JP2000208985A - 電磁波シ―ルドパテ - Google Patents

電磁波シ―ルドパテ

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JP2000208985A
JP2000208985A JP11309210A JP30921099A JP2000208985A JP 2000208985 A JP2000208985 A JP 2000208985A JP 11309210 A JP11309210 A JP 11309210A JP 30921099 A JP30921099 A JP 30921099A JP 2000208985 A JP2000208985 A JP 2000208985A
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putty
electromagnetic wave
oscillator
rubber
receiving antenna
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JP11309210A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Tanaka
啓之 田中
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Seiwa Electric Mfg Co Ltd
Original Assignee
Seiwa Electric Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電磁波のシールドを簡単に行うことができ、
しかも塵芥等の侵入を防止することができる電磁波シー
ルドパテとする。 【構成】 導電性材料とポリマー樹脂とを混練してなる
電磁波シールドパテにおいて、前記導電性材料はカーボ
ンブラック、金属粉末、金属ペーストなどであり、前記
ポリマー樹脂はニトリルブタジエンゴム、スチレンブタ
ジエンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、
クロロプレンゴムなどの未加硫ゴムやエマルジョン、ポ
リ塩化ビニル樹脂のペーストレジンなどである。導電性
材料は電気抵抗を下げ、電磁波シールド性をもたらし、
ポリマー樹脂は導電性材料をパテ状に維持し、可塑剤や
軟化剤はパテの作業性を調整する。また、粘着付与剤な
どを添加し、パテ施工時の作業性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波を遮蔽する
電磁波シールドパテに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、電磁波シールド機能を有するケ
ースに配線を取り付ける場合、ケースと配線との隙間か
らの電磁波漏れを防止するため、配線の根本部にはシー
ルドカバーが、配線のそれ以外の部分にはケーブルシー
ルドがそれぞれ取り付けられていた。また、前記シール
ドカバーには、ケースの内部への塵芥等の侵入を防止す
るという作用もある。
【0003】
【発明が解決しようとする問題】しかしながら、前記シ
ールドカバーは、配線の太さ等に応じて予め各種のサイ
ズを準備しておく必要があり手間がかかっていた。単に
ケースの内部に塵芥等が侵入しないようにするのであれ
ば、粘土状のパテを使用すればよいのであるが、従来の
パテでは電磁波漏れを防止することはできなかった。
【0004】本発明は上記事情に鑑みて創案されたもの
で、筐体や建築物などの通線孔に電磁波シールドを施す
場合、不定形(パテ状)であるため、通線孔と電線の隙
間などに容易に充填することができ、電磁波だけでな
く、埃、水などの侵入を防ぐ。また、パテに粘着性を付
与することで、壁や電線に付着しやすく、施工が容易に
なる。不乾燥タイプであるため、施工後も弾力性を保持
し、電線に応力が掛かっても、パテが変形して応力に追
従するため、電線に負荷が掛かるのを防ぐ。本発明は、
これらの特徴を持つ電磁波シールドパテを提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電磁波シー
ルドパテは、導電性材料とポリマー樹脂とを混練してな
る電磁波シールドパテであって、前記導電性材料はカー
