JP2000215862A - ラミネ―ト外装体を用いた薄型密閉電池 - Google Patents

ラミネ―ト外装体を用いた薄型密閉電池

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JP2000215862A
JP2000215862A JP11016191A JP1619199A JP2000215862A JP 2000215862 A JP2000215862 A JP 2000215862A JP 11016191 A JP11016191 A JP 11016191A JP 1619199 A JP1619199 A JP 1619199A JP 2000215862 A JP2000215862 A JP 2000215862A
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Yasunobu Kodama
康伸 児玉
Takanori Fujii
孝則 藤井
Ikuro Nakane
育朗 中根
Satoru Fukuoka
悟 福岡
Satoshi Ubukawa
訓 生川
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラミネートシートからなる外装体を用いて体
積エネルギー密度が高く、性能劣化の少ない薄型密閉電
池を提供する。 【解決手段】 電気エネルギーを電池外に取り出すため
の集電タブ(5、6)を夫々備えた正負電極と、電解質
とを有する発電要素が、偏平筒状のラミネート外装体の
内部に収納されてなる薄型密閉電池において、前記ラミ
ネート外装体をラミネート材の対向する端部の内側面同
士を溶着して背張り部(1b)を形成し、かつ前記背張
り部(1b)を前記正負集電タブ(5、6)の何れとも
重なり合わない位置に配置した構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラミネート材を溶
着することにより形成した内部空間に発電要素を収納し
てなる薄型密閉電池に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話、ノートパソコンなどの携帯型
情報通信機器や、ビデオカメラやカード型電卓などの小
型電子機器の発達とともに、益々軽量かつ薄型の電池が
求められるようになっている。このような背景にあっ
て、アルミニウムなどの金属層と熱溶着性の樹脂層とを
接着剤層を介して重ね合わせて薄いシートとなしたラミ
ネート材からなる外装体を用いた電池が実用化されつつ
ある。
【0003】ラミネート材は、アルミニウム等の薄い金
属層の両面が薄い樹脂層で覆われた構造であり、表面に
樹脂層が配置されているので、酸やアルカリに強く、し
かも軽量で柔軟な性質を有している。したがって、この
ようなラミネート材を用いた電池外装体は発電要素を安
定的に収納できできるとともに、電池重量をも軽くする
ことができ、また形状自由性にも優れる。
【0004】図8を参照しながら、上記した薄型密閉電
池の一般的製造方法を説明する。先ずラミネートシート
(通常では長方形)の例えば長手方向の両端部を重ね合
わせ熱溶着して、筒状体となす。本発明明細書ではこの
熱溶着部分を背張り部1bと称する。
【0005】他方、電気エネルギーを外部に取り出すた
めの集電タブ5、6を備えた正負電極板を、集電タブを
同一方向に向けセパレータを介して重ね合わせて発電体
となす。この発電体を前記筒状体の開口部より、正負集
電タブが筒状体から突出するようにして筒状体の中に挿
入する。この後、この筒状体を外部から加圧して薄型偏
平状となし、しかる後、前記正負集電タブを挟んだ状態
で当該開口部を熱溶着する。この部分を封口部1aと称
する。
【0006】この後、もう一方の開口部より電解質を注
入し、当該開口部を熱溶着する。この部分を封口部1c
と称する。これにより、ラミネート外装体を用いた密閉
型の薄型電池(シート型電池)が作製される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記製造方法
における背張り部1bは、ラミネートシートを筒状とす
るための接着部位であるので、従来より十分な接着強度
を得るように注意が払われていた。しかし、背張り部1
bの位置(完成電池における位置)については、電池性
能に直接関係がないと考えられており、特段の配慮がな
されていなかった。また、背張り部1bの形成方法につ
いても十分な検討がなされていなかった。
【0008】ところが、本発明者らがラミネート外装体
を用いた薄型密閉電池を種々作製し検討したところ、背
張り部1bの形成の仕方や位置の違いが体積エネルギー
密度や電池の経時的安定性に大きく影響を与えていた。
そして、完成電池における背張り部1bの位置を規定す
