JP2000207793A - 熱磁気記録装置及び記録再生方法 - Google Patents
熱磁気記録装置及び記録再生方法Info
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- JP2000207793A JP2000207793A JP11004597A JP459799A JP2000207793A JP 2000207793 A JP2000207793 A JP 2000207793A JP 11004597 A JP11004597 A JP 11004597A JP 459799 A JP459799 A JP 459799A JP 2000207793 A JP2000207793 A JP 2000207793A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い信号分解性能可能な熱磁気記録による垂
直磁気記録装置及び方法を提供する。 【解決手段】 垂直磁化膜に楕円形状の記録光11を照
射しつつ、磁気記録ヘッドによって、垂直磁化膜に磁気
記録を行う。記録光11は、トラック方向に短軸を有す
るので、加熱領域12もトラック方向に短軸を有する楕
円となる。、このため、3日月形状となる各記録磁区1
3の遷移幅WTが従来に比して小さくなる。このため、
磁気記録の再生時における信号の分解性能が向上する。
直磁気記録装置及び方法を提供する。 【解決手段】 垂直磁化膜に楕円形状の記録光11を照
射しつつ、磁気記録ヘッドによって、垂直磁化膜に磁気
記録を行う。記録光11は、トラック方向に短軸を有す
るので、加熱領域12もトラック方向に短軸を有する楕
円となる。、このため、3日月形状となる各記録磁区1
3の遷移幅WTが従来に比して小さくなる。このため、
磁気記録の再生時における信号の分解性能が向上する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は情報記録に用いる熱
磁気記録装置及び記録再生方法に関する。
磁気記録装置及び記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体では、近年目覚ましい記録
密度の増加が得られている。従来の「長手磁気記録」媒
体では、記録密度が高まるにつれて「熱緩和現象」の問
題が起こることが指摘されている。これは互いに向き合
った記録磁区どうしの反発により、磁化の熱運動をきっ
かけとして磁気記録が消失する現象であり、高密度記録
では避けて通れない現象である。
密度の増加が得られている。従来の「長手磁気記録」媒
体では、記録密度が高まるにつれて「熱緩和現象」の問
題が起こることが指摘されている。これは互いに向き合
った記録磁区どうしの反発により、磁化の熱運動をきっ
かけとして磁気記録が消失する現象であり、高密度記録
では避けて通れない現象である。
【0003】長手方向磁気記録とは異なり、磁化が基板
面に垂直に向く「垂直磁気記録」媒体では、隣り合った
磁区が互いに安定化させるように働くので、より高密度
記録に適している。従来から、CoCr等の磁気材料を
用い、結晶の配向性を制御することで、垂直磁気異方性
を有する磁性膜が作製されている。
面に垂直に向く「垂直磁気記録」媒体では、隣り合った
磁区が互いに安定化させるように働くので、より高密度
記録に適している。従来から、CoCr等の磁気材料を
用い、結晶の配向性を制御することで、垂直磁気異方性
を有する磁性膜が作製されている。
【0004】垂直磁気記録膜では、外部磁界によって既
に記録した磁区の形状が不安定になるという問題が知ら
れている。これは、一つには記録に用いる微小面積の磁
気ヘッドに外部磁界の磁束が集中するため、ヘッドと媒
体との間で強い磁界となってしまうことに起因してい
る。また、記録膜のもつ磁化が大きく、膜中に磁壁移動
の核となる反転磁区があることもこの現象の一因であ
る。
に記録した磁区の形状が不安定になるという問題が知ら
れている。これは、一つには記録に用いる微小面積の磁
気ヘッドに外部磁界の磁束が集中するため、ヘッドと媒
体との間で強い磁界となってしまうことに起因してい
る。また、記録膜のもつ磁化が大きく、膜中に磁壁移動
の核となる反転磁区があることもこの現象の一因であ
る。
【0005】上記問題を解決するために、従来の光磁気
ディスクで用いられているような熱磁気記録を用いた記
録方法が提案されている。熱磁気記録方法では、室温で
大きな保磁力を持った磁性膜に対し局所的にレーザー光
で加熱し、温度が上がり保磁力の低下した部分にのみ記
録を行う。この方法では、記録磁界が弱くて済み、かつ
記録磁区形状が加熱領域によって決定されるので、磁束
が微小面積に集中するような磁気ヘッドを必要とせず、
外部磁界による外乱を受けにくい。またこの方法で用い
られる媒体は、室温での保磁力が大きいので、磁界中で
も記録磁区が安定して存在し、再生信号の低下を生じな
い利点がある。再生は、従来の磁気記録媒体と同様に、
MRヘッド、GMRヘッド等により媒体の発生する磁束
を検出することで行うことができる。さらに、記録トラ
ック幅が記録光のスポット径で決まるので、記録ヘッド
の加工精度でトラック幅が制限されるという問題が無く
なる。再生は、従来の磁気記録媒体と同様に、MRヘッ
ド、GMRヘッド等により媒体の発生する磁束を検出す
ることで行うことができる。
ディスクで用いられているような熱磁気記録を用いた記
録方法が提案されている。熱磁気記録方法では、室温で
大きな保磁力を持った磁性膜に対し局所的にレーザー光
で加熱し、温度が上がり保磁力の低下した部分にのみ記
録を行う。この方法では、記録磁界が弱くて済み、かつ
記録磁区形状が加熱領域によって決定されるので、磁束
が微小面積に集中するような磁気ヘッドを必要とせず、
外部磁界による外乱を受けにくい。またこの方法で用い
られる媒体は、室温での保磁力が大きいので、磁界中で
も記録磁区が安定して存在し、再生信号の低下を生じな
い利点がある。再生は、従来の磁気記録媒体と同様に、
MRヘッド、GMRヘッド等により媒体の発生する磁束
を検出することで行うことができる。さらに、記録トラ
ック幅が記録光のスポット径で決まるので、記録ヘッド
の加工精度でトラック幅が制限されるという問題が無く
なる。再生は、従来の磁気記録媒体と同様に、MRヘッ
ド、GMRヘッド等により媒体の発生する磁束を検出す
ることで行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の垂直磁気記録で
は、磁気ディスクの記録磁区の形状は四角、すなわち磁
区間の磁壁形状は直線であった。しかし、上記熱磁気記
