JP2000213537A - 直動案内ユニット - Google Patents

直動案内ユニット

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JP2000213537A
JP2000213537A JP11015654A JP1565499A JP2000213537A JP 2000213537 A JP2000213537 A JP 2000213537A JP 11015654 A JP11015654 A JP 11015654A JP 1565499 A JP1565499 A JP 1565499A JP 2000213537 A JP2000213537 A JP 2000213537A
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JP
Japan
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groove
guide unit
track
track rail
linear motion
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JP11015654A
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English (en)
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Norimasa Agari
憲正 上利
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Nippon Thompson Co Ltd
Original Assignee
Nippon Thompson Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は,軌道レール又はスライダのケーシ
ングを,オーステナイト系のステンレス素材を引抜き加
工して製作することにより,安価な直動案内ユニットを
提供する。 【解決手段】 直動案内ユニットU1を構成する軌道レ
ール2,及び軌道レール2上を相対摺動するスライダ1
のケーシング5は,孔加工部分及びケーシング5の軌道
溝の部分を除き,オーステナイト系ステンレス素材のス
キンパスによる引抜き加工によって形成される。加工精
度が良好であり,研削加工が省略可能である。軌道レー
ル2の上面14には引抜き加工によって取付けボルト2
2の頭部24を収容する凹溝21が形成され,軌道レー
ル2には取付けボルト22の軸部23が挿通される取付
け孔13が形成されて,軌道レール2の軽量化が図られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,各種ロボット,
医療機器,食品機械等において,特に耐食性又は非磁性
が要求される特殊環境に適用される直動案内ユニットに
関し,特に引き抜き材をそのまま利用して構成した直動
案内ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】近年,メカトロ技術の発展がめざまし
く,各種ロボット,半導体製造装置,検査装置,切削・
研削機械等の多くの技術分野において,各種の機械や装
置の往復動作が求められる部分には,相対的な滑らかな
移動を確保するため,高精度,高速化,小型化等の要求
を満たすために直動案内ユニットが組み込まれている。
【0003】従来の直動転がり案内ユニットの一例が,
図16に示されている。図16は,従来の比較的小型の
直動転がり案内ユニットを一部破断して示す斜視図であ
る。図16に示す直動転がり案内ユニット50は,高さ
が比較的低く抑えられた軌道レール52と,軌道レール
52に跨架した状態で載置されたスライダ51とから成
る。軌道レール52の両側の長手方向側面53には軌道
溝54が形成されており,スライダ51は,軌道溝54
を転走する転動体57を介して軌道レール52上を摺動
自在である。軌道レール52には長手方向上面64に開
口するように取付け孔63が隔置して形成されており,