ることなくしては、体積エネルギー密度を十分に高める
ことができないこと、及び経時的劣化の少ない信頼性の
高い電池を得られないことを知った。
【0009】本発明は上記知見を踏まえ、より体積エネ
ルギー密度が高く、かつ性能劣化の少ない薄型密閉電池
構造を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は次の特徴を有する。すなわち、電気エネルギ
ーを電池外に取り出すための集電タブ(5、6)を夫々
備えた正負電極と、電解質とを有する発電要素が、偏平
筒状のラミネート外装体の内部に収納されてなる薄型密
閉電池において、前記ラミネート外装体が、ラミネート
材の対向する端部の内側面同士を溶着することにより形
成された背張り部(1b)を有し、前記背張り部(1
b)が、前記正負集電タブ(5、6)の何れとも重なり
合わない位置に配置されている構造であることを特徴と
する。
【0011】上記特徴の技術的意義は次のようである。
ラミネートシートの対向する端部が溶着されてなる背張
り部の形成方法としては、大別すると、ラミネートシー
トの端部の内側面と外側面とを重ね合わせる方法、ラミ
ネートシートの端部の外側面同士を重ね合わせる方法、
ラミネートシートの端部の内側面同士を重ね合わせる方
法の3通りがあるが、内側面と外側面とを重ね合わせる
方法および外側面同士を重ね合わせる方法は、シートの
端部断面が電池内に位置することになるので好ましくな
い。
【0012】なぜなら、アルミニウム層や接着剤層が剥
き出しになった端部断面が電池内に位置すると、アルミ
ニウムや接着剤が電解液に触れて化学反応を生じ、この
反応に起因するガスによって電池内圧が上昇するととも
に、接着剤層の接着力が低下する。よって、徐々に電池
の密閉性が低下し、その結果として急速に電池性能が劣
化するからである。
【0013】したがって、図6に示すように、ラミネー
トシートの端部の内側面同士を重ね合わせ、端部断面を
電池外に位置させるのがよい。
【0014】しかしながら、この構成を採用しただけで
は、体積エネルギー密度が高く、性能劣化の少ない電池
を提供するという所期の目的を十分に達成できない。こ
の理由は次の通りである。
【0015】ラミネートシートの端部の内側面同士を重
ね合わせて溶着する方法で背張り部を構成した場合、重
ね合わせ部分の先端が外装体から外側に突出した状態に
なり、封口部を溶着する場合の障害になる。このため、
一般にこの突出部を外装体面に沿わせるように折り曲げ
るが、折り曲げられた背張り部分は外装体としての肉厚
が他の部分の3倍となる。よって、この部分に集電タブ
が位置すると、当該部分の電池厚みが更に増大する。つ
まり、背張り部と集電タブが重なり合う構造であると、
電池外形が大きくなり、電池を電子機器等に実装するた
めにより大きな空間が必要となる。
【0016】更に封口部1aにおいては、集電タブを介
在させた状態で封口する必要があるが、背張り部1bと
集電タブ5または6とが重なり合っていると、背張り部
の肉厚が厚いので、封口部1aの封口を良好になし得な
い。具体的には、背張り部は肉厚が厚いのでヒートシー
ル時の封止部への圧力が、この部分に集中することにな
り、その結果、アルミニウム層と集電タブとが接触し短
絡を生じる。その一方、ショートしないようにヒートシ
ール時の封止部への圧力を小さくした場合、集電タブと
重なっている背張り部は、背張り部以外の封止部との段
差が大きいので、背張り部脇に封止不良、即ち未封止部
が形成されることになる。
【0017】また、背張り部は肉厚が厚く硬いので、集
電タブの両側面部分に隙間が生じ、この隙間は無駄な空
間であるので、電池の単位体積当たりのエネルギー密度
が小さくなる。
【0018】上述の問題は上記構成により解消できる。
すなわち本発明によると、長期にわたって密閉度の劣化
が少なく、かつ単位体積当たりのエネルギー密度が大き
い薄型密閉電池を提供できる。
【0019】なお、一般に薄型密閉電池に使用されるラ
ミネートシートは10μm 〜150μmの厚みを有
し、集電タブは10〜200μmの厚みを有する。
【0020】上記構成の本発明は更に、前記背張り部
(1b)が、ラミネート外装体側に折り曲げられて、ラ
ミネート外装体面に溶着された構成とすることができ
る。
【0021】背張り部(1b)がラミネート外装体面に
溶着され固定されたこの構成であると、背張り部の先端
が電池の外方に突出することがなく取扱い易いので、設
置空間容量が限られた電子機器の内部に実装し易い。
【0022】また、上記構成の本発明は、前記電解質と
して固体電解質を用いた固体電解質電池とすることがで
きる。
【0023】固体電解質を用いると、電解液漏れの恐れ
を少なくすることができる。よって、一層顕著に本発明
