JP2000204561A - 掘削面の保護方法 - Google Patents
掘削面の保護方法Info
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Abstract
然崩壊、人為的な作用が原因での崩壊のいずれにも有効
であり、掘削面の表面を単に覆うだけでなく土質の粒子
を確実に結合して乾燥が原因の崩壊を確実に防止でき
る。 【解決手段】 掘削直後の掘削面1に水溶性で粘性の高
い高分子水溶液4による透明な皮膜5を形成し、掘削面
1の土質2内では前記水溶液4を土質2内に浸透させ土
質2内の水分と親和させて土質2の粒子と粒子を結合さ
せ、掘削面1の表面では内部からの水分の放出を皮膜5
により防ぐ。
Description
ける掘削面の崩壊を防止し、掘削面を保護する方法に関
するものである。
の掘削工事では、掘削面が自然崩壊はもちろんのこと、
人為的な作用によっても崩壊しやすく、崩壊を防止する
ことが掘削工事の施工性、コストダウンを図る上で重要
な要素となっている。
8、図9に示すように掘削面1の土質2に含まれていた
水分3の空気中への放出が原因の乾燥により発生する。
すなわち、図8に示すように掘削直後は掘削面1の内部
の土質2は水分による粘性を有し粒子が結合している
が、表面の土質2の水分3は膨張し、土質2が空気と接
触することで水分3が空気中に放出し、土質2の水分が
減少する。このことは、土質2の粒子そのものに含まれ
ていた水分3や粒子間の水分3が減少することであり、
その結果、粒子自体がやせることと、粒子間に隙間が生
じることになり、掘削面1に乾燥による崩壊が発生す
る。
例えば振動により掘削面1にヒビが入り、このヒビの部
分から土質2内に空気が侵入して乾燥が始まり、これが
原因で前記と同様にして土質2の水分が減少し、乾燥に
よる崩壊が発生する。
て、現在、有効な手だてとして確立されたものはなく、
通常の掘削作業における自然の状況の中で崩壊する割合
を掘削開始の前段階で予め計算しておき、この崩壊が予
測される部分を差し引いた分だけ掘削したり、あるい
は、所定の分だけ掘削した後に、鉄板などを掘削面に建
て込みむことでガードを設けたり、掘削の表面にモルタ
ルやベントナイトなどを吹き付けて崩壊を防止してい
る。
を差し引いた分だけ掘削する方法では、不測の事態に対
処することが困難である。また、鉄板を建て込んだする
ガードでは手間と費用を要して施工性がよくない。
付ける方法土質の土粒子に付着して地盤の崩壊性を減少
させるものであるため、乾燥が原因の崩壊に対して有効
ではなかった。
し、コストが低廉で、施工性もよく、掘削面の自然崩
壊、人為的な作用が原因での崩壊のいずれにも有効であ
り、掘削面の表面を単に覆うだけでなく土質の粒子を確
実に結合して乾燥が原因の崩壊を確実に防止でき、皮膜
が透明に仕上がるため、皮膜下部の状態が観察できる掘
削面の保護方法を提供することにある。
するため、第1に、掘削直後の掘削面に水溶性で粘性の
高い高分子水溶液による透明な皮膜を形成し、掘削面の
土質内では前記水溶液を土質内に浸透させ土質内の水分
と親和させて土質の粒子と粒子を結合させ、掘削面の表
面では内部からの水分の放出を皮膜により防ぐことを要
旨とするものである。
吹き付け、塗布、または、膜状に形成したものに水分を
含ませて張りつける方法のいずれかであることを要旨と
するものである。
は、水70〜95重量%に対してポリマー5〜30重量%を溶
解させてなることを要旨とするものである。
コンクリートを直接打設した場合、コンクリートに含ま
れている水分により皮膜が溶解し、土質中にコンクリー
トが入り込み、コンクリートとの接着面を形成すること
を要旨とするものである。
表面に例えば塗布した水溶性で粘性の高い高分子水溶液
は、掘削面の土質の内部に吸収されて土質間の水分と親
和し、土質の粒子間に入り、接着剤として機能し、粒子
と粒子とを結合する。また、掘削面の表面に残った水溶
液は乾燥してここに皮膜を形成し、土質の空気との接触
を遮断し、土質の内部からの水分の放出を阻止して掘削
面の乾燥による崩壊を防止する。さらに皮膜が透明に仕
上がるため、皮膜下部の状態が観察できる。
に加えて、掘削面への皮膜の形成は、溶液の吹き付け、
塗布、または、膜状に形成したものに水分を含ませて張
りつける方法のいずれかを採用できるから、現場の状況
に柔軟に対処できるだけでなく、溶液の吹き付け、塗布
だけでなく、膜状に予め形成しておくこともできるか
ら、施工性がよい。
に加えて、水溶性で粘性の高い高分子水溶液は、水70〜
95重量%に対してポリビニルアルコール(PVA)など
のポリマー5〜30重量%を溶解させたものとしたから、
掘削面の土質に吸収されやすく、他の有機溶媒を使用し
ているシール剤に比較して浸透度が優れ、土質内の粒子