取付け孔63は軌道レール52の上面64において開口
している。取付け孔63に挿通したボルトをベッド,機
台,加工台等の取付けベース70に形成されたねじ穴
(図示せず)に螺入することによって,軌道レール52
が取付けベース70に固定される。
【0004】スライダ51は,軌道レール52に対して
相対移動可能なケーシング55,及びケーシング55の
両端にそれぞれ取り付けたエンドキャップ56を有して
いる。ケーシング55の上部には,他の機器,機械部
品,チャック,把持装置等を取り付けるための取付け穴
69が形成されている。ケーシング55及びエンドキャ
ップ56の各下面には,ケーシング55及びエンドキャ
ップ56とが軌道レール52に跨がって移動するように
凹部60が各々形成されている。凹部60には,軌道レ
ール52の各軌道溝54と対向した位置に,それぞれ軌
道溝59が形成されている。スライダ51に組み込まれ
たボール等の転動体57は,対向する軌道溝54,59
で構成される軌道路を転走する。また,ケーシング55
から転動体57が脱落するのを防止するために,保持バ
ンド68が多数の転動体57を囲むようにケーシング5
5に取り付けられている。
【0005】エンドキャップ56には,軌道レール52
の軌道溝54から転動体57をすくう爪,及び転動体5
7の循環のために転動体57を方向転換させる方向転換
路(図示せず)が両側に形成されている。また,エンド
キャップ56には,スライダ51の長手方向両端部にお
いて軌道レール52との間のシールを行うエンドシール
67が取り付けられている。エンドキャップ56は,複
数の取付け孔(図示せず)に貫通させたねじ66等によ
りケーシング55の両端面に取り付けられる。軌道溝5
4,59で構成される軌道路,エンドキャップ56内に
形成された方向転換路,及びケーシング55の内部に軌
道溝59と平行して形成されたリターン通路孔62は,
転動体57のための無限循環路を構成している。転動体
57が軌道路において負荷された状態であっても,多数
の転動体57が軌道溝54,59に対してころがり接触
することにより,スライダ51は,軌道レール52に対
してスムーズに相対移動することができる。直動案内ユ
ニット50の軌道路を潤滑して転動体57が軌道路を滑
らかに転動できるようにするため,潤滑剤としてグリー
ス又は潤滑油が軌道路に供給される。潤滑剤がグリース
の場合には,エンドキャップ56にはグリースニップル
61が配設されている。
【0006】従来の直動案内ユニットは,図16に示す
ように,小形な転がり形式としての直動転がり案内ユニ
ット50であり,ステンレス鋼製で構成され,耐食性を
有し,医療機器,半導体製造装置で使用されている。直
動転がり案内ユニットは,用途も拡大し,特殊環境で使
用できるものとして,耐食性又は非磁性のものが要望さ
れている。直動転がり案内ユニット50の一部の構成部
品,即ち,軌道レール52,ケーシング55,転動体5
7及び保持バンド68はステンレス鋼で製作されてい
る。その他の構成部品であるエンドキャップ56が合成
樹脂製であり,エンドシール67は,ステンレス製の芯
金に合成ゴムを焼き付けることによって製作されてい
る。
【0007】直動転がり案内ユニットが,医療機器や食
品機械に使用されたり,或いは海洋等の特殊な環境で使
用される場合には,直動転がり案内ユニットには一層の
耐食性又は非磁性が要求される。しかしながら,従来の
直動転がり案内ユニットでは,ステンレス鋼として,転
動体が転動し負荷を受ける部分である軌道溝を硬化して
充分な転がり寿命が得られるようにするために,硬化可
能な材料,即ち,焼入れ可能な材料が使用されている。
そのような材料として,マルテンサイト系のステンレス
であるSUS440C(JIS規格)相当の材料が用い
られている。この焼入れされたマルテンサイト系のステ
ンレス材料は鉄材よりは錆びにくいが,錆を完全に防止
することはできず,使用期間が長くなると錆が発生す
る。また,このようなステンレス材料は磁性を示すもの
であり,精密な電磁機器が周囲に存在するために磁気管
理が厳しくされている環境では使用することが難しい。
【0008】また,従来,高い耐食性や非磁性が要求さ
れる使用環境では,合成樹脂製又はセラミック製の直動
