JP2000215819A - 進行波管 - Google Patents
進行波管Info
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- JP2000215819A JP2000215819A JP11013745A JP1374599A JP2000215819A JP 2000215819 A JP2000215819 A JP 2000215819A JP 11013745 A JP11013745 A JP 11013745A JP 1374599 A JP1374599 A JP 1374599A JP 2000215819 A JP2000215819 A JP 2000215819A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】誘電体支持体自体のチャージアップを防止する
とともに、遅波回路で発生した熱を効率よく外部に排出
することのできるヘリックス型進行波管の提供。 【解決手段】ヘリックス(図2の11)を誘電体支持体
(図2の12)で金属円筒の内部に支持する進行波管に
おいて、熱伝導性に優れたベリリアで支持体本体(図2
の13)を形成し、金属円筒のシェル内面に当接する部
分のみ、機械的特性の優れたボロンナイトライドからな
る接続部(図2の14a)を接合して誘電体支持体を構
成し、ヘリックスの温度上昇を防ぐとともに、誘電体支
持体のチャージアップを防止する。
とともに、遅波回路で発生した熱を効率よく外部に排出
することのできるヘリックス型進行波管の提供。 【解決手段】ヘリックス(図2の11)を誘電体支持体
(図2の12)で金属円筒の内部に支持する進行波管に
おいて、熱伝導性に優れたベリリアで支持体本体(図2
の13)を形成し、金属円筒のシェル内面に当接する部
分のみ、機械的特性の優れたボロンナイトライドからな
る接続部(図2の14a)を接合して誘電体支持体を構
成し、ヘリックスの温度上昇を防ぐとともに、誘電体支
持体のチャージアップを防止する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘリックス型進行
波管に関し、特に、遅波回路の誘電体支持体の構造に関
する。
波管に関し、特に、遅波回路の誘電体支持体の構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波電力の増幅器であるマイクロ
波管として、進行波管、クライストロン、マグネトロン
などがあり、レ−ダ、TV放送、見通し内通信、見通し
外通信、衛星通信、マイクロ波加熱などに用いられてい
るが、近年、広い周波数帯域での動作が可能なヘリック
ス型進行波管の需要が高まっている。
波管として、進行波管、クライストロン、マグネトロン
などがあり、レ−ダ、TV放送、見通し内通信、見通し
外通信、衛星通信、マイクロ波加熱などに用いられてい
るが、近年、広い周波数帯域での動作が可能なヘリック
ス型進行波管の需要が高まっている。
【0003】この進行波管は、集束された電子ビームと
らせん状の遅波回路との相互作用を利用する電子管であ
り、マイクロ波が遅波回路を伝搬する際、遅波回路に隣
接する電子ビームと相互作用をして電子ビームのエネル
ギーの一部がマイクロ波に伝達され増幅が行われるもの
である。この電子ビームは、らせん状遅波回路の中空部
分を通過してコレクタ電極に到達するが、電子ビームの
わずかな部分は遅波回路や遅波回路を支持する誘電体支
持体に衝突する。
らせん状の遅波回路との相互作用を利用する電子管であ
り、マイクロ波が遅波回路を伝搬する際、遅波回路に隣
接する電子ビームと相互作用をして電子ビームのエネル
ギーの一部がマイクロ波に伝達され増幅が行われるもの
である。この電子ビームは、らせん状遅波回路の中空部
分を通過してコレクタ電極に到達するが、電子ビームの
わずかな部分は遅波回路や遅波回路を支持する誘電体支
持体に衝突する。
【0004】このように電子ビームが遅波回路に衝突す
ると、比較的熱容量の小さい遅波回路は温度が上昇し、
これによって高周波損失が増大して進行波管の出力が低
下してしまう。また、電子ビームが誘電体支持棒に衝突
すると、誘電体支持棒の表面が帯電し、電子ビームとの
相互作用により遅波回路や誘電体支持棒に衝突する電子
ビームが増加し、マイクロ波の増幅を十分に行うことが