と粒子間に入り込んで粒子を相互に結合する接着剤とし
ての機能を確実に果たすことができる。よって、水溶液
は掘削面の表面で乾燥することでここに皮膜を形成して
土質の乾燥による崩壊を防止するだけでなく、掘削面の
土質の内部でも粒子を結合して崩壊を防ぐ働きをなす。
に加えて、掘削面の表面に形成した皮膜上にコンクリー
トを直接打設した場合、皮膜は水溶性溶液が乾燥したも
のであるから、皮膜の状態でも水溶性を有し、コンクリ
ートに含まれている水分により皮膜が溶解し、皮膜を通
過して土質中にコンクリートが入り込み、コンクリート
との接着面が形成される。よって、皮膜を形成した掘削
面にさらにコンクリートを打設した場合でもコンクリー
トと土質との一体化を図ることができる。
の形態を詳細に説明する。図1〜図3は本発明の掘削面
の保護方法の実施形態を示す工程図で、掘削面1の崩壊
を防止するには、第1工程として図1に示すように掘削
直後の掘削面1に水溶性で粘性の高い透明な高分子水溶
液4を例えば吹き付けにより均一に塗布する。
えば水70〜95重量%に対してポリビニルアルコール(P
VA)などのポリマー5〜30重量%を溶解させてなるも
ので、掘削面1の土質2に吸収されやすい特質を有する
ことから、他の有機溶媒を使用しているシール剤と比較
したとき、土質2内への浸透度に優れている。なお、ポ
リマーは前記のPVAに限定されるず、カルボキシメチ
ルセルロース、ポリビニルアセテートなどから選ばれる
一種または二種以上の物質とすることができる。
は吹き付けによる塗布に限定されるものではなく、工事
現場とは別の場所で予め高分子水溶液4の皮膜を形成し
ておき、この皮膜に水分を含ませたものを掘削面1に張
りつける方法もある。また、塗布も一層だけでなく、二
度塗り、三度塗りと繰り返して複数層に塗ることもでき
る。
4は、浸透性に優れており、第2工程として図2に示す
ように土質2内に浸透し、水溶性のため土質2内の水分
と親和する。その結果、この水溶液4に含まれているポ
リビニルアルコール(PVA)の糊分が土質2の粒子間
に入り、接着剤として機能し、粒子と粒子とを結合す
る。かかる結合は土質4が乾燥した後も維持される。
糊状の高分子水溶液4が塗布されることで、空気と土質
2とがまず遮断され、さらに、第3工程として図3に示
すように水溶液4が乾燥することでここに皮膜5が形成
され、この伸張力のある皮膜5により土質2と空気との
接触が遮断され、土質2の内部からの水分の放出を阻止
して掘削面1の乾燥による崩壊を防止する。皮膜5が透
明に仕上がるため皮膜下部の状態が観察できる。
るために砂や繊維等を混入することも可能である。
る皮膜5の形成の状況を次に説明する。泥岩について、
泥岩の有する水分が全重量の5%の場合、皮膜5が形成
されていない泥岩を空気中(温度20℃、湿度60%の状
態)にそのまま48時間放置した結果は、水分が1.5 %に
減少し、泥岩の表面が崩壊し、土質の粒子が落ちる現象
が生じた。
て泥岩の表面に水溶性で粘性の高い高分子水溶液4を塗
布し、48時間放置した。この場合、高分子水溶液4の塗
布量は、泥岩の表面に形成される皮膜5が30〜50μの厚
さとなるような量とした。そして、48時間経過後、泥岩
の水分を計測した結果、高分子水溶液4の塗布前の水分
含有量と同等の値が得られ、泥岩の乾燥防止が確認され
た。
るが、砂岩の場合は泥岩に比較して粒子が大きいため、
水溶液4の塗布後、皮膜5が形成されるまでの時間が短
く、その分だけ皮膜5も薄いものとなった。また、粒子
間の間隔が大きいため、粒子間に浸透する量が多くな
り、泥岩に比較して塗布量が40%増であった。
れた皮膜5は、水溶性であることから、外気の湿度によ
っては空気中の水分を吸収し、その吸収した水分によ
り、皮膜5が乾燥状態になっても皮膜5の急激な乾燥を
阻止するため、土質2内部での乾燥をさらに防止できる
ことになる。
水分含有量8%の場合、同一条件で48時間放置した結果
は、皮膜水分含有量は7.5 %であったが、6時間後に湿
度のみ50%に低下させた条件下では、48時間後には皮膜
水分含有量が4.8 %に減少していた。
に形成した皮膜5の上にコンクリート6を直接打設する
こともできる。この場合は、皮膜5は水溶性溶液4が乾
燥したものであるから、皮膜5の状態でも水溶性を有
し、コンクリート6に含まれている水分により皮膜5が
溶解し、皮膜5を通過して土質2中にコンクリート6が
入り込み、コンクリート6との接着面が形成される。よ
って、皮膜5を形成した掘削面1にさらにコンクリート
6を打設した場合でもコンクリート6と土質2との一体
化を図ることができる。
であるが、これに限定されるものではなく、図5に示す
ように掘削面1が傾斜している法面の場合にも実施でき
るものであり、法面に実施する場合は、ドレンパイプ7