録方法を採用すると、記録磁区の形状が三日月型に、つ
まり、磁区間の磁壁形状が円弧状になる。これは、熱磁
気記録では、記録磁区形状が加熱された後の冷却時の温
度分布に沿って決定されることによって生ずる。磁区長
が短くなったときに、このように記録磁区が曲線である
と、磁壁位置があいまいになり、再生分解能を低下させ
る。
は、磁気ディスクの記録磁区の形状は四角、すなわち磁
区間の磁壁形状は直線であった。しかし、上記熱磁気記
録方法を採用すると、記録磁区の形状が三日月型に、つ
まり、磁区間の磁壁形状が円弧状になる。これは、熱磁
気記録では、記録磁区形状が加熱された後の冷却時の温
度分布に沿って決定されることによって生ずる。磁区長
が短くなったときに、このように記録磁区が曲線である
と、磁壁位置があいまいになり、再生分解能を低下させ
る。
【0007】本発明は、上記に鑑み、記録磁区形状を改
善し再生分解能の低下を防ぐことができる熱磁気記録装
置及び記録再生方法を提供することを目的とする。
善し再生分解能の低下を防ぐことができる熱磁気記録装
置及び記録再生方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の熱磁気記録装置は、スライダーに搭載した
記録ヘッドから、情報に応じた磁界方向を持つ記録磁界
を加えることによって垂直磁化膜に磁気記録を行う熱磁
気記録装置において、記録位置近傍を加熱するための記
録光を照射する光照射手段を有し、記録媒体上の記録光
の形状が記録トラックに沿った方向に短軸を有する楕円
形状であることを特徴とする。
に、本発明の熱磁気記録装置は、スライダーに搭載した
記録ヘッドから、情報に応じた磁界方向を持つ記録磁界
を加えることによって垂直磁化膜に磁気記録を行う熱磁
気記録装置において、記録位置近傍を加熱するための記
録光を照射する光照射手段を有し、記録媒体上の記録光
の形状が記録トラックに沿った方向に短軸を有する楕円
形状であることを特徴とする。
【0009】また、本発明の記録再生方法は、情報に応
じた磁界方向を持つ記録磁界及び加熱のための記録光を
垂直磁化膜に印加することによって磁気記録を行い、前
記垂直磁化膜の磁束を検出することによって前記磁気記
録を再生する、磁気記録の記録再生方法において、前記
垂直磁化膜上の記録光の形状が記録トラックに沿った方
向に短軸を有する楕円形状であることを特徴とする。
じた磁界方向を持つ記録磁界及び加熱のための記録光を
垂直磁化膜に印加することによって磁気記録を行い、前
記垂直磁化膜の磁束を検出することによって前記磁気記
録を再生する、磁気記録の記録再生方法において、前記
垂直磁化膜上の記録光の形状が記録トラックに沿った方
向に短軸を有する楕円形状であることを特徴とする。
【0010】本発明の熱磁気記録装置及び記録再生方法
によると、垂直磁化膜上での記録光の形状が、トラック
方向に短軸を有しトラックと直交方向に長軸を有する楕
円であるので、記録磁区のトラック方向の先端と後端と
の間の距離である遷移幅WTが小さくとれ、磁気記録の
再生の際に検出ヘッドによる分解性能が向上する。
によると、垂直磁化膜上での記録光の形状が、トラック
方向に短軸を有しトラックと直交方向に長軸を有する楕
円であるので、記録磁区のトラック方向の先端と後端と
の間の距離である遷移幅WTが小さくとれ、磁気記録の
再生の際に検出ヘッドによる分解性能が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明をそ
の実施形態例に基づいて更に詳細に説明する。なお、図
面では、理解を容易にするために、同様な要素には同様
な符号を付して示した。
の実施形態例に基づいて更に詳細に説明する。なお、図
面では、理解を容易にするために、同様な要素には同様
な符号を付して示した。
【0012】本発明の一実施形態例による熱磁気記録の
状況を図1に示し、また、比較のために従来の熱磁気記
録の状況を図2に示した。従来の熱磁気記録方法では、
従来の光ディスクの記録と同様に、媒体上に円形状の記
録光11を照射することで、垂直磁気記録膜の一部をそ
のキュリー温度以上に加熱して加熱領域12とする。同
時に、情報に応じて変調された記録磁界を、記録領域を
含む広い範囲に加えることによって、加熱された部分に
情報に応じた磁化方向を記録する。このとき、記録磁区
13の形状は垂直磁化膜の温度分布によって決定され
る。ここで、媒体上での熱拡散の影響があるため、加熱
領域12は、一般に記録トラックに沿った方向に長軸、
記録トラックに直交する方向に短軸を有する楕円型とな
る。このため、隣接するトラックに影響を与えない磁区
幅で記録を行うと、記録トラック上での記録磁区13の
形状は3日月型になる。
状況を図1に示し、また、比較のために従来の熱磁気記
録の状況を図2に示した。従来の熱磁気記録方法では、
従来の光ディスクの記録と同様に、媒体上に円形状の記
録光11を照射することで、垂直磁気記録膜の一部をそ
のキュリー温度以上に加熱して加熱領域12とする。同
時に、情報に応じて変調された記録磁界を、記録領域を
含む広い範囲に加えることによって、加熱された部分に
情報に応じた磁化方向を記録する。このとき、記録磁区
13の形状は垂直磁化膜の温度分布によって決定され
る。ここで、媒体上での熱拡散の影響があるため、加熱
領域12は、一般に記録トラックに沿った方向に長軸、
記録トラックに直交する方向に短軸を有する楕円型とな
る。このため、隣接するトラックに影響を与えない磁区
幅で記録を行うと、記録トラック上での記録磁区13の
形状は3日月型になる。
【0013】加熱領域12の長軸と短軸との比は、媒体
の回転速度が速くなるに従って大きくなり、このため、
1つの記録磁区13の媒体移動方向における先端から末
端までの距離として示される遷移幅WTが大きくなる。
遷移幅WTが大きくなると、読出しにあたって検出ヘッ
ドが感ずる、隣接する記録磁区13との境界が曖昧とな
り、検出ヘッドの分解能が著しく低下する。
の回転速度が速くなるに従って大きくなり、このため、
1つの記録磁区13の媒体移動方向における先端から末
端までの距離として示される遷移幅WTが大きくなる。
遷移幅WTが大きくなると、読出しにあたって検出ヘッ
ドが感ずる、隣接する記録磁区13との境界が曖昧とな
り、検出ヘッドの分解能が著しく低下する。
【0014】本発明では、図1に示すように、磁壁形状
を磁束検出に適した直線に近いものとするため、記録媒
体上での記録光11の形状を記録トラックに沿った方向
に短軸、記録トラックに直交する方向に長軸を有する楕
円とする。このような形状の記録光11を採用すること
により、加熱領域12の形状を整形し、より円形に近い
