JP2000212505A - 塗布液及びそれを塗布してなる積層体 - Google Patents

塗布液及びそれを塗布してなる積層体

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JP2000212505A
JP2000212505A JP1164399A JP1164399A JP2000212505A JP 2000212505 A JP2000212505 A JP 2000212505A JP 1164399 A JP1164399 A JP 1164399A JP 1164399 A JP1164399 A JP 1164399A JP 2000212505 A JP2000212505 A JP 2000212505A
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resin
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Akira Kameoka
晃 亀岡
Tomokatsu Ura
僚克 浦
Masahiko Kosuge
雅彦 小菅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 球状不活性粒子を含有し、かつ水溶性および
/または水分散性樹脂も含有した塗布液であり、該球状
不活性粒子中の球状粗大粒子が極めて少なく、例えばフ
ィルムに塗布し被膜とし、磁気記録用媒体のベースフィ
ルムとした場合、ドロップアウトが少なく電磁変換特性
に優れたフィルムとすることが出来る塗布液及びそれを
塗布してなる積層体を提供する。 【解決手段】 平均粒径0.01〜3μmの範囲の球状
不活性粒子を0.1〜20重量%含有し、かつ水溶性お
よび/または水分散性樹脂も含有した塗布液であり、該
球状不活性粒子の平均粒径の5倍以上の粒径を有する、
球状粗大粒子の存在確率が該球状不活性粒子数に対し5
/100万以下であることを特徴とする塗布液、及びこ
の塗布液を塗布し被膜層を形成してなる積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗布液及びそれを塗
布してなる積層体に関し、更に詳しくは球状不活性粒子
を含有する塗布液中の、球状粗大粒子を少なくすること
により、塗布液を塗布し被膜層を設けた積層体におい
て、例えばフィルムではフィルム化後の巻き取り性付与
に効果を有し、かつ磁気記録用媒体のベースとした場
合、ドロップアウトの少ない磁気変換特性に優れたフィ
ルムを得ることが出来る積層ポリエステルフィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】一般にポリエステル、特にポリエチレン
テレフタレートはその優れた力学特性、化学特性を有す
るためフィルム、繊維などに広く用いられ、フィルムで
は磁気記録材料、包装材料、電気絶縁材料など多くの用
途の基材フィルムとして使用されている。これらの用途
は高精度化、小型軽量化が進み、これに付随してベース
フィルムに対する品質要求も厳しくなっている。例えば
磁気記録媒体用フィルムにおいては高密度磁気記録化が
進み、磁気層を塗布する塗布型磁気テープからメタルテ
ープ、更にはベースフィルム上に強磁性金属薄膜を形成
する、強磁性金属薄膜磁気記録媒体がその量を拡大しつ
つある。高密度磁気記録媒体においては、電磁変換特性
の観点から表面状態が出来る限り平坦であることが好ま
しいが、反面、フィルムの巻き取り、巻き出しといった
ハンドリングの観点からは、フィルム表面が平坦である
とフィルム相互の滑り性が悪く、ブロッキング現象が発
生し、製品にし難いため、フィルム表面に適度な粗さが
あることが要求される。この両者の二律背反する性質を
同時に満足する必要がある。
【0003】この問題を解決するため特公昭62−30
105号公報には微細粒子と水溶性樹脂及びシランカッ
プリング剤を用いてフィルム用の塗布液とし、この塗布
液を塗布することのより微小突起をフィルム表面に形成
することが提案されている。また特開平2−84445
号公報では架橋高分子粒子(真球度1.5以下)を含有
する水溶性あるいは水分散性樹脂を主成分とした塗布液
を用い、被膜層を設けた積層ポリエステルフィルムが提
案されている。
【0004】塗布液中に含有させる粒子としては、一般
的に合成で得られた粒子は天然の粒子に比べ粒度分布が
狭く、また形状が球状のものはフィルム化した際にシャ
ープな突起形状となり、均一性が高く、走行性にも優れ
たフィルムを得ることが出来る。ところが従来の球状粒
子はその製造工程において、微量の球状粗大粒子が生成
及び/または混入する場合があり、この球状粗大粒子が
塗布液中に入ると、例えば塗布液をフィルムに塗布し被
膜を形成した場合、フィルム表面に粗大突起を形成し磁
気記録媒体とした場合にはドロップアウトの原因となっ
ていた。特にこのことは近年の高密度磁気記録媒体用途
においては重大な欠陥となっていた。球状粗大粒子の混
入は高突起となるため、極めて微量でもフィルムへの影
響が大きい問題があった。この問題は単層フィルムの磁
気層面側のみに止まらず、共押出し法にて作成した走行
面側に突起を付与する場合にも発生し、粗大突起の存在
は裏写り(転写)により平坦面側へ悪影響を及ぼしてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記、実
情に鑑み、問題がフィルムに被膜を形成するための、塗
布液に含有させる粉体中の極めて微量の球状粗大粒子に
起因することをつきとめ、球状粗大粒子数を特定値量以
下にすることにより、上記の問題を解決できることを見
出した。すなわち球状粗大粒子の極めて少ない塗布液及
びそれを塗布してなる積層ポリエステルフィルムを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は平均粒径0.0