困難になるという問題がある。
ると、比較的熱容量の小さい遅波回路は温度が上昇し、
これによって高周波損失が増大して進行波管の出力が低
下してしまう。また、電子ビームが誘電体支持棒に衝突
すると、誘電体支持棒の表面が帯電し、電子ビームとの
相互作用により遅波回路や誘電体支持棒に衝突する電子
ビームが増加し、マイクロ波の増幅を十分に行うことが
困難になるという問題がある。
【0005】従って、ヘリックス型進行波管において
は、遅波回路で発生する熱の放出、及び誘電体支持体の
帯電防止が重要な課題であり、衛星搭載分野等の多分野
での用途への対応性からも、進行波管の高効率化、高出
力化が望まれる現状においては、上記課題への対策が必
要である。
は、遅波回路で発生する熱の放出、及び誘電体支持体の
帯電防止が重要な課題であり、衛星搭載分野等の多分野
での用途への対応性からも、進行波管の高効率化、高出
力化が望まれる現状においては、上記課題への対策が必
要である。
【0006】そのため、ヘリックス型進行波管の高効率
化を実現するには、誘電体支持体として熱伝導、誘電
率、機械的加工性の観点から適切な材料、構造を選択
し、ヘリックス遅波回路の放熱性を向上させてヘリック
スの温度上昇を防ぎ、電気抵抗を下げることにより、ジ
ュールロスを減少させることが重要である。特に、高出
力の進行波管ではヘリックスの温度が高くなりジュール
ロスが増加するため、ヘリックスの放熱性を向上させる
ことが、高効率化および信頼性向上のために重要であ
る。
化を実現するには、誘電体支持体として熱伝導、誘電
率、機械的加工性の観点から適切な材料、構造を選択
し、ヘリックス遅波回路の放熱性を向上させてヘリック
スの温度上昇を防ぎ、電気抵抗を下げることにより、ジ
ュールロスを減少させることが重要である。特に、高出
力の進行波管ではヘリックスの温度が高くなりジュール
ロスが増加するため、ヘリックスの放熱性を向上させる
ことが、高効率化および信頼性向上のために重要であ
る。
【0007】ここで、従来の進行波管の構造について図
1及び図4を参照して説明する。図1は、進行波管の全
体構造を説明するための断面図であり、図4は、遅波回
路の詳細構造を示す断面図である。図1に示すように、
進行波管は、主として電子ビ−ムを発生する電子銃部1
と、外部回路とのマイクロ波信号の授受を行う入出力同
軸窓回路部2と、電子銃部1より射出された電子ビ−ム
と入力信号との相互作用で入力マイクロ波の増幅を行う
遅波回路部3と、遅波回路部3を透過した電子ビ−ムを
捕捉して熱エネルギ−に変換するコレクタ部4と、電子
銃部1から出た電子ビ−ムを集束し、遅波回路部3中を
ほぼ一定のビ−ム径をもって通過させるための磁界を発
生する集束磁界装置部5と、これらの部材を固定するた
めのケ−ス6とから構成されている。
1及び図4を参照して説明する。図1は、進行波管の全
体構造を説明するための断面図であり、図4は、遅波回
路の詳細構造を示す断面図である。図1に示すように、
進行波管は、主として電子ビ−ムを発生する電子銃部1
と、外部回路とのマイクロ波信号の授受を行う入出力同
軸窓回路部2と、電子銃部1より射出された電子ビ−ム
と入力信号との相互作用で入力マイクロ波の増幅を行う
遅波回路部3と、遅波回路部3を透過した電子ビ−ムを
捕捉して熱エネルギ−に変換するコレクタ部4と、電子
銃部1から出た電子ビ−ムを集束し、遅波回路部3中を
ほぼ一定のビ−ム径をもって通過させるための磁界を発
生する集束磁界装置部5と、これらの部材を固定するた
めのケ−ス6とから構成されている。
【0008】また、図4(a)に示すように、遅波回路
部3のヘリックス11は、金属のシェル内面10に12
0度の間隔で設置される誘電体支持体12により遅波回
路部の中心部に支持され、電子ビ−ムと入力信号との相
互作用によって入力マイクロ波の増幅を行う。この時、
ヘリックス11で発生した熱は、誘電体支持体12を介
して真空容器7、スペーサ8、マグネット9、そしてケ
ース6へと放熱される。
部3のヘリックス11は、金属のシェル内面10に12
0度の間隔で設置される誘電体支持体12により遅波回
路部の中心部に支持され、電子ビ−ムと入力信号との相
互作用によって入力マイクロ波の増幅を行う。この時、
ヘリックス11で発生した熱は、誘電体支持体12を介
して真空容器7、スペーサ8、マグネット9、そしてケ
ース6へと放熱される。