温度分布、乃至は、記録トラックに沿った方向に短軸を
有する楕円とすることができる。この結果として、記録
磁区13の形状は、従来の磁気ディスクで用いられてい
る四角形に近いものとなり、磁壁形状が直線に近づくの
で、従来に比して遷移幅WTを小さくすることができ、
検出ヘッドの分解能を向上させることが出来る。
を磁束検出に適した直線に近いものとするため、記録媒
体上での記録光11の形状を記録トラックに沿った方向
に短軸、記録トラックに直交する方向に長軸を有する楕
円とする。このような形状の記録光11を採用すること
により、加熱領域12の形状を整形し、より円形に近い
温度分布、乃至は、記録トラックに沿った方向に短軸を
有する楕円とすることができる。この結果として、記録
磁区13の形状は、従来の磁気ディスクで用いられてい
る四角形に近いものとなり、磁壁形状が直線に近づくの
で、従来に比して遷移幅WTを小さくすることができ、
検出ヘッドの分解能を向上させることが出来る。
【0015】本発明においては、レーザー、ダイオード
等の光で記録部分を加熱することでHcを低下させる熱
磁気記録という手法を採用する。微小部分を加熱できる
という点からレーザーを用いるのが特に好ましい。レー
ザーの波長としては、680nm又は650nmといっ
た通常の光ディスクに現在用いられているものが挙げら
れる。短いレーザー波長を採用すると、ビームの集光ス
ポットが小さくなるので、記録位置以外の磁区をなるべ
く加熱しないという意味では有利である。
等の光で記録部分を加熱することでHcを低下させる熱
磁気記録という手法を採用する。微小部分を加熱できる
という点からレーザーを用いるのが特に好ましい。レー
ザーの波長としては、680nm又は650nmといっ
た通常の光ディスクに現在用いられているものが挙げら
れる。短いレーザー波長を採用すると、ビームの集光ス
ポットが小さくなるので、記録位置以外の磁区をなるべ
く加熱しないという意味では有利である。
【0016】記録磁界は、高速で変調する必要があり、
一般には媒体上を浮上して又は接触しながら動くスライ
ダーに搭載した磁気ヘッドにより発生する。記録光は、
スライダーに対物レンズを搭載して媒体上に照射しても
良く、或いは、対物レンズをスライダーとは独立に設
け、その透過光をスライダーに開けた穴を通して照射し
ても良い。基板が透明な場合には、基板側より照射する
ことも可能である。ただし記録光をスライダー側から照
射する方が、基板の両面側に記録して記録容量を高める
観点からは好ましい。
一般には媒体上を浮上して又は接触しながら動くスライ
ダーに搭載した磁気ヘッドにより発生する。記録光は、
スライダーに対物レンズを搭載して媒体上に照射しても
良く、或いは、対物レンズをスライダーとは独立に設
け、その透過光をスライダーに開けた穴を通して照射し
ても良い。基板が透明な場合には、基板側より照射する
ことも可能である。ただし記録光をスライダー側から照
射する方が、基板の両面側に記録して記録容量を高める
観点からは好ましい。
【0017】本発明における記録光の形状とは、媒体面
上での光強度分布の形状をいう。より具体的には、光強
度が最大強度に対し1/(e2)となる位置の分布で定
義される。記録光形状の記録トラックに沿った長さを
a、それに垂直方向の長さをbとしたときの比をアスペ
クト比ARと呼び、 AR=b/a と定義する。温度分布の形状が記録光形状にほぼ比例し
て変化すると考え、例えばARを2にすれば、検出ヘッ
ドが単一の磁壁を検出する距離は半分になる。従って、
単純には分解能が2倍になる。磁区幅は記録トラック幅
wで制限されるが、円形の記録光(AR=1)では、磁
壁がほぼ半円形となるので遷移幅はw/2である。遷移
幅WTは、温度分布がほぼ記録光形状に比例すると考え
ると、 WT=w/(2AR) となる。
上での光強度分布の形状をいう。より具体的には、光強
度が最大強度に対し1/(e2)となる位置の分布で定
義される。記録光形状の記録トラックに沿った長さを
a、それに垂直方向の長さをbとしたときの比をアスペ
クト比ARと呼び、 AR=b/a と定義する。温度分布の形状が記録光形状にほぼ比例し
て変化すると考え、例えばARを2にすれば、検出ヘッ
ドが単一の磁壁を検出する距離は半分になる。従って、
単純には分解能が2倍になる。磁区幅は記録トラック幅
wで制限されるが、円形の記録光(AR=1)では、磁
壁がほぼ半円形となるので遷移幅はw/2である。遷移
幅WTは、温度分布がほぼ記録光形状に比例すると考え
ると、 WT=w/(2AR) となる。
【0018】ARが1以上であれば、分解能改善の効果
が見込まれる。しかし、磁気ディスク上において直線状
の磁壁に近づけるためには、ARが1.5以上であるこ
とが好ましい。さらに好ましくは2以上である。ただ
し、ARがあまり大きすぎると、磁区幅が充分に大きく
かつ隣接トラックへの記録(クロスライト)が発生しな
いパワーマージンが低下するので、ARは15以下であ
ることが好ましい。さらに好ましくは10以下である。
が見込まれる。しかし、磁気ディスク上において直線状
の磁壁に近づけるためには、ARが1.5以上であるこ
とが好ましい。さらに好ましくは2以上である。ただ
し、ARがあまり大きすぎると、磁区幅が充分に大きく
かつ隣接トラックへの記録(クロスライト)が発生しな
いパワーマージンが低下するので、ARは15以下であ
ることが好ましい。さらに好ましくは10以下である。
【0019】楕円状の光スポットを形成する方法として
は、記録光を細長いスリットを通過させてから対物レン
ズに入射する方法、或いは、対物レンズを通過させた後
に細長いスリット通過させる方法が挙げられる。更に
は、光路内にシリンドリカルレンズを入れる方法、トラ
ックに沿った方向とその垂直方向での焦点距離を変化さ
せる方法もある。また、半導体レーザーから出るレーザ
ー光を整形することで任意の楕円状の強度分布を作るこ
ともできる。半導体レーザーから出るレーザー光は、通
常は楕円状の強度分布を持つので、それをそのまま用い
ることも考えられる。
は、記録光を細長いスリットを通過させてから対物レン
ズに入射する方法、或いは、対物レンズを通過させた後
に細長いスリット通過させる方法が挙げられる。更に
は、光路内にシリンドリカルレンズを入れる方法、トラ
ックに沿った方向とその垂直方向での焦点距離を変化さ
せる方法もある。また、半導体レーザーから出るレーザ
ー光を整形することで任意の楕円状の強度分布を作るこ
ともできる。半導体レーザーから出るレーザー光は、通
常は楕円状の強度分布を持つので、それをそのまま用い
ることも考えられる。
【0020】従来の光ディスクにおいては、記録光と再
生光に強度を変えた同じ光源からの光を用いるため、記