転がり案内ユニットが使用されることもある。しかしな
がら,合成樹脂製の直動転がり案内ユニットでは,ユニ
ットが負うことができる負荷容量が小さく,合成樹脂部
品の強度が低く且つ寸法変化が大きい等の問題点があ
り,また,セラミック製の直動転がり案内ユニットは,
セラミック材の加工が難しく,コストが高い等,満足で
きるものではない。また,一般に,直動転がり案内ユニ
ット以外において,高い耐食性や非磁性を要求される要
素及び部位には,硬化即ち,焼入れはできないけれども
オーステナイト系のステンレスであるSUS304(J
IS規格)相当の材料が使用されている。従来の直動転
がり案内ユニットの軌道レール及びケーシングは,引抜
き加工した素材に取付け孔を形成する孔加工,軌道部を
形成するための焼入れ加工,曲がり矯正加工,取付け面
等の研削加工,及び軌道溝の研削加工から成る加工工程
を経て形成されている。
【0009】従来例として,実開平2−67113号公
報に記載されているリニアガイド装置がある。このリニ
アガイド装置においては,軌道レールの上面部に,その
全長に伸びるT溝又はアリ溝からなる凹溝が形成されて
おり,軌道レールを基台に固定するために,取付けボル
トが挿通されるボルト挿通孔が形成されている。しかし
ながら,取付けボルト頭部は凹溝の上面に突出する状態
で装着されておらず,取付けボルトはボルト挿通孔内に
埋没する状態で用いられているため,ボルト挿通孔の孔
径を多段にして取付けボルト頭部と係合する段部を形成
する必要がある。また,軌道レールは引き抜き加工のみ
から製作されてはいない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで,オーステナイ
ト系のステンレスであるSUS304相当の材料を直動
案内ユニットに使用することで,素材の加工を引抜き加
工によって殆ど行い,その他の加工工程を極力経ること
なく構成部品を得ることにより,安価な直動案内ユニッ
トを得る点で解決すべき課題がある。また,直動案内ユ
ニットの構成部品である軌道レールの取付け孔の形成に
関連して,素材の引抜き加工によって取付けボルトの頭
部と係合する溝を形成し,合わせて軌道レールの軽量化
を図る点で解決すべき課題がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
の課題を解決するため,従来の直動案内ユニットより
も,負荷容量は小さくなるが,合成樹脂製のものよりも
改善され,セラミック製のものよりもコストを低減する
ことができることと併せて,更に安価で軽量な直動案内
ユニットを提供することである。
【0012】この発明は,長手方向側面に軌道溝が形成
された軌道レール,及び前記軌道溝と対向する軌道溝が
形成され且つ前記軌道レール上を相対摺動するケーシン
グを有するスライダを具備し,前記軌道レール又は前記
スライダの前記ケーシングは,オーステナイト系ステン
レス素材のスキンパスによる引抜き加工によって形成さ
れていることから成る直動案内ユニットに関する。
【0013】この発明の直動案内ユニットによれば,軌
道レール又はスライダのケーシングは,オーステナイト
系のステンレス(SUS304相当)鋼材でなり,切断
加工部分,ねじ孔を含む孔加工部分,及びケーシングの
軌道溝の部分を除く他の部分が引き抜き加工のみから製
作されている。従来に直動案内ユニットは,引き抜きし
た素材を焼入れ後研削加工によって仕上げを行っていた
が,この発明による直動案内ユニットにおいては,焼入
れが無く(焼入れできない)とも,近年の引き抜き加工
によるスキンパス法により良好な加工精度が得られるの
で研削加工が省略され,加工工程が簡易になる。スキン
パス法によって得られる表面粗さもSUS304の選択
により良好(4μm程度)なものになっている。軌道レ
ールの場合には長尺に加工しても,良好な加工精度が維
持される。
【0014】前記軌道レールが前記引抜き加工によって
形成され,前記スライダが跨架する前記軌道レールの上
面には前記引抜き加工によって長手方向に伸びる凹溝が
形成され,前記凹溝は取付けボルトの頭部を前記凹溝の
溝底に係合した状態で前記凹溝内に収容する幅と深さと
