JP2000214494A - エレクトロクロミック表示媒体およびエレクトロクロミック表示装置 - Google Patents

エレクトロクロミック表示媒体およびエレクトロクロミック表示装置

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JP2000214494A
JP2000214494A JP11015468A JP1546899A JP2000214494A JP 2000214494 A JP2000214494 A JP 2000214494A JP 11015468 A JP11015468 A JP 11015468A JP 1546899 A JP1546899 A JP 1546899A JP 2000214494 A JP2000214494 A JP 2000214494A
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display medium
electrochromic
solid electrolyte
film
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Masahiro Nakanishi
正浩 中西
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可撓性のあるペーパーライクな質感を有する
エレクトロクロミック表示媒体および表示装置を提供す
る。 【解決手段】 フィルム状に成型した固体電解質101
の一方の面にエレクトロクロミック層(EC層)105
ならびに透明電極107を積層し、前記固体電解質10
1の他方の面に対向反応層としてのエレクトロクロミッ
ク層(EC層)106ならびに電極107′を積層して
なり、前記透明電極107と電極107′間に電圧を印
加してエレクトロクロミック層105を発消色するエレ
クトロクロミック表示媒体および表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエレクトロクロミッ
ク表示媒体およびエレクトロクロミック表示装置に関
し、特に電気化学的酸化還元反応に伴う物質の吸収波長
変化を利用したエレクトロクロミック表示媒体ならびに
表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エレクトロクロミック表示装置は物質の
電気化学的酸化還元反応に伴う光吸収波長の変化を利用
した表示装置である。エレクトロクロミック現象が初め
て報告されたのは、1970年台半ばのことで、RCA
のS.K.Debらにより、酸化タングステンの着消色
反応が紹介された(Philos.Mag.,Vol.
27,p.801(1973))。
【0003】この酸化タングステンを例にとり、エレク
トロクロミック現象とその特徴を説明する。酸化タング
ステンを蒸着した電極板を希硫酸等の電解液に浸し、同
じく対向電極を電解液に浸し、酸化タングステン電極板
と対向電極間に電圧を印加して、酸化タングステン電極
板を還元すると、酸化タングステンに電子が供給される
と共に電解液中の水素イオンと結合して、タングステン
ブロンズを形成し、濃青色に着色する。逆にこれを酸化
するとタングステンブロンズは酸化タングステンに戻
り、無色に消色する。この着消色反応は可逆で100万
回以上の繰り返し動作が可能である。エレクトロクロミ
ック現象は、ある酸化還元状態のまま回路を遮断して電
子の移動を止めることにより長時間その酸化還元状態が
保持される、メモリ効果を有する。すなわち、表示の静
止状態を維持するために電力は一切必要としない。
【0004】このエレクトロクロミック現象を応用して
表示装置に利用しようという試みが多くなされている。
従来の代表的なエレクトロクロミック表示装置の構造
は、図8に示すよう様な構造のものが知られている。こ
れらの表示装置は、電池に似通っており、2枚の透明電
極607付ガラス基板608に活物質となるエレクトロ
クロミック層(EC層)605を被覆し、その間を電解
質層601で隔てている。2つの電極607間に電圧を
印加すると、一方の電極に被覆したエレクトロクロミッ
ク層は酸化され、もう一方のエレクトロクロミック層は
還元される。エレクトロクロミック層が例えば両極とも
酸化タングステンであれば、対向する電極では逆反応が
起きて、着消色変化が観察されないので、図8(b)に
示す様に電解質層602を顔料で白く着色するか、また
は図8(c)に示す様に多孔質の白色材料からなるスペ
ーサー603を電解質層に挿入するなどして、一方の電
極を隠蔽する。
【0005】あるいは、図8(a)に示す様に、2つの