録光に歪みが入っていると、再生光にも当然に歪みがあ
り、再生特性が劣化するという問題があった。本発明で
は、光を記録にのみ用いるため、歪んだ光であっても再
生特性に影響はない。再生に用いないことから、記録光
形状の大きさを特に小さくする必要は無いが、あまり大
きいと記録パワーに対して磁区幅の変動が大きくなるの
で、記録パワーマージンを確保する上では記録光形状が
小さいことが好ましい。
生光に強度を変えた同じ光源からの光を用いるため、記
録光に歪みが入っていると、再生光にも当然に歪みがあ
り、再生特性が劣化するという問題があった。本発明で
は、光を記録にのみ用いるため、歪んだ光であっても再
生特性に影響はない。再生に用いないことから、記録光
形状の大きさを特に小さくする必要は無いが、あまり大
きいと記録パワーに対して磁区幅の変動が大きくなるの
で、記録パワーマージンを確保する上では記録光形状が
小さいことが好ましい。
【0021】記録光11は、連続光でも良いが、記録ク
ロックに合わせてパルス状に照射することが好ましく、
この場合、強い記録磁界のみを用いることができ、ま
た、記録光パワーマージンが向上する利点がある。記録
光のパルス幅は、記録クロックのパルス幅の50%以下
であることが好ましい。また、パルス照射と媒体の温度
上昇とに時間差があるため、記録磁界のクロックとパル
ス照射のタイミングとを最適なものとなるように調整す
ることが好ましい。
ロックに合わせてパルス状に照射することが好ましく、
この場合、強い記録磁界のみを用いることができ、ま
た、記録光パワーマージンが向上する利点がある。記録
光のパルス幅は、記録クロックのパルス幅の50%以下
であることが好ましい。また、パルス照射と媒体の温度
上昇とに時間差があるため、記録磁界のクロックとパル
ス照射のタイミングとを最適なものとなるように調整す
ることが好ましい。
【0022】基板上にトラックに沿った溝が設けられる
ことは、隣接トラックへの熱干渉をなるべく防止する上
で好ましい。溝は深い方が熱干渉防止の効果は大きく、
また、記録トラックの信号をなるべく大きくとるために
は幅が狭い方が良い。ただし、浮上型スライダーの空気
流を乱さない様にすることが必要である。このような溝
を形成する方法としては、射出成形法、紫外線硬化樹脂
を塗布した基板を型に押しつけたまま硬化させるフォト
ポリマー法、イオンエッチング法等がある。
ことは、隣接トラックへの熱干渉をなるべく防止する上
で好ましい。溝は深い方が熱干渉防止の効果は大きく、
また、記録トラックの信号をなるべく大きくとるために
は幅が狭い方が良い。ただし、浮上型スライダーの空気
流を乱さない様にすることが必要である。このような溝
を形成する方法としては、射出成形法、紫外線硬化樹脂
を塗布した基板を型に押しつけたまま硬化させるフォト
ポリマー法、イオンエッチング法等がある。
【0023】本発明の記録媒体に用いられる基板として
は、ディスク状媒体として用いる場合には、通常のハー
ドディスクで用いられる円盤状のアルミ合金、ガラスあ
るいはアモルファスカーボン等の基板が用いられる。さ
らに、ポリカーボネート、PMMA等の樹脂基板も使用
することができる。この場合には、基板を射出成形で作
製することにより、表面に凹凸状のアドレス情報等を埋
め込むことが可能である。基板の厚みとしては0.3m
m〜2mm程度が好ましく用いられる。別の形態とし
て、フロッピーディスクのように、PET等による円盤
状のフィルムを用いることもできる。また、同様のフィ
ルムによりテープ状の媒体、あるいはカード状としても
用いることも可能である。
は、ディスク状媒体として用いる場合には、通常のハー
ドディスクで用いられる円盤状のアルミ合金、ガラスあ
るいはアモルファスカーボン等の基板が用いられる。さ
らに、ポリカーボネート、PMMA等の樹脂基板も使用
することができる。この場合には、基板を射出成形で作
製することにより、表面に凹凸状のアドレス情報等を埋
め込むことが可能である。基板の厚みとしては0.3m
m〜2mm程度が好ましく用いられる。別の形態とし
て、フロッピーディスクのように、PET等による円盤
状のフィルムを用いることもできる。また、同様のフィ
ルムによりテープ状の媒体、あるいはカード状としても
用いることも可能である。
【0024】垂直磁化膜として用いられる膜は、垂直磁
気異方性が大きく、」微小な磁区が安定して存在可能な
ものが必要である。このためには、保磁力Hcは2kO
e以上であることが好ましい。さらに好ましくは3kO
e以上である。膜厚は20nm〜200nmであること
が好ましいが、さらに好ましくは30nm〜200nm
であり、特に好ましくは30nm〜150nmである。
垂直磁化膜が薄すぎると、再生層の反磁界に耐えられな
くなり、垂直磁気異方性が低下する。また厚過ぎれば全
体の磁化が増大することで垂直磁気異方性が低下する上
に、熱磁気記録の際に記録に要する光強度が増加してし
まう。また磁化が大きすぎると垂直磁気異方性が低下す
るので、垂直磁化膜の飽和磁化Msは450emu/c
c以下が好ましい。Msは、さらに好ましくは400e
mu/cc以下である。ただし、磁束検出を行うために
は、磁化がある程度必要であり、残留磁化Mrが150
emu/cc以上であることが好ましく、さらに好まし
くは300emu/cc以上である。
気異方性が大きく、」微小な磁区が安定して存在可能な
ものが必要である。このためには、保磁力Hcは2kO
e以上であることが好ましい。さらに好ましくは3kO
e以上である。膜厚は20nm〜200nmであること
が好ましいが、さらに好ましくは30nm〜200nm
であり、特に好ましくは30nm〜150nmである。
垂直磁化膜が薄すぎると、再生層の反磁界に耐えられな
くなり、垂直磁気異方性が低下する。また厚過ぎれば全
体の磁化が増大することで垂直磁気異方性が低下する上
に、熱磁気記録の際に記録に要する光強度が増加してし
まう。また磁化が大きすぎると垂直磁気異方性が低下す
るので、垂直磁化膜の飽和磁化Msは450emu/c
c以下が好ましい。Msは、さらに好ましくは400e
mu/cc以下である。ただし、磁束検出を行うために
は、磁化がある程度必要であり、残留磁化Mrが150
emu/cc以上であることが好ましく、さらに好まし
くは300emu/cc以上である。
【0025】垂直磁気異方性と高い磁束密度とを両立さ
せるために、垂直磁化膜を磁化の大きい膜と小さい膜と
を組み合わせた2層以上の多層膜とすることも考えられ
る。この場合、磁化の大きい膜(再生層)での残留磁化
Mrは150emu/cc以上が好ましい。また磁化の
小さい膜(記録層)での飽和磁化Msは400emu/
