JP2000204281A - 顔料分散剤およびこれを含有する塗料又はインキ組成物 - Google Patents

顔料分散剤およびこれを含有する塗料又はインキ組成物

Info

Publication number
JP2000204281A
JP2000204281A JP310599A JP310599A JP2000204281A JP 2000204281 A JP2000204281 A JP 2000204281A JP 310599 A JP310599 A JP 310599A JP 310599 A JP310599 A JP 310599A JP 2000204281 A JP2000204281 A JP 2000204281A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pigment
amino acid
resin
acid derivative
ink composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP310599A
Other languages
English (en)
Inventor
Sukeyuki Tanaka
祐之 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
Priority to JP310599A priority Critical patent/JP2000204281A/ja
Publication of JP2000204281A publication Critical patent/JP2000204281A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 顔料ベースのレオロジー特性を良好にな
らしめる顔料分散剤並びに塗布、硬化後に充分満足する
膜光沢性能を発揮する塗料又はインキ組成物を提供す
る。 【解決手段】 グリシジルエーテル、グリシジルエステ
ルまたはエポキシアルカンと中性アミノ酸、酸性アミノ
酸およびこれらのN−モノアルキル(C1-5)置換体のう
ちの少なくとも1種のアミノ酸を有効成分とした顔料分
散剤並びに該顔料分散剤、顔料および溶剤を含有する塗
料又はインキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色塗料、印刷イ
ンキ等の製造において顔料分散性を向上させるのに用い
られる顔料分散剤およびこれを含有する塗料又はインキ
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】着色塗料、印刷インキ、シーリング剤等
は、溶剤およびその他の原料に顔料を混合して製造され
るものである。しかしながら、顔料を分散させて塗料、
インキ組成物を調製する際の最大の問題点は、顔料粒子
が凝集し易いといった点である。この凝集は、顔料の分
散時以外にも塗料、インキ組成物の溶解、貯蔵、塗装時
においても起こる。その結果、顔料を含有する塗料、イ
ンキ組成物の安定性の低下、塗装時のトラブル、または
最終的に得られる塗膜やシーリング剤の光沢、着色力、
鮮映性の低下、色分かれ、フローティング、機械的強度
の低下など好ましくない現象を生ずることが知られてい
る。
【0003】水系樹脂を使用した塗料、インキ組成物に
おいては、硬化後、高光沢または無光沢の防水性をもっ
た塗膜面を必要としている。水系樹脂は、一般的に水媒
体中で重合させるエマルション重合法で得られることか
ら、水系で無公害であるばかりでなく、脱溶剤などによ
るエネルギーのロスの少ないまさに省エネルギー、無公
害型の樹脂である。このようにエマルション樹脂を使用
した塗料、インキは非常に優れた性能を持っているもの
の、溶剤型樹脂を使用した塗料、インキに比較して、膜
光沢、すなわち艶、あるいは耐水性が充分でない等の欠
点が挙げられる。
【0004】この問題を解決するため、一般に純アクリ
ル系エマルションの代わりに、スチレン/アクリル系エ
マルションを使用することにより膜光沢、耐水性の欠点
を改善する方法がとられているものの、共重合成分のス
チレンの存在により、直接太陽光に暴露された場合に黄
変するという問題点がある。通常エマルション塗料、イ
ンキは、予め顔料、水、増粘剤および界面活性剤をペイ
ントシェーカー、サンドミル、ボールミル、アトライタ
ー等の分散機により顔料分散を行い顔料ベースを得た
後、エマルション樹脂と混合して塗料、インキ組成物を
得ている。上記界面活性剤(主にアニオン系界面活性
剤)は、この顔料分散時に、顔料分散剤として得られる
顔料ベースの粘度特性やレオロジー特性の改善のために
用いられているが、更なる改善が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は顔料組
成物のレオロジー特性が良好で、さらには、塗布、硬化
後に充分満足する膜光沢性能を発揮する分散剤を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定構造のア
ミノ酸誘導体が顔料分散剤として好適であり、顔料の分
散性が向上するのみならず、これを顔料、溶剤と共に含
有する塗料又はインキ組成物の安定性に優れ、塗布、硬
化後の膜光沢性能の向上にも寄与することを見出し、本
発明をなすに至った。
【0007】即ち、本発明は、下記一般式(1)で示され
るアミノ酸誘導体を有効成分とした顔料分散剤である。
【0008】
【化3】 (式中、R1は炭素原子数8〜22の直鎖あるいは分岐鎖
のアルキル基またはアルケニル基、mは0〜20の整
数、YはOまたはCOO、jは0または1の整数、Xは
水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基または下記一
般式(2)で表される置換基、Aはアミノ基部分を除いた
中性または酸性アミノ酸残基を示す)
【0009】
【化4】 (式中、R2はR1と同一または異なる炭素原子数8〜2
2の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル
基、nは0〜20の整数、YはOまたはCOO、kは0
または1の整数を示す)
【0010】また、本発明は、上記一般式(1)表示のア
