JP2000207013A - プロセス計測制御システム保守点検装置 - Google Patents

プロセス計測制御システム保守点検装置

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JP2000207013A
JP2000207013A JP758499A JP758499A JP2000207013A JP 2000207013 A JP2000207013 A JP 2000207013A JP 758499 A JP758499 A JP 758499A JP 758499 A JP758499 A JP 758499A JP 2000207013 A JP2000207013 A JP 2000207013A
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JP
Japan
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control
flow rate
control system
diagnosis
measurement
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JP758499A
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English (en)
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Taisuke Kamimura
泰介 上村
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保守点検作業の大幅な効率化を実現すること
ができるプロセス計測制御システム保守点検装置を提供
すること。 【解決手段】 プロセス量測定手段9により測定された
プロセス量に基づいて制御演算を行ない、かつこの演算
結果に基づいて構成要素4,9を操作することにより制御
ループを制御する制御手段10と、構成要素4,9の機能診
断を行う可搬式の診断手段15と、配管7上の任意の位置
に一時的に設置することが可能な、配管7内の流体19の
流量を測定する流量測定手段17とを備え、制御手段10
と、診断手段15と、流量測定手段17とに、それぞれ無線
による送受信機能を持たせて互いに信号の送受信を行う
ようにし、診断手段15は、流量測定手段17及び制御手段
10が送信する流量信号及びプロセス量信号を受信し、流
量信号及びプロセス量信号に基づいて構成要素4,9また
は制御手段10の機能診断を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばプラントを
制御するプロセス制御の制御ループの健全性を診断し、
不安定要因や外乱要素を抽出してプロセス制御手段の改
善を行なうプロセス計測制御システムの保守点検装置の
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられているこの種のプロセ
ス計測制御システムの保守点検装置について、図7、図
8、図9に示す制御系統図を用いて説明する。
【0003】一般に、プロセス制御の制御ループに不安
定が生じた場合の診断は、以下に示す制御ループの構成
要素毎に行う必要がある。
【0004】(1)プロセス制御手段の機能診断 (2)流量検出器の機能診断 (3)操作弁の機能診断 (4)制御方法の検討 以下に、上記各構成要素毎の診断方法について説明す
る。 (1)プロセス制御手段の機能診断 プロセス制御手段とは、制御ループを制御するものであ
る。
【0005】このプロセス制御手段の機能診断方法に
は、比例、積分、微分(以下、PIDと称する)パラメ
ータを確認すること、PID制御特性を確認すること、
プロセス制御手段を交換すること、の3つの方法があ
る。
【0006】まず、プロセス制御手段の機能診断の第1
の方法である、PIDパラメータの確認の方法について
説明する。
【0007】図7は、PIDパラメータの調整方法の一
例を示す制御系統図である。
【0008】PIDパラメータとは、制御演算の一つで
あるPID演算を行うのに必要なパラメータのことであ
る。以下に、PID演算、およびPIDパラメータにつ
いて説明する。
【0009】図7において、SV値1は、setting valu
eの略であり、当該制御系が目標とする制御量である。
PV値2は、process valueの略であり、当該制御系の
プロセス量である。MV値3は、manipulated valueの
略であり、制御系において、PV値2を制御するために
操作弁4に加える量である。これらSV値1、PV値
2、MV値3は、PID演算を行うのに必要なパラメー
タであり、PIDパラメータと呼ばれる。
【0010】演算部5は、PID演算式6を備えてい
る。PID演算式6は、SV値1とPV値2との偏差に
比例する出力を出す比例動作(P動作)と、前記偏差の
積分に比例する出力を出す積分動作(I動作)と、前記
偏差の微分に比例する出力を出す微分動作(D動作)と
の和で表される演算式である。
【0011】以下に、このようなPIDパラメータの確
認方法の一例について説明する。
【0012】配管7上の導圧管8の先に設置した流量検
出器9が検出したPV値2と、あらかじめ設定してある
SV値1との偏差(SV値−PV値)を、プロセス制御
手段10内に設けた演算部5のPID演算式6に入力す
ることで、操作出力であるMV値3を算出することがで
きる。
【0013】次に、このように算出されたMV値3の確
認方法について述べる。
【0014】図8は、MV値3が正しく出力されている
ことを確認する方法の一例を示す制御系統図である。図
8は、図7に示す制御系統図に、MV値3が出力される
端子11上に電流計12を付加した構成となっている。
【0015】MV値3は、4〜20mAの範囲における
直流電流(または1〜5VDC)で出力される。このた
め、MV値3が出力される端子上に電流計12を設置
し、0〜100%の範囲で表示されるMV値3と、電流
値が一致(0〜100%が4〜20mAに対応している
こと)していることを電流計12により確認することに
より、MV値3が正しく出力されていることがわかる。
【0016】このようにして、PIDパラメータを確認
することができる。
【0017】次に、プロセス制御手段10の機能を診断