cc以下であることが好ましい。
せるために、垂直磁化膜を磁化の大きい膜と小さい膜と
を組み合わせた2層以上の多層膜とすることも考えられ
る。この場合、磁化の大きい膜(再生層)での残留磁化
Mrは150emu/cc以上が好ましい。また磁化の
小さい膜(記録層)での飽和磁化Msは400emu/
cc以下であることが好ましい。
【0026】垂直磁化膜のキュリー温度が高いと記録レ
ーザー光が過大となってしまうが、逆に低いと使用時に
高温での耐久性が悪くなる。適当なキュリー温度Tcは 100℃≦Tc≦350℃ であり、さらに好ましくは 120℃≦Tc≦300℃ であり、特に好ましくは 140℃≦Tc≦300℃ である。多層膜の場合には、キュリー温度の低い層がこ
の範囲であれば良い。
ーザー光が過大となってしまうが、逆に低いと使用時に
高温での耐久性が悪くなる。適当なキュリー温度Tcは 100℃≦Tc≦350℃ であり、さらに好ましくは 120℃≦Tc≦300℃ であり、特に好ましくは 140℃≦Tc≦300℃ である。多層膜の場合には、キュリー温度の低い層がこ
の範囲であれば良い。
【0027】垂直磁化膜に用いられる材料としては、希
土類遷移金属合金、CoCr系合金や、Pt/Co、あ
るいは、Pt/Fe、Pr/Co等の数オングストロー
ム周期での積層膜が挙げられる。特に希土類遷移金属合
金が好ましい。希土類遷移金属は、フェリ磁性体である
ため、補償組成近傍を用いることにより室温での磁化を
小さくすることができる上に、室温成膜で容易に高い垂
直磁気異方性、大きな保磁力を得ることができる。この
ため、比較的低い記録磁界で低ノイズの記録を行うこと
ができ、光出射部により記録磁界が制限される本発明の
構成を採用する場合でも記録が可能となる。例えば、T
bFe、TbCo、TbFeCo、DyFe、DyC
o、DyFeCo、GdTbFe、GdDyFe、Gd
TbFeCo、GdDyFeCo等が具体例として挙げ
られる。特に垂直磁気異方性の高いTbを含有する合金
が好ましい。Hcは室温で5kOe以下であることが好
ましい。希土類遷移金属を用いる場合には、希土類金属
の組成が室温での補償組成から6%以内であることが好
ましい。例えばTbFeCoでは、Tb23原子%が補
償組成であるため、Tb組成が17〜29原子%の範囲
にあることが好ましい。
土類遷移金属合金、CoCr系合金や、Pt/Co、あ
るいは、Pt/Fe、Pr/Co等の数オングストロー
ム周期での積層膜が挙げられる。特に希土類遷移金属合
金が好ましい。希土類遷移金属は、フェリ磁性体である
ため、補償組成近傍を用いることにより室温での磁化を
小さくすることができる上に、室温成膜で容易に高い垂
直磁気異方性、大きな保磁力を得ることができる。この
ため、比較的低い記録磁界で低ノイズの記録を行うこと
ができ、光出射部により記録磁界が制限される本発明の
構成を採用する場合でも記録が可能となる。例えば、T
bFe、TbCo、TbFeCo、DyFe、DyC
o、DyFeCo、GdTbFe、GdDyFe、Gd
TbFeCo、GdDyFeCo等が具体例として挙げ
られる。特に垂直磁気異方性の高いTbを含有する合金
が好ましい。Hcは室温で5kOe以下であることが好
ましい。希土類遷移金属を用いる場合には、希土類金属
の組成が室温での補償組成から6%以内であることが好
ましい。例えばTbFeCoでは、Tb23原子%が補
償組成であるため、Tb組成が17〜29原子%の範囲
にあることが好ましい。
【0028】光検出を行う場合に、垂直磁化膜を10〜
40nm程度の再生光が透過可能な膜厚とし、裏面にA
l、Au、Ag、Cu等の反射膜を設けることで、再生
信号を増幅する方法を用いることができる。この場合、
垂直磁化膜と反射膜との間に、誘電体による断熱層を設
けても良い。全ての層の組み合わせにより、反射光の楕
円化が最小になるようにすることが好ましい。
40nm程度の再生光が透過可能な膜厚とし、裏面にA
l、Au、Ag、Cu等の反射膜を設けることで、再生
信号を増幅する方法を用いることができる。この場合、
垂直磁化膜と反射膜との間に、誘電体による断熱層を設
けても良い。全ての層の組み合わせにより、反射光の楕
円化が最小になるようにすることが好ましい。
【0029】磁化の小さい記録層と磁化の大きい再生層
とを用いた多層膜を採用する場合には、記録層の材料と
しては、垂直磁気異方性の大きいTb含有合金、代表的
にはTbFeCoが好ましい。再生層の材料としては、
保磁力の小さいGd含有合金、代表的にはGdFeCo
が好ましい。再生層に用いられる膜は、磁化が大きく再
生出力が大きく取れるものが好ましいが、磁化が大きす
ぎると、やはり垂直磁気異方性の低下が起きる。また再
生層は記録層と強く交換結合を行う必要がある。
とを用いた多層膜を採用する場合には、記録層の材料と
しては、垂直磁気異方性の大きいTb含有合金、代表的
にはTbFeCoが好ましい。再生層の材料としては、
保磁力の小さいGd含有合金、代表的にはGdFeCo
が好ましい。再生層に用いられる膜は、磁化が大きく再
生出力が大きく取れるものが好ましいが、磁化が大きす
ぎると、やはり垂直磁気異方性の低下が起きる。また再
生層は記録層と強く交換結合を行う必要がある。
【0030】垂直磁化膜に希土類遷移金属合金を用いる
場合には、室温でのスパッタリングによって高い垂直磁
気異方性が容易に得られるため、樹脂基板の使用が可能
となるといった利点がある。また希土類遷移金属合金は
アモルファスであるので、従来の磁気記録媒体にあった
結晶粒界に伴う磁区境界の乱れが無く、非常に低ノイズ
の媒体となり得る。希土類遷移金属合金には、Ti、C
r、Si、Ta、Pt等の非磁性元素を5原子%以下程
度混入させることで耐酸化性の向上や、保磁力の調整を
行うことができる。
場合には、室温でのスパッタリングによって高い垂直磁
気異方性が容易に得られるため、樹脂基板の使用が可能
となるといった利点がある。また希土類遷移金属合金は
アモルファスであるので、従来の磁気記録媒体にあった
結晶粒界に伴う磁区境界の乱れが無く、非常に低ノイズ
の媒体となり得る。希土類遷移金属合金には、Ti、C
r、Si、Ta、Pt等の非磁性元素を5原子%以下程
度混入させることで耐酸化性の向上や、保磁力の調整を
行うことができる。
【0031】垂直磁化膜に希土類遷移金属合金を用いる
場合には、希土類金属が非常に酸化し易いため、表面を
SiN、AlN、水素化カーボン(C:H)等の誘電
体、ないしAl、Ti、Cr等の金属による保護層を設
け保護することが好ましい。水素化カーボンは磁気ヘッ
ドの滑り改善の効果もあるので、酸化防止のためのSi
N等の層の上に、さらに水素化カーボンを設けるのも好