ミノ酸誘導体と顔料、溶剤、更に必要に応じて樹脂を含
有する塗料又はインキ組成物である。
【0011】更に本発明は、樹脂として水性樹脂を含有
してなる塗料又はインキ組成物である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0013】一般式(1)で表されるアミノ酸誘導体は、
下記一般式(3)、(4)で表されるグリシジルエーテル、
下記一般式(5)で表されるグリシジルエステルまたは下
記一般式(6)で表されるエポキシアルカンと中性又は酸
性アミノ酸とを反応させることによって容易に製造する
ことができる。例えば、エポキシアルカンとアミノ酸と
の反応について特開平48−22417号公報に記載さ
れている。
【0014】
【化5】 (式中、R1は前記と同意義)
【0015】
【化6】 (式中、R1は前記と同意義、qは1〜20の整数を示
す)
【0016】
【化7】 (式中、R1は前記と同意義)
【0017】
【化8】 (式中、R1は前記と同意義)
【0018】本発明におけるアミノ酸誘導体を製造する
際に使用するアミノ酸としては酸性アミノ酸、中性アミ
ノ酸またはそれらのN−モノC15アルキル置換体であ
れば特に限定されない。具体例を示すとグルタミン酸、
アスパラギン酸等の酸性アミノ酸、グリシン、アラニ
ン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、ε−アミノカプロ
ン酸、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、フェ
ニルアラニン、ザルコシン、グルタミン、タウリン等の
中性アミノ酸が挙げられる。酸性アミノ酸としてはグル
タミン酸が好ましい。耐熱老化性改善効果の点では酸性
アミノ酸よりも中性アミノ酸が好ましく、特にグリシ
ン、アラニン、β−アラニン、ロイシン、バリン、スレ
オニンが好ましい。これらのアミノ酸は、1種類を各々
単独で用いることもできるし、2種類以上を混合して用
いることもできる。
【0019】本発明で用いられるアミノ酸誘導体を製造
する際に使用するアミノ酸は、L体、D体およびラセミ
体のいずれでも良いが、好ましくは工業的に容易に入手
できるラセミ体またはL体、更に好ましくは生成物の配
向性、結晶性および生分解性の点でL体である。
【0020】上記一般式(4)又は(5)で表されるグリシ
ジルエーテルは、例えば水酸基を1つ有する高級アルコ
ール化合物又はそのエチレンオキサイド(EO)1〜20
モル付加物とエピクロロヒドリンを水酸化ナトリウム等
の塩基性触媒存在下、加熱反応させることにより得るこ
とができる。具体例としては、2−エチルヘキシルグリ
シジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、アルキル
(C12-13)グリシジルエーテル、セチルグリシジルエー
テル、ステアリルグリシジルエーテル、ノニルフェニル
グリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、E
O変性ラウリルグリシジルエーテル等のグリシジステア
リルグリシジルエーテル等が挙げられ、これらはそれぞ
れ単一組成でも2種以上の任意の割合の混合物でもよ
い。
【0021】工業的に入手可能なグリシジルエーテルと
しては、例えば、日本油脂(株)製の「エピオールL−4
1」(デシルグリシジルエーテル)、「エピオールSK」
(ステアリルジグリシルエーテル)、エイ・シー・アイ
・ジャパン・リミテッド製の「ヘロキシ8」(ドデシル
グリシジルエーテル及びテトラデシルグリシジルエーテ
ルの混合物)、ナガセ化成工業(株)製の「デナコールE
X−192」(ドデシルグリシジルエーテル及びテトラ
デシルグリシジルエーテルの混合物)、阪本薬品工業
(株)製の「SY−25L」(デシルグリシジルエーテル
及びドデシルグリシジルエーテルの混合物)、日本油脂
(株)製の「エピオールBE−200」(EO=0〜9ブ
トキシポリエチレングルコールモノグリシジルエーテ
ル)、長瀬化成工業(株)製の「デナコールEX17
1」(ラウリルアルコール(EO)15グリシジルエー
テル)等が挙げられる。
【0022】上記一般式(5)で表されるグリシジルエ
ステルは、例えば高級脂肪酸とエピクロロヒドリンを水
酸化ナトリウム等の塩基性触媒存在下、加熱反応させる
ことにより得ることができる。工業的に入手可能なもの
としては、例えば、日本油脂(株)製の「ブレンマーDF
A」が挙げられる。
【0023】上記一般式(6)で表されるエポキシアルカ
ンとしては、例えばα−オレフィンと過酸化物、例えば
過酢酸と反応して得ることが出来る。具体例としては、
1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシウンデカ
ン、1,2−エポキシテトラデカン等が挙げられ、工業
的に入手可能なエポキシアルカンとしては、例えばダイ
セル化学工業(株)製の「AOEX」シリーズのものが挙
げられる。
【0024】本発明におけるアミノ酸誘導体の合成反応
は、通常、溶媒を使用して行われる。用いられる反応溶
媒としては、アミノ酸とグリシジルエーテル、グリシジ
ルエーテル又はエポキシアルカンとが溶解または懸濁す
るものであれば良く、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール等の低級アルコール類、グリセリン、エチレ
ングリコール等の多価アルコール類、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コールモノメチルエーテル等のポリエーテル類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルフォル
ムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、酢酸エ
チル、蟻酸メチル等のエステル類、ジメチルスルフォキ
サイドあるいはこれらから選ばれる2種類以上の混合溶
媒が挙げられるが、アミノ酸の溶解度を上げるため水と
の混合溶媒として用いるのが好ましい。
【0025】特に低級アルコール、多価アルコールが好
ましく、これらアルコールの1種以上と水との混合溶媒
を用いるのが特に好ましい。
