JP2000210933A - 樹脂被覆繊維束及びその製造方法 - Google Patents

樹脂被覆繊維束及びその製造方法

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JP2000210933A
JP2000210933A JP1293599A JP1293599A JP2000210933A JP 2000210933 A JP2000210933 A JP 2000210933A JP 1293599 A JP1293599 A JP 1293599A JP 1293599 A JP1293599 A JP 1293599A JP 2000210933 A JP2000210933 A JP 2000210933A
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resin
thermoplastic resin
coated
reinforcing
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JP1293599A
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Kazuyuki Kobue
和志 小笛
Arata Kasai
新 河西
Mikiya Fujii
幹也 藤井
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Nitto Boseki Co Ltd
Original Assignee
Nitto Boseki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂被覆層と補強用繊維束との密着
性が高い熱可塑性樹脂被覆繊維束、及び表面平滑性、樹
脂被覆の安定性に優れ、単繊維の単離を効果的に防止で
きるチョップドストランドの提供。 【解決手段】 複数本の補強用繊維を集束してなる補強
用繊維束及び熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂被覆繊維
束において、熱可塑性樹脂を補強用繊維束の外部に密着
して存在させ、熱可塑性樹脂被覆繊維束の扁平比を1.
5〜55にし、補強用繊維束を熱可塑性樹脂被覆繊維束
全体の20〜70体積%とし、熱可塑性樹脂被覆繊維束
の空隙率を15〜50%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂被覆
繊維束及びその製造方法、並びにかかる樹脂被覆繊維束
を切断してなるチョップドストランドに関する。更に詳
しくは、樹脂被覆層と繊維束との密着性が高く、単繊維
の単離を効果的に防止することができ、また、直接射出
成形あるいは加熱プレス成形に使用でき、補強効果に優
れた樹脂被覆繊維束及びチョップドストランド、並びに
樹脂被覆繊維束の生産効率を飛躍的に向上させることが
できる樹脂被覆繊維束の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂をガラス繊維、炭素繊維等
で補強した射出成形法による成形品の原料としては、従
来、ペレット状の繊維補強熱可塑性樹脂組成物が用いら
れており、この繊維補強熱可塑性樹脂組成物には大別し
て2種類のものがある。なお、以下において、「ペレッ
ト」とは、繊維束を構成する補強用繊維の間に熱可塑性
樹脂を完全に含浸させたものを、「チョップドストラン
ド」とは、熱可塑性樹脂による被覆がなされていない繊
維束及び繊維束の外部に熱可塑性樹脂による被覆が施さ
れたものを意味する。
【0003】まず、第1の繊維補強熱可塑性樹脂組成物
は、補強繊維を3〜50mmに切断したチョップドスト
ランドと熱可塑性樹脂ペレット、着色用顔料、難燃剤、
充填剤などの混合物を、押出し機により加熱、溶融、混
練し、ノズルから押出し、冷却した後に切断した、補強
繊維の混入したペレットである。そして、そのペレット
は射出成形機に供給され成形品にされる。
【0004】しかし、この補強繊維の混入した熱可塑性
樹脂ペレットでは、押出し機で各種原料と混合しペレッ
ト化される工程で、チョップドストランドを構成するガ
ラス繊維が破壊され短くなり、射出成形機で成形すると
き更に破壊されガラス繊維本来の補強効果が発揮されな
いという欠点がある。また、補強用繊維に樹脂及び表面
処理剤を含む集束剤を1〜3重量%付与することによ
り、繊維束としているが、この集束剤中に含まれるウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂等の皮膜形成剤は繊維を束にす
るために必要なもので、補強繊維と樹脂の接着にはむし
ろ悪影響を及ぼす場合が多い。
【0005】特にスーパーエンプラと呼ばれ、成形温度
の高いポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、
ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等では、集
束剤が射出成形材中での加熱により分解し、ガス及び気
泡の発生や繊維表面に残存する集束剤分解物の影響で補
強効果が減少する等の問題がある。
【0006】次に、第2の繊維補強熱可塑性樹脂組成物
は、連続した補強繊維ストランドに熱可塑性樹脂を完全
含浸したものを切断することによって得られるペレット
で、そのまま射出成形機で成形したり、他の顔料、充填
材等の原料と混合した後射出成形するものである。この
直接射出成形用ペレットでは、押出し機によりペレット
にする工程がないので、繊維の破損が少なく強度の高い
製品を作ることができる。
【0007】しかしながら、熱可塑性樹脂を繊維束に完
全含浸させるタイプの直接射出成形用のペレットでは、
繊維ストランドの中央部にまで充分な量の熱可塑性樹脂
を均一に含浸させないと、樹脂含浸繊維束の切断、輸送
及び成形前各種原料の混合時に、繊維の抜け、ペレット
の割れ等が生じ易くなる。このことは、分離したガラス
繊維、樹脂片がチョップドストランドの流動性を妨げる
ことにつながり、成形機のホッパー中でのブリッジン
グ、スクリューへの樹脂の食い込み不良等の原因となっ
ている。更に、樹脂が含浸したペレット中における含浸
不良部分では、繊維の分散が悪く、成形品中に繊維が塊
として残ったり、気泡が残る等の問題もある。
【0008】上記問題点解消のために、樹脂の完全含浸
を促進させる方法が検討されてきた。具体的には、特開
平6−145509号公報のように繊維束を開繊した
り、特開平3−47714号公報のように樹脂の含浸圧