を打ち込んだ後に掘削面1の表面に高分子水溶液4を塗
布して皮膜5を形成する。
床面8に皮膜5を形成するには、掘削表面に凹凸に対処
すべく吹き付けなどにより高分子水溶液4を散布して床
面8の全面を覆い、皮膜5を形成する。この皮膜5は前
記のように水溶性ではあるが、雨水等のような低水温の
水では溶解せず、表面に付着した水分が蒸発すれば元の
状態に戻るから、床面8が雨水に晒される場所であって
も支障はなく、所定の強度は確保できる。
に前もって排水のための勾配と排水路9を形成しておけ
ば、床面8上への雨水の付着時間が短縮し降雨による影
響は低減する。さらに、図7に示すように床面8の上に
ゴムシートなどの遮水シート10を敷設すればより効果的
である。
方法は、コストが低廉で、施工性もよく、掘削面の自然
崩壊、人為的な作用が原因での崩壊のいずれにも有効で
あり、掘削面の表面を単に皮膜で覆って空気との接触を
遮断して表面の乾燥を防止するだけでなく、水溶性で浸
透性に優れている特質を活かして掘削面の内部にも浸透
して土質の粒子を確実に結合して接着剤として機能し、
乾燥が原因の崩壊を確実に防止でき、皮膜が透明に仕上
がるため皮膜下部の状態が観察できるものである。
第1工程を示す縦断側面図である。
第2工程を示す縦断側面図である。
第3工程を示す縦断側面図である。
皮膜の上にコンクリートを打設する場合の縦断側面図で
ある。
掘削面が法面の場合の縦断側面図である。
掘削面が床面の場合の縦断側面図である。
掘削面が床面の場合の他の例を示す縦断側面図である。
る。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 掘削直後の掘削面に水溶性で粘性の高い
高分子水溶液による透明な皮膜を形成し、掘削面の土質
内では前記水溶液を土質内に浸透させ土質内の水分と親
和させて土質の粒子と粒子を結合させ、掘削面の表面で
は内部からの水分の放出を皮膜により防ぐことを特徴と
する掘削面の保護方法。 - 【請求項2】 掘削面への皮膜の形成は、溶液の吹き付
け、塗布、または、膜状に形成したものに水分を含ませ
て張りつける方法のいずれかである請求項1記載の掘削
面の保護方法。 - 【請求項3】 水溶性で粘性の高い高分子水溶液は、水
70〜95重量%に対してポリマー5〜30重量%を溶解させ
てなる請求項1または請求項2に記載の掘削面の保護方
法。 - 【請求項4】 掘削面の表面に形成した皮膜上にコンク
リートを直接打設した場合、コンクリートに含まれてい
る水分により皮膜が溶解し、土質中にコンクリートが入
り込み、コンクリートとの接着面を形成する請求項1か
ら請求項3のいずれかに記載の掘削面の保護方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00410199A JP4083910B2 (ja) | 1999-01-11 | 1999-01-11 | 掘削面の保護方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00410199A JP4083910B2 (ja) | 1999-01-11 | 1999-01-11 | 掘削面の保護方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000204561A true JP2000204561A (ja) | 2000-07-25 |
JP4083910B2 JP4083910B2 (ja) | 2008-04-30 |
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ID=11575411
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00410199A Expired - Fee Related JP4083910B2 (ja) | 1999-01-11 | 1999-01-11 | 掘削面の保護方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4083910B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007031214A (ja) * | 2005-07-27 | 2007-02-08 | Kajima Corp | 吹付け工法 |
-
1999
- 1999-01-11 JP JP00410199A patent/JP4083910B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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