ボンブラック、金属粉末、金属ペーストなどであり、前
記ポリマー樹脂はニトリルブタジエンゴム、スチレンブ
タジエンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴム、ブチルゴ
ム、クロロプレンゴムなどの未加硫ゴムやエマルジョ
ン、ポリ塩化ビニル樹脂のペーストレジンなどである。
導電性材料は電気抵抗を下げ、電磁波シールド性をもた
らし、ポリマー樹脂は導電性材料をパテ状に維持し、可
塑剤や軟化剤はパテの柔軟性を調整する。また、粘着付
与剤などを添加し、パテ施工時の作業性を向上させる。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は電波暗室による測定を説明
する説明図、図2は電波暗室の暗ノイズを示すグラフ、
図3は電波暗室において発振器と受信アンテナとの距離
が3mの場合の放射ノイズを示すグラフ、図4は電波暗
室において発振器と受信アンテナとの距離が3mの場合
のパテ1の電磁波シールド効果を示すグラフ、図5は電
波暗室において発振器と受信アンテナとの距離が3mの
場合のパテ2の電磁波シールド効果を示すグラフ、図6
は電波暗室において発振器と受信アンテナとの距離が3
mの場合のパテ3の電磁波シールド効果を示すグラフ、
図7は電波暗室において発振器と受信アンテナとの距離
が3mの場合のパテ4の電磁波シールド効果を示すグラ
フ、図8は電波暗室において発振器と受信アンテナとの
距離が3mの場合のパテ5の電磁波シールド効果を示す
グラフである。
【0007】また、図9は電波暗室において発振器と受
信アンテナとの距離が0.5mの場合の放射ノイズを示
すグラフ、図10は電波暗室において発振器と受信アン
テナとの距離が0.5mの場合のパテ1の電磁波シール
ド効果を示すグラフ、図11は電波暗室において発振器
と受信アンテナとの距離が0.5mの場合のパテ2の電
磁波シールド効果を示すグラフ、図12は電波暗室にお
いて発振器と受信アンテナとの距離が0.5mの場合の
パテ3の電磁波シールド効果を示すグラフ、図13は電
波暗室において発振器と受信アンテナとの距離が0.5
mの場合のパテ4の電磁波シールド効果を示すグラフ、
図14は電波暗室において発振器と受信アンテナとの距
離が0.5mの場合のパテ5の電磁波シールド効果を示
すグラフである。
【0008】さらに、図15はKEC法(電界)の測定
に用いられる測定装置の概略的斜視図、図16はKEC
法(電界)によるパテ1の電磁波シールド効果を示すグ
ラフ、図17はKEC法(電界)によるパテ2の電磁波
シールド効果を示すグラフ、図18はKEC法(電界)
によるパテ3の電磁波シールド効果を示すグラフ、図1
9はKEC法(電界)によるパテ4の電磁波シールド効
果を示すグラフ、図20はKEC法(電界)によるパテ
5の電磁波シールド効果を示すグラフである。
【0009】さらにまた、図21は電波暗室において発
振器と受信アンテナとの距離が3mの場合のパテ6の電
磁波シールド効果を示すグラフ、図22は電波暗室にお
いて発振器と受信アンテナとの距離が0.5mの場合の
パテ6の電磁波シールド効果を示すグラフ、図23は電
波暗室において発振器と受信アンテナとの距離が3mの
場合のパテ7の電磁波シールド効果を示すグラフ、図2
4は電波暗室において発振器と受信アンテナとの距離が
0.5mの場合のパテ7の電磁波シールド効果を示すグ
ラフ、図25はKEC法(電界)によるパテ6の電磁波
シールド効果を示すグラフ、図26はKEC法(電界)
によるパテ7の電磁波シールド効果を示すグラフであ
る。
【0010】本実施の形態では、まず最初に、比較的単
純な配合である5種類のパテ1〜パテ5について説明す
る。この5種類のパテ1〜パテ5は、以下に示す表1に
記載された配合薬品から構成されている。これらの配合
は、パテ施工時の作業性、電磁波シールド性を最低限ク
リアするための一例である。用途に応じて軟化剤、加工
助剤なとを適時添加することにより、最適なパテを調合
することができる。
【0011】
【表1】
【0012】5種類のパテ1〜パテ5は、前記表1に記
載された配合薬品を以下に示す表2の成分で配合したも
のである。なお、図2は最も質量の大きいもの(パテ
1、パテ2及びパテ4ではブチルゴム、パテ3及びパテ
5ではクロロプレンゴム)の質量を100とした場合の
各成分の質量の割合を示している。
【0013】
【表2】