エレクトロクロミック層を、一方は酸化タングステン
(EC層)605のような還元発色型材料で、もう一方
を酸化イリジウム(EC層)606のような酸化発色型
材料の組み合わせにすれば、動作時に両方のエレクトロ
クロミック層が同時に着消色反応を示すので、一方の電
極を隠蔽する必要はない。
【0006】エレクトロクロミック表示装置は発消色す
るエレクトロクロミック層を観察する反射型表示なの
で、偏光板を使用する液晶表示装置と異なり、明るい屋
外でも非常に見やすく、視野角依存性がない。またバッ
クライトを使用しなくとも表示コントラストが十分高い
ので、消費電力が小さく済む。したがってノートや本を
見るような感覚で使えるペーパーライクな書換可能表示
装置として応用できる可能性があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
エレクトロクロミック表示装置は以下のような課題を有
する。文字や図形などを表示するためのエレクトロクロ
ミック表示媒体は、ガラスあるいはポリマーフィルムで
できた2枚の基板上に電極、活物質薄膜を形成し、電解
質を挟んで貼り合わせてシールするため、厚みがかなり
あり、可撓性に乏しく、ペーパーライクという表現から
連想される質感からは遠いものであった。
【0008】例えば一般的なガラス基板エレクトロクロ
ミック表示媒体の場合、厚さlmmのガラス基板を用い
るので基板の厚みだけで2mmある。一般的に、電極の
厚みは数百nm、電解質層の厚みは数百nm〜数百μm
なので、セル厚は合計で2mm強となるが、ほとんどガ
ラス基板の厚みである。ガラス基板の場合、厚く重いセ
ルになり、可撓性は全く無い。
【0009】またポリマーフィルム基板を使う場合で
も、1枚の基板に100μm〜200μmの厚みが必要
である。2枚のポリマーフィルム基板で作ったエレクト
ロクロミック表示媒体は電解質層の厚みを入れても数百
μmの厚みであり、多少可撓性を有するが、曲げに対し
ては、湾曲した際に外側と内側のポリマーフィルム基板
の内外周差の違いから貼り合わせ面に応力がかかり、基
板と各層の接着面の剥離を生じる場合がある。
【0010】また従来のエレクトロクロミック表示装置
の構成では、多くの基板材料が必要でその材料および製
造に関るコストは大きい。したがってエレクトロクロミ
ック表示媒体の構造を簡略化して、材料および製造に関
るコストを低減し、低廉で大量生産可能な構造にするこ
とが求められていた。
【0011】本発明は、以上のような課題に鑑みてなさ
れたものであり、第一の目的は、可撓性があり白地にペ
ンで文字や図形を描いたような表示を行う紙のような質
感を有するエレクトロクロミック表示媒体および表示装
置を提供することである。本発明の第二の目的は、エレ
クトロクロミック表示媒体および表示装置の構造を簡単
にして材料および製造に関るコストを下げることであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、フィル
ム状に成型した固体電解質の一方の面に少なくともエレ
クトロクロミック層ならびに透明電極層を積層し、前記
固体電解質の他方の面に少なくとも対向反応層ならびに
電極層を積層してなることを特徴とするエレクトロクロ
ミック表示媒体である。
【0013】また、本発明は、上記のエレクトロクロミ
ック表示媒体と、該エレクトロクロミック表示媒体に接
触して走査する電圧印加手段を具備することを特徴とす
るエレクトロクロミック表示装置である。
【0014】前記固体電解質はポリエーテル構造を有す
るポリマー、ポリスルフィド構造を有するポリマー、ポ
リエチレンイミン構造を有するポリマー等からなるのが
好ましい。前記固体電解質は酸化チタン、セルロースを
含有するのが好ましい。前記固体電解質は支持体となる
ポリマーメッシュにポリエーテル構造を有するポリマー
を含浸させたものであるのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明者は、前述の目的を達成す
るために検討した結果、固体電解質材料をフィルム化し
て中心基板として利用し、この両側にエレクトロクロミ
ック層と透明電極あるいは電極を設けることにより、可
撓性があり白地にペンで文字や図形を描いたような表示
を行う紙のような質感を有するエレクトロクロミック表
示装置を製造できることを見出した。
【0016】図1は本発明のエレクトロクロミック表示
媒体の一実施態様を示す概略図である。同図において、
本発明のエレクトロクロミック表示媒体は、フィルム状
に成型した固体電解質からなる電解質フィルム101の
一方の面にエレクトロクロミック層(EC層)105な
らびに透明電極107を積層し、前記電解質フィルム1
01の他方の面に対向反応層としてのエレクトロクロミ