【0026】グリシジルエーテル、グリシジルエステル
又はエポキシアルカンとアミノ酸との使用割合について
は、グリシジルエーテル、グリシジルエステル又はエポ
キシアルカンのエポキシ基1個当たり少なくともアミノ
基の活性水素1個が存在する比率でアミノ酸を使用すれ
ばよい。すなわち、アルキル基で置換されていない、い
わば遊離アミノ基を持った中性及び酸性アミノ酸に対し
てほぼ等モル〜2倍モル量のグリシジルエーテル、グリ
シジルエステル又はエポキシアルカンが使用され、N−
モノアルキル置換アミノ酸に対してはほぼ等モル量のグ
リシジルエーテル、グリシジルエステル又はエポキシア
ルカンが使用される。
【0027】この反応は0〜200℃で行えばよいが、
好ましくは40〜150℃で行うと良い。40℃以下、
特に0℃以下では反応が遅く反応時間が長くなってしま
う。他方、150℃以上、特に200℃以上であると製
品に着色を来す。通常加熱還流下で行うのが好ましい。
反応は着色を抑えるために窒素気流下で行うこともでき
る。
【0028】グリシジルエーテル、グリシジルエステル
又はエポキシアルカンとアミノ酸の反応においては副反
応を防ぐため、アミノ酸を塩基性塩として用いるか、反
応を中性〜塩基性条件下で行うのが好ましい。
【0029】アミノ酸誘導体の合成反応において用いら
れるこのような塩基性化合物としては、例えば水酸化ナ
トリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカ
リ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム等のアルカリ土類金属水酸化物、トリエタノールアミ
ン、トリエチルアミン、トリメチルアミン等の三級アミ
ン類を挙げることができる。実際は水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、三級アミンが実用的である。
【0030】反応で過剰に投入したグリシジルエーテル
等を分解したい場合、上記塩基性化合物の存在下に加熱
をするとよい。これによりグリシジルエーテル等のエポ
キシ基を有する化合物を分解することができる。
【0031】反応終了後、アミノ酸誘導体は使用した塩
基性化合物の種類に応じてアルカリ金属塩、アルカリ土
類金属塩、三級アミン塩等の形で得られるが、必要によ
り反応混合物を希硫酸でpH6〜8に調整すれば、遊離
状となすことができる。このようにして得られたアミノ
酸誘導体は遊離状又は塩の形で充填材用表面処理剤とし
て用いられる。尚、アミノ酸誘導体を充填材用表面処理
剤に供するには、必ずしも高純度である必要はなく、反
応混合物をそのまま使用してもよく、反応混合物より溶
媒を留去したものであってもよい。
【0032】本発明で用いられる顔料は、塗料、インキ
分野で使用されているものであれば特に限定されない。
具体的には二酸化チタン、硫化カドミウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、
黄鉛、酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック等の無機顔
料、アゾ系、ジアゾ系、縮合アゾ系、チオインジゴ系、
インダンスロン系、キナクリドン系、アントラキノン
系、ベンゾイミダゾロン系、ペリレン系、ペリノン系、
フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アン
トラピリジン系、ジオキサジン系等の有機顔料が挙げら
れる。また、上記の顔料は単独もしくは2種類以上を併
用してもなんら差し支えない。顔料の粒径についても特
に限定されないが、1mm以下で特に効果が大きい。
【0033】塗料、インキ系中での、これら顔料の配合
量は、顔料の種類により異なり特に限定されるものでは
ないが、好ましくは塗料、インキ組成物の全量のうち
0.1〜90重量部を占める範囲であればよい。0.1
重量部未満ならば、塗料、インキの隠蔽力性能の低下を
もたらし、他方90重量部を越えると顔料分散不良の原
因となり、塗膜光沢、及びレオロジー悪化につながる。
【0034】本発明で用いられる溶剤としては、トルエ
ン、キシレン、高沸点石油炭化水素、n−ヘキサン、シ
クロヘキサン、n−ヘプタンなどの炭化水素系溶剤、塩
化メチレン、クロロホルム、ジクロルエタンなどのハロ
ゲン化炭化水素系溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、ブチルエーテル、ブチルエチルエーテル、ジグライ
ムなどのエーテル系溶剤、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤、酢酸
エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテルアセテート、2−メトキシプロピルアセテートな
どのエステル系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t
−ブチルアルコール、アミルアルコール、n−ヘキシル
アルコール、n−ヘプチルアルコール、2−エチルヘキ
シルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアル
コール、シクロペンタノール、シクロヘキサール、ベン
ジルアルコール、p−t−ブチルベンジルアルコールな
どのアルコール系溶剤、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
エチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエー
テなどのアルキレングリコールのモノエーテル系溶剤の
他、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなど
のアミド系溶剤等が挙げられ、これらは塗料、インキ脂
組成物の用途により適宜選択され、またこれらは単独ま
たは2種以上を混合して適宜使用することができる。
【0035】塗料、インキ組成物を具体的に例示する
と、(着色)塗料、印刷インキ、建築用などに使用される
シーリング剤等の顔料を使用している樹脂製品があげら
れる。
【0036】本発明の塗料、インキ組成物は、顔料分散
