JP2000211642A - イ―ジ―オ―プン缶蓋 - Google Patents

イ―ジ―オ―プン缶蓋

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JP2000211642A
JP2000211642A JP11016677A JP1667799A JP2000211642A JP 2000211642 A JP2000211642 A JP 2000211642A JP 11016677 A JP11016677 A JP 11016677A JP 1667799 A JP1667799 A JP 1667799A JP 2000211642 A JP2000211642 A JP 2000211642A
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tab
lid
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JP11016677A
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Yoshihiko Matsukawa
義彦 松川
Akira Yamamoto
山本  明
Yasutetsu Yamazaki
康哲 山崎
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Daiwa Can Co Ltd
Original Assignee
Daiwa Can Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現状の缶蓋天板やタブの形状のままで適用可
能で経済的に有利でありながら、タブの長さ等はそのま
まで開口面積の拡大にも容易に対応できる高い空振り防
止機能を持つイージーオープン缶蓋を提供すること。 【解決手段】 缶蓋天板1にスコア線2に囲まれて開口
片3が画成されており、缶蓋天板1に取り付けられたス
テイオン方式の缶蓋のタブ4の後端部を引き上げること
により、タブ4の先端部を開口片3の上面に当接させつ
つこの開口片3を下方へ押圧しスコア線2の初期破断部
を破断し、続いて残りのスコア線2を破断しつつ開口片
3を缶蓋天板1の内面側に押し下げて開口させる構成の
イージーオープン缶蓋において、開口片3内の開口時に
おけるタブ4の先端部4aとの接触領域に滑り止めとし
て抵抗を持たせるべくローレット成形によるローレット
溝による斜め格子溝8を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両端が隔置された
スコア線で囲まれた開口片の上に先端部を延出させた状
態で開口片の外側位置の缶蓋天板に固着したタブの後端
部を引き上げることにより、タブの先端部を開口片の上
面に強く押しつけて開口片を囲むスコア線を破断させ、
開口片を缶体内に押し込むステイオン方式のイージーオ
ープン缶蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のイージーオープン缶蓋において
は、開口時に「空振り」と呼ばれる現象の発生が課題と
してあった。即ち、開口片を囲むスコア線が完全に破断
して開口する前に、タブの先端部が滑り始め、部分的に
開いた開口片の一部(タブとの当接部)を曲げてしまう
だけであったり、部分的に破断した開口片からタブの先
端部が滑り、タブ固着部が破断してしまって缶蓋から外
れ、開口片がそれ以上破断不可能となるといった現象で
ある。
【0003】タブの持ち上げ(又は引き上げ)操作によ
り、開口片を画成しているスコア線を破断して缶蓋に開
口部を形成させるためには、後端部を持ち上げられたタ
ブと缶蓋天板面とがなす角度が略90度に達するまでの
間に、先ず、タブの先端部が支点でタブの固着部が作用
点となる第二種の梃子作用によりタブ固着部付近のスコ
ア線を破断し、次に、タブ先端部が作用点でタブの固着
部が支点となる第一種の梃子作用により残りのスコア線
を破断する様に、常にタブの先端部が開口片と接触し続
けることが必要となる。
【0004】缶蓋の開口部から、内容液をより注ぎ易く
し、より飲み易くする目的でより広い面積の開口部を形
成しようとする際に、タブの製造コスト上昇を避けるた
