JP2000210302A - 手術システム及び治療用観察・撮像装置 - Google Patents

手術システム及び治療用観察・撮像装置

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JP2000210302A
JP2000210302A JP11017588A JP1758899A JP2000210302A JP 2000210302 A JP2000210302 A JP 2000210302A JP 11017588 A JP11017588 A JP 11017588A JP 1758899 A JP1758899 A JP 1758899A JP 2000210302 A JP2000210302 A JP 2000210302A
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Koji Yasunaga
浩二 安永
Shinji Hatta
信二 八田
Takeshi Tsukagoshi
壯 塚越
Masaru Karasawa
勝 唐澤
Hiroyuki Yamamiya
広之 山宮
Akira Shiga
明 志賀
Takeaki Nakamura
剛明 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】手術室内の空間を有効利用して、術者に作業性
が良好で十分な作業空間の提供を図れる手術システム及
び治療用観察・撮像装置を提供すること。 【解決手段】手術システム1は、処置部位を観察する観
察・撮像装置である手術用顕微鏡2と、処置部位に対し
て処置を施す手術装置とを備えて構成されるシステムで
あり、手術用顕微鏡2の外部装置として電動駆動される
手術装置が用いられる。アームスタンド24には例えば
手術装置である高周波電流を流すことによって凝固・止
血及び切開を行える処置電極部31を備えた焼灼装置3
に電力を供給する、破線に示す支柱23内に設けられて
電圧変換を行う電源回路41と、顕微鏡部21の側部に
配置された焼灼装置3との電気的接続部42と、この電
気的接続部42と電源回路41とを電気的に接続する接
続ケーブル43とを備えた電源供給部4が設けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、観察・撮像装置に
よって対象部位の観察あるいは撮像を行いながら、電動
駆動する手術装置を用いて対象部位の生検或いは処置を
行う手術システム及び治療用観察・撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療分野においては手術する部位
や手技に対応させて、観察・撮像装置と手術装置とを組
み合わせて構成した手術システムが利用されている。
【0003】この観察・撮像装置としては口腔や肛門か
ら体腔内に挿入される挿入部が柔軟な内視鏡や、腹壁に
穿刺されたトラカールを介して腹腔内に配置される挿入
部が硬性な腹腔鏡(光学視管)や微細な神経や血管を拡
大観察できる手術用顕微鏡がある。
【0004】これら内視鏡や手術顕微鏡でとらえた観察
部位の状態は、直接目視にして観察したり、これら内視
鏡や手術顕微鏡でとらえた光学像を映像信号を生成する
コントロール装置を通して例えばモニタ画面上に表示し
て観察するようになっていた。
【0005】一方、手術装置としては把持鉗子やメス等
のような手術器具の他に、電源によって駆動される手術
装置がある。この電源から供給される電力によって電動
駆動される手術装置としては例えば、超音波振動を利用
して処置具を振動させ、この処置具の振動で対象部位で
ある生体組織を切開あるいは凝固したり、粉砕して吸引
する超音波手術装置や、高周波電力による熱作用で対象
部位である生体組織に対して切開、凝固作用を及ぼす電
気メス装置、生体組織を回転力により細かく粉砕する動
力処置具等がある。
【0006】また、これら医療機器を体腔内に導くため
に体壁に穿刺されトラカールを電源に接続して超音波振
動させ、穿刺を容易に行えるようにした超音波トラカー
ル等もある。
【0007】例えば、一般的な手術装置として、特開平
9−299381号公報には超音波手術装置の一例が開
示されている。図9の従来の超音波手術装置の構成例の
図に示すように、この超音波手術装置は、図示しない超
音波振動子からの超音波振動を処置部位101に伝達す
るプローブを備えたハンドピース100と、前記超音波
振動子を駆動するための駆動部を内蔵した制御装置10
2とで構成され、前記制御装置102にはACコード1
03を介して商用電源に接続されるようになっていた。
そして、前記ハンドピース100と制御装置102とは