【0014】すなわち、パテ1、パテ2及びパテ4は、
経年変化の少ないブチルゴムをポリマー樹脂として使用
している。また、パテ1及びパテ2は、導電性材料であ
るカーボンブラックにケッチェンブラック1を使用し、
パテ4はより導電性に優れたケッチェンブラック2を使
用した。
【0015】また、パテ3とパテ5とは、難燃性能に優
れたものとするため、ポリマー樹脂にクロロプレンを、
また可塑剤2にTCPを使用した。さらに、パテ3は導
電性材料であるカーボンブラックにケッチェンブラック
1を使用し、パテ5はより導電性に優れたケッチェンブ
ラック2を使用した。
【0016】これらのパテ1〜パテ5について電磁波シ
ールド性能、電気抵抗及び難燃性能について測定した。
【0017】まず、電磁波シールド性能については、電
波暗室による測定と、KEC法(電界)による減衰率の
測定を行った。
【0018】電波暗室による測定は、図1に示す測定装
置で測定を行った。この測定装置は、60cm×60c
m×60cmのステンレス製のシールドボックス100
と、このシールドボックス100の内部にセットされた
発振器200と、前記発振器200と対向するようにし
て所定距離離された受信アンテナ300と、この受信ア
ンテナ300と接続された測定器(図示省略)とを有し
ている。
【0019】前記シールドボックス100は、一面に4
5cm×45cmの開口が開設された本体110と、前
記開口を覆う蓋体120とからなり、蓋体120に本体
110との間に試料としての各パテ1〜パテ5を介在さ
せるものである。そして、発振器から発振される電磁波
のうち、パテを通して漏洩する電磁波を測定するもので
ある。
【0020】図2は、電波暗室の暗ノイズを測定したも
のである。ここで、VCCI(情報処理装置等電波障害
自主規制協議会)のクラスBの許容限界は、3m離れた
受信アンテナで周波数が30MHz〜230MHzの場
合は40dBuV/mであり、230MHz〜1GHz
の場合は47dBuV/mである。従って、暗ノイズは
前記許容限界を下回っていることが確認できる。
【0021】図3は、蓋体120と本体110との間に
3mmの隙間を設け、発振器200と受信アンテナ30
0とを3m離した場合に受信された電磁波である。これ
によると、この状態では前記許容限界をオーバーしてい
る部分があることを確認することができる。
【0022】図4はパテ1を蓋体120と本体110と
の間に介在させて、発振器200と受信アンテナ300
とを3m離した場合に受信された電磁波である。
【0023】図5はパテ2を蓋体120と本体110と
の間に介在させて、発振器200と受信アンテナ300
とを3m離した場合に受信された電磁波である。
【0024】図6はパテ3を蓋体120と本体110と
の間に介在させて、発振器200と受信アンテナ300
とを3m離した場合に受信された電磁波である。
【0025】図7はパテ4を蓋体120と本体110と
の間に介在させて、発振器200と受信アンテナ300
とを3m離した場合に受信された電磁波である。
【0026】図8はパテ5を蓋体120と本体110と
の間に介在させて、発振器200と受信アンテナ300
とを3m離した場合に受信された電磁波である。
【0027】これらによると、各パテ1〜パテ5は、前
記許容限界を下回っている。しかも、暗ノイズと同等あ
るいはそれをほんのわずか上回る程度の電磁波が確認さ
れたのみである。
【0028】発振器200と受信アンテナ300の距離
が近くなると、それまで検出できなかった微弱な漏洩電
磁波を検知することができる。図9は、蓋体120と本
体110との間に3mmの隙間を設け、発振器200と
受信アンテナ300とを0.5m離した場合に受信され
た電磁波である。これによると、この状態では前記許容
限界をオーバーしている部分があることを確認すること
ができる。しかもこれは、図3の距離3mのものより漏
洩電磁波が大きい。
【0029】図10はパテ1を蓋体120と本体110
との間に介在させて、発振器200と受信アンテナ30
0とを0.5m離した場合に受信された電磁波である。
【0030】図11はパテ2を蓋体120と本体110
との間に介在させて、発振器200と受信アンテナ30
0とを0.5m離した場合に受信された電磁波である。
【0031】図12はパテ3を蓋体120と本体110
との間に介在させて、発振器200と受信アンテナ30
0とを0.5m離した場合に受信された電磁波である。
