JP2000208774A - 薄膜トランジスタ、電気光学装置およびそれらの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ、電気光学装置およびそれらの製造方法

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JP2000208774A
JP2000208774A JP917199A JP917199A JP2000208774A JP 2000208774 A JP2000208774 A JP 2000208774A JP 917199 A JP917199 A JP 917199A JP 917199 A JP917199 A JP 917199A JP 2000208774 A JP2000208774 A JP 2000208774A
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tft
gate electrode
insulating film
type
manufacturing
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Kiyobumi Kitawada
清文 北和田
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 LDD構造またはオフセットゲート構造のT
FTを製造する際にそのLDD長あるいはオフセット長
のばらつきを低減することができ、かつ、その生産性も
向上することのできるTFT、それを用いた液晶装置、
およびそれらの製造方法を提供すること。 【解決手段】 LDD構造またはオフセットゲート構造
のTFT10の製造方法において、ゲート電極14を覆
うようにインクジェット法によりペルヒドロポリシラザ
ン(ポリシラザン)を溶媒に溶かしたものを塗布した
後、溶媒を除去し、しかる後に焼成して、絶縁膜51を
形成する。この絶縁膜51のうち、ゲート電極14の側
面部140を覆う部分をサイドウォール50として利用
して高濃度不純物の導入を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LDD構造または
オフセットゲート構造の薄膜トランジスタ(以下、TF
Tと称す。)、それを用いたアクティブマトリクス基板
を備える液晶装置、およびそれらの製造方法に関するも
のである。さらに詳しくは、LDD領域またはオフセッ
ト領域を形成するための製造技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶装置の駆動回路内蔵型のアクティブ
マトリクス基板において、駆動回路あるいは画素スイッ
チング素子に用いられているTFTをセルフアライン構
造で構成すると、オフリーク電流が大きいという問題点
がある。このようなオフリーク電流の大きなTFTを画
素用TFTとして用いると、コントラスト低下、フリッ
カ、表示むらなどの原因となりやすい。また、駆動回路
用TFTでもオフリーク電流が大きいと、無駄な電力消
費、誤動作、経時劣化などの原因となりやすい。
【0003】そこで、各TFTをLDD構造またはオフ
セットゲート構造にしてドレイン端における電界強度を
緩和し、オフリーク電流を低減する対策を講じることが
多い。このようなLDD構造またはオフセットゲート構
造のTFTは、従来、以下の方法で製造される。
【0004】まず、図10(A)示す基板11上に、図
10(B)に示すように、下地保護膜(図示せず。)、
シリコン膜12(半導体膜)を順次、形成した後、図1
0(C)に示すように、シリコン膜12をパターニング
し、島状のシリコン膜12とする。次に、図10(D)
に示すように、シリコン膜12の表面にゲート絶縁膜1
3を形成した後、その表面に導電膜を形成し、それをパ
ターニングしてゲート電極14を形成する。
【0005】次に、LDD構造のN型(第1導電型)の
TFTを製造する場合には、図10(E)に示すよう
に、ゲート電極14をマスクとしてリンイオンなどの低
濃度N型(低濃度第1導電型)の不純物をたとえば約1
×1013cm-2のドーズ量で打ち込む。その結果、シリ
コン膜12にはゲート電極14に対して自己整合的に不
純物濃度が約1×1019cm-3の低濃度N型領域151
が形成され、不純物が導入されなかった部分はチャネル
領域17となる。
【0006】次に、図10(F)に示すように、ゲート
電極14をやや広めに覆うレジストマスク55を形成し
た後、図10(G)に示すように、リンイオンなどの高
濃度N型(高濃度第1導電型)の不純物をたとえば約3
×1015cm-2のドーズ量で打ち込む。その結果、低濃
度N型領域151の一部は、不純物濃度が約3×1020
cm-3の高濃度N型領域152となる。
【0007】次に、図10(H)に示すように、ゲート
電極14の表面側に層間絶縁膜18を形成した後に、層
間絶縁膜18にコンタクトホールを形成し、しかる後
に、層間絶縁膜18のコンタクトホールを介して高濃度
N型領域152に電気的接続するソース電極51および
ドレイン電極52を形成する。
【0008】このように構成したTFT10は、ソース
・ドレイン領域15のうち、ソース電極51およびドレ
イン電極52が電気的接続する部分が高濃度N型領域1
52で、ゲート電極14の端部にゲート絶縁膜13を介
して対峙する部分が低濃度領域151のLDD構造を有
することになる。
【0009】なお、図10(E)に示す低濃度N型の不
純物を導入する工程を省略すれば、TFT10は、前記