ック層(EC層)106ならびに電極107′を積層し
てなり、前記透明電極107と電極107′間に電圧を
印加してエレクトロクロミック層105を発消色するこ
とを特徴とする。
【0017】本発明において固体電解質材料は、下記の
表1に例示する化合物に代表されるポリエーテル構造、
ポリスルフィド構造、あるいはポリエチレンイミン構造
を有し、末端に置換ビニル基を有する化合物を主成分と
し、支持電解質には表2に例示する化合物に代表される
化合物を使用するのが好ましい。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】本発明において固体電解質材料をフィルム
状に成形するには、例えばメタクリレート基を有する固
体電解質モノマーと支持電解質の混合液に過酸化ベンゾ
イルやアゾビスイソブチロニトリル等の重合開始剤を少
量添加したものを薄く延ばし、続いて加熱を行い固体電
解質モノマーを重合すればよい。また、イルガキュア等
の光重合開始剤を添加して、紫外光照射による固体電解
質モノマーの重合を行ってもよい。
【0021】また、固体電解質フィルム中に白色フィラ
ーを入れて白色化したり、パルプなどのセルロース繊維
を混合することにより、ペーパーライクな質感を一層高
めることが出来ることを見出した。
【0022】より詳細には、白色化のためには酸化チタ
ン、酸化アルミ、酸化ジルコニアなどの白色微粉末が使
用でき、またセルロース繊維としてはパルプ、コット
ン、ケナフなどの植物性繊維の多くが使用できる。これ
らの混入を行っても、イオンの移動に必要な空隙は十分
確保されるので、イオン伝導度には影響が無い。
【0023】また、固体電解質フィルム中には、ポリマ
ー製の多孔質シート、メッシュあるいは不織布を挿入す
ることにより、固体電解質フィルムを補強し機械的強度
を増大することができる。
【0024】また、固体電解質フィルムの厚さは、通常
30〜500μm、好ましくは50〜200μmが望ま
しい。30μmより厚さが薄いと強度が不足し、破断し
やすくなり、また500μmより厚いと可撓性がなくな
り、紙のような質感が失われることとなり好ましくな
い。
【0025】また、本発明では、固体電解質フィルムを
基板として使用することで、従来のガラスやポリマーフ
ィルムといった基板材料が不要になり、コストの低減が
できることを見出した。
【0026】また、表示装置の外側に電極が露出した構
造にすることが可能で、表示装置の外部から電極に容易
に接触して電圧を印加することが可能になる。この場
合、もちろん、外部から接触する必要のない電極領域
は、絶縁や電極保護を目的として、コーティングやシー
ト貼付などによってカバーする場合もありうる。
【0027】本発明において、エレクトロクロミック層
には、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化イリジ
ウム、酸化モリブデン等といった無機酸化物やビオロー
ゲンポリマーやフタロシアニン類といった有機化合物
等、酸化あるいは還元反応によりその色彩が変化する様
々な物質を用いることができる。
【0028】本発明において、対向反応層には、前述の
エレクトロクロミック層を用いることができるほか、グ
ラファイトのように電解質イオンの出し入れが出来る物
質を用いることができる。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0030】実施例1 固体電解質フィルムとエレクトロクロミック表示媒体の
作製と動作の実施例を示す。
【0031】電解質フィルムは以下に示すように作製し
た。ジメタクリル酸ポリエチレングリコールlkgに、
過塩素酸リチウム100g、アゾビスイソブチロニトリ
ル10gを溶解し、電解質原料溶液とした。
【0032】この電解質原料溶液402を、図6に示す
装置の供給装置401に入れて、移動するコンベアベル
ト405上に連続滴下した。滴下した電解質原料溶液4
02は、途中の膜厚制御ローラー403にて一定の膜厚
に延ばされた後、100℃前後に温度調整されたヒータ
ー404領域を約1時間かけて通過させて重合フィルム
にし、後端の巻き取りローラー406で巻き取って回収
した。得られた電解質フィルムは厚さ100μmで透明
で柔軟性を持っていた。
【0033】エレクトロクロミック表示媒体は以下に示
すように作製した。図1に完成したエレクトロクロミッ
ク表示媒体の断面図を示す。上記の電解質フィルム10
1の片面に酸化タングステン(EC層)105を100
nmの厚さにスパッタ成膜し、続いてITO電極107
をスパッタ成膜した。
【0034】またこの電解質フィルム101のもう一方
の片面には酸化イリジウム(EC層)106を50nm