【0009】誘電体支持体12としては、通常、図4
(b)に示すベリリア(BeO)材からなる誘電体支持
体12か、もしくは、図4(c)に示すボロンナイトラ
イド(BN)からなる誘電体支持体12が用いられる。
(b)に示すベリリア(BeO)材からなる誘電体支持
体12か、もしくは、図4(c)に示すボロンナイトラ
イド(BN)からなる誘電体支持体12が用いられる。
【0010】ベリリアは熱伝導率が高く、またチャージ
アップ(帯電)しにくいという長所があるが、硬度が高
いためにシェル内面10と接触する側の面はシェル内面
10の半径よりわずかに小さい半径となるように作る必
要があり、従って、シェル内面との接触は点接触に近
く、放熱経路となる面積が小さくなるという欠点があ
る。一方、ボロンナイトライドは誘電率が低く、またベ
リリアに比べて硬度が低いために機械的加工性に優れ、
シェル内面10との密着性を良くし熱放散面積を大きく
できるという特徴があるが、熱伝導率が低く、またチャ
ージアップするという欠点がある。
アップ(帯電)しにくいという長所があるが、硬度が高
いためにシェル内面10と接触する側の面はシェル内面
10の半径よりわずかに小さい半径となるように作る必
要があり、従って、シェル内面との接触は点接触に近
く、放熱経路となる面積が小さくなるという欠点があ
る。一方、ボロンナイトライドは誘電率が低く、またベ
リリアに比べて硬度が低いために機械的加工性に優れ、
シェル内面10との密着性を良くし熱放散面積を大きく
できるという特徴があるが、熱伝導率が低く、またチャ
ージアップするという欠点がある。
【0011】このように、ベリリア及びボロンナイトラ
イドの両材料には一長一短があるが、誘電体支持体とし
てボロンナイトライドを用いた場合のチャージアップを
防止する方法として、特開平5−89788号公報に
は、図5に示すように、ボロンナイトライドからなる支
持体本体13の表面にアルミナ(またはベリリア)コー
ティング層15aを設け、表面の2次電子放出比を1以
下にするという技術が開示されている。
イドの両材料には一長一短があるが、誘電体支持体とし
てボロンナイトライドを用いた場合のチャージアップを
防止する方法として、特開平5−89788号公報に
は、図5に示すように、ボロンナイトライドからなる支
持体本体13の表面にアルミナ(またはベリリア)コー
ティング層15aを設け、表面の2次電子放出比を1以
下にするという技術が開示されている。
【0012】また、特開平7−282736号公報に
は、図6に示すように、ボロンナイトライドからなる支
持体本体13の表面に、支持体本体13の比抵抗よりも
小さい比抵抗を有するチタン、チタン窒化物、炭化物、
硼化物の被膜15bを被着させ、誘電体支持体12のチ
ャージアップを防止するという技術が開示されている。
は、図6に示すように、ボロンナイトライドからなる支
持体本体13の表面に、支持体本体13の比抵抗よりも
小さい比抵抗を有するチタン、チタン窒化物、炭化物、
硼化物の被膜15bを被着させ、誘電体支持体12のチ
ャージアップを防止するという技術が開示されている。
【0013】更に、特開平8−111182号公報で
は、図7に示すように、誘電体支持体12の表面から所
定の深さまで、ボロンナイトライドからなる母材と異な
る元素を注入した領域16を形成し、誘電体支持体12
表面の電気抵抗を母材よりも小さくし、チャージアップ
を防止するという技術が開示されている。
は、図7に示すように、誘電体支持体12の表面から所
定の深さまで、ボロンナイトライドからなる母材と異な
る元素を注入した領域16を形成し、誘電体支持体12
表面の電気抵抗を母材よりも小さくし、チャージアップ
を防止するという技術が開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように、進行波管
の遅波回路において、高効率化、高出力化を達成するた
めには、ヘリックスの温度を下げてヘリックスのジュー
ルロスを減少させ、ヘリックスで発生した熱を効率よく
誘電体支持体を介して外部へ放熱すること、及び誘電体
支持体のチャージアップを抑制することが重要な課題で
ある。
の遅波回路において、高効率化、高出力化を達成するた
めには、ヘリックスの温度を下げてヘリックスのジュー
ルロスを減少させ、ヘリックスで発生した熱を効率よく
誘電体支持体を介して外部へ放熱すること、及び誘電体