ましい構成である。
場合には、希土類金属が非常に酸化し易いため、表面を
SiN、AlN、水素化カーボン(C:H)等の誘電
体、ないしAl、Ti、Cr等の金属による保護層を設
け保護することが好ましい。水素化カーボンは磁気ヘッ
ドの滑り改善の効果もあるので、酸化防止のためのSi
N等の層の上に、さらに水素化カーボンを設けるのも好
ましい構成である。
【0032】また、反射率が低いことは記録時のエネル
ギー利用効率を高める上でも好ましい。光記録媒体で
は、保護膜は透明である必要があるが、本発明では磁束
検出を行うので透明である必要はない。薄い膜厚で反射
率を低くするためには、保護層として光吸収性のものを
用いることが好ましい。好ましくは、複素屈折率n*=n
−ikにおける減衰定数kが0.1以上であり、さらに
好ましくは0.2以上である。光吸収性の膜では膜厚が
薄い場合でも反射率が低下して、記録光のエネルギーを
効率的に熱に変換できる。例えば水素の少ない水素化カ
ーボン、窒素含有水素化カーボン等である。磁束検出を
行う際に、保護層の膜厚が厚過ぎると記録層と磁気ヘッ
ドとの距離が離れて信号強度が低下するため、保護層の
膜厚は50nm以下であることが好ましい。さらに好ま
しくは30nm以下である。保護層の有無に拘わらず、
最表面には磁気ヘッドを滑らせるためのフッ素系樹脂等
による潤滑剤を塗布しておくことが好ましい。
ギー利用効率を高める上でも好ましい。光記録媒体で
は、保護膜は透明である必要があるが、本発明では磁束
検出を行うので透明である必要はない。薄い膜厚で反射
率を低くするためには、保護層として光吸収性のものを
用いることが好ましい。好ましくは、複素屈折率n*=n
−ikにおける減衰定数kが0.1以上であり、さらに
好ましくは0.2以上である。光吸収性の膜では膜厚が
薄い場合でも反射率が低下して、記録光のエネルギーを
効率的に熱に変換できる。例えば水素の少ない水素化カ
ーボン、窒素含有水素化カーボン等である。磁束検出を
行う際に、保護層の膜厚が厚過ぎると記録層と磁気ヘッ
ドとの距離が離れて信号強度が低下するため、保護層の
膜厚は50nm以下であることが好ましい。さらに好ま
しくは30nm以下である。保護層の有無に拘わらず、
最表面には磁気ヘッドを滑らせるためのフッ素系樹脂等
による潤滑剤を塗布しておくことが好ましい。
【0033】垂直磁化膜と基板との間に面内磁化膜を設
けることもできる。面内磁化膜は透磁率が10以上であ
るものが好ましく用いられるが、少なくとも垂直磁気記
録層よりも高い透磁率を有する必要がある。面内磁化膜
としてはFe、Co、Niあるいはそれらの合金、ある
いはそれにSi、Nb、B、Alを添加したものが好ま
しく用いられる。特にNiFe、FeSiAl等が好ま
しい。
けることもできる。面内磁化膜は透磁率が10以上であ
るものが好ましく用いられるが、少なくとも垂直磁気記
録層よりも高い透磁率を有する必要がある。面内磁化膜
としてはFe、Co、Niあるいはそれらの合金、ある
いはそれにSi、Nb、B、Alを添加したものが好ま
しく用いられる。特にNiFe、FeSiAl等が好ま
しい。
【0034】磁束透過の効果を充分に得るためには、面
内磁化膜の膜厚が10nm以上あることが好ましい。さ
らに好ましくは20nm以上である。面内磁化膜をスパ
ッタリングないし真空蒸着等で作製する場合には、厚す
ぎると生産性が低下するので、200nm以下であるこ
とが好ましい。さらに好ましくは150nm以下であ
る。面内磁化膜をメッキ等により作製する方法も考えら
れる。この場合には、数μm程度の膜厚が作製可能であ
り、磁束透過の効果は著しく大きくなる。導電性基板で
は電界メッキにより作製可能であり、非導電性基板では
無電界メッキを用いることができる。あるいは、基板上
に磁性体のフィルムを、或いは、磁性体を塗布したフィ
ルムを張り付ける方法や、基板上に直接磁性体を塗布す
る方法も挙げられる。
内磁化膜の膜厚が10nm以上あることが好ましい。さ
らに好ましくは20nm以上である。面内磁化膜をスパ
ッタリングないし真空蒸着等で作製する場合には、厚す
ぎると生産性が低下するので、200nm以下であるこ
とが好ましい。さらに好ましくは150nm以下であ
る。面内磁化膜をメッキ等により作製する方法も考えら
れる。この場合には、数μm程度の膜厚が作製可能であ
り、磁束透過の効果は著しく大きくなる。導電性基板で
は電界メッキにより作製可能であり、非導電性基板では
無電界メッキを用いることができる。あるいは、基板上
に磁性体のフィルムを、或いは、磁性体を塗布したフィ
ルムを張り付ける方法や、基板上に直接磁性体を塗布す
る方法も挙げられる。
【0035】垂直磁化膜と面内磁化膜との間に、100
nm以下程度の誘電体や金属からなる中間層を挿入する
ことにより、垂直磁化膜の垂直磁気異方性を向上させる
ことができる。中間層が低熱伝導率の場合には、面内磁
化膜への熱拡散を抑制し、記録時のレーザーパワーを低
く抑えることが可能となる。
nm以下程度の誘電体や金属からなる中間層を挿入する
ことにより、垂直磁化膜の垂直磁気異方性を向上させる
ことができる。中間層が低熱伝導率の場合には、面内磁
化膜への熱拡散を抑制し、記録時のレーザーパワーを低
く抑えることが可能となる。
【0036】磁性膜と基板との間に基板との密着性を高
めるため、或いは、基板からの水分拡散を防止するため
に下引き層を設けるのは好ましい構成である。下引き層
は、SiN、AlN、SiO2、SiO、TiO2、T
a2O5等の誘電体や、Al、Cr、Ti等の金属が用
いられる。金属を用いた場合には、膜厚を変えることで
記録光の感度調整にも用いることができる。この場合、
磁性膜の下に誘電体を挟んで金属を設けるのが特に好ま
しい。
めるため、或いは、基板からの水分拡散を防止するため
に下引き層を設けるのは好ましい構成である。下引き層
は、SiN、AlN、SiO2、SiO、TiO2、T
a2O5等の誘電体や、Al、Cr、Ti等の金属が用
いられる。金属を用いた場合には、膜厚を変えることで
記録光の感度調整にも用いることができる。この場合、
磁性膜の下に誘電体を挟んで金属を設けるのが特に好ま
しい。
【0037】希土類遷移金属合金の作製には、スパッタ
リングを用いるのが好ましい。スパッタリングターゲッ
トには、希土類遷移金属合金のターゲットを用いること
ができ、回転型のスパッタリング装置の場合には、希土
類金属と遷移金属とを別々のターゲットでスパッタし基
板上で混合させるといった手法も採用できる。この場合
には、組成の変更が容易であるといった利点がある。垂
直磁化層を多数設ける場合には、各々のターゲットを一
つのチャンバー内に用意し、基板を回転させながら交互