の厚さにスパッタ成膜し、続いてITO電極107′を
スパッタ成膜し、エレクトロクロミック表示媒体を完成
させた。
【0035】エレクトロクロミック表示媒体の動作は以
下に示すように行った。二つのITO電極間に電源を接
続し、酸化タングステン側のITO電極を−2Vにし、
酸化イリジウム側を+2Vにしたところ、酸化タングス
テンの還元発色と酸化イリジウムの酸化発色が起こり、
濃青色を呈した。次に、酸化タングステン側のITO電
極を+2Vにし、酸化イリジウム側を+2Vにしたとこ
ろ、酸化タングステンの酸化消色と酸化イリジウムの還
元消色が起こり、無色を呈した。
【0036】このエレクトロクロミック表示媒体はしな
やかで、曲げに際してもエレクトロクロミック層や電極
が剥離することはなかった。
【0037】実施例2 白色フィラー(TiO2)入り固体電解質フィルムとエ
レクトロクロミック表示媒体の作製と動作の実施例を示
す。
【0038】電解質フィルムは以下に示すように作製し
た。ジメタクリル酸ポリエチレングリコールlkgに、
酸化チタン粉末lkg、過塩素酸リチウム100g、ア
ゾビスイソブチロニトリル10gを溶解し、電解質原料
溶液とした。
【0039】酸化チタン粉末は白色顔料として混合し
た。この電解質原料溶液402を、図6に示す装置の供
給装置401に入れて、移動するコンベアベルト405
上に連続滴下した。滴下した電解質原料溶液402は、
途中の膜厚制御ローラー403にて一定の膜厚に延ばさ
れた後、100℃前後に温度調整されたヒーター404
領域を約1時間かけて通過させて重合フィルムにし、後
端の巻き取りローラー406で巻き取って回収した。得
られた電解質フィルムは厚さ100μmで白色で柔軟性
があり、紙に似た表面の質感を有していた。
【0040】エレクトロクロミック表示媒体は以下に示
すように作製した。図2に完成したエレクトロクロミッ
ク表示媒体の断面図を示す。上記の電解質フィルム10
2の片面に酸化タングステン(EC層)105を100
nmの厚さにスパッタ成膜し、続いてITO電極107
をスパッタ成膜した。
【0041】またこの電解質フィルム102のもう一方
の片面にも酸化タングステン(EC層)105を100
nmの厚さにスパッタ成膜し、続いてITO電極10
7′をスパッタ成膜し、エレクトロクロミック表示媒体
を完成させた。
【0042】エレクトロクロミック表示媒体の動作は以
下に示すように行った。今仮にエレクトロクロミック表
示媒体の一方の面を観察面と呼ぶ。二つのITO電極間
に電源を接続し、観察面の酸化タングステン側のITO
電極を−2Vにし対面の酸化タングステン側を+2Vに
したところ、観察面の酸化タングステンが還元発色し、
濃青色を呈した。酸化チタンにより電解質フィルムが白
色化されているため、紙にペンで書いたようなペーパー
ライクな表示であった。次に極性を入れ換えたところ、
観察面の酸化タングステンが酸化消色し、白色化した電
解質フィルムの色を呈した。
【0043】対面の酸化タングステンも消色・着色を呈
したが、電解質フィルムが酸化チタンで白色化されてお
り、観察面側からは観察されなかった。
【0044】このエレクトロクロミック表示媒体はしな
やかで、曲げに際してもエレクトロクロミック層や電極
が剥離することはなかった。
【0045】実施例3 パルプ混固体電解質フィルムとエレクトロクロミック表
示媒体の作製と動作の実施例を示す。
【0046】電解質フィルムは以下に示すように作製し
た。ジメタクリル酸ポリエチレングリコールlkgに、
パルプあるいはセルロース系繊維300g、酸化チタン
500g、過塩素酸リチウム100g、アゾビスイソブ
チロニトリル10gを溶解し、電解質原料溶液とした。
酸化チタンは白色顔料として混合した。
【0047】この電解質原料溶液402を、図6に示す
装置の供給装置401に入れて、移動するコンベアベル
ト405上に連続滴下した。滴下した電解質原料溶液4
02は、途中の膜厚制御ローラー403にて一定の膜厚
に延ばされた後、100℃前後に温度調整されたヒータ
ー404領域を約1時間かけて通過させて重合フィルム
にし、後端の巻き取りローラー406で巻き取って回収
した。得られた電解質フィルムは厚さ100μmで白色
で柔軟性があり、紙に似た表面の質感を有していた。
【0048】エレクトロクロミック表示媒体は以下に示
すように作製した。図3に完成したエレクトロクロミッ
ク表示媒体の断面図を示す。上記の電解質フィルム10
3の片面に酸化タングステン(EC層)105を100
nmの厚さにスパッタ成膜し、続いてITO電極107
をスパッタ成膜した。
【0049】またこの電解質フィルム103のもう一方
の片面にも酸化タングステン(EC層)105を100