めに、元の大きさのタブを使用した場合には、「空振
り」の問題は更に発生しやすくなる。
【0005】これに対し、「空振り」防止を目的とする
イージーオープン缶蓋として、例えば、特開平6−56
153号公報(従来例1)と特開平8−26274号公
報(従来例2)に記載されているものが提案されてい
る。
【0006】上記従来例1には、開口片の略全体を上方
へ膨出させることで、開口片の曲げ強度を高めると共
に、タブの後端部を持ち上げるとタブの先端部が係合す
る係合段部を開口片に設け、応力分散の防止を図る技術
が記載され、一方、上記従来例2には、変形ハート型の
リベット部とし、開口時にタブ固着部とリベット部の首
部との密着性を高めた技術が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
な従来のイージーオープン缶蓋にあっては、何れの空振
り防止手段も、現状の缶蓋天板やタブの形状を変更しな
いで適用できるものではなく、缶蓋天板の形状変更やタ
ブの形状変更を要求されること及びタブ固着時の正確な
位置合わせが必要なため、設計変更や製造設備の変更、
生産速度が低くなる等経済的に劣る。
【0008】また、開口時にタブと開口片との滑りによ
り開口不良が生じる点に着目したものとして、係合段部
を形成することが提案されているが、この係合段部は開
口時にタブの押下げ部と確実に係合させないことには空
振り防止という目的を達成できず、製造工程におけるタ
ブの取り付け位置ズレ等により、不良品が出現する頻度
が高まるという問題がある。
【0009】本発明は、上記課題に着目してなされたも
ので、現状の缶蓋天板やタブ形状のままで適用可能で経
済的に有利でありながら、タブの長さ等はそのままで開
口面積の拡大にも容易に対応できる高い空振り防止機能
を持つイージーオープン缶蓋を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、缶蓋天板に両端が隔置されたスコア線に囲まれた開
口片が画成されており、先端部を該開口片の上に延出さ
せた状態で、該開口片の外側の該開口片に近接した位置
で該天板に固着されたタブを備えた缶蓋であって、該タ
ブの後端部を引き上げることにより、タブの該先端部を
該開口片の上面に当接させつつ該開口片を下方へ押圧し
て前記スコア線を破断し、該開口片を前記缶蓋天板の内
面側に押し下げて開口させる構成のイージーオープン缶
蓋において、前記開口片内の開口時におけるタブの前記
先端部との接触領域に滑り止めとして抵抗を持たせる凹
凸部を形成したことを特徴とする。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のイージーオープン缶蓋において、前記凹凸部がローレ
ット成形によるローレット溝であることを特徴とする。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
のイージーオープン缶蓋において、前記ローレット溝が
互いに交差する二方向に延びる溝から構成されているこ
とを特徴とする。
【0013】
【発明の作用および効果】請求項1に記載の発明では、
タブの滑り止めである凹凸部を、現状の缶蓋天板やタブ
の形状のままで開口片内に形成するだけで良く、缶蓋天
板の形状変更やタブの形状変更する場合に比べて、簡単
容易に適用できるだけでなく、経済的にも有利である。
【0014】また、開口時に、缶蓋天板に取り付けられ
ているタブの後端部を持ち上げることにより、タブの先
端部が開口片上面に当接させられ、この開口片を下方へ
押圧して梃子の支点となり、一方、タブ固着部が梃子の
作用点となって上方へ持ち上げられることにより、両者
の間にあるスコア線が破断し、その後、タブ固着部が梃
子の支点で、タブの先端部が梃子の作用点となって、残
りのスコア線を破断して行き、最後には、開口片を缶蓋
天板の内面側に押し下げて缶蓋の開口が完了する。
【0015】この開口時に、開口片内の開口時における
タブの先端部との接触領域に滑り止めとして抵抗を持た
せるための凹凸部が形成されていることで、タブの先端
部からの押圧力が確実にスコア線を破断させる剪断力と
して伝達され、タブの長さ等はそのままでも高い空振り
防止機能を持たせることができる。
【0016】また、例えば、飲料缶の缶蓋を開蓋操作す
る人が、タブの「空振り」現象が発生しやすい開蓋方