に成膜する方法を用いることができる。
リングを用いるのが好ましい。スパッタリングターゲッ
トには、希土類遷移金属合金のターゲットを用いること
ができ、回転型のスパッタリング装置の場合には、希土
類金属と遷移金属とを別々のターゲットでスパッタし基
板上で混合させるといった手法も採用できる。この場合
には、組成の変更が容易であるといった利点がある。垂
直磁化層を多数設ける場合には、各々のターゲットを一
つのチャンバー内に用意し、基板を回転させながら交互
に成膜する方法を用いることができる。
【0038】特に浮上型ヘッドを用いる場合には、膜表
面の荒らさが重要である。膜表面の平均荒さ(Ra)は
2nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは
1.5nm以下である。ただし滑らか過ぎる表面はヘッ
ドの吸着をもたらすので、従来のハードディスク同様に
テキスチャリングにより基板表面に制御された凹凸を導
入することもできる。
面の荒らさが重要である。膜表面の平均荒さ(Ra)は
2nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは
1.5nm以下である。ただし滑らか過ぎる表面はヘッ
ドの吸着をもたらすので、従来のハードディスク同様に
テキスチャリングにより基板表面に制御された凹凸を導
入することもできる。
【0039】
【実施例】以下に実施例をもって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。
【0040】(実施例1)図3に本発明の一実施形態例
に係る記録再生方法に用いる装置構成を示す。サスペン
ションアーム23に支持された浮上型スライダー20
に、記録ヘッド21及び再生ヘッド22を搭載する。記
録ヘッド21には、記録光24を集光する対物レンズ2
5を付属させる。ディスク回転のため、高温領域は光ス
ポットの若干後方に発生するので、記録ヘッド21は、
対物レンズ25によるレーザ集光点の後方に配置する。
このスライダー20を用い、記録領域を記録光24で照
射しながら記録を行う。記録光24をなすレーザーは空
中を伝わらせるか、光ファイバーないし導波路にスライ
ダーに導かれる。ヘッド自身に対物レンズを設けても良
い。再生はGMR等の検出ヘッド22により、従来の磁
気ディスクと同様に磁束を検出しながら実施する。スラ
イダー浮上高は、可能な限り低い方が磁束検出の上で好
ましい。通常は20〜100nm程度であるが、場合に
よっては、媒体と接触しながら動くこともありうる。記
録光24は、例えば650nmの半導体レーザーより出
射され、光サーボを用いる場合には反射光はサーボ系に
導かれる。
に係る記録再生方法に用いる装置構成を示す。サスペン
ションアーム23に支持された浮上型スライダー20
に、記録ヘッド21及び再生ヘッド22を搭載する。記
録ヘッド21には、記録光24を集光する対物レンズ2
5を付属させる。ディスク回転のため、高温領域は光ス
ポットの若干後方に発生するので、記録ヘッド21は、
対物レンズ25によるレーザ集光点の後方に配置する。
このスライダー20を用い、記録領域を記録光24で照
射しながら記録を行う。記録光24をなすレーザーは空
中を伝わらせるか、光ファイバーないし導波路にスライ
ダーに導かれる。ヘッド自身に対物レンズを設けても良
い。再生はGMR等の検出ヘッド22により、従来の磁
気ディスクと同様に磁束を検出しながら実施する。スラ
イダー浮上高は、可能な限り低い方が磁束検出の上で好
ましい。通常は20〜100nm程度であるが、場合に
よっては、媒体と接触しながら動くこともありうる。記
録光24は、例えば650nmの半導体レーザーより出
射され、光サーボを用いる場合には反射光はサーボ系に
導かれる。
【0041】記録光24は、媒体上のアスペクト比(A
R)が1より大きくなるように対物レンズ25を含む光
学系で調整される。例えば、長軸と短軸の比が2:1程
度の楕円状の光を出射する半導体レーザーの光を整形せ
ずにそのまま用いれば、最も簡単に楕円状の記録光を得
ることができる。あるいは、光路内にシリンドリカルレ
ンズを挿入することでも任意のARを作り出すことがで
きる。
R)が1より大きくなるように対物レンズ25を含む光
学系で調整される。例えば、長軸と短軸の比が2:1程
度の楕円状の光を出射する半導体レーザーの光を整形せ
ずにそのまま用いれば、最も簡単に楕円状の記録光を得
ることができる。あるいは、光路内にシリンドリカルレ
ンズを挿入することでも任意のARを作り出すことがで
きる。
【0042】記録光24のパワーマージンを大きくする
ためには、トラックに垂直な方向の幅がトラック幅の程
度に絞られていることが好ましい。従って、ARをなる
べく大きくとるには、トラックに沿った方向ではフォー
カスサーボの追随可能な光学系の極限まで集光されてい
ることが好ましい。トラックに沿った方向での開口数
(NA)は、膜面より直接に入射する場合には0.7〜
0.9程度のものを用いることができる。
ためには、トラックに垂直な方向の幅がトラック幅の程
度に絞られていることが好ましい。従って、ARをなる
べく大きくとるには、トラックに沿った方向ではフォー
カスサーボの追随可能な光学系の極限まで集光されてい
ることが好ましい。トラックに沿った方向での開口数
(NA)は、膜面より直接に入射する場合には0.7〜
0.9程度のものを用いることができる。
【0043】記録トラックの幅が0.5μmであれば、
円弧状の磁壁の場合には、磁壁の遷移幅が0.25μm
となる。AR=2であれば遷移幅は0.125μm、A
R=5であれば遷移幅が0.05μmとなる。従ってA
Rを上げることで分解能が著しく向上する。
円弧状の磁壁の場合には、磁壁の遷移幅が0.25μm
となる。AR=2であれば遷移幅は0.125μm、A
R=5であれば遷移幅が0.05μmとなる。従ってA
Rを上げることで分解能が著しく向上する。
【0044】図4に記録媒体の層構成を例示した。記録
媒体の基板30には、射出成形したポリカーボネートを
用い、表面にはトラック追随用の溝及びアドレス情報を
示すピットを凹凸で形成する。その上に、Fe50Ni50
面内磁化膜31を50nm、Si3N4断熱層32を20n
mこの順に設ける。さらにその上に、Tb18(Fe90C
o30)82垂直磁化膜33を100nm設ける。垂直磁化
膜33の飽和磁化Msはこのとき280emu/ccで
ある。この上にSi3N4保護層34を10nm、水素化カ
ーボンを10nm設ける。面内磁化膜31の目的は、垂
直磁化膜33における記録磁界の増強と再生時に検出さ
れる磁束の増強である。