する第2の方法であるPID制御特性の確認の方法につ
いて説明する。
【0018】図9は、PID制御特性の確認方法の一例
を示す制御系統図である。図9は、図7に比べて、MV
値3をPV入力端子11に直接入力している点が唯一異
なる点である。
【0019】このように、MV値3を、プロセスの制御
量を入力しているPV入力端子11に入力(フィ−ドバ
ック)した後に、SV値1を変更して、PV値2がSV
値1に追従することを確認する。
【0020】これにより、PID制御が正しくなされて
いることを確認する事ができる。
【0021】先に説明したPIDパラメータの確認、P
ID制御特性の確認においても制御系の不安定要素の原
因が解らない時は、プロセス制御手段10を予備のもの
に交換する。プロセス制御手段10の交換の後に、上記
の手法により再度プロセス制御手段10の機能診断を行
ない、制御系の不安定要素の原因を解明することができ
る。
【0022】以上のような3つの方法によって、プロセ
ス制御手段10の機能診断を行う事ができる。 (2)流量検出器の機能診断 流量検出器9の機能診断方法には、プロセスの操業条件
による要因の確認、導圧管8の異常による要因の確認、
計装側の条件による要因の確認の3つの方法がある。以
下、それぞれの確認方法について説明する。
【0023】まず、プロセスの操業条件による要因の確
認は、関連するプロセス情報に異常が見られないかどう
かをチェックして、測定範囲を越えた差圧が加わってな
いかを確認する。
【0024】次に、図7を用いて、導圧管8の異常によ
る要因の確認の方法を説明する。流量検出器9の出力信
号を確認することにより、導圧管8の漏れ、詰まりがな
いかを確認する。
【0025】最後に、計装側の条件による要因の確認
は、図7における流量検出器9において、誤配管、電源
異常、回路構成上の異常がないか確認する。
【0026】以上のようにして流量検出器9の機能診断
を行なうことができる。 (3)操作弁の機能診断 操作弁4の機能診断は、プロセス制御手段10をマニュ
アルモードにして、任意のMV値3を操作弁4に送り、
その結果操作弁4の弁開度が、指定の弁開度になるかを
確認することにより行われる。 (4)制御方法の検討 上記(1)〜(3)の機能診断をもってしても制御ルー
プの不安定要素の原因が解明できないときは、制御ルー
プの機器構成の再検討を行なう。
【0027】以上述べたような4つの方法によって、制
御ループの不安定要素の解明を行なっている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のプロセス計測制御システム保守点検装置で、
制御ループの不安定要素の解明を行なう場合には、次の
ような問題がある。以下に、前述した4つの項目毎にそ
の問題点を詳述する。 (1)プロセス制御手段の機能診断 プロセス制御手段10の機能診断方法には、更に、PI
Dパラメータの確認、PID制御特性の確認、プロセス
制御手段の交換の3つの方法があるので、それぞれにつ
いての問題を説明する。
【0029】まず、PIDパラメータの確認について
は、制御系が安定するまで作業員がマニュアルで各パラ
メータ毎に調整する必要がある。そのため、制御系が安
定するまでに時間がかかり、かつその判断は作業者の経
験によるところが多いという問題がある。また、PID
パラメータの確認の中でも、MV値3の確認について
は、図8に示すように、MV値3の出力端子に電流計1
2を接続する作業があるため、接続作業に時間がかか
り、制御系を一旦止めなければならないという問題があ
る。
【0030】PID制御特性の確認については、図9に
示すように、MV値3をPV入力端子11に直接接続さ
せる作業がある。そのため接続作業に時間がかかり、制
御系を一旦止めなければならないという問題がある。
【0031】プロセス制御手段10の交換については、
交換作業に時間がかかり、制御を一時中断しなければな
らないという問題がある。 (2)流量検出器の機能診断 流量検出器9の機能診断方法には、プロセスの操業条件
による要因の確認、導圧管8の異常による要因の確認、
計装側の条件による要因の確認の3つの方法がある。
【0032】まず、プロセスの操業条件による要因の確
認については、プロセス操業条件の異常を、直接該当の
プロセス量を検出することができない。したがって、そ
の異常を関連するプロセス量から間接的に確認するしか
なく、その結果、微妙な変化や異常を確認することがで
きないという問題がある。
【0033】また、導圧管8の異常による要因を確認に
ついては、仮に異常を確認することができても、その原
因が微小な空気漏れによるものなのか、ごみ詰まりによ
るものなのか等を特定するのが難しい。即ち、当該異常
がプロセスの外乱による変動なのか、流量検出器9の異
常なのかを見分けるのが困難という問題がある。
【0034】また、計装側の条件による要因の確認につ
いては、流量検出器9の誤配管、電源異常、回路構成の
異常といった広範囲に亘っての確認が必要となるため、
作業が大掛かりになり、非常に時間がかかるという問題
がある。 (3)操作弁の機能診断 操作弁4の機能診断を行なう場合には、プロセス制御手
段10のMV値3の健全性の確認をした後に、操作弁4
の試験をしなければならない。そのため、制御系を一旦
止めなければならず、セッティングに時間がかかるとい
う問題がある。 (4)制御方法の検討 上記(1)から(3)の機能診断をもってしても不安定
要素の原因が分からないときは、制御ループの機器構成
の再検討を行う。しかしながら、機器構成の再検討とし
て具体的に何を検討するのか絞り込む事は難しく、ま
た、外乱要素が複数ある場合においては、どの外乱要素
に対してどの程度のプロセス操作をするかの判断も難か
しいという問題がある。
【0035】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、制御性の確認試験を、配管、配線等を変更
することなく、かつ制御系を止めずに短時間で試験する
ことが可能となり、しかも、これら確認試験を、現場ま
たは中央制御室のいずれの場所からでも一人の作業員で
実施することが可能となり、もって、保守点検作業の大
幅な効率化を実現することができるプロセス計測制御シ
ステム保守点検装置を提供することを目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0037】すなわち、請求項1の発明では、配管内に