支持体のチャージアップを抑制することが重要な課題で
ある。
【0015】ヘリックスの放熱性を向上させるため、従
来は誘電体支持体の幅を広げたり、ヘリックスとシェル
内面の距離を近付ける等の方法をとっているが、このよ
うな方法では、出力の低下等の電気特性に悪影響を与え
る場合がある。また、ヘリックスはモリブデンやタング
ステンのテープをらせん状に巻いて形成するが、そのヘ
リックステープの幅や厚さを大きくして耐電力性を向上
させることもあるが、これは単にヘリックステープのサ
イズを大きくし耐電力性を上げる目的で行われるもので
あり、電気特性の面からは悪影響を与える場合もある。
特に、高出力の進行波管では、ヘリックスでの発熱およ
びジュールロスも大きく、上記の従来方法では、放熱性
向上および電気特性を両立させることが困難となる。
来は誘電体支持体の幅を広げたり、ヘリックスとシェル
内面の距離を近付ける等の方法をとっているが、このよ
うな方法では、出力の低下等の電気特性に悪影響を与え
る場合がある。また、ヘリックスはモリブデンやタング
ステンのテープをらせん状に巻いて形成するが、そのヘ
リックステープの幅や厚さを大きくして耐電力性を向上
させることもあるが、これは単にヘリックステープのサ
イズを大きくし耐電力性を上げる目的で行われるもので
あり、電気特性の面からは悪影響を与える場合もある。
特に、高出力の進行波管では、ヘリックスでの発熱およ
びジュールロスも大きく、上記の従来方法では、放熱性
向上および電気特性を両立させることが困難となる。
【0016】また、前述した支持体の表面にアルミナコ
ーティング層を設け、表面の2次電子放出比を1以下に
する方法や、支持体の母材20の表面に母材の比抵抗よ
りも小さい比抵抗の材質の被膜を被着させチャージアッ
プを防止する方法や、誘電体支持体の表面から所定の深
さまで母材と異なる元素を注入した領域を生成し、表面
の電気抵抗を母材よりも小さくしチャージアップを防止
する方法等は、基本的にボロンナイトライドを母材とす
る誘電体支持体のチャージアップを防止するために案出
されたものであり、ボロンナイトライドを母材とする限
りにおいて放熱性の向上は期待できない。
ーティング層を設け、表面の2次電子放出比を1以下に
する方法や、支持体の母材20の表面に母材の比抵抗よ
りも小さい比抵抗の材質の被膜を被着させチャージアッ
プを防止する方法や、誘電体支持体の表面から所定の深
さまで母材と異なる元素を注入した領域を生成し、表面
の電気抵抗を母材よりも小さくしチャージアップを防止
する方法等は、基本的にボロンナイトライドを母材とす
る誘電体支持体のチャージアップを防止するために案出
されたものであり、ボロンナイトライドを母材とする限
りにおいて放熱性の向上は期待できない。
【0017】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであって、その主たる目的は、誘電体支持体自体のチ
ャージアップを防止するとともに、遅波回路で発生した
熱を効率よく外部に排出することのできるヘリックス型
進行波管を提供することにある。
のであって、その主たる目的は、誘電体支持体自体のチ
ャージアップを防止するとともに、遅波回路で発生した
熱を効率よく外部に排出することのできるヘリックス型
進行波管を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、金属円筒の内部に誘電体支持体によって
支持されるらせん体遅波回路を備えた進行波管におい
て、前記誘電体支持体が、前記らせん体遅波回路に当接
する支持体本体と、該支持体本体の前記金属円筒内面側
にのみ形成され、該金属円筒内面に当接する接続部とか
らなり、前記支持体本体と前記接続部とが異なる材料で
形成されるものである。
に、本発明は、金属円筒の内部に誘電体支持体によって
支持されるらせん体遅波回路を備えた進行波管におい
て、前記誘電体支持体が、前記らせん体遅波回路に当接
する支持体本体と、該支持体本体の前記金属円筒内面側
にのみ形成され、該金属円筒内面に当接する接続部とか
らなり、前記支持体本体と前記接続部とが異なる材料で
形成されるものである。
【0019】本発明においては、前記支持体本体が、前
記らせん体遅波回路で発生する熱を効率よく外部に伝達
するとともに、帯電しにくい材料からなり、前記接続部
が、機械的加工性に優れ、前記金属円筒と接触面積を大