【0032】図13はパテ4を蓋体120と本体110
との間に介在させて、発振器200と受信アンテナ30
0とを0.5m離した場合に受信された電磁波である。
【0033】図14はパテ5を蓋体120と本体110
との間に介在させて、発振器200と受信アンテナ30
0とを0.5m離した場合に受信された電磁波である。
【0034】これらによると、各パテ1〜パテ5は、前
記許容限界を下回っている。しかも、暗ノイズと同等あ
るいはそれをほんのわずか上回る程度の電磁波が確認さ
れたのみである。
【0035】これらの結果を以下の表3にまとめて示
す。
【0036】
【表3】
【0037】次に、KEC法(電界)による減衰率の測
定について説明する。このKEC法(電界)は、図15
に示すアウターコンダクター400を一対向かい合わせ
にして測定する。アウターコンダクター400には、1
00mm×80mmで深さが30mmの凹部402が形
成されており、この凹部420の内部にセンターコンダ
クター410がセットされている。そして、一対のアウ
ターコンダクターによって試料(この場合はパテ1〜パ
テ5)を挟み込んだ状態にして電磁波を測定するもので
ある。
【0038】この測定結果を図16〜図20に示す。
【0039】図16は厚さ10mmのパテ1を挟み込ん
だ場合、図17は厚さ10mmのパテ2を挟み込んだ場
合、図18は厚さ10mmのパテ3を挟み込んだ場合、
図19は厚さ10mmのパテ4を挟み込んだ場合、図2
0は厚さ10mmのパテ5を挟み込んだ場合をそれぞれ
示している。かかる結果を以下の表にまとめて示す。な
お、表における単位はdBである。
【0040】
【表4】
【0041】これらの測定結果によると、各パテ1〜パ
テ5は、周波数が1MHz付近の場合には60dB程度
の減衰率で、各パテ1〜パテ5を透過した電磁波は発振
器から放射された電磁波の1/1000であった。
【0042】次に、各パテ1〜パテ5の電気抵抗につい
て体積抵抗率(日本ゴム協会標準規格 SRIS 23
01による)と、四端子法による測定とを行った。その
結果を以下の表5に示す。なお、四端子法による場合
は、極板の間隔を5mmと、試料であるパテ1〜パテ5
と極板との接触面積を5cm2 とした。
【0043】
【表5】
【0044】この表5によると、各パテ1〜パテ5は電
気絶縁性のゴムや軟化剤を含んでいるにもかかわらず、
良好な導電性を確保している。パテ1〜パテ3の体積抵
抗率は未測定であるが、四端子法での抵抗値から抵抗率
は低いものと考えられる。
【0045】次に、各パテ1〜パテ5の難燃性について
以下の表6を参照しつつ説明する。ここでは、UL−9
4による評価方法を採用した。なお、UL−94はアン
ダーライターズラボラトリーズの安全規格による、プラ
スチック材料の難燃性能評価方法である。
【0046】
【表6】
【0047】パテ5はUL−94のV−0に適合する。
詳細な測定結果およびV−0適合の条件は以下に示す表
7による。
【0048】
【表7】
【0049】次に、クロロプレンゴムを使用せず、しか
も難燃性に優れたパテ6及びパテ7について説明する。
前記パテ3及びパテ5は、クロロプレンゴムを配合して
いるが、このクロロプレンゴムは未加硫状態では時間の
経過に伴って自然架橋する傾向がある。これらのパテ
3、5では、可塑剤を大量に含んでいたため、自然架橋
のスピードはかなり遅いと考えられるが、自然架橋は確
実に発生すると考えられる。この自然架橋を発生させな
いため、クロロプレンゴムを使用しないパテ6は、次の
表8のような配合になっている。
【0050】
【表8】
【0051】このパテ6及び後述するパテ7を構成する
薬品は、以下に示す表9のものを使用した。
【0052】
【表9】
【0053】また、パテ6では、難燃性を付与するため
にポリ塩化ビニル樹脂を用いた。このポリ塩化ビニル樹
脂は、含まれるハロゲン原子の作用で自己消火性を有し
ており、ニトリルブタジエンゴムとの相溶性も高い。し
かし、これだけで難燃性を付与しようとすると、大量に
添加が必要でパテとしての良好な柔軟性に欠けるので、
難燃性可塑剤である2−エチルヘキシルジフェニルホス
フェートというリン酸エステルと、塩素化パラフィンを
添加する。2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート
及び塩素化パラフィンは、ともにニトリルブタジエンゴ