剤としてアミノ酸誘導体を使用する以外は、従来の塗
料、インキ組成物とは、その組成及び調製法において異
なるところはない。塗料、インキ組成物が、樹脂、顔
料、顔料分散剤、有機溶剤、その他適宜の添加剤などか
らなることは周知の通りである。
【0037】なお、着色塗料、インキは、樹脂などの塗
膜形成主要素、主要素に少量加えられる塗膜形成副要素
(以上、両要素は併せて塗膜要素(不揮発分)と称され
る)、および溶剤または希釈剤の塗膜助要素(塗膜要素
および塗膜助要素は併せて透明塗料、インキ(展色剤)
と称される)に顔料を加え、混練して製造される。印刷
インキは、樹脂を溶剤に溶解した展色剤に顔料を加えて
製造される。シーリング剤は、樹脂と主に無機顔料を混
練することにより製造される。
【0038】本発明では、これらの組成物にアミノ酸誘
導体を加えることで優れた塗料、インキ組成物を調製す
ることができる。
【0039】本発明で用いられる樹脂としては、水性樹
脂、有機溶剤系樹脂のいずれも挙げられる。水性樹脂
は、建築内外装用などをはじめ、コンクリート、セメン
ト、モルタル、紙および繊維加工用などの各種の分野で
水性エマルション塗料、インキとして利用することので
きる水性塗料、インキ用樹脂、水を含む溶剤に完全に溶
解可能な水溶性樹脂等、水を含む溶剤で用いられる樹脂
を示す。
【0040】本発明に適用可能な水性樹脂として、具体
的には、アクリルエマルション、アクリル・スチレンエ
マルション、酢ビ・ホモエマルション、酢ビ・共重合エ
マルション、エチレン・酢ビエマルション等が挙げられ
る。これらの製造は従来から用いられている次の3つの
方法があげられる。第1の方法は大部分を占めるエマル
ション重合法であり、第2の方法は樹脂をそのまま又は
溶剤に溶かして乳化剤の力により水中に分散させる方法
(強制乳化法)であり、第3の方法は樹脂に親水性の官
能基を付与して水中に分散させる方法(自己乳化法)で
ある。
【0041】有機溶剤系樹脂としては、例えば、アルキ
ッド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ
樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹
脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、
ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル、ポリエ
チレン樹脂等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】本発明に係るアミノ酸誘導体は、これと顔
料、溶剤、更に必要に応じて樹脂、その他添加剤などと
混練して直接塗料、インキ組成物を調製することもでき
るが、また、いわゆる顔料分散ベースの形態にしてから
樹脂、溶剤などを配合して塗料、インキ組成物とするこ
ともできる。
【0043】顔料分散ベースはアミノ酸誘導体、顔料及
び有機溶剤の3成分で構成されても良いし、その3成分
に分散用樹脂(造膜用樹脂)の一部または全部を加えた
4成分、更には消泡剤や表面調整剤等の添加剤を加えた
成分から構成されても良いことは、従来の顔料分散ベー
スと同じである。
【0044】なお、顔料分散ベースはそのままで塗料や
印刷インキとして使用することができるが、さらに分散
用樹脂やその他の樹脂を加えることにより塗料、インキ
として使用することもできる。
【0045】上記顔料分散ベース及び塗料、インキ組成
物は、それぞれの用途に応じて所要の成分原料をロール
ミル、ボールミル、サンドグランドミル、ペイントシェ
ーカー、ニーダー、ディゾルバー、超音波分散機などを
適宜用いて分散することにより調製することができる。
【0046】この場合、予めアミノ酸誘導体で表面処理
を施した顔料を樹脂と混練してもよく、またアミノ酸誘
導体、顔料および樹脂を同時に混練するインテグラルブ
レンド法を適用しても良い。
【0047】本発明の塗料、インキ組成物は、その作製
に当り有機溶剤の量を適宜加減することにより、そのま
ま使用に供し得る濃度のものとして流通に置くこともで
きるし、また濃厚物の形態で流通に置き、購入者におい
て溶剤で薄めて適当な濃度に調整して使用することもで
きることはもちろんである。
【0048】アミノ酸誘導体による顔料の処理方法は、
ヘンシェルミキサー、ボールミル、アトマイザーコロイ
ドミル、バンバリミキサ等を用いた乾式法、溶剤中で処
理した後、溶剤を除去する湿式溶剤法を用いればよい。
湿式溶剤法で用いる溶剤を例示するならば、トルエン、
キシレンなどの芳香族類、n−ヘキサン、n−ヘプタン
等の脂肪族炭化水素類、イソプロパノール、ブタノール
等のアルコール類、エチルセルソルブ、ブチルセルソル
ブ等のエーテル類、メチルエチルケトン、アセトン等の
ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、水
等を挙げることができる。
【0049】アミノ酸誘導体は、通常、塗料、インキ組
成物における顔料に対して1〜200重量%使用され
る。
【0050】また、塗料、インキ調製における貯蔵安定
性、塗料、インキ作業性をよくする目的で増粘剤を配合
してもよく、一般的に水溶性高分子化合物が使用され
る。
【0051】増粘剤として、メチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、カゼイン、
カゼイン酸ソーダ、キサンタンガム、ポリアクリル酸、
モンモリロナイト等が挙げられる。
【0052】これら増粘剤の配合量は特に限定されるも
のではないが、好ましくは塗料又はインキ組成物全量の
うち、0〜10重量部、特に0.1〜2重量部を占める
範囲が好ましい。
【0053】本発明の塗料又はインキ組成物にさらに、
エマルション塗料、インキの製造工程中の空気の巻き込
み、泡の発生を防止するために使用されるシリコーン
系、界面活性剤系等の消泡剤、低温暴露の際、凍結によ
るエマルションの破壊を防止するために使用されるエチ
レングリコール、ジエチレングリコール等の凍結融解安
定剤や、エマルション塗膜をよりよく形成させるための