力を高くしたり、特開平8−90660号公報のように
ガラス繊維の表面に有機過酸化物を付着させその部分の
樹脂を低分子化させる等、種々の対策が考えられ提案さ
れている。しかしながら、十分な含浸状態を得るために
は依然として長時間の含浸が必要であり、現時点におけ
る含浸速度は早くてせいぜい50m/min程度(特開
平8−90660号公報)と、生産性の問題は未だ解決
されていない。
【0009】また、この第2の射出成形用ペレットにお
いては、補強繊維ストランドに熱可塑性樹脂を完全含浸
させた後冷却工程が必要となるが、生産効率・スペース
の点から、冷却効率の良い水冷バス内に完全含浸後のも
のを浸漬走行させる水冷の冷却方式が一般的である(特
開平6−506643号公報、特開平6−91645号
公報)。
【0010】しかしながら、この水冷の冷却方式では、
補強繊維ストランドに熱可塑性樹脂を完全含浸させたも
のの表面に存在する水分により、フィードスリップ等の
工程不良が起こり、表面水分のエアーパージ等の設備が
更に必要となる。また、吸湿性の大きい樹脂を用いる
と、製品の機械的特性(曲げ強度、引張り強度、衝撃強
度等)が悪くなり、また、その対策として乾燥工程が必
要となるという欠点がある。
【0011】一方、繊維ストランドを単に押し出し機に
より熱可塑性樹脂でコ−ティングした樹脂被覆糸(特公
平7−68654号公報)も従来より存在したが、この
樹脂被覆糸を切断したチョップドストランドは空隙率が
大きく、短く(例えば、6mm以下の長さに)切断した
ときに搬送及び原料混合工程で繊維の抜けが起こり、射
出成形機の原料ホッパ−、スクリュ−部分で詰まったり
して、直接射出成形材で使用することは出来なかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の繊維補強熱可塑性樹脂組成物及び樹脂被覆糸等の欠
点を除くためになされたものであって、その目的とする
ところは、樹脂被覆層と繊維束との密着性が高い熱可塑
性樹脂被覆繊維束を提供することである。
【0013】また他の目的は、上記樹脂層と繊維束との
密着性が高い熱可塑性樹脂被覆繊維束を用いることによ
り表面平滑性、樹脂被覆の安定性に優れ、且つ単繊維の
単離を効果的に防止することのできるチョップドストラ
ンドを提供することである。
【0014】また他の目的は、繊維束の断面形状を扁平
にし、且つ繊維束を構成する全ての繊維を熱可塑性樹脂
で含浸しないようにすることにより、射出成形における
補強繊維束の分散性を改良し、ペレットにすることなく
射出成形に直接使用可能となる射出成形用樹脂被覆チョ
ップドストランドを提供することである。
【0015】また他の目的は、補強用繊維束をまとめる
集束剤を減少或いは不要とすることであり、またこれに
よって集束剤の分解によるガス発生、強度低下を最小限
に抑えることができる射出成形用樹脂被覆チョップドス
トランドを提供することである。
【0016】また他の目的は、樹脂被覆チョップドスト
ランドをマット状に集積して、シート状に予備成形し、
加熱プレス成形することによりシート状複合材料を得る
ことである。
【0017】また他の目的は、繊維束を被覆する熱可塑
性樹脂が固化する前に冷却ロールのロール円周部分に面
接触させ、加圧密着すると共に冷却することにより、熱
可塑性樹脂を繊維束に密着させ、安定な樹脂被覆の形成
を可能にすることにある。
【0018】また他の目的は、熱可塑性樹脂を補強用繊
維束に完全に含浸させることなくチョップドストランド
を製造することによって、射出成形用樹脂被覆チョップ
ドストランドの生産速度の飛躍的な向上を図ることにあ
る。
【0019】更に他の目的は、現状のチョップドストラ
ンド製造工程における水冷方式と設備スペース的に変わ
らない乾式の冷却工程を設け、樹脂被覆繊維束を乾式で
加圧・冷却することにより、水分付着によって起きる不
具合を減少させ、樹脂被覆繊維束の生産性向上と品質向
上の両立を図ることである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、樹脂被覆
繊維束の断面形状について種々検討した結果、樹脂被覆
繊維束における熱可塑性樹脂被覆と繊維束との間及び繊
維束内部に存在する空隙を出来るだけ少なくし、繊維束
を密に集束させると、上記目的を達成できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0021】すなわち、本発明は、複数本の補強用繊維
を集束してなる補強用繊維束及び熱可塑性樹脂を含む熱
可塑性樹脂被覆繊維束において、熱可塑性樹脂が補強用
繊維束の外部に密着して存在し、熱可塑性樹脂被覆繊維
束の扁平比が1.5〜55であり、補強用繊維束は熱可
塑性樹脂被覆繊維束全体の20〜70体積%であり、熱
可塑性樹脂被覆繊維束の空隙率が15〜50%であるこ
とを特徴とするものである。
【0022】ここで、前記熱可塑性樹脂は、補強用繊維
束の外表面上に層状に存在するか、又は補強用繊維束の
外表面上に層状に存在するとともに補強用繊維束外周部
に含浸して存在することが好ましく、後者の場合には熱
可塑性樹脂で含浸される繊維本数が補強用繊維束を構成
する全繊維本数の10%未満であることが好ましい。
【0023】また、本発明は、前記熱可塑性樹脂被覆繊
維束を切断してなるチョップドストランド、及びかかる
チョップドストランドを含むシート状複合材料に関す
る。
【0024】更に本発明における熱可塑性樹脂被覆繊維
束の製造方法は、熱可塑性樹脂が可塑性を有する温度に
おいて、複数本の補強用繊維を集束してなる補強用繊維
束に熱可塑性樹脂を被覆し、次いで熱可塑性樹脂により
被覆された補強用繊維束を該熱可塑性樹脂が固化する前
に冷却ロールのロール円周部分に面接触させ、加圧密着
すると共に冷却することを特徴とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性樹脂被覆繊維束
の形態は、熱可塑性樹脂が補強用繊維束の外部に密着し
て存在するというものである。そして、熱可塑性樹脂
は、補強用繊維束の外表面上に層状に存在する場合(以
下、「樹脂被覆型」と略記する場合もある)と、補強用
繊維束の外表面上に層状に存在するとともに、熱可塑性
樹脂で含浸される繊維本数が補強用繊維束を構成する全
繊維本数の10%未満、好ましくは5%未満、更に好ま
しくは2%未満となるように繊維束外周部に含浸して存
在する場合(以下、「一部含浸型」と略記する場合もあ
る)とがある。
【0026】上記樹脂被覆型の樹脂被覆繊維束と一部含
浸型の樹脂被覆繊維束とでは物性上ほとんど差はない
が、10%以上の繊維に樹脂が含浸した場合には、樹脂