1〜3μmの範囲の球状不活性粒子を含有し、かつ水溶
性および/または水分散性樹脂も同時に含有する塗布液
であり、該球状不活性粒子の平均粒径の5倍以上の粒径
を有する、球状粗大粒子の存在確率が該球状不活性粒子
数に対し5/100万以下であることを特徴とする塗布
液である。
【0007】また本発明はこの塗布液を基材上に塗布、
乾燥することにより被膜層を形成してなる積層体であ
る。
【0008】本発明の水溶性および/または水分散性樹
脂としては、基材との親和性のよい熱硬化性樹脂、熱可
塑性樹脂などから選ばれたものであって、例えばニカ
ワ、カイゼンなどの天然高分子、アルキッド樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹
脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹
脂、アクリル樹脂、アクリル−ポリエステル樹脂等を挙
げることが出来る。これらの樹脂は単一重合体でも共重
合体でもよく、また混合体でもよい。なかでも基材ポリ
エステルフィルムとの密着性の点で水溶性および/また
は水分散性を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂お
よびアクリル−ポリエステル樹脂が好ましい。
【0009】前記アクリル樹脂は、例えばアクリル酸エ
ステル(アルコール残基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、
シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニル
エチル基等を例示できる);メタクリル酸エステル(ア
ルコール残基は上記と同じ);2−ヒドロキシエチルア
クリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート等の如きヒドロキシ合有モノマ
ー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメ
タクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチ
ロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキ
シメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリ
ルアミド、N−フェニルアクリルアミド等の如きアミド
基含有モノマー;N,N−ジエチルアミノエチルアクリ
レート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート
等の如きアミノ基含有モノマー;グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエー
テル等の如きエポキシ基含有モノマー;スチレンスルホ
ン酸、ビニルスルホン酸、及びそれらの塩(例えばナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等の如きス
ルホン酸基又はその塩を含有するモノマー:クロトン
酸、イタコン酸、アクリル酸、マレイン酸、フマール
酸、及びそれらの塩(例えばナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩等)等の如きカルボキシル基又はそ
の塩を含有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸等の無水物を含有する。モノマー;その他ビニルイ
ソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニ
ルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリ
スアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステ
ル、アルキルフマール酸モノエステル、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエス
テル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニル等の単
量体の組合せからつくられたものであるが、アクリル酸
誘導体、メタクリル酸誘導体の如き(メタ)アクリル単
量体の成分が50モル%以上含まれているものが好まし
く、特にメタクリル酸メチルの成分を含有しているもの
が好ましい。
【0010】かかるアクリル樹脂は分子内の官能基て自
己架橋することができるし、メラミン樹脂やエポキシ化
合物等の架橋剤を用いて架橋することもできる。
【0011】また前記ポリエステル樹脂を構成する酸成
分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸、コハク酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2
−カリウムスルホテレフタル酸、トリメリット酸、トリ
メシン酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、p−ヒ
ドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩等の
多価カルボン酸を例示しうる。また、ヒドロキシ化合物
成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p
−キシリレングリコール、ビスフェノールAのエチレン
オキシド付加物、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレンオキシドグリコール、ポリテ