細長な電気ケーブル104によって電気的に接続されて
いた。
【0008】そして、電気メス装置においても、前記超
音波手術装置と同様、処置部位にエネルギーを与えるハ
ンドピースと、このエネルギーを発生する回路部を備え
た制御装置とで構成され、この制御装置はACコードを
介して商用電源に接続され、ハンドピースと制御装置と
は電気ケーブルによって電気的に接続されている。
【0009】また、医療システムとして、脳神経外科分
野では微細な神経や血管を拡大観察下で手術を行うマイ
クロサージャリーがある。図10のマイクロサージャリ
ーによる脳外科手術装置の構成例の図に示すように、手
術用顕微鏡110は、光学系を備えた顕微鏡部111
と、この顕微鏡部111を支持するとともに所望の位置
に移動自在にする支柱及び複数の支持アーム部で形成さ
れたアームスタンド112とにより構成されており、こ
の顕微鏡部111で拡大された対象部位を観察しながら
ハンドピース113など操作して処置を行うものであ
る。
【0010】前記ハンドピース113は、術中、術者が
処置部位に対する凝固・止血に使用する例えばバイポー
ラの焼灼装置であり、上述した電動駆動される手術装置
と同様に、ハンドピース113と、このハンドピース1
13を動作させる駆動部を備えた制御装置114とは細
長な電気ケーブル115により電気的に接続されてい
る。そして、前記制御装置114は、ACコード116
を介して商用電源に接続されていた。なお、制御装置1
14は、滅菌された手術領域から離れた不潔領域に設置
されている。
【0011】また、図11の腹腔鏡と手術装置とで構成
した医療システムの図に示すように、腹腔内を光学視管
120で観察しながら検査・処置を行う場合、患者の腹
壁に例えば2本のトラカール121,122を穿刺し、
このトラカール121,122を介して前記光学視管1
20や処置具123等を腹腔内に導入する。
【0012】前記処置部位は、光源装置124から供給
される照明光によって照らされるようになっており、こ
の光源装置124で発生された照明光は細長なライトガ
イドケーブル125及び光学視管120に挿通配置され
たライトガイド(不図示)を介して挿入部の先端部まで
伝達され、処置部位に向かって出射される。
【0013】そして、この照明光によって照らされた処
置部位の観察像を、光学視管120の手元部に接続した
TVカメラ126によって撮像し、このTVカメラ12
6で撮像して光電変換された画像信号を細長なカメラケ
ーブル127を介して制御装置128に伝送している。
この制御装置128では伝送された画像信号から映像信
号を生成し、この映像信号を映像ケーブル129を介し
てモニタ130に出力する。このことにより、モニタ1
30の画面上に処置部位の観察画像が表示される。
【0014】術者はこのモニタ130に表示される観察
画像を見ながら、光学視管120の挿入深さや挿入角度
等を適宜操作して最適な視野を確保して手術を行う。
【0015】一方、処置部位の切除等に使用される処置
具123である例えば電気メスは、高周波電源装置13
1に細長な電気ケーブル132を介して接続されてい
る。そして、この高周波電源装置131はACコード1
33を介して商用電源に接続されていた。
【0016】さらに、軟性の内視鏡を使用した医療シス
テムの1例として特開平4−146743号公報には、
電気メスとしての高周波スネアにより、病巣を切除する
高周波スネア及びこれを用いる生検方法が開示されてい
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、手術シ
ステムとして構成される上述した電動で駆動される手術
装置と高周波電源装置、光学視管やTVカメラと制御装
置や光源装置が電気ケーブルやカメラケーブル,ライト
ガイドケーブルを介して接続されていたため、術中にこ
れらケーブル類が突っ張ったり、絡まって操作性が損な
われることがあった。また、術者は、これらケーブル等
に引っかからないように注意を払って手術を行っていた
ため、手術に専念することが難しいばかりでなく、術者
の移動空間や手術空間が制限されるという問題があっ
た。
【0018】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、手術室内の空間を有効利用して、術者に作業性が
良好で十分な作業空間の提供を図れる手術システム及び
治療用観察・撮像装置を提供することを目的にしてい
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の手術システム
は、対象部位を観察あるいは撮像するための観察・撮像
部を有する観察・撮像装置と、前記対象部位に対する処
置を施す少なくとも1つの電動駆動される手術装置と、