法、すなわち、タブを垂直方向に引き上げる開蓋方法を
採用しても、タブの先端部が凹凸部と接触してタブの押
圧力を確実に開口片に伝達するので、「空振り」現象の
発生を防止できる。
【0017】請求項2に記載の発明では、タブの滑り止
めである凹凸部が、ローレット成形によるローレット溝
により形成される。つまり、缶蓋天板の製造工程の途中
にローレット成形を付加するだけで、プレス型を変更し
たり、製造工程を増加させることなく凹凸部を形成でき
る。
【0018】請求項3に記載の発明では、凹凸部が交差
する二方向に延びるローレット成形された溝から形成さ
れているので、タブの先端部の滑り止め効果がより安定
する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0020】(実施の形態1)実施の形態1は請求項
1,2,3に記載の発明に対応する。まず、構成を説明
すると、図1は実施の形態1のイージーオープン缶蓋の
タブ無しの缶蓋天板を示す平面図、図2は実施の形態1
のイージーオープン缶蓋(タブ有り)を示す平面図、図
3は実施の形態1のイージーオープン缶蓋の斜め格子溝
を示す拡大図、図4は実施の形態1のイージーオープン
缶蓋の溝を示す拡大断面図である。
【0021】図1〜図4において、1は缶蓋天板、2は
スコア線、2aは初期破断部、2bは第1段階切り込み
部、2cは第2段階切り込み部、2dは第3段階切り込
み部、3は開口片、4はタブ、4aはタブの押圧用先端
部、4bはタブの固着部、4cは引き上げ部(又は持ち
上げ部)、5はタブ固着用リベット、6は開口片補強
部、7はヒンジ領域、8は斜め格子溝(凹凸部)であ
る。
【0022】前記缶蓋天板1は、図1に示すように、ス
コア線2(二重線で外側が切り込み量が大きく破断線と
なる)に囲まれて円形広口タイプの開口片3が画成され
ており、開口時に開口片3を缶蓋天板1に固着したまま
残すために、一部にスコア線2で囲まれていないヒンジ
領域7が設定されている。また、缶蓋天板1の中央部に
は、タブ4を開口片3に隣接した位置の缶蓋天板1に固
着するためのリベット部5が突出して形成されている。
開口片3にはエンボス加工により開口片補強部6が形成
されている。
【0023】前記タブ4は、図2に示すように、缶蓋天
板1のリベット5に対しかしめ固定により取り付けられ
ていて、開口片3側の押圧用先端部4aと、リベット5
により固着される固着部4bと、固着部4bを挟んで開
口片3とは反対側の引き上げ用後端部4cにより構成さ
れている。
【0024】前記斜め格子溝8は、開口片3内の開口時
におけるタブ4の先端部4aとの接触領域に滑り止めと
して抵抗を持たせるべくローレット成形によるローレッ
ト溝により形成されていて、図3に示すように、タブ4
の引き上げ方向に対し約45度の斜め方向の溝が互いに
交差する格子溝とされている。具体的には、先端部4a
の円弧に沿った円弧と直線とで囲まれた接触領域に形成
され、溝寸法は、溝幅0.17mm程度,溝深さ0.1
mm程度,隣接する溝間隔1mm程度のローレット溝で
ある。
【0025】次に、作用効果を説明する。 [製造時]タブ4の滑り止めである斜め格子溝8は、現
状の缶蓋天板やタブの形状のままで開口片内に形成する
ことができ、缶蓋天板の形状変更やタブの形状変更する
場合に比べ、現状の缶蓋に対し容易に適用できるし、経
済的にも有利である。すなわち、斜め格子溝8が、ロー
レット成形によるローレット溝により形成されるため、
缶蓋天板の製造工程の途中にローレット成形を付加する
だけで、プレス型を変更したり、製造工程を増加させる
ことなく斜め格子溝8を有するイージーオープン缶蓋と
することができる。 [開口時]開口時、缶蓋天板1に取り付けられたタブ4
の一端側の引き上げ用後端部4cを引き上げることによ
り、タブ4の他端側の押圧用先端部4aが開口片3の上
面に当接し、この開口片3に押圧力を加えるが、当接位
置がスコア線2の刻設位置から離れているので、先ず、
先端部4aを支点とし、タブの固着部4b(又はリベッ
ト5)を作用点とする第二種の梃子作用により、リベッ
ト5部分が持ち上げられ、一方、開口片3はタブの先端
部4aにより押圧力を受けていて持ち上がらないので、
両者の間に位置しているリベット5に近接しているスコ
ア線2の部分(初期破断部2a)が破断する。その後、