トラメチレンオキシドグリーコール、ジメチロールプロ
ピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジメ
チロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプ
ロピオン酸カリウム等の多価ヒドロキシ化合物を例示し
うる。これらの化合物から常法によってポリエステル樹
脂をつくることができる。水性塗液をつくる場合には、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分又はカルボン酸
塩基を含有するポリエステル樹脂を用いるのが好まし
い。かかるポリエステル樹脂は分子内に官能基を有する
自己架橋型とすることができるし、メラミン樹脂、キポ
キシ樹脂のような硬化剤を用いて架橋することもでき
る。
【0012】更にまた、前記アクリル−ポリエステル樹
脂はアクリル変性ポリエステル樹脂とポリエステル変性
アクリル樹脂とを包含する意味で用いており、アクリル
樹脂成分とポリエステル樹脂成分とが互いに結合したも
のであって、例えばグラフトタイプ、ブロックタイプ等
を包含する。アクリル−ポリエステル樹脂は、例えばポ
リエステル樹脂の側鎖にラジカル開始剤を付加してアク
リル単量体の重合を行わせたり、ポリエステル樹脂の側
鎖にラジカル開始剤を付けてアクリル単量体の重合を行
わせたり、あるいはアクリル樹脂の側鎖に水酸基を付
け、末端にイソシアネート基やカルボキシル基を有する
ポリエステルと反応させてくし形ポリマーとする等によ
って製造することができる。
【0013】本発明における塗布液に含有させる球状不
活性粒子としては、通常、塗布液に添加され得る公知の
ものであれば制限はないが、例えば無機粒子では酸化珪
素、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化ジルコニウム、
酸化アルミニウム、硫酸バリウム等が挙げられ、有機高
分子粒子では架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂、シリ
コーンゴム、メラミン/ホルムアルデヒド共重合体、ベ
ンゾグアナミン、熱硬化性エポキシ、架橋ポリエステ
ル、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、架橋ビニル
系重合体、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリ
レート共重合体、メチルメタクリレート共重合架橋体、
ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオラ
イド、ポリアクロニトリルなどを構成成分とする有機高
分子粒子が挙げられる。
【0014】これらのなかでも被膜化後に削れにくいこ
とより有機高分子粒子が好ましく、耐熱性及び易滑性、
平滑性を満足する点で球状シリコーン樹脂、球状架橋ポ
リスチレン樹脂、球状架橋ビニル系重合体、球状架橋ス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい。
【0015】前出の有機高分子粒子は製造法、構造、表
面処理等において、本発明の範囲の球状粒子を得られる
ものであれば制限はなく、例えば乳化重合、ソープフリ
ー乳化重合、シード乳化重合、懸濁重合、分散重合、2
段階膨張重合法等を挙げることが出来き、構造では有機
異種ポリマーの複合粒子(コア/シェル型)及び無機/
有機の複合粒子(有機粒子の表面を無機化合物で被
覆、金属または金属結合を一部、粒子構造に担持
等)、中空粒子等も含まれ、表面処理ではシランカップ
リング、チタネートカップリング処理等を行っても構わ
ない。本発明においてはこれらの球状不活性粒子を1種
または2種以上用いることが出来る。
【0016】本発明における球状不活性粒子の形状は粒
径比(長径/短径の比)が1.5以下、更に好ましくは
1.2以下であるものが良く、フィルムに被膜を形成し
た際に耐摩耗性、易滑性が良好となるので好ましい。
【0017】球状不活性粒子の平均粒径は0.01〜3
μmの範囲であることが必要である。好ましくは0.0
2〜1μm、更に好ましくは0.02〜0.5μmであ
る。この平均粒径が3μmを超えるとフィルムに被膜を
形成した際に耐削れ性が不良となるし、また0.01μ
m以下では易滑性が悪化したり、磁気テープとした場合
の走行耐久性が不十分となり好ましくない。
【0018】更に球状不活性粒子の粒径の下記式で示さ
れる相対標準偏差は0.5以下が好ましく、更に好まし
くは0.3以下である。この相対標準偏差が0.5より
大きいと、フィルムにした際の突起均一性が不十分とな
り好ましくない。
【0019】
【数1】
【0020】本発明における球状不活性粒子は、その平
均粒径の5倍以上の粒径を有する球状粗大粒子の存在確
率が、該球状不活性粒子数に対して5/100万以下
(個数単位)が必要であり、好ましくは5/1000万
以下である。この値が5/100万より多いとフィルム
に被膜を形成した際に、球状粗大粒子を起因とする高突
起が多く生じることにより、例えば該フィルムをベース
とした磁気記録媒体の場合、ドロップアウトが発生しや
すくなり好ましくない。
【0021】球状粗大粒子の存在確率は、球状不活性粒
子を含む塗布液を水などの溶媒で分散希釈した後、該球
状不活性粒子の平均粒径の5倍及び/又は5倍以下の公
称目開きを有する直孔性メンブレンフィルターで濾過
し、フィルター上に残留する該球状不活性粒子の平均粒
径の5倍以上の粒径を有する球状粒子(球状粗大粒子と
同意)数と濾過に使用した該球状不活性粒子数の比率で
求める。球状粗大粒子とは、例えば形態としては単一球
状体及び微少粒子の造粒/集合球状体等を挙げることが
出来きる。また例えば粒径比(長径/短径の比)は1.