の低濃度N型領域151に相当する部分がチャネル領域
17と不純物濃度が同一のオフセットゲート構造を有す
ることになる。
【0010】また、P型(第1導電型)のLDD構造の
TFTを製造する場合には、図10(E)に示した工程
において、低濃度N型(低濃度第1導電型)の不純物に
代えてボロンイオンなどの低濃度P型(低濃度第2導電
型)をたとえば約2×1013cm-2のドーズ量で打ち
込み、図10(G)に示した工程では、高濃度N型(低
濃度第1導電型)の不純物に代えてボロンイオンなどの
高濃度P型(高濃度第2導電型)の不純物をたとえば約
2×1015cm-2のドーズ量で打ち込む。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10
を参照して説明した従来の製造方法では、図10(F)
に示す工程でレジストマスク55を形成する際に、レジ
ストマスク55とゲート電極14との間に位置合わせ誤
差が生じやすいため、LDD長またはオフセット長がば
らつき、その結果、オン電流やオフリーク電流もばらつ
くという問題点がある。特に、液晶パネル(液晶装置)
のアクティブマトリクス基板のように、大型の基板11
に多数のTFTを作り込む場合には、基板11が大きい
分、レジストマスク55とゲート電極14との間の位置
関係がばらつきやすい。また、半導体プロセスにおい
て、その生産性はレジストマスクの形成回数に大きな影
響を受ける傾向があるため、LDD構造あるいはオフセ
ットゲート構造のTFTはセルフアライン構造のTFT
よりも生産性が低いという問題点もある。
【0012】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
LDD構造またはオフセットゲート構造のTFTを製造
する際にそのLDD長あるいはオフセット長のばらつき
を低減することができ、かつ、その生産性も向上するこ
とのできるTFT、それを用いた液晶装置、およびそれ
らの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、ゲート電極に対してゲート絶縁膜を介
して対峙するチャネル領域、および該チャネル領域に接
続するソース・ドレイン領域が形成された半導体膜を有
する薄膜トランジスタにおいて、前記ゲート電極の側面
部は、ポリシラザンから形成された絶縁膜で覆われてい
るとともに、前記半導体膜のうち、前記ゲート絶縁膜を
介して前記絶縁膜に対峙する部分には、低濃度ソース・
ドレイン領域またはオフセット領域が形成されているこ
とを特徴とする。
【0014】また、薄膜トランジスタを形成した基板を
電気光学装置用に用いたことを特徴とする。
【0015】また、ゲート電極に対してゲート絶縁膜を
介して対峙するチャネル領域、および該チャネル領域に
接続するソース・ドレイン領域が形成された半導体膜を
有する薄膜トランジスタの製造方法において、前記半導
体膜、前記ゲート絶縁膜、および前記ゲート電極を形成
した以降、前記ゲート電極の側面部にポリシラザンを塗
布した後、焼成してサイドウォールを形成するサイドウ
ォール形成工程と、当該サイドウォールを形成した後に
前記半導体膜に高濃度の不純物を導入する高濃度不純物
導入工程と少なくとも有することを特徴とする。
【0016】本発明では、LDD構造またはオフセット
ゲート構造のTFTを製造するために、ソース・ドレイ
ン領域となるべき半導体膜に対して、ゲート電極の端部
から所定の寸法(LDD長またはオフセット長)を隔て
た領域に高濃度の不純物を選択的に導入する際には、ポ
リシラザンをゲート電極の側面部に対して塗布した後、
それを焼成することによりサイドウォールとしての絶縁
膜を形成しておく。このため、このサイドウォールおよ
びゲート電極をマスクとして半導体膜に不純物を導入す
ると、レジストマスク或いは金属マスク等フォトアライ
メントによって形成されるマスクを形成しなくても、半
導体膜のうち、ゲート電極に遮られている部分と、ゲー
ト電極の側面部に形成されたサイドウォールに遮られて
いる部分には不純物が導入されない。従って、ゲート電
極の側面部に形成されたサイドウォールの長さ(ゲート
電極の側面部からチャネル長方向の寸法)に相当するL
DD長またはオフセット長をもつLDD構造またはオフ
セットゲート構造のTFTを製造できる。ここで、サイ
ドウォールはあくまでゲート電極の側面部を覆うように
塗布したポリシラザンを焼成したものであるため、その
長さ寸法はポリシラザンの塗布量で制御できる。すなわ
ち、ポリシラザンの塗布量さえ一定であれば、一定の長
さのサイドウォールを形成できる。それ故、同一基板上
に多数のTFTを製造する場合でも、各サイドウォール
の長さがばらつかない。よって、レジストマスク或いは
金属マスク等フォトアライメントによって形成するマス
クを利用した場合と違って、このマスクとゲート電極と
の間に位置合わせ誤差に起因するLDD長またはオフセ
ット長のばらつきがないので、LDD構造またはオフセ
ットゲート構造のTFTを製造した場合でもそのオン電
流やオフリーク電流のばらつきを著しく低減することが
できる。また、ポリシラザンを選択的に塗布することに
よりサイドウォールを形成するので、レジストマスクの
形成回数を減らすことができる。それ故、LDD構造ま
たはオフセットゲート構造のTFTの生産性を向上する
ことができる。
【0017】また、前記サイドウォール形成工程では、
ポリシラザンの塗布をインクジェット法で行うことを特
徴とする。すなわち、インクジェット法であれば、ポリ
シラザンの塗布条件を高い精度で制御できるので、各サ