ムとの相溶性が高い。2−エチルヘキシルジフェニルホ
スフェートは、低温でもパテが硬くなりにくいようにす
るために添加した。塩素化パラフィンは、ポリ塩化ビニ
ル樹脂と同様に含まれるハロゲン原子の作用で自己消火
性を有している。これに三酸化アンチモンを共存させる
と、相乗効果によって難燃性能はより向上する。
【0054】このパテ6は、UL94のV−0相当の高
い難燃性を確保することができた。このパテ6は、常温
での使用には問題がないが、50℃以上では、ポリ塩化
ビニル樹脂が可塑剤を吸収してゲル化が進行するため、
硬くなる傾向がある。電子機器用部材としては、耐熱温
度80℃以上を要求されることが多いので、高温でも硬
くならないパテとしてパテ7がある。このパテ7の配合
は、以下に示す表10の通りである。
【0055】
【表10】
【0056】このパテ7は、ポリ塩化ビニル樹脂を使用
することなく高い難燃性を確保するようにした。水酸化
アルミニウムは、燃焼時の脱水反応による吸熱効果があ
るため、大量に添加することで難燃性を付与することが
できる。また、膨張性黒鉛は燃焼時の酸素供給を遮断す
るとともに、炭化による延焼防止効果がある。この配合
によるパテ7は、UL94のV−0相当の高い難燃性を
確保することができた。
【0057】また、このパテ7では、エチレンプロピレ
ンジエンモノマー共重合体を添加することで、粘着性や
伸びを格段に抑制することができ、粘着材の添加によっ
て任意の粘着性を付与することができた。さらに、この
パテ7は、ポリ塩化ビニル樹脂や塩素化パラフィンを使
用することなく配合を脱ハロゲン化して環境に対する影
響をも考慮した。
【0058】これらのパテ6及び7の電磁波シールド性
能について電波暗室による測定と、KEC法(電界)に
よる測定とを実施した。電波暗室による測定は、上述し
たパテ1〜5における場合と同様に図1に示す測定装置
で測定した。
【0059】図21はパテ6を1蓋体120と本体11
0との間に介在させて、発振器200と受信アンテナ3
00とを3m離した場合に受信された電磁波である。
【0060】図23はパテ7を1蓋体120と本体11
0との間に介在させて、発振器200と受信アンテナ3
00とを3m離した場合に受信された電磁波である。
【0061】図22はパテ6を1蓋体120と本体11
0との間に介在させて、発振器200と受信アンテナ3
00とを0.5m離した場合に受信された電磁波であ
る。
【0062】図24はパテ7を1蓋体120と本体11
0との間に介在させて、発振器200と受信アンテナ3
00とを0.5m離した場合に受信された電磁波であ
る。
【0063】これらによるとパテ6及び7は許容限界を
下回っている。しかも、暗ノイズと同等あるいはそれを
ほんのわずか上回る程度の電磁波が確認されたのみであ
る。
【0064】次に、パテ6及び7についてのKEC法
(電界)による測定結果を図25及び図26に示す。な
お、KEC法(電界)による測定方法も、パテ1〜5の
場合に上述したものと同様である。すなわち、厚さ10
mmのパテ6及び7を挟み込んでいる。
【0065】かかる以下の表11にまとめて示す。な
お、単位はdBである。
【0066】
【表11】
【0067】これらの測定結果によると、パテ6及び7
は、周波数が1MHz付近の場合には60dB程度の減
衰率で、パテ6及び7を透過した電磁波は発振器から放
射された電磁波の約1/1000以下であった。
【0068】
【発明の効果】本発明に係る電磁波シールドパテは、導
電性材料とポリマー樹脂とを混練してなる電磁波シール
ドパテであって、前記導電性材料はカーボンブラック、
金属粉末、金属ペーストなどであり、前記ポリマー樹脂
はニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、
ブタジエンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、クロロプレン
ゴムなどの未加硫ゴムやエマルジョン、ポリ塩化ビニル
樹脂のペーストレジンなどである。導電性材料は電気抵
抗を下げ、電磁波シールド性をもたらし、ポリマー樹脂
は導電性材料をパテ状に維持し、可塑剤や軟化剤はパテ
の柔軟性を調整する。また、粘着付与剤などを添加し、
パテ施工時の作業性を向上させる。
【0069】測定結果によると、各パテ1〜パテ5の電