0〜1.3の範囲のものである。
【0022】本発明の評価に用いるフィルターは直孔性
メンブレンフィルターである必要がある。その他の多孔
質状、繊維状等のフィルターでは、フィルター表面での
ケーク発生及びまたは、球状粗大粒子がフィルター内部
に埋没する等の問題点が生じ好ましくない。
【0023】本発明においては本発明の効果を損なわな
い範囲で、球状形状以外の不活性粒子を含有しても構わ
ない。例えば(1)耐熱性ポリマー粒子(例えば、シリ
コーン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹脂、メ
ラミン−ホルムアルデヒド樹脂、芳香族ポリアミド樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋ポリ
エステル等からなる粒子)、(2)金属酸化物(例え
ば、三二酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ
素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム
等)、(3)金属の炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム等)、(4)金属の硫酸塩(例え
ば、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等)、(5)炭素
(例えば、カーボンブラック、グラファイト、ダイアモ
ンド等)、および(6)粘土鉱物(例えば、カオリン、
クレー、ベントナイト等)が好ましく挙げられる。これ
らのうち特に、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン
粒子、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂粒子、ポリアミ
ドイミド樹脂粒子、三二酸化アルミニウム(アルミ
ナ)、二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウ
ム、合成炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ダイアモンド
およびカオリンが好ましく、とりわけ、アルミナ、二酸
化チタン、二酸化ケイ素および炭酸カルシウムが好まし
い。
【0024】本発明における塗布液の媒体としては、特
に制限はなく公知の媒体が使用出来るが、被膜形成時の
安全性の観点より、水及び/又は水と有機溶媒の混合液
体が好ましい。該混合液体での有機溶媒としては後述の
水溶性および/または水分散性樹脂を溶解する有機溶媒
が好ましく、有機溶媒の含有量は塗布液全体に対して3
重量%以下、更に好ましくは1重量%以下が好ましい。
水溶性および/または水分散性樹脂を主成分とした塗布
液を調製する方法に、特に制限はなく一般的に公知の方
法を用いることが出来る。例えばポリエステル樹脂で
は、20℃で1リットルの水に対する溶解度が20g以
上でかつ沸点が100℃以下、または100℃以下で水
と共沸する親水性の有機溶媒に溶解する。この有機溶媒
としてはジオキサン、アセトン、テトラヒドロフラン、
メチルエチルケトン等を例示することが出来る。かかる
溶液には更に少量の界面活性剤を添加することが出来
る。該溶液に攪拌下好ましくは加温高速攪拌下で水を添
加し分散体とする。また攪拌下の水に前出の溶液を添加
する方法においても分散体とすることが出来る。得られ
た分散体から有機溶媒を分離、除去する。例えば常圧ま
たは減圧下で親水性の有機溶媒を除去すると目的の水分
散体塗布液が得られる。
【0025】該塗布液中の球状粗大粒子数を減少させる
方法としては、特に制限はないが分級、前段濾過(プレ
濾過)などの公知の調製方法が好ましい。これらの調製
は各々単独または複数回、及び/または各々の調製を複
合して繰り返し実施してもよく、後述する絶対濾過精度
を有するフィルターでの、塗布調製にいたる前調製とし
て実施することが好ましい。尚、球状不活性粒子は凝集
体及び不定形粒子を含んでいる場合があり、その際は分
散、解砕等の処理を併用したほうが好ましい。また水溶
性および/または水分散性樹脂を塗布液に加えると、塗
布液の粘度が高くなり濾過及び分散などの調製が難しく
なる場合がある。この際は球状不活性粒子を水のみで調
製し、その後、前述の該樹脂を溶解した有機溶媒を加え
る手法が好ましい。
【0026】絶対濾過精度を有するフィルターによる濾
過調製は、球状粗大粒子の除去に有効であり実施するこ
とが好ましく、特に球状不活性粒子の平均粒径以下のフ
ィルター目開きのフィルターを使用して濾過することが
好ましい。この処理は複数回繰り返すことが球状粗大粒
子低減で特に好ましい。(絶対濾過精度はグラスビーズ
通過試験及び/またはANSI B93,31−197
3に基づく試験法による)
【0027】塗布液中の固形分濃度(塗布液中の該樹脂
と該不活性粒子のトータル重量%)は40重量%以下の
範囲が好ましい。この固形分濃度が40重量%を超える
と、例えば水分散体の場合、水の中で樹脂の再凝集が起
こり易く塗布液の安定性が低下する。含有量の下限は特
に無いが、含有量が小さすぎるとフィルムに塗布した
際、乾燥に要する時間が長くなるため0.1重量%以上
が好ましい。
【0028】かくして得られた塗布液は、後述するポリ
エステルフィルムの片面又は両面に塗布し乾燥すること
により、フィルムに被膜を形成することができる。塗布
に際してアニオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤
等の界面活性剤を必要量添加して用いることが出来る。
有効な界面活性剤としては、ポリエステルの表面張力を
40dyne/cm以下に降下でき、ポリエステルフィルム
への濡れを促進するものであり、公知の多くの界面活性