イドウォールの長さ寸法においてばらつきの発生を確実
に防止でき、かつ、塗布条件の指定や変更なども容易で
ある。
【0018】また、前記ポリシラザンから形成したサイ
ドウォールを前記高濃度不純物導入工程を行った以降も
残し、当該サイドウォールの表面側に層間絶縁膜を形成
することを特徴とする。すなわち、ポリシラザンから形
成したサイドウォールは、層間絶縁膜の一部として残す
ことができるので、それを除去する工程が不要である。
【0019】また、前記サイドウォール形成工程を行う
前に前記ゲート電極をマスクとして前記半導体膜に対し
て低濃度の不純物を導入する低濃度不純物導入工程を行
い、LDD構造のTFTを製造することを特徴とする。
【0020】また、薄膜トランジスタの製造方法を利用
して、電気光学装置用のアクティブマトリクス基板上に
薄膜トランジスタを形成することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明の実施の
形態を説明する。なお、以下の説明において、本発明を
適用したTFTの製造方法は、図10を参照して説明し
た従来のTFTの製造方法と基本的な構成が共通である
ので、対応する部分に同一の符合を付してある。
【0022】(TFTの構成およびその製造方法)図1
を参照して、本形態に係るTFTの製造方法を説明しな
がら、併せて本形態のTFTの構造を説明する。図1
は、本形態に係るTFTの製造方法の基本的な構成を示
す工程断面図である。
【0023】まず図1(A)に示すように、ガラスなど
の透明な絶縁性の基板11に、必要に応じてTEOS
(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガスと
してプラズマCVD法などにより厚さがたとえば約20
00オングストロームのシリコン酸化膜からなる下地保
護膜(図示せず。)を形成する。
【0024】次に、図1(B)に示すように、基板11
の温度をたとえば350℃に設定して、下地保護膜の表
面にプラズマCVD法などにより厚さがたとえば約60
0オングストロームのアモルファスのシリコン膜などの
半導体膜12を形成する(半導体膜形成工程)。半導体
膜12としてアモルファスのシリコン膜を形成した場合
には、アモルファスのシリコン膜に対してレーザアニー
ルまたは急速熱処理などの方法で結晶化を行い、半導体
膜12をポリシリコン膜としておく。レーザアニール法
では、たとえば、エキシマレーザのビーム長が400m
mのラインビームを用い、その出力強度はたとえば20
0mJ/cm2 である。ラインビームについてはその幅
方向におけるレーザ強度のピーク値の90%に相当する
部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査して
いく。
【0025】次に、図1(C)に示すように、ポリシリ
コン膜となった半導体膜12をフォトリソグラフィ技術
を用いてパターニングし、島状の半導体膜12とする。
これまでの工程を行う間に、TFTのしきい値を調整す
ることを目的に低濃度の不純物を導入しておくことがあ
る。
【0026】次に、図1(D)に示すように、半導体膜
12の表面に対して、TEOS(テトラエトキシシラ
ン)や酸素ガスなどを原料ガスとしてプラズマCVD法
などにより厚さがたとえば約1200オングストローム
のシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜13を形成する
(ゲート絶縁膜形成工程)。
【0027】次に、ゲート絶縁膜13の表面にタンタル
などの導電膜をスパッタ法などにより形成した後、それ
をパターニングし、ゲート電極14を形成する(ゲート
電極形成工程)。
【0028】次に、LDD構造のN型のTFTを製造す
る場合には、図1(E)に示すように、ゲート電極14
をマスクとしてリンイオンなどの低濃度N型の不純物を
たとえば約1×1013cm-2のドーズ量で打ち込む(低
濃度N型不純物導入工程)。その結果、シリコン膜12
にはゲート電極14に対して自己整合的に不純物濃度が
約1×1019cm-3の低濃度N型領域151が形成さ
れ、不純物が導入されなかった部分はチャネル領域17
となる。
【0029】次に、図1(F)に示すように、ゲート電
極14を覆うようにインクジェット法によりペルヒドロ
ポリシラザン(ポリシラザン)を溶媒に溶かしたものを
塗布した後、溶媒を除去し、しかる後に焼成して絶縁膜
51を形成する。この絶縁膜51のうち、ゲート電極1
4の側面部140を覆う部分がサイドウォール50とし
て機能する(サイドウォール形成工程)。
【0030】ここで、ペルヒドロポリシラザンとは無機
ポリシラザンの一種であり、大気中で焼成することによ
ってシリコン酸化膜に転化する塗布型コーティング材料
である。たとえば、東燃(株)製のポリシラザンは、−
(SiH NH)−を単位とする無機ポリマーであ
り、キシレンなどの有機溶剤に可溶である。従って、こ
の無機ポリマーの有機溶媒溶液(たとえば、20%キシ
レン溶液)を塗布液としてインクジェットヘッドから所
定量だけ吐出、塗布した後、450℃の温度で大気中で
焼成すると、水分や酸素と反応し、CVD法で成膜した
シリコン酸化膜と同等以上の緻密なアモルファスのシリ
コン酸化膜を得ることができる。
【0031】この工程で用いるインクジェット法とはプ
リンタやファクシミリ等に一般的に採用されている記録
方法であり、それに用いるインクジェットヘッドとして
は、たとえば、図2に示すように、ノズル111の開口