の効果が発揮される。
【0024】
【実施の形態】本発明の実施の形態を実施例に基づいて
具体的に説明する。
【0025】〔実施例1〕図1は本発明にかかる薄型密
閉電池の正面模式図であり、図2は部分断面模式図、図
3は図1におけるA−A線における断面模式図である。
また図4は背張り部1bの重ね合わせ状態を示す部分拡
大図である。更に図5はラミネート外装体を作製するの
に使用したラミネートシートの積層構造を示す断面模式
図である。
【0026】これらの図において、1は発電要素を収容
するラミネート外装体、2は負極、3は電解液が含浸さ
れたセパレータ、4は正極、5は負極集電タブ、6は正
極集電タブである。そして、この実施例1におけるラミ
ネートシート外装体は、正負集電タブ5、6を挟んだ状
態で筒状体の一方開口部を溶着しし封口した封口部1a
と、ラミネートシートを筒状となすための溶着部位であ
る背張り部1bと、電解液を注液した後に筒状体の他方
開口部を溶着し封口した封口部1cの3つの溶着部を有
している。
【0027】更に図3に示すように、正負集電タブ5、
6は、背張り部1bと重なり合わない位置に配置されて
いる。
【0028】ここで、上記構造の電池におけるラミネー
ト外装体1の材料としては、図5に示すようなポリプロ
ピレン層12(例えば厚み30μm)/ドライラミネー
ト接着剤層14(例えば厚み5μm)/アルミニウム層
11(例えば厚み50μm)/変性ポリプロピレン層1
5(例えば厚み5μm)/ポリプロピレン層13(例え
ば厚み30μm)よりなる5層構造のアルミニウムラミ
ネートシートが使用されている。そして、この実施例で
は、このラミネートシートは、全厚120μmで75m
m×85mmの大きさである。
【0029】また、外装体内部に収納される発電体は、
負極2、正極4、およびセパレータ3からなり、負極2
はリチウムイオンを可逆的に吸蔵放出できる天然黒鉛と
結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PvdF)が9
0:10の重量割合で混合されてなる負極活物質が集電
体の表面に塗着された構造であり、正極4はコバルト酸
リチウムとアセチレンブラックとグラファイトとポリフ
ッ化ビニリデン(PvdF)が90:2:3:25の重
量割合で混合されてなる正極活物質が集電体の表面に塗
着された構造であり、更に前記正負電極板の集電体の端
部付近には、厚み0.1mm、幅3mmの金属箔からな
る集電タブが付設されている。
【0030】また、セパレータ3は、多孔性ポリエチレ
ンフィルムで構成されている。更に、電解質としては、
1.0MLiPF6 、EC/DEC(体積比4/6)か
らなる非水電解液が用いられている。
【0031】以上のような電池は、次のようにして作製
することができる。先ずアルミニウムラミネートシート
を長手方向の端部同志(図6参照)を重ね合わせて熱溶
着し、シートを筒状体となす(背張り部1bの形成)。
【0032】他方、電気を取り出すための集電タブを備
える正負電極板を、セパレータを介して、集電タブを同
一方向に向けて巻回して渦巻電極体となす。
【0033】次いで、上記筒状体の一方開口部から正負
集電タブが突出するようにして、上記筒状体の内部に上
記発電体を入れ、適度な圧力で加圧して薄型偏平状とな
す。
【0034】この後、正負集電タブを挟んだ状態で正負
集電タブを突出させた状態で一方開口部を熱溶着し封口
部1aを形成する。しかる後、もう一方の開口部から上
記非水電解液を注入し、当該開口部を熱溶着して封口部
1cを形成する。
【0035】以上の製法により、アルミニウムラミネー
トシートを用いてなる理論容量450mAh(3.6
V)の密閉型の薄型電池を作製した。
【0036】なお、熱溶着は、220℃で6秒間加熱す
る方法で行った。
【0037】〔実施例2〕上記実施例1で用いた非水電
解液に代えて、ポリエチレングリコールジアクリレート
と1.0MLiPF6 ・EC/DEC(体積比4/6)
溶液とを重量比1:7で混合したものに、アゾビスイソ
ブチロニトリルを2000ppmを加え混合してなるプ
レポリマー組成物を用いたこと、及びこのプレポリマー
組成物を外装体に注入後、80℃・2時間の加熱を行い
プレポリマー組成物を重合硬化させたこと以外は、上記
実施例1と同様にして、固体電解質電池である実施例2
にかかる薄型密閉電池を作製した。
【0038】この電池の設計容量は、450mAh
(3.6V)であった。
【0039】〔比較例1〕図8に示すように、正極集電
タブ6と重なる合う位置に背張り部1bを配置したこと
以外については、上記実施例1と同様にして、比較例1
にかかる薄型密閉電池を作製した。
【0040】この電池の設計容量は、上記実施例1と同
様である。
【0041】〔比較例2〕比較例1と同様して正極集電