含浸繊維束が固くなるので、切断が難しくなり、切断時
に樹脂被覆繊維束の割れ、補強繊維の抜けが起き易く、
使用するときホッパーから出にくくなりやすい。また、
最外層の樹脂の厚さにむらができたり、柔軟性のある樹
脂層が薄くなり、取扱い中あるいは射出成形時にチョッ
プドストランドの割れが生じ、補強繊維が飛散するとい
う問題も生じる。
【0027】本発明における樹脂含浸量の測定は、被覆
繊維束の断面において被覆樹脂と単繊維の接触状態を顕
微鏡写真により観察し、単繊維周囲の3/4以上が熱可
塑性樹脂に接したものについて含浸したと判定し、その
本数を数え全体の本数と比較した。
【0028】補強用繊維束に熱可塑性樹脂を被覆する方
法としては、熱可塑性樹脂が補強用繊維束の外表面上に
層状に存在する樹脂被覆型の樹脂被覆繊維束の場合に
は、特開平8−336879号公報に記載した方法を用
いることができる。この方法は、単数あるいは複数の連
続繊維束を通すガイド孔を通した繊維束とガイド孔を囲
む熱可塑性樹脂吐出ノズルからでた樹脂により被覆する
ものである。
【0029】また、熱可塑性樹脂が補強用繊維束の外表
面上に層状に存在するとともに補強用繊維束外周部に含
浸して存在する一部含浸型の樹脂被覆繊維束の場合に
は、樹脂被覆繊維の巻き取りの力を増加させて、冷却ロ
ール表面へ密着する圧力を増やす方法、生産速度を遅く
し冷却ロールとプレスロールで押さえる方法、ノズル中
に繊維束と樹脂が接触する部分を設け加圧できるように
した特開平3−47714号公報に開示された方法等の
方法により被覆することができる。
【0030】本発明の熱可塑性樹脂被覆繊維束は、上述
のように熱可塑性樹脂が補強用繊維束の外部に密着して
存在することによって、熱可塑性樹脂被覆と繊維束との
間及び繊維束内部に存在する空隙を出来る限りなくした
形状となっており、以下に示す特定の扁平比、繊維束割
合及び空隙率を有している。
【0031】すなわち、本発明の熱可塑性樹脂被覆繊維
束の扁平比は、1.5〜55、好ましくは2〜55、よ
り好ましくは3〜30、最も好ましくは5〜20であ
る。なお、扁平比は図1に示すように樹脂被覆繊維束の
幅(A)と厚さ(B)との比、すなわち扁平比=A/
B、により求められ、幅及び厚さはノギス、マイクロメ
ータ等によって測定することが出来る。扁平比が1.5
以下の場合には、繊維の層が厚いので、成形時に樹脂の
含浸、樹脂との混合が不充分となり易く、一方、55以
上の場合には、樹脂被覆チョップドストランドが嵩高と
なり、射出成形機の原料ポッパーでの流れが悪くなる等
の問題が生じる。また、繊維束の幅の上限は15mm程
度であり、厚さの下限は0.1mm程度である。なお、
図1の熱可塑性樹脂被覆繊維束断面は、あくまで寸法の
採り方を説明するために模式的に示されたものであっ
て、本発明の特性を示すものではない。
【0032】また、本発明において用いられる補強用繊
維束の量、すなわち繊維束割合は、熱可塑性樹脂被覆繊
維束全体に対して20〜70体積%で、好ましくは、3
0〜65体積%、更に好ましくは40〜65体積%であ
る。20体積%未満では、樹脂が多すぎて補強効果が小
さく、本発明の樹脂被覆繊維束のような熱可塑性樹脂被
覆と繊維束との間及び繊維束内部に存在する空隙を出来
る限りなくした形状にして使用する意味がない。また7
0体積%を越えると、熱可塑性樹脂による被覆が充分で
はなく被覆量及び厚さが不足するため、繊維束を密に集
束させることが出来ず、また切断時あるいは使用時まで
の取り扱いにより樹脂被覆が破損し繊維が外部に分散す
るという問題が生じる。
【0033】更に、本発明の熱可塑性樹脂被覆繊維束
は、その空隙率が15〜50%、好ましくは20〜40
%である。なお、本発明においては、熱可塑性樹脂被覆
繊維束断面積のうち樹脂部分(図1における黒色部分)
及び補強用繊維部分を除いた空間(図1における灰色部
分)を、以下の式により空隙率(%)として表してい
る。
【0034】空隙率=(C−D)×100/C ここで、Cは樹脂被覆層内面で囲まれる面積のことであ
り、種々の公知の方法で測定することが可能である。例
えば、樹脂被覆繊維束断面の顕微鏡写真(400倍程
度)をコンピュータ画像処理により求める方法、この電
子顕微鏡写真における樹脂被覆層の内側をハサミで切り
抜き重量を計ってその面積に換算する方法、電子顕微鏡
写真における樹脂被覆層の内側に細かい正方形のメッシ
ュを記入してその数を数える方法等がある。また、Dは
繊維断面を合計した面積を表し、種々の方法、例えばC
と同様な方法で求めることが可能であるが、(樹脂被覆
繊維束における繊維の平均繊維径から求めた1本の繊維
断面積)×(繊維の本数)という計算から求めても良
い。
【0035】熱可塑性樹脂被覆と繊維束との間及び繊維
束内部に存在する空隙を出来る限りなくした樹脂被覆繊
維束にするという観点からすると、空隙率の値は小さい
ほど良いのであるが、実際15%以下のものを作製する
ことは困難である。一方、空隙率が50%以上では、熱
可塑性樹脂被覆繊維束における集束化が充分とならず、
樹脂被覆繊維束の切断時又は切断することで得られたチ
ョップドストランドにおいて補強繊維が抜けやすくな
る。また、空隙率が50%以上では空気の含有量が多く
なるため、かかる樹脂被覆繊維束を積層したマットは量
は嵩高になり、加熱、溶融、加圧、成形の各工程におい
て気泡の抜けが悪く、成形時間が長くなったり、外観の
不良等の問題が生じる。
【0036】本発明の補強用繊維束に使用できる補強用
繊維には、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アルミナ
繊維等の無機繊維や、アラミド繊維、ポリエステル繊維
等の有機繊維が挙げられ、この中でもガラス繊維、炭素
繊維、アラミド繊維が好ましい例として挙げられる。そ
して、その形態は、連続繊維を単に集めたストランドあ
るいはトウ、あるいは撚を加えたヤーンであっても良い
が、扁平な形状にするためには撚り数が0.3回/25
mm以下のものが好ましく、より好ましくは連続繊維を
多数平行に引き揃えた無撚の繊維束であるロービングの
形態のものである。また、成形品に要求される特性等に
より、種類の異なる繊維を組合わせることも可能であ
る。
【0037】また、補強用繊維の直径、集束本数も、使
用目的、使用樹脂等に応じ、経験、実験等の手段により
適宜決定されるが、補強用繊維束の各繊維(フィラメン
ト)の径については、現在使用されている補強用繊維の
使用上の経験から、好ましくは3〜25μm、より好ま
しくは5〜19μmであり、また、フィラメント数につ
いては、好ましくは50〜20,000本、より好まし