nmの厚さにスパッタ成膜し、続いてITO電極10
7′をスパッタ成膜し、エレクトロクロミック表示媒体
を完成させた。
【0050】エレクトロクロミック表示媒体の動作は以
下に示すように行った。今仮にエレクトロクロミック表
示媒体の一方の面を観察面と呼ぶ。二つのITO電極間
に電源を接続し、観察面の酸化タングステン側のITO
電極を−2Vにし対面の酸化タングステン側を+2Vに
したところ、観察面の酸化タングステンが還元発色し、
濃青色を呈した。酸化チタンにより電解質フィルムが白
色化されているため、さながら紙にペンで書いたような
ペーパーライクな表示であった。次に極性を入れ換えた
ところ、観察面の酸化タングステンが酸化消色し、白色
化した電解質フィルムの色を呈した。
【0051】対面の酸化タングステンも消色・着色を呈
したが、電解質フィルムが酸化チタンで白色化されてお
り、観察面側からは観察されなかった。このエレクトロ
クロミック表示媒体はしなやかで、曲げに際してもエレ
クトロクロミック層や電極が剥離することはなかった。
【0052】実施例4 ポリマーメッシュ入り固体電解質フィルムとエレクトロ
クロミック表示媒体の作製と動作の実施例を示す。
【0053】電解質フィルムは以下に示すように作製し
た。ジメタクリル酸ポリエチレングリコールlkgに、
酸化チタンlkg、過塩素酸リチウム100g、アゾビ
スイソブチロニトリル10gを溶解し、電解質原料溶液
とした。酸化チタンは白色顔料として混合した。
【0054】図7に示すように、この電解質原料溶液5
02にポリエステルメッシュシート501を浸して、移
動するベルト505上に導入し、100℃前後に温度調
整されたヒーター504領域を約1時間かけて通過させ
て電解質原料溶液を重合してフィルムにし、後端の巻き
取りローラー506で巻き取って回収した。ポリエステ
ルメッシュシート501は、数〜数百デニールのポリエ
ステル繊維を編んだものでもよいし、不織布に仕上げた
ものでもよい。またポリエステル以外のポリエチレンや
ポリプロピレン、ナイロンなどの繊維でもよい。
【0055】得られた電解質フィルムは厚さ100μm
で白色で柔軟性を持っていた。しかも芯材となるポリエ
ステルメッシュシートのために、出来上がった電解質シ
ートの引っ張り強度は、芯材を使用しないものに比べて
2倍以上になった。
【0056】エレクトロクロミック表示媒体は以下に示
すように作製した。図4に完成したエレクトロクロミッ
ク表示媒体の断面図を示す。
【0057】上記の芯材としてポリエステルメッシュシ
ート104を有する電解質フィルム102の片面に酸化
タングステン(EC層)105を100nmの厚さにス
パッタ成膜し、続いてITO電極107をスパッタ成膜
した。
【0058】またこの電解質フィルム102のもう一方
の片面にも酸化タングステン(EC層)105を100
nmの厚さにスパッタ成膜し、続いてITO電極10
7′をスパッタ成膜し、エレクトロクロミック表示媒体
を完成させた。
【0059】エレクトロクロミック表示媒体の動作は以
下に示すように行った。今仮にエレクトロクロミック表
示媒体の一方の面を観察面と呼ぶ。二つのITO電極間
に電源を接続し、観察面の酸化タングステン側のITO
電極を−2Vにし対面の酸化タングステン側を+2Vに
したところ、観察面の酸化タングステンが還元発色し、
濃青色を呈した。酸化チタンにより電解質フィルムが白
色化されているため、紙にペンで書いたようなペーパー
ライクな表示であった。次に、極性を入れ換えたとこ
ろ、観察面の酸化タングステンが酸化消色し、白色化し
た電解質フィルムの色を呈した。
【0060】対面の酸化タングステンも消色・着色を呈
したが、電解質フィルムが酸化チタンで白色化されてお
り、観察面側からは観察されなかった。このエレクトロ
クロミック表示媒体はしなやかで、曲げに際してもエレ
クトロクロミック層や電極が剥離することはなかった。
【0061】実施例5 外部書き込み応用例の実施例を示す。
【0062】使用したエレクトロクロミック表示媒体の
断面構造を図5(a)に示す。基本的には実施例2の構
造(図2)に類似しているが、観察面側の電極を分割し
た。観察面側から見たエレクトロクロミック表示媒体の
平面構造は図5(b)に示す。電極分割は2次元で行
い、各電極は縦300μm×横300μmの正方形とし
た。電極と電極の間隔は縦横とも50μmとした。すな
わち電極のピッチは縦横350μmである。
【0063】観察面と反対側の電極は全面分割しなかっ
た。ただし、観察面と向かい合うように分割してもよ
い。
【0064】本発明のエレクトロクロミック表示媒体へ
は外部からのマルチプローブによる書き込みを行った。
マルチプローブは、プローブを電極ピッチと同じ問隔に