設けられ、配管内を流れる流体の流量を調節する弁と、
流体のプロセス量を測定する測定手段とを構成要素とし
て備えた制御ループの健全性を評価するプロセス計測制
御システムの保守点検を行う装置において、プロセス量
測定手段により測定されたプロセス量に基づいて制御演
算を行ない、この演算結果に基づいて構成要素を操作す
ることにより制御ループを制御する制御手段と、構成要
素の機能診断を行う可搬式の診断手段と、配管上の任意
の位置に一時的に設置することが可能な、配管内の流体
の流量を測定する流量測定手段とを備え、制御手段と、
診断手段と、流量測定手段とに、それぞれ無線による送
受信機能を持たせて互いに信号の送受信を行うように
し、診断手段は、流量測定手段及び制御手段が送信する
流量信号及びプロセス量信号を受信し、流量信号及びプ
ロセス量信号に基づいて構成要素または制御手段の機能
診断を行う。
【0038】従って、請求項1の発明のプロセス計測制
御システム保守点検装置においては、従来、個々の計器
毎に試験を行なっていた定期検査におけるループ構成機
器の健全性の確認検査を、同時かつ短時間で実施するこ
とができる。更に、これら試験は、可搬式のプロセス診
断手段によって、一人の作業員により、現場または中央
制御室のいずれの場所からでも実施することができる。
【0039】その結果、保守点検作業の大幅な効率化が
可能となる。
【0040】請求項2の発明では、請求項1の発明のプ
ロセス計測制御システム保守点検装置において、プロセ
ス量測定手段の測定するプロセス量が配管内の流体の流
量であって、プロセス量測定手段の機能診断を行なう場
合、プロセス量測定手段の設置場所の近傍の配管上に流
量測定手段を配置し、制御手段は、プロセス量測定手段
により測定された流量を取得するとともに無線により診
断手段に送信し、流量測定手段は、測定した流量を無線
により診断手段に送信し、診断手段は、プロセス量測定
手段により測定された流量と、流量測定手段により測定
された流量とを比較検討する。
【0041】従って、請求項2の発明のプロセス計測制
御システム保守点検装置においては、従来、プロセス制
御手段の制御性の確認をするためには、制御系を一旦止
めてから試験用の配線をしていたが、本発明により、配
線変更なしで制御系を止めずに試験をすることができ
る。
【0042】また、従来、流量検出器の流量は、直接遅
れ時間無しで測定することはできず、関連するプロセス
量から判断するしか無かったが、本発明により、直接該
当部の流量を配線、配管加工無しで測定可能になり、微
妙な流量変動、外乱の診断ができる。更に、従来、別々
に実施していた制御性、流量検出器の確認を同時かつ短
時間で試験することができる。これら試験は一人の作業
員により、現場または中央制御室のいずれの場所からで
も実施できる。
【0043】その結果、制御ループの保守点検の大幅な
効率化が可能となる。
【0044】請求項3の発明では、請求項1の発明のプ
ロセス計測制御システム保守点検装置において、制御手
段は、プロセス量測定手段により取得されたプロセス量
を無線により診断手段に送信し、診断手段は、送信され
たプロセス量に基づいて制御手段が行なう制御演算と同
じ制御演算を行ない、この演算結果と制御手段により行
なわれた演算結果とを比較する。
【0045】従って、請求項3の発明のプロセス計測制
御システム保守点検装置においては、従来、プロセス制
御手段の制御性の確認をするためには、制御系を一旦止
めてから試験用の配線をしていたが、本発明により、配
線変更をせずに、かつ制御系を止めずに試験をすること
ができる。
【0046】また、従来、流量検出器の流量は、直接遅
れ時間無しで測定することはできず、関連するプロセス
量から判断するしか無かったが、本発明により、直接該
当部の流量を配線、配管加工無しで測定可能になり、微
妙な流量変動、外乱の診断ができる。更に、従来、別々
に実施していた制御性、流量検出器の確認を同時かつ短
時間で試験することができる。これら試験は一人の作業
員により、現場または中央制御室のいずれの場所からで
も実施できる。
【0047】その結果、制御ループの保守点検の大幅な
効率化が可能となる。
【0048】請求項4の発明では、請求項1の発明のプ
ロセス計測制御システム保守点検装置において、制御ル
ープに不安定が生じた場合、制御ループにおける配管上
の、不安定が発生したと考えられる位置の近傍と、プロ
セス量測定手段の設置場所の近傍とに流量測定手段をそ
れぞれ配置し、各流量測定手段は、測定した流量を無線
により診断手段に送信し、診断手段は、送信された流量
に基づいて制御ループの不安定要素の診断を行う。
【0049】従って、請求項4の発明のプロセス計測制
御システム保守点検装置においては、従来、検出できな
かった外乱要素の変動を配線、配管加工無しで測定する
ことができる。また、本試験は一人の作業員により、現
場または中央制御室のいずれの場所からでも実施でき
る。
【0050】その結果、制御ループの保守点検の大幅な
効率化が可能となる。
【0051】請求項5の発明では、請求項1の発明のプ
ロセス計測制御システム保守点検装置において、診断手
段は、配管上の弁の開度を選定し、弁開度を制御手段に
送信し、制御手段は、弁開度に基づいて弁を開閉操作
し、流量測定手段は、弁の開閉操作がなされた状態にお
いて測定された流量を無線により診断手段に送信し、診
断手段は、弁開度と流量との関係を比較することにより
弁の開閉操作の機能診断を行う。
【0052】従って、請求項5の発明のプロセス計測制
御システム保守点検装置においては、従来、コントロー
ラの操作出力の確認をするためには、制御系を一旦止め
てから試験用の配線をしていたが、本発明により配線変
更なしで制御系を止めずに試験を行うことができる。ま
た、本試験は一人の作業員により、現場または中央制御
室のいずれの場所からでも実施できる。
【0053】その結果、制御ループの保守点検の大幅な
効率化が可能となる。
【0054】請求項6の発明では、請求項1の発明のプ
ロセス計測制御システム保守点検装置において、制御ル
ープに不安定が生じた場合、制御ループにおける配管上
の、不安定が発生したと考えられる位置の近傍に流量測
定手段を配置し、流量測定手段は、測定した流量を無線
により診断手段に送信し、診断手段は、不安定を収束さ
せるのに適した制御方式を選択するとともに、制御方式
に基づく制御演算を行なって、不安定を収束するプロセ