にそれぞれ連通する圧力発生室113、およびこの圧力
発生室113の一壁面を構成する振動板116を変形さ
せることにより圧力発生室113を収縮させてノズル1
13の開口からポリシラザンのキシレン溶液を吐出させ
る圧電振動子PZTなどの圧力発生素子を有しているも
のを用いることができる。ここで、インクジェットヘッ
ド16には、複数の圧力発生室113に連通して各圧力
発生室111の膨張時にポリシラザンのキシレン溶液を
送り込む共通送液室115が構成されている。振動板1
16は、変形を容易とするための肉薄部分125が形成
されているが、全体として平坦な薄板で構成されてい
る。このような構成により、圧電振動子PZTが収縮し
て、振動板116が上方に撓んで圧力発生室113が膨
張すると、共通送液室115のポリシラザンのキシレン
溶液が圧力発生室113に流れ込む。所定時間の経過後
に圧電振動子PZTが伸長して、振動板116が元に戻
って圧力発生室113が収縮すると、圧力発生室113
のポリシラザンのキシレン溶液が圧縮されてノズル11
1の開口から吐出する。このとき、記録ヘッド16に形
成されている多数のノズル111のうち、いずれから液
滴を吐出するかによって塗布領域や塗布量などが制御さ
れる。
【0032】次に、図1(G)に示すように、表面部お
よび側面部に絶縁膜51(サイドウォール50)を形成
したゲート電極14をマスクとして、リンイオンなどの
高濃度N型の不純物をたとえば約3×1015cm-2のド
ーズ量で打ち込む(高濃度N型不純物導入工程)。その
結果、シリコン膜12にはゲート電極14の端部から所
定の距離(0.1μm〜約2.0μm)を隔てた領域に
不純物濃度が約3×1020cm-3の高濃度N型領域15
2が形成される。
【0033】次に、必要に応じてフォーミングガス中な
どで熱処理を行い、半導体膜12に導入した不純物を活
性化した後、図1(H)に示すように、ゲート電極14
の表面側(皮膜50の表面側)に、TEOS(テトラエ
トキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガスとしてプラズ
マCVD法などにより厚さがたとえば約5000オング
ストロームのシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜18を
形成する。次に、層間絶縁膜18にコンタクトホールを
形成し、しかる後に、層間絶縁膜18のコンタクトホー
ルを介して、高濃度N型領域152に電気的接続するソ
ース電極19およびドレイン電極20を形成する。ここ
で、ペルヒドロポリシラザン(ポリシラザン)から形成
した絶縁膜は平坦化に有効であるので、プラズマCVD
法などで形成した層間絶縁膜18の表面にペルヒドロポ
リシラザン(ポリシラザン)から形成した絶縁膜を積層
すると、その表面を平坦化できるという利点がある。
【0034】このように構成したTFT10は、ソース
・ドレイン領域15のうち、ソース電極51およびドレ
イン電極52が電気的接続する部分が高濃度N型領域1
52で、ゲート電極14の端部にゲート絶縁膜13を介
して対峙する部分が低濃度N型領域151のLDD構造
を有することになる。従って、TFT10において、ド
レイン端における電界強度が緩和されているので、オフ
リーク電流を低減することができる。それ故、後述する
ように、本形態に係るTFT10を画素スイッチング用
として形成したアクティブマトリクス基板を用いて液晶
パネル(液晶装置)を製造すれば、それを用いた液晶表
示装置(電気光学装置)において、コントラストが高
く、フリッカや表示むらなどの発生しない品位の高い表
示を行うことができる。このように、TFT10を画素
スイッチング用として形成する場合には、ソース電極5
1はアルミニウムまたはその合金などからなるデータ線
の一部であり、ゲート電極14は走査線の一部である。
また、ドレイン電極52はITO膜などの透明電極から
なる画素電極である。
【0035】また、本形態に係るTFT10を駆動回路
用に形成したアクティブマトリクス基板を用いて電気光
学装置としての液晶パネルを製造すれば、それを用いた
液晶表示装置では、無駄な電力消費、誤動作、経時劣化
などを抑えることができる。
【0036】なお、図1(E)に示す低濃度N型不純物
導工程を省略すれば、TFT10は、前記の低濃度N型
領域151に相当する部分がチャネル領域17と不純物
濃度が同一のオフセットゲート構造を有することにな
る。
【0037】(その他の製造条件)不純物の導入方法と
しては、たとえば、ドーパントガスから発生した全ての
イオンを質量分離せずに打ち込む方法、いわゆるイオン
ドーピング法を用いることができる。この方法で、たと
えば、N型の不純物を高濃度に打ち込む場合には、PH
3 を約5%含み、残部が水素ガスからなる混合ガスを用
い、この混合ガスから発生する全てのイオンを質量分離
せずに打ち込む。これに対して、N型の不純物を低濃度
に打ち込む場合には、PH3 を約5%含み、残部が水素
ガスからなる混合ガスから発生する全てのイオンを質量
分離せずに打ち込んだ後、純水素ガスから発生するイオ
ンを質量分離せずに打ち込んで、シリコン膜中の不整結
合を終端化することが好ましい。さらに、不純物の導入
方法については、イオン注入法やイオンドーピング法の
他にも、プラズマドーピング法、レーザドーピング法な
どを用いてもよい。
【0038】また、P型(第2導電型)のLDD構造の
TFTを製造する場合には、図1(E)に示した工程に
おいて、低濃度N型の不純物に代えてボロンイオンなど
の低濃度P型をたとえば約2×1013cm-2のドーズ量