更にタブの後端部4cに引き上げ力を加えると、今度は
タブの固着部4bを支点とし、タブの先端部4aを作用
点とする第一種の梃子作用により、残りのスコア線に剪
断力が加わり、第1段階切り込み部2b→第2段階切り
込み部2c→第3段階切り込み部2dへと順々に破断し
て行く。この結果、開口片3がヒンジ領域7のみを残し
て缶蓋天板1の内面側に押し下げられて開口される。
【0026】この開口時、開口片3内の開口時における
タブ4の先端部4aとの接触領域に滑り止めとして抵抗
を持たせる斜め格子溝8が形成されていることで、タブ
4の先端部4aからの押圧力が確実にスコア線を破断さ
せる剪断力として伝達される。特に、タブ4の引き上げ
方向に対し斜め方向の溝が互いに交差する斜め格子溝8
とされていることにより、開口操作する消費者がタブ4
を正規の位置から少しくらい回転して操作したとして
も、タブの先端部4aは開口片3の表面の溝形成部と必
ず接触することになり、タブ4と開口片3表面との摩擦
抵抗が確実に発生するので、開口時に最も大きな力を必
要とする、初期破断部2aから外方へ広がるように湾曲
したスコア線領域(第1段階切り込み部2b)の破断に
際し、タブ4と開口片3との摩擦抵抗が大きくなり、タ
ブ4からの押圧力が開口片3に良く伝わる結果、より確
実な開口が可能となる。つまり、開口面積が拡大された
場合、開口片3の変形し易さや押圧力の入力方向との角
度関係により、タブ4からの剪断力が最も伝わり難く、
破断に最も大きな力を必要とする外方へ湾曲しているス
コア線の円弧部分(第1段階切り込み部2b)の破断時
にタブ4からの押圧力を開口片3に確実に伝えることが
できる。
【0027】よって、タブ4の長さ等は洋なし形の狭い
開口面積による開口片を持つものと同じものを用いて
も、図1及び図2に記載のように、円形の広口の開口面
積を持つ開口片3でも確実にスコア線2を破断すること
ができるという様に、開口片の拡大にも対応できる高い
空振り防止機能を持たせることができる。
【0028】(実施の形態2)まず、構成を説明する
と、図5は実施の形態2のイージーオープン缶蓋のタブ
無しの缶蓋天板を示す平面図、図6は実施の形態2のイ
ージーオープン缶蓋の第1井形格子溝を示す拡大図であ
る。
【0029】実施の形態2は、凹凸部として、タブ4の
引き上げ方向の溝と引き上げ方向に対し垂直方向の溝が
交差し、タブ4との接触抵抗の大きさに方向性を持つレ
ベルの溝間隔による第1井形格子溝9とした点で、実施
の形態1と相違する。この第1井形格子溝9は、図6に
示すように、先端部4aの円弧に沿った円弧と直線とで
囲まれた接触領域に形成され、溝寸法は、溝幅0.17
mm程度,溝深さ0.1mm程度,隣接する溝間隔0.
8mm程度のローレット溝である。尚、他の構成は実施
の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0030】次に、作用効果を説明する。
【0031】実施の形態2では、凹凸部がタブの引き上
げ方向の溝と引き上げ方向に対し垂直方向の溝が交差
し、タブとの接触抵抗の大きさに方向性を持つレベルの
溝間隔による第1井形格子溝9とされていることによ
り、開口時、特に、スコア線2の第1段階切り込み部2
bと第2段階切り込み部2cの破断に際し、タブ4と開
口片3との摩擦抵抗が大きくなり、より確実な開口操作
が可能となる。つまり、未だ破断した部分が少なくて開
口片3が下方へ変位し難く、しかも破断済みの部分から
外方へ向かって湾曲したスコア線形状であるために破断
するのに最も大きな力を必要とする第1段階切り込み部
2bを破断する際と、未だ破断した部分が少なくて開口
片が下方へ変位し易くなく、しかもスコア線2がタブ4
から離れる方向へ延びている第2段階切り込み部2cを
破断する際に、タブ4からの押圧力を開口片3に確実に
伝えてこれらのスコア線2領域の剪断力として有効に作
用させることができる。尚、他の作用効果については、
実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0032】(実施の形態3)まず、構成を説明する
と、図7は実施の形態3のイージーオープン缶蓋のタブ
無しの缶蓋天板を示す平面図、図8は実施の形態3のイ
ージーオープン缶蓋の第2井形格子溝を示す拡大図であ
る。