とできる材料からなる構成とすることができ、前記支持
体本体がベリリアセラミックからなり、前記接続部がボ
ロンナイトライドからなることが好ましい。
記らせん体遅波回路で発生する熱を効率よく外部に伝達
するとともに、帯電しにくい材料からなり、前記接続部
が、機械的加工性に優れ、前記金属円筒と接触面積を大
とできる材料からなる構成とすることができ、前記支持
体本体がベリリアセラミックからなり、前記接続部がボ
ロンナイトライドからなることが好ましい。
【0020】本発明は上記構成により、金属であるシェ
ル内面との密着性が向上し、熱放散面積が大きくなり、
ヘリックスの放熱性を向上させることができる。これに
より、ヘリックスの温度上昇によるジュールロスを減少
させることができ、高効率化、高出力化を図ることがで
きる。また、ヘリックスに接する側の誘電体支持体はベ
リリアで構成されているため、チャージアップによる問
題が発生することもない。
ル内面との密着性が向上し、熱放散面積が大きくなり、
ヘリックスの放熱性を向上させることができる。これに
より、ヘリックスの温度上昇によるジュールロスを減少
させることができ、高効率化、高出力化を図ることがで
きる。また、ヘリックスに接する側の誘電体支持体はベ
リリアで構成されているため、チャージアップによる問
題が発生することもない。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に係る進行波管は、その好
ましい一実施の形態において、ヘリックス(図2の1
1)を誘電体支持体(図2の12)で金属円筒の内部に
支持する進行波管において、熱伝導性に優れたベリリア
で支持体本体(図2の13)を形成し、金属円筒のシェ
ル内面に当接する部分のみ、機械的特性の優れたボロン
ナイトライドからなる接続部(図2の14a)を接合し
て誘電体支持体を構成し、ヘリックスの温度上昇を防ぐ
とともに、誘電体支持体のチャージアップを防止するも
のである。
ましい一実施の形態において、ヘリックス(図2の1
1)を誘電体支持体(図2の12)で金属円筒の内部に
支持する進行波管において、熱伝導性に優れたベリリア
で支持体本体(図2の13)を形成し、金属円筒のシェ
ル内面に当接する部分のみ、機械的特性の優れたボロン
ナイトライドからなる接続部(図2の14a)を接合し
て誘電体支持体を構成し、ヘリックスの温度上昇を防ぐ
とともに、誘電体支持体のチャージアップを防止するも
のである。
【0022】
【実施例】上記した本発明の実施の形態についてさらに
詳細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照
して以下に説明する。
詳細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照
して以下に説明する。
【0023】[実施例1]まず、本発明の第1の実施例
に係る進行波管の構成について、図1及び図2を参照し
て説明する。図1は、進行波管の全体構造を示す断面図
であり、図2は進行波管の遅波回路部の構造を示す断面
図である。
に係る進行波管の構成について、図1及び図2を参照し
て説明する。図1は、進行波管の全体構造を示す断面図
であり、図2は進行波管の遅波回路部の構造を示す断面
図である。
【0024】本実施例の進行波管構造について図1を参
照して説明すると、本実施例の進行波管は、電子ビ−ム
を発生する電子銃部1と、外部回路とのマイクロ波信号
の授受を行う入出力同軸窓回路部2と、電子銃部1より
射出された電子ビ−ムと入力信号との相互作用で入力マ
イクロ波の増幅を行う遅波回路部3と、遅波回路部3を
透過した電子ビ−ムを捕捉して熱エネルギ−に変換する
コレクタ部4と、電子銃部1から出た電子ビ−ムを集束
し、遅波回路部3中をほぼ一定のビ−ム径をもって通過
させるための磁界を発生する集束磁界装置部5と、これ
らの部材を固定するためのケ−ス6とから構成される。
照して説明すると、本実施例の進行波管は、電子ビ−ム
を発生する電子銃部1と、外部回路とのマイクロ波信号
の授受を行う入出力同軸窓回路部2と、電子銃部1より
射出された電子ビ−ムと入力信号との相互作用で入力マ
イクロ波の増幅を行う遅波回路部3と、遅波回路部3を
透過した電子ビ−ムを捕捉して熱エネルギ−に変換する
コレクタ部4と、電子銃部1から出た電子ビ−ムを集束