で打ち込み、図1(G)に示した工程では、高濃度N型
の不純物に代えてボロンイオンなどの高濃度P型の不純
物をたとえば約2×1015cm-2のドーズ量で打ち込
む。
【0039】(本形態の効果)このように、本形態で
は、LDD構造またはオフセットゲート構造のTFT1
0を製造するために、ソース・ドレイン領域となるべき
シリコン膜12に対して、ゲート電極14の端部から所
定の寸法(LDD長またはオフセット長)を隔てた領域
に高濃度の不純物を選択的に導入する際には、インクジ
ェット法を利用してゲート電極14に対して予めサイド
ウォール50(絶縁膜)形成しておく。このため、この
サイドウォール50およびゲート電極14をマスクとし
てシリコン膜12に不純物を導入すると、レジストマス
クを形成しなくても、シリコン膜12のうち、ゲート電
極14に遮られている部分と、サイドウォール50に遮
られている部分には不純物が導入されない。従って、サ
イドウォール50の長さに相当するLDD長またはオフ
セット長をもつLDD構造またはオフセットゲート構造
のTFT10を製造できる。ここで、サイドウォール5
0はあくまでインクジェット法で塗布したポリシラザン
を焼成したものであるため、その長さ寸法はポリシラザ
ンの塗布量で制御できる。すなわち、ポリシラザンの塗
布量さえ一定であれば、一定の長さのサイドウォール5
0を形成できる。それ故、同一基板上に多数のTFT1
0を製造する場合でも、各ゲート電極14に対して形成
したサイドウォール50の長さがばらつかない。よっ
て、レジストマスクを利用した場合と違って、レジスト
マスクとゲート電極14との間の位置合わせ誤差に起因
するLDD長またはオフセット長のばらつきがないの
で、LDD構造またはオフセットゲート構造のTFT1
0を製造した場合でもそのオン電流やオフリーク電流の
ばらつきを著しく低減することができる。また、インク
ジェット法を用いてサイドウォール50を形成するの
で、レジストマスクの形成回数を減らすことができる。
従って、LDD構造またはオフセットゲート構造のTF
T10の生産性を向上することができる。
【0040】また、インクジェット法であれば、ポリシ
ラザンの塗布条件を高い精度で制御できるので、各サイ
ドウォールの長さ寸法においてばらつきの発生を確実に
防止でき、かつ、塗布条件の指定や変更なども容易であ
る。
【0041】しかも、ポリシラザンから形成した絶縁膜
51は、CVD法で成膜したシリコン酸化膜と同等以上
の緻密なアモルファスのシリコン酸化膜(絶縁膜)であ
るため、そのまま層間絶縁膜の一部として残した場合で
も、TFT10はLDD構造またはオフセットゲート構
造のTFTとしての良好な特性を示す。
【0042】(アクティブマトリクス基板の全体構成)
本形態に係るTFTの製造方法を利用して、液晶パネル
用のアクティブマトリクス基板を製造する例を説明す
る。
【0043】図3(A)は、液晶パネルに用いられる駆
動回路内蔵型のアクティブマトリクス基板の構成を模式
的に示すブロック図、図3(B)はその駆動回路を構成
する相補型TFTの説明図である。
【0044】図3(A)に示すように、液晶パネルのア
クティブマトリクス用の基板11上には、データ線90
および走査線91に接続する画素スイッチング用のTF
T10と、このTFT10を介して画像信号が入力され
る液晶セルに相当する液晶容量94が存在する。データ
線90に対しては、シフトレジスタ84、レベルシフタ
85、ビデオライン87、アナログスイッチ86を備え
るデータドライバ部82がアクティブマトリクス基板上
に形成されている。走査線91に対しては、シフトレジ
スタ88およびレベルシフタ89を備える走査ドライバ
部83がアクティブマトリクス基板上に形成されてい
る。各画素には、前段の走査線91との間に保持容量9
3が形成されることがあり、この保持容量93は、液晶
セル(液晶容量94)での電荷の保持特性を高める機能
を有している。
【0045】データドライバ部82や走査ドライバ部8
3では、図3(B)に示すように、N型の駆動回路用T
FT20とP型の駆動回路用TFT30とによってCM
OS回路が構成されている。従って、駆動回路内蔵型の
アクティブマトリクス基板では、導電型および用途から
みて3種類のTFT10、20、30が用いられている
といえる。
【0046】(アクティブマトリクス基板の製造方法)
そこで、本形態では、本発明を適用したTFTの製造方
法を利用して、アクティブマトリクス基板を製造する方
法を説明する。しかも、タイプの異なる3種類のTFT
を製造する方法を説明する。
【0047】まず、図4に示すように、基板11上に
は、N型のTFTを形成するための半導体膜12、2
2、ゲート絶縁膜13、23およびゲート電極14、2
4を形成した以降、前記の複数のゲート電極14、24
のうち、画素スイッチング用のTFT10を形成するた
めのゲート電極14の表面部および側面部には、図1
(F)を参照して説明したサイドウォール形成工程で絶
縁膜51(サイドウォール50)を形成し、その他のゲ
ート電極24の表面部および側面部には絶縁膜51(サ
イドウォール50)を形成しない。この状態で、図1
(G)を参照して説明した高濃度N型不純物導入工程を
行うことによって、半導体膜12にはゲート電極14の
端部から所定の寸法を隔てた領域に高濃度N型領域15
2(ソース・ドレイン領域)を形成する。同時に、半導
体膜22にはゲート電極24に対してセフアライン的に
高濃度N型領域252(ソース・ドレイン領域)を形成
する。その結果、オフセットゲート構造のN型のTFT