前記観察・撮像部近傍、患者体外近傍に配置され、前記
手術装置に電源を供給するための電気的接続部と、前記
観察・撮像部と前記観察・撮像装置本体とを接続する信
号線に並走し、前記電気的接続部に接続される接続線と
を具備している。
【0020】また、治療用観察・撮像装置は、対象部位
を観察あるいは撮像するための観察・撮像部を有する治
療用観察・撮像装置であって、前記対象部位に対する処
置を施す少なくとも1つの電動駆動される手術装置に電
源を供給するために、前記観察・撮像部近傍、患者体外
近傍に配置される電気的接続部と、前記観察・撮像部と
前記観察・撮像装置本体とを接続する信号線に並走し、
前記電気的接続部に接続される接続線とを具備してい
る。
【0021】この構成によれば、手術装置の電源は、観
察・撮像装置又は治療用観察・撮像装置の患者の近くに
配置されている電気的接続部に接続することによって得
られる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1ないし図3は本発明の第1実
施形態に係り、図1は手術システムの1例を示す図、図
2は手術顕微鏡に設けた手術装置に電源を供給する電源
供給部を説明する図、図3は焼灼装置の1構成を説明す
る図である。
【0023】図1に示すように本実施形態の手術システ
ム1は、処置部位を観察する観察・撮像装置である手術
用顕微鏡2と、前記処置部位に対して処置を施す手術装
置とを備えて構成されるシステムであり、この手術装置
としては把持鉗子やメス等のような手術器具の他に、前
記手術用顕微鏡2の外部装置として後述するように電動
駆動される手術装置が用いられる。
【0024】前記手術用顕微鏡2は、手術ベッドに横た
わる患者の処置部位を拡大観察する患者近傍に配置され
る観察部である顕微鏡部21と、この顕微鏡部21を自
在に3次元的に移動及び傾斜配置可能にする支持アーム
部22及び支柱23で形成したアームスタンド24とで
構成されている。
【0025】前記アームスタンド24には例えば手術装
置である図3に示す処置部位の出血に対し高周波電流を
流すことによって凝固・止血及び切開を行える処置電極
部31を備えた焼灼装置3に電力を供給する、破線に示
す前記支柱23内に設けられて電圧変換を行う電源回路
41と、前記顕微鏡部21の側部に配置された前記焼灼
装置3との電気的接続部42と、この電気的接続部42
と前記電源回路41とを電気的に接続する図示しない信
号線等に並走する接続線である接続ケーブル43とを備
えた電源供給部4が設けられている。
【0026】なお、符号25は電源回路41から延出し
て手術室内の図示しない商用電源のコンセントに接続さ
れるプラグ26を備えたACコードである。
【0027】図2に示すように前記電源供給部4の電源
回路41は、前記プラグ26を介して例えば100ボル
トや240ボルト等の商用電源に接続される一次回路4
4と、この一次回路44と絶縁トランス45を介して結
合される二次回路である手術顕微鏡用電源に変換する顕
微鏡用電源回路46及び手術装置用電源である例えばD
C12ボルトやDC48ボルト等の低電圧源に変換する
装置用絶縁トランス48及び整流回路49を備えた手術
装置用電源回路47とで主に構成されている。そして、
この手術装置用電源回路47から前記電気的接続部42
に向かって前記接続ケーブル43が延出している。
【0028】一方、前記電気的接続部42は、前記接続
ケーブル43の端部が電気的に接続される例えばメス型
コネクタ42aであり、このメス型コネクタ42aに前
記電気ケーブル5の一端部に設けた第1オス型コネクタ
51が着脱自在に接続されるようになっている。
【0029】図3に示すように処置電極31を先端に備
えた焼灼装置3の操作部を兼ねる把持部32内には処置
電極31を駆動する駆動回路33と、数100キロヘル
ツないし数メガヘルツの高周波信号を生成する発振回路
34とが設けられている。
【0030】また、前記把持部32の例えば側周部には
前記駆動回路33のON/OFF制御を行う操作スイッ
チ35が設けられ、基端面部には前記電気ケーブル5の
他端部に設けられている第2オス型コネクタ52が電気
的に接続されるメス型コネクタ36が配設されている。
【0031】上述のように構成した手術システムの作用
を説明する。まず、処置を行う手術装置として焼灼装置
3を用意し、電気ケーブル5に設けられている第1オス
型コネクタ51を顕微鏡部21のメス型コネクタ42a
に接続する一方、電気ケーブル5の他端部に設けられて
いる第2オス型コネクタ52を焼灼装置3のメス型コネ
クタ36に接続する。
【0032】次に、術者は、焼灼装置3の操作スイッチ
35をON状態に操作する。すると、前記電源供給部4