し、遅波回路部3中をほぼ一定のビ−ム径をもって通過
させるための磁界を発生する集束磁界装置部5と、これ
らの部材を固定するためのケ−ス6とから構成される。
【0025】また、図2に示すように、遅波回路部3
は、マイクロ波を増幅するヘリックス11と、電子ビー
ムの軌道を制御するマグネット9を備えた金属容器7
と、ヘリックス11を遅波回路部3の中心部に支持する
ために誘電体支持体12とから構成され、誘電体支持体
12は、更に支持体本体13と接続部14aとからな
り、120度の間隔で設置されてヘリックス11を支持
する。
は、マイクロ波を増幅するヘリックス11と、電子ビー
ムの軌道を制御するマグネット9を備えた金属容器7
と、ヘリックス11を遅波回路部3の中心部に支持する
ために誘電体支持体12とから構成され、誘電体支持体
12は、更に支持体本体13と接続部14aとからな
り、120度の間隔で設置されてヘリックス11を支持
する。
【0026】本実施例では、誘電体支持体12として、
支持体本体13には熱伝導率が高いベリリア材を使用
し、誘電体支持体12のシェル内面10に接する接続部
14aには、ベリリアより硬度が低く機械的特性に優れ
たボロンナイトライド材を用い、これらを一体として接
合している。このような構造を採用することにより、熱
の伝導はベリリア材によって確保するとともに、機械的
特性の優れたボロンナイトライドで金属であるシェル内
面12との密着性を向上させ、熱放散面積を大きくする
ことによって、ヘリックス11の放熱性の向上が図れ
る。
支持体本体13には熱伝導率が高いベリリア材を使用
し、誘電体支持体12のシェル内面10に接する接続部
14aには、ベリリアより硬度が低く機械的特性に優れ
たボロンナイトライド材を用い、これらを一体として接
合している。このような構造を採用することにより、熱
の伝導はベリリア材によって確保するとともに、機械的
特性の優れたボロンナイトライドで金属であるシェル内
面12との密着性を向上させ、熱放散面積を大きくする
ことによって、ヘリックス11の放熱性の向上が図れ
る。
【0027】従って、ヘリックス11の温度上昇による
ジュールロスを減少させることができ、進行波管の高効
率化、高出力化を図ることができる。また、ヘリックス
11に接する側の支持体本体13はベリリア材で形成さ
れているため、ボロンナイトライドを母材とする従来例
と異なり、チャージアップも防止することができる。
ジュールロスを減少させることができ、進行波管の高効
率化、高出力化を図ることができる。また、ヘリックス
11に接する側の支持体本体13はベリリア材で形成さ
れているため、ボロンナイトライドを母材とする従来例
と異なり、チャージアップも防止することができる。
【0028】なお、本実施例では、誘電体支持体12の
構造として、支持体本体13にはベリリア材を用い、シ
ェル内面10に接する接続部14aにはボロンナイトラ
イド材を用いているが、本発明は上記材料に限定される
ものではなく、支持体本体13の材料として熱伝導性が
優れ、それ自体が帯電しにくい他の材料を用い、接続部
14aの材料として機械的特性が優れ、シェル内面10
との接触面積を大きくすることができる他の材料を用い
ることによっても同様の効果を奏することができる。
構造として、支持体本体13にはベリリア材を用い、シ
ェル内面10に接する接続部14aにはボロンナイトラ
イド材を用いているが、本発明は上記材料に限定される
ものではなく、支持体本体13の材料として熱伝導性が
優れ、それ自体が帯電しにくい他の材料を用い、接続部
14aの材料として機械的特性が優れ、シェル内面10
との接触面積を大きくすることができる他の材料を用い
ることによっても同様の効果を奏することができる。
【0029】また、本実施例では、支持体本体13と接
続部14aの各々の厚さについては限定していないが、
ヘリックス11で発生する熱を効率よく外部の排出する
ためには、接続部14aの厚さはシェル内面10との接
触面積を改善できる程度に薄くし、支持体本体13での
熱伝導を十分に確保できる厚さとすることが好ましい。
続部14aの各々の厚さについては限定していないが、
ヘリックス11で発生する熱を効率よく外部の排出する
ためには、接続部14aの厚さはシェル内面10との接
触面積を改善できる程度に薄くし、支持体本体13での
熱伝導を十分に確保できる厚さとすることが好ましい。