剤を使用することが出来る。例えばポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グイセリン脂肪
酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキ
ルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、第4級ア
ンモニウムクロリド、アルキルアミン塩酸塩、ドデシル
ゲンゼンスルホン酸ソーダ塩等を挙げることが出来る。
【0029】本塗布液には必要に応じて帯電防止剤、充
填剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤、架橋剤、消泡剤、
酸化防止剤等を添加してもよい。
【0030】本発明における塗布液を用い被膜層を形成
する基材としては、通常、塗布により薄膜を形成しう
る、公知の基材を挙げることが出来る。例えば金属板、
プラスチック成形体、有機高分子シート、有機高分子フ
ィルム等を挙げることができ、なかでも磁気記録媒体の
基材となるポリエステルフィルムに好適に使用できる。
ポリエステルフィルムのポリエステルとしてはポリアル
キレンテレフタレート及び/またはポリアルキレンナフ
タレートが好ましく、特にポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、またはこれらに他の共重合成分を共
重合させたコポリマーからなるフィルムが挙げられる。
ポリエステルフィルムは未延伸フィルム、1軸延伸フィ
ルム、2軸延伸フィルムのいずれでもよいが、延伸フィ
ルムが好適であり、特に2軸延伸フィルムが好ましい。
フィルム厚みは2〜300μmが好ましく、4〜150
μmの範囲が更に好ましく、基材ベースとしての実用面
で取り扱い性に優れている。
【0031】フィルムに被膜形成した後の、被膜中にお
ける球状不活性粒子の濃度は0.1〜20重量%が好ま
しく、より好ましくは0.5〜10重量%の範囲にあ
る。球状不活性粒子の濃度が0.1重量%未満ではフィ
ルムの易滑性が不十分となり、20重量%以上では被膜
を形成した積層フィルムの耐摩耗性が悪化して好ましく
ない。
【0032】本発明の積層フィルムは被膜層の厚みが
0.001〜0.5μmの範囲において、球状不活性粒
子の平均粒径(A)と被膜層厚み(B)の比(A/B)
が1.2〜50が好ましく、更に好ましくは2.0〜4
0の範囲である。粒子径と膜厚の比が1.2未満では積
層フィルムの易滑性が悪化し好ましくない。また粒子径
と膜厚みの比が50以上では平滑性が悪化するばかり
か、被膜層の耐摩耗性が悪化して白粉が生じ易くなり好
ましくない。
【0033】フィルムの製造方法としては例えば、前出
の未延伸フィルムを一軸方向(縦方向または横方向)に
[Tg−10]〜[Tg+60]℃の温度(但し、T
g:ポリエステルのガラス転移点温度)で2.5倍以
上、好ましくは3倍以上の倍率で延伸し、次いで上記延
伸方向と直角方向にTg〜[Tg+70]℃の温度で
2.5倍以上、好ましくは3倍以上の倍率で延伸させる
のが好ましい。更に必要に応じて縦方向およびまたは横
方向に再度延伸してもよい。このようにして全延伸倍率
は面積延伸倍率として9倍以上が好ましく、12〜35
倍が更に好ましく、15〜30倍が特に好ましい。さら
にまた2軸延伸フィルムは[Tg+70]〜[Tm−1
0]℃の温度(但し、Tm:ポリエステルの融点)で熱
固定することができ、例えば180〜250℃の温度で
熱固定することが好ましい。熱固定時間は1〜60秒が
好ましい。
【0034】本発明の塗布液をポリエステルフィルムに
塗布する工程は任意に選定しうるが、未延伸フィルムま
たは1軸延伸フィルムに塗布液を塗布した後、加熱乾燥
してからさらに延伸して2軸延伸積層フィルムとする
か、2軸延伸フィルムに塗布し乾燥するのが好ましい。
これらのうち1軸延伸フィルムに塗布し、次いで加熱乾
燥し延伸して2軸延伸積層フィルムとすることが好まし
い。
【0035】塗布方法は特に限定されないが、例えばキ
ッスコート法、リバースコート法、グラビアコート法、
ダイコート法、スプレイコート法、メルトコーティング
法、メタリングバーコート法など公知の方法を用いて塗
布することが出来る
【0036】
【実施例】以下の実施例にて本発明を詳述する。尚、本
発明における種々の物性値及び特性は、以下の如くして
測定されたものであり、かつ定義される。
【0037】(1)球状不活性粒子の平均粒径 粉体からの場合 粉体を分散媒に分散させ、島津製作所製SACP−4L
型セントフュグル パーティクル サイズ アナライザ
ー(Centrifugal Particle Size Analyzer)を用いて
平均粒径を求める。
【0038】フィルムに被膜化した後の粒子の場合 試料フィルム小片を走査型電子顕微鏡用資料台に固定
し、日本電子(株)製スパッターリング装置(JFC−
1100形イオンエッチング装置)を用いて、フィルム
表面にイオンエッチング処理を施した。更に同装置にて
フィルム表面に金スパッターを施した後、走査型電子顕
微鏡にて5000〜30000倍で観察し、日本レギュ
レーター(株)製ルーゼックス500で少なくとも10
0個の粒子の画像処理を行ない平均粒径を求める。
【0039】(2)球状不活性粒子中の球状粗大粒子の
存在確率 粉体からの場合 球状不活性粒子0.1〜2gを精秤し水またはエタノー
ル等の分散媒に分散し、該粒子の平均粒径の5倍及び/
または5倍以下の公称目開きを有する、直孔性メンブレ
ンフィルター(野村マイクロサイエンス製及び/または
東洋アドバンテック製)を用い濾過を行う。濾過が終了
した時点でさらにエタノールでフィルター表面を洗浄濾
過する。濾過後、フィルターを乾燥しフィルターに金ス
パッターを施し、走査型電子顕微鏡にて500〜300
00倍で観察し、フィルター上に残留する該粒子の平均