【0033】実施の形態3では、凹凸部として、タブ4
の引き上げ方向の溝と引き上げ方向に対し垂直方向の溝
が交差し、タブ4との接触抵抗の大きさに方向性を持た
ないレベルの狭い溝間隔による第2井形格子溝10とし
た点で、実施の形態2と相違する。この第2井形格子溝
10は、図8に示すように、先端部4aの円弧に沿った
円弧と直線とで囲まれた接触領域に形成され、溝寸法
は、溝幅0.17mm程度,溝深さ0.1mm程度,隣
接する溝間隔0.6mm程度のローレット溝である。
尚、他の構成は実施の形態1及び2と同様であるので説
明を省略する。
【0034】次に、作用効果を説明する。
【0035】実施の形態3では、凹凸部がタブ4の引き
上げ方向の溝と引き上げ方向に対し垂直方向の溝が交差
し、タブ4との接触抵抗の大きさに方向性を持たないレ
ベルの狭い溝間隔による第2井形格子溝10とされてい
ることにより、開口時、スコア線2の破断全領域におい
てタブ4と開口片3との高い接触抵抗が得られ、たと
え、消費者がタブ4をリベット5の周りに少し回した状
態で開口操作してしまった場合でも、的確にタブ4から
の押圧力が開口片3のスコア線2部分に伝達される。
【0036】(開蓋性確認試験)上記実施の形態1,
2,3はいずれも高い空振り防止効果が得られると述べ
たが、これを裏付けるため、開蓋性の比較試験を行なっ
た。尚、使用した缶蓋は、実施の形態1(実施例1)
と、実施の形態2(実施例2)と、実施の形態3(実施
例3)と、従来例との4種類であり、缶蓋の各部の形状
は、実施例1,2,3については、上述の通り、ローレ
ット溝の形状と寸法の相違のみであり、他の構成は同じ
である。また、従来例は、ローレット溝を持たない点の
みが実施例1,2,3と異なり、他の構成は同じであ
る。これらの缶蓋に使用した材料は、何れもアルミニウ
ム合金(A5052−H18)製の板材であり、その板
厚は0.23mmである。また、缶胴に巻締める前の缶
蓋の外径は、何れも57.6mmである。尚、今回使用
した缶蓋は、スリーピース缶用のため、缶胴に巻締めた
後に、缶胴及び缶蓋の内面側に内面塗装を施し、この内
面塗装を乾燥・焼き付けるために乾燥オーブン内を通過
させられることを想定して、試験前に、缶蓋を単体の状
態で評価する際に通常行っている加熱処理(180℃×
7分)を行った。先ず、缶蓋を各20枚ずつ用意し、各
10枚を、図9と図10に示す方法で、開蓋性確認試験
を行った。図9に示す試験方法は、通常の開蓋方法を想
定した試験であり、缶蓋を反時計回りに回転させて開蓋
を行うものである。先ず、タブの引き上げ用後端部が真
上になる様に、図示しない開蓋力測定装置に缶蓋をセッ
トする。次に、タブの引き上げ用後端部側の穴にプッシ
ュプルゲージに接続された鎖付きフックを引っ掛ける。
缶蓋を回転することにより、最初にスコア線が破断する
ときの荷重の最大値を読みとり、『ポップ値』とする
(プッシュプルゲージに表示される荷重を読みとる)。
その後に、更に缶蓋を回転させ、ヒンジの位置まで開口
する間の最大値を読みとり『ティア値』とする。各缶蓋
10枚を同様の方法で測定した平均値を下記の表1に記
載した。尚、平均値の後の括弧内の数字は、その最小値
と最大値を示す。また、図10に示す試験方法は、通常
よりも過酷な開蓋条件、即ち、器具等を使用してタブを
垂直方向へ引き上げるような開蓋方法を想定した試験で
あり、通常の開蓋に比べると「空振り」現象が発生し易
く、スコア線をヒンジ部となる最終位置迄破断させるこ
とが困難となることが多い開蓋方法である。即ち、タブ
を垂直方向に引き上げる方法の場合、タブを、タブ固着
部のリベット付近を中心に回転させて開蓋する通常の方
法に比べ、リベット部分及びタブ固着部が缶蓋天板から
離れる方向へ持ち上がる持ち上がり量が大きくなり、そ
の分だけタブの先端部が缶蓋天板内面側に入り込む量
(開蓋操作時に開口片を缶蓋天板内面側に押し込む変位
量として働く)が少なくなる(タブの後端部を缶蓋天板
面に対して同じ角度だけ引き上げた時の比較)。
【0037】従って、タブの後端部と缶蓋天板面とのな
す角度が90゜に達する迄に、スコア線をヒンジ部まで
破断させることが困難となる。尚、タブの「空振り」を
防止するには、タブの先端部とリベットとの距離を長く
することが有効であるが、そうするとタブ全体の長さを
長くしないと開蓋に大きな力が必要となり、実用的では