ス操作量を算出し、プロセス操作量を無線により制御手
段に送信し、制御手段は、プロセス操作量に基づいて構
成要素を操作する。
【0055】従って、請求項6の発明のプロセス計測制
御システム保守点検装置においては、従来、プロセスの
大幅な改造をしないと実現不可能であった外乱要素に対
応した制御方式を、配管や配線の加工をすることなく簡
単に実施できる。また、本試験は一人の作業員により、
現場または中央制御室のいずれの場所からでも実施でき
る。
【0056】その結果、制御ループの保守点検の大幅な
効率化が可能となる。
【0057】請求項7の発明では、請求項6の発明のプ
ロセス計測制御システム保守点検装置において、診断手
段は、制御方式を無線により制御手段に送信し、制御手
段は、制御方式を記憶し、記憶した制御方式に基づいて
構成要素を操作する。
【0058】従って、請求項7の発明のプロセス計測制
御システム保守点検装置においては、従来、プロセスの
大幅な改造をしないと実現不可能であった外乱要素に対
応した制御を、配管や配線の加工をすることなく簡単に
実施できる。また、本試験は一人の作業員により、現場
または中央制御室のいずれの場所からでも実施できる。
【0059】その結果、制御ループの保守点検の大幅な
効率化が可能となる。
【0060】請求項8の発明では、請求項1の発明のプ
ロセス計測制御システム保守点検装置において、診断手
段が、任意のプロセス操作量を無線により制御手段に送
信し、制御手段が、送信されたプロセス操作量に基づい
て構成要素を操作した後に、流量測定手段は、構成要素
の操作がなされた状態における流量の測定を行い、この
測定した流量を無線により診断手段に送信し、診断手段
が、プロセス操作量を加えた事により変動した流量と、
制御演算用のPIDパラメータとを算出し、更に前記P
IDパラメータを用いて制御演算を行い、この演算結果
を新たなプロセス操作量として無線により制御手段に送
信する第1の工程と、制御手段が、診断手段により送信
されたプロセス操作量に基づいて構成要素を操作する第
2の工程とを繰り返す事により、最適のPIDパラメー
タを決定する。
【0061】従って、請求項8の発明のプロセス計測制
御システム保守点検装置においては、PIDパラメータ
の自動調整ができる。その結果、制御ループをより安定
に制御することが可能となる。
【0062】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。
【0063】なお、以下の各実施の形態の説明に用いる
図中の符号は、図7乃至図9と同一部分については同一
符号を付して示すことにする。
【0064】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
の形態を図1と図2とを用いて説明する。
【0065】図1は、本実施の形態にかかるプロセス計
測制御システム保守点検装置の一例を示す流量制御系統
図である。
【0066】図2は、本実施の形態にかかるプロセス計
測制御システム保守点検装置におけるPIDパラメータ
の算出方法を示す図である。
【0067】すなわち、図1に示す本実施の形態にかか
るプロセス計測制御システム保守点検装置は、図7に示
す従来から用いられているプロセス計測制御システム保
守点検装置に、可搬式のプロセス診断手段15、プロセ
ス制御手段情報送受信部16、および前記配管7上の任
意の位置に一時的に設置することが可能で、配管7内の
流量を測定する超音波流量計17と超音波流量計信号発
信器18とからなる流量測定手段を付加した構成として
いる。
【0068】なお、プロセス制御手段情報送受信部16
は、取付け、取外しが可能であり、任意のプロセス制御
手段10に取り付けることが可能である。これらを、図
1の斜線部で示す。これらは無線機能を備えており、無
線による相互データ通信が可能な構成となっている。
【0069】以下に、本実施形態の構成の詳細について
説明する。 (1)超音波流量計信号発信器18から、プロセス診断
手段15、プロセス制御手段情報送受信部16ヘの無線
通信 配管7内を流れる流体19の流量を非接触で測定するた
めに、配管7に外付きできる可搬の超音波流量計17に
より流量を検出する。このアナログ流量信号を、超音波
流量計信号発信器18内に設けたA/D変換器27がデ
ィジタル信号に変換した後に、変調器28に入力する。
変調器28では、前記ディジタル信号を変調した後に増
幅器29に入力し、増幅器29で増幅した後に、発信器
30に入力する。この発信器30は増幅器29より受け
取った信号を無線信号31としてプロセス診断手段15
またはプロセス制御手段情報送受信部16へ発信する。
【0070】プロセス診断手段15は、この無線信号3
1を受信器32において受信し、受信器32は受信した
信号を変調器33に入力する。この変調器33は信号を
変調後にシリアル−パラレル変換器34に入力する。こ
のシリアル−パラレル変換器34は信号を変換処理した
後にCPU35に入力し、CPU35はPID演算を行
う。
【0071】一方、プロセス制御手段情報送受信部16
は、超音波流量計信号発信器18が発信した無線信号3
1を受信器36により受ける。この受信器36は受信し
た信号を変調器37に入力し、変調器37は信号を変調
した後にシリアル−パラレル変換器38に入力する。こ
のシリアル−パラレル変換器38は信号を変換処理した
後にプロセス制御手段10内のCPU40に入力する。
CPU40は受け取ったPIDパラメータに基づいてP
ID演算を行う。 (2)プロセス制御手段情報送受信部16からプロセス
診断手段15への無線通信 プロセス制御手段10のPV値2を、プロセス制御手段
情報送受信部16内のA/D変換器41がディジタル信
号に変換した後にパラレル−シリアル変換器42に入力
する。このパラレル−シリアル変換器42が信号をシリ
アル信号に変換した後に変調器43に入力し、変調器4
3はこの信号を信号処理した後に増幅器44に入力す
る。この増幅器44は信号を増幅した後に発信器45に
入力し、発信器45はこのようにして得られたPV信号
を無線によって可搬式のプロセス診断手段15へ送信す
る。
【0072】また、プロセス制御手段10のMV値3
は、以下に示す方法によって可搬式のプロセス診断手段
15へ送信がなされる。
【0073】すなわち、プロセス制御手段10のPV値
2はA/D変換器47にも取り込まれる。A/D変換器