カルビトール、カルビトールアセテート、ブチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブアセテート等の皮膜形成助剤等
を配合してもなんら差し支えない。
【0054】本発明の塗料又はインキ組成物を製造する
好ましい実施態様を示すと、先ずアミノ酸誘導体、顔
料、増粘剤、および水、さらに必要に応じて消泡剤等を
ディゾルバー、ホモジナイザー、ホモミキサー等の混合
機を用いてプレミックスし、これをペイントシェーカ
ー、サンドミル、アトライター、ボールミル、ロールミ
ル、ニーダー等の分散機を用いて、顔料ベースを調製
し、次いでこの顔料ベースを用い、エマルション樹脂、
必要に応じて凍結融解安定剤、皮膜形成助剤、消泡剤等
をさらに混合機を用いて混合させ、最後に濾過する方法
が挙げられる。
【0055】以下に代表的な塗料、インキ配合例を以下
に示す。 [塗料、インキの配合例] 50%濃度エマルション樹脂 100部 二酸化チタン 70 炭酸カルシウム 200 水 100 分散剤 2 消泡剤 1 増粘剤(10%水溶液) 20 凍結融解安定剤 1 皮膜形成助剤 1
【0056】
【実施例】次に、本発明で用いられるアミノ酸誘導体の
製造並びにそれを用いた顔料分散剤について、その内容
を実施例及び比較例を挙げて詳細に説明する。なお、以
下の実施例は本発明の技術的範囲を限定するものではな
く、本発明の内容をより明確に例示するためにのみ使用
される。又、各例における「部」および「%」はいずれ
も重量基準によるものであり、「モル」はモル比を意味
する。
【0057】製造例1:アミノ酸誘導体の合成(その
1) 温度計、攪拌機、窒素導入口及び還流管を備えた反応フ
ラスコ内に、グルタミン酸87.01部(0.5モル)、水
酸化ナトリウム40.0部(1.0モル)、水80部及びイ
ソプロピルアルコール220部を仕込み、窒素気流下
で、アルキル(C 12-14)グリシジルエーテル(「SY−
40M」、商品名 坂本薬品製)128.5部(0.5モ
ル)を滴下して1時間放置後、加熱して還流しながら3
時間保持して反応させ、IRでエポキシ基由来の特性吸
収が消失したことをもって反応の終了を確認した。2層
に分離した反応混合物より水層(下層)のみを取り出し
て顔料ベース調製用に供した。
【0058】製造例2:アミノ酸誘導体の合成(その
2) 製造例1におけると同じ反応フラスコ内に、グルタミン
酸87.01部(0.5モル)、トリエタノールアミン1
49.19部(1.0モル)、水80部及びイソプロピル
アルコール220部を仕込み、窒素気流下で、アルキル
(C12-14)グリシジルエーテル(「SY−40M」坂本
薬品製)128.5部(0.5モル)を滴下して1時間
放置後、加熱して還流しながら3時間保持して反応さ
せ、IRでエポキシ基由来の特性吸収が消失したことを
もって反応の終了を確認した。2層に分離した反応混合
物より水層(下層)のみを取り出して顔料ベース調製用
に供した。
【0059】製造例3:アミノ酸誘導体の合成(その
3) 製造例1におけると同じ反応フラスコ内に、スレオニン
59.6部(0.5モル)、水酸化ナトリウム20.0
部(0.5モル)、水150部及びイソプロピルアルコ
ール150部を仕込み、窒素気流下で、アルキル(C
12-14)グリシジルエーテル(「SY−40M」坂本薬
品製)134.5部(0.5モル)を滴下して1時間放
置後、加熱して還流しながら3時間保持して反応させ、
IRでエポキシ基由来の特性吸収が消失したことをもっ
て反応の終了を確認した。生成した均一反応液をそのま
ま顔料ベース調製用に供した。
【0060】製造例4:アミノ酸誘導体の合成(その
4) 製造例1におけると同じ反応フラスコ内に、ザルコシン
49.0部(0.55モル)、水酸化ナトリウム22.
0部(0.55モル)、水150部及びイソプロピルア
ルコール150部を仕込み、窒素気流下で、アルキル
(C12-14)グリシジルエーテル(「SY−40M」坂本
薬品製)147.95部(0.55モル)を滴下して1
時間放置後、加熱して還流しながら3時間保持して反応
させ、IRでエポキシ基由来の特性吸収が消失したこと
をもって反応の終了を確認した。生成した均一反応液を
そのまま顔料ベース調製用に供した。
【0061】製造例5:アミノ酸誘導体の合成(その
5) 製造例1におけると同じ反応フラスコ内に、グリシン4
5.04部(0.6モル)、水酸化カルシウム22.2
部(0.3モル)、水150部及びイソプロピルアルコ
ール150部を仕込み、窒素気流下で、アルキル(C
12-14)グリシジルエーテル(「SY−40M」坂本薬
品製)161.4部(0.6モル)を滴下して1時間放
置後、加熱して還流しながら3時間保持して反応させ、
IRでエポキシ基由来の特性吸収が消失したことをもっ
て反応の終了を確認した。生成した均一反応液をそのま
ま顔料ベース調製用に供した。
【0062】製造例6:アミノ酸誘導体の合成(その
6) 製造例1におけると同じ反応フラスコ内に、β−アラニ
ン49.0部(0.55モル)、水酸化ナトリウム22.
0部(0.55モル)、水150部及びイソプロピルア
ルコール150部を仕込み、窒素気流下で、アルキル
(C12-14)グリシジルエーテル(「SY−40M」坂本
薬品製)147.95部(0.55モル)を滴下して1
時間放置後、加熱して還流しながら3時間保持して反応
させ、IRでエポキシ基由来の特性吸収が消失したこと
をもって反応の終了を確認した。生成した均一反応液を
そのまま顔料ベース調製用に供した。
【0063】製造例7:アミノ酸誘導体の合成(その
7) 製造例1におけると同じ反応フラスコ内に、グルタミン
酸87.01部(0.5モル)、水酸化ナトリウム40.
0部(1.0モル)、水80部及びイソプロピルアルコ
ール220部を仕込み、窒素気流下で、α−エポキシア
ルカン(C12-14)(「AOEX24」、商品名 ダイセ
ル化学工業製)98.0部(0.5モル)を滴下して1
時間放置後、加熱して還流しながら3時間保持して反応
させ、IRでエポキシ基由来の特性吸収が消失したこと
をもって反応の終了を確認した。2層に分離した反応混
合物より水層(下層)のみを取り出して顔料ベース調製
用に供した。
【0064】製造例8:アミノ酸誘導体の合成(その
8) 製造例1におけると同じ反応フラスコ内に、グルタミン
酸87.01部(0.5モル)、水酸化ナトリウム40.