粒径の5倍以上の粒径を有する球状粒子のみをカウント
する。濾過に使用した該粒子の粉体重量を該粒子の平均
粒径および密度より個数換算して、下記式より存在確率
を求める。 存在確率=フィルター上の残留球状粒子数*1/濾過に使
用した全粒子個数 *1:球状不活性粒子の平均粒径の5倍以上の粒子数
【0040】フィルムに被膜化した後の粒子の場合 フィルム表面の被膜を溶剤(例えばメチルエチルケト
ン)で溶解し、球状不活性粒子を濾過及び/または遠心
分離で採取する。採取された該粒子を溶剤で十分に洗浄
した後、精秤する。次に分散媒に分散させ、それ以降は
前述の手法と同様にして存在確率を求める。
【0041】(3)球状不活性粒子及び球状粗大粒子の
粒径比 前述の(1)、(2)で得られた該粒子を、走査型電子
顕微鏡にて500〜30000倍で観察し、最大径と最
小径の比で表わす。
【0042】(4)積層フィルムでの被膜層の厚み及び
フィルム全体の厚み フィルム全体の厚みは、マイクロメーターにてランダム
に10点測定し、その平均値を用いる。被膜層の厚みは
積層フィルムの小片をエポキシ樹脂にて固定し、ミクロ
トームにて約60nmの厚みの超薄切片(フィルムの流
れ方向に平行に切断する)を作成し、この試料を透過型
電子顕微鏡(日立製作所製、H−800型)にて観察
し、層の境界面より層厚みを求める。尚、測定はランダ
ムに抽出した50点の測定点の平均値とした。
【0043】(5)球状不活性粒子と被膜層厚みの比 前述(1)の平均粒径(A)と前述(4)の被膜層厚み
(B)より、比(A/B)を求める。
【0044】(6)フィルムでのドロップアウト 磁気コーティングテープ(1/2インチ幅)を市販のド
ロップアウトカウンター(例えばシバソクVH01BZ
型)にて15μsec×16dBのドロップアウトをカ
ウントし、1分間のカウント数を算出する。 [ドロップアウトの判定] ◎:10個/分以下 ○:50個/分以下 ×:50個/分以上 今回の評価では○以上を合格とした。尚、磁気テープの
製造は次のとうり行なう。γ−Fe23 100部と下
記の組成物をボールミルで12時間混練分散させる。 ポリエステルウレタン 12部 塩化ビニル−酢酸ビニル− 無水カレイン酸共重合体 10部 α−アルミナ 5部 カーボンブラック 1部 酢酸ブチル 70部 メチルエチルケトン 35部 シクロヘキサン 100部 分散後さらに 脂肪酸:オレイン酸 1部 脂肪酸:バリミチン酸 1部 脂肪酸エステル(アミルステアレート)1部 を添加して、なお10〜30分間混練した。さらにトリ
イソシアネート化合物の25%酢酸エチル溶液7部を加
え、1時間高速剪断分散させて磁気塗布液を調製する。
得られた磁気塗布液を前述の被膜を形成した積層ポリエ
ステルフィルム上に、乾燥後の磁気層膜厚が2.5μm
となるように塗布する。次いで直流磁気場中で配向処理
した後、100℃で乾燥する。乾燥後、カレンダリング
処理を施して1/2インチ幅にスリットして磁気テープ
を得る。
【0045】(7)フィルムでの削れ性 図1に示した装置を用いて下記のようにして測定する。
図1中、1は巻出しリール、2はテンションコントロー
ラー、3,5,6,8,9及び11はフリーローラー、
4はテンション検出機(入口)、7は固定棒、10はテ
ンション検出機(出口)、12はガイドローラー、13
は巻取りリールをそれぞれ示す。温度20℃、湿度60
%の環境下で、幅1/2インチに裁断したフィルムを7
の固定棒に角度θ=60度で接触させて、毎分300m
の速さで、入口張力が50gとなるようにして200m
走行させる。走行後に固定棒7上に付着した削れ粉を評
価する。この時の固定棒としてSUS焼結板を円柱形に
曲げた表面仕上げが不十分な6φのテープガイド(表面
粗さRa=0.15μm)を用いた。 [削れ粉の判定] ◎:削れ粉が全く見られない ○:うっすらと削れ粉が見られる △:削れ粉の存在が一見して判る ×:削れ粉がひどく付着している
【0046】(8)フィルムの繰り返し走行性評価 図1に示した装置を用いて下記のようにして測定する。
温度20℃、湿度60%の環境下で、磁気テープの非磁
性面を7の固定棒に角度θ=(152/180)πラジ
アン(152°)で接触させて、毎分200cmの速さ
で移動(摩擦)させる。入口テンションT1が50gと
なるようテンションローラー2を調整した時の出口テン
ション(T2:g)をフィルムが50往復走行した後
に、出口テンション検出機で検出し、次式で走行摩擦係
数μkを算出する。 μk=(2.303/θ)log(T2/T1)=0.8
68log(T2/35) 走行摩擦係数(μk)が0.25以上であると、VTR
中で繰り返し走行させた場合、走行が不安定となるた
め、この値以上のものを走行耐久性不良と判定し、0.
25以下のものを走行耐久性良好とした。この時の固定
棒としてSUS焼結板を円柱形に曲げた表面仕上げが不
十分な6φのテープガイド(表面粗さRa=0.15μ
m)を用いた。
【0047】[実施例1] (1)塗布液の調製法 水溶性及び/又は水分散性樹脂として共重合ポリエステ
ル樹脂20部をテトラヒドロフラン80部に溶解させ、
得られた溶液を高速攪拌下で水180部を滴下して分散
液を得た。次にこの分散液を15〜25mmHgの減圧
下で蒸留しテトラヒドロフランを留去させ、固形分濃度
10重量%のポリエステル水分散液(A)を調製した。
別途、水97.4部に平均粒径0.18μmの球状シリ
コーン樹脂粒子(相対標準偏差=0.12)0.6部と
ノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル)2部を加えた混合液(B)を準備し、次
に前述のポリエステル水分散体(A)200部に混合液
(B)100部を加えて塗布液を調製した。次にこの塗
布液を目開き2μmのプリーツタイプフィルターで1回
プレ濾過処理を行ない、さらに絶対濾過精度目開き0.