磁波シールド性能は、VCCIのクラスBを満たしてい
る。また、抵抗値も十分に低く導電性を確保している。
さらに、難燃性も確保することができる。従って、従来
のシールド材に代わるものとして使用することが可能で
ある。しかも、粘土のように軟らかく、柔軟性を維持す
る不乾燥タイプで、粘着性を有するため、狭いスペース
での作業性に優れている。
【0070】特に、上述したパテ6やパテ7では、難燃
性を向上させながらも、使用しやすいパテとすることが
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】電波暗室による測定を説明する説明図である。
【図2】電波暗室の暗ノイズを示すグラフである。
【図3】電波暗室において発振器と受信アンテナとの距
離が3mの場合の放射ノイズを示すグラフである。
【図4】電波暗室において発振器と受信アンテナとの距
離が3mの場合のパテ1の電磁波シールド効果を示すグ
ラフである。
【図5】電波暗室において発振器と受信アンテナとの距
離が3mの場合のパテ2の電磁波シールド効果を示すグ
ラフである。
【図6】電波暗室において発振器と受信アンテナとの距
離が3mの場合のパテ3の電磁波シールド効果を示すグ
ラフである。
【図7】電波暗室において発振器と受信アンテナとの距
離が3mの場合のパテ4の電磁波シールド効果を示すグ
ラフである。
【図8】電波暗室において発振器と受信アンテナとの距
離が3mの場合のパテ5の電磁波シールド効果を示すグ
ラフである。
【図9】電波暗室において発振器と受信アンテナとの距
離が0.5mの場合の放射ノイズを示すグラフである。
【図10】電波暗室において発振器と受信アンテナとの
距離が0.5mの場合のパテ1の電磁波シールド効果を
示すグラフである。
【図11】電波暗室において発振器と受信アンテナとの
距離が0.5mの場合のパテ2の電磁波シールド効果を
示すグラフである。
【図12】電波暗室において発振器と受信アンテナとの
距離が0.5mの場合のパテ3の電磁波シールド効果を
示すグラフである。
【図13】電波暗室において発振器と受信アンテナとの
距離が0.5mの場合のパテ4の電磁波シールド効果を
示すグラフである。
【図14】電波暗室において発振器と受信アンテナとの
距離が0.5mの場合のパテ5の電磁波シールド効果を
示すグラフである。
【図15】KEC法(電界)の測定に用いられる測定装
置の概略的斜視図である。
【図16】KEC法(電界)によるパテ1の電磁波シー
ルド効果を示すグラフである。
【図17】KEC法(電界)によるパテ2の電磁波シー
ルド効果を示すグラフである。
【図18】KEC法(電界)によるパテ3の電磁波シー
ルド効果を示すグラフである。
【図19】KEC法(電界)によるパテ4の電磁波シー
ルド効果を示すグラフである。
【図20】KEC法(電界)によるパテ5の電磁波シー
ルド効果を示すグラフである。
【図21】電波暗室において発振器と受信アンテナとの
距離が3mの場合のパテ6の電磁波シールド効果を示す
グラフである。
【図22】電波暗室において発振器と受信アンテナとの
距離が0.5mの場合のパテ6の電磁波シールド効果を
示すグラフである。
【図23】電波暗室において発振器と受信アンテナとの
距離が3mの場合のパテ7の電磁波シールド効果を示す
グラフである。
【図24】電波暗室において発振器と受信アンテナとの
距離が0.5mの場合のパテ7の電磁波シールド効果を
示すグラフである。
【図25】KEC法(電界)によるパテ6の電磁波シー
ルド効果を示すグラフである。
【図26】KEC法(電界)によるパテ7の電磁波シー
ルド効果を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性材料とポリマー樹脂とを混練して
    なる電磁波シールドパテにおいて、前記導電性材料はカ
    ーボンブラック、金属粉末、金属ペーストなどであり、
    前記ポリマー樹脂はニトリルブタジエンゴム、スチレン
    ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴム、ブチルゴ
    ム、クロロプレンゴムなどの未加硫ゴムやエマルジョ
    ン、ポリ塩化ビニル樹脂のペーストレジンなどであるこ
    とを特徴とする電磁波シールドパテ。
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