に設けられている手術装置用電源回路47で変換された
低電圧源がこの焼灼装置3内の駆動回路33及び発振回
路34に供給される。
【0033】前記焼灼装置3に電力が供給されることに
より、発振回路34では高周波信号が発生する。そし
て、この発振回路34で発生した高周波信号は、前記駆
動回路33に供給され、この駆動回路33で増幅された
後、処置電極31に伝達される。
【0034】このことにより、処置電極31では高周波
信号と生体組織の抵抗値によって決まるジュール熱によ
って、生体組織を蒸散させ、術者の所望する組織の凝固
・止血又は切開等の処置を行える。
【0035】なお、本実施形態においては手術装置を焼
灼装置としたが、手術用顕微鏡とともにシステムを構成
する手術装置としては焼灼装置に限定されるものではな
く、超音波メスなどの電気的に駆動する手術装置であっ
てもよい。また、電気ケーブルに例えばコイル状にカー
ルしたカール部を設けるようにしてもよい。さらに、本
実施形態においては、焼灼装置3に電源を供給する手術
装置用電源回路47を手術用顕微鏡2の支柱23に内蔵
する構成を示しているが、前記手術装置用電源回路47
を手術室内に配置する電源装置として設置し、顕微鏡部
21に電気的接続部42を設ける構成にしてもよい。こ
のとき、前記手術室内に配置された電源装置内の手術装
置用電源回路47と前記電気的接続部42とを接続ケー
ブル43で接続する構成とし、この接続ケーブル43を
手術用顕微鏡2の支柱23及び支持アーム部22内に挿
通配置する。また、接続ケーブル43は手術用顕微鏡2
の外表面を沿わせる構造でもよい。
【0036】このように、手術システムで使用される手
術装置の電源供給部を、観察・撮像装置である手術用顕
微鏡に一体に設け、この電源供給部の電気的接続部を手
術用顕微鏡の中で最も患者の近くに位置する顕微鏡部に
設けたことにより、手術装置に着脱自在に接続される電
気ケーブルを患者の近傍に位置する電気的接続部に電気
的に接続して、手術空間を十分に確保することができる
とともに、術者は、手術ベッド上や床上を這う電気ケー
ブルに注意を払うことなく、集中して顕微鏡を観察しな
がらの処置を行うことができる。
【0037】このことによって、手術装置から延出する
電気ケーブルが手術ベッド上や手術室の床上を這うこと
がなくなって、良好な作業空間を得られる。
【0038】また、商用電源を手術装置用電源回路によ
って低電圧源に変換するまでの間に、絶縁トランスを二
重に設けたことによって、商用電源と患者とを完全に分
離して患者の電気的な安全を確保することができる。
【0039】図4ないし図6は本発明の第2実施形態に
係り、図4は手術システムの他の構成例を示す図、図5
は超音波メスの構成を説明する図、図6はTVカメラヘ
ッド及びTVコントローラの構成を説明する図である。
【0040】図4に示すように本実施形態の手術システ
ム1Aは、処置部位である腹腔内を観察しながら処置を
行う手術システムの構成を示すものであり、患者の腹壁
には処置部位を観察する光学視管6を腹腔内に導く第1
トラカール11と、処置部位に対する処置を行う手術装
置である例えば超音波メス7を腹腔内に導く第2トラカ
ール12とが穿刺されている。
【0041】前記第1トラカール11を介して腹腔内に
導かれる光学視管6は、細長な挿入部61と、この挿入
部61の基端に設けた操作部を兼ねる把持部62とで主
に構成されている。そして、前記挿入部内には照明光を
供給する照明光学系及び処置部位の観察像を得る観察光
学系が挿通配置されており、挿入部先端面61aには照
明光が出射される図示しない照明光出射端及び観察用レ
ンズが配置されている。
【0042】また、前記把持部62の側部にはライトガ
イド口金63が設けられており、このライトガイド口金
63に照明光を供給する光源装置13に接続された照明
光伝送用のライトガイドケーブル14を接続することに
よって、前記光源装置13で発生された照明光がライト
ガイドケーブル14及び光学視管6に配置されている照
明光学系を介して先端部まで伝送されて、照明光出射端
から観察部位に向かって出射される。
【0043】さらに、前記把持部62の基端部には接眼
部64が設けられており、この接眼部64にはカメラア
ダプタ65を介して前記観察光学系でとらえた光学像を
画像信号に光電変換する固体撮像素子(図6符号66a
参照)を内蔵した撮像部となるTVカメラヘッド66が
着脱自在に接続されるようになっている。
【0044】前記TVカメラヘッド66からは制御装置
であるTVコントローラ15に接続されるTVケーブル
67が延出しており、このTVケーブル67を介して前
記固体撮像素子66aで光電変換された画像信号がTV
コントローラ15に設けられている信号処理回路(図6