47は、受け取ったPV値2をディジタルPV信号48
に変換した後にCPU40に入力する。CPU40は、
ディジタルPV信号48に基づいたPID演算を行い、
ディジタルMV信号49をパラレル−シリアル変換器4
2に出力する。パラレル−シリアル変換器42は、受け
取った信号のシリアル変換を行った信号を変調器43に
入力する。
【0074】変調器43は、この信号を変調処理した後
に増幅器44に入力し、増幅器44は受け取った信号を
増幅した後に発信器45に入力する。発信器45はこの
ようにして得られたMV信号を、無線によって可搬式の
プロセス診断手段15へ送信する。
【0075】プロセス診断手段15の受信器32は、こ
れら信号を受信した後に変調器33に入力する。変調器
33は、これら信号を信号処理した後にシリアル−パラ
レル変換器34に入力し、シリアル−パラレル変換器3
4はこの信号を変換処理した後にCPU35に入力す
る。CPU35は、受け取ったPIDパラメータに基づ
いてPID演算を行う。 (3)プロセス診断手段15からプロセス制御手段情報
送受信部16への無線通信 プロセス診断手段15内のCPU35がPID演算して
算出したMV値は、CPU35によりパラレル−シリア
ル変換器50に入力され、パラレル−シリアル変換器5
0は信号変換を行う。このパラレル−シリアル変換器5
0は、変換した信号を変調器51に入力し、変調器51
はこの信号を変調処理した後に増幅器52に入力する。
【0076】増幅器52は信号を増幅した後に、プロセ
ス診断手段15内の発信器45に入力し、発信器53は
この信号を無線により、プロセス制御手段情報送受信部
16の受信器36へ送信する。この受信器36は、受け
取った無線信号を変調器37に入力し、変調器37はこ
の信号を変調処理してシリアル−パラレル変換器38に
入力する。
【0077】シリアル−パラレル変換器38は、受け取
った信号を変換処理した後にD/A変換器39に入力す
る。このD/A変換器39は、受け取った信号をD/A
変換した後に電空変換器54に入力し、電空変換器54
はその信号に基づいて操作弁55を作動する。
【0078】次に、以上のように構成した本実施の形態
の作用について説明する。
【0079】まず、第1の作用として、以上のように構
成した本実施の形態によれば、プロセス制御手段10と
流量検出器9との同時診断が可能となる。以下にその詳
細について述べる。
【0080】プロセス制御手段10から、ディジタルP
V信号48とディジタルMV信号49とを、無線通信に
よりプロセス診断手段15へ入力し、プロセス診断手段
15のCPU35において、プロセス制御手段10が行
うPID演算と同じPID演算を行うことができる。
【0081】これによって、プロセス制御手段10の機
能に問題が無いかを確認することが可能となる。
【0082】また、無線通信により超音波流量計17が
測定した流量信号を無線信号31として、プロセス診断
手段15に入力する。一方、流量検出器9が測定した流
量信号であるPV値2も、前述したようにプロセス制御
手段情報送受信部16からプロセス診断手段15に無線
により入力する。
【0083】そして、プロセス診断手段15において、
上記両信号の差分を計算し、この差分によって、流量検
出器9の機能に問題が無いかを確認することが可能とな
る。
【0084】次に、第2の作用として、PIDパラメー
タを自動調整することが可能となる。以下にその詳細に
ついて図1と図2とを用いて述べる。
【0085】プロセス診断手段15からプロセス制御手
段情報送受信部16への無線通信機能により、プロセス
診断手段15から、図2に示すような模擬のMV値であ
るMVpをプロセス制御手段情報送受信部16へ過渡的
に出力する。
【0086】模擬MV値MVpに基づいて、プロセス制
御手段10のCPU40で演算されたPV値2の時間変
化結果を、プロセス制御手段情報送受信部16から再び
プロセス診断手段15に送信することによって、図2に
示すように、過渡応答曲線62を作成し、むだ時間L、
時定数Tを決定する。
【0087】更に、プロセスゲインKp(=PVp/M
Vp)、比例ゲインP(=83Kp×L/T)、積分時
間I(=2L)、微分時間D(=0.5L)を算出した
後、プロセス診断手段15内のメモリ56に登録されて
いるPID制御演算モジュ−ルに定めたPIDパラメー
タを更新する。
【0088】そして、プロセス制御手段10のCPU4
0が演算に用いたSV値、PV値2と、前記更新したP
IDパラメータにより、プロセス診断手段15のCPU
35でMV値3を演算し、このMV値3を無線通信によ
ってプロセス制御手段情報送受信部16へ送信し、プロ
セス制御手段情報送受信部16を介して電空変換器54
へ出力し、操作弁55を操作する。
【0089】その後、前述したように、流量検出器9の
PV値2と、超音波流量計17の無線信号31との差分
が小さくなったことを確認することにより、プロセス制
御手段10の制御特性が改善されたことを確認すること
ができる。
【0090】このようにしてPIDパラメータを自動調
整することが可能となる。
【0091】更に、第3の作用として、MV値3を確認
することが可能となる。以下にその詳細について図1を
用いて述べる。
【0092】プロセス診断手段15のCPU35から、
試験対象とする操作弁55のMV値に対応する弁開度
(例;0、40、60、80、100%)を、プロセス
制御手段情報送受信部16へ無線通信する。これによっ
て、プロセス制御手段10は、電空変換器54を介し
て、操作弁55を所望の弁開度に制御する。
【0093】流量検出器9あるいは超音波流量計17
は、弁開度を上記のように変化させた状態において測定
した流量を、前述した無線通信を介してプロセス診断手
段15に送信する。このようにして、プロセス診断手段
15では、加えたMV値と、流量との相関関係を得るこ
とができる。
【0094】従って、この相関関係を用いれば、流量測
定の結果を基にプロセスに加えたMV値の値を確認する
ことが可能となる。
【0095】更にまた、第4の作用として、定期検査時
における制御ループ上の構成機器の健全性を確認する事
が可能となる。以下にその詳細について図1を用いて述
べる。
【0096】プロセス制御手段10およびプロセス診断
手段15は、超音波流量計17の検出した流量を無線信
号31として取り込み、おのおのCPU40及びCPU
35にてPID演算を行う。