くは100〜12,000本である。本数が少ないと、
切断したチョップなどが嵩高になり使用しにくくなるば
かりでなく、生産効率が悪く、コストの上昇は避けられ
ない。また、本数が20,000本以上になると、外部
の熱可塑性樹脂の繊維束を締め付ける力が不足し単繊維
の抜けが起きやすくなる。
【0038】次に、本発明に用いられる熱可塑性樹脂に
ついても、補強用繊維を配合して射出成形できるもので
あれば特に制限はない。例示すれば、セルロース系、ポ
リエチレン系、ビニル系、ナイロン系、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のビニル系重合体、
ポリスチレン等のスチレン系重合体、スチレンーブタジ
エンーアクリロニトリル共重合体等のジエン系重合体、
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン1
2、等の脂肪族ナイロン、脂肪族ナイロンとテレフタル
酸等の重合体である芳香族ポリアミド、各種共重合ポリ
アミド、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系重合
体、ポリカーポネート、ポリアセタール、ポリスルフォ
ン、ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンオ
キサイド、ポリサルフォン、ポリプチレンテレフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジエチレンテレフタレート等の
ポリエステル及びそれらの重合体、液晶ポリマー、ポリ
フェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルアミド、ポリエ
ーテルイミド等のエンジニアリングプラスチック等が挙
げられる。また、これらの樹脂の混合物、アロイ、各種
の変性した樹脂も含まれる。非常に脆い樹脂でないかぎ
り使用可能である。
【0039】更に、これらの樹脂には、使用目的に応じ
て各種特性を改良するため、帯電防止剤、滑剤、顔料、
難燃剤、耐候性向上剤、無機充填剤等公知の添加剤を配
合することも可能である。
【0040】本発明の熱可塑性樹脂被覆繊維束は、適当
な長さに切断することでチョップドストランドとして用
いることが出来る。その製造方法としては、ガラス繊維
ロービングを切断する種々の形式のロータリーカッター
を用いる等の周知の方法を採用することが出来る。本発
明のチョップドストランドは、そのまますぐに射出成形
に用いることができるが、必要に応じ、加熱乾燥した後
直ちに射出成形したり、樹脂や公知の顔料、難燃剤など
各種添加剤、充填材と混合した後、射出成形することも
できる。
【0041】また、チョップドストランドの長手方向の
長さは、使用目的、使用樹脂等に応じ、経験、実験等の
手段により適宜決定されるが、3〜50mm、好ましく
は6〜12mmである。また本発明のチョップドストラ
ンドは、扁平比が1.5〜55であり、空隙率が15か
ら50%であって、熱可塑性樹脂被覆と繊維束との間及
び繊維束内部に存在する空隙が少ない形状となっている
ので、短く(例えば、6mm以下)切断しても繊維が抜
けにくい。
【0042】本発明のチョップドストランドは、射出成
形、加熱プレス成形等といった方法により、強度の優れ
た射出成形品や安全靴芯先のような耐衝撃性、耐荷重性
に優れた加熱プレス成形品の製造に用いられる。また、
本発明のチョップドストランドを集積してマット状にし
たものを加熱加圧プレスにより成形してシート状複合材
料にする場合には、チョップドストランド中に含まれる
空気の量が少ないため脱泡に要する時間が短くなり、複
合材料成形における成形サイクルの短縮が可能となる。
なお、このような成形の際に用いられる予備成形シート
は、特開平10−16103号等に公開されている方法
により製造することができる。
【0043】本発明の熱可塑性樹脂被覆繊維束は、補強
用繊維束の外部に熱可塑性樹脂を密着して存在させるこ
とによって、その空隙率を15〜50%にしたので、熱
可塑性樹脂被覆と補強用繊維束とが密着し、且つ繊維束
を構成する繊維同士が密に集束した状態になっている。
そのため、繊維束を構成する全ての繊維を樹脂で含浸被
覆しなくとも、繊維の切断、抜け、割れ等を防止するこ
とができ、ペレットにすることなく射出成形・加熱プレ
ス成形に直接使用することができる。
【0044】また、本発明の熱可塑性樹脂繊維束は、繊
維束を構成する全ての繊維を熱可塑性樹脂で含浸し固め
ておらず、補強用繊維束の外部に熱可塑性樹脂を密着し
て存在させただけであるので、弱い剪断力で繊維束を分
散させることが出来る。
【0045】また、本発明の熱可塑性樹脂被覆繊維束
は、扁平比が1.5〜55であるため熱可塑性樹脂被覆
と補強用繊維束との位置が近い。そのため、射出成形に
おける熱可塑性樹脂中での補強繊維の分散がよい。
【0046】更に、本発明によれば、補強用繊維束は外
周を熱可塑性樹脂により密着した状態で被覆されるた
め、繊維束自体に強い集束力は持たせる必要が無く、繊
維束に集束剤を使用しない、または集束剤の使用量を取
扱い作業上必要な最小限の量に抑えることが出来る。そ
の結果、使用する集束剤の補強用繊維に対する付着量を
1.0重量%以下、好ましくは0.4重量%以下、更に
好ましくは0.1重量%以下、また集束剤を0重量%と
し表面処理剤のみを補強用繊維束に付着させることもで
き、集束剤の悪影響を最小に抑えることができる。
【0047】なお、表面処理剤とは、樹脂との接着性を
向上させるために補強繊維の表面に付与するものであ
り、通常は集束剤中に配合され付与されるものである。
本発明で使用する表面処理剤の種類としては、用いる補
強用繊維の種類により違いがある。例えば、ガラス繊維
を用いた場合には、シラン系、チタネート系、アルミニ
ュウム系、クロム系、ジルコニウム系、ボラン系カップ
リング剤等が挙げられるが、特にシラン系カップリング
剤が好適である。
【0048】集束剤による悪影響としては、まず、集束
剤中にはエポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹
脂、アクリル樹脂などの皮膜形成剤と呼ばれる成分が接
着剤として配合されており、また、水に分散させるため
の界面活性剤も含まれているため、熱可塑性マトリック
ス樹脂と補強繊維表面との接着性の改良に悪影響を及ぼ
すことが挙げられる。よって、繊維束の取扱い性にさえ
問題なければ、除いた方が良い結果となる場合が多い成
分である。
【0049】また、公知の方法で射出成形用ペレットを