タブと重なる合う位置に背張り部1bを配置し、その他
の事項については、上記実施例2と同様にして比較例2
にかなる薄型密閉電池(固体電解質電池を作製した。
【0042】この電池の理論容量は、上記実施例2と同
様である。
【0043】(電池の評価1)以上で作製した実施例1
と比較例1について、電池の厚み方向の最大厚みを測定
し、この測定値から電池体積を算出するとともに、この
電池体積から単位体積当たりの電池エネルギー密度を算
出した。この結果を表1に示す。
【0044】なお、何れの電池についても、背張り部が
形成されている部分(図2の矢印方向)における厚みが
最大であった。
【0045】
【表1】 表1における実施例1と比較例1の比較から、ラミネー
ト外装体の背張り部1bを集電タブ5、6に何れとも重
なり合わない位置に配置した実施例1は、背張り部が集
電タブと重なり合う位置に配置された比較例1に比較し
て電池厚みが小さかった。また電池厚みに基づいて算出
した単位体積当たりのエネルギー密度は、比較例のそれ
を100%とするとき106.3%であった。
【0046】これらの結果により、背張り部1bを集電
タブ5、6に何れとも重なり合わない位置に配置する構
造の優位性が実証された。
【0047】(電池の評価2)また、以上で作製した実
施例2と比較例2(固体電解質電池)について、下記の
充放電条件でサイクル特性試験を行った。
【0048】充電条件;定電流(450mAh)、定電
圧(4.1V)で充電し、充電開始から2.5時間で充
電を終了する。
【0049】放電条件;定電流(450mAh)で放電
し、電池電圧が2.75VNIなった時点で放電を終了
する。
【0050】サイクル特性試験の結果を、図7に示す。
図7から明らかなように、実施例2は、比較例2に比べ
て放電容量の低下が少ないことが確認された。
【0051】〔実験〕本発明にかかる電池構造の優位性
を溶着状態の良否の面から検討するために、封口部1a
を封口する際の加熱温度を220℃に固定し、加熱時間
のみを変化させ、他の条件については実施例1または比
較例1と同様にして、本発明例a〜eと、比較例a〜e
のそれぞれ5通りの密閉電池をそれぞれ20個作製し
た。そして、これらを用いて溶着不良数を調べるととも
に、ラミネート外装体の樹脂層が過剰溶融したことに起
因する短絡個数を調べた。
【0052】ここで、溶着不良数は、封止後、封止部を
剥がし、封止されるべき部分に未溶着部分が目視にて確
認されたものを溶着不良とし、この個数を数える方法に
よった。また短絡の有無については、テスターで集電タ
ブとラミネートシートのアルミニウム層との間に電通が
あるか否かを調べる方法によった。
【0053】実験結果を表2に一覧表示する。表2から
明らかなように、ラミネート外装体の背張り部を集電タ
ブと重なり合わない位置に配置した本発明例では、加熱
時間を2秒としたもののみについて接着不良が確認され
たが、加熱時間が4秒以上のb〜eについては接着不良
が確認されなかった。また、本発明例では短絡が全く確
認されなかった。
【0054】他方、比較例a〜eでは、加熱時間を2〜
6秒としたもの(a〜c)で溶着不良が確認された。ま
た、加熱時間を6〜10秒(c〜e)としたものについ
て短絡が確認された。
【0055】これらの結果から、背張り部を集電タブと
重なり合わない位置に配置する電池構造であると、封口
部1aの封口を完全にすることが容易であることが判
る。その一方、背張り部と集電タブとが重なり合う電池
構造では、短絡を発生させることなく封口部1aの完全
な封口を図ることが困難であることが判る。この理由は
次のように考えられる。すなわち、背張り部が集電タブ
と重なり合う構成であると、背張り部の肉厚が厚いので
ヒートシール時の封止部への圧力が、この部分に集中す
ることになり、その結果、アルミニウム層と集電タブと
が接触し短絡を生じる。その一方、ショートしないよう
にヒートシール時の封止部への圧力を小さくした場合、
集電タブと重なっている背張り部は、背張り部以外の封
止部との段差が大きく、特に背張り部脇にて封口不良、
即ち未封止部、が存在することになる。よって、背張り
部が集電タブと重なる構造であると、信頼性の高い薄型
密閉電池を得られ難いと考えられる。
【0056】以上から、正負集電タブ5、6を背張り部
1bに重なり合わない位置に配置する構成を採用するこ
とにより、電池の体積エネルギー密度を向上させ、かつ
信頼性の高い薄型密閉電池を提供できることが実証でき
た。
【表2】
【0057】〔その他の事項〕上記実施例では、1枚の
ラミネートシートを1つの背張り部で筒状となす構成を
示したが、2枚のラミネートシートを用い、かつ2つの
背張り部を形成して筒状となす場合であっても本発明の
効果を得ることができる。
【0058】また、上記実施例では、5層構造のアルミ