を有し,前記軌道レールには,前記取付けボルトの軸部
が挿通される取付け孔が前記凹溝の前記溝底に開口した
状態に貫通形成されている。軌道レールの長手方向に凹
溝が形成されているので,直動案内ユニットの重量の殆
どを占める軌道レールの軽量化が図られる。また,取付
けボルトの頭部は凹溝の溝底に係合するので,取付け孔
の座ぐり孔加工を追加して行う必要がない。凹溝は,取
付けボルトの頭部を完全に収容する深さを有しているの
で,取付けボルトとスライダとの干渉の虞れもない。
【0015】前記凹溝は一条の凹溝であり,前記取付け
孔は前記凹溝内において前記軌道レールの長手方向に隔
置して並ぶ一列又は複数列に形成されている。或いは,
前記凹溝は複数条の凹溝であり,前記取付け孔は前記各
凹溝内において少なくとも一列で前記軌道レールの長手
方向に隔置して形成されている。取付けボルトのための
取付け孔を複数列形成するときには,凹溝を幅広く形成
すると,その分,軌道レールの重量が軽量化される。
【0016】前記スライダの前記ケーシングが前記引抜
き加工によって形成され,前記ケーシングの前記軌道溝
は,前記軌道レールの前記軌道溝に対応する部分をロー
ル成形又はバニシ成形等の成形加工を施すことによって
形成されている。前記成形加工によって,前記ケーシン
グの前記軌道溝間には,前記軌道レールの前記軌道溝間
の寸法に合わせた精度のよい寸法を得ることができる。
【0017】前記直動案内ユニットは,前記スライダ
が,前記軌道溝間に形成された前記軌道路を転走する転
動体,前記軌道レールに跨架し且つ内部に前記転動体の
ためのリターン通路孔が形成された前記ケーシング,前
記ケーシングの両端面にそれぞれ取り付けられ且つ前記
転動体を方向転換させるため前記軌道路と前記リターン
通路孔とを接続する方向転換路が内部に形成されたエン
ドキャップ,及び前記エンドキャップの端面に装着され
て前記軌道レールの前記軌道溝との間をシールするエン
ドシールを具備した直動転がり案内ユニットである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
による直動案内ユニットの実施例を説明する。図1はこ
の発明による直動案内ユニットの一実施例を示す側面
図,図2は図1に示す直動案内ユニットの平面図,図3
は図1に示す直動案内ユニットの正面図,図4は図1に
示す直動案内ユニットの矢視A−Aで見た断面図,図5
は図4においてBで示す転動体が転動する軌道路の拡大
断面図である。
【0019】図1〜図5に第1実施例として示す直動案
内ユニットは,直動転がり案内ユニットとして具体化さ
れており,外観形状として,後述する軌道レールの上面
構造以外は,図16に示した従来の直動転がり案内ユニ
ットの構造と同様な構造を有している。即ち,この直動
転がり案内ユニットU1は,一対の長手方向側面3に軌
道溝4を形成した軌道レール2と,軌道レール2上に跨
架して摺動可能に装着されたスライダ1とから構成され
ている。軌道レール2は,一対の長手方向側面3に断面
円弧状に凹状となった軌道溝4を有している。スライダ
1は,軌道レール2に対して相対摺動可能なケーシング
5,及びケーシング5の摺動方向即ち長手方向両端にそ
れぞれ取り付けられたエンドキャップ6を備えている。
【0020】ケーシング5及びエンドキャップ6は,図
16に示した従来のスライダ51と略同様の内部構造を
有している。即ち,ケーシング5には,各軌道溝4に対
向する位置に軌道溝(図5の符号9を参照)が形成され
ており,対向する軌道溝4,9から成る負荷域を相対移
動可能に転走する多数の転動体7が設けられている。ま
た,ケーシング5には,図16に示した従来のスライダ
51と同様,転動体7を戻すために軌道溝9と平行に形
成されたリターン通路孔12(図4参照)が形成されて
いる。エンドキャップ6には,負荷域を走行する転動体
7の転走方向を変換する方向転換路(図示せず)が形成
されており,多数の転動体7は,負荷域,方向転換路及
びリターン通路孔12から成る無限循環路内を無限循環
する。スライダ1は,対向する軌道溝4,9から成る負
荷域を多数の転動体7が転走することにより軌道レール
2上を滑らかに摺動自在に相対運動をすることができ
