ドライバートランジスタ
を、その活性領域中でのキャリアの移動方向が該結晶性
珪素膜の横方向結晶成長方向と概略平行となるよう、該
結晶性珪素膜内に配置したので、ドライバートランジス
タのキャリアの移動方向には結晶粒界が存在しないよう
になり、その周辺駆動回路の高周波動作性能をさらに高
めることができる効果がある。
【0092】本発明によれば、非晶質珪素膜に選択的に
導入する触媒元素の面密度を、5.0×1013atom
s/cm2以下にしているため、触媒元素によるトラッ
プ準位に起因したリーク電流が必要以上に増大するのを
回避することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるアクティブマトリック
ス型LCDの概略構成を示す平面図である。
【図2】上記実施例のLCDの画素部分を構成する画素
用TFTの構造及び製造方法を示す断面図である。
【図3】上記実施例のLCDの周辺駆動回路を構成する
CMOS構成のTFTの構造及び製造方法を示す断面図
である。
【図4】活性領域を形成した段階の上記CMOS構造の
TFTを示す平面図である。
【図5】図2(a),(b)に示す工程に代わる工程を
説明するための断面図である。
【図6】特願平5−218156号に係る発明におけ
る、微量ニッケル添加およびラテラル成長を説明するた
めの図である。
【図7】そのチャネル領域を従来の非晶質珪素膜によっ
て作製したTFTについて、ドレイン電流のゲート電圧
依存性をグラフで示す図である。
【図8】ラテラル成長距離のNi面密度依存性をグラフ
で示す図である。
【符号の説明】
10 画素用N型TFT 11 ドライバーP型TFT 12 ドライバーN型TFT 20 CMOS回路 100,300 ニッケル微量添加領域 101 ガラス基板 102 下地膜(二酸化珪素膜) 103 マスク 103a マスク開口 104 非晶質珪素膜 104i 結晶性珪素膜 105,301 結晶成長方向 106 ゲート絶縁膜 107,109,128 ゲート電極 108,110,127 陽極酸化層 111,113,114,116,124,126,3
03,305 ソース,ドレイン領域 112,115,125,304 チャネル形成領域 117,119,120,121,213,214 電
極配線 118,211 層間絶縁膜 212 ITO(画素電極) 302 ラテラル成長領域

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する一対の基板間に挟持された液
    晶、該一方の基板上にマトリックス状に配列された複数
    の画素電極、及び該各画素電極毎に設けられ、該画素電
    極への信号の供給を制御するスイッチングトランジスタ
    を有する画像表示部と、 該一方の基板の、画像表示部の外周部分に配設され、該
    スイッチングトランジスタを駆動する周辺駆動回路とを
    備え、 該画像表示部のスイッチングトランジスタは、活性領域
    が非晶質珪素膜からなる薄膜トランジスタであり、 該周辺駆動回路を構成するドライバートランジスタは、
    活性領域が結晶性珪素膜からなる薄膜トランジスタであ
    り、 該結晶性珪素膜には、非晶質珪素膜の結晶化を助長する
    触媒元素が含まれている液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 対向する一対の基板間に挟持された液
    晶、該一方の基板上にマトリックス状に配列された複数
    の画素電極、及び該各画素電極毎に設けられ、該画素電
    極への信号の供給を制御するスイッチングトランジスタ
    を有する画像表示部と、 該一方の基板の、画像表示部の外周部分に配設され、該
    スイッチングトランジスタを駆動する周辺駆動回路とを
    備え、 該画像表示部のスイッチングトランジスタは、活性領域
    が非晶質珪素膜からなる薄膜トランジスタであり、 該周辺駆動回路を構成するドライバートランジスタは、
    活性領域が結晶性珪素膜からなる薄膜トランジスタであ
    り、 該結晶性珪素膜は、その近傍の結晶化領域から基板表面
    に対して概略平行な方向に結晶成長が進んで形成された
    横方向結晶成長領域の一部であり、 該結晶化領域は、非晶質珪素膜の加熱による結晶化を助
    長する触媒元素を導入した領域である液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の液晶表示装置において、 前記ドライバートランジスタは、その活性領域中でのキ
    ャリアの移動方向が前記結晶性珪素膜の結晶成長方向と
    概略平行となるよう、該結晶性珪素膜内に形成されてい
    る液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2,3のいずれかに記載の液
    晶表示装置において、 前記触媒元素として、ニッケル(Ni),鉄(Fe),
    コバルト(Co),パラジウム(Pd),白金(P
    t),錫(Sn),インジウム(In),アルミニウム
    (Al),金(Au),銀(Ag),アンチモン(S
    b),銅(Cu),砒素(As),燐(P)の中から選
    ばれた少なくとも一つの材料を用いている液晶表示装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3のいずれかに記載の液
    晶表示装置において、 前記結晶性珪素膜は、触媒元素を選択的に導入した非晶
    質珪素膜に熱処理を施して形成したものであり、 該選択的に導入する触媒元素の面密度は、5.0×10
    13atoms/cm2以下である液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100516311B1 (ko) * 1996-12-09 2005-12-16 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 액티브매트릭스표시장치및그제조방법
US7256760B2 (en) 1996-12-27 2007-08-14 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device

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