【0030】[実施例2]次に、本発明の第2の実施例
に係る進行波管について図3を参照して説明する。図3
は、第2の実施例に係る進行波管の遅波回路部の詳細構
造を示す断面図である。本実施例では、誘電体支持体の
支持体本体13としては前記した第1の実施例と同様に
ベリリア材を使用するが、シェル内面10に接する接続
部14bにはボロンナイトライド材の被膜を設けること
を特徴としている。
に係る進行波管について図3を参照して説明する。図3
は、第2の実施例に係る進行波管の遅波回路部の詳細構
造を示す断面図である。本実施例では、誘電体支持体の
支持体本体13としては前記した第1の実施例と同様に
ベリリア材を使用するが、シェル内面10に接する接続
部14bにはボロンナイトライド材の被膜を設けること
を特徴としている。
【0031】すなわち、図3に示すように、誘電体支持
体の支持体本体13としてベリリア材を使用し、支持体
本体13のシェル内面10側の面にのみボロンナイトラ
イドの被膜からなる接続部14bを設ける構造とするこ
とにより、前記した第1の実施例よりもボロンナイトラ
イドの厚みを正確に制御することができるため、ヘリッ
クス11の位置精度を良好に保つことができる。
体の支持体本体13としてベリリア材を使用し、支持体
本体13のシェル内面10側の面にのみボロンナイトラ
イドの被膜からなる接続部14bを設ける構造とするこ
とにより、前記した第1の実施例よりもボロンナイトラ
イドの厚みを正確に制御することができるため、ヘリッ
クス11の位置精度を良好に保つことができる。
【0032】また、前記した第1の実施例と同様に、支
持体本体13として熱伝導性の優れたベリリア材を使用
しているため、ヘリックス11の温度上昇によるジュー
ルロスを減少させることができ、進行波管の高効率化、
高出力化を図ることができ、また、チャージアップも防
止することもできる。
持体本体13として熱伝導性の優れたベリリア材を使用
しているため、ヘリックス11の温度上昇によるジュー
ルロスを減少させることができ、進行波管の高効率化、
高出力化を図ることができ、また、チャージアップも防
止することもできる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構成によ
れば、進行波管の遅波回路部の誘電体支持体として、支
持体本体にはベリリアを使用し、誘電体支持体のシェル
内面に接する部分に機械的特性の優れたボロンナイトラ
イドからなる接続部を設けることにより、電気特性に悪
影響を与えることなく、ヘリックスの放熱性を向上させ
てヘリックスの温度上昇によるジュールロスを減少させ
ることができるという効果を奏する。また、支持体本体
としてベリリア材を用いているために、ボロンナイトラ
イドを用いる従来例と異なりチャージアップも防止する
こともできる。従って、安定で、かつ、高効率、高出力
の進行波管を得ることが可能となる。
れば、進行波管の遅波回路部の誘電体支持体として、支
持体本体にはベリリアを使用し、誘電体支持体のシェル
内面に接する部分に機械的特性の優れたボロンナイトラ
イドからなる接続部を設けることにより、電気特性に悪
影響を与えることなく、ヘリックスの放熱性を向上させ
てヘリックスの温度上昇によるジュールロスを減少させ
ることができるという効果を奏する。また、支持体本体
としてベリリア材を用いているために、ボロンナイトラ
イドを用いる従来例と異なりチャージアップも防止する
こともできる。従って、安定で、かつ、高効率、高出力
の進行波管を得ることが可能となる。
【図1】進行波管の全体構造を説明するための断面図で
ある。
ある。
【図2】本発明の第1の実施例に係る進行波管の遅波回
路の詳細構造を説明するための断面図である。
路の詳細構造を説明するための断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係る進行波管の遅波回
路の詳細構造を説明するための断面図である。
路の詳細構造を説明するための断面図である。
【図4】従来の進行波管の遅波回路の詳細構造を示す断
面図である。
面図である。
【図5】従来の誘電体支持体の構造を示す図である。
【図6】従来の進行波管の遅波回路の詳細構造を示す断
面図である。
面図である。
【図7】従来の進行波管の遅波回路の詳細構造を示す断
面図である。
面図である。