10(画素用TFT)と、セルフアライン構造のN型の
薄膜トランジスタ20(N型の駆動回路用TFT)とを
同一基板上に製造することができる。なお、N型のTF
T10を形成するにあたって、サイドウォール形成工程
で絶縁膜51(サイドウォール50)を形成する前にゲ
ート電極14をマスクとして、半導体膜12に低濃度N
型不純物を導入すれば、TFT10をLDD構造とする
ことができる。
【0048】併せて、基板11上にはP型のTFT30
を形成するための半導体膜32、ゲート絶縁膜33、お
よびゲート電極34も形成しておくが、ゲート電極34
には、図1(F)を参照して説明したサイドウォール形
成工程で絶縁膜51(サイドウォール50)を形成しな
い。この状態で、ゲート電極34をマスクとして半導体
膜32に高濃度P型の不純物を導入すると、半導体膜3
2にはゲート電極34に対してセフアライン的に高濃度
P型領域352(ソース・ドレイン領域)が形成される
ので、前記のオフセットゲート構造のN型のTFT10
(画素用TFT)と、セルフアライン構造のN型のTF
T20(N型の駆動回路用TFT)と、セルフアライン
構造のP型のTFT30(P型の駆動回路用TFT)と
を同一基板上に形成することができる。
【0049】この間、高濃度N型の不純物を導入する際
には、P型のTFT30の方をマスクで覆い、高濃度P
型の不純物を導入する際には、N型のTFT10、20
の方をマスクで覆っておくのは勿論である。
【0050】このように、本形態によれば、基板11上
に形成した3つゲート電極14、24、34のうち、ゲ
ート電極14に対してのみ選択的に絶縁膜51(サイド
ウォール50)を形成しておくことによって、マスク等
の形成回数を増やすことなく、LDD構造またはオフセ
ットゲート構造のN型のTFT10と、セルフアライン
構造のN型およびP型のTFT20、30とを同一基板
上に製造できる。しかも、LDD構造またはオフセット
ゲート構造のN型のTFT10では、オン電流やオフリ
ーク電流のばらつきが小さい。
【0051】(アクティブマトリクス基板の別の製造方
法)本形態では、図5に示すように、基板11上に、N
型のTFTを形成するための半導体膜12、22、ゲー
ト絶縁膜13、23、およびゲート電極14、24をそ
れぞれ形成した以降、ゲート電極14、24のうち、ゲ
ート電極14の表面には、図1(F)を参照して説明し
たサイドウォール形成工程で、ポリシラザンの塗布量を
多くすることにより絶縁膜51を広めに形成し、その他
のゲート電極24には、ポリシラザンの塗布量を少なく
することにより絶縁膜51を狭めに形成する。すなわ
ち、ゲート電極14の側方には長めのサイドウォール5
0を形成し、ゲート電極24の側方には短めのサイドウ
ォール50を形成する。次に、図1(F)を参照して説
明した高濃度不純物導入工程を行うことによって、オフ
セットゲート構造のN型のTFT10、20として、オ
フセット長の異なるTFTを同一基板上に形成する。
【0052】また、基板11上にはP型のTFTを形成
するための半導体膜32、ゲート絶縁膜33、およびゲ
ート電極34も形成した以降、このゲート電極34に
も、図1(F)などを参照して説明したサイドウォール
形成工程で、ポリシラザンを塗布、焼成することにより
絶縁膜51を形成する。そして、絶縁膜51を形成した
ゲート電極34をマスクとして半導体膜34に高濃度P
型の不純物を導入する高濃度P型不純物導入工程を行
う。その結果、オフセットゲート構造のP型のTFT3
0(P型の駆動回路用TFT)と、オフセットゲート構
造のN型のTFT20(N型の駆動回路用TFT)と、
このTFT20よりオフセット長が長いN型のTFT1
0(画素用TFT)とを同一基板上に形成することがで
きる。
【0053】この間、高濃度N型の不純物を導入する際
には、P型のTFT30の方をマスクで覆い、高濃度P
型の不純物を導入する際には、N型のTFT10、20
の方をマスクで覆っておくのは勿論である。
【0054】なお、サイドウォール形成工程で絶縁膜5
1をまだ形成していないゲート電極14、24をマスク
として、半導体膜12、22に低濃度N型不純物を導入
し、サイドウォール形成工程で絶縁膜51をまだ形成し
ていないゲート電極34をマスクとして、半導体膜32
に低濃度P型不純物を導入すれば、いずれのTFT1
0、20、30もLDD構造とすることができる。この
場合に、TFT10のLDD長は長く、TFT20、3
0のLDD長は短い。
【0055】このように、本形態によれば、サイドウォ
ール形成工程において、複数のゲート電極14、24、
34の間においてポリシラザンの塗布条件を変えるだけ
で、ゲート電極14、24、34の表面部および側面部
に、塗布条件に応じた所定の絶縁膜51(サイドウォー
ル50)を形成できる。それ故、工程数を増やすことな
く、LDD長またはオフセット長の異なるN型およびP
型のTFT10、20、30を同一基板上に製造でき
る。
【0056】なお、上記説明では、画素用TFTをN型
で構成したが、画素用TFTをP型で構成してもよい。
また、3つのTFT10、20、30の間でオフセット
長やLDD長の長短の組合せは、上記の例に限定される
ものではなく、その組み合わせを適宜、変えた形態で同
一基板上に形成してもよい。
【0057】[アクティブマトリクス基板の使用例]こ
のように構成したアクティブマトリクス基板1は、図6
および図7に示す液晶パネル(液晶装置)を構成する。
【0058】図6および図7はそれぞれ、液晶パネルの
平面図およびそのH−H′線における断面図である。