【0097】以上の様に得られたPID演算結果と、プ
ロセス診断手段15内のメモリ56に記録されている前
回検査デ−タとをCPU35にて比較検討することで、
その精度、誤差を算出して機能の確認、評価を行うこと
ができる。
【0098】このようにして、定期検査におけるプロセ
ス制御手段10による超音波流量計17の収集データと
前回検査データとを比較することによって、ループ構成
機器の健全性を確認することが可能となる。
【0099】上述したように、本実施の形態のプロセス
計測制御システム保守点検装置においては、上記のよう
な作用により、従来では、プロセス制御手段の制御性の
確認をするために、制御系を一旦止めてから試験用の配
線をしていたものを、配線変更なしに、しかも制御系を
止めずに試験を行うことが可能となる。
【0100】また、従来、流量検出器の流量は、直接遅
れ時間無しで測定することはできず、関連するプロセス
量から判断するしか無かったが、直接該当部の流量を配
線、配管加工無しで測定することが可能となり、微妙な
流量変動や、外乱の診断を行うことが可能になる。
【0101】さらに、今まで別々に実施していた制御
性、流量検出器の確認を同時かつ短時間で試験すること
が可能になり、これら試験を、可搬式のプロセス診断手
段によって、一人の作業員により、現場または中央制御
室のいずれの場所からでも実施することも可能となる。
【0102】また、定期検査におけるループ構成機器の
健全性の確認に関しては、従来、個々の計器毎に試験し
ていた検査を同時かつ短時間で実施することが可能とな
る。
【0103】以上の結果、保守点検作業の大幅な効率化
が可能となる。
【0104】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態を図3と図4とを用いて説明する。
【0105】図3は、本実施の形態にかかるプロセス計
測制御システム保守点検装置の一例を示す流量制御系統
図である。
【0106】図4は、本実施の形態にかかるプロセス計
測制御システム保守点検装置のプロセス診断手段に登録
されている制御パターンの一例である。
【0107】なお、図3においては、図1と同一部分に
は同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる
部分についてのみ述べる。
【0108】すなわち、図3に示す本実施の形態にかか
るプロセス計測制御システム保守点検装置は、図1にお
ける超音波流量計17の上流側で配管7を分岐し、この
分岐配管69および70上に超音波流量計71および7
2を付加した構成としている。
【0109】さらに、この超音波流量計71および72
により測定された流量信号を、超音波流量計17の場合
と同様に、発信器30を有した超音波流量計信号発信器
18に取り込み、無線による送信が可能な構成となって
いる。なお、超音波流量計信号発信器18の構成は、図
1に記載したものと同一であるのでその説明は省略す
る。
【0110】次に、以上のように構成した本実施の形態
の作用について説明する。
【0111】まず、第1の作用として、外乱要素の検出
が可能となる。以下にその詳細について述べる。
【0112】図3に示すように、外乱要素と考えられる
配管7を分岐した分岐配管79、70上におのおの超音
波流量計71、72を設置して、制御対象であるPV値
2の変化分である△Fと、外乱要素と考えられる変化
分ΔF、△Fを、各超音波流量計71、72の信号
を処理する超音波流量計信号発信器18上の発信器30
から、プロセス診断手段15の受信器32に、無線通信
により送信する。
【0113】そして、プロセス診断手段15のCPU3
5において、互いの相関関係(△F =F+F)を
確認することで、プロセスの不安定要素が外乱によるも
のであることを判断することが可能となる。
【0114】次に、第2の作用として、制御ループの最
適制御が可能となる。以下にその詳細について図3と図
4を用いて述べる。
【0115】制御ループの最適制御方式の検討をするに
は、プロセス診断手段15のメモリ56に登録されてい
る制御パターンの中から、例えば図4に示すように、作
業員が該当プロセスに合った制御パターン76を選択し
て、SV値I、各超音波流量計71、72の流量信号
であるPV値Iをプロセス診断手段15に入力する。
【0116】プロセス診断手段15に入力された超音波
流量計の上記流量信号は、図4に示すように、外乱差分
(D=△F−△F)を計算し、この値を外乱要素
点I から入力し、制御補正用演算式である静特性補償
演算(D−Dn−1)79、および動特性補償演算
((T−T)×S/(1+T×S))80に入力
することによりMV値3を算出することができる。な
お、図4において、Kは外乱補償ゲイン、Tはプロセ
ス時定数、Tは外乱時定数、Sはラプラス演算子であ
る。
【0117】算出したMV値Oは、プロセス診断手段
15側からプロセス制御手段情報送受信部16の受信器
36へ無線通信され、この信号はプロセス制御手段10
を介して電空変換器54に送られ、操作弁55を制御す
る。
【0118】さらに、この制御パターンをプロセス診断
手段15からプロセス制御手段情報送受信部16へ無線
により送信し、変調器37、シリアル−パラレル変換器
38を経たディジタル信号をプロセス制御手段10のメ
モリ57に登録することで、プロセス制御手段10の制
御方式を更新し、制御ループの最適制御が可能となる。
【0119】上述したように、本実施の形態のプロセス
計測制御システム保守点検装置においては、上記のよう
な作用により、従来では、プロセスの大幅な改造をしな
いと実現不可能であった外乱要素に対応した制御方式
を、配管、配線の加工をすることなく簡単に実現するこ
とが可能となる。また、可搬式のプロセス診断手段によ
って、一人の作業員のみにより、現場または中央制御室
のいずれの場所からでも実施することが可能となり、結
果として、保守点検作業の大幅な効率化が可能となる。
【0120】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
の形態を図5と図6とを用いて説明する。
【0121】図5は、本実施の形態にかかるプロセス計
測制御システム保守点検装置の一例を示す温度制御系統
図である。
【0122】図6は、本実施の形態にかかるプロセス計
測制御システム保守点検装置のプロセス診断手段に登録
されている制御パターンの一例である。
【0123】なお、図5においては、図1と同一部分に