る。また,ケーシング5及びエンドキャップ6と軌道レ
ール2の長手方向側面3との間の隙間をシールするた
め,ケーシング5及びエンドキャップ6の下面には下面
シールが取り付けられている(図示せず)。
【0021】軌道レール2及びケーシング5は,耐食性
及び非磁性を有するオーステナイト系のステンレスであ
るSUS304鋼材で製作されている。軌道レール2に
は,図16に示した従来のものと同様に,取付けベース
20に取り付けるための取付けボルト22が挿通される
取付け孔13が形成されており,スライダ1には,搭載
装置を固定するための取付けボルト(図示せず)がねじ
込まれる取付け穴19が形成されている。軌道レール2
の両端の切断部分28,及びエンドキャップ6と当接す
るケーシング5の両端である切断加工部分29,軌道レ
ール2の取付け孔13及びスライダ1の取付け穴19等
の孔加工部分,並びにケーシング5の軌道溝9の部分を
除く他の部分が,引き抜き加工のみから形成されてい
る。
【0022】エンドキャップ6は,従来のエンドキャッ
プと同様に合成樹脂製であるが,更に耐熱性を要求され
る場合には,上記SUS304鋼材でなる焼結部材にす
ることができる。エンドシール17は,従来同様のステ
ンレスの芯金に合成ゴムを焼き付けてなっているが,更
に耐熱性を要求される場合には,上記SUS304鋼材
である芯金のみにすればよい。転動体7であるボール
は,従来同様のステンレス(SUS440C相当)ボー
ルでよいが,更に耐食性,非磁性が要求される場合に
は,セラミックボールを使用することができる。セラミ
ックボールを使用すれば,直動転がり案内ユニットU1
は更に軽量となる。
【0023】軌道レール2の上面14には,凹溝21
が,幅方向中央において軌道レール2の長手方向の全長
に渡って伸びる状態で形成されている。軌道レール2を
取付けベース20に固定する取付けボルト22は,取付
け孔13に挿通される軸部23と頭部24とから成り,
凹溝21は頭部24を完全に収容することができる幅と
深さとを有している。取付けボルト22を取付けベース
20にねじ込んだ状態では,頭部24は,凹溝21の溝
底25に当接し係合した状態となる。軌道レール2の軌
道溝4及びスライダ1のケーシング5に形成されている
軌道溝9の形状は,図5に示すように,従来と同様にボ
ール径に近いR形状のゴシックアーチ溝になっており,
上下の基準線からθの角度の位置において転動体7が軌
道溝4,9に接触している。スライダ1のケーシング5
は引抜き加工によって形成され,ケーシング5の軌道溝
9は,軌道レール2の軌道溝4に対応する部分をロール
成形,即ち,ロールの圧下力によってマトリックス金属
の塑性流動及び拡散接合を利用して複合化する成形方
法,又はバニシ成形,即ち,硬い表面との擦り付け等の
接触によって工作物の表面を塑性流動させる成形方法等
の成形加工を施すことによって形成されている。この成
形加工によって,ケーシング5の軌道溝9,9間には,
軌道レール2の軌道溝4,4間の寸法に合わせた精度の
よい寸法を得ることができる。
【0024】この発明による直動案内ユニットの第2実
施例が,図6〜図12に示されている。図6はこの発明
による直動案内ユニットの第2実施例を示す側面図,図
7は図6に示す直動案内ユニットの平面図,図8は図6
に示された直動案内ユニットの正面図,図9は図6に示
された直動案内ユニットに用いられる軌道レールの側面
図,図10は図9に示された軌道レールの平面図,図1
1は図9に示された軌道レールの正面図,図12は図6
における矢視C−Cで見た断面図である。
【0025】第2実施例に示す直動転がり案内ユニット
U2は,幅広の直動転がり案内ユニットとして具体化さ
れている点を除き,第1実施例に示す直動転がり案内ユ
ニットU1と基本的に同様の構造を有している。直動転
がり案内ユニットU2において,軌道レール32は高さ
に比較して幅広に形成されており,軌道レール32に跨
設されたスライダ31も軌道レール32に合わせて同様
に幅広に形成されている。軌道レール32を基本台に取
り付けるため,取付けボルトのための取付け孔43は軌
道レール32の長手方向に複列(2列)に形成されてい
る。複列の取付け孔43に対応して,軌道レール32の