製造するときは、集束剤の付着量がチョップドストラン
ドに対して3重量%以上になると押出し機中で繊維の分
散が悪くなり、成形品の強度、外観に問題が起こり易く
なる。特に、成形温度の高いエンジニアリングプラスチ
ックについては、上述のように、集束剤中の成分が高温
のため分解し、ガスが発生し成形物中に気泡が入り強度
低下、外観不良を起こしたり、原料の送りが安定せず成
形不能の状態になりやすい。一方、この問題を避けるた
め集束剤の量を少なくすると、押し出し機の原料ホッパ
ーからスクリューにより原料を高温の溶融混合する部分
に送り込むときチョップドストランドの温度が上昇する
ため集束が弱くなり、ホッパー下部で割れ、単繊維の分
離が起こり流動性が悪くなるため原料供給が不安定にな
り、分離した単繊維がポッパー下部に毛玉となって溜ま
ると供給が止まるなどの2律背反の問題が生じる。
【0050】これに対し、本発明によれば、0.1重量
%以下の集束剤しか付着していない樹脂被覆チョップド
ストランドを使用できるので、成形温度の高いエンジニ
アリング樹脂を用いたとしても、ガスの発生を最低限に
抑えることができ、また、強化繊維表面とマトリックス
樹脂の結合をも改善することが出来る。
【0051】次に、上記した被覆方法により得られた樹
脂被覆型又は一部含浸型の樹脂被覆繊維束を通常のよう
に直ちに水冷する場合(図3参照)、冷却前の樹脂被覆
繊維束には、樹脂被覆と補強用繊維束とが密着している
部分や樹脂被覆と補強用繊維束との間に空気が多い部分
が混在し、樹脂被覆繊維束の冷却時において部分的な冷
却速度の違いが生じる。そのため、被覆樹脂の収縮速度
も部分的に相違し、樹脂被覆繊維束の表面が波打ち、凸
凹が多くなり、外部樹脂被覆層が繊維束をしっかり抑え
て抜けないようにする作用が小さい。また繊維束自体も
密に集束するよう外部から締め付ける力を加えられてい
ないので、繊維束中にも空間が多い。
【0052】一方、本発明においては、熱可塑性樹脂が
被覆された補強用繊維束を、熱可塑性樹脂が冷却固化す
る前に乾式冷却可能な冷却ロールを用いて処理すること
を特徴とする。このため樹脂層の片面は繊維束に密着し
ながら固まるので、樹脂層が密着する面の形状に近い安
定した形状になる。その結果、周囲を樹脂層で囲まれた
繊維束はしっかり固定され短く切断しても中の繊維が抜
けるようなことはない。本発明の方法で製造した樹脂被
覆繊維束断面図の電子顕微鏡写真(SEM写真)を図6
に、従来の水冷方法で製造した樹脂被覆繊維束断面図の
電子顕微鏡写真(SEM写真)を図7に示す。
【0053】ここで更に、扁平な樹脂被覆繊維束の製造
工程の一例を図2及び図4を用いて詳細に説明する。ま
ず補強用繊維束を巻いたボビン5から繊維束を、望まし
くは解舒撚りが掛からないように引き出し、必要が有れ
ば集束力を弱める処理、例えば、多数の小径ロール群9
に接しながら屈曲するなどの処理を施し繊維束を扁平に
する場合もある。次いで、この扁平繊維束を樹脂被覆装
置のコーティングダイス3の中心部にある繊維束走行部
10を通して引き出すと同時に、押出し機1により溶融
した熱可塑性樹脂2をコーティングダイス3の内周壁と
芯金4の外周壁との隙間を通じ繊維束走行部10の出口
側端から押し出し、扁平繊維束の周囲を溶融熱可塑性樹
脂で覆う。なお、コーティングダイス3の中心部にある
繊維束走行部10の断面形状は、扁平な繊維束が必要な
ときは繊維本数と扁平比に応じ扁平に、円形の繊維束が
必要なときは円形にすることが望ましい。
【0054】樹脂被覆した繊維束を引き出し、第一冷却
ロール8aと脱気、密着度向上及び表面平滑性向上のた
めに必要に応じて設けられる押さえロール8cとの間を
通し、ロール8aの表面に面接触状態で密着させながら
冷却し、加圧・冷却条件の下、引き出し速度、被覆樹脂
量等に応じて、冷却ロールに密着している時間を調節し
ながら、冷却ロールに密着した部分を固化させる。次
に、反対側のまだ固化していない状態の被覆樹脂も、第
二冷却ロール8bの表面に面接触状態で密着させ固化さ
せた後、巻き取り機により巻き取るか、直ちにカッター
で切断することにより樹脂被覆繊維束チョップドストラ
ンドとする。冷却ロールに樹脂被覆繊維束を密着させる
力は、繊維束を引っ張ることによって発生し、通常は冷
却ロールに設けたブレーキにより巻き取り機にかかるト
ルクを調整することにより変化させることが可能であ
る。冷却ロールの位置は、樹脂被覆層が繊維束に密着す
るよう、被覆した熱可塑性樹脂の固化が進んでいない樹
脂被覆装置の出口に近く設けることが望ましい。
【0055】このように、本発明の製造方法において
は、被覆する熱可塑性樹脂が可塑性を有する間に、冷却
ロール面において補強用繊維束と面接触状態で密着した
まま冷却し固化するので、樹脂被覆繊維束はロール表面
の形状で冷却固化される。そのため本発明の樹脂被覆繊
維束においては、少なくとも冷却口−ル面に接していた
面は滑らかで、波打ち、細かい凹凸もほとんどない状態
で固化することになる。更に、繊維束内部の空気は急冷
により体積が収縮し、また溶融樹脂層も温度低下により
収縮し、そしてまた繊維束自体も冷却ロール表面により
圧着されるため、繊維間の隙間が少なくなる。その結
果、被覆樹脂層の内部空間が減少するので、繊維束内部
の空気は、繊維束の移動方向とは逆方向、すなわち繊維
走行部10の方向へと追い出される。したがって、本発
明の製造方法によると、表面が平滑で且つ繊維束内部に
存在する空気量の少ない(空隙の少ない)樹脂被覆繊維
束が得られることになり、かかる樹脂被覆繊維束を切断
したチョップドストランドについても、繊維の単離を防
止することが可能になる。
【0056】本発明の冷却ロールによる処理について、
更に具体的に説明すると、ベアリングにより回転自在の
状態にしたロール内部に冷却水を循環させ、巻き取りの
ための引張る力による加圧下で、熱可塑性樹脂が被覆し
た補強用繊維束をそのロール円周部分の表面に面接触さ
せ冷却することにより、可塑化した熱可塑性樹脂被覆の
繊維束への密着と冷却固化とを行う。この冷却ロールと
しては、例えば図5に示すような構造のロールを挙げる
ことができ、パイプ14から入った冷却水は、冷却ロー
ル中央部に流出し、ロール外周部の内側に温まった水を
パイプ15により排出するので冷却効果を高く保つこと
ができる。なお、この工程において懸念されるロール表
面への樹脂付着や大気中水分の結露による樹脂被覆繊維
束の濡れについては、フッ素系樹脂による表面処理、拭
き取り装置等で対応することができる。また水冷の冷却
ロールは、自由回転でなく、被覆繊維束の製造速度に合
わせた駆動装置を有するものでも良い。