【0059】これらの図において、液晶パネル100
は、前記のアクティブマトリクス基板1と、石英基板や
高耐熱ガラス基板などの透明な絶縁基板200に対向電
極71およびマトリクス状に遮光膜6が形成された対向
基板2と、これらの基板間に封入、挟持されている液晶
3とから概略構成されている。アクティブマトリクス基
板1と対向基板2とはギャップ材含有のシール材を用い
たシール層80によって所定の間隙を介して貼り合わさ
れ、これらの基板間に液晶3が封入されている。シール
層80には、エポキシ樹脂や各種の紫外線硬化樹脂など
を用いることができる。また、ギャップ材としては、約
2μm〜約10μmの無機あるいは有機質のファイバ若
しくは球を用いることができる。対向基板2はアクティ
ブマトリクス基板1よりも小さく、アクティブマトリク
ス基板1の周辺部分は、対向基板2の外周縁よりはみ出
た状態に貼り合わされる。従って、アクティブマトリク
ス基板1の走査線駆動回路60およびデータ線駆動回路
70は、対向基板2の外側に位置している。また、アク
ティブマトリクス基板1の入出力端子81も対向基板2
の外側に位置しているので、入出力端子81にはフレキ
シブルプリント配線基板8を配線接続することができ
る。ここで、シール層80は部分的に途切れているの
で、この途切れ部分によって、液晶注入口83が構成さ
れている。このため、対向基板2とアクティブマトリク
ス基板1とを貼り合わせた後、シール層80の内側領域
を減圧状態にすれば、液晶注入口83から液晶3を減圧
注入でき、液晶3を封入した後、液晶注入口83を封止
剤82で塞げばよい。なお、対向基板2には、シール層
80の内側に表示領域を見切りするための遮光膜5も形
成されている。
【0060】[液晶パネルの使用例]図6および図7に
示す液晶パネルを透過型で構成した場合の電子機器への
使用例を、図8ないし図9を参照して説明する。
【0061】上記形態の液晶パネルを用いて構成される
電子機器(液晶表示装置)は、図8のブロック図に示す
ように、表示情報出力源1000、表示情報処理回路1
002、表示駆動装置1004、液晶パネル1006
(液晶パネル100)、クロック発生回路1008、お
よび電源回路1010を含んで構成される。表示情報出
力源1000は、ROM、RAMなどのメモリ、テレビ
信号などを同調して出力する同調回路などを含んで構成
され、クロック発生回路1008からのクロックに基づ
いて表示情報を処理して出力する。この表示情報出力回
路1002は、たとえば増幅・極性反転回路、シリアル
−パラレル変換回路,ローテーション回路、ガンマ補正
回路、あるいはクランプ回路等を含んで構成され、液晶
パネル1006を駆動する。電源回路1010は、上述
の各回路に電力を供給する。
【0062】このような構成の電子機器としては、図9
を参照して後述する投写型液晶表示装置(液晶プロジェ
クタ)、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ
(PC)、およびエンジニアリング・ワークステーショ
ン(EWS)、ページャ、あるいは携帯電話、ワードプ
ロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直
視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算
機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネ
ルなどを挙げることができる。
【0063】図9に示す投写型液晶表示装置は、液晶パ
ネルをライトバルブとして用いた投写型プロジェクタで
あり、たとえば3枚プリズム方式の光学系を用いてい
る。図9において、液晶プロジェクタ1100では、白
色光源のランプユニット1102から出射された投写光
がライトガイド1104の内部で、複数のミラー110
6および2枚のダイクロイックミラー1108によっ
て、R、G、Bの3原色に分離され(光分離手段)、そ
れぞれの色の画像を表示する3枚の液晶パネル1110
R、1110G、1110B(液晶パネル100)に導
かれる。そして、それぞれの液晶パネル1110R、1
110G、1110Bによって変調された光は、ダイク
ロイックプリズム1112(光合成手段)に3方向から
入射される。ダイクロイックプリズム1112では、レ
ッドRおよびブルーBの光が90°曲げられ、グリーン
Gの光は直進するので、各色の光が合成され、投写レン
ズ1114を通してスクリーンなどにカラー画像が投写
される。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、半導
体膜のうち、ゲート電極の端部から所定の寸法(LDD
長またはオフセット長)を隔てた領域に高濃度の不純物
を選択的に導入する際には、インクジェット法などを利
用してゲート電極に対して予めサイドウォールを形成し
ておくことに特徴を有する。従って、本発明によれば、
サイドウォールに遮られている部分には不純物が導入さ
れないので、サイドウォールの長さに相当するLDD長
またはオフセット長をもつLDD構造またはオフセット
ゲート構造のTFTを製造できる。ここで、サイドウォ
ールはあくまでインクジェット法などで塗布したポリシ
ラザンを焼成したものであるため、その長さ寸法はポリ
シラザンの塗布量で制御できるので、同一基板上に多数
のTFTを製造する場合でも、各ゲート電極に対して形
成したサイドウォールの長さがばらつかない。よって、
レジストマスク或いは金属等フォトアライメントによっ