上面44には複列の凹溝45が形成されており,各列の
取付け孔43が対応した凹溝45の溝底46に開口して
いる。凹溝45は,第1実施例の凹溝21と同様に,取
付けボルト22の頭部24を完全に収容することができ
る幅と深さとを有している。取付けボルト22を取付け
ベース20にねじ込んだ状態では,頭部24は凹溝45
の溝底46に当接し係合している。ケーシング35に
は,転動体37が軌道溝34を有する軌道路から戻るた
めのリターン通路孔38が形成されている。
【0026】この発明による直動案内ユニットの第3実
施例が,図13〜図15に示されている。図13はこの
発明による直動案内ユニットの第3実施例を示す正面
図,図14は図13に示す直動案内ユニットに用いられ
る軌道レールの正面図,図15は第2実施例において図
12で示す断面図と同様の断面図である。第3実施例
は,軌道レールの凹溝の構造以外は,基本的に図6〜図
12に示す第2実施例と同様の構造を有している直動転
がり案内ユニットであるので,同等の構成要素及び部位
には同じ符号を付すことで重複する説明を省略する。
【0027】図13〜図15に示す第3実施例としての
直動転がり案内ユニットU3においては,取付け孔43
は複列に形成されているが,軌道レール32の上面44
には,単列の幅広い凹溝48が形成されており,各列の
取付け孔43はすべて凹溝48の溝底49に開口してい
る。凹溝48も,第1実施例における凹溝21及び第2
実施例における凹溝45と同様に,取付けボルト22の
頭部24を完全に収容することができる幅と深さとを有
しており,取付けボルト22を取付けベース20にねじ
込んだ状態では,頭部24は凹溝48の溝底49に当接
し係合している。凹溝48には,第2実施例の直動転が
り案内ユニットU2で存在していたような軌道レール3
2の凹溝45間における肉部が存在していないので,軌
道レール32,従って直動転がり案内ユニットU3の一
層の軽量化を図ることができる。
【0028】上記の各実施例においては,軌道レール
2,32及びケーシング5,35の外形の大部分は,オ
ーステナイト系のステンレス材料(SUS304相当)
の引抜き加工によって形成される。スキンパス工法の引
抜き加工によって充分良好な加工精度が得られており,
研削加工を省略することができる。したがって,引抜き
素材にねじ孔を含む取付け孔加工を施すだけで,直動転
がり案内ユニットを組み立てる構成部品としての軌道レ
ール及びケーシングを得ることができる。軌道レールの
軌道溝も引抜き加工によって直接形成され且つ必要な硬
度を得られるので,軌道溝となる部分に更に焼入れを行
う必要はない。なお,引抜き加工は長尺な素材に対して
施されるので,長手方向に対して横断する方向に切断し
て,必要な長さの軌道レール及びケーシングが製作され
るのは言うまでもない。
【0029】
【発明の効果】この発明による直動案内ユニットは,以
上のように構成されているので,次のような効果を有す
る。即ち,この直動案内ユニットによれば,オーステナ
イト系のステンレス素材を引抜き加工することで,大部
分の加工を行い,スキンパス法によって良好な表面精度
を得ているので,焼入れや研削加工を不要にしている。
従来の直動案内ユニットよりも負荷容量は小さくなる
が,合成樹脂製のものよりも負荷に対する性能が改善さ
れ,セラミック製のものよりもコストを低減することが
できる。加工工程が格段に簡素化されるので,安価な直
動案内ユニットが得られる。また,軌道レールには,取
付けボルトの頭部が嵌入し溝底に係合する凹溝を形成し
ているので,軌道レールの重量を軽量化することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による直動案内ユニットの一実施例を
示す側面図である。
【図2】図1に示す直動案内ユニットの平面図である。
【図3】図1に示す直動案内ユニットの正面図である。
【図4】図1に示す直動案内ユニットの矢視A−Aで見
た断面図である。
【図5】図4においてBで示す転動体が転動する軌道路
の拡大断面図である。
【図6】この発明による直動案内ユニットの第2実施例
を示す側面図である。
【図7】図6に示す直動案内ユニットの平面図である。