ない。
【0038】さて、図10に示す開蓋試験方法の手順
は、先ず、タブの引き上げ用後端部を上向きにし、図1
0に示すθ=20゜となる様に、缶蓋を図示しない傾斜
引張試験機にセットする。次に、タブの引き上げ用後端
部側の穴にプッシュプルゲージに接続された鎖付きフッ
クを引っ掛ける。その状態で缶蓋を水平移動させて、そ
の開蓋状態を確認する。尚、スコア線をヒンジ部まで破
断させることができなかった場合には、開蓋不良とし、
10枚当たりの不良枚数を表1に記載した。表1から明
らかなように、20゜引張開蓋試験において、従来例の
缶蓋が10枚全てスコア線の破断途中でタブの「空振
り」現象が発生して開蓋不良となったのに対し、本発明
の各実施例の缶蓋は、全てに良好に開口している。この
試験から、開口片内の開口時におけるタブ先端部との接
触領域にローレット溝のような凹凸部を形成することが
タブの「空振り」防止に高い効果があることが確認され
た。そして、表1から明らかなように、本発明の缶蓋の
開蓋に要する力は、従来例の缶蓋とほとんど同じである
から、凹凸部を形成したことによる不利益は殆どないと
言える。
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のイージーオープン缶蓋のタブ無
しの缶蓋天板を示す平面図である。
【図2】実施の形態1のイージーオープン缶蓋(タブ有
り)を示す平面図である。
【図3】実施の形態1のイージーオープン缶蓋の斜め格
子溝を示す拡大図である。
【図4】実施の形態1のイージーオープン缶蓋の溝を示
す拡大断面図である。
【図5】実施の形態2のイージーオープン缶蓋のタブ無
しの缶蓋天板を示す平面図である。
【図6】実施の形態2のイージーオープン缶蓋の第1井
形格子溝を示す拡大図である。
【図7】実施の形態3のイージーオープン缶蓋のタブ無
しの缶蓋天板を示す平面図である。
【図8】実施の形態3のイージーオープン缶蓋の第2井
形格子溝を示す拡大図である。
【図9】開蓋性確認試験でのポップとティアの説明図で
ある。
【図10】開蓋性確認試験状況を示す図である。
【符号の説明】
1 缶蓋天板 2 スコア線 2a 初期破断部 2b 第1段階切り込み部 2c 第2段階切り込み部 2d 第3段階切り込み部 3 開口片 4 タブ 4a 先端部 4b 固着部 4c 引き上げ部 5 リベット 6 開口片補強部 7 ヒンジ領域 8 斜め格子溝(凹凸部) 9 第1井形格子溝(凹凸部) 10 第2井形格子溝(凹凸部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E084 AB01 BA02 CA01 CB01 CB02 CB04 CB10 CC01 KB01 LA03 LB02 LB10 3E093 AA02 AA13 EE20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶蓋天板に両端が隔置されたスコア線に
    囲まれた開口片が画成されており、先端部を該開口片の
    上に延出させた状態で、該開口片の外側の該開口片に近
    接した位置で該天板に固着されたタブを備えた缶蓋であ
    って、該タブの後端部を引き上げることにより、タブの
    該先端部を該開口片上面に当接させつつ該開口片を下方
    へ押圧して前記スコア線を破断し、該開口片を前記天板
    の内面側に押し下げて開口させる構成のイージーオープ
    ン缶蓋において、 前記開口片内の開口時におけるタブの前記先端部との接
    触領域に滑り止めとして抵抗を持たせる凹凸部を形成し
    たことを特徴とするイージーオープン缶蓋。
  2. 【請求項2】 前記凹凸部がローレット成形によるロー
    レット溝であることを特徴とする請求項1に記載のイー
    ジーオープン缶蓋。
  3. 【請求項3】 前記ローレット溝が互いに交差する二方
    向に延びる溝から構成されていることを特徴とする請求
    項2に記載のイージーオープン缶蓋。
JP11016677A 1999-01-26 1999-01-26 イ―ジ―オ―プン缶蓋 Withdrawn JP2000211642A (ja)

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