0部(1.0モル)、水80部及びイソプロピルアルコー
ル220部を仕込み、窒素気流下で、ココイルグリシジ
ルエステル(「ブレンマーDFA」、商品名 日本油脂
製)162.0部(0.5モル)を滴下して1時間放置
後、加熱して還流しながら3時間保持して反応させ、I
Rでエポキシ基由来の特性吸収が消失したことをもって
反応の終了を確認した。2層に分離した反応混合物より
水層(下層)のみを取り出して顔料ベース調製用に供し
た。
【0065】(顔料ベースの調製と評価)以下の方法で
顔料ベースを作成した。なお、得られた顔料ベースは、
B型粘度計を使用して20℃における粘度(6rpm及
び60rpmそれぞれの値)を測定し、この粘度の値か
らチキソトロピーインデックス値(TI値)(6/60
rpm)を求め、この粘度比をレオロジー特性の指標と
した。
【0066】実施例1 顔料として、酸化チタン「タイペークCR−50」[商
品名、石原産業(株)製]を用い、さらに増粘剤として、
「チローゼH10000P」[商品名、ヘキスト合成
(株)製;不揮発分=1%]、消泡剤として、「サーフ
ィノール104H」[商品名、日信化学(株)製;不揮発
分=75%]、製造例1で製造したアミノ酸誘導体、お
よび脱イオン水を表1に示す処方に従い配合し、ホモミ
キサー(特殊機化工業(株)製)を使用して均一に混合し
た後、ペイントシェーカー(レッドデビル(株)製)で顔
料分散を行い、顔料ベースを得た。
【0067】実施例2 製造例1で製造したアミノ酸誘導体の代わりに製造例3
で製造したアミノ酸誘導体を使用して、表1に示す処方
に従い配合し、実施例1と同様な方法により、顔料ベー
スを得た。
【0068】実施例3 製造例1で製造したアミノ酸誘導体の代わりに製造例5
で製造したアミノ酸誘導体を使用して、表1に示す処方
に従い配合し、実施例1と同様な方法により、顔料ベー
スを得た。
【0069】実施例4 製造例1で製造したアミノ酸誘導体の代わりに製造例7
で製造したアミノ酸誘導体を使用して、表1に示す処方
に従い配合し、実施例1と同様な方法により、顔料ベー
スを得た。
【0070】実施例5 製造例1で製造したアミノ酸誘導体の代わりに製造例8
で製造したアミノ酸誘導体を使用して、表1に示す処方
に従い配合し、実施例1と同様な作製方法により、顔料
ベースを得た。
【0071】実施例6 顔料としてベンガラ「バイフェロックス110M」[バ
イエル(株)製]を使用し、表1に示す処方に従い配合
し、実施例1と同様な方法により、顔料ベースを得た。
【0072】実施例7 顔料としてベンガラ「バイフェロックス110M」、製
造例1で製造したアミノ酸誘導体の代わりに製造例2で
製造したアミノ酸誘導体を使用し、表1に示す処方に従
い配合し、実施例1と同様な方法により、顔料ベースを
得た。
【0073】実施例8 顔料としてベンガラ「バイフェロックス110M」、製
造例1で製造したアミノ酸誘導体の代わりに製造例4で
製造したアミノ酸誘導体を使用し、表1に示す処方に従
い配合し、実施例1と同様な方法により、顔料ベースを
得た。
【0074】実施例9 顔料としてカーボンブラック「MA−100」[三菱化
学(株)製]、製造例1で製造したアミノ酸誘導体の代わ
りに製造例2で製造したアミノ酸誘導体を使用し、表1
に示す処方に従い配合し、実施例1と同様な方法によ
り、顔料ベースを得た。
【0075】実施例10 顔料としてカーボンブラック「MA−100」、製造例
1で製造したアミノ酸誘導体の代わりに製造例6で製造
したアミノ酸誘導体を使用し、表1に示す処方に従い配
合し、実施例1と同様な方法により、顔料ベースを得
た。
【0076】比較例1 顔料として酸化チタン「タイペークCR−50」を用
い、増粘剤として「チローゼH10000P」、消泡剤
として「サーフィノール104H」、分散剤としてポリ
カルボン酸NH4塩「ディスコートN−14」[商品名、
第一工業製薬(株)製]、および脱イオン水を表1に示す
処方に従い配合し、実施例1と同様な方法により、顔料
ベースを得た。
【0077】比較例2 顔料として酸化チタン「タイペークCR−50」、分散
剤としてナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物「デモ
ールN」[商品名、花王(株)製]を使用して、表1に示す
処方に従い配合し、実施例1と同様な方法により、顔料
ベースを得た。
【0078】比較例3 顔料としてベンガラ「バイフェロックス110M」、分
散剤とし「ディスコートN−14」を使用して、表1に
示す処方に従い配合し、実施例1と同様な方法により、
顔料ベースを得た。
【0079】比較例4:顔料としてカーボンブラック
「MA−100」、分散剤として「ディスコートN−1
4」を使用して、表1に示す処方に従い配合し、実施例
1と同様な方法により、顔料ベースを得た。
【0080】
【表1】 注) *1:「タイペークCR−50」[商品名、石原産業
(株)製]を使用した。 *2:「バイフェロックス110M」[商品名、バイエ
ル(株)製]を使用した。 *3:「MA−100」[商品名、三菱化学(株)製]を
使用した。 *4:「チローゼH10000P」[商品名、ヘキスト
合成(株)製]を使用した。 *5:「サーフィノール104H」[商品名、日信化学
(株)製]を使用した。 *6:「ディスコートN−14」[商品名、第一工業製
薬(株)製]を使用した。 *7:「デモールN」[商品名、花王(株)製]を使用し
た。
【0081】表1に示した結果から、分散剤としてアミ
ノ酸誘導体を用いると、粘度とチキソトロピーインダッ
クス(TI値)も低いため良好な分散状態が得られてい
ることが分かる。
【0082】(塗料組成物の調製と評価)以下の方法で
塗料組成物を製造した。なお、得られた塗料組成物は、
アセトンにより脱脂したガラス板にバーコーターを使用
して塗布し、常温で乾燥後、JIS K 5400 7.6
に従い、各試験片塗膜の60度、20度鏡面光沢度を測
定した。さらに、JIS K 5400 7.1に従い塗膜
外観の良否を判断した。
【0083】実施例11 実施例1で得た顔料ベースを使用して、表2に示す処方
に従い、アクリルエマルション樹脂として「ボンコート
3990」[商品名、大日本インキ化学工業(株)製;
不揮発分=50%]、さらに溶剤として、エチレングリ
コールおよびブチルセロソルブを配合し、ホモミキサー
(特殊機化工業(株)製)を使用して、均一になるまで撹
拌混合を行って、塗料組成物を得た。
【0084】実施例12〜16 実施例2、6、8〜10で得た顔料ベースを使用して、
表2に示す処方に従い、実施例11と同様な方法によ
り、塗料組成物を得た。
【0085】実施例17 実施例2で得た顔料ベースを使用して、塗料組成物調製
時の樹脂をアクリルエマルション樹脂「ボンコート39
90」から酢酸ビニルエマルション樹脂「ボンコート2
310」[大日本インキ化学工業(株)製;不揮発分=5
0%]に変更して表2に示す処方に従い、実施例11と
同様な方法により、塗料組成物を得た。