【0057】冷却ロール表面に被覆補強繊維が面接触
し、ロールと同じ速度で移動しながら接触面から可塑化
した熱硬化性樹脂が順次冷却され、固化していく。その
ようにして片面を冷却したのち、さらに他の面を第二の
冷却ロールに圧着しながら冷却する。生産速度が遅い場
合、或いは樹脂被覆の密着度があまり問題にならない場
合は第一のロールのみでも良いが、生産速度を上げ、し
かも繊維束に樹脂被覆をより密着させるには、第二、第
三の冷却ロールを順次通過させる形式で樹脂被覆補強繊
維束の両面を圧着し、冷却することが望ましい。
【0058】被覆補強繊維がロール表面に接触する距離
あるいは時間は被覆する樹脂の種類や生産速度により変
化するが、冷却ロールと樹脂被覆繊維束との接触時間に
より冷却効果が決まるので、生産速度を速くしたい場合
には、それに比例して表面の接触時間を増やすか、冷却
ロールの直径を大きくする必要がある。例えば、冷却ロ
ール外周の1/3〜3/4程度接触させることが好まし
い。しかしながらいずれにしても、従来の対向する一対
の冷却ロールに挟んでその間を通すものより接触時間は
大幅に大きくなる。
【0059】ロール表面としては、幅広の平面のもの、
或いは円弧の一部に相当する凸型或いは凹型の溝を設け
たものなどが挙げられるが、製品の断面が正方形の繊維
束、円形状のヤーン等のような平面形状以外のものにす
るときは、正方形、円の一部を有する溝を設け、そこで
形を決めるなど適宜対応する事が出来る。
【0060】なお、含浸装置から出た繊維ストランド中
の樹脂が可塑性を持っている間に少なくとも一対のロー
ルの間を通過させ、繊維ストランドを偏平にする方法
が、例えば特開昭59−62114号公報に開示されて
いる。
【0061】しかしながら、このような方法では、樹脂
含浸した繊維ストランドは線接触に近い状態で相対する
ロールに押さえられているのであり、ロールが接触加圧
している極めて短い時間の間に冷却固化が起こらなけれ
ば、熱可塑性樹脂と繊維束との強固な密着状態及び繊維
束の集束化は達成されない。更に詳しくいえば、ロール
で加圧される前に固化していれば加圧冷却の効果は少な
く、ロールでの冷却が不十分で固化しないままロールの
間を通過する場合には、繊維束の反発によりロールで押
した形状より膨れたものとなる。また相対するロールを
多数ならべてその間を通したとしても、一対のロール毎
に加圧されている時間は短く、単に圧縮と解放とが繰り
返されるだけであり、十分な密着性は得られない。また
生産量を上げるため通過速度を早くすれば、ロールで加
圧、冷却される接触時間が短く、ロール表面と樹脂の間
の熱伝導による冷却が不十分となり、繊維束が反発して
隙間ができ、繊維束を密に集束させることはできない。
したがって、この様な条件の下で高速処理をすることに
よりコンパクトな形状の熱可塑性樹脂被覆繊維束を製造
することは非常に難しい。
【0062】
【実施例】以下実施例により、本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によりなんら限定される
ものではない。
【0063】<実施例1>補強用繊維束として、紡糸工
程で集束剤を固形分で1.0重量%付着させ、巻き取っ
たダイレクトロービングと呼ばれる完全に無撚りのガラ
ス繊維束(繊維径13μm、集束本数6,400本)を
用いた。このガラス繊維束を解舒撚りが掛からないよ
う、巻き取ったボビンの外表面から巻方向と同じ横方向
に引き出し、実質的に無撚りの状態のガラス繊維束を、
図2に示すように開繊ロール9を介して、コーティング
ダイス3の中心部に設けられた繊維束走行部10に供給
した。なお、繊維束走行部10の出口側の断面形状は、
直径4mmの円形であった。そして、コーティングダイ
ス3の内周壁と芯金4の外周壁との隙間を通じ繊維束走
行部10の出口側端より押出される溶融ポリアミド樹脂
(東レ製;アミランCM1017)により、繊維束走行
部10の出口から出てくるガラス繊維束の周囲を被覆し
て、樹脂被覆型の熱可塑性樹脂被覆繊維束を得た。この
時、樹脂と繊維の比率は引き出し速度を400m/mi
nとし、ガラス繊維の占める割合が射出成形品中で31
体積%(50重量%)になるよう被覆した。
【0064】次に、被覆装置における樹脂被覆繊維束の
出口側端から下方約0.5mの位置に設けた冷却ロール
表面に、上記の樹脂被覆ガラス繊維束を図2の様に冷却
ロール8aに約3/4周、冷却ロール8bに約1/2周
密着させ、張力をかけながら巻き取って、繊維束の断面
形状を扁平にすると共に、被覆樹脂層とガラス繊維束を
密着させ冷却した。用いた冷却ロールは、それぞれ直径
300mm及び直径280mm、幅50mmのものであ
り、また冷却水量は2リットル/minであり、それぞ
れ自由回転し、フッ素樹脂加工が施された平らな表面を
有するロールであった。得られた樹脂被覆繊維束は幅7
mm、厚み0.8mm、扁平比が8.75、空隙率3
4.0%で、被覆樹脂の繊維への含浸はほとんどなく、
表面に密着しているだけであった。被覆樹脂の繊維束へ
の密着状態は目視で確認し、また、扁平比及び空隙率の
測定は以下の通りに行った。
【0065】扁平比の測定方法(以下の例も同様の測定
方法) 扁平比は、樹脂被覆繊維束の幅A及び厚さBのぞれぞれ
をノギスにより測定し、その比A/Bを計算することに
より求めた。空隙率の測定方法(以下の例も同様の測定方法) 空隙率は、上記したように(C−D)×100/C
〔C;樹脂層内側の面積、D;繊維の占める面積〕から
求めた。ここで、樹脂層内側の面積Cは、樹脂被覆繊維
束をその樹脂層が変形しないようにしながらエポキシ樹
脂で含浸・硬化し、その硬化したものを薄く切断し、走
査型電子顕微鏡で断面の400倍の顕微鏡写真を撮影
し、コンピュータ画像処理を行うことによって求めた。
また、繊維の占める面積Dは、(繊維の平均直径から求
めた1本の繊維断面積)×(本数)により算出した。
【0066】偏平で密着性を向上させた樹脂被覆ガラス
繊維束をロービングカッターで6mmに切断し、扁平の
チョップドストランド(繊維強化組成物)とした。次い
で、押し出し機によりペレットにすることなく、また乾
燥することもなく、射出成形機を用いて270℃の成形
温度で140×140×2mmの物性測定用平板を作製
した。射出成形中異常は見られなかった。また、平板の
表面を目視により観察し、試験片表面に表れた気泡、繊
維の塊を観察したところ、何ら問題はなかった。更に、
この6mmのチョップドストランドを用いてタンブリン
グ試験をしたが、チョップの割れ、単繊維の抜け(分
離)、毛玉の発生はなかった。なお、タンブリング試験
方法としては、ポリプロピレン樹脂ぺレット500gと