は同一符号を付し、また、図6においては、図4と同一
機能については同一符号を付して、その説明を省略し異
なる部分についてのみ述べる。
【0124】図5では、配管81内を流れる流体82
を、熱交換器83において蒸気84からの熱により加熱
する。
【0125】流体82の流量は、熱交換器83手前の配
管81上に配置した超音波流量計17により測定する。
この測定結果は、図3で説明した機能と同様に、超音波
流量計信号発信器18上の発信器30から無線によっ
て、プロセス診断手段15、あるいはプロセス制御手段
情報送受信部16に送信する。
【0126】熱交換器83を通過した後の流体82の温
度は、熱交換器83の下流の配管81上に設置した温度
計85により測定する。その結果は、PV値2としてプ
ロセス制御手段10に入力する。
【0127】プロセス制御手段10は、第1の実施の形
態で説明した通り、PID演算によってMV値3を算出
し、その値を電空変換器54に送信し、電空変換器54
はその値に基づいて蒸気流量の操作弁55を制御する。
【0128】次に、以上のように構成した本実施の形態
の作用について説明する。
【0129】図5に示す温度制御系統図において、配管
81内を流れる流体82の温度を、熱交換器83に流入
する蒸気84の流量を調節することで制御する場合、配
管81内を流れる流体82の流量変動により制御系が不
安定になる場合がある。
【0130】このような場合、図6に示すように、この
変動量をプロセス診断手段15に無線入力して、作業員
が選択した制御パターン86の外乱要素Iとして入力
することで、流量の変動によるMV値Oを算出するこ
とが可能となる。
【0131】このMV値Oを第1の実施の形態で説明
した方法にて、プロセス診断手段15を介してプロセス
制御手段10に送信して、プロセスを制御する。
【0132】上述したように、本実施の形態のプロセス
計測制御システム保守点検装置においては、上記のよう
な作用により、従来では、プロセスの大幅な改造をしな
いと実現不可能であった外乱要素に対応した制御方式
を、配管、配線の加工をすることなく簡単に実現するこ
とができる。
【0133】また、可搬式のプロセス診断手段によっ
て、一人の作業員のみにより、現場または中央制御室の
いずれの場所からでも実施することができ、その結果、
保守点検作業の大幅な効率化が可能となる。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプロセス
計測制御システム保守点検装置によれば、制御性の確認
試験を、配管、配線等を変更することなく、かつ制御系
を止めずに短時間で試験することができ、更にこれらの
確認試験を、現場または中央制御室のいずれの場所から
でも一人の作業員のみで実施することができる。
【0135】その結果、保守点検作業の大幅な効率化を
実現することができるプロセス計測制御システム保守点
検装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかるプロセス計測制御シ
ステム保守点検装置の一例を示す流量制御系統図。
【図2】第1の実施の形態にかかるプロセス計測制御シ
ステム保守点検装置におけるPIDパラメータの算出方
法を示す図。
【図3】第2の実施の形態にかかるプロセス計測制御シ
ステム保守点検装置の一例を示す流量制御系統図。
【図4】第2の実施の形態にかかるプロセス計測制御シ
ステム保守点検装置のプロセス診断手段に登録されてい
る制御パターンの一例。
【図5】第3の実施の形態にかかるプロセス計測制御シ
ステム保守点検装置の一例を示す温度制御系統図。
【図6】第3の実施の形態にかかるプロセス計測制御シ
ステム保守点検装置のプロセス診断手段に登録されてい
る制御パターンの一例。
【図7】従来技術におけるPIDパラメータの調整方法
の一例を示す制御系統図。
【図8】従来技術におけるMV値を確認する方法の一例
を示す制御系統図。
【図9】従来技術におけるPID制御特性を確認する方
法の一例を示す制御系統図。
【符号の説明】
1…SV値、 2…PV値、 3…MV値、 4、55…操作弁、 5…演算部、 6…PID演算式、 7、81…配管、 8…導圧管、 9…流量検出器、 10…プロセス制御手段、 11…PV入力端子、 12…電流計、 15…プロセス診断手段、 16…プロセス制御手段情報送受信部、 17、71、72…超音波流量計、 18…超音波流量計信号発信器、 19…流体、 27、41,47…A/D変換器、 28、33、37、43、51…変調器、 29、44、52…増幅器、 30、45、53…発信器、 31…無線信号、 32、36…受信器、 34、38…シリアル−パラレル変換器、 35、40…CPU、 39…D/A変換器、 42、50…パラレル−シリアル変換器、 48…ディジタルPV信号、 49…ディジタルMV信号、 54…電空変換器、 56、57…メモリ、 62…過渡応答曲線、 69、70…分岐配管、 76、86…制御パターン、 79…静特性補償、 80…動特性補償、 82…流体、 83…熱交換器、 84…蒸気、 85…温度計。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H004 GA27 GB01 HA02 HB01 HB02 JB19 KB02 KB04 KB06 MA36 MA42 MA43 MA53 MA54 MA55 5H223 AA01 AA15 BB01 CC01 CC08 DD03 DD07 EE06 EE30 5H307 AA01 BB01 EE02 FF02 FF15 HH12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配管内に設けられ、前記配管内を流れる
    流体の流量を調節する弁と、前記流体のプロセス量を測
    定するプロセス量測定手段とを構成要素として備えた制
    御ループの健全性を評価するプロセス計測制御システム
    の保守点検を行う装置において、前記プロセス量測定手
    段により測定されたプロセス量に基づいて制御演算を行
    ない、かつこの演算結果に基づいて前記構成要素を操作
    することにより前記制御ループを制御する制御手段と、
    前記構成要素の機能診断を行う可搬式の診断手段と、前
    記配管上の任意の位置に一時的に設置することが可能
    な、前記配管内の流体の流量を測定する流量測定手段と