符号16)に出力されるようになっている。
【0045】なお、前記信号処理回路16では前記画像
信号を映像信号に生成し、この映像信号をモニタ17に
出力する。このことによって、モニタ17の画面上に処
置部位の観察画像が表示される。
【0046】一方、前記超音波メス7は、把持部を兼ね
る操作部71の例えば基端に、電気ケーブル5Aの一端
部に設けたオス型コネクタ(図5符号53参照)が着脱
自在に接続されており、この電気ケーブル5Aの他端部
に設けられているオス型コネクタ54(図6符号54参
照)が前記TVカメラヘッド66に着脱自在に接続され
るようになっている。つまり、前記超音波メス7には前
記TVカメラヘッド66及び電気ケーブル5Aを介して
TVコントローラ15から低電圧源が供給されるように
なっている。
【0047】図5に示すように超音波メス7は、操作部
71には超音波振動を発生する超音波振動子72と、こ
の超音波振動子72を駆動する駆動回路73と、この駆
動回路73をON/OFF制御する操作スイッチ74
と、前記電気ケーブル5Aのオス型コネクタ53が着脱
自在に接続されるメス型コネクタ75とを具備してい
る。そして、前記超音波振動子72からの超音波振動
は、前記操作部71の先端側に延出する超音波プローブ
76によってメス先端部77に伝達されるようになって
いる。
【0048】図6に示すように前記TVコントローラ1
5にはプラグ69aを備えたACコード69によって例
えば100ボルトや240ボルト等の商用電源に接続さ
れる電源供給部4を構成する電源回路41Aが設けられ
ている。
【0049】この電源回路41Aは、商用電源に接続さ
れた一次回路44と、この一次回路44と絶縁トランス
45を介して結合される二次回路である信号処理回路1
6及び手術装置用電源である例えばDC12ボルトやD
C48ボルト等の低電圧源に変換する手術装置用電源回
路47とで主に構成されている。
【0050】一方、前記TVカメラヘッド66内には固
体撮像素子66aが内蔵されており、TVケーブル67
内を挿通する信号ケーブル67aによって、前記TVコ
ントローラ15内の信号処理回路16と電気的に接続さ
れている。
【0051】また、このTVカメラヘッド66の例えば
側面部には前記超音波メス7に一端部が接続される電気
ケーブル5Aの他端部に設けられているオス型コネクタ
54が着脱自在に接続される電気的接続部を構成するメ
ス型コネクタ66bが設けられている。そして、このメ
ス型コネクタ66bには前記手術装置用電源回路47か
ら延出して前記TVケーブル67内を信号線等に並走し
て挿通する接続線である接続ケーブル68の一端部が接
続されている。つまり、本実施形態においては電源供給
部4がTVコントローラ15内に設けた電源回路41A
と電気的接続部であるTVカメラヘッド66に設けたメ
ス型コネクタ66bと接続ケーブル68とで構成されて
いる。
【0052】その他の構成は前記第1実施形態と同様で
あり同部材には同符合を付して説明を省略する。
【0053】上述のように構成した手術システムの作用
を説明する。処置を行う手術装置である超音波メス7の
メス型コネクタ75及びTVカメラヘッド66のメス型
コネクタ66bに、それぞれ電気ケーブル5Aに設けら
れているオス型コネクタ53,54を接続しておく。
【0054】この状態で術者が超音波メス7の操作スイ
ッチ74をON状態に操作すると、前記手術装置用電源
回路47で変換された低電圧源がこの超音波メス7内の
駆動回路73に供給され、この駆動回路73から超音波
振動子72に駆動信号が出力される。すると、前記超音
波振動子72で超音波振動を発生し、この超音波振動が
超音波プローブ76によってメス先端部77に伝達され
て、術者の所望する組織の切開等の処置を行える。
【0055】なお、本実施形態においては手術装置を超
音波メスとしたが、トラカール12を介して腹腔に導か
れるシステムを構成する手術装置は超音波メスに限定さ
れるものではなく、電気焼灼装置などの電気的に駆動す
る手術装置であってもよい。
【0056】このように、手術システムで使用される手
術装置の電源供給部を、観察・撮像装置を構成するTV
カメラヘッド及びTVコントローラに一体に設け、この
電源供給部の電気的接続部を最も患者の近くに位置する
TVカメラヘッドに設けたことにより、手術装置に着脱
自在に接続される電気ケーブルを患者の近傍に位置する
電気的接続部に電気的に接続して、手術空間を十分に確
保することができるとともに、術者は、手術ベッド上や
床上を這う電気ケーブルに注意を払うことなく、集中し
て顕微鏡を観察しながらの処置を行うことができる。そ
の他の作用及び効果は前記第1実施形態と同様である。
【0057】このことにより、超音波メスに接続される