試験する樹脂被覆チョップドストランド500gとを混
合しタンブラー中で15分間混合した後の、ペレットの
割れ、繊維の抜け、毛球の発生等を観察して評価した。
【0067】<実施例2>繊維径13μm、集束本数6
400本のガラス繊維束に、集束剤として、水とPH調
整剤とシランカップリング剤からなる表面処理剤溶液を
用い固形分で0.05重量%付与し、乾燥させたものを
繊維束として使用し、冷却ロールにブレーキをかけて回
転しにくくして、被覆繊維束を引っ張る力を増した他
は、実施例1と同様の方法に従った。被覆樹脂はPEE
K樹脂(ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ビクトレッ
クス・ジャパン(株)製、450G)を、成形品中のガ
ラス繊維の含有量が体積含有率で18%となるよう被覆
して、被覆樹脂の含浸が約2%、扁平比9.3、空隙率
30.6%の樹脂被覆ガラス繊維束を得た。
【0068】次いで、この樹脂被覆繊維束をロービング
カッターで6mmに切断した。得られたチョップドスト
ランドを、直ちにシリンダー温度330℃の射出成形機
により成形し、140×140×2mmの物性測定用平
板を作製した。射出成形中異常は認められなかった。ま
た、得られた平板の繊維の分散もよく、気泡、ガラス繊
維の固まりなどは見られなかった。曲げ強度は2530
kgf/cm2であった。
【0069】<比較例1>溶融樹脂被覆繊維束の冷却方
法を、本発明の冷却ロールを用いる方法から図3に示す
従来の水冷方法とし、被覆繊維束の表面に付着した水分
をエアパージノズルにより除去した他は実施例1と同様
にして、ポリアミド樹脂(東レ製;アミランCM101
7)が被覆した繊維束を製造した。空隙率は78.5%
であった。次いで、この樹脂被覆ガラス繊維束を6mm
に切断し、直接射出成形機に投入し実施例1同様140
×140×2mmの物性測定用平板を成形したが、樹脂
の吸湿があるため、試験体表面に細かい気泡による膨れ
が見られた。また実施例1と同様の条件でタンブリング
試験を行った結果、ガラス繊維中の単繊維の抜けだし、
毛玉の発生が観察された。
【0070】<比較例2>実施例2において、使用する
ガラス繊維に耐熱性に優れたエポキシ系の皮膜形成剤と
シラン系カップリング剤を含むガラス繊維用集束剤を固
形分で0.7重量%(シランカップリング剤はガラス繊
維に対して0.05重量%)付着させたものを使用した
他は、実施例2と同様にして樹脂被覆繊維束を作製し
た。次いで、この樹脂被覆繊維束をカッターで6mmに
切断し、シリンダー温度330℃の条件で140×14
0×2mmの物性測定用平板の射出成形を試みたが、発
生するガスが多く成形が順調に行われなかった。そのた
め、別の排気装置付きの射出成形機により上記同一条件
で成形したが、ガスが完全には抜け切らなくて、成形し
た板の面に気泡が見られた。得られた平板の曲げ強度は
2350kgf/cm2であった。また、実施例1と同
様の条件でチョップドストランドのタンブリング試験し
たところ、単繊維の抜け、毛玉の発生が多く見られた。
【0071】<実施例3>ガラス繊維束(540te
x、13μm×1600本)にナイロン樹脂を被覆し、
ガラス繊維束の割合が45体積%、樹脂含浸率7%、扁
平比10、空隙率29.0%の樹脂含浸被覆繊維束を実
施例1の冷却ロールを用い作製した。これを平均繊維長
20mmに切断して短糸とし、その750gを加熱した
プレス金型(400×400mm深さ30mm)に手で
均一になるよう且つランダムに散布してマット状に堆積
したものを3枚重ね、成形温度270℃、成形圧力10
kgf/cm2、加熱加圧時間10分の条件で予備成形
し、厚さ3mmのシート状複合材料とした。得られたシ
ート材料を400℃の遠赤外ヒーターで3分間加熱し、
120℃に設定した半径50mm,成形物厚さ2mmの
凹凸金型に挿入し半球を成形した。目視したところ、予
備成形の段階で1mm以上の目立つ大きい気泡は無く外
観上の問題はなかった。成形品の外観も同様であった。
【0072】<実施例4>補強用繊維束として扁平比1
2.6(巾6.3mm、厚さ0.5mm)の楕円形状に
集束された炭素繊維束(フィラメント径8μm、フィラ
メント数12000本、番手800tex)を選定し
た。この炭素繊維束が巻き取られているボビンを回転可
能となるよう図2に示すように引き出し部17へセット
し、解舒撚りを掛けぬよう外側から巻方向と同じ横方向
に引き出した。繊維束走行部10の出口形状を長方形の
それぞれの両端に半円形がつながった断面形状(幅12
mm、高さ3mm)にした以外は、実施例1と同様にし
て樹脂被覆繊維束を作製した。得られた樹脂被覆繊維束
は、炭素繊維量が40体積%(50重量%)で、被覆樹
脂の含浸がほとんどない、巾6.0mm、厚さ0.87
mm、扁平比8.9、空隙率32.1%の樹脂被覆強化
繊維束であった。
【0073】樹脂被覆繊維束を20mmに切断し、実施
例3と同様に予備成形してシート材料とした。シート材
料の表面及び切断面を観察したが、気泡、含浸不良など
の問題はなかった。
【0074】<比較例3>冷却を水冷にした以外は実施
例3と同様にして、空隙率70%の樹脂被覆繊維束を作
製し、予備成形シートとし、半球を成形した。かさ比重
が小さいためプレス前厚さが厚く成形プレスに3枚入れ
ることが出来なくて2枚重ねて成形した。予備成形した
シートには、400×400mmの面積中に繊維束に沿
って多数の長さ1mm以上の気泡が多数見られ、成形後
も変わらなかった。
【0075】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂被覆繊維束は、上
述のように熱可塑性樹脂を補強用繊維束の外部に密着し
て存在させながら、繊維束を引っ張ることで繊維を緊張
させた状態で樹脂を固化させることによって、熱可塑性
樹脂被覆と繊維束との間及び繊維束内部に存在する空隙
を出来る限りなくした形状となっている。そのため、か
かる熱可塑性樹脂被覆補強繊維束を切断することで得ら
れるチョップドストランドは、単繊維の単離を効果的に
防止することができる。
【0076】また、本発明の熱可塑性樹脂被覆繊維束で
は、繊維束の断面形状を扁平にし、且つ熱可塑製樹脂が
補強用繊維束の外表面上のみに、又は補強用繊維束の外
表面上に層状に存在するとともに補強用繊維束外周部に
一部含浸して存在しているため、射出成形における補強
繊維束の分散性を改良することができ、射出成形用チョ
ップドストランドをコンパウンドにすることなく射出成
形に直接用いることが可能となり、極めて優れた補強効
果が得られる。