1列に配列したもので、観察面の各電極に接触して導通
を得るものである。本実施例の場合には350μm間隔
にプローブを配列した。
【0065】以下に書き込みの手順を示す。観察面と反
対側の電極は常時接地しておいた。観察面の電極1列に
マルチプローブを接触させた。マルチプローブの各プロ
ーブは観察面の1列の各電極に個別に接触している。
【0066】最初にリフレッシュ動作として観察側マル
チプローブの全部を+2Vにし、観察面側酸化タングス
テンを全て酸化消色した。次にマルチプローブを同じ電
極に接触させたまま、発色させたい部分の電極に接触し
ているプローブを−2Vにした。発色させない部分の電
極に接触しているプローブは電圧をオープンにした。
【0067】電極1列の書き込みが終了したら、マルチ
プローブあるいはエレクトロクロミック表示媒体を35
0μm移動して、隣り合う電極1列に対して同様の消色
と書き込みを行った。この一連の動作を繰り返して2次
元に電極の配列されたシート上に画像の書き込みを行っ
た。
【0068】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、可
撓性があり白地にペンで文字や図形を描いたような表示
を行う紙のような質感を有するエレクトロクロミック表
示媒体および表示装置を提供することができた。また、
エレクトロクロミック表示媒体および表示装置の構造を
簡単にして材料および製造に関するコストを下げること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレクトロクロミック表示媒体の一実
施態様を示す概略図である。
【図2】本発明のエレクトロクロミック表示媒体の他の
実施態様を示す概略図である。
【図3】本発明のエレクトロクロミック表示媒体の他の
実施態様を示す概略図である。
【図4】本発明のエレクトロクロミック表示媒体の他の
実施態様を示す概略図である。
【図5】本発明のエレクトロクロミック表示媒体の他の
実施態様を示す概略図である。
【図6】電解質フイルムの製造装置の一例を示す概略図
である。
【図7】電解質フイルムの製造装置の他の例を示す概略
図である。
【図8】従来のエレクトロクロミック表示媒体を示す概
略図である。
【符号の説明】
101、102、103 電解質フィルム 104 ポリエステルメッシュシート 105、106 エレクトロクロミック層(EC層) 107、107′ 電極 401 供給装置 402、502 電解質原料溶液 403、503 膜厚制御ローラー 404、504 ヒーター 405、505 コンベアベルト 406、506 巻き取りローラー 501 ポリエステルメッシュシート 601 電解質層 602 電解質層 603 スペーサー 605、606 EC層 607 電極 608 基板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム状に成型した固体電解質の一方
    の面に少なくともエレクトロクロミック層ならびに透明
    電極層を積層し、前記固体電解質の他方の面に少なくと
    も対向反応層ならびに電極層を積層してなることを特徴
    とするエレクトロクロミック表示媒体。
  2. 【請求項2】 前記固体電解質はポリエーテル構造を有
    するポリマーからなる請求項1記載のエレクトロクロミ
    ック表示媒体。
  3. 【請求項3】 前記固体電解質はポリスルフィド構造を
    有するポリマーからなる請求項1記載のエレクトロクロ
    ミック表示媒体。
  4. 【請求項4】 前記固体電解質はポリエチレンイミン構
    造を有するポリマーからなる請求項1記載のエレクトロ
    クロミック表示媒体。
  5. 【請求項5】 前記固体電解質は酸化チタンを含有する
    請求項1乃至4のいずれかの項に記載のエレクトロクロ
    ミック表示媒体。
  6. 【請求項6】 前記固体電解質はセルロースを含有する
    請求項1乃至4のいずれかの項に記載のエレクトロクロ
    ミック表示媒体。
  7. 【請求項7】 前記固体電解質は支持体となるポリマー
    メッシュにポリエーテル構造を有するポリマーを含浸さ
    せたものである請求項1または2記載のエレクトロクロ
    ミック表示媒体。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のエレクトロクロミック表
    示媒体と、該エレクトロクロミック表示媒体に接触して
    走査する電圧印加手段を具備することを特徴とするエレ
    クトロクロミック表示装置。
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