電気ケーブルがTVケーブルやライトガイド等に絡まっ
て光学視管及び超音波メスの操作性を損なうことが防止
される。
【0058】図7及び図8は本発明の第3実施形態に係
り、図7は手術システムの別の構成例を示す図、図8は
電気メスの構成を説明する図である。
【0059】図7に示すように本実施形態の手術システ
ム1Bは、処置部位である腹腔内を観察しながら処置を
行う手術システムの他の構成を示すものであり、患者の
腹腔内には処置部位を観察する電子内視鏡8が挿入され
る。そして、この電子内視鏡8の処置具チャンネル(不
図示)を介して処置部位に対する処置を行う手術装置で
ある例えば電気メスの1つである高周波スネア9が挿入
されるようになっている。
【0060】前記電子内視鏡8は、腹腔内に挿入される
細長で柔軟な挿入部81と、この挿入部81の基端に設
けた把持部を兼ねる操作部82と、この操作部82の側
部から延出するユニバーサルコード83とで主に構成さ
れている。
【0061】前記挿入部81の先端面には観察光学系を
構成する光学レンズ84が配置されており、この光学レ
ンズ84の結像位置には観察像を画像信号に光電変換す
る撮像部である固体撮像素子85が配設されている。
【0062】また、前記ユニバーサルコード83の基端
部にはユニバーサルコード83及び操作部82,挿入部
81内を挿通するライトガイド(不図示)を介して照明
光を供給する光源装置13に接続される光源コネクタ8
6が設けられている。この光源コネクタ86の側部から
は前記固体撮像素子85で光電変換した画像信号を映像
信号に生成する信号処理回路16を設けた制御装置であ
るビデオプロセッサ18に接続されるビデオケーブル1
9が図示しないコネクタによって着脱自在に接続されて
いる。なお、この光源コネクタ86の前記コネクタは洗
滌時に水密性が保たれるよう、防水キャップが付けられ
る構造となっている。
【0063】つまり、前記固体撮像素子85で光電変換
された画像信号は、挿入部81,操作部82,ユニバー
サルコード83,ビデオケーブル19内を挿通する信号
伝送ケーブル87によって前記信号処理回路16に伝送
されるようになっている。なお、符号88は前記処置具
チャンネルに連通する処置具挿通口であり、この処置具
挿通口88から前記高周波スネア9が挿入される。
【0064】前記ビデオプロセッサ18にはプラグ80
aを備えたACコード80によって例えば100ボルト
や240ボルト等の商用電源に接続される電源供給部4
を構成する電源回路41Bが設けられている。そして、
この電源回路41Bには信号処理回路16及び手術装置
用電源である例えばDC12ボルトやDC48ボルト等
の低電圧源に変換する手術装置用電源回路47とが設け
られている。
【0065】前記手術装置用電源回路47からは接続線
である接続ケーブル89が信号線等に並走して延出して
おり、この接続ケーブル89は前記ビデオケーブル1
9,光源コネクタ86及びユニバーサルコード83内を
挿通して撮像部近傍であって患者体外近傍に位置する操
作部82に設けられている電気的接続部を構成するメス
型コネクタ82aに電気的に接続されている。
【0066】つまり、本実施形態においては電源供給部
4がビデオプロセッサ18内に設けた電源回路41Bと
電気的接続部である電子内視鏡8の操作部82に設けた
メス型コネクタ82aと接続ケーブル89とで構成され
ている。
【0067】一方、高周波スネア9は、操作部を兼ねる
把持部91と、可撓性を有するスネアガイド92及び処
置部電極となるスネアループ93とで主に構成されてい
る。なお、符号5Bは電子内視鏡8と高周波スネア9と
を電気的に接続して前記手術装置用電源回路47で変換
された低電圧源を高周波スネア9に供給する電気ケーブ
ルであり、この電気ケーブル5Bの端部には前記メス型
コネクタ82a及び後述するメス型コネクタ99に着脱
自在に接続されるオス型コネクタ55,56が設けられ
ている。符号98は患者に接触配置される患者電極とな
るスネアループ93に対する対極板であり、電極コード
97によって把持部91に接続されている。この電極コ
ード97は、スネアガイド92などに接触した際の電気
的安全性を向上させるため、電気的シールドを施すとと
もに、絶縁を強化した構造となっている。
【0068】図8に示すように高周波スネア9の把持部
91にはスネアループ93を駆動する駆動回路94と、
数100キロヘルツないし数メガヘルツの高周波信号を
生成する発振回路95と、前記駆動回路94をON/O
FF制御する操作スイッチ96と、前記電気ケーブル5
Bのオス型コネクタ56が着脱自在に接続されるメス型
コネクタ99とが設けられている。なお、図に示すよう
に前記対極板98から延出している電極コード97は駆