【0077】更には、本発明の射出成形用チョップドス
トランドは、補強用繊維束の周囲のみに一定量の樹脂被
覆層があり、前記のように供給過程での問題がなく、ま
た従来の樹脂被覆繊維束よりも扁平で中心部までの温度
上昇が短く、むらが少ない。したがって、本発明のチョ
ップドストランドは軽い剪断力で繊維を分散させること
ができ、また、扁平な形状であることより樹脂と繊維の
位置が近いため、直ちに射出成形機で成形した場合で
も、加熱シリンダー部で溶融混練されると繊維と樹脂と
が容易に均一な分散状態になる。よって、従来のよう
に、射出成形機にかける前にチョップドストランドと樹
脂を混合したものを一度押出し機により溶融混練し押し
出してペレット化するという工程が必要ない。
【0078】また、本発明の熱可塑性樹脂被覆繊維束を
用いると、補強用繊維束をまとめる集束剤を減少或いは
不要とすることができるので、集束剤の分解によるガス
発生、成形品の強度低下を最小限に抑えることができ
る。特に、エンジニアリングプラスチックの成形時の集
束剤の分解によるガス発生、接着性の阻害等の問題を最
小限に抑えることができ、成形品の強度の向上という効
果も得られる。
【0079】更に、本発明の熱可塑性樹脂被覆繊維束に
おいては、補強用繊維束の外周のみが熱可塑性樹脂で密
着されているため、従来の繊維束に対し樹脂が完全に含
浸したものに比べて外周の樹脂被覆層が厚く、樹脂被覆
繊維束自体にも柔軟性がある。そのため、樹脂被覆繊維
束を切断する時に割れることがなく、また成形品にする
までの移送・混合による繊維の抜け、割れもほとんどな
い。
【0080】また、本発明においては、繊維束を被覆す
る熱可塑性樹脂が固化する前に冷却ロールのロール円周
部分に面接触させ、加圧密着すると共に冷却するという
方法をとるので、表面平滑性に優れ、且つ安定な樹脂被
覆が形成された熱可塑性樹脂被覆繊維束を得ることが可
能になる。
【0081】また、本発明においては、熱可塑性樹脂を
補強用繊維束に完全に含浸させることなく熱可塑性樹脂
被覆繊維束を製造するので、生産速度を400m/分以
上にすることができる。従来の充分に含浸させる方法で
は精々数10m/分であったことから見れば、本発明の
製造方法は、生産効率の飛躍的な向上を可能にする熱可
塑性樹脂被覆繊維束の製造方法である。
【0082】更にまた、本発明では、現状のチョップド
ストランド製造工程における水冷方式と設備スペース的
に変わらない乾式の冷却工程を設け、樹脂被覆繊維束を
乾式で加圧・冷却するので、水分付着によって起きる不
具合を減少させ、樹脂被覆繊維束の生産性向上と品質向
上の両立が達成されるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱可塑性樹脂被覆繊維束の断面の寸法の採り
方、及び熱可塑性樹脂被覆繊維束の断面における空隙部
を模式的に示す概略断面図である。
【図2】本発明による射出成形用チョップドストランド
の製造方法を示す略図である。
【図3】従来の樹脂被覆糸の製造方法を示す略図であ
る。
【図4】(1)樹脂被覆ダイスの側面図の一例である。 (2)樹脂被覆ダイスの底面図の一例である。
【図5】本発明の冷却ロールの断面図である。
【図6】本発明の方法で製造した樹脂被覆繊維束断面図
の電子顕微鏡写真である。
【図7】従来の水冷方法で製造した樹脂被覆繊維束断面
図の電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 押し出し機 2 熱可塑性樹脂 3 コーティングダイス 4 芯金 5 補強用繊維束 6 巻き取り機 7 樹脂被覆繊維束 8 水冷バス 8a 第一冷却ロール 8b 第二冷却ロール 8c 押さえロール 9 小径ロール群 10 繊維束走行部 11 エアパージノズル 12 フッ素系樹脂表面処理 13 ベアリング 14 冷却水投入パイプ 15 冷却水排出パイプ 16 ブレーキ 17 引き出し部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F201 AC01 AD16 AR13 BA02 BA03 BC01 BC02 BC12 BC17 BC19 BC37 BD05 BL12 BL42 BL44 BM06 BM16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数本の補強用繊維を集束してなる補強用
    繊維束及び熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂被覆繊維束
    において、熱可塑性樹脂が補強用繊維束の外部に密着し
    て存在し、熱可塑性樹脂被覆繊維束の扁平比が1.5〜
    55であり、補強用繊維束は熱可塑性樹脂被覆繊維束全
    体の20〜70体積%であり、熱可塑性樹脂被覆繊維束
    の空隙率が15〜50%であることを特徴とする熱可塑
    性樹脂被覆繊維束。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂が、補強用繊維束の外表面上
    に層状に存在する、請求項1に記載の熱可塑性樹脂被覆
    繊維束。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂が、補強用繊維束の外表面上
    に層状に存在するとともに補強用繊維束外周部に含浸し
    て存在し、熱可塑性樹脂で含浸される繊維本数が補強用
    繊維束を構成する全繊維本数の10%未満である、請求
    項1に記載の熱可塑性樹脂繊維束。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の何れか1項に記載の熱可塑
    性樹脂被覆繊維束を切断してなるチョップドストラン
    ド。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のチョップドストランドを
    含むシート状複合材料。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂が可塑性を有する温度におい
    て、複数本の補強用繊維を集束してなる補強用繊維束に
    熱可塑性樹脂を被覆し、次いで熱可塑性樹脂により被覆
    された補強用繊維束を該熱可塑性樹脂が固化する前に冷
    却ロールのロール円周部分に面接触させ、加圧密着する
    と共に冷却することを特徴とする熱可塑性樹脂被覆繊維
    束の製造方法。
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