5μmフィルターで濾過処理を5回繰り返し行なった。
【0048】(2)被膜積層ポリエステルフィルムの製
造 固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.62
のポリエチレンテレフタレートを溶融押出し、急冷して
厚み158μmの未延伸フィルムを得、次にこれを機械
軸方向(縦方向)に3.5倍延伸した後、前述の(1)
で調製した塗布液を1軸延伸フィルムの片面に塗布し
た。その後、105℃で3.9倍に横方向に延伸し、2
00℃×4.5秒間熱処理を施し、2軸延伸積層ポリエ
ステルフィルムを得た。このフィルムに塗布した塗布液
及びフィルムの特性値を表1及び表2に示す。
【0049】[実施例2]塗布液調製での絶対濾過精度
目開き0.5μmフィルターの濾過処理を1回に変更す
る以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。この
フィルムに塗布した塗布液及びフィルムの特性値を表1
及び表2に示す。
【0050】[実施例3]球状シリコーン樹脂粒子を平
均粒径0.03μmの球状アクリル共重合体粒子(相対
標準偏差=0.30)に変更し、次にこの塗布液を目開
き1μmのプリーツタイプフィルターで1回濾過処理を
行ない、さらに絶対濾過精度目開き0.1μmフィルタ
ーでの濾過処理変更する以外は、実施例1と同様にして
フィルムを得た。このフィルムに塗布した塗布液及びフ
ィルムの特性値を表1及び表2に示す。
【0051】[実施例4]水溶性及び/又は水分散性樹
脂として共重合ポリエステル樹脂を変更し、球状シリコ
ーン樹脂粒子の平均粒径を2.6μm(相対標準偏差=
0.11)に変更し、かつシリコーン樹脂粒子の添加量
を減少させた。次にこの塗布液を目開き15μmのプリ
ーツタイプフィルターで1回濾過処理を行ない、さらに
絶対濾過精度目開き10μmフィルターでの濾過処理変
更し、被膜厚みを厚くする以外は、実施例1と同様にし
てフィルムを得た。このフィルムに塗布した塗布液及び
フィルムの特性値を表1及び表2に示す。
【0052】[実施例5]塗布液調製で平均粒径0.1
5μmのθアルミナを0.5重量%更に加え、かつ、被
膜積層ポリエステルフィルムの製造において、基材とな
るポリエステルをポリエチレン−2,6−ナフタレート
に変更する以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得
た。このフィルムに塗布した塗布液及びフィルムの特性
値を表1及び表2に示す。
【0053】[実施例6]水溶性及び/又は水分散性樹
脂として共重合ポリエステル樹脂を変更し、球状シリコ
ーン樹脂粒子を平均粒径0.10μmの球状シリカ粒子
(相対標準偏差=0.10)に変更する以外は、実施例
1と同様にしてフィルムを得た。このフィルムに塗布し
た塗布液及びフィルムの特性値を表1及び表2に示す。
【0054】[実施例7]水溶性及び/又は水分散性樹
脂として共重合ポリエステル樹脂を変更し、球状シリコ
ーン樹脂粒子を平均粒径0.04μmの球状コアシェル
型粒子(相対標準偏差=0.30)に変更し、次にこの
塗布液を目開き1μmのプリーツタイプフィルターで1
回濾過処理を行ない、さらに絶対濾過精度目開き0.2
μmフィルターでの濾過処理変更する以外は、実施例1
と同様にしてフィルムを得た。このフィルムに塗布した
塗布液及びフィルムの特性値を表及び表2に示す。
【0055】[実施例8]水溶性及び/又は水分散性樹
脂として共重合ポリエステル樹脂を水分散性アクリル樹
脂に変更する以外は、実施例1と同様にしてフィルムを
得た。このフィルムに塗布した塗布液及びフィルムの特
性値を表1及び表2に示す。
【0056】[比較例1]塗布液調製での絶対濾過精度
目開き0.5μmフィルターの濾過処理を中止する以外
は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。このフィル
ムに塗布した塗布液及びフィルムの特性値を表1及び表
2に示す。
【0057】[比較例2]被膜中での球状シリコーン樹
脂粒子の含有量が0.05重量%になるように調整する
以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。このフ
ィルムに塗布した塗布液及びフィルムの特性値を表1及
び表2に示す。
【0058】[比較例3]被膜中での球状シリコーン樹
脂粒子の含有量が23重量%になるように調整する以外
は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。このフィル
ムに塗布した塗布液及びフィルムの特性値を表1及び表
2に示す。
【0059】[比較例4]被膜厚みを厚くし、球状不活
性粒子の平均粒径(A)と被膜層の厚み(B)の比(A
/B)が1となるように調整する以外は、実施例1と同
様にしてフィルムを得た。このフィルムに塗布した塗布
液及びフィルムの特性値を表1及び表2に示す。
【0060】[比較例5]被膜厚みを薄くし、球状不活
性粒子の平均粒径(A)と被膜層の厚み(B)の比(A
/B)が60となるように調整する以外は、実施例1と
同様にしてフィルムを得た。このフィルムに塗布した塗
布液及びフィルムの特性値を表1及び表2に示す。
【0061】[比較例6]球状シリコーン樹脂粒子を平
均粒径0.008μmの球状アクリル共重合体粒子(相
対標準偏差=0.30)に変更し、被膜厚みを薄くし、
球状不活性粒子の平均粒径(A)と被膜層の厚み(B)
の比(A/B)が1.6となるように調整する以外は、
実施例1と同様にしてフィルムを得た。このフィルムに
塗布した塗布液及びフィルムの特性値を表1及び表2に
示す。
【0062】[比較例7]水溶性及び/又は水分散性樹
脂として共重合ポリエステル樹脂を変更し、球状シリコ
ーン樹脂粒子の平均粒径を3.5μm(相対標準偏差=
0.11)に変更し、かつシリコーン樹脂粒子の添加量
を減少させた。次にこの塗布液を目開き15μmのプリ
ーツタイプフィルターで1回濾過処理を行ない、さらに
絶対濾過精度目開き10μmフィルターでの濾過処理変
更し、被膜厚みを厚くする以外は、実施例1と同様にし
てフィルムを得た。このフィルムに塗布した塗布液及び