【0086】実施例18 実施例3で得た顔料ベースを使用して、表2に示す処方
に従い、実施例17と同様な方法により、塗料組成物を
得た。
【0087】実施例19 実施例4で得た顔料ベースを使用して、表2に示す処方
に従い、実施例17と同様な方法により、塗料組成物を
得た。
【0088】実施例20 実施例5で得た顔料ベースを使用して、表2に示す処方
に従い、実施例17と同様な方法により、塗料組成物を
得た。
【0089】実施例21 実施例7で得た顔料ベースを使用して、表2に示す処方
に従い、実施例17と同様な方法により、塗料組成物を
得た。
【0090】実施例22 実施例8で得た顔料ベースを使用して、表2に示す処方
に従い、実施例17と同様な方法により、塗料組成物を
得た。
【0091】比較例5 比較例1で得た顔料ベースを使用して、アクリルエマル
ション樹脂として「ボンコート3990」、さらに溶剤
として、エチレングリコールおよびブチルセロソルブを
表2に示す処方に従って配合し、ホモミキサー(特殊機
化工業(株)製)を使用して、均一になるまで撹拌混合を
行って、塗料組成物を得た。
【0092】比較例6 比較例1で得た顔料ベースを使用して、塗料組成物調製
時の樹脂をアクリルエマルション樹脂「ボンコート39
90」から酢酸ビニルエマルション樹脂「ボンコート2
310」に変更して表2に示す処方に従い、実施例11
と同様な方法により、塗料組成物を得た。
【0093】比較例7〜8 比較例2〜3で得た顔料ベースを使用して、表2に示す
処方に従い、実施例11と同様な方法により、塗料組成
物を得た。
【0094】比較例9 比較例3で得た顔料ベースを使用して、表2に示す処方
に従い、実施例11と同様な方法により、塗料組成物を
得た。
【0095】比較例10 比較例4で得た顔料ベースを使用して、表2に示す処方
に従い、実施例11と同様な方法により、塗料組成物を
得た。
【0096】
【表2】 注) *8:「ボンコート3990」[商品名、大日本インキ
化学工業(株)製]を使用した。 *9:「ボンコート2310」[商品名、大日本インキ
化学工業(株)製]を使用した。
【0097】
【発明の効果】以上のように、本発明におけるアミノ酸
誘導体を顔料分散剤として使用することにより、顔料ベ
ース並びに塗料又はインキ組成物のレオロジー特性、塗
膜光沢のいずれも向上していることが分かる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D077 AA03 AB04 AB05 AB06 AC05 BA07 BA20 CA15 DC02Y DC08Z DC12Y DC19Y DC19Z DC32Y DC32Z DC50Z DD32Y DE02Y DE07Y DE08Y DE09Y 4J037 AA02 AA10 AA12 AA15 AA18 AA22 CB04 CB09 CB10 CB16 CC25 DD24 FF09 FF15 4J038 CB051 CD091 CF021 CG141 CJ031 DA111 DD001 DD121 DH001 DL031 JB10 JC43 KA06 KA08 KA09 MA08 4J039 AD01 AD03 AD04 AD05 AD08 AD10 AE02 AE03 AE04 AE05 AE06 AE07 AE08 AE11 BA13 BA16 BA30 BA35 BB00 BC07 BC12 BC19 BC20 BC34 BE01 BE12 BE22 CA03 CA04 CA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)示されるアミノ酸誘導体
    を有効成分とした顔料分散剤。 【化1】 (式中、R1は炭素原子数8〜22の直鎖あるいは分岐鎖
    のアルキル基またはアルケニル基、mは0〜20の整
    数、YはOまたはCOO、jは0または1の整数、Xは
    水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基または下記一
    般式(2)で表される置換基、Aはアミノ基部分を除いた
    中性または酸性アミノ酸残基を示す) 【化2】 (式中、R2はR1と同一または異なる炭素原子数8〜2
    2の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル
    基、nは0〜20の整数、YはOまたはCOO、kは0
    または1の整数を示す)
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、Xが水素原子また
    はメチル基である請求項1記載の顔料分散剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1)において、Xが水素原子、A
    がグリシン、スレオニン、アラニン、β−アラニン、ロ
    イシン又はバリンから派生された中性アミノ酸残基であ
    る請求項1記載の顔料分散剤。
  4. 【請求項4】 一般式(1)において、Xがメチル基、A
    がアミノ基部分を除いたグリシン残基である請求項1記
    載の顔料分散剤。
  5. 【請求項5】 一般式(1)において、Xが水素原子、A
    がアミノ基部分を除いたグルタミン酸残基である請求項
    1記載の顔料分散剤。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5記載の顔料分散剤と顔料
    及び溶剤を含有する塗料又はインキ組成物。
  7. 【請求項7】 更に樹脂を配合してなる請求項6記載の
    塗料又はインキ組成物。
  8. 【請求項8】 前記樹脂が水性樹脂である請求項7記載
    の塗料又はインキ組成物。
JP310599A 1999-01-08 1999-01-08 顔料分散剤およびこれを含有する塗料又はインキ組成物 Pending JP2000204281A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP310599A JP2000204281A (ja) 1999-01-08 1999-01-08 顔料分散剤およびこれを含有する塗料又はインキ組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP310599A JP2000204281A (ja) 1999-01-08 1999-01-08 顔料分散剤およびこれを含有する塗料又はインキ組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000204281A true JP2000204281A (ja) 2000-07-25

Family