    を備え、前記制御手段と、前記診断手段と、前記流量測
    定手段とに、それぞれ無線による送受信機能を持たせて
    互いに信号の送受信を行うようにし、前記診断手段は、
    前記流量測定手段及び前記制御手段が送信する流量信号
    及びプロセス量信号を受信し、前記流量信号及びプロセ
    ス量信号に基づいて前記構成要素または前記制御手段の
    機能診断を行うことにより、前記制御ループの健全性を
    評価することを特徴とするプロセス計測制御システム保
    守点検装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載のプロセス計測制御
    システム保守点検装置において、前記プロセス量測定手
    段の測定するプロセス量が前記配管内の流体の流量であ
    って、前記プロセス量測定手段の機能診断を行なう場
    合、前記プロセス量測定手段の設置場所の近傍の配管上
    に前記流量測定手段を配置し、前記制御手段は、前記プ
    ロセス量測定手段により測定された流量を取得するとと
    もに無線により前記診断手段に送信し、前記流量測定手
    段は、測定した流量を無線により前記診断手段に送信
    し、前記診断手段は、前記プロセス量測定手段により測
    定された流量と、前記流量測定手段により測定された流
    量とを比較検討する事により前記プロセス量測定手段の
    機能診断を行なうことを特徴とするプロセス計測制御シ
    ステム保守点検装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載のプロセス計測制御
    システム保守点検装置において、前記制御手段は、前記
    プロセス量測定手段により取得されたプロセス量を無線
    により前記診断手段に送信し、前記診断手段は、前記送
    信されたプロセス量に基づいて前記制御手段が行なう制
    御演算と同じ制御演算を行ない、この演算結果と前記制
    御手段により行なわった演算結果とを比較することによ
    り、前記制御手段の機能診断を行うことを特徴とするプ
    ロセス計測制御システム保守点検装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項1に記載のプロセス計測制御
    システム保守点検装置において、前記制御ループに不安
    定が生じた場合、前記制御ループにおける配管上の、前
    記不安定が発生したと考えられる位置の近傍と、前記プ
    ロセス量測定手段の設置場所の近傍とに前記流量測定手
    段をそれぞれ配置し、前記各流量測定手段は、測定した
    流量を無線により前記診断手段に送信し、前記診断手段
    は、前記送信された流量に基づいて前記制御ループの前
    記不安定要素の診断を行うことを特徴とするプロセス計
    測制御システム保守点検装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項1に記載のプロセス計測制御
    システム保守点検装置において、前記診断手段は、前記
    配管上の弁の開度を選定し、前記弁開度を前記制御手段
    に送信し、前記制御手段は、前記弁開度に基づいて前記
    弁を開閉操作し、前記流量測定手段は、前記開閉操作が
    なされた状態において測定された流量を無線により前記
    診断手段に送信し、前記診断手段は、前記弁開度と前記
    流量との関係を比較することにより前記弁の開閉操作の
    機能診断を行うことを特徴とするプロセス計測制御シス
    テム保守点検装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項1に記載のプロセス計測制御
    システム保守点検装置において、前記制御ループに不安
    定が生じた場合、前記制御ループにおける配管上の、前
    記不安定が発生したと考えられる位置の近傍に前記流量
    測定手段を配置し、前記流量測定手段は、測定した流量
    を無線により前記診断手段に送信し、前記診断手段は、
    前記不安定を収束させるのに適した制御方式を選択する
    とともに、前記制御方式に基づく制御演算を行なって、
    前記不安定を収束するプロセス操作量を算出し、前記プ
    ロセス操作量を無線により前記制御手段に送信し、前記
    制御手段は、前記プロセス操作量に基づいて前記構成要
    素を操作することを特徴とするプロセス計測制御システ
    ム保守点検装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項6に記載のプロセス計測制御
    システム保守点検装置において、前記診断手段は、前記
    制御方式を無線により前記制御手段に送信し、前記制御
    手段は、前記制御方式を記憶し、前記記憶した制御方式
    に基づいて前記構成要素を操作することを特徴とするプ
    ロセス計測制御システム保守点検装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項1に記載のプロセス計測制御
    システム保守点検装置において、前記診断手段が、任意
    のプロセス操作量を無線により前記制御手段に送信し、
    前記制御手段が、送信された前記プロセス操作量に基づ
    いて前記構成要素を操作した後に、前記流量測定手段
    は、前記構成要素の操作がなされた状態における流量の
    測定を行い、この測定した流量を無線により前記診断手
    段に送信し、前記診断手段が、前記プロセス操作量を加
    えた事により変動した流量と、制御演算用のPIDパラ
    メータとを算出し、更に前記PIDパラメータを用いて
    制御演算を行い、この演算結果を新たなプロセス操作量
    として無線により前記制御手段に送信する第1の工程
    と、前記制御手段が、前記診断手段により送信された前
    記プロセス操作量に基づいて前記構成要素を操作する第
    2の工程とを繰り返す事により、最適のPIDパラメー
    タを決定するようにしたことを特徴とするプロセス計測
    制御システム保守点検装置。
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