フィルムの特性値を表1及び表2に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】表1、表2中の被膜層の樹脂種類は以下の
とおりである。 A:水分散性共重合ポリエステル((テレフタル酸/イ
ソフタル酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸//エ
チレングリコール/ビスフェノールAプロピオンオキサ
イド2モル付加体)=97/1/2//60/40モル
%) B:水分散性共重合ポリエステル((2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸/イソフタル酸/5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸//エチレングリコール/ビスフェノール
Aプロピオンオキサイド2モル付加体)=50/46/
4//70/30モル%) C:水分散性共重合ポリエステル(互応化学(株)製、
Z465) D:水分散性共重合ポリエステルA/メチルセルロース
(信越化学工業(株)製、SM−15)=5/2重量比 E:水分散性アクリル樹脂(メチルメタクリレート/エ
チルアクリレート=65/35モル%)
【0066】表1、表2中*1、*2は以下のとおりで
ある。 *1 被膜部:アクリル共重合体、核部:ビニルベンゼ
ン共重合体のコアシェル粒子 *2 球状不活性粒子の平均粒径(A)と被膜層の厚み
(B)の比(A/B) また、基材の樹脂とは以下の通りである。 PET:ポリエチンテレフタレート PEN:ポリエチレン−2,6−ナフタレート
【0067】
【発明の効果】表1及び表2を見て判るように、塗布液
中の球状粗大粒子の存在確率を特定の値以下し、その塗
布液を用いて被膜形成した積層体は、球状粗大粒子に起
因する弊害を未然に防止することが出来る。なかでも磁
気記録用ポリエステルフィルムでは、ドロップアウト、
削れ性、走行耐久性に優れたフィルムを得ることが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムの削れ性、繰り返し走行性の評価に用
いた装置の概略図である。
【符号の説明】
1 巻出しリール 2 テンションコントローラー 3,5,6,8,9,11 フリーローラー 4 テンション検出器(入口) 7 固定棒 10 テンション検出器(出口) 12 ガイドローラー 13 巻取りリール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小菅 雅彦 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内 Fターム(参考) 4F100 AA19 AA23 AA37 AK15 AK22 AK25B AK41B AK42A AK51 AL01 AL01B AT00A BA02 BA07 EH46 GB41 JB09B JB20B JG06 YY00B 4J038 CG141 DD001 DD071 HA156 KA06 KA20 MA08 MA09 MA10 MA14 PB03 PC08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径0.01〜3μmの範囲の球状
    不活性粒子を含有し、かつ水溶性および/または水分散
    性樹脂も同時に含有する塗布液であり、該球状不活性粒
    子の平均粒径の5倍以上の粒径を有する、球状粗大粒子
    の存在確率が該球状不活性粒子数に対し5/100万以
    下であることを特徴とする塗布液。
  2. 【請求項2】 水溶性および/または水分散性樹脂が、
    アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびアクリル−ポリ
    エステル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の
    樹脂であることを特徴とする請求項1記載の塗布液。
  3. 【請求項3】 塗布液の媒体が、水または水と有機溶媒
    の混合液体であることを特徴とする請求項1記載の塗布
    液。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の塗布液を用い、基材
    上に塗布、乾燥することにより被膜層を形成した積層
    体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の基材が、ポリエステルフ
    ィルムであり、ポリエステルがポリアルキレンテレフタ
    レート及び/またはポリアルキレンナフタレートである
    ことを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 被膜層中の球状不活性粒子の含有量が
    0.1〜20重量%の範囲にあり、かつ該球状不活性粒
    子の平均粒径(A)と該被膜層の厚み(B)の比(A/
    B)が1.2〜50の範囲にあることを特徴とする請求
    項5記載の積層ポリエステルフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113502096A (zh) * 2021-06-18 2021-10-15 佛山市顺德区博宜防腐涂料科技有限公司 一种自交联及烧结交联制备低成本彩色水性超耐高温涂料及其制备方法和使用方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113502096A (zh) * 2021-06-18 2021-10-15 佛山市顺德区博宜防腐涂料科技有限公司 一种自交联及烧结交联制备低成本彩色水性超耐高温涂料及其制备方法和使用方法
CN113502096B (zh) * 2021-06-18 2022-09-02 佛山市顺德区博宜防腐涂料科技有限公司 一种自交联及烧结交联制备低成本彩色水性超耐高温涂料及其制备方法和使用方法

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