【図8】図6に示された直動案内ユニットの正面図であ
る。
【図9】図6に示された直動案内ユニットに用いられる
軌道レールの側面図である。
【図10】図9に示された軌道レールの平面図である。
【図11】図9に示された軌道レールの正面図である。
【図12】図6における矢視C−Cで見た断面図であ
る。
【図13】この発明による直動案内ユニットの第3実施
例を示す正面図である。
【図14】図13に示す直動案内ユニットに用いられる
軌道レールの正面図である。
【図15】図13に示す直動案内ユニットの断面図であ
る。
【図16】従来の直動転がり案内ユニットを,一部を破
断して示す斜視図である。
【符号の説明】
U1,U2,U3 直動案内ユニット 1,31 スライダ 2,32 軌道レール 3,33 長手方向側面 4,9,34 軌道溝 5,35 ケーシング 6,36 エンドキャップ 7,37 転動体 12,38 リターン通路孔 13,43 取付け孔 14,44 軌道レールの上面 17,47 エンドシール 19,39 取付け穴 21,45,48 凹溝 22 取付けボルト 23 取付けボルトの軸部 24 取付けボルトの頭部 25,46,49 凹溝の溝底

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向側面に軌道溝が形成された軌道
    レール,及び前記軌道溝と対向する軌道溝が形成され且
    つ前記軌道レール上を相対摺動するケーシングを有する
    スライダを具備し,前記軌道レール又は前記スライダの
    前記ケーシングは,オーステナイト系ステンレス素材の
    スキンパスによる引抜き加工によって形成されているこ
    とから成る直動案内ユニット。
  2. 【請求項2】 前記軌道レールが前記引抜き加工によっ
    て形成され,前記スライダが跨架する前記軌道レールの
    上面には前記引抜き加工によって長手方向に伸びる凹溝
    が形成され,前記凹溝は取付けボルトの頭部を前記凹溝
    の溝底に係合した状態で前記凹溝内に収容する幅と深さ
    とを有し,前記軌道レールには,前記取付けボルトの軸
    部が挿通される取付け孔が前記凹溝の前記溝底に開口し
    た状態に貫通形成されていることから成る請求項1に記
    載の直動案内ユニット。
  3. 【請求項3】 前記凹溝は一条の凹溝であり,前記取付
    け孔は前記凹溝内において前記軌道レールの長手方向に
    隔置して並ぶ一列又は複数列に形成されていることから
    成る請求項2に記載の直動案内ユニット。
  4. 【請求項4】 前記凹溝は複数条の凹溝であり,前記取
    付け孔は前記各凹溝内において少なくとも一列で前記軌
    道レールの長手方向に隔置して形成されていることから
    成る請求項2に記載の直動案内ユニット。
  5. 【請求項5】 前記スライダの前記ケーシングが前記引
    抜き加工によって形成され,前記ケーシングの前記軌道
    溝は,前記軌道レールの前記軌道溝に対応する部分をロ
    ール成形又はバニシ成形等の成形加工を施すことによっ
    て形成されていることから成る請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の直動案内ユニット。
  6. 【請求項6】 前記直動案内ユニットは,前記スライダ
    が,前記軌道溝間に形成された前記軌道路を転走する転
    動体,前記軌道レールに跨架し且つ内部に前記転動体の
    ためのリターン通路孔が形成された前記ケーシング,前
    記ケーシングの両端面にそれぞれ取り付けられ且つ前記
    転動体を方向転換させるため前記軌道路と前記リターン
    通路孔とを接続する方向転換路が内部に形成されたエン
    ドキャップ,及び前記エンドキャップの端面に装着され
    て前記軌道レールの前記軌道溝との間をシールするエン
    ドシールを具備した直動転がり案内ユニットであること
    から成る請求項1〜5のいずれか1項に記載の直動案内
    ユニット。
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