て形成するマスクとゲート電極との間に位置合わせ誤差
に起因するLDD長またはオフセット長のばらつきがな
いので、LDD構造またはオフセットゲート構造のTF
Tにおいてオン電流やオフリーク電流のばらつきを著し
く低減することができる。また、インクジェット法を用
いてサイドウォールを形成するので、マスクの形成回数
を減らすことができる。従って、LDD構造またはオフ
セットゲート構造のTFTの生産性を向上することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したLDD構造あるいはオフセッ
トゲート構造のTFTの製造方法を示す工程断面図であ
る。
【図2】インクジェットヘッドの説明図である。
【図3】(A)は、液晶表示装置のアクティブマトリク
ス基板のブロック図、(B)は、その駆動回路に形成し
た相補型TFTを示す説明図である。
【図4】本発明に係るTFTの製造方法を用いて製造し
たアクティブマトリクス基板の断面図である。
【図5】本発明に係るTFTの製造方法を用いて製造し
た別のアクティブマトリクス基板の断面図である。
【図6】アクティブマトリクス基板の使用例を示す液晶
パネルの平面図である。
【図7】図6に示す液晶パネルのH−H′線における断
面図である。
【図8】図6に示す液晶パネルの使用例を示す液晶表示
装置の回路構成を示すブロック図である。
【図9】図6に示す液晶パネルの使用例を示す投写型液
晶表示装置の全体構成図である。
【図10】従来のLDD構造あるいはオフセットゲート
構造のTFTの製造方法を示す工程断面図である。
【符号の説明】 1 アクティブマトリクス基板 2 対向基板 10、20 N型のTFT 11 基板 12、22、32 半導体膜 13、23、33 ゲート絶縁膜 14、24、34 ゲート電極 15 ソース・ドレイン領域 16 インクジェットヘッド 30 P型のTFT 50 サイドウォール(絶縁膜) 51 絶縁膜 100 液晶パネル(液晶装置) 151 低濃度N型領域 152、252 高濃度N型領域 352 高濃度P型領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 JA24 JA34 JA37 JA41 KA10 MA08 MA29 MA30 NA24 NA27 PA07 RA05 5F110 AA08 BB01 BB04 CC02 DD02 DD03 EE04 EE32 EE44 FF02 FF30 GG02 GG13 HJ01 HJ04 HJ13 HJ18 HM14 HM15 NN02 NN72 PP03 PP05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲート電極に対してゲート絶縁膜を介し
    て対峙するチャネル領域、および該チャネル領域に接続
    するソース・ドレイン領域が形成された半導体膜を有す
    る薄膜トランジスタにおいて、 前記ゲート電極の側面部には、ポリシラザンからなる絶
    縁膜が形成されてなり、 前記半導体膜のうち、前記ゲート絶縁膜を介して前記絶
    縁膜と対峙する部分には、低濃度ソース・ドレイン領域
    またはオフセット領域が形成されてなることを特徴とす
    る薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】 請求項1に規定する薄膜トランジスタが
    形成された基板を用いたことを特徴とする電気光学装
    置。
  3. 【請求項3】 ゲート電極に対してゲート絶縁膜を介し
    て対峙するチャネル領域、および該チャネル領域に接続
    するソース・ドレイン領域が形成された半導体膜を有す
    る薄膜トランジスタの製造方法において、 前記半導体膜、前記ゲート絶縁膜、および前記ゲート電
    極を形成した以降、 前記ゲート電極の側面部にポリシラザンを塗布した後、
    焼成してサイドウォールを形成するサイドウォール形成
    工程と、 当該サイドウォールを形成した後に前記半導体膜に高濃
    度の不純物を導入する高濃度不純物導入工程とを少なく
    とも有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記サイドウォール
    形成工程では、ポリシラザンの塗布をインクジェット法
    で行うことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または4において、前記ポリシ
    ラザンから形成したサイドウォールを前記高濃度不純物
    導入工程を行った以降も残し、当該サイドウォールの表
    面側に層間絶縁膜を形成することを特徴とする薄膜トラ
    ンジスタの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3ないし5のいずれかにおいて、
    前記サイドウォール形成工程を行う前に前記ゲート電極
    をマスクとして前記半導体膜に対して低濃度の不純物を
    導入する低濃度不純物導入工程を行うことを特徴とする
    薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3ないし6のいずれかに規定する
    薄膜トランジスタの製造方法を利用して、アクティブマ
    トリクス基板上に薄膜トランジスタを形成することを特
    徴とする電気光学装置の製造方法。
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