動回路94に電気的に接続されている。
【0069】上述のように構成した手術システムの作用
を説明する。処置を行う手術装置である高周波スネア9
のメス型コネクタ99及び電子内視鏡8の操作部82に
設けられているメス型コネクタ82aに、それぞれ電気
ケーブル5Bのオス型コネクタ55,56を接続してお
く。
【0070】この状態で術者が高周波スネア9の操作ス
イッチ96をON状態に操作すると、前記手術装置用電
源回路47で変換された低電圧源が高周波スネア9の駆
動回路94と発振回路95とに供給される。
【0071】前記高周波スネア9に電力が供給されるこ
とにより、発振回路95では高周波信号が発生する。そ
して、この発振回路95で発生した高周波信号は、前記
駆動回路94に供給され、この駆動回路94で増幅され
た後、スネアループ93に伝達される。
【0072】このことにより、スネアループ93と対極
板98との間で、この高周波信号と生体組織の抵抗値に
よって決まるジュール熱が発生し、生体組織を蒸散し
て、組織の切開が行われる。
【0073】なお、本実施形態においては手術装置を高
周波スネアとしたが、内視鏡の処置具チャンネルに挿通
されてシステムを構成する手術装置としては高周波スネ
アに限定されるものではなく、超音波メスなどの電気的
に駆動する手術装置であってもよい。
【0074】このように、手術システムで使用される手
術装置の電源供給部を、観察・撮像装置を構成するビデ
オプロセッサ及びこのビデオプロセッサに接続されるビ
デオケーブル及び電子内視鏡に設け、この電源供給部の
電気的接続部を患者の近くに位置する操作部に設けたこ
とにより、手術装置に着脱自在に接続される電気ケーブ
ルを患者の近傍に位置する電気的接続部に電気的に接続
して、手術空間を十分に確保することができる。その他
の作用及び効果は上述した実施形態と同様である。
【0075】このことにより、高周波スネアに接続され
る電気ケーブルが内視鏡のユニバーサルコード等に絡ま
って電子内視鏡及び高周波スネアの操作性を損なうこと
が防止される。
【0076】なお、本発明は、以上述べた実施形態のみ
に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形実施可能である。
【0077】[付記]以上詳述したような本発明の上記
実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができ
る。
【0078】(1)対象部位を観察あるいは撮像するた
めの観察・撮像部を有する観察・撮像装置と、前記対象
部位に対する処置を施す少なくとも1つの電動駆動され
る手術装置と、前記観察・撮像部近傍、患者体外近傍に
配置され、前記手術装置に電源を供給するための電気的
接続部と、前記観察・撮像部と前記観察・撮像装置本体
とを接続する信号線に並走し、前記電気的接続部に接続
される接続線と、を具備する手術システム。
【0079】(2)前記電気的接続部は、対象部位の観
察を行う観察・撮像装置に設けられている付記1記載の
手術システム。
【0080】(3)前記観察・撮像装置又は前記手術装
置の少なくとも一方に、電圧変換を行う電源回路を設け
た付記2記載の手術システム。
【0081】(4)前記観察・撮像装置の一部に、前記
手術装置との電気的接続部を設けた付記2記載の手術シ
ステム。
【0082】(5)前記電気的接続部を、前記観察・撮
像装置の手術を受ける患者近くに配置した付記4記載の
手術システム。
【0083】(6)前記観察・撮像装置は、手術用顕微
鏡である付記1記載の手術システム。 (7)前記観察・撮像装置は、TVカメラである付記1
記載の手術システム。
【0084】(8)前記観察・撮像装置は、電子内視鏡
である付記1記載の手術システム。
【0085】(9)対象部位を観察する顕微鏡部と、こ
の顕微鏡部を支持するアームスタンドとで構成される手
術用顕微鏡において、前記顕微鏡部に、外部機器に電源
を出力することを可能にする電気的接続部を設けた手術
用顕微鏡。
【0086】(10)前記アームスタンド内に、商用電
源の電圧を所定の電圧に変換する電源回路を設け、この
電源回路と前記電気的接続部とを前記アームスタンド内
に挿通配置された接続供給手段により電気的に接続した
付記9記載の手術用顕微鏡。
【0087】(11)撮像手段を備えたTVカメラヘッ
ドと、前記撮像手段から出力された画像信号が入力さ
れ、この画像信号を映像信号に生成して観察手段に出力
する信号処理回路を備えたコントローラとを具備する医
療用TVカメラにおいて、前記医療用TVカメラのカメ
ラヘッド部に、外部機器に電源を出力することを可能に
する電気的接続部を設けた医療用TVカメラ。