ニウムラミネートシートを用いたが、この構造のラミネ
ートシートであると、熱溶着により強力に密閉できると
ともに、材質が柔軟であるので、狭い空間に実装し易い
電池が作製できる。
【0059】このような多層構造のシートにおいては、
好ましくはシートの最表面全体または集電タブが当接す
る部分(封口部)に変性ポリプロピレンや変性ポリエチ
レン(例えば、カルボン酸変性ポリプロピレンやカルボ
ン酸変性ポリエチレン)を配するのがよい。なぜなら、
ポリプロピレンやポリエチレンなどの樹脂は、アルミニ
ウム、銅、ステンレス、鉄などの金属からなる集電タブ
との接着性が悪いので、封口部の密閉性が不十分になり
易いが、変性ポリプロピレンや変性ポリエチレンである
と、これらの金属との接着性がよいので、封口部の接着
性が向上するからである。
【0060】但し、本発明は、背張り部が集電タブと重
なり合わないことを要旨とするものであるので、ラミネ
ートシートの積層構造や材質は上記に限定されない。
【0061】また、同様な理由により、正負電極活物質
の種類、組成、電解質の種類、組成、さらには集電タブ
の材質、サイズ等についても何ら限定されない。
【0062】更に、発電体は正負電極をセパレータを介
して巻回した渦巻電極体としてもよい。
【0063】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、ラミネー
ト外装体に形成された背張り部と正負集電タブが重なら
ないようにして電池を構成する本発明によると、電池の
一層の薄型化・軽量化が実現し、これにより体積エネル
ギー密度の高い電池が得られる。またラミネート外装体
を用いる本発明によると、外装体が柔軟であるので電子
情報機器等の空き空間に収容し易いという作用効果も得
られる。
【0064】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄型密閉電池の外形を模式的に示
した正面図である。
【図2】図1の本発明に係る薄型密閉電池の平面の部分
断面模式図である。
【図3】図1におけるA−A線矢視断面を示す模式図で
ある。
【図4】図1における背張り部1bの重ね合わせ状態を
示す部分拡大図である。
【図5】本発明に係る薄型密閉電池に使用したラミネー
トシートの断面模式図である。
【図6】ラミネートシートの内側面同士を重ね合わせる
様子を示す図である。
【図7】実施例2及び比較例2にかかる電池のサイクル
数と放電容量との関係を示すグラフである。
【図8】比較例に係る薄型密閉電池を説明するための正
面模式図である。
【符号の説明】
1 ラミネート外装体 1a 封口部 1b 背張り部 1c 封口部 2 負極 3 セパレータ 4 正極 5 負極集電タブ 6 正極集電タブ 11 アルミニウム層 12、13 ポリプロピレン層 14 ドライラミネート接着剤層 15 変性ポリプロピレン層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中根 育朗 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 福岡 悟 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 生川 訓 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA03 CC02 CC06 DD06 DD13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気エネルギーを電池外に取り出すため
    の集電タブ(5、6)を夫々備えた正負電極と、電解質
    とを有する発電要素が、偏平筒状のラミネート外装体の
    内部に収納されてなる薄型密閉電池において、 前記ラミネート外装体は、ラミネート材の対向する端部
    の内側面同士を溶着することにより形成された背張り部
    (1b)を有し、 前記背張り部(1b)は、前記正負集電タブ(5、6)
    の何れとも重なり合わない位置に配置されている、 ことを特徴とする薄型密閉電池。
  2. 【請求項2】 前記背張り部(1b)は、ラミネート外
    装体側に折り曲げられてラミネート外装体面に溶着され
    ている、 ことを特徴とする請求項1に記載の薄型密閉電池。
  3. 【請求項3】 前記電解質が、固体電解質である、 ことを特徴とする請求項1または2に記載の薄型密閉電
    池。
JP11016191A 1999-01-25 1999-01-25 ラミネ―ト外装体を用いた薄型密閉電池 Pending JP2000215862A (ja)

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