1 電子銃部 2 入出力同軸窓回路部 3 遅波回路部 4 コレクタ部 5 集束磁界装置部 6 ケ−ス 7 真空容器 8 スペーサ 9 マグネット 10 シェル内面 11 ヘリックス 12 誘電体支持体 13 支持体本体 14 接続部 14a ボロンナイトライド材 14b ボロンナイトライド被膜 15a アルミナコーティング 15b 被膜 16 金属元素イオン注入領域
Claims (4)
- 【請求項1】金属円筒の内部に誘電体支持体によって支
持されるらせん体遅波回路を備えた進行波管において、 前記誘電体支持体が、前記らせん体遅波回路に当接する
支持体本体と、該支持体本体の前記金属円筒内面側にの
み形成され、該金属円筒内面に当接する接続部とからな
り、 前記支持体本体と前記接続部とが異なる材料で形成され
る、ことを特徴とする進行波管。 - 【請求項2】前記支持体本体が、前記らせん体遅波回路
で発生する熱を効率よく外部に伝達するとともに、帯電
しにくい材料からなり、 前記接続部が、機械的加工性に優れ、前記金属円筒と接
触面積を大とできる材料からなる、ことを特徴とする請
求項1記載の進行波管。 - 【請求項3】前記支持体本体がベリリアセラミックから
なる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の進行波
管。 - 【請求項4】前記接続部がボロンナイトライドからな
る、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記
載の進行波管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11013745A JP2000215819A (ja) | 1999-01-22 | 1999-01-22 | 進行波管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11013745A JP2000215819A (ja) | 1999-01-22 | 1999-01-22 | 進行波管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000215819A true JP2000215819A (ja) | 2000-08-04 |
Family
ID=11841803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11013745A Pending JP2000215819A (ja) | 1999-01-22 | 1999-01-22 | 進行波管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000215819A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100339928C (zh) * | 2003-07-21 | 2007-09-26 | 中国科学院电子学研究所 | 利用过渡管壳实现螺旋慢波结构的组合挤压法 |
CN102683141A (zh) * | 2012-04-24 | 2012-09-19 | 中国电子科技集团公司第十二研究所 | 一种集成行波管放大器 |
CN103474312A (zh) * | 2013-09-09 | 2013-12-25 | 电子科技大学 | 一种行波管夹持杆及其制备方法 |
CN105977120A (zh) * | 2016-07-14 | 2016-09-28 | 中国电子科技集团公司第十二研究所 | 一种高导热螺旋线慢波结构的制造方法 |
CN106128915A (zh) * | 2016-07-14 | 2016-11-16 | 中国电子科技集团公司第十二研究所 | 一种螺旋线行波管用一体化高频结构及该高频结构的制备方法 |
-
1999
- 1999-01-22 JP JP11013745A patent/JP2000215819A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100339928C (zh) * | 2003-07-21 | 2007-09-26 | 中国科学院电子学研究所 | 利用过渡管壳实现螺旋慢波结构的组合挤压法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020604 |