媒体の基板30には、射出成形したポリカーボネートを
用い、表面にはトラック追随用の溝及びアドレス情報を
示すピットを凹凸で形成する。その上に、Fe50Ni50
面内磁化膜31を50nm、Si3N4断熱層32を20n
mこの順に設ける。さらにその上に、Tb18(Fe90C
o30)82垂直磁化膜33を100nm設ける。垂直磁化
膜33の飽和磁化Msはこのとき280emu/ccで
ある。この上にSi3N4保護層34を10nm、水素化カ
ーボンを10nm設ける。面内磁化膜31の目的は、垂
直磁化膜33における記録磁界の増強と再生時に検出さ
れる磁束の増強である。
【0045】図3の記録再生装置及び図4の記録媒体の
組み合わせによって、磁壁形状として直線に非常に近い
ものができ、分解能を向上できる。分解能はARにほぼ
比例して向上する。
組み合わせによって、磁壁形状として直線に非常に近い
ものができ、分解能を向上できる。分解能はARにほぼ
比例して向上する。
【0046】以上、本発明をその好適な実施形態例及び
実施例に基づいて説明したが、本発明の熱磁気記録装置
及び記録再生方法は、上記実施形態例及び実施例の構成
にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例及び実
施例の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本
発明の範囲に含まれる。
実施例に基づいて説明したが、本発明の熱磁気記録装置
及び記録再生方法は、上記実施形態例及び実施例の構成
にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例及び実
施例の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本
発明の範囲に含まれる。
【0047】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の熱磁気
記録装置及び記録再生方法によると、磁気記録の再生に
際して高い分解能を持った再生が可能となる。
記録装置及び記録再生方法によると、磁気記録の再生に
際して高い分解能を持った再生が可能となる。
【図1】本発明の一実施形態例の熱磁気記録方法による
記録の状況を示す模式的平面図。
記録の状況を示す模式的平面図。
【図2】従来の熱磁気記録方法による記録の状況を示す
模式的平面図。
模式的平面図。
【図3】本発明の一実施形態例の記録再生装置の断面
図。
図。
【図4】本発明で使用する記録媒体の断面図の一例。
11:記録光 12:加熱領域 13:記録磁区 20:スライダー 21:記録ヘッド 22:検出ヘッド 23:サスペンション 24:記録光 25:対物レンズ 30:基板 31:面内磁化膜 32:断熱層 33:垂直磁化膜 34:保護膜 35:水素化カーボン
Claims (4)
- 【請求項1】 スライダーに搭載した記録ヘッドから、
情報に応じた磁界方向を持つ記録磁界を加えることによ
って垂直磁化膜に磁気記録を行う熱磁気記録装置におい
て、 記録位置近傍を加熱するための記録光を照射する光照射
手段を有し、記録媒体上の記録光の形状が記録トラック
に沿った方向に短軸を有する楕円形状であることを特徴
とする熱磁気記録装置。 - 【請求項2】 前記楕円形状の長軸と短軸との比が1.
5以上である、請求項1に記載の熱磁気記録装置。 - 【請求項3】 垂直磁化膜の磁束を検出するための磁気
ヘッドを更に有する、請求項1又はに記載の熱磁気記録
装置。 - 【請求項4】 情報に応じた磁界方向を持つ記録磁界及
び加熱のための記録光を垂直磁化膜に印加することによ
って磁気記録を行い、前記垂直磁化膜の磁束を検出する
ことによって前記磁気記録を再生する、磁気記録の記録
再生方法において、 前記垂直磁化膜上の記録光の形状が記録トラックに沿っ
た方向に短軸を有する楕円形状であることを特徴とする
記録再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11004597A JP2000207793A (ja) | 1999-01-11 | 1999-01-11 | 熱磁気記録装置及び記録再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11004597A JP2000207793A (ja) | 1999-01-11 | 1999-01-11 | 熱磁気記録装置及び記録再生方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000207793A true JP2000207793A (ja) | 2000-07-28 |
Family
ID=11588465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11004597A Pending JP2000207793A (ja) | 1999-01-11 | 1999-01-11 | 熱磁気記録装置及び記録再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000207793A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100868325B1 (ko) | 2006-02-03 | 2008-11-11 | 티디케이가부시기가이샤 | 초해상 광기록매체로의 정보기록방법 및 초해상 광기록매체 |
JP2014154177A (ja) * | 2013-02-05 | 2014-08-25 | Fujifilm Corp | 塗布型磁気記録媒体、磁気記録装置、および磁気記録方法 |
-
1999
- 1999-01-11 JP JP11004597A patent/JP2000207793A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100868325B1 (ko) | 2006-02-03 | 2008-11-11 | 티디케이가부시기가이샤 | 초해상 광기록매체로의 정보기록방법 및 초해상 광기록매체 |
JP2014154177A (ja) * | 2013-02-05 | 2014-08-25 | Fujifilm Corp | 塗布型磁気記録媒体、磁気記録装置、および磁気記録方法 |
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Legal Events
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