ID=11548080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP310599A Pending JP2000204281A (ja) 1999-01-08 1999-01-08 顔料分散剤およびこれを含有する塗料又はインキ組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000204281A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002031010A1 (fr) * 2000-10-13 2002-04-18 Kansai Paint Co., Ltd. Resine pour dispersion de pigment
US6994745B2 (en) 2001-04-05 2006-02-07 Kansai Paint Co., Ltd. Pigment dispersing resin
JP2007537328A (ja) * 2004-05-13 2007-12-20 ハンツマン・ペトロケミカル・コーポレーシヨン インク中の櫛形ポリエーテルアルカノールアミン
JP2009144117A (ja) * 2007-12-18 2009-07-02 Riso Kagaku Corp 非水系顔料インク
JP2009144118A (ja) * 2007-12-18 2009-07-02 Riso Kagaku Corp 非水系顔料インク
CN113563211A (zh) * 2021-07-27 2021-10-29 常州大学 一种新型氨基酸及葡胺类表面活性剂的制备方法
WO2024185534A1 (ja) * 2023-03-08 2024-09-12 Dic株式会社 顔料組成物の製造方法、顔料組成物、インク及び印刷物

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002031010A1 (fr) * 2000-10-13 2002-04-18 Kansai Paint Co., Ltd. Resine pour dispersion de pigment
US7026392B2 (en) 2000-10-13 2006-04-11 Kansai Paint Co., Ltd. Resin for pigment dispersion
US6994745B2 (en) 2001-04-05 2006-02-07 Kansai Paint Co., Ltd. Pigment dispersing resin
US7271213B2 (en) 2001-04-05 2007-09-18 Kansai Paint Co., Ltd. Pigment dispersing resin
JP2007537328A (ja) * 2004-05-13 2007-12-20 ハンツマン・ペトロケミカル・コーポレーシヨン インク中の櫛形ポリエーテルアルカノールアミン
JP2009144117A (ja) * 2007-12-18 2009-07-02 Riso Kagaku Corp 非水系顔料インク
JP2009144118A (ja) * 2007-12-18 2009-07-02 Riso Kagaku Corp 非水系顔料インク
US8389622B2 (en) 2007-12-18 2013-03-05 Riso Kagaku Corporation Non-aqueous pigment ink
US8642695B2 (en) 2007-12-18 2014-02-04 Riso Kagaku Corporation Non-aqueous pigment ink
CN113563211A (zh) * 2021-07-27 2021-10-29 常州大学 一种新型氨基酸及葡胺类表面活性剂的制备方法
WO2024185534A1 (ja) * 2023-03-08 2024-09-12 Dic株式会社 顔料組成物の製造方法、顔料組成物、インク及び印刷物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0983306B1 (en) Process for preparing reactive latex blends which are chemically and physically stable until film formation
JP2011511142A (ja) 湿潤分散剤
JP2010514863A (ja) 変性櫛形共重合体
JP2012509946A (ja) グリシジルエーテルコポリマーを含む組成物
JPH09169821A (ja) 顔料分散剤
CA2649780C (en) Stabilizers for improved open time of aqueous coatings
CN107216761A (zh) 高固体分的水溶性丙烯酸树脂的制备方法
JP2000204281A (ja) 顔料分散剤およびこれを含有する塗料又はインキ組成物
US20150240020A1 (en) Dispersing resins for pigment preparations having a low volatile organic content
US9359519B2 (en) Surfactants for aqueous based coatings
TW200825141A (en) Modified colorants with aliphatic poly-acid groups
CN102850863A (zh) 一种五合一墙面漆及其生产工艺
JP3100585B2 (ja) 水性塗料用顔料分散剤の製造方法
CN108659660A (zh) 一种木质工艺品用耐水耐热的水性木器漆的制备方法
EP3112426B1 (en) Polymer encapsulated tio2 coating formulation
ES2966633T3 (es) Composiciones de recubrimiento acuosas y métodos para mejorar la estabilidad de congelación/descongelación de composiciones de recubrimiento acuosas
CN108504211A (zh) 一种水性氟涂料
WO2020035124A1 (en) Surface active adjuvant for coatings
JPH0762120B2 (ja) 着色剤組成物
JPS61234919A (ja) 顔料分散剤
JPH10279905A (ja) 水性被膜形成組成物、及び接着剤組成物
JPH09241535A (ja) 塗料組成物
EP4008738A1 (en) High molecular weight block copolymers
WO2024070862A1 (ja) フタロシアニン顔料、フタロシアニン化合物、着色組成物、フタロシアニン顔料の製造方法、及び着色組成物の製造方法
JPH07196883A (ja) ジケトピロロピロールとアミノアルキルアクリレート樹脂との顔料組成物