【0088】(12)前記コントローラ内に、商用電源
の電圧を所定の電圧に変換する電源回路を設け、この電
源回路と前記電気的接続部とを、前記カメラヘッド部と
前記コントローラとを接続するコード内に配設した、接
続供給手段によって電気的に接続した付記11記載の医
療用TVカメラ。
【0089】(13)体腔内に挿入されるの挿入部の先
端部に設けた固体撮像素子と、前記挿入部の基端に配設
された把持部とを具備した電子内視鏡において、前記把
持部に外部機器に電源を出力することを可能にする電気
的接続部を設けた電子内視鏡。
【0090】(14)対象部位を観察あるいは撮像する
ための観察・撮像部を有する治療用観察・撮像装置であ
って、前記対象部位に対する処置を施す少なくとも1つ
の電動駆動される手術装置に電源を供給するために、前
記観察・撮像部近傍、患者体外近傍に配置される電気的
接続部と、前記観察・撮像部と前記観察・撮像装置本体
とを接続する信号線に並走し、前記電気的接続部に接続
される接続線と、を具備する治療用観察・撮像装置。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、手
術室内の空間を有効利用して、術者に作業性が良好で十
分な作業空間の提供を図れる手術システム及び治療用観
察・撮像装置を提供すること。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図3は本発明の第1実施形態に係
り、図1は手術システムの1例を示す図
【図2】手術顕微鏡に設けた手術装置に電源を供給する
電源供給部を説明する図
【図3】焼灼装置の1構成を説明する図
【図4】図4ないし図6は本発明の第2実施形態に係
り、図4は手術システムの他の構成例を示す図
【図5】超音波メスの構成を説明する図
【図6】TVカメラヘッド及びTVコントローラの構成
を説明する図
【図7】図7及び図8は本発明の第3実施形態に係り、
図7は手術システムの別の構成例を示す図
【図8】電気メスの構成を説明する図
【図9】従来の超音波手術装置の構成例を示す図
【図10】マイクロサージャリーによる脳外科手術装置
の構成例を示す図
【図11】腹腔鏡と手術装置とで構成した医療システム
を示す図
【符号の説明】
1…手術システム 2…手術用顕微鏡 3…焼灼装置 4…電源供給部 5…電気ケーブル 41…電源回路 42…電気的接続部 43…接続ケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八田 信二 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 塚越 壯 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 唐澤 勝 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 山宮 広之 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 志賀 明 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 中村 剛明 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 5C022 AA09 AB15 AB40 AC01 AC08 AC42 AC75 AC77 CA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象部位を観察あるいは撮像するための
    観察・撮像部を有する観察・撮像装置と、 前記対象部位に対する処置を施す少なくとも1つの電動
    駆動される手術装置と、 前記観察・撮像部近傍、患者体外近傍に配置され、前記
    手術装置に電源を供給するための電気的接続部と、 前記観察・撮像部と前記観察・撮像装置本体とを接続す
    る信号線に並走し、前記電気的接続部に接続される接続
    線と、 を具備することを特徴とする手術システム。
  2. 【請求項2】 対象部位を観察あるいは撮像するための
    観察・撮像部を有する治療用観察・撮像装置であって、 前記対象部位に対する処置を施す少なくとも1つの電動
    駆動される手術装置に電源を供給するために、前記観察
    ・撮像部近傍、患者体外近傍に配置される電気的接続部
    と、 前記観察・撮像部と前記観察・撮像装置本体とを接続す
    る信号線に並走し、前記電気的接続部に接続される接続
    線と、 を具備することを特徴とする治療用観察・撮像装置。
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